JPH08111307A - R−Fe−B系永久磁石用原料粉末の製造方法 - Google Patents

R−Fe−B系永久磁石用原料粉末の製造方法

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JPH08111307A
JPH08111307A JP6270618A JP27061894A JPH08111307A JP H08111307 A JPH08111307 A JP H08111307A JP 6270618 A JP6270618 A JP 6270618A JP 27061894 A JP27061894 A JP 27061894A JP H08111307 A JPH08111307 A JP H08111307A
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JP6270618A
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Yuji Kaneko
裕治 金子
Naoyuki Ishigaki
尚幸 石垣
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Sumitomo Special Metals Co Ltd
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    • H01F1/0573Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B in the form of particles, e.g. rapid quenched powders or ribbon flakes obtained by reduction or by hydrogen decrepitation or embrittlement

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 効率よい微粉砕を可能にし、かつ耐酸化性に
すぐれ、磁石合金の磁気特性、特にiHcの向上が可能
で、プレス充填性にすぐれ、かつすぐれた配向性を有す
る高性能R−Fe−B系永久磁石用原料粉末の製造方法
の提供。 【構成】 ストリップキャスティングされた特定板厚の
特定組成を有するR−Fe−B系合金にH2吸蔵させる
ことにより、微細に分散されたRリッチ相が水素化物を
生成して体積膨張させて前記合金を自然崩壊させ、その
後粗粉砕粉に特定の潤滑剤を添加後、ジェットミル微粉
砕にて合金を構成している主相の結晶粒を細分化する
ことが可能となり、粒度分布が均一な粉末を作製するこ
とができ、この際Rリッチ相が微細に分散され、かつR
2Fe14B相も微細化され、脱H2処理して安定化させた
合金粉末を微粉砕した場合、微粉砕能は従来の約2倍に
も向上するため、製造効率が大幅に向上するとともに、
プレス充填性及び磁気配向性が改善され、磁石合金の磁
気特性、特にiHcが向上したR−Fe−B系永久磁石
が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、R(但しRはYを含
む希土類元素のうち、少なくとも1種を含有)、Fe、
Bを主成分とする永久磁石用原料粉末の製造方法に係
り、R、Fe、Bを主成分とする合金溶湯を単ロール法
あるいは双ロール法等のストリップキャスティング法に
て特定板厚のRリッチ相が微細に分離した均質組織を有
する鋳片を得、これをR含有Fe合金のH2吸蔵性を利
用して鋳片を自然崩壊させ、さらに脱H2処理して安定
化させた後、潤滑剤を添加混合後、ジェットミル粉砕し
て微粉末化することにより、効率のよい微粉砕を可能に
し、プレス充填性にすぐれ、かつすぐれた配向性を有す
るR−Fe−B系永久磁石用原料粉末を得る製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】今日、高性能永久磁石として代表的なR
−Fe−B系永久磁石(特開昭59−46008号)
は、三元系正方晶化合物の主相とRリッチ相を有する組
織にて高い磁石特性が得られ、一般家庭の各種電器製品
から大型コンピュータの周辺機器まで幅広い分野で使用
され、用途に応じた種々の磁石特性を発揮するよう種々
の組成のR−Fe−B系永久磁石が提案されている。し
かしながら、電気・電子機器の小型・軽量化ならびに高
機能化の要求は強く、R−Fe−B系永久磁石のより一
層の高性能化とコストダウンが要求されている。
【0003】R−Fe−B系焼結磁石の残留磁束密度
(Br)を高めるためには、まず、強磁性相であり、主
相のR2Fe14B相の存在量を多くすることにより達成
される。すなわち、磁石の組成を上記R2Fe14Bの化
学量論的組成に近づけることが重要であるが、上記組成
の合金を溶解し、鋳型に鋳造した合金塊を、出発原料と
してR−Fe−B系焼結磁石を作製しようとすると、合
