JPH06349618A - R−Fe−B系永久磁石材料の製造方法 - Google Patents

R−Fe−B系永久磁石材料の製造方法

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JPH06349618A
JPH06349618A JP5157853A JP15785393A JPH06349618A JP H06349618 A JPH06349618 A JP H06349618A JP 5157853 A JP5157853 A JP 5157853A JP 15785393 A JP15785393 A JP 15785393A JP H06349618 A JPH06349618 A JP H06349618A
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permanent magnet
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gas
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JP5157853A
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Yuji Kaneko
裕治 金子
Naoyuki Ishigaki
尚幸 石垣
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Hitachi Metals Ltd
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Sumitomo Special Metals Co Ltd
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    • H01F1/0573Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B in the form of particles, e.g. rapid quenched powders or ribbon flakes obtained by reduction or by hydrogen decrepitation or embrittlement

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 効率よい微粉砕を可能にし、耐酸化性にすぐ
れかつ磁気特性のすぐれたR−Fe−B系永久磁石材料
を得ることができるR−Fe−B系永久磁石材料の製造
方法の提供。 【構成】 特定組成を有するR−Fe−B系合金溶湯を
ストリップキャスティングにて特定板厚のRリッチ層が
5μm以下に微細に分離した組織を有する鋳片となし、
この鋳片にH2吸蔵させて自然崩壊させることにより、
その後、脱H2処理して安定化させた合金粉末を微粉砕
にて合金塊を構成している主相の結晶粒を細分化するこ
とが可能となり、実施例に明らかなように粒度分布が均
一な粉末を、従来の約2倍程度の効率で作製することが
でき、粉砕時にRリッチ相とR2Fe14B相も微細化さ
れ、磁石化すると耐酸化性にすぐれ、磁石合金の磁気特
性、特にiHcが向上したR−Fe−B系永久磁石が得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、R(但しRはYを含
む希土類元素のうち、少なくとも1種を含有)、Fe、
Bを主成分とする永久磁石材料の製造方法に係り、R、
Fe、Bを主成分とする合金溶湯を単ロール法あるいは
双ロール法等のストリップキャスティング法にて特定板
厚のRリッチ相が微細に分離した均質組織を有する鋳片
を得、これをR含有Fe合金のH2吸蔵性を利用して鋳
片を自然崩壊させ、さらに脱H2処理して安定化させる
ことにより、効率よい微粉砕を可能にし、耐酸化性にす
ぐれかつ磁気特性のすぐれたR−Fe−B系永久磁石材
料を得る製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、高性能永久磁石として代表的なR
−Fe−B系永久磁石(特開昭59−46008号)
は、三元系正方晶化合物の主相とRリッチ相を有する組
