JP2020104862A - 開口部形状保持機能付きスタンディングパウチ - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸気抜き機構を有して電子レンジ等による加熱、調理に適性があり、開封した後において、開口部が広げられた状態を保持することができる、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチを提供することを課題とする。【解決手段】スタンディングパウチは、前側胴部、後ろ側胴部、底フィルム、および形状保持部材からなり、前側胴部には、前側胴部から張り出した分岐が形成されており、分岐は、パウチ内部の圧力の上昇によって、内部の水蒸気を外部に排出することができる蒸気抜き機構を有しており、胴部はまた、パウチ幅方向に開封予定線を有しており、さらに少なくとも一方の胴部において、開封予定線の位置に沿って、その近傍の下方には、前記形状保持部材が、胴部内側にパウチ幅方向全体、またはパウチ幅方向の一部に接着されていることを特徴とする、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチである。【選択図】図1

Description

本発明はスタンディングパウチに関するものである。特に、プラスチックフィルムを基材とした積層体からなるスタンディングパウチで、パウチ内側には内容物を収納可能で、かつ自立性を有し、また蒸気抜き機構を有して電子レンジによる加熱、調理に適性があり、さらに開封した際には開口部の形状を保持して、内容物の取出しや食器等の出し入れにおける利便性に優れた、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチに関するものである。
包装材料の一種であるパウチは、プラスチックフィルムを基材とする単体または積層体から構成されるものが広く普及しており、さまざまな形態のものが、幅広い用途に用いられており、現代生活にとっては不可欠なものとなっている。
パウチはまた、例えば液体容器としても用いられ、飲料のほかレトルト食品などの食品分野でも広く用いられているほか、日用品やトイレタリーの分野でも、さまざまな商品がスーパーマーケットやドラッグストア、コンビニエンスストアの商品棚をにぎわしている。また、液体容器のほかにも、様々な用途展開がなされている。
パウチの利点は、缶や瓶などの容器に比べて、価格が安いことや、要求品質によってきめ細かい材料設計で対応できる点、あるいは内容物収納前、および流通や保管においても軽量で省スペースであることが挙げられる。またパウチは、廃棄物を減らすという観点からは環境適応型であるといえる。
また表面から見える層への高精細の印刷によって、商品のイメージアップを図ることができ、内容物に関する必要な情報を表示することが可能であり、バーコードの印刷などは、商品の流通やマーケティング情報の源泉ともなっている。
パウチの中には、自立性を持たせたものも商品化されており、一般にスタンディングパウチと呼ばれている。自立性を持たせることにより、容器としての姿勢の保持、内容物の取り出しにおいて一層の利便性が図られてきた。
あるいは、食品等を収納したスタンディングパウチの電子レンジによる加熱、調理において、消費者の使い勝手のよさという視点からは、加熱、調理に際してスタンディングパウチ内部で発生した水蒸気が、内圧の急激な上昇を招くために、蒸気抜き機構を有していることが好適とされる。
さらに、加熱、調理後のスタンディングパウチの開封に際して、蒸気抜きの機能は残留した水蒸気による、手指のやけど防止のためにも有効であり、また開口部の開封性の容易さに加えて、開口部の形状の保持などの機能が重要視されている。
特許文献1には、内容物を収納した状態において自立性を有するスタンディングパウチの提案がなされているが、自立性や収納性にのみ重点が置かれ、開口部がスタンディングパウチの上部の切り取りによって形成された後の、開口部の形状保持については考慮されたものではなかった。
また一般にコンビニエンスストアなどでは、多くの食品が、トレー、プラスチック容器、あるいはスタンディングパウチなどに収納されて、消費者に供されている。このうち、
トレー、プラスチック容器は内容物がなくなったあと、洗浄して廃棄する必要があった。しかしながら、コンビニエンスストアのイートインスペースや、野外での喫食においては実施することが困難であった。
また、スタンディングパウチのうち、一般的なチャック付きのものは、パウチの開口部が閉塞しやすく、パウチからの直接の喫食には不向きであって、内容物の取り出し、食器の出し入れに困難を伴なうものであった。
特開2006−96388号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、蒸気抜き機構を有して電子レンジ等による加熱、調理に適性があり、開封した後において、開口部が広げられた状態を保持することができる、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチを提供することを課題とする。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、
内容物の収納空間を有するスタンディングパウチにおいて、
スタンディングパウチは、前側胴部、後ろ側胴部、底フィルム、および形状保持部材からなり、
前側胴部は、前側胴部上方から連続するフィルムと、前側胴部下方から連続するフィルムとで構成されており、
前側胴部と後ろ側胴部は、四辺を有してシーラント層同士が対向して重ね合わせられ、
前側胴部には、前側胴部から張り出した分岐が形成されており、
分岐は、前側胴部上方から連続するフィルムと、前側胴部下方から連続するフィルムとが重なって、側端部および先端部をシールされて形成されており、
分岐の先端部には、パウチ内部の圧力の上昇によって、内部の水蒸気を外部に排出することができる蒸気抜き機構を有しており、
