JP2020100892A - 希土類遷移金属系磁石粉末の製造方法 - Google Patents

希土類遷移金属系磁石粉末の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造コスト上昇を防ぎつつ、高特性の希土類遷移金属系磁石粉末を収率よく製造する方法を提供すること。【解決手段】希土類遷移金属系磁石粉末の製造方法であって、以下の工程;希土類酸化物粉末と、遷移金属粉末と、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びこれらの水素化物から選ばれる少なくとも1種を含む還元剤と、を混合して原料混合物とする混合物作製工程、前記原料混合物を不活性ガス雰囲気中で熱処理して、希土類遷移金属合金成分と副生物とを含有する生成物とする還元拡散工程、及び前記還元拡散工程後に、生成物を水中に投入して水洗浄を行う湿式処理工程を有し、前記湿式処理工程の際に、水中に投入した生成物を崩壊させて、希土類遷移金属合金成分と固体状副生物由来成分とを含有するスラリーとするスラリー化処理と、前記スラリーの一部又は全部を比重分離機に通過させて、固体状副生物由来成分を除去するとともに、希土類遷移金属合金成分を回収する分離処理と、を行う、方法。【選択図】図2

Description

本発明は、希土類遷移金属系磁石粉末の製造方法に関する。
ネオジム鉄ホウ素(NdFe14B)、サマリウム鉄窒素(SmFe17)又はサマリウムコバルト(SmCo、SmCo17)に代表される希土類遷移金属系磁石粉末は、優れた磁気特性を示すことから、モーターをはじめとする各種工業製品に使用されている。磁石粉末は、粒径が小さくなるにつれ、磁気特性の1つである保磁力が向上する特徴がある。そのため、近年では、希土類遷移金属系磁石粉末の粒径を小さくするニーズが高まっている。
希土類遷移金属系磁石粉末の製造方法として、溶解鋳造法や還元拡散法などが知られている。このうち、溶解鋳造法は、希土類金属及び鉄などを調合し、不活性ガス雰囲気中で高周波溶解し、得られた合金インゴットを均一化熱処理した後に粉砕する手法である。
これに対して、還元拡散法は、希土類酸化物、遷移金属及び還元剤を混合した後、不活性ガス雰囲気下で加熱処理することで、希土類遷移金属合金を含む生成物を得る手法である。ネオジム鉄ホウ素などの合金系磁石粉末の場合には、得られた希土類遷移金属合金を、そのまま磁石粉末とすることができる。また、希土類遷移金属合金に窒化処理を施すことで窒化物系磁石粉末を得ることも可能である。例えば、酸化サマリウム(Sm)粉末、鉄(Fe)粉末及び還元剤を混合した後、不活性ガス雰囲気下で加熱処理して、SmFe17組成の希土類−鉄合金粉末を得、この合金粉末をアンモニアガス(NH)や窒素ガス(N)雰囲気下で窒化処理することで、サマリウム鉄窒素(SmFe17)系磁石粉末を得ることができる。還元拡散法は、溶解鋳造法と比べて工程が複雑ではなく、また、原料に高価な希土類金属を用いる必要がないため、低コストで製造可能という利点がある。
ところで、還元拡散法で磁石粉末を製造する場合、還元剤が用いられるため、還元拡散後の生成物は、還元剤由来の副生物を含んでいる。また、この生成物は、主相以外の異相を含む場合がある。例えば、還元剤として金属カルシウム(Ca)を用いて、サマリウム鉄窒素(SmFe17)系磁石粉末を製造すると、還元拡散工程で、還元剤(Ca)が酸化されて酸化カルシウム(CaO)が生成される。また、酸化されなかった還元剤が残留して残留物(Ca)となることがある。さらに異相としてサマリウム鉄化合物(SmFe)が生成することがある。このような副生物(CaO、Ca等)や異相(SmFe等)は、磁石の磁気特性を低下させてしまうため、極力除去することが望ましい。
従来は、生成物を水洗浄することで、副生物を除去していた。具体的には、生成物を水中に投入及び撹拌してスラリーとする。このとき、副生物は水と反応して水酸化物(固体状副生物由来成分)に変化する。例えば、酸化カルシウム(CaO)や金属カルシウム(Ca)は水酸化カルシウム(Ca(OH))に変化する。この水酸化した副生物(Ca(OH)等)は水への溶解度が低いため、水中では大部分が懸濁物となり浮遊する。したがって、スラリーを静置することで上澄み液を得、この上澄み液をデカンテーション(水洗浄)することで、水酸化した副生物を除去できる。このようなデカンテーションによる副生物除去の手法は、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1には、希土類酸化物粉末と鉄粉末と還元剤粉末とを混合し、その後、還元拡散、冷却、窒化処理及び湿式処理する、希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法に関して、窒化処理生成物には、還元剤由来の水酸化カルシウム(Ca(OH))が残留するため、湿式処理の際に、デカンテーション(水洗浄)を5〜10回程度繰り返すことが開示されている。
特開2014−122392号公報
このように、従来の還元拡散法では、デカンテーション(水洗浄)により、生成物中の副生物を除去していた。しかしながら、磁石粉末の小粒径化が進むにつれて、デカンテーションによる副生物除去の手法では、得られる磁石粉末の収率が低下し、製造コストが上昇する問題がある。小粒径の磁石粉末は、水中での沈降速度が遅く、デカンテーションの際に、水酸化した副生物とともに流出してしまうからである。また、デカンテーション時の静置を長時間行うことで、小粒径の磁石粉末を沈殿させることが考えられるが、その場合には、水酸化した副生物も同時に沈殿してしまい、最終製品たる磁石粉末中に副生物が混入し、特性を劣化させてしまう。さらに、静置を長時間行うことは、サイクルタイムが長時間となり、製造コストの観点から望ましくない。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みて、製造コスト上昇を防ぎつつ、高特性の希土類遷移金属系磁石粉末を、収率よく製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、今般、還元拡散法による希土類遷移金属系磁石粉末を製造するに際し、湿式処理時に、スラリーの一部又は全部を比重分離機に通過させて分離処理を行い、還元剤由来の固体状副生物由来成分を除去するとともに、希土類遷移金属合金成分を回収することで、高特性の希土類遷移金属系磁石粉末を収率よく得ることができるという知見を得て、本発明を完成するに至った。