織にて高い磁石特性が得られ、一般家庭の各種電器製品
から大型コンピュータの周辺機器まで幅広い分野で使用
され、用途に応じた種々の磁石特性を発揮するよう種々
の組成のR−Fe−B系永久磁石が提案されている。し
かしながら、電気・電子機器の小型・軽量化ならびに高
機能化の要求は強く、R−Fe−B系永久磁石のより一
層の高性能化とコストダウンが要求されている。
【0003】R−Fe−B系焼結磁石の残留磁束密度
(Br)を高めるためには、強磁性相であり、主相のR
2Fe14B相の存在量を多くすることにより達成され
る。すなわち、磁石の組成を上記R2Fe14Bの化学量
論的組成に近づけることが重要であるが、上記組成の合
金を溶解し、鋳型に鋳造した合金塊を、出発原料として
R−Fe−B系焼結磁石を作製しようとすると、合金塊
に晶出したα−Feや、R−rich相が局部的に遍在
していることなどから、特に微粉砕時に粉砕が困難とな
り、組成ずれを生ずる等の問題があった。詳述すると、
前記合金塊をH2吸蔵、脱H2処理して機械的微粉砕をお
こなう場合(特開昭60−63304号、特開昭63−
33505号)、合金塊に晶出したα−Feはそのまま
粉砕時に残留し、その展延性の性質のために粉砕を妨
げ、又局部的に遍在したR−rich相はH2吸蔵処理
によって、水素化物を生成し、微細な粉末となる溜め、
機械的な微粉砕時に酸化が促進されたり、またジェット
ミルを用いた粉砕では優生的に飛散することにより組成
ずれを生ずる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】最近、鋳塊粉砕法によ
るR−Fe−B系合金粉末の欠点たる結晶粒の粗大化、
α−Feの残留、偏析を防止するために、R−Fe−B
系合金溶湯を双ロール法により、特定板の鋳片となし、
前記鋳片を通常の粉末冶金法に従って、鋳片をスタンン
プミル・ジョークラッシャーなどで粗粉砕後、さらにデ
ィスクミル、ボールミル、アトライター、ジェットミル
など機械的粉砕法により平均粒径が3〜5μmの粉末に
微粉砕後、磁場中プレス、焼結時効処理する製造方法が
提案(特開昭63−317643号公報)されている。
しかし、前記方法では従来の鋳型に鋳造した鋳塊粉砕法
の場合に比し、微粉砕時の粉砕能率の飛躍的な向上は望
めず、また微粉砕時、粒界粉砕のみならず、粒内粉砕も
起こるため、磁気特性の大幅の向上も達成できなかっ
た。また、R−Fe−B系永久磁石材料に対するコスト
ダウンの要求が強く、効率よく高性能永久磁石を製造す
ることが、極めて重要になっている。
【0005】この発明は、上述したR−Fe−B系永久
磁石材料の製造方法における問題点を解消し、効率よい
微粉砕を可能にし、耐酸化性にすぐれかつ磁気特性のす
ぐれたR−Fe−B系永久磁石材料を得ることができる
R−Fe−B系永久磁石材料の製造方法の提供を目的と
している。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは、R−Fe−
B系合金を出発原料として微粉砕能率の向上、かつ耐酸
化性にすぐれ、磁石合金の磁気特性、特にiHcの向上
を目的に、粉砕方法について種々検討した結果、組織が
微細かつ均等なR−Fe−B系合金を水素吸蔵させた
後、脱H2処理して安定化させた合金粉末を微粉砕した
場合、微粉砕能は従来の約2倍にも向上し、かつ焼結磁
石のiHcが向上することを知見した。すなわち、スト
リップキャスティングされた特定板厚のRリッチ相が微
細に分離した組織を有する特定組成のR−Fe−B系合
金にH2吸蔵させると、微細に分散されたRリッチ相が
水素化物を生成して体積膨張することにより、前記合金
を自然崩壊させることができ、その結果、微粉砕によ
り、合金塊を構成している主相の結晶粒を細分化するこ
とが可能となり、粒度分布が均一な粉末を作製すること
ができる。特に、この際Rリッチ相が微細に分散され、
しかもR2Fe14B相が微細であることが重要で、その
合金塊の製造方法としてストリップキャスティング法が
適していることを知見した。
【0007】この発明は、R(但しRはYを含む希土類
元素のうち、少なくとも1種)10at%〜30at
%、B2at%〜28at%、残部Fe(但しFeの1
部をCo、Niの1種または2種にて置換できる)及び
不可避的不純物からなる合金溶湯をストリップキャステ