前記四辺のうち、左右両端部はシールされて密封されており、
胴部下部において底フィルムは、前側胴部と後ろ側胴部との間に折りたたまれて配置され、拡張可能にシールされて、底部は密封されており、
胴部上部において、上端部はシールされて、密封されており、
胴部はまた、パウチ幅方向に開封予定線を有しており、
さらに少なくとも一方の胴部において、開封予定線の位置に沿って、その近傍の下方には、前記形状保持部材が、胴部内側にパウチ幅方向全体、またはパウチ幅方向の一部に接着されていることを特徴とする、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチである。
また、請求項2に記載の発明は、
前記開封予定線は、分岐より下方に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチである。
また、請求項3に記載の発明は、
前記開封予定線は、易開封機構を備えたものであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチである。
また、請求項4に記載の発明は、
前記形状保持部材は、一軸超延伸した高密度ポリエチレン樹脂テープを、シーラント層に溶着したものであることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチである。
また、請求項5に記載の発明は、
前記形状保持部材は、ポリプロピレン樹脂/一軸超延伸したポリエチレン樹脂/ポリプロピレン樹脂の層構成で積層したテープを、シーラント層に溶着したものであるであることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチである。
また、請求項6に記載の発明は、
前記分岐の蒸気抜き機構は、分岐に設けられた脆弱部であって、パウチ内部の圧力が上昇した際には、この部分が破壊されて貫通孔を形成し、蒸気抜き機構として機能することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチである。
また、請求項7に記載の発明は、
前記分岐に設けられた脆弱部は、シール部の一部においてイージーピールフィルムを介してシールされた部分であることを特徴とする請求項6に記載の、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチである。
また、請求項8に記載の発明は、
前記分岐に設けられた脆弱部は、シーラント層として用いるフィルムが、フィルムの流れ方向と直交する方向に、シール後退しやすい特徴を有するブロックポリプロピレン樹脂からなるフィルムであることを特徴とする、請求項6に記載の、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチである。
また、請求項9に記載の発明は、
前記分岐に設けられた脆弱部は、分岐を構成するフィルムに、切り込みが設けられている部分であることを特徴とする、請求項6に記載の、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチである。
また、請求項10に記載の発明は、
前記スタンディングパウチを構成する、前側胴部、後ろ側胴部、底フィルムには、無機化合物蒸着層からなるガスバリア層を含むことを特徴とする、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチである。
本発明によれば、蒸気抜き機構を有して電子レンジ等による加熱、調理に適性があり、開封した後において、開口部が広げられた状態を保持することができる、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチを提供することが可能である。
すなわち、本発明による開口部形状保持機能付きスタンディングパウチは、前側胴部に、分岐を有しており、分岐には蒸気抜き機構を有しているために、たとえば電子レンジ等による加熱、調理によって生じた水蒸気の内圧によって、蒸気抜き機構がはたらいて、水蒸気は自動的にパウチ外部に排出される。
したがって、内圧の上昇によるパウチの爆発的な破袋等を回避することが可能であり、開封作業においても、水蒸気の噴出などによる、手指のやけどなどのおそれをなくすことができ安全である。
また、胴部に設けられた開口部形状保持部材によって、開封時の開口部の形状が保持され、放置しても自然に閉塞することがないために、内容物の取り出しや、箸やスプーンなど食器の出し入れにきわめて利便性が高い。
すなわち、内容物が食品の場合等、直接の喫食などに好適である。したがって、たとえばコンビニエンスストアなどでの加熱、調理、およびイートインスペースなどでの喫食、キャンプなど野外活動等での食事などにも好適な、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチとすることができる。
また、特に請求項2に記載の発明によれば、開封予定線は、分岐より下方に設けられていることによって、開封した際には分岐が取り去られパウチから分離している状態になるために、開口部の形状保持にもより効果的であり、開口部からの内容物の取り出しもより円滑に行なうことができる。
また、特に請求項3に記載の発明によれば、開封予定線は、易開封機構を備えたものであることによって、開封においてより利便性の高い、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチを提供することが可能である。
また、特に請求項4に記載の発明によれば、形状保持部材は、一軸超延伸した高密度ポリエチレン樹脂テープを、シーラント層に溶着したものであることによって、形状保持機能に選りすぐれたスタンディングパウチとすることができる。
