JP2020065957A - 蒸留装置の省エネルギーシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】効率よく蒸留装置全体の熱バランスをとることが可能な蒸留装置の省エネルギーシステムを提供する。【解決手段】蒸留塔A1とリボイラA2を備える蒸留部Aと、塔頂ベーパを凝縮液とベーパに分離する分縮コンデンサBと、分縮コンデンサ用循環冷却水を冷却する循環冷却水クーラCと、分縮コンデンサ用循環冷却水から熱を回収してリボイラに高温水として供給する第1のヒートポンプDと、上記ベーパ中のNH3を水に吸収させる吸収装置本体と、昇温した上記水を、下記第2のヒートポンプにおいて熱回収が行われた後の循環冷却水により冷却する吸収装置用間接型熱交換器とを備えた吸収装置と、上記水の冷却に用いられて昇温した循環冷却水から熱回収を行いリボイラに高温水として供給する第2のヒートポンプとを備え、昇温した分縮コンデンサ用循環冷却水を循環冷却水クーラで冷却して所定の熱量を系外に排出し、システム全体の熱バランスの調整を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、蒸留装置の省エネルギーシステムに関し、詳しくは、ヒートポンプを用いた蒸留装置の省エネルギーシステムに関する。
蒸留装置における省エネルギー化の必要性は近年、益々増大しており、種々の提案が行われている。
そのような省エネルギー技術の1つとして、蒸留装置にヒートポンプを組み込んで、熱効率を向上させるようにした蒸留装置が提案されている(特許文献1参照)。
この特許文献1の蒸留塔は、濃縮部の一部または回収部の一部を含む第一の塔と、第一の塔が濃縮部の一部を含む場合には濃縮部の残部および回収部の全部を含み、第一の塔が回収部の一部を含む場合には回収部の残部と濃縮部の全部を含む、第二の塔とを有し、第二の塔が機械式ヒートポンプ式蒸留塔を構成する蒸留塔である。
このような蒸留塔の場合、塔内の塔頂と塔底の温度差が大きい場合であっても、蒸留塔を大幅に省エネルギー化することが可能になるという利点がある。
特開2015−134321号公報
しかしながら、上述の特許文献1の蒸留塔の場合、上記第一の塔と、上記第二の塔を有していることが前提となり、構造が複雑化し、適用用途が限られるという問題点がある。
また、一般に、蒸留装置にヒートポンプを組み込む場合、ヒートポンプを駆動するために使用される電力に基づいて蒸留装置に入力される熱量に相当する熱量が、余剰熱量となり、蒸留装置全体の熱バランスが成立しなくなるという問題点がある。
本発明は、上記課題を解決するものであり、ヒートポンプを用いて省エネルギー化を図るように構成された蒸留装置において、蒸留塔の構成に制約を受けることが基本的になく、かつ、効率よく蒸留装置全体の熱バランスをとることが可能で、安定した運転を行うことができる蒸留装置の省エネルギーシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の蒸留装置の省エネルギーシステムは、
ヒートポンプを用いた蒸留装置の省エネルギーシステムであって、
(a)水溶性低沸点成分と、水を主成分とする高沸点成分を含む原料液の蒸留を行う蒸留塔と、前記蒸留塔の塔底液を再加熱するリボイラとを備えた蒸留部と、
(b)前記蒸留塔の塔頂から取り出される、前記原料液よりも前記水溶性低沸点成分を高い割合で含む塔頂ベーパを、分縮コンデンサ用循環冷却水により冷却して、凝縮液と、前記凝縮液よりも前記水溶性低沸点成分を高い割合で含むベーパとに分離する分縮コンデンサと、
(c)前記分縮コンデンサで前記塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した前記分縮コンデンサ用循環冷却水を冷却して、所定の熱量を系外に排出することができるように構成された循環冷却水クーラと、
(d)前記循環冷却水クーラで冷却され、所定の熱量が系外に排出された後の前記分縮コンデンサ用循環冷却水から熱回収を行うとともに、回収した熱を電力により温度レベルを上げて前記リボイラに高温水として供給するように構成された第1のヒートポンプと、