金塊に晶出したα−Feや、R−rich相が局部的に
遍在していることなどから、特に微粉砕時に粉砕が困難
となり、組成ずれを生ずる等の問題があった。そのた
め、組成調整に加えて強磁性のR2Fe14B各結晶粒の
配向度の向上を図ることが磁石の高性能化のために重要
である。
【0004】詳述すると、前記合金塊をH2吸蔵、脱H2
処理して機械的微粉砕を行う場合(特開昭60−633
04号、特開昭63−33505号)、合金塊に晶出し
たα−Feはそのまま粉砕時に残留し、その展延性の性
質のために粉砕を妨げ、また局部的に遍在したR−ri
ch相はH2吸蔵処理によって、水素化物を生成し、微
細な粉末となるため、機械的な微粉砕時に酸化が促進さ
れたり、またジェットミルを用いた粉砕では優先的に飛
散することにより組成ずれを生ずる。従って、組成の調
整に加えて、配向度を向上させることによって、R−F
e−B系焼結磁石の残留磁束密度(Br)を高めること
が重要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】最近、鋳塊粉砕法によ
るR−Fe−B系合金粉末の欠点たる結晶粒の粗大化、
α−Feの残留、偏析を防止するために、R−Fe−B
系合金溶湯を双ロール法により、特定板の鋳片となし、
前記鋳片を通常の粉末冶金法に従って、鋳片をスタンン
プミル・ジョークラッシャーなどで粗粉砕後、さらにデ
ィスクミル、ボールミル、アトライター、ジェットミル
など機械的粉砕法により平均粒径が3〜5μmの粉末に
微粉砕後、磁場中プレス、焼結時効処理する製造方法が
提案(特開昭63−317643号公報)されている。
【0006】しかし、前記方法では従来の鋳型に鋳造し
た鋳塊粉砕法の場合に比し、微粉砕時の粉砕能率の飛躍
的な向上は望めず、また微粉砕時、粒界粉砕のみなら
ず、粒内粉砕も起こるため、磁気特性の大幅の向上も達
成できなかった。また、R−Fe−B系永久磁石用原料
粉末に対するコストダウンの要求が強く、効率よく高性
能永久磁石用原料粉末を製造することが極めて重要にな
っている。
【0007】この発明は、上述したR−Fe−B系永久
磁石材料の製造方法における問題点を解消し、効率よい
微粉砕を可能にし、かつ耐酸化性にすぐれ、磁石合金の
磁気特性、特にiHcの向上が可能で、プレス充填性に
すぐれ、かつすぐれた配向性を有する高性能R−Fe−
B系永久磁石用原料粉末の製造方法の提供を目的として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者らは、R−Fe−
B系合金を出発原料として微粉砕能率の向上、かつ耐酸
化性にすぐれ、磁石合金の磁気特性、特にiHcの向上
を目的に、粉砕方法について種々検討した結果、ストリ
ップキャスティングされた特定板厚のRリッチ相が微細
に分離した組織を有する特定組成のR−Fe−B系合金
にH2吸蔵させると、微細に分散されたRリッチ相が水
素化物を生成して体積膨張することにより、前記合金を
自然崩壊させることができ、その結果、微粉砕により、
合金塊を構成している主相の結晶粒を細分化することが
可能となり、粒度分布が均一な粉末を作製することがで
きることを提案した。
【0009】しかし、前記提案方法により得られた微粉
末にプレス成型前に潤滑剤を添加配合しても、微粉末表
面に均一に潤滑剤を被覆することは極めて困難であり、
結晶配向度の向上を図ることは十分でなく、また、プレ
ス成型時の単位当たりの重量バラツキや割れなどの不良
を発生する恐れがあった。そこで、さらに検討を加えた
結果、H2吸蔵、脱H2処理したストリップキャスト薄帯
より得られた粗粉砕粉に、固状潤滑剤あるいは液状潤滑
剤を添加配合後、不活性ガス気流中にてジェットミル粉
砕して、平均粒径1〜5μmに微粉砕することにより、
プレス充填性及び磁気配向性のすぐれた微粉末が得られ
ることを知見し、この発明を完成した。
【0010】すなわち、この発明は、R(但しRはYを
含む希土類元素のうち、少なくとも1種)10at%〜
30at%、B2at%〜28at%、残部Fe(但し
Feの1部をCo、Niの1種または2種にて置換でき
る)及び不可避的不純物からなる合金溶湯をストリップ
キャスティング法にて板厚0.03mm〜10mmの薄
板でRリッチ相が5μm以下に微細に分離した組織を有
する鋳片に鋳造後、前記鋳片を吸排気可能な容器に収容
し、該容器内の空気をH2ガスにて置換し、該容器内に
200Torr〜50kg/mm2のH2ガスを供給して
得られた崩壊合金粉を脱H2処理した後、得られた平均
粒度10〜500μmの粗粉砕粉に液状潤滑剤または固
状潤滑剤を0.02〜5.0wt%添加混合後、不活性
ガス気流中でジェットミル粉砕して、平均粒径1〜5μ
mの微粉末を得ることを特徴とするプレス充填性及び結
晶配向度にすぐれたR−Fe−B系永久磁石用原料粉末
の製造方法である。
【0011】また、この発明は、上記の構成において、
水素吸蔵により得られた崩壊合金粉末を100℃〜75