また、特に請求項5に記載の発明によれば、形状保持部材は、ポリプロピレン樹脂/一軸超延伸したポリエチレン樹脂/ポリプロピレン樹脂の層構成で積層したテープを、シーラント層に溶着したものとすることができる。これによって、シーラント層への溶着は、容易に行なうことが可能になる。
このとき、このポリプロピレン樹脂は、特殊ポリプロピレン樹脂とポリプロピレン樹脂との共押し出しによって形成することができる。これによって、シーラント層への溶着は、より容易に行なうことが可能になる。
また、特に請求項6に記載の発明によれば、分岐の蒸気抜き機構は、分岐に設けられた脆弱部であって、パウチ内部の圧力が上昇した際には、この部分が破壊されて貫通孔を形成し、自動的に蒸気抜き機構として機能することによって、電子レンジによる加熱、調理にも適した、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチを提供することが可能である。
また、特に請求項7に記載の発明によれば、分岐に設けたれた脆弱部は、シール部の一部においてイージーピールフィルムを介してシールされた部分であることによって、この部分がシール部の脆弱部として機能するために、より安定してまた確実に作動する蒸気抜き機構とすることができる。
また、特に請求項8に記載の発明によれば、分岐に設けられた脆弱部は、シーラント層として用いるフィルムが、フィルムの流れ方向と直交する方向に、シール後退しやすい特徴を有するブロックポリプロピレン樹脂からなるフィルムであることによって、分岐のシール部分が脆弱部として機能するために、より安定してまた確実に作動する蒸気抜き機構とすることができる。
また、特に請求項9に記載の発明によれば、分岐の蒸気抜き機構は、分岐先端のシール
部よる内側の、分岐を構成するフィルムの部分に、切り込みが設けられていることによって、脆弱部が確実に安定して形成され、蒸気抜き機構として作動することを可能にするものである。
また、特に請求項10に記載の発明によれば、パウチを構成する、前側胴部、後ろ側胴部、底フィルムには、無機化合物蒸着層からなるガスバリア層を含むことによって、パウチに収納された内容物の保存性を向上させ、また内容物の外部環境による変質などを防止することのできる、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチを提供することが可能である。
また、ガスバリア層として無機化合物蒸着層を選択することによって、たとえば電子レンジ加熱、調理においては、アルミニウム箔などの金属箔が、スパークを起こすなど不適当であることにくらべて、適性を有している。
加えて無機化合物蒸着層からなるガスバリア層は、金属箔とは異なり、透明性を有するために内容物がパウチ外部から可視であり、内容物の状態が確認できるため、用途によっては利便性が高いパウチとすることができる。
図1は、本発明に係る開口部形状保持機能付きスタンディングパウチにおいて、その一実施態様を説明するための、平面(一部斜視)模式図である。 図2は、本発明に係る開口部形状保持機能付きスタンディングパウチにおいて、他の実施態様を説明するための、平面(一部斜視)模式図である。 図3は、本発明に係る開口部形状保持機能付きスタンディングパウチにおいて、その開口部形状保持部材の取り付けの一実施態様の、開封後の状態を説明するための斜視模式図である。 図4は、本発明に係る開口部形状保持機能付きスタンディングパウチにおいて、その開口部形状保持部材の取り付けの他の実施態様の、開封後の状態を説明するための斜視模式図である。 図5は、本発明に係る開口部形状保持機能付きスタンディングパウチにおいてその実施例1を説明するための、平面(一部斜視)模式図である。 図6は、本発明に係る開口部形状保持機能付きスタンディングパウチにおいてその比較例1を説明するための、平面模式図である。 図7は、本発明に係る開口部形状保持機能付きスタンディングパウチにおいてその比較例2を説明するための、平面模式図である。
以下、本発明を図1〜図7を参照しながら、更に詳しい説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例にのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって限定されるものである。
図1は、本発明に係る開口部形状保持機能付きスタンディングパウチにおいて、その一実施態様を説明するための、平面(一部斜視)模式図である。
本発明は、内容物の収納空間を有するスタンディングパウチ(100)に関するものである。このスタンディングパウチ(100)は、前側胴部(1)、後ろ側胴部(2)、底フィルム(5)、および開口部形状保持部材(20)からなるものである。
すなわち、パウチ内容物の加熱、調理後の開封において、その開口部形状保持部材(20)によって、開口部の形状を保持して、内容物の取出しなどに利便性を有するものである。この開口部形状保持部材(20)は胴部内側、すなわち収納した内容物に接する側に設けられている。
本発明におけるスタンディングパウチ(100)において、この加熱、調理は、たとえば電子レンジによる加熱、調理、に適しており、また熱湯でボイルするなどの加熱、調理も可能である。
また、前側胴部(1)は、前側胴部上方から連続するフィルムと、前側胴部下方から連続するフィルムとで構成されており、前側胴部(1)と後ろ側胴部(2)とは、四辺を有してシーラント層同士が対向して重ね合わせられ、スタンディングパウチ(100)の周縁部をシールされている。
四辺のうち、左右両端部(3)はシールされて密封されており、胴部下部において底フィルム(5)は、前側胴部(1)と後ろ側胴部(2)との間に、折りたたみ線(6)で折りたたまれて配置され、拡張可能に底シール部(4)でシールされて、底部(7)は密封されており、胴部上部において、上端部シール部(8)によってシールされ、スタンディングパウチ(100)は密封されている。
