JPH064885B2 - 希土類・ボロン・鉄系永久磁石用合金粉末の製造方法 - Google Patents

希土類・ボロン・鉄系永久磁石用合金粉末の製造方法

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JPH064885B2
JPH064885B2 JP60165300A JP16530085A JPH064885B2 JP H064885 B2 JPH064885 B2 JP H064885B2 JP 60165300 A JP60165300 A JP 60165300A JP 16530085 A JP16530085 A JP 16530085A JP H064885 B2 JPH064885 B2 JP H064885B2
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裕 松浦
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は希土類金属,B,Feを主成分とする永久磁石
用合金粉末の製造方法に関する。特に合金粉末の粉砕時
に微粉末に炭素,酸素の侵入,拡散がないような,希土
類・ボロン・鉄系永久磁石用合金粉末の製造方法に関す
る。
この発明においてRはNd,Pr,Dy,Ho,Tbの
少くとも1種,或いはこれらの1種以上と更にLa,C
e,Sm,Gd,Er,Eu,Tm,Yb,Lu,Yの
少くとも1種からなる希土類金属を示す。
[従来の技術] 現代の代表的な永久磁石材料は,アルニコ,ハードフェ
ライトおよび希土類コバルト磁石である。近年のコバル
トの原料事情の不安定化に伴ない,コバルトを20〜30wt
%含むアルニコ磁石の需要は減り,鉄の酸化物を主成分
とする安価なハードフェライトが磁石材料の主流を占め
るようになった。一方,希土類コバルト磁石はコバルト
を50〜60wt%も含むうえ,希土類鉱石中にあまり含まれ
ていないSmを使用するため大変高価であるが,他の磁
石に比べて,磁気特性が格段に高いため,主として小型
で付加価値の高い磁気回路に多用されるようになった。
そこで,本発明者は先に,高価なSmやCoを含有しな
い新しい高性能永久磁石としてFe−B−R系(RはY
を含む希土類元素のうち少くとも1種)永久磁石を提案
した(特開昭59-46008号,特開昭59-64733号,特開昭59
-89401号,特開昭59-132104号)。
上記の新規なFe−B−R系,Fe−Co−B−R系
(RはYを含む希土類元素のうち少くとも1種)永久磁
石(以下置換元素,添加元素を含む場合を含めて「Fe
−B−R系」と総称する。)を,製造するための出発原
料の希土類金属は,一般にCa還元法,電解法により製
造され,この希土類原料を用いて,例えば次の工程によ
り,上記の新規な永久磁石が製造される。
出発原料として,純度99.9%の電解鉄,B19.4%を含
有し残部はFe及びA,Si,C等の不純物からなるフ
ェロボロン合金,純度99.7%以上の希土類金属,あるい
はさらに,純度99.9%の電解Coを高周波溶解し,その
後水冷銅鋳型に鋳造する, スタンプミルにより35メッシュスルーまでに粗粉砕
し,次にボールミルにより,乾式或いは湿式法により例
えば粗粉砕粉300gを6時間粉砕して3〜10μmの微細粉
となす, 磁界(10kOe)中配向して,成形(1.5t/cm2にて加
圧)する, 焼結,1000℃〜1200℃,1時間,Ar中の焼結後に放
冷する。
[発明が解決しようとする問題点] 上記の如く,この永久磁石用合金粉末は,一般的には所
要組成の鋳塊を機械的粉砕及び微粉砕を行なって得られ
る。しかしFe−B−R系磁石用合金(一般に希土類合
金粉末もそうであるが)は非常に粉砕し難く,特に微粉
砕を乾式法による機械粉砕を行うと粉砕時に発熱して,
粉砕粉が酸化してしまい,又フロン等溶媒中で湿式の機