0℃に加熱して脱H2処理するR−Fe−B系永久磁石
用原料粉末の製造方法、液状潤滑剤は少なくとも1種の
脂肪酸エステルを液状化してなるR−Fe−B系永久磁
石用原料粉末の製造方法、固状潤滑剤はステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸銅、ステアリン酸アルミニウム、エチ
レンビニアマイドの少なくとも1種からなるR−Fe−
B系永久磁石用原料粉末の製造方法、を併せて提案す
る。
【0012】この発明の特定組成のRリッチ相が微細に
分離した組織を有する磁石材料の鋳片は、特定組成の合
金溶湯を単ロール法、あるいは双ロール法によるストリ
ップキャスティング法にて製造される。得られた鋳片は
板厚が0.03mm〜10mmの薄板材であり、所望の
鋳片板厚により、単ロール法と双ロール法を使い分ける
が、板厚が厚い場合は双ロール法を、また板厚が薄い場
合は単ロール法を採用したほうが好ましい。鋳片の板厚
を0.03mm〜10mmに限定した理由は、0.03
mm未満では急冷効果が大となり、結晶粒径が3μmよ
り小となり、粉末化した際に酸化しやすくなるため、磁
気特性の劣化を招来するので好ましくなく、また10m
mを超えると、冷却速度が遅くなり、α−Feが晶出し
やすく、結晶粒径が大となり、Ndリッチ相の偏在も生
じるため、磁気特性が低下するので好ましくないことに
よる。
【0013】この発明のストリップキャスティング法に
より得られた特定組成のR−Fe−B系合金の断面組織
は主相のR2Fe14B結晶が従来の鋳型に鋳造して得ら
れた鋳塊のものに比べて、約1/10以上も微細であ
り、例えば、その短軸方向の寸法は0.1μm〜50μ
m、長軸方向は5μm〜200μmの微細結晶であり、
かつその主相結晶粒を取り囲むようにRリッチ相が微細
に分散されており、局部に遍在している領域において
も、その大きさは20μm以下である。Rリッチ相が5
μm以下に微細に分離することによって、H2吸蔵処理
時にRリッチ相が水素化物を生成した際の体積膨張が均
一に発生して細分化されるため、微粉砕にて主相の結晶
粒が細分化されて粒度分布が均一な微粉末が得られる。
前記鋳片はそのままでH2吸蔵処理してもよいが、所要
の大きさに破断して、金属面を露出させてH2吸蔵処理
したほうが好ましい。
【0014】H2吸蔵処理には、吸排気可能な容器を使
用する。例えば、所定大きさに破断した0.03mm〜
10mm厚みの鋳片を原料ケース内に挿入し、H2ガス
の供給管及び排気管を付設し、蓋を閉めて密閉できる容
器内の所定位置に、上記原料ケースを装入して密閉した
のち、H2ガスを供給しながら排気し、容器内の空気を
十分に置換後、200Torr〜50kg/cm2の圧
力のH2ガスを供給して、該鋳片にH2を吸蔵させる。こ
のH2吸蔵反応は、発熱反応であるため、容器の外周に
は冷却水を供給する冷却配管が周設して容器内の昇温を
防止しながら、所定圧力のH2ガスを一定時間供給する
ことにより、H2ガスが吸収されて該鋳片は自然崩壊し
て粉化する。さらに、粉化した合金を冷却したのち、真
空中で脱H2ガス処理する。前記処理の合金粉末は粒内
に微細亀裂が内在するので、特定の潤滑剤を添加後、不
活性ガス気流中、ジェットミル等で短時間で微粉砕さ
れ、1μm〜5μmの所要粒度の合金粉末を得ることが
できる。
【0015】この発明において、上記処理容器内の空気
の置換は、H2ガスによる置換のほか、予め不活性ガス
で空気を置換し、その後H2ガスで不活性ガスを置換し
てもよい。また、鋳塊の破断大きさは、小さいほど、H
2粉砕の圧力を小さくでき、また、H2ガス圧力は、減圧
下でも破断した鋳塊はH2吸収し粉化されるが、圧力が
大気圧より高くなるほど、粉化されやすくなる。しか
し、200Torr未満では粉化性が悪くなり、50k
g/cm2を超えるとH2吸収による粉化の点では好まし
いが、装置や作業の安全性からは好ましくないため、H
2ガス圧力は200Torr〜50kg/cm2とする。
量産性からは、2kg/cm2〜10kg/cm2が好ま
しい。 この発明において、H2吸蔵による粉化の処理時
間は、前記密閉容器の大きさ、破断塊の大きさ、H2
ス圧力により変動するが、5分以上は必要である。
【0016】H2吸蔵により粉化した合金粉末を冷却
後、真空中で1次の脱H2ガス処理する。さらに、真空
中またはアルゴンガス中において、粉化合金を100℃
〜750℃に加熱し、0.5時間以上の2次脱H2ガス
処理すると、粉化合金中のH2ガスは完全に除去できる
とともに、長期保存に伴う粉末あるいはプレス成形体の
酸化を防止して、得られる永久磁石の磁気特性の低下を
防止できる。この発明による100℃以上に加熱する脱
水素処理は、すぐれた脱水素効果を有しているために上
記の真空中での1次脱水素処理を省略し、崩壊粉を直接
100℃以上の真空中またはアルゴンガス雰囲気中で脱
水素処理してもよい。
【0017】すなわち、前述したH2吸蔵反応用容器内
でH2吸蔵・崩壊反応させた後、得られた崩壊粉を続い