本発明は、下記(1)〜(13)の態様を包含する。なお、本明細書において、「〜」なる表現は、その両端の数値を含む。すなわち、「X〜Y」は、「X以上Y以下」と同義である。
(1)希土類遷移金属系磁石粉末の製造方法であって、以下の工程;
希土類酸化物粉末と、遷移金属粉末と、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びこれらの水素化物から選ばれる少なくとも1種を含む還元剤と、を混合して原料混合物とする混合物作製工程、
前記原料混合物を不活性ガス雰囲気中で熱処理して、希土類遷移金属合金成分と副生物とを含有する生成物とする還元拡散工程、及び
前記還元拡散工程後に、生成物を水中に投入して水洗浄を行う湿式処理工程を有し、
前記湿式処理工程の際に、水中に投入した生成物を崩壊させて、希土類遷移金属合金成分と固体状副生物由来成分とを含有するスラリーとするスラリー化処理と、前記スラリーの一部又は全部を比重分離機に通過させて、固体状副生物由来成分を除去するとともに、希土類遷移金属合金成分を回収する分離処理と、を行う、方法。
(2)前記湿式処理工程で、スラリーを静置して、固体状副生物由来成分を主として含む上澄み液を得、得られた上澄み液を比重分離機に通過させる、上記(1)の方法。
(3)前記湿式処理工程で、スラリー化処理と分離処理の一連の処理を複数回繰り返す、上記(1)又は(2)の方法。
(4)前記比重分離機が液体サイクロンである、上記(1)〜(3)のいずれかの方法。
(5)前記分離処理の際、並列接続した複数の液体サイクロンにスラリーを分配して通過させる、上記(4)の方法。
(6)前記分離処理の際、直列接続した複数の液体サイクロンにスラリーを順次通過させる、上記(4)の方法。
(7)径の大きい液体サイクロンから径の小さい液体サイクロンへとスラリーを順次通過させる、上記(6)の方法。
(8)前記湿式処理工程の際に、生成物をさらに酸洗処理する、上記(1)〜(7)のいずれかの方法。
(9)前記還元拡散工程と前記湿式処理工程の間に、生成物を水素加圧雰囲気に維持する工程を有する、上記(1)〜(8)のいずれかの方法。
(10)記還元拡散工程の後に、生成物を窒化処理する工程をさらに有する、上記(1)〜(9)のいずれかの方法。
(11)前記還元剤がカルシウム(Ca)を含有する、上記(1)〜(10)のいずれかの方法。
(12)前記希土類遷移金属系磁石粉末のカルシウム(Ca)含有量が0.1質量%以下である、上記(11)の方法。
(13)前記分離処理前の生成物量に対する分離処理後の生成物量の比である回収率が、80質量%以上である、上記(1)〜(12)のいずれかの方法。
本発明によれば、高特性の希土類遷移金属系磁石粉末を収率よく得ることができ、その結果、高特性の希土類遷移金属系磁石粉末を低コストで製造することができる。
2液分離型液体サイクロンの概念模式図を示す図である。 液体サイクロンを用いた分離処理の一例を示す図である。 複数の液体サイクロンを直列接続した態様を示す。
希土類遷移金属系磁石粉末の製造方法
本発明の希土類遷移金属系磁石粉末は、希土類金属(希土類元素)と遷移金属を主相として含む永久磁石用粉末、すなわち、硬質磁性粉末である。このような希土類遷移金属系磁石粉末として、希土類金属と遷移金属の合金又はその窒化物等からなるものが挙げられる。なお、本明細書において、合金とは金属間化合物を含む概念である。
希土類遷移金属系磁石粉末は、希土類金属と遷移金属を主相として含む限り、特に限定されるものではない。しかしながら、サマリウム鉄窒素(SmFe17)、ネオジム鉄ホウ素(NdFe14B)及びサマリウムコバルト(SmCo、SmCo17)からなる群から選択される1種又は2種以上の組み合わせを主相とするのが好ましく、サマリウム鉄窒素(SmFe17)を主相とするのがより好ましい。なお、主相とは、磁石粉末の50質量%以上を占める相を指し、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上を占める。また、磁石粉末は、主相以外に添加成分を含んでもよい。このような磁石粉末は、樹脂と混練することでボンド磁石とすることが可能である。また、磁石粉末を成形及び焼結することで焼結磁石とすることが可能である。
本発明の希土類遷移金属系磁石粉末の製造方法は、以下の工程;希土類酸化物粉末と、遷移金属粉末と、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びこれらの水素化物から選ばれる少なくとも1種類を含む還元剤と、を混合して原料混合物とする混合物作製工程、前記原料混合物を不活性ガス雰囲気中で熱処理して、希土類遷移金属合金成分と副生物とを含有する生成物とする還元拡散工程、及び前記還元拡散工程後に、生成物を水中に投入して水洗浄を行う湿式処理工程を有する。また、本発明の製造方法では、湿式処理工程の際に、水中に投入した生成物を崩壊させて、希土類遷移金属合金成分と固体状副生物由来成分とを含有するスラリーとするスラリー化処理と、前記スラリーの一部又は全部を比重分離機に通過させて、固体状副生物由来成分を除去するとともに、希土類遷移金属合金成分を回収する分離処理と、を行う。各工程について、以下に詳述する。
<混合物作製工程>
混合物作製工程では、希土類酸化物粉末と、遷移金属粉末と、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びこれらの水素化物から選ばれる少なくとも1種類を含む還元剤と、を混合して原料混合物とする。