ィング法にて板厚0.03mm〜10mmの薄板でRリ
ッチ相が5μm以下に微細に分離した組織を有する鋳片
に鋳造後、前記鋳片を吸排気可能な容器に収容し、該容
器内の空気をH2ガスにて置換した後、該容器内に20
0Torr〜50kg/mm2のH2ガスを供給して得ら
れた崩壊合金粉を脱H2処理した後、さらに微粉砕、磁
界中プレス、焼結、時効処理することを特徴とするR−
Fe−B系永久磁石材料の製造方法である。なた、この
発明は、上記の構成において、水素吸蔵により得られた
崩壊合金粉末を100℃〜750℃に加熱して脱H2
理することを特徴とするR−Fe−B系永久磁石材料の
製造方法を提案する。
【0008】この発明の特定組成のRリッチ相が微細に
分離した組織を有する磁石材料の鋳片は、特定組成の合
金溶湯を単ロール法、あるいは双ロール法によるストリ
ップキャスティング法にて製造される。得られた鋳片は
板厚が0.03mm〜10mmの薄板材であり、所望の
鋳片板厚により、単ロール法と双ロール法を使い分ける
が、板厚が厚い場合は双ロール法を、また板厚が薄い場
合は単ロール法を採用したほうが好ましい。鋳片の板厚
を0.03mm〜10mmに限定した理由は、0.03
mm未満では急冷効果が大となり、結晶粒径が3μmよ
り小となり、粉末化した際に酸化しやすくなるため、磁
気特性の劣化を招来するので好ましくなく、また10m
mを超えると、冷却速度が遅くなり、α−Feが晶出し
やすく、結晶粒径が大となり、Ndリッチ相の偏在も生
じるため、磁気特性が低下するので好ましくないことに
よる。
【0009】この発明のストリップキャスティング法に
より得られた特定組成のR−Fe−B系合金の断面組織
は主相のR2Fe14B結晶が磁束の鋳型に鋳造して得ら
れた鋳塊ものに比べて、約1/10以上も微細であり、
例えば、その短軸方向の寸法は0.1μm〜50μm、
長軸方向は5μm〜200μmの微細結晶であり、かつ
その主相結晶粒を取り囲むようにRリッチ相が微細に分
散されており、局部に遍在している領域においても、そ
の大きさは20μm以下である。Rリッチ相が5μm以
下に微細に分離することによって、H2吸蔵処理時にR
リッチ相が水素化物を生成した際の体積膨張が均一に発
生して細分化されるため、微粉砕にて主相の結晶粒が細
分化されて粒度分布が均一な微粉末が得られる。前記鋳
片はそのままでH2吸蔵処理してもよいが、所要の大き
さに破断して、金属面を露出させてH2吸蔵処理したほ
うが好ましい。
【0010】H2吸蔵処理には、吸排気可能な容器を使
用する。例えば、所定大きさに破断した0.03mm〜
10mm厚みの鋳片を原料ケース内に挿入し、H2ガス
の供給管及び排気管を付設し、蓋を締めて密閉できる容
器内の所定位置に、上記原料ケースを装入して密閉した
のち、H2ガスを供給しながら排気し、容器内の空気を
十分に置換後、200Torr〜50kg/cm2の圧
力のH2ガスを供給して、該鋳片にH2を吸蔵させる。こ
のH2吸蔵反応は、発熱反応であるため、容器の外周に
は冷却水を供給する冷却配管が周設して容器内の昇温を
防止しながら、所定圧力のH2ガスを一定時間供給する
ことにより、H2ガスが吸収されて該鋳片は自然崩壊し
て粉化する。さらに、粉化した合金を冷却したのち、真
空中で脱H2ガス処理する。前記処理の合金粉末は粒内
に微細亀裂が内在するので、ポール・ミル、ジェットミ
ルで短時間で微粉砕され、1μm〜80μmの所要粒度
の合金粉末を得ることができる。
【0011】この発明において、上記処理容器内の空気
の置換は、H2ガスによる置換のほか、予め不活性ガス
で空気を置換し、その後H2ガスで不活性ガスを置換し
てもよい。また、鋳塊の破断大きさは、小さいほど、H
2粉砕の圧力を小さくでき、また、H2ガス圧力は、減圧
下でも破断した鋳塊はH2吸収し粉化されるが、圧力が
大気圧より高くなるほど、粉化されやすくなる。しか
し、200Torr未満では粉化性が悪くなり、50k
g/cm2を超えるとH2吸収による粉化の点では好まし
いが、装置や作業の安全性からは好ましくないため、H
2ガス圧力は200Torr〜50kg/cm2とする。
量産性からは、2kg/cm2〜10kg/cm2が好ま
しい。 この発明において、H2吸蔵による粉化の処理時
間は、前記密閉容器の大きさ、破断塊の大きさ、H2
ス圧力により変動するが、5分以上は必要である。