て同容器の雰囲気中で100℃以上に加熱する脱水素処
理を行うことができる。あるいは、真空中での脱水素処
理後、処理容器から取り出して崩壊粉を微粉砕したの
ち、再度処理容器で100℃以上に加熱するこの発明の
脱水素処理を施してもよい。上記の脱水素処理における
加熱温度は、100℃未満では崩壊合金粉内に残存する
2を除去するのに長時間を要して量産的でない。ま
た、750℃を超える温度では液相が出現し、粉末が固
化してしまうため、微粉砕が困難になったり、プレス時
の成形性を悪化させるので、焼結磁石の製造の場合には
好ましくない。また、焼結磁石の焼結性を考慮すると、
好ましい脱水素処理温度は200℃〜600℃である。
また、処理時間は処理量によって変動するが0.5時間
以上は必要である。
【0018】この発明の特徴とするところは、前記のH
2吸蔵、崩壊反応により得られた崩壊粉をさらに脱水素
処理して得られた平均粒径10μm〜500μmの粗粉
砕粉に液状潤滑剤または固状潤滑剤を0.02〜0.5
wt%添加混合後、不活性気流中にてジェットミル粉砕
して、平均粒径1〜5μmの微粉末を得ることにある。
この発明における液状潤滑剤としては、飽和あるいは不
飽和脂肪酸エステル、ならびに酸性塩としてほう酸エス
テルなどを用いて、石油系溶剤やアルコール系の溶剤に
分散させたものである。液状潤滑剤中の脂肪酸エステル
量は5wt%〜50wt%が好ましい。
【0019】飽和脂肪酸エステルとしては、一般式 RCOOR′ R=Cn2n+2 (アルカン) で表されるエステルで、不飽和脂肪酸エステルとして
は、一般式 R=Cn2n (アルケン) RCOOR′ または R=Cn2n-2 (アルキン) で示される。
【0020】また、固状潤滑剤としては、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸銅、ステアリン酸アルミニウム、エ
チレンビニアマイドなどの少なくとも1種であり、固状
潤滑剤の平均粒度は1μm未満では工業的に生産するこ
とが困難で、また、50μmを超えると粗粉砕粉と均一
に混合することが難しいので、平均粒度としては1μm
〜50μmが好ましい。
【0021】この発明において、液状潤滑剤または固状
潤滑剤の添加量は、0.02wt%未満では粉末粒子へ
の均一な被覆が十分でなく、プレス充填性や磁気配向性
の改善向上が認められず、また、5wt%を超えると潤
滑剤中の不揮発残分が焼結体中に残存して、焼結密度の
低下を生じ、磁気特性の劣化を招来するので好ましくな
く、潤滑剤の添加量は0.02wt%〜5wt%とす
る。
【0022】この発明において、粗粉砕粉の平均粒度を
限定した理由は、平均粒度が10μm未満では原料粉末
を大気中で安全に取り扱うことが困難であり、原料粉末
の酸化により磁気特性が劣化するので好ましくなく、ま
た、500μmを超えるとジェットミル粉砕機への原料
粉末の供給が困難となり、粉砕能率を著しく低下するの
で好ましくないため、粗粉砕粉の平均粒度は10μm〜
500μmとする。
【0023】また、この発明による微粉砕粉の平均粒度
は、1.5μm未満では粉末は極めて活性となり、プレ
ス成型などの工程において発火する危険性があり、磁気
特性の劣化を生じ好ましくなく、また、5μmを超える
と焼結により得られる永久磁石の結晶粒が大きくなり、
容易に磁化反転が起こり、保磁力の低下を招来し、好ま
しくないため、1.5μm〜5μmの平均粒度とする。
好ましい平均粒度は2.5μm〜4μmである。
【0024】以下に、この発明における、希土類・ボロ
ン・鉄系永久磁石合金用鋳塊の組成限定理由を説明す
る。この発明の永久磁石合金用鋳塊に含有される希土類
元素Rはイットリウム(Y)を包含し、軽希土類及び重
希土類を包含する希土類元素である。Rとしては、軽希
土類をもって足り、特にNd,Prが好ましい。また通
常Rのうち1種もって足りるが、実用上は2種以上の混
合物(ミッシユメタル、ジジム等)を入手上の便宜等の
理由により用いることができ、Sm,Y,La,Ce,
Gd等は他のR、特にNd,Pr等との混合物として用
いることができる。なお、このRは純希土類元素でなく
てもよく、工業上入手可能な範囲で製造上不可避な不純
物を含有するものでも差し支えない。Rは、R−Fe−
B系永久磁石を製造する合金鋳塊の必須元素であって、
10原子%未満では高磁気特性、特に高保磁力が得られ
ず、30原子%を越えると残留磁束密度(Br)が低下
して、すぐれた特性の永久磁石が得られない。よって、
Rは10原子%〜30原子%の範囲とする。
【0025】Bは、R−Fe−B系永久磁石を製造する
合金鋳塊の必須元素であって、2原子%未満では高い保
磁力(iHc)は得られず、28%原子を越えると残留
磁束密度(Br)が低下するため、すぐれた永久磁石が
得られない。よって、Bは2原子%〜28原子%の範囲
とする。
【0026】Feは42原子%未満では残留磁束密度
(Br)が低下し、88%原子を超えると高い保磁力が