希土類酸化物粉末は、磁石粉末の主相を構成する希土類金属源となるものである。希土類金属は、磁石粉末が得られる限り、特に限定されるものではない。しかしながら、好ましくは、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、ジスプロシウム(Dy)及びイッテルビウム(Yb)からなる群から選択される1種又は2種以上である。磁気特性が極めて高い磁石粉末を得る観点から、プラセオジウム(Pr)、ネオジム(Nd)及びサマリウム(Sm)からなる群から選択される1種以上がより好ましく、耐熱性及び耐候性に優れる磁石粉末とする観点から、サマリウム(Sm)がさらに好ましい。
希土類酸化物粉末は、目的とする磁石粉末の組成に応じて選択する。例えば、サマリウム鉄窒素(SmFe17)系磁石粉末やサマリウムコバルト(SmCo、SmCo17)系磁石粉末を製造する場合には、酸化サマリウム(Sm)を選択し、ネオジム鉄ホウ素(NdFe14B)系磁石粉末を製造する場合には、酸化ネオジム(Nd)を選択すればよい。希土類酸化物粉末は、1種の希土類金属の酸化物であってもよく、2種以上の希土類金属の酸化物の組み合わせであってもよい。また、希土類酸化物粉末は、その粒径が限定されるものではないが、粒度分布が比較的揃っていることが望ましく、例えば、2〜80μmの粒径であることが好ましい。
希土類酸化物粉末の配合量は、主相の化学量論組成で必要とされる量(当量)の1.0〜1.5倍が好ましく、1.05〜1.2倍がより好ましい。例えば、サマリウム鉄窒素(SmFe17)系磁石粉末を製造する場合、酸化サマリウム(Sm)の配合量は、化学量論組成(SmFe17)で必要とされる量の1.0〜1.5倍が好ましい。希土類酸化物の配合量を、当量の1.0倍以上とすることで、遷移金属粉末への希土類金属(希土類元素)の拡散が十分となり、最終的に得られる磁石粉末の保磁力や角形性を高めることができる。一方、当量の1.5倍以下とすることで、異相(SmFe等)の生成を抑制し、磁化を高めることができる。
遷移金属粉末は、磁石粉末の主相を構成する遷移金属の原料となるものである。遷移金属は、磁石粉末が得られる限り、特に限定されるものではない。しかしながら、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)及び/又はアルミニウム(Al)などが好ましい。遷移金属粉末は、目的とする磁石粉末の組成に応じて選択する。例えば、サマリウム鉄窒素(SmFe17)系磁石粉末やネオジム鉄ホウ素(NdFe14B)系磁石粉末を製造する場合には、鉄(Fe)粉を選択し、サマリウムコバルト(SmCo、SmCo17)系磁石粉末を製造する場合には、コバルト(Co)粉を選択すればよい。鉄(Fe)粉として、還元鉄粉、ガスアトマイズ粉、水アトマイズ粉及び/又は電解鉄粉などを使用できる。遷移金属粉末は、必要に応じて、最適な粒度となるように分級する。
還元剤は、希土類酸化物粉末を還元するために用いられ、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びこれらの水素化物から選ばれる少なくとも1種類を含む。還元剤は、好ましくは、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)及びバリウム(Ba)からなる群から選択される1種又は2種以上が好ましく、取り扱いの安全性及びコストの点から、リチウム(Li)及び/又はカルシウム(Ca)がより好ましい。特に好ましくは、還元剤はカルシウム(Ca)を含有する。また、還元剤は、希土類酸化物粉末や遷移金属粉末との混合性の観点から、粒状又は粉末状の形態であるのが好ましく、粒度4メッシュ以下が特に好ましい。還元剤の配合量は、希土類酸化物粉末を還元にするのに必要な量(当量)の1.0〜3.0倍が好ましく、1.10〜2.0倍がより好ましい。
混合物作製工程の際、希土類酸化物粉末、遷移金属粉末及び還元剤以外の添加成分が加えられてもよい。このような添加成分として、例えば、後の湿式処理工程で、反応生成物の崩壊を促進させる崩壊促進剤が挙げられる。崩壊促進剤として、塩化カルシウム(CaCl)や酸化カルシウム(CaO)などのアルカリ土類金属塩やアルカリ土類金属酸化物を用いることができる。また、遷移金属としてコバルト(Co)を用いる場合には、コバルト酸化物(CoO、Co)などを加えることもできる。さらに、ネオジム鉄ホウ素(NdFe14B)系磁石粉末を製造する場合には、ホウ素(B)成分を加えてもよい。このような添加成分は、希土類酸化物粉末、遷移金属粉末及び還元剤と同時に均一に混合される。
希土類酸化物粉末、遷移金属粉末、還元剤及び必要に応じて添加成分を均一に混合する。混合には、リボンブレンダー、タンブラー、S字ブレンダー、V字ブレンダー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、ハイスピードミキサー、ボールミル、振動ミル、アトライター、ジェットミルなどの公知の混合機を使用することができる。
<還元拡散工程>
還元拡散工程では、混合物作製工程で得られた原料混合物を、不活性ガス雰囲気中で熱処理して、生成物(還元拡散物)とする。この生成物(還元拡散物)は、希土類遷移金属合金成分と副生物とを含有する。この工程では、原料混合物中の希土類酸化物粉末は、還元剤の作用により還元された後、遷移金属粉末中に拡散して、希土類遷移金属合金成分となる。一方で、還元剤は、その一部又は全部が酸化されて酸化物となる。ここで、還元剤の酸化物は、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の酸化物である。したがって、副生物は、還元剤の酸化物及び/又は残留物からなる。