(e)前記分縮コンデンサにおける不凝縮ガスである前記ベーパに含まれる前記水溶性低沸点成分を水に吸収させる吸収装置本体と、前記吸収装置本体において前記水溶性低沸点成分の吸収に用いられて昇温した前記水を、下記第2のヒートポンプにおいて熱回収が行われた後の循環冷却水によって間接的に冷却する吸収装置用間接型熱交換器とを備えた吸収装置と、
(f)前記吸収装置用間接型熱交換器において、前記水溶性低沸点成分の吸収に用いられて昇温した前記水の冷却に用いられ、昇温した前記循環冷却水から熱回収を行うとともに、回収した熱を電力により温度レベルを上げて前記リボイラに高温水として供給するように構成された第2のヒートポンプと
を備え、
前記分縮コンデンサで前記塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した前記分縮コンデンサ用循環冷却水を、前記循環冷却水クーラで冷却して、所定の熱量を系外に排出することにより、前記第1のヒートポンプおよび前記第2のヒートポンプを駆動するために使用される電力に基づいて当該蒸留装置に入力される熱量に対応する所定の熱量が系外に排出され、当該蒸留装置全体における熱バランスの調整が行われるように構成されていること
を特徴としている。
本発明の蒸留装置の省エネルギーシステムにおいては、前記蒸留塔の、前記原料液の供給位置より下側の領域が、棚段塔として構成されていることを特徴としている。
また、本発明の蒸留装置の省エネルギーシステムにおいては、
前記吸収装置本体が、
前記分縮コンデンサにおける不凝縮ガスである前記ベーパを、前記吸収装置本体において前記水溶性低沸点成分の吸収に用いられた後に前記吸収装置用間接型熱交換器で冷却された水と接触させて冷却する冷却機構部と、
前記冷却機構部で冷却された前記ベーパを水と接触させて、前記ベーパに含まれる前記水溶性低沸点成分を水に吸収させる吸収機構部と
を備えていることが好ましい。
また、前記冷却機構部として、エゼクター式スクラバが用いられていることが好ましい。
また、本発明においては、
前記循環冷却水クーラが、
前記分縮コンデンサで前記塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した前記分縮コンデンサ用循環冷却水を、水を冷媒として間接的に冷却する循環冷却水クーラ用間接型熱交換器と、
前記循環冷却水クーラ用間接型熱交換器で、前記分縮コンデンサ用循環冷却水を間接的に冷却するのに用いられ、昇温した前記水を空気と接触させ、主として前記水の気化熱によって前記水を冷却するとともに、前記空気と蒸発した水とを外部に放出することにより、前記所定の熱量が系外に排出されるように構成されたクーリングタワーと
を備えたものであることが好ましい。
本発明の蒸留装置の省エネルギーシステムは、前記原料液が、アンモニアを主成分とする水溶性低沸点成分と、水を主成分とする高沸点成分とを含むものである場合に特に有意義である。
本発明の蒸留装置の省エネルギーシステムは、上述のように構成されており、 分縮コンデンサで塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した分縮コンデンサ用循環冷却水を、循環冷却水クーラで冷却して、所定の熱量を系外に排出することにより、第1のヒートポンプおよび第2のヒートポンプを駆動するために使用される電力に基づいて当該蒸留装置に入力される熱量に対応する所定の熱量が系外に排出され、当該蒸留装置全体における熱バランスの調整が行われるように構成されているので、ヒートポンプを用いて省エネルギー化を図るように構成された蒸留装置において、上述の特許文献1の蒸留塔の場合のように、蒸留塔の構成に制約を受けるようなことがなく、かつ、効率よく蒸留装置全体の熱バランスをとることが可能で、安定した蒸留操作を継続して行うことが可能な蒸留装置の省エネルギーシステムを実現することが可能になる。