械粉砕を行うと,溶媒中のC,Cが粉砕粉末と反応
し,拡散して,粉砕粉末中のC,O量は増加して,製
品の永久磁石の特性を劣化して製品価値の低下を招来す
ると共にフロン等溶媒中での合金粗粉末の粉砕は安全
上,多くの問題を惹起する等の欠点があった。またこの
ようにして粉砕した粉末は粒度分布が悪く反応性に富ん
だ超微粉(1μm以下)が多く発生し酸化され易いこ
と,さらに0.1μm以下の粒子では超常磁性のふるまい
により配向性が悪くなる。
また,Fe−B−R系磁石用合金は非常に粉砕し難く,
粗粉砕粉は偏平状になりやすく,粉砕機の負荷が高く摩
耗しやすい上,次工程の微粉砕工程で必要な35メッシュ
スルー粉末を量産的に得ることは困難であり,また,粗
粉砕粉末の歩留及び粉砕能率が悪い等の問題もあった。
本発明は上述の問題点を解消することを基本的目的とす
る。即ち,本発明はFe−B−R系合金による焼結永久
磁石用として適したさらに改良された出発原料合金粉末
を提供せんとする。
この目的のもとに,本発明者は,先に希土類,ボロン,
鉄系の永久磁石用合金粉末を,安価にかつ粉末歩留よく
製造する方法を目的として,R・B・Feを主成分とす
る鋳塊を,金属面が露出するように破砕したのち,破砕
塊を密閉容器に収容して,H吸蔵させて,破砕塊を自
然崩壊して粉砕化する方法(H粉砕)を提案した(特
願昭58-171909号)。
然しながら,前記H粉砕法は従来の粉砕方法に比し,
粉砕時間の短縮,粉砕歩留の向上,並びに粉砕効率の向
上に極めて有効であるが,前記H粉砕粉は非常に活性
で,空気中のOと結合しやすく,製品の永久磁石の磁
石特性を劣化させる。又H粉砕後は酸化防止のためフ
ロン等溶媒中での湿式粉砕が行われているが,溶媒中の
C,Oが粉砕粉末と反応し,拡散して,粉砕粉末中の
C,O量は増加して,永久磁石の特性を劣化させる。
また特に1μm以下の超微粉末を多量に含有するため,
非常に活性で粉末の安定性,磁石特性に悪影響があり製
品価値の低下を招来すると共にフロン等溶媒中での合金
粉末の粉砕は安全上,多くの問題がある等の欠点がなお
存在する。
本発明は,さらにFe−B−R系合金のH粉砕法にお
ける上述の問題を解消することを具体的課題とする。
[発明による問題点の解決手段] 即ち,本発明R−B−Fe系永久磁石用合金粉末の製造
方法は,(i)R(但し,RはNd,Pr,Dy,Ho,
Tbの少くとも1種,或いは更にLa,Ce,Sm,G
d,Er,Eu,Tm,Yb,Lu,Yの少くとも1種
からなる)10原子%〜30原子%,B2原子%〜28原子
%,Fe65原子%〜80原子%を主成分とする合金塊を金
属面が露出するように破砕する工程, (ii)破砕塊をH吸蔵崩壊させる工程, (iii)崩壊合金粒を室温〜−197℃の低温の不活性ガス中
にて微粉砕する工程, (iv)前記微粉砕粉末を超音速不活性ガスにより気流粉砕
機の粉砕室内に噴射してより微細な微粉末に粉砕すると
共に分級する工程, から成ることを特徴とする。
工程(ii)のH吸蔵崩壊(H粉砕)は,密閉容器内に
て200Torr〜50kgf/cm2のHガスと共に破砕塊を収容し
て行うことができる。
工程(iii)の低温不活性ガス中での微粉砕によりH
砕後の既述の問題点が解消され,さらに,工程(iv)の超
音速不活性ガスによる粒子同志の衝突に基づくより微細
化のための微粉砕並びに同時に行われる分級により,超
微粉を含まない,均一粒度分布の微細なR−B−Fe系
合金粉末(粒度1〜10μm程度)が得られる。生成微粉
末は,凝集がなく,単一微細粉末から成る。この一連の
工程により,粉砕時における炭素,酸素の侵入,拡散は
防止される。
この発明はR・B・Feを主成分とする鋳塊のH吸蔵
による自然崩壊粉末の活性化を低減し,粉末(あるいは
さらにこの粉末を用いた成型体)の酸化,加炭を防止し
て,酸化の進行に伴なう上記問題,磁気特性の低下を防