例えば、希土類酸化物粉末として酸化サマリウム(Sm)を、遷移金属粉末として鉄(Fe)粉末を、還元剤として金属カルシウム(Ca)を用いて、サマリウム鉄窒素(SmFe17)系磁石粉末を製造する場合、還元剤(Ca)の作用により酸化サマリウム(Sm)は還元されてサマリウム(Sm)となる。そして、還元されたサマリウム(Sm)は鉄(Fe)粉末に拡散して、ThZn17型結晶構造を有するサマリウム鉄合金(SmFe17)が生成する。一方で、還元剤である金属カルシウム(Ca)は酸化されて、酸化カルシウム(CaO)となる。ただし、金属カルシウムを当量以上に配合した場合には、余剰カルシウム(Ca)が残留する。この酸化カルシウム(CaO)及び余剰カルシウム(Ca)が副生物を構成する。さらに、場合によっては、還元拡散工程で、サマリウム鉄化合物(SmFe)などの異相が生成することもある。したがって、熱処理後の生成物は、希土類遷移金属合金成分(SmFe17等)と還元剤由来の副生物(CaO、Ca等)を含み、場合によってはさらに異相(SmFe等)を含む。通常、この熱処理後の生成物は多孔質インゴットからなる。
熱処理は、還元剤が溶融する温度以上且つ得られる希土類遷移金属合金成分が溶融しない温度で行う。具体的には、熱処理温度は900〜1180℃が好ましい。900℃以上とすることで、希土類金属(希土類元素)の遷移金属粉末への拡散が均一なものとなり、最終的に得られる磁石粉末の保磁力や角形性を高めることができる。一方で、1180℃以下とすることで、希土類遷移金属合金成分が粒成長して粗大粒が発生することを抑制する。その結果、例えば、窒化物系磁石粉末を製造する場合に、後続の窒化処理工程で希土類遷移金属合金成分が均一に窒化され、磁石粉末の飽和磁化と角形性が向上する。また、熱処理温度が低い方が、希土類金属酸化物の配合量を低減することが可能となる。これは、サマリウム(Sm)等の希土類金属の蒸発が抑えられるためである。
熱処理保持時間は3〜10時間が好ましい。この範囲で、反応生成物中の希土類遷移金属合金成分の1次粒子径が小さくなる。そのため、例えば、窒化物系磁石粉末を製造する場合に、後続の窒化処理工程で、窒素が希土類遷移合金の粒界から容易に拡散して、窒化距離を短くすることができる。また、熱処理時の雰囲気ガスは、不活性ガス、例えば、アルゴンガス及び/又はヘリウムガスが好ましい。
<水素処理工程>
必要に応じて、還元拡散工程と後述する湿式処理工程の間に、生成物(還元拡散物)を水素加圧雰囲気に維持する水素処理工程を設けてもよい。水素処理により得られる生成物(水素処理物)は、後述する湿式処理工程での水投入時の崩壊性が改善される。水素処理は、還元拡散工程で得られる生成物(還元拡散物)を水素加圧雰囲気に維持することで水素を吸蔵させ、体積膨張により生成物を崩壊させる。具体的には、還元拡散物を真空ポンプを具備したステンレス容器に入れ、密封する。次いで、真空ポンプにて容器内の空気を除去した後、水素を封入し加圧する。容器内圧力は大気圧に対して+5kPa以上にする。より好ましくは、大気圧に対して+10〜50kPaとする。生成物が水素を吸蔵していくと、初期加圧圧力から徐々に低下していくことで、水素吸蔵の進行を確認できる。圧力の低下が少なくなったら、水素処理は終了したと判断できる。真空ポンプにて容器から水素を除去した後、窒素やアルゴンなどの不活性ガスにて容器内を大気圧まで復圧し、容器より生成物(水素処理物)を取り出す。
<窒化処理工程>
必要に応じて、還元拡散工程又は水素処理工程後に、生成物(還元拡散物、水素処理物)を窒化処理する工程をさらに設けてもよい。窒化処理工程を設けることで、サマリウム鉄窒素(SmFe17)などの窒化物系磁石粉末を得ることができる。
窒化処理では、生成物(還元拡散物、水素処理物)を、好ましくは350〜500℃、より好ましくは400〜480℃に加熱しながら、アンモニアを含有する混合気流を流す。これにより、得られる生成物(窒化処理物)中の希土類遷移金属合金成分が窒化する。加熱温度を350℃以上にすると、窒化反応が短時間に行われ、効率が向上する。一方で、窒化処理温度が過度に高いと、主相が分解することがある。例えば、サマリウム鉄(SmFe17)からなる希土類遷移金属合金成分を窒化してサマリウム鉄窒素(SmFe17)系磁石粉末を製造する場合、窒化処理温度が高すぎると、主相であるサマリウム鉄(SmFe17)が分解してα鉄(α−Fe)が生成することがある。α鉄(α−Fe)は、磁石粉末の減磁曲線の角形性を低下させるので好ましくない。窒化処理温度を500℃以下とすることで、このような主相の分解を抑制することができる。また、保持時間は、処理物の量にもよるが、5〜10時間が好ましい。
窒化処理時に流通させる窒化ガスは、少なくとも窒素原子を含有していればよく、窒素ガスやアンモニアガスが好適である。また、反応をコントロールするために、さらに水素、アルゴンなどを含有してもよい。アンモニアと水素の混合気流を用いる場合、その混合比(ガス流量比)は、アンモニア:水素=10〜70:30〜90が好ましく、30〜60:40〜70がより好ましい。この範囲内で、アンモニアの流通量が十分なものとなり、窒化効率がより向上する。
<熱処理工程>
必要に応じて、窒化処理で得られた生成物(窒化処理物)に、さらに不活性ガス中での熱処理を施してもよい。不活性ガスは、例えば、水素ガス、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどである。このような熱処理を施すことで、得られる生成物(窒化処理後熱処理物)中の磁石粉末を構成する個々の結晶セル内の窒素分布がさらに均一になり、磁石粉末の角形性がより向上する。熱処理温度は、350〜500℃が好ましく、400〜480℃がより好ましい。また、保持時間は、20〜200分が好ましく、30〜150分がより好ましい。
なお、窒化処理や熱処理は、還元拡散工程後であれば、いずれのタイミングで行ってもよい。すなわち、還元拡散工程と後述する湿式処理の間に窒化処理や熱処理を行ってもよく、あるいは湿式処理後に窒化処理や熱処理を行ってもよい。
<湿式処理工程>
湿式処理工程では、還元拡散工程を行った生成物(還元拡散物等)を水中に投入して水洗浄を行う。ここで、水としてイオン交換水を用いるのが好ましい。また、水洗浄を施す生成物は、還元拡散を行った生成物であれば限定されない。したがって、還元拡散工程で得られた還元拡散物に湿式処理を施してもよい。また、還元拡散後に水素処理を行った場合には、水素処理物に湿式処理を施してもよい。あるいは、湿式処理前に窒化処理や熱処理を行った場合には、窒化処理物又は窒化後熱処理物に湿式処理を施してもよい。