また、分縮コンデンサにおける不凝縮ガスであるベーパに含まれる水溶性低沸点成分を水に吸収させる吸収装置本体と、吸収装置本体において水溶性低沸点成分の吸収に用いられて昇温した水を、下記第2のヒートポンプにおいて熱回収が行われた後の循環冷却水によって間接的に冷却する吸収装置用間接型熱交換器とを備えた吸収装置を具備するとともに、第2のヒートポンプにおいて、上記吸収装置用間接型熱交換器で、水溶性低沸点成分の吸収に用いられて昇温した水の冷却に用いられ、昇温した循環冷却水から熱回収を行うとともに、回収した熱を電力により温度レベルを上げてリボイラに高温水として供給するようにしているので、例えば、間接型の熱交換器のみでは、水溶性低沸点成分の全量を凝縮させて除去することが困難であるような場合にも、吸収装置で水溶性低沸点成分の全量を確実に吸収し、回収することが可能になる。
さらに説明すると、例えば、蒸留塔に供給される原料液が固形分を含むスラリー液であるような場合、蒸留塔として規則充填物が充填された充填塔が用いられている場合には、固形分が堆積して閉塞を生じるおそれがあるため、固形物が付着しにくく、また付着したとしても洗浄して除去することが可能な棚段塔(例えば、多孔板からなる段を備えた多孔板塔(シーブトレー)や、泡鐘段(バブルキャップトレー)を備えた棚段塔など)が用いられることになるが、棚段塔を採用した場合には蒸留塔の圧損が大きくなる。そのためヒートポンプへの負荷を考慮して、操作温度を上げずに操作しようとすると、蒸留塔およびそれ以降の操作真空度を高く設定することが必要となる。
そして操作真空度を高くすると、水溶性低沸点成分を間接熱交換器を用いて凝縮させ、回収することは困難になる。
これに対し、本発明にかかる蒸留装置の省エネルギーシステムにおいては、上述のように構成された、吸収装置本体と吸収装置用間接型熱交換器とを備えた吸収装置を具備しているので、間接型の熱交換器のみでは水溶性低沸点成分を十分に凝縮させて除去することが困難であるような場合にも、吸収装置で水溶性低沸点成分の全量を確実に吸収して回収することができる。
なお、蒸留塔が棚段塔構造を採用していない場合にも、原料液の条件や蒸留対象物の物性などから、蒸留塔の高さを高くする(段数を多くする)ことが必要となり、それに伴って蒸留塔の圧損が大きくなることがあるが、本発明の蒸留装置の省エネルギーシステムは、そのような場合にも適用することが可能である。
本発明の蒸留装置の省エネルギーシステムにおいて、蒸留塔の、原料液の供給位置より下側の領域を棚段塔として構成することにより、蒸留塔に供給される原料液が固形分を含むスラリー液であるような場合にも、例えば、定期的な保守を行って棚段の洗浄を行うことにより、蒸留塔の閉塞を防止して、継続的に安定した蒸留操作を行うことが可能になる。
なお、蒸留塔が、例えば規則充填物が充填された充填塔である場合、閉塞が生じると充填物を取り出して交換するという、大がかりなメンテナンスが必要となり、安定した蒸留操作を継続して行うことができなくなる。
ただし、蒸留塔の、原料液の供給位置より上側の領域には、固形分を含むスラリー液が供給されることがなく、閉塞のおそれがないことから、特に棚段塔とせずに、充填塔として、圧損の増大を抑制することが望ましい。
なお、本発明は、蒸留塔が棚段塔構造を採用していない場合、例えば、充填塔構造のものである場合にも有効に適用することが可能であることはいうまでもない。
また、本発明の蒸留装置の省エネルギーシステムにおいて、吸収装置本体が、分縮コンデンサにおける不凝縮ガス(ベーパ)を、吸収装置本体において水溶性低沸点成分の吸収に用いられた後に吸収装置用間接型熱交換器で冷却された水と接触させて冷却する冷却機構部と、冷却機構部で冷却されたベーパを水と接触させて、ベーパに含まれる水溶性低沸点成分を水に吸収させる吸収機構部とを備えた構成とすることにより、小型で水溶性低沸点成分の吸収性能に優れた吸収装置を構成することが可能になり、本発明をより実効あらしめることができる。