得られないので、Feは42原子%〜88原子%に限定
する。また、Feの一部をCo、Niの1種又は2種で
置換する理由は、永久磁石の温度特性を向上させる効果
及び耐食性を向上させる効果が得られるためであるが、
Co、Niの1種又は2種はFeの50%を越えると高
い保磁力が得られず、すぐれた永久磁石が得られない。
よって、CoはFeの50%を上限とする。
【0027】この発明の合金鋳塊において、高い残留磁
束密度と高い保磁力を共に有するすぐれた永久磁石を得
るためには、R12原子%〜16原子%、B4原子%〜
12原子%、Fe72原子%〜84原子%が好ましい。
また、この発明による合金鋳塊は、R、B、Feの他、
工業的生産上不可避的不純物の存在を許容できるが、B
の一部を4.0原子%以下のC、3.5原子%以下の
P、2.5原子%以下のS、3.5原子%以下のCuの
うち少なくとも1種、合計量で4.0原子%以下で置換
することにより、磁石合金の製造性改善、低価格化が可
能である。
【0028】さらに、前記R、B、Fe合金あるいはC
oを含有するR−Fe−B合金に、9.5原子%以下の
Al、4.5原子%以下のTi、9.5原子%以下の
V、8.5原子%以下のCr、8.0原子%以下のM
n、5原子%以下のBi、12.5原子%以下のNb、
10.5原子%以下のTa、9.5原子%以下のMo、
9.5原子%以下のW、2.5原子%以下のSb、7原
子%以下のGe、35原子%以下のSn、5.5原子%
以下のZr、5.5原子%以下のHfのうち少なくとも
1種添加含有させることにより、永久磁石合金の高保磁
力が可能になる。この発明のR−B−Fe系永久磁石に
おいて、結晶相は主相が正方晶であることが不可欠であ
り、特に、微細で均一な合金粉末を得て、すぐれた磁気
特性を有する焼結永久磁石を作成するのに効果的であ
る。
【0029】
【作用】この発明は、ストリップキャスティングされた
特定板厚の特定組成を有するR−Fe−B系合金にH2
吸蔵させることにより、微細に分散されたRリッチ相が
水素化物を生成して体積膨張させて前記合金を自然崩壊
させ、その後粗粉砕粉に特定の潤滑剤を添加後、ジェッ
トミル微粉砕にて合金塊を構成している主相の結晶粒を
細分化することが可能となり、粒度分布が均一な粉末を
作製することができ、この際Rリッチ相が微細に分散さ
れ、かつR2Fe14B相も微細化され、脱H2処理して安
定化させた合金粉末を微粉砕した場合、微粉砕能は従来
の約2倍にも向上するため、製造効率が大幅に向上する
とともに、プレス充填性及び磁気配向性が改善され、磁
石合金の磁気特性、特にiHcが向上したR−Fe−B
系永久磁石が得られる。
【0030】
【実施例】
実施例1 高周波溶解炉にて溶解して得られたNd14.0−Dy
0.3−B6.5−Fe79.2組成の合金溶湯を直径
250mmの銅製ロール2本を併設した双ロール式スト
リップキャスターを用い、板厚約2mmの薄板状鋳片を
得た。前記鋳片内の結晶粒径は短軸方向の寸法0.5μ
m〜15μm、長軸方向寸法は5μm〜70μmであ
り、Rリッチ相は主相を取り囲むように3μm程度に微
細に分離して存在する。前記鋳片を50mm角以下に破
断後、前記破断片1000gを吸排気可能な密閉容器内
に収容し、前記容器内にN2ガスを30分間流入して、
空気と置換した後、該容器内に3kg/cm2のH2ガス
を2時間供給してH2吸臓により鋳片を自然崩壊させ
て、その後冷却した粗粒粉を真空中で5時間保持して脱
2処理し、100メッシュまで粗粉砕した。
【0031】次いで、前記粗粉砕より採取した800g
に液状潤滑剤として脂肪酸エステル(沸点180℃、有
効成分2.5wt%、シクロヘキサン75wt%)を1
wt%添加後、7kg/cm2のN2ガス中にてジェット
ミルで粉砕して、第1表に示す粉砕能率、平均粒度、含
有酸素量を有する合金粉末を得た。得られた合金粉末を
用いて、磁界12kOe中で配向し、1.5T/cm2
にて加圧成型し、その後、1090℃で3時間の条件に
て焼結し、600℃で1時間の時効処理を行って永久磁
石を得た。得られた永久磁石の磁石特性を表2に表す。
また、得られた微粉砕粉の粒度分布を第1図に表す。
【0032】実施例2 実施例1と同一組成のストリップキャスティング鋳片を
実施例1と同一条件にてH2吸蔵処理して得られた崩合
金粉末を真空中で400℃に3時間加熱して、脱H2
理した後、20μmの粗粉砕粉に固状潤滑剤としてステ
アリン酸亜鉛を0.1wt%添加配向後、7kg/cm
2、N2ガス中にて微粉砕、実施例1と同一条件の磁界中
プレス、焼結、時効処理を行って、永久磁石を得た。微
粉砕時の粉砕能率と得られた粉末の粒度、酸素量を第1
表に、また得られた永久磁石の磁気特性を第2表に表
す。
【0033】比較例1 実施例1と同一組成、同一板厚のストリップキャスティ
ング鋳片を50mm以下に粗粉砕後、前記粉砕粉100
0gをスタンプミルにて1時間粉砕して100メッシュ
の粗粉砕粉となした後、潤滑剤を添加することなく、ジ