水洗浄の際に、水中に投入した生成物は崩壊してスラリー状になる。このとき、還元剤由来の副生物は水と反応して、水酸化物からなる固体状副生物由来成分に変化する。したがって、固体状副生物由来成分は、アルカリ金属及び/アルカリ土類金属の水酸化物を含む。例えば、還元剤として金属カルシウム(Ca)を用いた場合、還元拡散工程後の生成物は、希土類遷移金属合金成分と副生物(CaO、Ca)とを含む。水洗浄の際に、この副生物(CaO、Ca)は、水と反応して水酸化カルシウム(Ca(OH))に変化する。水酸化カルシウムは水への溶解度が低いため、大部分が懸濁物となり、水に浮遊する。このため、水洗浄により得られたスラリーは、希土類遷移金属合金成分と固体状副生物由来成分(Ca(OH))の懸濁液である。スラリー中の固体状副生物由来成分を希土類遷移金属合金成分から分離することで、高純度で高特性の磁石粉末を得ることができる。
本発明の製造方法では、湿式処理工程の際に分離処理を行う。この分離処理では、スラリーの一部又は全部を比重分離機に通過させて、固体状副生物由来成分を除去するとともに、希土類遷移金属合金成分を回収する。これにより、高特性の磁石粉末を収率よく得ることができる。これは、希土類遷移金属合金成分は比重が比較的高いのに対し、アルカリ土類金属等を成分とする固体状副生物由来成分は比重が低く、両者を比重差により簡易且つ確実に分離できるからである。例えば、還元剤として金属カルシウム(Ca)を用いて、サマリウム鉄窒素(SmFe17)系磁石粉末を製造する場合、サマリウム鉄窒素(SmFe17)の比重は7.68g/cmであるのに対して、水酸化カルシウム(Ca(OH))の比重は2.21g/cmであり、両者の比重差は3倍以上である。
湿式処理工程で、スラリーの全部を比重分離機に通過させてもよく、或いはスラリーの一部のみを通過させてもよい。スラリーの一部を通過させる手法として、例えば、スラリーを静置して上澄み液を得、この上澄み液を比重分離機に通過させる方法が挙げられる。固体状副生物由来成分(Ca(OH))は比重が比較的小さく、その大部分が上澄み液に浮遊した状態で含まれる。一方、希土類遷移金属合金成分は比重が大きく、その大部分が沈降する。したがって、スラリー上澄み液は固体状副生物由来成分を主として含み、この上澄み液を比重分離機に通過させることで、固体状副生物由来成分を効果的に分離除去できる。上澄み液を比重分離機に通過させる手法として、比重分離機の流入口を、上澄み液を吸う配管に接続し、配管の途中にポンプを設置する態様が挙げられる。
湿式処理工程で、スラリー化処理と分離処理の一連の処理を複数回繰り返してもよい。これにより、1回の分離処理では除去しきれなかった固体状副生物由来成分を効率的に除去することができ、希土類遷移金属合金成分の収率を高めることが可能となる。スラリー化処理と分離処理とを複数回繰り返すには、例えば、還元拡散処理物又は水素処理物と水とを、処理容器(槽)に投入及び撹拌してスラリー化し、得られたスラリーに分離処理を施して希土類遷移金属合金成分を回収し、回収した希土類遷移金属合金成分を前記処理容器又は別の処理容器に水ととともに投入して再度スラリー化し、得られたスラリーに分離処理を再度施す手法が挙げられる。繰り返す回数は収率と製造コストのバランスの観点から決めればよく、2回でもよく、3回でもよく、それ以上であってもよい。
比重分離機は、スラリーを比重分離する装置、すなわち湿式比重分離機である限り、特に限定されるものではない。しかしながら、比重分離機は、液体サイクロンや遠心分離機が好ましく、連続運転が可能である観点から、液体サイクロンがより好ましい。液体サイクロンは、スラリー中の粒子を、その比重などの差により分離する装置であり、分離態様により、2液分離型及び3液分離型がある。2液分離型液体サイクロンの概念模式図を、図1に示す。図1に示されるように、液体サイクロン1は、下部に向かうほど径が小さいテーパー形状となっているサイクロン本体2と、サイクロン本体2の上部側壁に設けられた流入口(原液入口)3と、サイクロン本体2の底に設けられた下部流出口(ボトム出口)4と、サイクロン本体2の上部中央に設けられた上部流出口(トップ出口)5と、を有している。液体サイクロンの流入口3からスラリーを圧入すると、圧入されたスラリーは回転運動を起こす。回転運動による遠心力により、スラリー中の粒子は、その比重に応じて分離される。すなわち、高比重粒子は、遠心力により、サイクロン本体2の周壁部へ配列され、低比重粒子はサイクロン本体2の中心付近に配列する。周壁部にはサイクロンのテーパーに沿い下降流が生じており、高比重粒子は、この下降流にのって下部流出口(ボトム出口)4へ導かれ、アンダーフロー液17として排出される。一方、中心部には上昇流が生じており、低比重粒子は、この上昇流にのって上部流口(トップ出口)5へ導かれ、オーバーフロー液18として排出される。このようにして、液体サイクロンにより、スラリー中の粒子を比重差により分離することができる。
液体サイクロンは、特に限定されるものではない。しかしながら、サイクロン本体2の上部における径(トップ径)は、10〜300mmが好ましく、100〜150mmがより好ましい。また、スラリー供給圧は、0.05〜0.4MPaが好ましく、0.05〜0.3MPaがより好ましい。スラリー供給圧を0.05MPa以上とすることで、分級能力が向上し、また、0.4MPa以下とすることで、サイクロン本体内壁の摩耗が抑制される。液体サイクロン各部材の材質は、アルカリ耐性を有しているセラミック、ステンレス又はナイロンが好ましい。
液体サイクロンを用いた分離処理の一例を図2に示す。図2に示されるように、還元拡散工程後の生成物と水とを処理容器12に投入して、処理スラリー11とする。生成物は、希土類遷移金属合金成分と副生物とを含有するが、副生物は水と反応して水酸化物たる固体状副生物由来成分になる。処理容器12には撹拌機14が取り付けられている。撹拌機14を用いて、処理スラリー11を一定時間撹拌する。その後、処理スラリーを静置して上澄み液と沈殿物に分離させる。この上澄み液は、低比重の固体状副生物由来成分を主として含むものの、高比重の希土類遷移金属合金成分も含んでいる。