底フィルム(5)の拡張は、内容物がスタンディングパウチ(100)内部に収納されることによってなるものであって、底フィルム(5)の拡張によって、スタンディングパウチ(100)は、平坦な底面を形成することができ、自立性を得ることができる。
この自立性によって、スタンディングパウチ(100)は、その姿勢を保持することが可能であり、商品として、流通販売の時点でも陳列性などにおいて、利便性を有するほか、電子レンジ等による加熱、調理などに好適である。また加熱、調理後の、内容物の取り出しやパウチからの直接の喫食に好適である。
また、前側胴部(1)には、前側胴部(1)から張り出した、分岐(10)が形成されている。この分岐(10)は、前側胴部上方から連続するフィルムと、前側胴部下方から連続するフィルムとが、シーラント層同士が重なって、側端部シール部(12)、および先端部シール部(13)をシールされて形成されている。このシーラント層の、材質また形成については後述する。
分岐(10)は、分岐の折り返し線(11)で前側胴部(1)の上方もしくは下方に折り返し可能であって、スタンディングパウチ(100)に内容物が未収納の場合等には、折り返して、パウチを平坦化することができる。平坦化によって、未収納のパウチは積み重ねが可能になり、省スペース化を図ることができるなど利便性が高い。
また、電子レンジ等による内容物の加熱、調理において、蒸気抜き機構(14)による蒸気抜きが自動的に行なわれる。
すなわち、スタンディングパウチ(100)に収納された内容物は、加熱、調理によって水蒸気を発生して、スタンディングパウチ(100)内部の内圧を上昇させる。
このとき分岐(10)にも水蒸気による内圧上昇が起こり、分岐(10)部分の内部圧力の上昇によって、内部の水蒸気を、自動的に外部に排出することができる蒸気抜き機構(14)を有している。
蒸気抜き機構(14)が形成されていることによって、内容物を収納したスタンディングパウチ(100)は、加熱、調理された場合において、内圧の上昇による爆発的な破袋
や、取り扱い、特に開封時においての、水蒸気の噴出による手指などの火傷などをなくすことができ、より安全性が高まる。
図1に示す例においては、蒸気抜き機構(14)は、分岐(10)の先端部シール部(13)の中央部付近に、イージーピールフィルム(17)による蒸気抜き機構(14)を示してある。
図2は、本発明に係る開口部形状保持機能付きスタンディングパウチにおいて、他の実施態様を説明するための、平面(一部斜視)模式図である。
図2に示す例においては、蒸気抜き機構(14)は、分岐(10)の先端部シール部(13)の中央部付近に、ハーフカット(16)の切込みによる蒸気抜き機構(14)を示してある。
蒸気抜き機構(14)のための脆弱部としては、その方式に特段の制限を設けるものではなく、脆弱部による蒸気抜き機構(14)として機能する限りにおいて、適宜選択することができる。
このハーフカット(16)部分は、分岐を構成するフィルムの部分に、切り込みとして設けられているものであって、切り込みはハーフカットではなくフィルムを貫通するものであってもよい。
すなわち、分岐(10)の蒸気抜き機構(14)は、分岐(10)に設けられた脆弱部によって実現することが可能である。本発明によるスタンディングパウチ(100)に収納された内容物の加熱、調理によって、水蒸気が発生し、パウチ内部の圧力が上昇した際には、この脆弱部が破壊されて貫通孔を形成し、この孔を通じて水蒸気は外部へ放出されるため、蒸気抜き機構(14)として機能することが可能である。
たとえば、図1に示す例のように、脆弱部は分岐(10)に設けられたシール部の一部においてイージーピールフィルム(17)を介してシールされた部分とすることができる。
この部分は、スタンディングパウチ(100)に収納された内容物の加熱、調理によって、水蒸気が発生し、パウチ内部の圧力が上昇した際には、イージーピールフィルム(17)のシール部分は、シール強度が相対的に弱いために、内圧によって内側から剥離が進行し、ついには剥離して、パウチ内部と、パウチ外部との貫通孔を形成することができる。
したがってこの部分が、蒸気抜き機構(14)として機能することができる。また、蒸気抜き機構(14)において、先端部シール部(13)の幅が狭くなっていることによって、脆弱部の機能はより効果的なものとなる。
このイージーピールフィルム(17)による脆弱部の場合には、分岐(10)のシールと同時に形成することができ、また脆弱部として安定したレベルで形成することができるために、より安定してまた確実に作動する蒸気抜き機構(14)とすることができる。
あるいは、図2に示す例のように脆弱部は、分岐(10)を構成するフィルムに、ハーフカット(16)を脆弱部として形成して、蒸気抜き機構(14)とすることができる。
ハーフカット(16)の形成方法については特段の制約を設けるものではなく、脆弱部
による、蒸気抜き機構(14)として作用可能な範囲において、たとえばレーザー光照射によるハーフカット(16)形成、あるいは機械的に刃物を用いたハーフカット(16)形成など、脆弱部による蒸気抜き機構(14)として機能する限りにおいて、適宜選択することが可能である。また、前述のように切り込みはハーフカットではなくフィルムを貫通するものであってもよい。
この部分は、スタンディングパウチ(100)に収納された内容物の加熱、調理によって、水蒸気が発生し、パウチ内部の圧力が上昇した際には、ハーフカット(16)の部分では、フィルム強度が弱くなっており、内圧によってこの部分が破壊されてパウチ内部と、パウチ外部との貫通孔を形成することができる。
したがってこの部分が、蒸気抜き機構(14)として機能することができる。また、蒸気抜き機構(14)において、図2に示すように、先端部シール部(13)の幅を狭くしておくことができる。
狭くなっていることによって、このハーフカットを設けた部分にも、パウチ内部で膨張した水蒸気が入り込んで膨らむために、ハーフカット(16)部にも内圧が作用して、脆弱部の機能はより効果的なものとなる。このようにイージーピールフィルム(17)による蒸気抜き機構(14)と同様に、自動的な蒸気抜き機構(14)として、機能することが可能である。