ェットミル粉砕し、合金粉末を得た。得られた粉末の粒
度、酸素量粉砕能率を第1表に表す。前記合金粉末を実
施例1と同一条件の磁界中プレス、焼結、時効処理を行
って永久磁石を得た。得られた永久磁石の磁気特性を第
2表に表す。
【0034】比較例2 実施例1と同一組成の合金溶湯を寸法30mm×100
mm×200mmの鋳型に鋳込んで得られた鋳塊を50
mm角以下に破断した後、前記破断片を実施例1と同一
条件のH2吸蔵処理、脱H2処理を行った後、潤滑剤を添
加することなく、実施例1と同一条件にて微粉砕、磁界
中プレス、焼結、時効処理を行って、永久磁石を得た。
鋳塊の結晶粒径は短軸方向30μm、長軸方向300μ
mであり、Rリッチ相は局部滴に60μm程度の大きさ
で点在した。得られた磁気特性の結果を第2表に表す。
なお、微粉砕時の粉砕能率、微粉末の粒径、含有酸素量
を第1表に表す。
【0035】比較例3 比較例2と同一組成の鋳塊を50μm以下に破断した
後、前記破断片を実施例1と同一条件の加熱脱H2処理
を行った後、実施例1と同一条件の微粉砕、磁界中プレ
ス、焼結、時効処理を行って、永久磁石を得た。微粉砕
時の粉砕能率、微粉末の粒径、含有酸素量を第1表に表
す。得られた永久磁石の磁気特性を第2表に表す。ま
た、得られた微粉砕粉の粒度分布を第1図に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】この発明による製造方法は、特定組成を
有するR−Fe−B系合金溶湯をストリップキャスティ
ングにて特定板厚の鋳片となし、この鋳片にH2吸蔵さ
せて自然崩壊させることにより、その後、脱H2処理し
て安定化させた合金粉末を特定の潤滑剤を添加配合して
ジェットミル微粉砕にて合金塊を構成している主相の結
晶粒を細分化することが可能となり、実施例に明らかな
ように粒度分布が均一な粉末を、従来の約2倍程度の効
率で作製することができ、粉砕時にRリッチ相とR2
14B相も微細化され、磁石化すると耐酸化性にすぐ
れ、磁石合金の磁気特性、特にiHcが向上したR−F
e−B系永久磁石が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における微粉砕粉の粒度分布を示すグラ
フである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】最近、鋳塊粉砕法によ
るR−Fe−B系合金粉末の欠点たる結晶粒の粗大化、
α−Feの残留、偏析を防止するために、R−Fe−B
系合金溶湯を双ロール法により、特定板の鋳片とな
し、前記鋳片を通常の粉末冶金法に従って、鋳片をスタ
ンプミル・ジョークラッシャーなどで粗粉砕後、さらに
ディスクミル、ボールミル、アトライター、ジェットミ
ルなど機械的粉砕法により平均粒径が3〜5μmの粉末
に微粉砕後、磁場中プレス、焼結時効処理する製造方法
が提案(特開昭63−317643号公報)されてい
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】以下に、この発明における、希土類・ボロ
ン・鉄系永久磁石合金用鋳の組成限定理由を説明す
る。この発明の永久磁石合金用鋳に含有される希土類
元素Rはイットリウム(Y)を包含し、軽希土類及び重
希土類を包含する希土類元素である。Rとしては、軽希
土類をもって足り、特にNd,Prが好ましい。また通
常Rのうち1種もって足りるが、実用上は2種以上の混
合物(ミッシユメタル、ジジム等)を入手上の便宜等の
理由により用いることができ、Sm,Y,La,Ce,
Gd等は他のR、特にNd,Pr等との混合物として用
いることができる。なお、このRは純希土類元素でなく
てもよく、工業上入手可能な範囲で製造上不可避な不純
物を含有するものでも差し支えない。Rは、R−Fe−
B系永久磁石を製造する合金鋳の必須元素であって、
10原子%未満では高磁気特性、特に高保磁力が得られ
ず、30原子%を越えると残留磁束密度(Br)が低下
して、すぐれた特性の永久磁石が得られない。よって、
Rは10原子%〜30原子%の範囲とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】Bは、R−Fe−B系永久磁石を製造する
合金鋳の必須元素であって、2原子%未満では高い保
磁力(iHc)は得られず、28%原子を越えると残留
磁束密度(Br)が低下するため、すぐれた永久磁石が
得られない。よって、Bは2原子%〜28原子%の範囲
とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】この発明の合金鋳において、高い残留磁
束密度と高い保磁力を共に有するすぐれた永久磁石を得
るためには、R12原子%〜16原子%、B4原子%〜
12原子%、Fe72原子%〜84原子%が好ましい。
また、この発明による合金鋳は、R、B、Feの他、
工業的生産上不可避的不純物の存在を許容できるが、B