【0012】H2吸蔵により粉化した合金を冷却後、真
空中で1次の脱H2ガス処理する。さらに、真空中また
はアルゴンガス中において、粉化合金を100℃〜75
0℃に加熱し、0.5時間以上の2次脱H2ガス処理す
ると、粉化合金中のH2ガスは完全に除去できるととも
に、長期保存に伴う粉末あるいはプレス成形体の酸化を
防止して、得られる永久磁石の磁気特性の低下を防止で
きる。この発明による100℃以上に加熱する脱水素処
理は、すぐれた脱水素効果を有しているために上記の真
空中での1次脱水素処理を省略し、崩壊粉を直接100
℃以上の真空中またはアルゴンガス雰囲気中で脱水素処
理してもよい。すなわち、前述したH2吸蔵反応用容器
内でH2吸蔵・崩壊反応させた後、得られた崩壊粉を続
いて同容器の雰囲気中で100℃以上に加熱する脱水素
処理を行うことができる。あるいは、真空中での脱水素
処理後、処理容器から取り出して崩壊粉を微粉砕したの
ち、再度処理容器で100℃以上に加熱するこの発明の
脱水素処理を施してもよい。上記の脱水素処理における
加熱温度は、100℃未満では崩壊合金粉内に残存する
2を除去するのに長時間を要して量産的でない。ま
た、750℃を超える温度では液相が出現し、粉末が固
化してしまうため、微粉砕が困難になったり、プレス時
の成形性を悪化させるので、焼結磁石の製造の場合には
好ましくない。また、焼結磁石の焼結性を考慮すると、
好ましい脱水素処理温度は200℃〜600℃である。
また、処理時間は処理量によって変動するが0.5時間
以上は必要である。
【0013】以下に、この発明における、希土類・ボロ
ン・鉄系永久磁石合金用鋳塊の組成限定理由を説明す
る。この発明の永久磁石合金用鋳塊に含有される希土類
元素Rはイツトリウム(Y)を包含し、軽希土類及び重
希土類を包含する希土類元素である。Rとしては、軽希
土類をもって足り、特にNd,Prが好ましい。また通
例Rのうち1種もって足りるが、実用上は2種以上の混
合物(ミツシユメタル、ジジム等)を入手上の便宜等の
理由により用いることができ、Sm,Y,La,Ce,
Gd等は他のR、特にNd,Pr等との混合物として用
いることができる。なお、このRは純希土類元素でなく
てもよく、工業上入手可能な範囲で製造上不可避な不純
物を含有するものでも差し支えない。Rは、R−Fe−
B系永久磁石を製造する合金鋳塊の必須元素であって、
10原子%未満では高磁気特性、特に高保磁力が得られ
ず、30原子%を越えると残留磁束密度(Br)が低下
して、すぐれた特性の永久磁石が得られない。よって、
Rは10原子%〜30原子%の範囲とする。
【0014】Bは、R−Fe−B系永久磁石を製造する
合金鋳塊の必須元素であって、2原子%未満では高い保
磁力(iHc)は得られず、28%原子を越えると残留
磁束密度(Br)が低下するため、すぐれた永久磁石が
得られない。よって、Bは2原子%〜28原子%の範囲
とする。
【0015】Feは42原子%未満では残理磁束密度
(Br)が低下し、88%原子を越えると高い保磁力が
得られないので、Feは42原子%〜88原子%に限定
する。また、Feの一部をCo、Niの1種又は2種で
置換する理由は、永久磁石の温度特性を向上させる効果
及び耐食性を向上させる効果が得られるためであるが、
Co、Niの1種又は2種はFeの50%を越えると高
い保磁力が得られず、すぐれた永久磁石が得られない。
よって、CoはFeの50%を上限とする。
【0016】この発明の合金鋳塊において、高い残留磁
束密度と高い保磁力を共に有するすぐれた永久磁石を得
るためには、R12原子%〜16原子%、B4原子%〜
12原子%、Fe72原子%〜84原子%が好ましい。
また、この発明による合金鋳塊は、R、B、Feの他、
工業的生産上不可避的不純物の存在を許容できるが、B
の一部を4.0原子%以下のC、3.5原子%以下の
P、2.5原子%以下のS、3.5原子%以下のCuの
うち少なくとも1種、合計量で4.0原子%以下で置換
することにより、磁石合金の製造性改善、低価格化が可
能である。さらに、前記R、B、Fe合金あるいはCo
を含有するR−Fe−B合金に、9.5原子%以下のA
l、4.5原子%以下のTi、9.5原子%以下のV、
8.5原子%以下のCr、8.0原子%以下のMn、5
原子%以下のBi、12.5原子%以下のNb、10.
