JP2020090270A - 車両の車体構造物 - Google Patents

Abstract

【課題】後方の衝突荷重を効率的に分散させてリアフロアに搭載された部品を安全に保護できる、車両の車体構造物を提供する。【解決手段】リアフロア１の両側に設けられた第１リアサイドメンバー１０と、前方クロスメンバー３１及び後方クロスメンバー３２とを備え、前方クロスメンバーの両端と後方クロスメンバーの両端とが第１リアサイドメンバーに結合されるリアサブフレーム３０と、両端が二つの第１リアサイドメンバーに連結されてリアフロアに固定された車体クロスメンバー４０と、リアフロアの後端から車体クロスメンバーまで延伸された両側の二つの第２リアサイドメンバーと、車体クロスメンバーと二つの第２リアサイドメンバーが連結された第１連結部８１から延伸されてリアサブフレームの後方クロスメンバーの両端と第１リアサイドメンバーが連結された第２連結部８２に連結される両側の二つのトラスメンバー５０と、を含むことを特徴とする。【選択図】図３

Description

本発明は、車両の車体構造物に係り、より詳しくは、後方の衝突荷重を効率的に分散させてリアフロアに搭載された部品を安全に保護できる、車両の車体構造物に関する。

ハイブリッド車両（ＨＥＶ：Ｈｙｂｒｉｄ Ｅｌｅｃｔｒｉｃ Ｖｅｈｉｃｌｅ）やプラグインハイブリッド車両（ＰＨＥＶ：Ｐｌｕｇ−ｉｎ Ｈｙｂｒｉｄ Ｅｌｅｃｔｒｉｃ Ｖｅｈｉｃｌｅ）は、駆動系統の特性のために燃料タンクと高電圧バッテリー部品とを具備する。燃料タンクと高電圧バッテリー部品とは、車体構造物のリアフロアに搭載される。

このような車両は、燃料タンクと高電圧バッテリー部品とがリアフロアに設置されるため、リアフロアとリアサイドメンバーとに作用する荷重が増加する。併せて、このような車両は、後方衝突に対する衝突エネルギーの吸収空間（ＣＲＵＭＰＬＥ ＺＯＮＥ）がその分だけ減少する。

このような車両の車体構造物は、燃料タンク、高電圧バッテリーなどの後部搭載部品を保護するために、通常の内燃機関車両と類似する形態を維持しつつも、後方衝突に対する剛性を高めるための、リアサイドメンバーの内部に設置された衝突補強材を含む。

しかし、このような車体構造物は、局部的に衝突補強材を大量に使用するため、製造原価及び車体重量が増加するという問題があった。また、衝突補強材がリアサイドメンバーの内部に設置されるため、両側のリアサイドメンバーの剛性は高くなるものの、リアサイドメンバーが位置しない領域（後方の中心部など）の剛性は脆弱である。従って、リアサイドメンバーが位置しない領域に衝突荷重が加えられた場合、リアフロアに搭載された部品を保護し難い。

本発明の一側面は、後方の衝突荷重を効率的に分散させてリアフロアに搭載された部品を安全に保護できる、車両の車体構造物を提供する。

本発明の一側面によると、リアフロアの両側にそれぞれ長さ方向に延伸するように設けられた第１リアサイドメンバーと、前後方向に互いに離隔した前方クロスメンバーと後方クロスメンバーとを具備し、前方クロスメンバーの両端と後方クロスメンバーの両端とが二つの第１リアサイドメンバーにそれぞれ結合されるリアサブフレームと、リアサブフレームから後方に離隔し両端が二つの第１リアサイドメンバーに連結され、リアフロアに固定された車体クロスメンバーと、二つの第１リアサイドメンバーの間のリアフロアに設けられ、二つの第１リアサイドメンバーとそれぞれ離隔した状態で並んで配置され、リアフロアの後端から車体クロスメンバーまで延伸された両側の二つの第２リアサイドメンバーと、
車体クロスメンバーと二つの第２リアサイドメンバーとが連結された第１連結部から延伸されて、リアサブフレームの後方クロスメンバーの両端と第１リアサイドメンバーが連結された第２連結部とに連結される両側の二つのトラスメンバーと、
を含むことを特徴とする。

第１連結部、第２連結部、車体クロスメンバーの両端と第１リアサイドメンバーとが連結される第３連結部は、三角構図に配置され得る。

前記リアサブフレームの後方クロスメンバーは、車両の幅方向に延伸された中間延長部と、中間延長部の両端から後側方に傾斜するように延伸されて第２連結部に連結される二つの側方延長部と、を含むことができる。