の一部を4.0原子%以下のC、3.5原子%以下の
P、2.5原子%以下のS、3.5原子%以下のCuの
うち少なくとも1種、合計量で4.0原子%以下で置換
することにより、磁石合金の製造性改善、低価格化が可
能である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】次いで、前記粗粉砕より採取した800g
に液状潤滑剤として脂肪酸エステル(沸点180℃、有
効成分25wt%、シクロヘキサン75wt%)を1w
t%添加後、7kg/cm2のN2ガス中にてジェットミ
ルで粉砕して、第1表に示す粉砕能率、平均粒度、含有
酸素量を有する合金粉末を得た。得られた合金粉末を用
いて、磁界12kOe中で配向し、1.5T/cm2
て加圧成型し、その後、1090℃で3時間の条件にて
焼結し、600℃で1時間の時効処理を行って永久磁石
を得た。得られた永久磁石の磁石特性を表2に表す。ま
た、得られた微粉砕粉の粒度分布を第1図に表す。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】比較例2 実施例1と同一組成の合金溶湯を寸法30mm×100
mm×200mmの鋳型に鋳込んで得られた鋳を50
mm角以下に破断した後、前記破断片を実施例1と同一
条件のH2吸蔵処理、脱H2処理を行った後、潤滑剤を添
加することなく、実施例1と同一条件にて微粉砕、磁界
中プレス、焼結、時効処理を行って、永久磁石を得た。
の結晶粒径は短軸方向30μm、長軸方向300μ
mであり、Rリッチ相は局部に60μm程度の大きさ
で点在した。得られた磁気特性の結果を第2表に表す。
なお、微粉砕時の粉砕能率、微粉末の粒径、含有酸素量
を第1表に表す。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】比較例3 比較例2と同一組成の鋳を50μm以下に破断した
後、前記破断片を実施例1と同一条件の加熱脱H2処理
を行った後、実施例1と同一条件の微粉砕、磁界中プレ
ス、焼結、時効処理を行って、永久磁石を得た。微粉砕
時の粉砕能率、微粉末の粒径、含有酸素量を第1表に表
す。得られた永久磁石の磁気特性を第2表に表す。ま
た、得られた微粉砕粉の粒度分布を第1図に示す。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】
【発明の効果】この発明による製造方法は、特定組成を
有するR−Fe−B系合金溶湯をストリップキャスティ
ングにて特定板厚の鋳片となし、この鋳片にH2吸蔵さ
せて自然崩壊させることにより、その後、脱H2処理し
て安定化させた合金粉末を特定の潤滑剤を添加配合して
ジェットミル微粉砕にて合金を構成している主相の結
晶粒を細分化することが可能となり、実施例に明らかな
ように粒度分布が均一な粉末を、従来の約2倍程度の効
率で作製することができ、粉砕時にRリッチ相とR2
14B相も微細化され、磁石化すると耐酸化性にすぐ
れ、磁石合金の磁気特性、特にiHcが向上したR−F
e−B系永久磁石が得られる。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年8月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】すなわち、この発明は、R(但しRはYを
含む希土類元素のうち、少なくとも1種)10at%〜
30at%、B2at%〜28at%、残部Fe(但し
Feの1部をCo、Niの1種または2種にて置換でき
る)及び不可避的不純物からなる合金溶湯をストリップ
キャスティング法にて板厚0.03mm〜10mmの薄
板でRリッチ相が5μm以下に微細に分離した組織を有
する鋳片に鋳造後、前記鋳片を吸排気可能な容器に収容
し、該容器内の空気をH2ガスにて置換し、該容器内に
200Torr〜50kg/cm 2のH2ガスを供給して
得られた崩壊合金粉を脱H2処理した後、得られた平均
粒度10〜500μmの粗粉砕粉に液状潤滑剤または固
状潤滑剤を0.02〜5.0wt%添加混合後、不活性
ガス気流中でジェットミル粉砕して、平均粒径1〜5μ
mの微粉末を得ることを特徴とするプレス充填性及び結
晶配向度にすぐれたR−Fe−B系永久磁石用原料粉末
の製造方法である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】この発明の特徴とするところは、前記のH
2吸蔵、崩壊反応により得られた崩壊粉をさらに脱水素
処理して得られた平均粒径10μm〜500μmの粗粉
砕粉に液状潤滑剤または固状潤滑剤を0.02〜5.0
wt%添加混合後、不活性気流中にてジェットミル粉砕
して、平均粒径1〜5μmの微粉末を得ることにある。
この発明における液状潤滑剤としては、飽和あるいは不
飽和脂肪酸エステル、ならびに酸性塩としてほう酸エス
テルなどを用いて、石油系溶剤やアルコール系の溶剤に
分散させたものである。液状潤滑剤中の脂肪酸エステル