5原子%以下のTa、9.5原子%以下のMo、9.5
原子%以下のW、2.5原子%以下のSb、7原子%以
下のGe、35原子%以下のSn、5.5原子%以下の
Zr、5.5原子%以下のHfのうち少なくとも1種添
加含有させることにより、永久磁石合金の高保磁力が可
能になる。この発明のR−B−Fe系永久磁石におい
て、結晶相は主相が正方晶であることが不可欠であり、
特に、微細で均一な合金粉末を得て、すぐれた磁気特性
を有する焼結永久磁石を作成するのに効果的である。
【0017】この発明による合金の微粉砕粉末の粒度
は、平均粒度80μmを越えると、永久磁石の作成時に
すぐれた磁気特性、とりわけ高い保磁力が得られず、ま
た、平均粒度が1μm未満では、焼結磁石とした場合の
製作工程、すなわち、プレス成形、焼結、時効処理工程
における酸化が著しく、すぐれた磁気特性が得られない
ため、1〜80μmの平均粒度とする。さらに、すぐれ
た磁気特性を得るには、平均粒度2〜10μmの合金粉
末が最も望ましい。
【0018】
【作用】この発明は、ストリップキャスティングされた
特定板厚の特定組成を有するR−Fe−B系合金にH2
吸蔵させることにより、微細に分散されたRリッチ相が
水素化物を生成して体積膨張させて前記合金を自然崩壊
させ、その後微粉砕にて合金塊を構成している主相の結
晶粒を細分化することが可能となり、粒度分布が均一な
粉末を作製することができ、この際Rリッチ相が微細に
分散され、かつR2Fe14B相も微細化され、脱H2処理
して安定化させた合金粉末を微粉砕した場合、微粉砕能
は従来の約2倍にも向上するため、製造効率が大幅に向
上するともに、磁石化すると耐酸化性にすぐれ、磁石合
金の磁気特性、特にiHcが向上したR−Fe−B系永
久磁石が得られる。
【0019】
【実施例】
実施例1 高周波溶解炉にて溶解して得られたNd13.5−B
6.5−Fe80組成の合金溶湯を直径250mmの銅
製ロール2本を併設した双ロール式ストリップキャスタ
ーを用い、板厚約2mmの薄板状鋳片を得た。前記鋳片
内の結晶粒径は短軸方向の寸法0.5μm〜15μm、
長軸方向寸法は5μm〜70μmであり、Rリッチ相は
主相を取り囲むように3μm程度に微細に分離して存在
する。前記鋳片を50mm角以下に破断後、前記破断片
1000gを吸排気可能な密閉容器内に収容し、前記容
器内にN2ガスを30分間流入して、空気と置換した
後、該容器内に3kg/cm2のH2ガスを2時間供給し
た、H2吸臓により鋳片を自然崩壊させて、その後冷却
した粗粒粉を真空中で5時間保持して脱H2処理し、1
00メッシュまで粗粉砕した。次いで前記粗砕粉より採
取した800gをジェット・ミルで粉砕して、第1表に
示す粉砕能率、平均粒度、含有酸素量を有する合金粉末
を得た。得られた合金粉末を用いて、磁界12kOe中
で配向し、1.5T/cm2にて加圧成型し、その後、
1090℃で3時間の条件にて焼結し、600℃で1時
間の時効処理を行って永久磁石を得た。得られた永久磁
石の磁石特性を第2表に表す。また、得られた微粉砕粉
の粒度分布を第1図に表す。
【0020】実施例2 実施例1と同一組成のストリップキャスティング鋳片を
実施例1と同一条件にてH2吸臓処理して得られた崩合
金粉末を真空中で400℃に3時間加熱して、脱H2
理した後、実施例1と同一条件の微粉砕、磁界中プレ
ス、焼結、時効処理を行って、永久磁石を得た。微粉砕
時の粉砕能率と得られた粉末の粒度、酸素量を第1表
に、また得られた永久磁石の磁気特性を第2表に表す。
【0021】比較例1 実施例1と同一組成、同一板厚のストリップキャスティ
ング鋳片を50mm以下に粗大粉砕後、前記粗大粉10
00gをスタンプミルにて1時間粉砕して100メッシ
ュの粗粉砕粉となした後、ジェットミル粉砕し、合金粉
末を得た。得られた粉末の粒度、酸素量粉砕能率を第1
表に表す。前記合金粉末を実施例1と同一条件の磁界中
プレス、焼結、時効処理を行って永久磁石を得た。得ら
れた永久磁石の磁気特性を第2表に表す。
【0022】比較例2 実施例1と同一組成の合金溶湯を寸法30mm×100
mm×200mmの鋳型に鋳込んで得られた鋳塊を50
mm角以下に破断した後、前記破断片を実施例1と同一