車両の側方から前記第２連結部に加えられる横方向荷重は、側方延長部とトラスメンバーとに分散して伝達され得る。

車両の後方から第１リアサイドメンバーに加えられる縦方向荷重が、第３連結部から第２連結部側と第１連結部側とに分散して伝達され、車両の後方から第２リアサイドメンバーに加えられる縦方向荷重が第１連結部から車体クロスメンバーの両端方向及びトラスメンバーに分散して伝達されることを特徴とする。

前記車体構造物は、二つの第１リアサイドメンバーの後端と後方バンパー構造物を連結する第１クラッシュボックスとを更に含むことができる。

前記車体構造物は、二つの第２リアサイドメンバーの後端と後方バンパー構造物とを連結する第２クラッシュボックスを更に含むことができる。

前記トラスメンバーは、第１連結部と第２連結部とを連結する外側部材と、外側部材の内側に設置されて剛性を強化する内側部材と、を含むことことができる。

本発明の実施例に係る車両の車体構造物は、車両の後方に作用する横方向荷重がリアサブフレームだけでなく、トラスメンバー及び車体クロスメンバーを通じて広範囲に分散して伝達されるため、燃料タンクやバッテリーなどが設置される車体クロスメンバーの前方領域を横方向衝突から安全に保護することができる。

また、本発明の実施例に係る車両の車体構造物は、二つの第１リアサイドメンバーと二つの第２リアサイドメンバーとを具備するため、後方の中間部分の衝突に対する剛性を、従来よりも顕著に強化することができ、後方から加えられる荷重を第１リアサイドメンバーと第２リアサイドメンバーとが分担し、第２リアサイドメンバーに加えられる縦方向荷重が車体クロスメンバー及びトラスメンバーに分散して伝達されるため、車体クロスメンバーの前方領域を後方衝突から安全に保護することができる。

本発明の実施例に係る車体構造物の平面図である。 本発明の実施例に係る車体構造物の斜視図である。 本発明の実施例に係る車体構造物の平面図であって、車両の後方及び側方に衝突荷重が分散して伝達される状態を示す図面である。 本発明の実施例に係る車体構造物の平面図であって、後方衝突時に燃料タンクが保護される状態を示す図面である。 本発明の実施例に係る車体構造物の第１リアサイドメンバーと後方バンパー構造物が第１クラッシュボックスによって連結される例を示した斜視図である。 本発明の実施例に係る車体構造物の第１及び第２リアサイドメンバーと後方バンパー構造物が第１及び第２クラッシュボックスによって連結される例を示す図面である。 本発明の実施例に係る車体構造物に設置されるトラスメンバーの構成及びトラスメンバーの設置方法を段階的に示す図面である。

以下、本発明の実施例を、添付図面を参照して詳細に説明する。以下の実施例は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に本発明の思想を十分に伝達するために提示するものであり、ここで提示されたものに限定されずに他の形態で具体化されてもよい。図面は、本発明を明確にするために説明と関係のない部分は図示を省略することができ、理解を助けるために構成要素の大きさは多少誇張して表現され得る。

図１は、本発明の実施例に係る車体構造物の平面図であり、図２は、本発明の実施例に係る車体構造物の斜視図である。 図１、２に図示すように、本発明の実施例に係る車両の車体構造物は、二つの第１リアサイドメンバー１０、１０、二つの第２リアサイドメンバー２０、２０、リアサブフレーム３０、車体クロスメンバー４０、及び二つのトラスメンバー５０、５０を含む。

二つの第１リアサイドメンバー１０、１０は、リアフロア１の両側にそれぞれ長さ方向（縦方向）に延伸されるように設けられる。リアサブフレーム３０は、リアフロア１の両側のリアサスペンションマウンティング部６０の剛性を強化するように、両端側が両側の第１リアサイドメンバー１０、１０にそれぞれ結合される。

リアサブフレーム３０は、前後方向に互いに離隔した前方クロスメンバー３１と後方クロスメンバー３２とを具備し、前方クロスメンバー３１の両端と後方クロスメンバー３２の両端とが二つの第１リアサイドメンバー１０、１０にそれぞれ結合される。リアサブフレーム３０は、リアフロア１の横方向剛性を強化してリアフロア１に搭載された燃料タンク７０、バッテリーなどの部品を保護することができる。

車体クロスメンバー４０は、リアサブフレーム３０から後方に所定間隔離隔され、両端が二つの第１リアサイドメンバー１０、１０にそれぞれ連結される。車体クロスメンバー４０は、リアフロア１に一体化された形態で固定されて、リアサブフレーム３０と共にリアフロアの横方向の剛性を強化するだけでなく、その前方に搭載された燃料タンク７０、及びバッテリーなどを後方衝突から保護する機能を有する。

二つの第２リアサイドメンバー２０、２０は、車体クロスメンバー４０の後方の両側の第１リアサイドメンバー１０、１０の間に設けられ、両側の第１リアサイドメンバー１０、１０とそれぞれ横方向に離隔した状態で並んで（ほぼ平行に）配置される。両側の第２リアサイドメンバー２０は、それぞれリアフロア１の後端から車体クロスメンバー４０まで延伸され、リアフロア１に一体化された状態で固定される。