すなわち、本発明においては、蒸気抜き機構(14)として、イージーピールフィルム(17)による脆弱部を設けてもよく、あるいはハーフカット(16)による脆弱部を設けるのでもよく、脆弱部による蒸気抜き機構(14)として機能する限りにおいて、任意の方法を適宜選択することができる。
さらに、分岐に脆弱部を設ける方法として、シーラント層としてフィルムを用いて、そのフィルムの流れ方向と直交する方向に、シール後退しやすい特徴を有するブロックポリプロピレン樹脂からなるフィルムを用いることによっても、自動的な蒸気抜き機構(14)として、機能することが可能である。
本発明によるスタンディングパウチ(100)において、胴部はまた、パウチ幅方向に開封予定線(15)を有しており、さらに少なくとも一方の胴部において、開封予定線(15)の位置に沿って、その近傍の下方には、開口部形状保持部材(20)が、胴部内側にパウチ幅方向全体、またはパウチ幅方向の一部に接着されている。
すなわち本発明においては、胴部に開口部形状保持部材(20)が、設けられていることによって、スタンディングパウチ(100)の開封後、特にスタンディングパウチ(100)に収納された内容物の加熱、調理のあとの開封後において、内容物を取り出そうとした際には、開封した開封口は、閉塞することなく開いたままの形状を保持することが可能であるため、内容物の取り出し、また食器の出し入れにきわめて利便性が高い。
たとえば、開口部形状保持部材(20)は、一軸超延伸した高密度ポリエチレン樹脂テープを、シーラント層に溶着したものとすることができる。一軸超延伸した高密度ポリエチレン樹脂テープを、シーラント層に接着したものであることによって、形状保持機能によりすぐれたスタンディングパウチとすることができる。
あるいは、開口部形状保持部材(20)は、ポリプロピレン樹脂/一軸超延伸したポリエチレン樹脂/ポリプロピレン樹脂の層構成で積層したテープを、シーラント層に溶着したものとすることができる。
ポリプロピレン樹脂/一軸超延伸したポリエチレン樹脂/ポリプロピレン樹脂の層構成で積層したテープを、シーラント層に溶着したものであることによって、シーラント層への溶着を容易に行なうことが可能になる。
このとき、このポリプロピレン樹脂は、特殊ポリプロピレン樹脂とポリプロピレン樹脂との共押し出しによって形成することができる。このとき、形状保持機能を付与するためのシーラント層への溶着をより容易に行なうことが可能になる。
図3は、本発明に係る開口部形状保持機能付きスタンディングパウチにおいて、その開口部形状保持部材の取り付けの一実施態様の、開封後の状態を説明するための斜視模式図である。
本発明において、開口部形状保持部材(20)は、胴部において前側胴部(1)、後ろ側胴部(2)の、両方に設けても良く、どちらか一方に設けるのでも良い。図3に示す例においては前側胴部(1)内側に設けた例である。
また、図3に示す例において、スタンディングパウチ(100)はすでに、開封予定線(15)に沿って、前側胴部(1)、および後ろ側胴部(2)は幅方向に引き裂かれており、胴部の開封予定線(15)より上部と、分岐(10)は、図中矢印(19)方向に分離され、取り去られている状態である。
開口部(9)は前後に開かれ、開口部形状保持部材(20)によってその開口状態が保持されているため、内容物の取り出し、あるいは箸やスプーンなどの食器の出し入れは、開かれた開口部(9)によって容易に可能な状態であり、利便性が高い。このように一方の胴部にのみ設ける場合においても、開口部形状保持機能は効果的に発揮される。
図4は、本発明に係る開口部形状保持機能付きスタンディングパウチにおいて、その開口部形状保持部材の取り付けの他の実施態様の、開封後の状態を説明するための斜視模式図である。
また、図4に示す例において、図3に示す例と同様に、スタンディングパウチ(100)はすでに、開封予定線(15)に沿って、前側胴部(1)、および後ろ側胴部(2)は幅方向に引き裂かれており、胴部の開封予定線(15)より上部と、分岐(10)は、図中矢印(18)方向に分離され、取り去られている状態である。
図4に示す例においては、開口部形状保持部材(20)を、前側胴部(1)および後ろ側胴部(2)の両方の内側に設けた例である。
また前述の開封予定線(15)は、分岐(10)より下方に設けることができる。分岐(10)より下方であることによって、開封予定線(15)に沿って胴部を切り裂いて開封を行った際には、分岐(10)は、上端部シール部(13)とともに、パウチ本体から分離される。
すなわち、開口部形状保持部材(20)によって保持された開封口(9)を妨げることがなく、内容物の取り出しや、箸やスプーンなどの食器の出し入れに、より好都合である。
このように前側胴部(1)および後ろ側胴部(2)の両方の胴部に設ける場合には、開口部(9)の形状保持機能はより、安定かつ確実なものとなる。
また、開封予定線(15)は、易開封機構を備えたものとすることができ、開封の利便性をより向上させることができる。易開封機構として、たとえば開封予定線(15)の左右両端部(3)のいずれか、あるいは両方に切り込みなどを形成しておくことが可能である。
また、開封予定線(15)にハーフカット等の加工を施して、易開封とすることもでき、胴部を形成するフィルムの、高分子の配向性を利用するなどの方法も有効であり、これらを複合して用いることもできる。これらは適宜、選択、組み合わせて用いることができる。
開封予定線(15)は、印刷などの手法を用いてその部分を視認できるようにパウチ胴部に表示しておくこともでき、その場合にはより利便性が高いものとなる。
また、本発明によるスタンディングパウチ(100)を構成するフィルムには、無機化合物蒸着層からなるガスバリア層を含むことができる。