次に、上澄み液をポンプ13により圧送して、液体サイクロン15の流入口に圧入する。ポンプ13と流入口の間にはバルブ16が設けられており、このバルブ16の開度制御、もしくはポンプ13の能力(例えば、インバーター値)を制御することで、上澄み液の圧入圧力を調整できる。液体サイクロン15により、高比重の希土類遷移金属合金成分と低比重の固体状副生物由来成分とが分離され、希土類遷移金属合金成分は下部流出口よりアンダーフロー液17として排出されるとともに、固体状副生物由来成分は上部流出口よりオーバーフロー液18として排出及び除去される。排出したアンダーフロー液17を処理容器12又は他の容器に導入することで、希土類遷移金属合金成分が回収される。アンダーフロー液17を処理容器12に導入する手法として、液体サイクロンの下部流出口と処理容器とを配管で接続する態様が挙げられる。
また、液体サイクロンは単独で用いてもよく、あるいは、複数の液体サイクロンを用いてもよい。複数の液体サイクロンを用いる場合、並列接続した複数の液体サイクロンにスラリーを分配して通過させる手法、あるいは直列接続した複数の液体サイクロンにスラリーを順次通過させる手法が挙げられる。また、サイクロンの個数は、特に限定されず、2個でもよく、3個でもよく、それ以上であってもよい。
並列接続した液体サイクロンを用いると、単位時間当たりの処理能力を上げることができる。サイクロンの分級能力は、サイクロンに圧入したスラリーの旋回速度に大きく影響されるため、サイクロンの直径を小さくして旋回速度を速くすることが望ましい。一方で、サイクロンの直径を小さくすると、単位時間当たりにサイクロンに流入できるスラリー量が少なくなるため、結果として単位時間当たりの処理能力は低下する。したがって、その対策として、サイクロンを並列に接続し、スラリーをそれぞれのサイクロンに分配して供給することで、分級能力を維持しつつ処理能力を確保することが可能となる。
一方で、直列接続した液体サイクロンを用いると、分級能力が向上する。ここで、サイクロンを直列接続した態様を図3に示す。ここでは、3個のサイクロンが接続されており、それぞれのサイクロンから排出されるアンダーフロー液(希土類遷移金属合金成分)17が回収される一方、最終段階のサイクロンから排出されるオーバーフロー液(固体状副生物由来成分)18は排出及び除去される。
直列接続した液体サイクロンを用いる場合、図3に示されるように、径の大きい液体サイクロンから径の小さい液体サイクロンへとスラリーを順次通過させることが好ましい。これにより、分級能力がさらに向上する。サイクロンを、その直径が大きいものから小さいものとなる順に直列接続することで、単一のサイクロンでは回収できずオーバーフロー液に漏出した希土類遷移金属合金成分を、後段のより小径のサイクロンで回収できる。なお、小径のサイクロンを単一で用いることも考えられるが、その場合には、金属粉末の多いスラリーを小径サイクロンに供給すると、サイクロンの異常摩耗や詰まり、金属粉末同士の摩擦による酸化や破壊が起きる可能性がある。したがって、小径のサイクロンを用いる場合は、前段のサイクロンの許容範囲内で、金属粉末を除去しておくことが望ましい。一例として、直径(トップ径)100〜150mmのサイクロン、直径60〜90mmのサイクロン及び直径30〜50mmのサイクロンの3個を直列接続する態様が挙げられる。
湿式処理の際に、生成物をさらに酸洗処理してもよい。酸洗処理を行うことで、固体状副生物由来成分や異相をより効果的に除去することができる。例えば、水洗処理後に酸洗処理を行うことで、生成物中の異相(SmFe等)が除去されるとともに、水洗処理で除しきれなかった固体状副生物由来成分(Ca(OH)等)を除去することができる。
酸洗処理は、例えば、生成物を水に投入し、撹拌しながら酸を添加することで行える。酸の種類として、塩酸、酢酸、硝酸及び硫酸等の無機酸や有機酸を使用することができる。しかしながら、コスト等の観点から、酢酸が好ましい。酢酸の使用量は限定されるものではない。しかしながら、例えば、生成物がサマリウム鉄窒素(SmFe17)からなる場合には、生成物1kgに対して1.0〜5.0molが好ましい。また、酸洗処理した生成物を複数回水洗浄して、上澄み液中に存在する不純物を除去するのが好ましい。水洗浄後の生成物は、減圧乾燥等の手法で乾燥される。
酸洗処理の際に、比重分離機を用いた分離処理を行ってもよい。これにより、希土類遷移金属合金成分の回収率(収率)をより高めることができる。その手法として、水及び酸を添加して得た生成物のスラリーの一部又は全部を比重分離機に通過させる方法が挙げられる。その際、比重分離機として液体サイクロンを用いてもよい。また、スラリーを静置して上澄み液を得、得られた上澄み液を比重分離機に通過させてもよい。さらに、分離処理は1回のみでもよく、複数回繰り返してもよい。
<微粉砕工程>
必要に応じて、最終工程で得られた生成物(湿式処理物、窒化処理物、窒化後熱処理物等)を微粉砕してもよい。微粉砕工程では、生成物を媒体とともに粉砕機に入れ、平均粒径が1〜3μmとなるまで粉砕する。粉砕機は、特に限定されるものではない。しかしながら、粉末の組成や粒子径を均一にし易いとの観点から、ビーズミルなどの湿式型媒体撹拌ミルが好ましい。
粉砕に用いる媒体としては、イソプロピルアルコール、エタノール、トルエン、メタノール、ヘキサン等が使用でき、イソプロピルアルコールが特に好ましい。このとき、リン酸化合物を添加すると、粉砕と同時に粉末への表面処理が行われる。リン酸化合物としては、オルトリン酸、リン酸水素二ナトリウム、ピロリン酸、メタリン酸、リン酸マンガン、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム等が挙げられるが、コストの面からオルトリン酸が好ましい。リン酸化合物の添加量は、得られる微粉末の粒径や表面積に依存するので一概に規定できないものの、粉砕する合金粉末に対して0.1mol/kg〜0.2mol/kgの範囲が好ましい。0.1mol/kg以上とすることで、膜の形成が十分になり、また、0.2mol/kg以下とすることで、磁力に寄与しないリン被覆部分が過度に増えて磁気特性が低下することを防止できる。粉砕後の粉砕粉は、所定の目開きのフィルターを用いてろ過及び真空乾燥される。