止すると共に室温以下での不活性ガス中での粉砕,及び
超音速ガスによる粉砕により,超微粉末が単一粒子の形
で存在したり,単一粒子が複数個凝集した状態で存在す
ることを防止して酸化防止と共に成型性の改善,配向度
の向上,更には減磁曲線の角型性向上等磁石特性を更に
改善向上する。H吸蔵崩壊合金粉を室温〜−197℃の
低温の不活性ガスを充填した粉砕機に供給して乾式にて
微粉砕するが,前記低温粉砕粉には粗粉が混入している
ため,磁石特性向上のために更に前記微粉末を気流粉砕
機のガス送入管内に装入し,該ガス送入管の超音速不活
性ガスにより粉砕室内に噴射して,10μm以下の微粉
末に粉砕すると共に分級する。
[実施の態様] 以下に,この発明による磁石用合金粉末の製造方法を詳
述する。
本系永久磁石合金塊は所定成分において溶成,冷却され
て得られ,典型的には鋳塊として得られる(好ましくは
冷却速度1000℃/min以上)。鋳塊は,例えば,実施例
に示すように,出発原料として,電解鉄,フェロボロン
合金,希土類金属,あるいはさらに,電解Coを高周波
溶解し,その後水冷銅鋳型に鋳造することにより得られ
る。
この鋳塊は,その表面が酸化膜で覆われるとH吸蔵反
応が進行し難いため,金属面が露出するように,例え
ば,所定大きさのブロックに破砕してからH吸蔵させ
る。
吸蔵には,例えば所定大きさに破砕した破砕塊を原
料ケース内に挿入し,Hガスの供給管及び排気管を付
設した蓋を締めて密閉できる容器内の所定位置に,上記
原料ケースを装入し,密閉したのち,Hガスを供給し
ながら排気し,容器内の空気を十分に置換後,200Torr
〜50kgf/cm2の圧力のHガスを供給して,破砕塊にH
を吸蔵させる。このH吸蔵反応は,発熱反応である
ため,容器の外周には冷却水を供給する冷却配管が周設
され,容器内の昇温を防止しながら,所定圧力のH
スを一定時間供給することにより,Hガスが吸収さ
れ,破砕塊は自然崩壊して粉化する。
ついで,崩壊した合金を冷却後,真空中での脱Hガス
処理する。
さらに,必要に応じて真空中またはアルゴンガス等の不
活性ガス中において,崩壊合金を100℃〜500℃に加熱
し,0.5時間以上の2次脱H処理すると,崩壊合金中
のHは完全に除去することができる。
上記処理後の合金粉末は粒内(結晶内及び結晶粒界)に
微細亀裂が内在した状態になる。
また,鋳塊の破砕大きさは,小さい程,H吸蔵による
粉砕のH圧力を小さくでき,また,Hガス圧力は,
減圧下でも破砕して鋳塊はH吸収し粉化されるが,圧
力は,大気圧より高くなるほど,粉化されやすくなる。
しかし,200Torr未満では粉化性が悪くなる。また,50k
gf/cm2を越えるとH吸収による粉化の点では好ましい
が,装置や作業の安全性からは好ましくないため,200T
orr〜50kgf/cm2とする。量産性からは,2kgf/cm2〜10k
gf/cm2が好ましい。
この発明において,H吸蔵による粉化の処理時間は,
前記密閉容器の大きさ,破砕塊の大きさ,Hガス圧力
により変動するが,5分以上は必要である。
本発明において,H粉砕後の低温粉砕工程及びジェッ
トミル粉砕工程について,第1図により説明する。
前記H粉砕粉中のHを完全に除去するため,H
砕粉を加熱炉(1)に装入し,真空中又はアルゴンガス中
で100℃〜500℃に30分以上加熱して,冷却室(2)にて冷
却した後,貯蔵槽(3)に貯蔵後,槽下部に配設したフィ
ーダ(4)よりH粉砕粉を切出して,低温粉砕機(5)に装
入する。前記低温粉砕機(5)は液体窒素及び液体窒素を
気化した窒素ガスを適当な比率に配合して,室温〜−19
7℃に調整した窒素ガスが充填され,該粉砕機内のロー
ター(6)に周設した粉砕歯(7)により,前記H粉砕粉を
微粉砕し,微粉砕粉中の超微粉砕粉はサイクロン(8)に
より分級され,所要粒度の微粉末はホッパ(9),定量供