パウチを構成するフィルムは、無機化合物蒸着層によるガスバリア層を含むことによって、内容物の保存性を向上させ、また内容物の外部環境による変質などを防止することのできる、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチ(100)を提供することが可能である。
また、ガスバリア層として無機化合物蒸着層を選択することによって、たとえば電子レンジ加熱、調理においては、アルミニウム箔などの金属箔が、スパークを起こすなど不適当であることにくらべて、適性を有している。
加えて無機化合物蒸着層からなるガスバリア層は、金属箔とは異なり、透明性を有するために内容物がパウチ外部から可視であり、内容物の状態が確認できるため、用途によっては利便性が高いパウチとすることができる。
続いて、本発明による、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチ(100)に関して、その材料構成について説明を加える。
本発明による、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチ(100)は、プラスチックフィルムを基材として構成される。プラスチックフィルムは、高分子樹脂組成物からなるフィルムであって、たとえばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロンー6、ナイロンー66等)、ポリイミドなどが使用でき、用途に応じて適宜選択される。
特にポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートをプラスチックフィルムとする場合は、フィルム強度と価格においてより好ましい。そのほか延伸ポリアミドフィルムを用いる場合には、積層体に突き刺しに対する強靭性や、衝撃に対する強靭性を付与することができる。
またプラスチックフィルムは、接着剤層を介して他の層と積層して積層体とすることができる。積層体の層構成やその材料構成、厚さなどは、パウチに対する要求品質に応じて適宜設計することができる。
また、たとえば内容物の保存性を向上させることなどを目的として、ガスバリア層を設けることができる。たとえば、プラスチックフィルムの表面にガスバリア層を設けてなる
ガスバリアフィルムを用いることができる。
またアルミニウムなどの金属箔もガスバリア層として有効ではあるが、電子レンジでの調理には、高周波によるスパークなどが発生するために不適当である。
ガスバリアフィルムの場合には、用いられるプラスチックフィルムは、高分子樹脂組成物からなるフィルムであって、たとえばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロンー6、ナイロンー66等)、ポリイミドなどが使用でき、用途に応じて適宜選択される。特にポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートをプラスチックフィルム基材とする場合は、フィルム強度と価格においてより好ましい。
ガスバリアフィルムの場合、ガスバリア層は無機化合物の蒸着層、コーティング層で構成することができ、プラスチックフィルムにアンカーコートを設けた後、蒸着層、コーティング層を順次設ける。
ガスバリアフィルムのアンカーコート層には、例えばウレタンアクリレートを用いることができる。アンカーコート層の形成には、樹脂を溶媒に溶解した塗料をグラビアコーティングなど印刷手法を応用したコーティング方法を用いるほか、一般に知られているコーティング方法を用いて塗膜を形成することができる。
蒸着層を形成する方法としては,SiOやAlOなどの無機化合物を真空蒸着法を用いて、アンカーコート層を設けたプラスチックフィルム上にコーティングし、真空蒸着法による無機化合物層を形成することができる。ちなみに蒸着層の厚みは15nm〜30nmが良い。
コーティング層を形成する方法としては、水溶性高分子と、(a)一種以上のアルコキシドまたはその加水分解物、または両者、あるいは(b)塩化錫の、少なくともいずれかひとつを含む水溶液あるいは水/アルコール混合水溶液を主剤とするコーティング剤をフィルム上に塗布し、加熱乾燥してコーティング法による無機化合物層を形成しコーティング層とすることができる。このときコーティング剤にはシランモノマーを添加しておくことによってアンカーコート層との密着の向上を図ることができる。
無機化合物層は、真空蒸着法によって形成された層のみでもガスバリア性を有するが、コーティング法による無機化合物層であるコーティング層を真空蒸着法による無機化合物層である蒸着層に重ねて形成し、ガスバリア層とすることができる。
これら2層の複合により、真空蒸着法による無機化合物層とコーティング法による無機化合物層との界面に両層の反応層を生じるか、或いはコーティング法による無機化合物層が真空蒸着法による無機化合物層に生じるピンホール、クラック、粒界などの欠陥あるいは微細孔を充填、補強することで、緻密構造が形成される。
そのため、ガスバリアフィルムとしてより高いガスバリア性、耐湿性、耐水性を実現するとともに、外力による変形に耐えられる可撓性を有するため、包装材料としての適性も具備することができる。
またガスバリア層として、たとえばSiOを用いる場合には、その被膜は透明であるために、内容物をパウチの外側から目で見ることが可能である。これらは、用途、要求品質によって適宜使い分けをすればよい。
パウチ最内層に設けられるシーラント層は、2枚の積層体をシーラント層同士が対向するように重ねて、加熱、加圧してヒートシールすることによって互いを接着させ、パウチに製袋することを可能にする。
シーラント層の材質としては、熱可塑性樹脂のうちポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−メタアクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂(PP)、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等を使用することができる。