量は5wt%〜50wt%が好ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】飽和脂肪酸エステルとしては、一般式 R
COOR′ R=Cn2n+2 (アルカン)で表される
エステルで、不飽和脂肪酸エステルとしては、一般式
RCOOR′ R=Cn2n (アルケン)、または
R=Cn2n-2 (アルキン)で示される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】また、この発明による微粉砕粉の平均粒度
は、1.0μm未満では粉末は極めて活性となり、プレ
ス成型などの工程において発火する危険性があり、磁気
特性の劣化を生じ好ましくなく、また、5μmを超える
と焼結により得られる永久磁石の結晶粒が大きくなり、
容易に磁化反転が起こり、保磁力の低下を招来し、好ま
しくないため、1.0μm〜5μmの平均粒度とする。
好ましい平均粒度は2.5μm〜4μmである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】Feは42原子%未満では残留磁束密度
(Br)が低下し、88%原子を超えると高い保磁力が
得られないので、Feは42原子%〜88原子%に限定
する。また、Feの一部をCo、Niの1種又は2種で
置換する理由は、永久磁石の温度特性を向上させる効果
及び耐食性を向上させる効果が得られるためであるが、
Co、Niの1種又は2種はFeの50%を越えると高
い保磁力が得られず、すぐれた永久磁石が得られない。
よって、Co,Niの1種または2種はFeの50%を
上限とする。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】さらに、前記R、B、Fe合金あるいはC
oを含有するR−Fe−B合金に、9.5原子%以下の
Al、4.5原子%以下のTi、9.5原子%以下の
V、8.5原子%以下のCr、8.0原子%以下のM
n、5原子%以下のBi、12.5原子%以下のNb、
10.5原子%以下のTa、9.5原子%以下のMo、
9.5原子%以下のW、2.5原子%以下のSb、7原
子%以下のGe、3.5原子%以下のSn、5.5原子
%以下のZr、5.5原子%以下のHfのうち少なくと
も1種添加含有させることにより、永久磁石合金の高保
磁力が可能になる。この発明のR−B−Fe系永久磁石
において、結晶相は主相が正方晶であることが不可欠で
あり、特に、微細で均一な合金粉末を得て、すぐれた磁
気特性を有する焼結永久磁石を作成するのに効果的であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C22C 33/02 J

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R(但しRはYを含む希土類元素のう
    ち、少なくとも1種)10at%〜30at%、B2a
    t%〜28at%、残部Fe(但しFeの1部をCo、
    Niの1種または2種にて置換できる)及び不可避的不
    純物からなる合金溶湯をストリップキャスティング法に
    て板厚0.03mm〜10mmの薄板でRリッチ相が5
    μm以下に微細に分離した組織を有する鋳片に鋳造後、
    前記鋳片を吸排気可能な容器に収容し、該容器内の空気
    をH2ガスにて置換し、該容器内に200Torr〜5
    0kg/mm2のH2ガスを供給して得られた崩壊合金粉
    を脱H2処理した後、得られた平均粒度10〜500μ
    mの粗粉砕粉に液状潤滑剤または固状潤滑剤を0.02
    〜5.0wt%添加混合後、不活性ガス気流中でジェッ
    トミル粉砕して、平均粒径1〜5μmの微粉末を得るこ
    とを特徴とするプレス充填性及び磁気配向度にすぐれた
    R−Fe−B系永久磁石用原料粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 水素吸蔵により得られた崩壊合金粉末を
    100℃〜750℃に加熱して脱H2処理することを特
    徴とする請求項1に記載のR−Fe−B系永久磁石用原
    料粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】 液状潤滑剤は少なくとも1種の脂肪酸エ
    ステルを液状化してなることを特徴とする請求項1に記
    載のR−Fe−B系永久磁石用原料粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 固状潤滑剤はステアリン酸亜鉛、ステア
    リン酸銅、ステアリン酸アルミニウム、エチレンビニア
    マイドの少なくとも1種からなることを特徴とする請求
    項1に記載のR−Fe−B系永久磁石用原料粉末の製造
    方法。
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