給器(10)を介してジェットミル(11)に装入される。さら
にサイクロン(12)で製品粉末(原料粉)が回収され,も
っと微細な粉は微粉捕集器(13)で捕集され,清浄ガスが
排気される。一方サイクロン(8)の排気口から出たガス
は一部は排気され一部は低温粉砕機(5)に循環使用され
る。低温粉砕条件として不活性ガス温度を室温〜−197
℃に限定した理由は室温以上では粉砕された粉が酸素と
結合し易くなるため好ましくなく,又−197℃以下では
液体窒素よりも低い沸点の高価な液化Ar,Heを用い
なければならないので,好ましくない。
次に第2図に示すジェットミルを使って,この発明を実
施する場合の作用について説明する。
前記低温粉砕粉末(22)は原料ホッパー(21)からガス供給
本管(23)より分岐したガス送入管(24)の途中に装入され
る。すると該ガス送入管(24)を流れる超音速不活性ガス
によって,原料粉末は粉砕室(25)にその内部での循環流
に対して接線方向に噴射される。この際原料粉末と超音
速ガスとの衝撃,粉末同志の衝突,粉末と粉砕室壁との
衝突,摩砕により,微粉砕される。
そして,極微粉末はサイクロン(26)中央で浮遊旋回し,
上方へ開口した排出管(27)を通って排出不活性ガスと共
に外部へ排出され分級される。一方極微粉末を分離除去
した微粉末(28)はサイクロン(26)の底部から排出され
る。そして,不活性ガスの吹き込みを停止した状態で底
開口部のストッパー(29)を開き製品として微粉末(28)を
回収する。
以下に、この発明における希土類・鉄・ボロン系永久磁
石合金用鋳塊の組成限定理由を説明する。
この発明の永久磁石合金用鋳塊に含有される希土類元素
Rは10原子%〜28原子%のNd,Pr,Dy,Ho,T
bのうち少くとも1種,あるいは更にLa,Sm,C
e,Gd,Er,Eu,Pm,Tm,Yb,Yのうち少
くとも1種を含むものが好ましい。又通例RはNd,P
r,Dy,Ho,Tbのうち1種をもって足りるが,実
用上はこれらの1以上と他のRの2種以上の混合物を用
いることができ,Rの出発原料としてはミッシュメタ
ル,ジジム等を入手上の便宜等の理由により用いること
ができる。なお、このRは純希土類元素でなくてもよ
く,工業上入手可能な範囲で製造上不可避な不純物を含
有するものでも差支えない。RとしてはNd,Prが好
ましく,Nd,Prの1以上にDy,Ho,Tbの1以
上を0.05〜5原子%含むことが高保持力(温度特性),
高エネルギー積の上で特に好ましい。
R(Yを含む希土類元素のうち少くとも1種)は,新規
な上記系永久磁石を製造する合金鋳塊の必須元素であっ
て,10原子%未満では,高磁気特性,特に高保磁力が得
られず,30原子%を越えると,残留磁束密度(Br)が
低下して,すぐれた特性の永久磁石が得られない。よっ
て,希土類元素は,10原子%〜30原子%の範囲とする。
Bは,新規な上記系永久磁石を製造する合金鋳塊の必須
元素であって,2原子%未満では,高い保磁力(iH
c)は得られず,28原子%を越えると,残留磁束密度
(Br)が低下するため,すぐれた永久磁石が得られな
い。よって,Bは,2原子%〜28原子%の範囲とする。
Feは,新規な上記系永久磁石を製造する合金鋳塊の必
須元素であるが,65原子%未満では残留磁束密度(B
r)が低下し,80原子%を越えると,高い保磁力が得ら
れないので,Feは65原子%〜80原子%に限定する。
また,Feの一部をCoで置換することができる。その
理由は,永久磁石の温度特性(キュリー温度Tc)を向
上させる効果が得られるためであるが,Coは合金中で
50原子%を越えると,高い保磁力が得られず,すぐれた
永久磁石が得られない。よつて,Coは50原子%を上限
とする。
この発明の合金鋳塊において,高い残留磁束密度と高い
保磁力を共に有するすぐれた永久磁石を得るためには,
R12原子%〜20原子%,B4原子%〜24原子%,Fe65