シーラント層の形成には、押出機などを用いて溶融した樹脂を製膜して、積層体上に層形成することができる。あるいは、あらかじめフィルムの状態に製膜してある材料を、ラミネートによって積層することによって、パウチを構成するフィルムの表面にシーラント層を形成することも可能である。
特にシーラント層として、そのフィルムの流れ方向と直交する方向に、シール後退しやすい特徴を有する、ブロックポリプロピレン樹脂からなるフィルムを用いる場合には、脆弱部によって自動的な蒸気抜き機構(14)を形成する、一手段とすることが可能である。
必要に応じて、商品としてのイメージアップや、内容物についての必要な情報表示や意匠性の向上を目的として、プラスチックフィルムを基材とする積層体中の、パウチ外側から見える層に印刷層を設けることができる。印刷層はパウチの最外層に設けるのでも構わない。
また印刷層は、パウチの一部に設けるのでもよく、またパウチの全面に渡って設けるのでもよい。あるいは、印刷層を用いずに表示部を設ける方法としては、たとえばパウチの表面に印刷されたシールを貼着することも可能である。
ここで、印刷方法、および印刷インキには、とくに制約を設けるものではないが、既知の印刷方法の中からプラスチックフィルムへの印刷適性、色調などの意匠性、密着性、食品容器としての安全性などを考慮すれば適宜選択してよい。
たとえば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷法、フレキソ印刷法、シルクスクリーン印刷法、インクジェット印刷法などの既知の印刷方法から選択して用いることができる。中でもグラビア印刷法は、生産性、プラスチックフィルムへの印刷適性、および絵柄の高精細度において好ましく用いることができる。
このように、本発明によれば、蒸気抜き機構を有して電子レンジによる加熱、調理に適性があり、開封した後において、開口部が広げられた状態を保持することができる、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチを提供することが可能である。
以下本発明を、実施例および比較例によって更に具体的な説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例にのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって限定されるものである。
評価用のスタンディングパウチを実施例1、および比較例1〜比較例2をそれぞれに作成して、評価した。
図5は、本発明に係るスタンディングパウチに関して、実施例で作成したスタンディングパウチの形状および寸法を示した平面模式図である。
(パウチの寸法)
スタンディングパウチの寸法は、実施例1、および比較例1〜比較例2は共通であって、下記のとおりである。
幅:120mm
高さ:180mm。
(スタンディングパウチの層構成)
また、スタンディングパウチを構成するフィルムの層構成は、実施例1、および比較例1〜比較例2は共通であって、下記のとおりである。
パウチ外側から、
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/印刷インキ層/無機化合物蒸着層つきポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/ポリアミドフィルム(厚さ15μm)/押し出しポリプロピレン樹脂(厚さ15μm)
とした。
(開口部形状保持部材の層構成)
また、開口部形状保持部材の層構成は下記のとおりである。
形状保持テープ:共押出しポリプロピレン樹脂(厚さ30μm)/高密度超延伸ポリエチレンフィルム(厚さ400μm)/共押出しポリプロピレン樹脂(厚さ30μm)
とした。
(評価方法)
内容物は、ハンバーグとした。
(評価項目)
電子レンジによる内容物の、加熱、調理を行ない下記の項目について評価を行なった。
・通蒸性:自動通蒸(蒸気抜き)が適切に行なわれたか。
・開口性:開口部の形状保持が適切に行なわれたか。
とした。
それぞれの評価項目について、〇×の評価を行なった。
<実施例1>
図5は、本発明に係るスタンディングパウチに関して、実施例1を説明するための斜視模式図である。
スタンディングパウチ(100)は分岐(10)を有しており、分岐(10)は、イージーピールフィルムによる蒸気抜き機構(14)を有している。
また、開口部形状保持部材(20)を、スタンディングパウチ(100)の一方の胴部内側に、開封予定線(15)の位置に沿って、その近傍の下方に溶着した。
<比較例1>
図6は、本発明におけるスタンディングパウチに関して、比較例1を説明するための斜視模式図である。
すなわち、開口部形状保持部材(20)を、スタンディングパウチの一方の胴部内側、開封予定線(15)の位置に沿って、その近傍の下方に溶着した。
しかしながら、実施例1とは異なり、蒸気抜き機構(14)を有する分岐(10)は設けていない。
この点が、本発明による開口部形状保持機能付きスタンディングパウチの実施態様の例である、実施例1とは異なる。
<比較例2>
図7は、本発明におけるスタンディングパウチに関して、比較例2を説明するための斜視模式図である。
すなわち、実施例1とは異なり、蒸気抜き機構(14)を有する分岐(10)は設けていない。
また、開口部形状保持部材は用いていない。
これらの点が、本発明による開口部形状保持機能付きスタンディングパウチの実施態様の例である、実施例1とは異なる。
評価結果を、表1に示す。
Figure 2020104862
表1に示す結果から明らかなように、本発明による実施例1は、評価項目である、通蒸性および開口性において、両方ともが〇評価であった。
これは、蒸気抜き機構(14)を備えた分岐(10)によって、自動通蒸(蒸気抜き)が適当に行なわれたことを示す。