本発明の製造方法によれば、このような工程を経ることで、不純物含有量の少ない高特性の希土類遷移金属系磁石粉末を収率よく得ることができる。例えば、湿式処理工程での分離処理前の生成物量に対する分離処理後の生成物量の比である回収率が、80質量%以上である。また、カルシウム(Ca)を含有する還元剤を用いた場合でも、得られた希土類遷移金属系磁石粉末のカルシウム(Ca)含有量は0.1質量%以下である。
本発明を、以下に実施例により説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
(1)希土類遷移金属系磁石粉末の製造
<混合物作製工程>
平均粒子径5μmの酸化サマリウム(Sm)粉末と、平均粒子径50μmの鉄(Fe)粉末と、粒状カルシウム(Ca)と、を配合及び混合して原料混合物を作製した。この際、配合量は、酸化サマリウムを405g、鉄粉末を1000g、粒状カルシウムを140gとした。
<還元拡散工程>
得られた原料混合物に還元拡散処理を施して生成物(還元拡散物)を得た。還元拡散処理は、原料混合物を、アルゴン(Ar)ガス雰囲気下、1150℃で10時間加熱することにより行った。
<水素処理工程>
還元拡散処理物を、密封したステンレス鋼(SUS)容器に入れ、大気圧に対して+40kPaの水素雰囲気中に維持した。
<窒化処理工程>
水素処理により得られた生成物(水素処理物)に窒化処理を施した。窒化処理は、生成物を、アンモニア(NH)ガスを1.5L/分及び水素(H)ガスを1L/分をフローさせた雰囲気下、450℃で7時間保持することで行った。
<湿式処理工程>
窒化処理により得られた生成物(窒化処理物)を水洗浄した。まず、生成物1535gを処理容器に入れ、イオン交換水3Lを投入した。イオン交換水の投入により、生成物は崩壊してスラリー状となった(スラリー化処理)。このとき、スラリーは、還元剤由来の水酸化カルシウム(Ca(OH))を含むため、pH12以上の強アルカリであった。
次に、得られたスラリーに分離処理を施した。分離処理は次のようにして行った。まず、スラリーを5分間撹拌した後に1分間静置して、沈殿物と上澄み液とに分離させた。上澄み液のみを液体サイクロン(村田工業株式会社、T−80CN型スーパークロン)に通過させて、低比重成分を含むオーバーフロー液と、高比重成分を含むアンダーフロー液とに分離させた。ここで、上澄み液を通過させる際、バルブ開度を調整することで、スラリー圧力0.3MPaとした。次に、オーバーフロー液を除去するとともに、アンダーフロー液を処理容器に導入(回収)した。その後、処理容器に新たにイオン交換水を投入してスラリーとした。スラリーの撹拌及び静置、上澄み液の液体サイクロン処理並びにイオン交換水投入の操作を順次5回繰り返した。
水洗浄及び分離処理した生成物に酸洗処理を施した。まず、生成物のスラリー(磁粉スラリー)にイオン交換水及び酢酸168g(2.8mol)を加えた。このとき、スラリーはpH12以上の強アルカリであった。
次に、得られたスラリーに再度分離処理を施した。分離処理は次のようにして行った。まず、スラリーを5分間撹拌した後に1分間静置して、沈殿物と上澄み液とに分離させた。得られた上澄み液のみを液体サイクロンに通過させ、低比重成分を含むオーバーフロー液と、高比重成分を含むアンダーフロー液とに分離させた。オーバーフロー液を除去するとともに、高比重成分を含むアンダーフロー液を処理容器に導入(回収)した。その後、処理容器に新たにイオン交換水を投入してスラリーとした。スラリーの撹拌及び静置、上澄み液の液体サイクロン処理並びにイオン交換水投入の操作を順次5回繰り返した。
酸洗処理後の生成物を乾燥して、乾燥物(サマリウム鉄窒素系磁石粉末)を得た。乾燥は、真空乾燥機を用いて、得られた生成物を真空下200℃で加熱することにより行った。得られた乾燥物(磁石粉末)の質量は1249gであった。
<微粉砕工程>
得られた乾燥物を媒体撹拌ミルを用いて粉砕した。粉砕室に乾燥物1000g、粉砕溶媒としてイソプロピルアルコール1500g、粉砕初期に表面処理剤としてオルトリン酸17g(0.15mol/kg)を入れ、密封して120分間粉砕し、磁石粉末スラリーを得た。得られた磁石粉末スラリーを真空乾燥機に入れ、真空ポンプで乾燥機内を負圧に保ったまま、ヒーターにて乾燥機内を150℃で6時間保持し加熱乾燥した。加熱乾燥後、乾燥機内温度が室温に達したのち、乾燥機より取り出して、サマリウム鉄窒素(SmFe17)系磁石粉末を得た。
(2)評価
得られた磁石粉末について、各種特性の評価を以下のとおり行った。
<磁気特性>
磁石粉末の磁気特性を、次にようにして測定した。まず、磁石粉末を、パラフィンとともにサンプルケースに詰めた後に、加熱配向及び冷却固化して、測定用サンプルを作製した。次に、振動試料型磁力計(東英工業株式会社、VSM)を用いて、最大印可磁場1670kA/m(21kOe)の条件でヒステリシスカーブを描かせ、このヒステリシスカーブから残留磁束密度(Br)と保磁力(iHc)を読み取った。
<残留カルシウム量>
磁石粉末の残留カルシウム(Ca)量は、ICP発光分析法にて測定した。
<収率>
湿式処理に供した生成物の質量(W(RD))及び酸洗処理により得られた生成物の質量(W(SFN))を測定し、収率Y(%)を、式:Y(%)=100×W(SFN)/W(RD)により算出した。
実施例2
図3に示すように直列接続した3個の液体サイクロンを用いた以外は、実施例1と同様にして、磁石粉末の作製と評価を行った。その際、直径130mmのサイクロンと直径80mmのサイクロンと直径50mmのサイクロンをこの順に直列接続したものを用いた。得られた磁石粉末(乾燥物)の質量は1305gであった。