条件のH2吸臓処理、脱H2処理を行った後、実施例1と
同一条件にて微粉砕、磁界中プレス、焼結、時効処理を
行って、永久磁石を得た。鋳塊の結晶粒径は短軸方向3
0μm、長軸方向300μmであり、Rリッチ相は局部
的に60μm程度の大きさで点在した。得られた磁気特
性の結果を第2表に表す。なお、微粉砕時の粉砕能率、
微粉末の粒径、含有酸素量を第1表に表す。
【0023】比較例3 比較例2と同一組成の鋳塊を50μm以下に破断した
後、前記破断片を実施例1と同一条件の加熱脱H2処理
を行った後、実施例1と同一条件の微粉砕、磁界中プレ
ス、焼結、時効処理を行って、永久磁石を得た。微粉砕
時の粉砕能率、微粉末の粒径、含有酸素量を第1表に表
す。得られた永久磁石の磁気特性を第2表に表す。ま
た、得られた微粉砕粉の粒度分布を第1図に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】この発明による製造方法は、特定組成を
有するR−Fe−B系合金溶湯をストリップキャスティ
ングにて特定板厚の鋳片となし、この鋳片にH2吸蔵さ
せて自然崩壊させることにより、その後、脱H2処理し
て安定化させた合金粉末を微粉砕にて合金塊を構成して
いる主相の結晶粒を細分化することが可能となり、実施
例に明らかなように粒度分布が均一な粉末を、従来の約
2倍程度の効率で作製することができ、粉砕時にRリッ
チ相とR2Fe14B相も微細化され、磁石化すると耐酸
化性にすぐれ、磁石合金の磁気特性、特にiHcが向上
したR−Fe−B系永久磁石が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における微粉砕粉の粒度分布を示すグラ
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 1/06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R(但しRはYを含む希土類元素のう
    ち、少なくとも1種)10at%〜30at%、B2a
    t%〜28at%、残部Fe(但しFeの1部をCo、
    Niの1種または2種にて置換できる)及び不可避的不
    純物からなる合金溶湯をストリップキャスティング法に
    て板厚0.03mm〜10mmの薄板でRリッチ相が5
    μm以下に微細に分離した組織を有する鋳片に鋳造後、
    前記鋳片を吸排気可能な容器に収容し、該容器内の空気
    をH2ガスにて置換した後、該容器内に200Torr
    〜50kg/mm2のH2ガスを供給して得られた崩壊合
    金粉を脱H2処理した後、さらに微粉砕、磁界中プレ
    ス、焼結、時効処理することを特徴とするR−Fe−B
    系永久磁石材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 水素吸蔵により得られた崩壊合金粉末を
    100℃〜750℃に加熱して脱H2処理することを特
    徴とする請求項1に記載のR−Fe−B系永久磁石材料
    の製造方法。
JP5157853A 1993-06-02 1993-06-02 R−Fe−B系永久磁石材料の製造方法 Pending JPH06349618A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6403024B1 (en) 1999-02-19 2002-06-11 Sumitomo Special Metals Co., Ltd. Hydrogen pulverizer for rare-earth alloy magnetic material powder using the pulverizer, and method for producing magnet using the pulverizer
US10851837B2 (en) 2018-03-30 2020-12-01 Nippon Thompson Co., Ltd. Swing bearing

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