二つのトラスメンバー５０は、車体クロスメンバー４０と二つの第２リアサイドメンバー２０とが連結された第１連結部８１から延伸されて、リアサブフレーム３０の後方クロスメンバー３２の両端と第１リアサイドメンバー１０とが連結された第２連結部８２とに連結される。

図３は、本発明の実施例に係る車体構造物の平面図であって、車両の後方及び側方に衝突荷重が分散して伝達される状態を示す図面である。
従って、図３に図示した例のように、車体構造物は、第１連結部８１、第２連結部８２、及び車体クロスメンバー４０の両端と第１リアサイドメンバー１０とが連結される第３連結部８３が三角構図で配置される。このような車体構造物は、車体クロスメンバー４０の前方領域（Ａ、燃料タンク設置領域）の横方向及び縦方向剛性を強化することができる。併せて、横方向の荷重Ｐ１と後方から加えられる縦方向荷重Ｐ２とが分散して伝達されるようにして、リアフロア１の車体クロスメンバーの前方領域Ａを衝突から安全に保護することができる。

図１〜３に示すように、リアサブフレーム３０の後方クロスメンバー３２は、車両の幅方向に延伸された中間延長部３２ａと、中間延長部３２ａの両端から後側方に向かって傾斜するように延伸されて第２連結部８２に連結される二つの側方延長部３２ｂと、を含む。

車両の側方から第２連結部８２に加えられる横方向荷重Ｐ１は、図３に図示す通り、側方延長部３２ｂとトラスメンバー５０とに分散して伝達され得る。横方向荷重Ｐ１の一部は、側方延長部３２ｂを通じてリアサブフレーム３０に伝達され、横方向荷重Ｐ１の他の一部はトラスメンバー５０を通じて車体クロスメンバー４０に伝達され得る。横方向荷重Ｐ１はリアサブフレーム３０だけでなく、トラスメンバー５０、５０及び車体クロスメンバー４０を通じてリアフロア１の後方側に広範囲に分散して伝達される。従って、車体構造物は車体クロスメンバー４０の前方領域Ａを横方向衝突から安全に保護することができる。

本実施例の車体構造物は、図３に図示した通り、車両の後方から第１リアサイドメンバー１０に加えられる縦方向荷重Ｐ２が、第３連結部８３から第２連結部８２側と第１連結部８１側とに分散して伝達され、車両の後方から第２リアサイドメンバー２０に加えられる縦方向荷重Ｐ２が、第１連結部８１から車体クロスメンバー４０の両端方向及びトラスメンバー５０に分散して伝達される。
図４は、発明の実施例に係る車体構造物の平面図であって、後方衝突時に燃料タンクが保護される状態を示す図面である。
従って、図４に図示した例のように、車体構造物は車両の後方から衝突が発生した場合にも車体クロスメンバーの前方領域（Ａ、燃料タンク設置領域）を安全に保護することができる。

また、本実施例は二つの第１リアサイドメンバー１０、１０と二つの第２リアサイドメンバー２０、２０とを具備するため、後方の中間部分の衝突に対する剛性を従来よりも顕著に強化することができ、後方から加えられる荷重Ｐ２を第１リアサイドメンバー１０、１０と第２リアサイドメンバー２０、２０とが分担するため、車体クロスメンバー４０の前方領域Ａを安全に保護することができる。すなわち、図３、４に図示した通り、後方衝突時に、車体クロスメンバーの後方領域Ｂは、変形されながら衝撃を吸収するが、車体クロスメンバー４０の前方領域Ａは、荷重が均一に分散されるため変形することなくそのまま維持され得る。

図５は、本発明の実施例に係る車体構造物の第１リアサイドメンバーと後方バンパー構造物が第１クラッシュボックスによって連結される例を示した斜視図であり、図６は、本発明の実施例に係る車体構造物の第１及び第２リアサイドメンバーと後方バンパー構造物が第１及び第２クラッシュボックスによって連結される例を示す図面である。
図５に示すように、後方バンパー構造物９０は、衝撃を吸収する第１クラッシュボックス１０１により両側の二つの第１リアサイドメンバー１０の後端と連結され得るが、図６に図示した通り、二つの第２リアサイドメンバー２０の後端と後方バンパー構造物９０とを連結する第２クラッシュボックス１０２を更に設置することもできる。

図６の例のように、第１クラッシュボックス１０１と第２クラッシュボックス１０２とを共に設置すると、後方衝突に対する衝撃減殺効果を更に高めることができ、クラッシュボックスのチューニング自由度を高めることができ、また、薄い素材でクラッシュボックスを構成することができる。また、後方バンパー構造物９０の結合安定性も高めることができる。