比較例1
湿式処理工程での水洗浄及び酸洗処理の際に、液体サイクロンを用いずに、スラリーの上澄み液をデカンテーションにより除去した以外は、実施例1と同様にして、磁石粉末の作製及び評価を行った。得られた磁石粉末(乾燥物)の質量は1164gであった。
比較例2
湿式処理工程での水洗浄及び酸洗処理の際に、スラリーの静置時間を2分とした以外は、比較例1と同様にして、磁石粉末の作製及び評価を行った。得られた磁石粉末(乾燥物)の質量は1232gであった。
比較例3
湿式処理工程での水洗浄及び酸洗処理の際に、スラリーの静置時間を30秒とした以外は、比較例1と同様にして、磁石粉末の作製及び評価を行った。得られた磁石粉末(乾燥物)の質量は1115gであった。
結果
実施例1、2及び比較例1〜3について、得られた評価結果は、表1に示されるとおりであった。
Figure 2020100892
表1に示されるように、湿式処理工程で液体サイクロンを単独で使用した実施例1の収率は81%、多段で使用した実施例2の収率は85%であった。また、得られた磁石粉末の保磁力iHcは895.2及び901.6kA/mと高かった。一方で、液体サイクロンを使用しない比較例1では、収率は76%と低かった。これは、液体サイクロンを使用しなかったため、上澄み液中のサマリウム鉄窒素(SmFe17)系磁石粉末が、水酸化カルシウム(Ca(OH))とともに系外に排出されてしまったためである。また、液体サイクロンを使用せず、スラリー静置時間を2分に延長した比較例2では、収率は80%と高いものの、磁気特性(Br、iHc)が低下した。これは、静置時間を延長したことで、上澄み液中の磁石粉末がよく沈降して収率が高くなったものの、水酸化カルシウムも同時に沈降してしまい、磁石粉末中に混在してしまったためと推測される。このことは、磁石粉末の残留カルシウム(Ca)量が0.2質量%と高かったことからも裏付けられる。さらに、液体サイクロンを使用せず、スラリー静置時間を30秒に短縮した比較例3では、収率が73%と低かった。これは、静置時間を短くしたことで、所望の磁石粉末が系外に排出されてしまったためである。
以上の結果から、本発明の希土類遷移金属系磁石粉末の製造方法によれば、高特性の希土類遷移金属系磁石粉末を収率よく得ることができ、その結果、高特性の希土類遷移金属系磁石粉末を低コストで製造できることが分かる。
1 液体サイクロン
2 サイクロン本体
3 流入口(原液入口)
4 下部流出口(ボトム出口)
5 上部流出口(トップ出口)
11 処理スラリー
12 処理容器
13 ポンプ
14 撹拌機
15 液体サイクロン
16 バルブ
17 アンダーフロー液
18 オーバーフロー液

Claims (13)

  1. 希土類遷移金属系磁石粉末の製造方法であって、以下の工程;
    希土類酸化物粉末と、遷移金属粉末と、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びこれらの水素化物から選ばれる少なくとも1種を含む還元剤と、を混合して原料混合物とする混合物作製工程、
    前記原料混合物を不活性ガス雰囲気中で熱処理して、希土類遷移金属合金成分と副生物とを含有する生成物とする還元拡散工程、及び
    前記還元拡散工程後に、生成物を水中に投入して水洗浄を行う湿式処理工程を有し、
    前記湿式処理工程の際に、水中に投入した生成物を崩壊させて、希土類遷移金属合金成分と固体状副生物由来成分とを含有するスラリーとするスラリー化処理と、前記スラリーの一部又は全部を比重分離機に通過させて、固体状副生物由来成分を除去するとともに、希土類遷移金属合金成分を回収する分離処理と、を行う、方法。
  2. 前記湿式処理工程で、スラリーを静置して、固体状副生物由来成分を主として含む上澄み液を得、得られた上澄み液を比重分離機に通過させる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記湿式処理工程で、スラリー化処理と分離処理の一連の処理を複数回繰り返す、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記比重分離機が液体サイクロンである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記分離処理の際、並列接続した複数の液体サイクロンにスラリーを分配して通過させる、請求項4に記載の方法。
  6. 前記分離処理の際、直列接続した複数の液体サイクロンにスラリーを順次通過させる、請求項4に記載の方法。
  7. 径の大きい液体サイクロンから径の小さい液体サイクロンへとスラリーを順次通過させる、請求項6に記載の方法。
  8. 前記湿式処理工程の際に、生成物をさらに酸洗処理する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記還元拡散工程と前記湿式処理工程の間に、生成物を水素加圧雰囲気に維持する工程を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記還元拡散工程の後に、生成物を窒化処理する工程をさらに有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記還元剤がカルシウム(Ca)を含有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記希土類遷移金属系磁石粉末のカルシウム(Ca)含有量が0.1質量%以下である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記分離処理前の生成物量に対する分離処理後の生成物量の比である回収率が、80質量%以上である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
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