原子%〜80原子%が好ましい。
また、この発明による合金鋳塊は,R,B,Feの他,
工業的生産上不可避的不純物の存在を許容でき,少量の
P,S,Cuの含有は許容される。但し,本発明の粉末
製造工程ではCの混入を少くできるので有意義である。
P,Cu各3.5原子%,S2.5原子%,合計3.5原子%を
こえるとBrが実用レベル以下となる。但しこれらの不
純物は少ないにこしたことはない。
さらに,前記R,B,Fe合金あるいはCoを含有する
R,B,Fe合金に,Feの一部に加えて下記の添加元
素のうち少くとも1種を添加含有させることにより,永
久磁石合金の高保磁力化が可能になる: 9.5原子%以下のA,4.5原子%以下のTi, 9.5原子%以下のV,8.5原子%以下のCr, 8.0原子%以下のMn,5原子%以下のBi, 12.5原子%以下のNb,10.5原子%以下のTa, 9.5原子%以下のMo,9.5原子%以下のW, 2.5原子%以下のSb,7原子%以下のGe, 35原子%以下のSn,5.5原子%以下のZr, 5.5原子%以下のHf5.0原子%以下のSi。
結晶相は主相(50vol%以上)がFe−B−R系正方晶
であることが,微細で均一な合金粉末を得るのに不可欠
である。この正方晶相は多い程粉末化が容易になる。好
ましくは90vol%以上とする。
この発明による合金の微粉砕粉末の粒度は,平均粒度が
80μmを越えると,永久磁石の作製時にすぐれた磁気特
性,とりわけ高い保磁力が得られず,また,平均粒度が
1μm未満では,永久磁石の製作工程,すなわち,プレ
ス成形,焼結,時効処理工程における酸化が著しく,す
ぐれた磁気特性が得られないため,1〜80μmの平均粒
度とする。さらに,すぐれた磁気特性を得るには,平均
粒度2〜10μmの合金粉末が最も望ましい。
この発明による永久磁石用合金粉末を使用して得られる
磁気異方性永久磁石合金は,保磁力iHc≧1kOe,残留磁
束密度Br>4kG,を示し,最大エネルギー積(BH)max
はハードフェライトと同等以上となり、好ましい組成範
囲では,(BH)max≧10MGOeを示し,最大値は35MGOe以上
から40MGOe以上に達する。
また,この発明による合金粉末の組成が,R10原子%〜
30原子%,B2原子%〜28原子%,Co45原子%以下,
Fe65原子%〜80原子%の場合,得られる磁気異方性永
久磁石合金は,上記磁石合金と同等の磁気特性を示す。
残留磁束密度の温度係数が,Co5原子%以上で0.1%
/℃以下となり,すぐれた特性が得られる。
また,合金粉末のRの主成分がその50%以上をNd,P
rの和が占める場合で,R12原子%〜20原子%,B4原
子%〜24原子%,Fe65原子%〜80原子%の場合,ある
いはさらにCo5原子%〜45原子%を含有するときさら
にすぐれた磁気特性を示し、特にNdの場合には,(BH)
maxはその最大値が35MGOe以上に達する。
また,この発明による合金粉末は,無磁界中で加圧成形
することにより等方性永久磁石を製造することができ
る。
以上R−B−Fe系合金について説明したが,本発明の
合金粉末製造方法は従来の希土類合金磁石,例えばSm
Co系合金や,R−Fe系合金の粉末製造にも用いるこ
とができる。
[実施例] 以下に実施例を説明する。
実施例1 出発原料として,純度99.9%の電解鉄,B19.4%を含有
し残部はFe及びC等の不純物からなるフェロボロン合
金,純度99.7%以上のNdを高周波溶解し,その後水冷
銅鋳型に鋳造し,14.5Nd1.5Dy8B76Fe(原子
%)なる組成の鋳塊1kgを得た。
この鋳塊を50mm以下に破砕したのち,破砕塊900gを,前
記した密閉容器内に装入し,Hガスを10分間流入させ
て,空気と置換し,2.5kg/cm2のHガス圧力で10時間
処理した。
得られたH吸蔵により自然崩壊させ,冷却した粗粒粉