図７は、トラスメンバーの構成及びトラスメンバーの設置方法を段階的に示した図面である。
図７に示すように、トラスメンバー５０は第１連結部８１と第２連結部８２とを連結する外側部材５２と、外側部材５２の内側に設置されて剛性を強化する内側部材５１とを含むことができる。

トラスメンバー５０を設置する時は、図７の（ａ）に示すように、第１リアサイドメンバー１０に内側部材５１の一端を連結し、図７の（ｂ）に示すように、内側部材５１の外側に外側部材５２を設置する。外側部材５２を設置した後には、図７の（ｃ）に示すように、車体クロスメンバー４０を設置しながら車体クロスメンバー４０とトラスメンバー５０の一端とを連結し、図７の（ｄ）に示すように、第２リアサイドメンバー２０を設置しながら車体クロスメンバー４０とトラスメンバー５０とが連結された第１連結部８１に第２リアサイドメンバー２０を連結することができる。

１ リアフロア
１０ 第１リアサイドメンバー
２０ 第２リアサイドメンバー
３０ リアサブフレーム
３１ 前方クロスメンバー
３２ 後方クロスメンバー
３２ａ 中間延長部
３２ｂ 側方延長部
４０ 車体クロスメンバー
５０ トラスメンバー
５１ 内側部材
５２ 外側部材
６０ リアサスペンションマウンティング部
７０ 燃料タンク
８１ 第１連結部
８２ 第２連結部
８３ 第３連結部
９０ 後方バンパー構造物
１０１ 第１クラッシュボックス
１０２ 第２クラッシュボックス
Ｐ１ 横方向荷重
Ｐ２ 縦方向荷重
Ａ 前方領域
Ｂ 後方領域

Claims (8)

1. リアフロアの両側にそれぞれ長さ方向に延伸するように設けられた第１リアサイドメンバーと、
   前後方向に互いに離隔した前方クロスメンバーと後方クロスメンバーとを具備し、前記前方クロスメンバーの両端と前記後方クロスメンバーの両端とが二つの前記第１リアサイドメンバーにそれぞれ結合されるリアサブフレームと、
   前記リアサブフレームから後方に離隔し両端が前記二つの第１リアサイドメンバーに連結され、前記リアフロアに固定された車体クロスメンバーと、
   前記二つの第１リアサイドメンバーの間の前記リアフロアに設けられ、前記二つの第１リアサイドメンバーとそれぞれ離隔した状態で並んで配置され、前記リアフロアの後端から前記車体クロスメンバーまで延伸された両側の二つの第２リアサイドメンバーと、
   前記車体クロスメンバーと前記二つの第２リアサイドメンバーとが連結された第１連結部から延伸されて、前記リアサブフレームの前記後方クロスメンバーの両端と前記第１リアサイドメンバーが連結された第２連結部に連結される両側の二つのトラスメンバーと、
   を含むことを特徴とする車両の車体構造物。
2. 前記第１連結部、前記第２連結部、及び前記車体クロスメンバーの両端と前記第１リアサイドメンバーとが連結される第３連結部は、三角構図に配置されることを特徴とする請求項１に記載の車両の車体構造物。
3. 前記リアサブフレームの前記後方クロスメンバーは、車両の幅方向に延伸された中間延長部と、前記中間延長部の両端から後側方に傾斜するように延伸されて前記第２連結部に連結される二つの側方延長部と、を含むことを特徴とする請求項２に記載の車両の車体構造物。
4. 車両の側方から前記第２連結部に加えられる横方向荷重が、前記側方延長部と前記トラスメンバーとに分散して伝達されることを特徴とする請求項３に記載の車両の車体構造物。
5. 車両の後方から前記第１リアサイドメンバーに加えられる縦方向荷重が、前記第３連結部から前記第２連結部側と前記第１連結部側とに分散して伝達され、
   車両の後方から前記第２リアサイドメンバーに加えられる縦方向荷重が前記第１連結部から前記車体クロスメンバーの両端方向及び前記トラスメンバーに分散して伝達されることを特徴とする請求項２に記載の車両の車体構造物。
6. 前記二つの第１リアサイドメンバーの後端と後方バンパー構造物とを連結する第１クラッシュボックスを更に含むことを特徴とする請求項１に記載の車両の車体構造物。
7. 前記二つの第２リアサイドメンバーの後端と前記後方バンパー構造物とを連結する第２クラッシュボックスを更に含むことを特徴とする請求項６に記載の車両の車体構造物。
8. 前記トラスメンバーは、前記第１連結部と前記第２連結部とを連結する外側部材と、前記外側部材の内側に設置されて剛性を強化する内側部材と、を含むことを特徴とする請求項１に記載の車両の車体構造物。
   
   

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