また開口部形状保持部材(20)が胴部、開封予定線(15)の近傍下方に設けられているために、開口性についても良好な評価となったことを示すものである。
これらのことから、本発明による開口部形状保持機能付きスタンディングパウチの一実施態様である実施例1は、蒸気抜き機構を有して電子レンジ等による加熱、調理に適性があり、開封した後において、開口部が広げられた状態を保持することができるものであることが明らかである。
それに対して、比較例1は通蒸性において、×評価である。これは、蒸気抜き機構(14)を備えた、分岐(10)がないためである。
また、比較例2においては、通蒸性、開口性両方が×評価である。これは、蒸気抜き機構(14)を備えた分岐(10)、および開口部形状保持部材(20)が設けられていないためである。
このようにして、本発明によれば、蒸気抜き機構を有して電子レンジ等による加熱、調理に適性があり、開封した後において、開口部が広げられた状態を保持することができる、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチを提供することが可能であることを、検証することができた。
1・・・前側胴部
2・・・後ろ側胴部
3・・・左右両端部
4・・・底シール部
5・・・底フィルム
6・・・折りたたみ線
7・・・底部
8・・・上端部
9・・・開口部
10・・・分岐
11・・・分岐の折り返し線
12・・・側端部シール部
13・・・先端部シール部
14・・・蒸気抜き機構
15・・・開封予定線
16・・・ハーフカット
17・・・イージーピールフィルム
18・・・矢印
19・・・矢印
20・・・開口部形状保持部材
100・・・スタンディングパウチ

Claims (10)

  1. 内容物の収納空間を有するスタンディングパウチにおいて、
    スタンディングパウチは、前側胴部、後ろ側胴部、底フィルム、および形状保持部材からなり、
    前側胴部は、前側胴部上方から連続するフィルムと、前側胴部下方から連続するフィルムとで構成されており、
    前側胴部と後ろ側胴部は、四辺を有してシーラント層同士が対向して重ね合わせられ、
    前側胴部には、前側胴部から張り出した分岐が形成されており、
    分岐は、前側胴部上方から連続するフィルムと、前側胴部下方から連続するフィルムとが重なって、側端部および先端部をシールされて形成されており、
    分岐は、パウチ内部の圧力の上昇によって、内部の水蒸気を外部に排出することができる蒸気抜き機構を有しており、
    前記四辺のうち、左右両端部はシールされて密封されており、
    胴部下部において底フィルムは、前側胴部と後ろ側胴部との間に折りたたまれて配置され、拡張可能にシールされて、底部は密封されており、
    胴部上部において、上端部はシールされて、密封されており、
    胴部はまた、パウチ幅方向に開封予定線を有しており、
    さらに少なくとも一方の胴部において、開封予定線の位置に沿って、その近傍の下方には、前記形状保持部材が、胴部内側にパウチ幅方向全体、またはパウチ幅方向の一部に接着されていることを特徴とする、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチ。
  2. 前記開封予定線は、分岐より下方に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチ。
  3. 前記開封予定線は、易開封機構を備えたものであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチ。
  4. 前記形状保持部材は、一軸超延伸した高密度ポリエチレン樹脂テープを、シーラント層に溶着したものであることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチ。
  5. 前記形状保持部材は、ポリプロピレン樹脂/一軸超延伸したポリエチレン樹脂/ポリプロピレン樹脂の層構成で積層したテープを、シーラント層に溶着したものであるであることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチ。
  6. 前記分岐の蒸気抜き機構は、分岐に設けられた脆弱部であって、パウチ内部の圧力が上昇した際には、この部分が破壊されて貫通孔を形成し、蒸気抜き機構として機能することを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチ。
  7. 前記分岐に設けられた脆弱部は、シール部の一部においてイージーピールフィルムを介してシールされた部分であることを特徴とする、請求項6に記載の、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチ。
  8. 前記分岐に設けられた脆弱部は、シーラント層として用いるフィルムが、フィルムの流れ方向と直交する方向に、シール後退しやすい特徴を有するブロックポリプロピレン樹脂からなるフィルムであることを特徴とする、請求項6に記載の、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチ。
  9. 前記分岐に設けられた脆弱部は、分岐を構成するフィルムに、切り込みが設けられている部分であることを特徴とする、請求項6に記載の、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチ。
  10. 前記スタンディングパウチを構成する、前側胴部、後ろ側胴部、底フィルムには、無機化合物蒸着層からなるガスバリア層を含むことを特徴とする、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の、開口部形状保持機能付きスタンディングパウチ。
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