また、冷却機構部として、エゼクター式スクラバを用いるようにした場合、エゼクター効果(吸引効果)により、エネルギーの消費を抑制しつつ、分縮コンデンサにおける不凝縮ガスであるベーパを効率よく吸引して、冷却することが可能になり、本発明をさらに実効あらしめることができる。
また、循環冷却水クーラとして、水を冷媒として用いる循環冷却水クーラ用間接型熱交換器と、循環冷却水クーラ用間接型熱交換器で用いられ昇温した水を空気と接触させ、主として水の気化熱により水を冷却するとともに、空気と蒸発した水とを外部に放出して所定の熱量が系外に排出されるように構成されたクーリングタワーとを備えたものを用いることにより、コストが増大することを抑制して、経済性に優れた蒸留装置の省エネルギーシステムを提供することが可能になる。
また、本発明の蒸留装置の省エネルギーシステムは、蒸留に供される原料液が、アンモニアを主成分とする水溶性低沸点成分と、水を主成分とする高沸点成分とを含むものである場合に、効率よく蒸留を行って、高濃度のアンモニア水溶液を得ることができて特に有意義である。
本発明の一実施形態にかかる蒸留装置の省エネルギーシステムの構成を示すフローシートである。
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
なお、この実施形態では、アンモニアを主成分とする水溶性低沸点成分と、水を主成分とする高沸点成分とを含むとともに、固形分を1〜5wt%の割合で含む原料液(スラリー)を蒸留して、高濃度のアンモニア水溶液を得るために用いられる蒸留装置の省エネルギーシステムを例にとって説明する。
この蒸留装置の省エネルギーシステム100は、ヒートポンプを用いた蒸留装置、詳しくは、水溶性低沸点成分であるアンモニアと、高沸点成分である水を含むアンモニア水溶液(原料液)を蒸留して、アンモニア濃度の高いアンモニア水溶液を得るための蒸留装置であって、ヒートポンプを用いて蒸留装置の省エネルギー化を図ることを目的とするシステムである。
図1に示すように、この実施形態にかかるヒートポンプを用いた蒸留装置の省エネルギーシステム100は、
(a)原料液であるアンモニア水溶液の蒸留を行う蒸留塔A1と、蒸留塔A1の塔底液を再加熱するリボイラA2とを有する蒸留部Aと、
(b)蒸留塔A1で分離された、原料液よりもアンモニア(水溶性低沸点成分)を高い割合で含む塔頂ベーパを、冷却水(分縮コンデンサ用循環冷却水)により冷却して、凝縮液と、凝縮液よりもアンモニア(水溶性低沸点成分)を高い割合で含むベーパとに分離する分縮コンデンサBと、
(c)分縮コンデンサBで塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した分縮コンデンサ用循環冷却水を冷却して、所定の熱量を系外に排出することができるように構成された循環冷却水クーラ(この実施形態では、後述のように、循環冷却水クーラ用間接型熱交換器C1とクーリングタワーC2を組み合わせて構成されている)Cと、
(d)循環冷却水クーラCにおいて冷却され、所定の熱量が系外に排出された後の分縮コンデンサ用循環冷却水から熱回収を行うとともに、回収した熱を電力により温度レベルを上げてリボイラA2に高温水として供給するように構成された第1のヒートポンプDと、
(e)分縮コンデンサBにおける不凝縮ガスであるベーパに含まれるアンモニア(水溶性低沸点成分)を水に吸収させる吸収装置本体E1と、吸収装置本体E1においてアンモニア(水溶性低沸点成分)の吸収に用いられて昇温した水を、下記第2のヒートポンプにおいて熱回収が行われた後の循環冷却水によって間接的に冷却する吸収装置用間接型熱交換器E2とを備えた吸収装置Eと、
(f)吸収装置Eが備える吸収装置用間接型熱交換器E2において、水溶性低沸点成分の吸収に用いられて昇温した水の冷却に用いられ、昇温した循環冷却水から熱回収を行うとともに、回収した熱を電力により温度レベルを上げてリボイラA2に高温水として供給するように構成された第2のヒートポンプFと、
を備えている。