を,真空中で300℃,3時間の脱水素処理後,冷却し,
前記粗粒粉を低温粉砕機を使用し,粉砕条件として粉砕
温度−120℃,ロータ周速80m/sec,液体N消費量1.5k
g/原料1kg,ステンレス製粉砕歯を用い原料粉末とし
て29kg処理した所,得られた粉末粒度は6.5μmであっ
た。前記低温粉砕機をジェットミル(PJM−100型メ
ーカー:日本ニューマチック社製)を使用し,Nガス
圧力6.5kg/cm2の超音速Nガス(マッハ2.5)にてジェ
ット粉砕して,第1表の如き,微粉末を得た。
この3種の合金微粉末を用いて,磁界10kOe中で配向
し,1.5T/cm2にて加圧成型し,その後,1100℃,1時間
の条件で焼結し,更にAr中で焼結後600℃に1時間の
時効処理を行って永久磁石を作製した。その時の永久磁
石の磁石特性を比較のために,実施例1と同一組成の鋳
塊を同一条件のH粉砕後,ボールミルにて微粉砕して
得られた永久磁石の磁石特性,及び実施例1のジェット
粉砕を施さない以外は同一組成,同一条件にて得られた
永久磁石の磁石特性を第2表に表わす。
なお,焼結前の合金粉末中のC量は,焼結体中のC量と
ほぼ同程度あった。
本発明法によりC,O等の不純物が少なく結晶粒径が
均一で磁石特性を有する永久磁石が得られることは明ら
かである。
[発明の効果] 本発明の希土類・ボロン・鉄系永久磁石用合金粉末の製
造方法によれば、 (イ)H吸蔵崩壊による粉砕法を用いているので、粉
砕時間を短縮し、粉砕歩留、粉砕効率を向上でき、 (ロ)引き続き低温の不活性ガス中で微粉砕を行なうた
め、H吸蔵崩壊後の酸化反応を起こし易いFe−B−
R系合金が発熱より酸化されることを防止でき、 (ハ)さらに、従来のような湿式ボールミル粉砕ではな
く溶媒を用いない超音速不活性ガスを用いた噴射による
粉砕を行なうので、合金粉末が溶媒中のC,Oと反応
する心配がなく上記合金粉末中のC,O量の増加を抑
える事ができると共に、粉砕粉の粒度分布を改善し超微
粉(1μm以下)を除去できるので、磁石用合金粉末の
成型性を改善できると共に結晶粒子の分布を微細なレベ
ルで均一化でき、従って磁気特性等を改善できる。
【図面の簡単な説明】
第1図,第2図は夫々本発明の実施例に用いる装置を示
す。
フロントページの続き (72)発明者 広沢 哲 大阪府三島郡島本町江川2丁目15―17 住 友特殊金属株式会社山崎製作所内 (72)発明者 佐川 眞人 大阪府三島郡島本町江川2丁目15―17 住 友特殊金属株式会社山崎製作所内 (56)参考文献 特開 昭52−52482(JP,A) 特公 昭55−27612(JP,B2) 特公 昭56−27562(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】R(但し,RはNd,Pr,Dy,Ho,
    Tbの少くとも1種,或いは更にLa,Ce,Sm,G
    d,Er,Eu,Tm,Yb,Lu,Yの少くとも1種
    からなる)10原子%〜30原子%,B2原子%〜28原子
    %,Fe65原子%〜80原子%を主成分とする合金塊を金
    属面が露出するように破砕する工程, (ii)破砕塊をH吸蔵崩壊させる工程, (iii)崩壊合金粒を室温〜−197℃の低温の不活性ガス中
    にて微粉砕する工程, (iv)前記微粉砕粉末を超音速不活性ガスにより気流粉砕
    機の粉砕室内に噴射してより微細な微粉末に粉砕すると
    共に分級する工程, から成ることを特徴とする希土類・ボロン・鉄系永久磁
    石用合金粉末の製造方法。
JP60165300A 1985-07-26 1985-07-26 希土類・ボロン・鉄系永久磁石用合金粉末の製造方法 Expired - Lifetime JPH064885B2 (ja)

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