そして、この実施形態にかかる蒸留装置の省エネルギーシステム100においては、分縮コンデンサBで蒸留塔A1の塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した分縮コンデンサ用循環冷却水を、循環冷却水クーラCで冷却して、所定の熱量を系外に排出することにより、第1のヒートポンプDおよび第2のヒートポンプFを駆動するために使用される電力に基づいて当該蒸留装置に入力される熱量に対応する所定の熱量が系外に排出され、当該蒸留装置全体における熱バランスの調整が行われるように構成されている。
以下に、この実施形態にかかる蒸留装置の省エネルギーシステム100の構成、および、蒸留装置の省エネルギーシステム100全体の熱バランスをとる方法についてさらに詳しく説明する。
上述のように、蒸留部Aは、蒸留塔A1とリボイラA2とを備えており、蒸留部Aを構成する蒸留塔A1は、原料液の供給位置Pより下側の領域が、棚段塔A11として構成されており、原料液の供給位置Pより上側の領域が、規則充填物を充填した充填塔A12として構成されている。
原料液の供給位置Pより下側の領域を棚段塔A11としたのは、蒸留塔A1に供給される原料液が固形分を含むスラリー液であることから、原料液の供給位置Pより下側の領域を充填塔とした場合には、充填塔に固形分が付着、堆積して充填塔の閉塞を引き起こすおそれがあるが、棚段塔とした場合には、定期的な保守を行って棚段の洗浄を行うことにより、蒸留塔A1の閉塞を防止して、継続的に安定した蒸留操作を行うことが可能になることによる。ただし、棚段塔を採用した場合、充填塔とした場合よりも蒸留塔A1の圧損は大きくなる。
一方、本実施形態では、蒸留塔A1の、原料液の供給位置より上側の領域には、固形分を含むスラリー液は供給されず、閉塞のおそれがないことから、特に棚段塔とせずに、充填塔A12として、圧損の増大を抑制するようにしている。
なお、本発明は、蒸留塔A1が棚段塔構造を採用していない場合、例えば、全体が充填塔構造のものである場合にも適用することが可能であり、充填塔A12の圧損が大きい場合には特に有意義である。
本発明にかかる蒸留装置の省エネルギーシステム100においては、蒸留部Aを構成する蒸留塔A1に、蒸留の対象となる原料液(NH3水溶液)が供給される。この原料液(供給液)は、例えば、アンモニア濃度(NH3濃度)が1〜3wt%のアンモニア水溶液である。
この実施形態では、蒸留塔A1に、液温が40℃で、NH3濃度が1.7wt%の原料液が、7561kg/hの割合で蒸留塔A1に供給されるように構成されている。
また、蒸留部Aを構成するリボイラA2は、蒸留塔A1の塔底液を再加熱する機能を果たすものであり、この実施形態では、間接型熱交換器が用いられている。そして、このリボイラA2には、第1のヒートポンプDにおいて電力により温度レベルを上げた90℃の高温水と、第2のヒートポンプFにおいて電力により温度レベルを上げた90℃高温水とが供給されるように構成されている。すなわち、第1のヒートポンプDからの90℃の高温水と、第2のヒートポンプFの90℃の高温の、両方の高温水の有する熱量を合計した熱量がリボイラA2に入力される。これによって、蒸留塔A1への熱の供給が行われる。
分縮コンデンサBは、上述のように、蒸留塔A1で分離された蒸発ベーパ(塔頂ベーパ)を分縮コンデンサ用循環冷却水により冷却して、主として高沸点成分である水を凝縮させるものであり、間接型熱交換器が用いられている。
また、分縮コンデンサBにおいては、高温の蒸発ベーパを凝縮させるため、30〜40℃の水が冷媒(分縮コンデンサ用循環冷却水)として用いられている。
また、分縮コンデンサBで使用された分縮コンデンサ用循環冷却水は、蒸発ベーパの凝縮熱により昇温している。そして、昇温した分縮コンデンサ用循環冷却水は、蒸留装置全体の熱バランスを調整するために、上述の循環冷却水クーラCにおいて冷却され、所定の熱量が系外に排出された後、第2のヒートポンプFに送られて熱回収に供されるように構成されている。
なお、蒸留装置全体の熱バランスについては、各部の構成を説明した後、詳しく説明する。
また、蒸留塔A1の塔頂からの蒸発ベーパ(塔頂ベーパ)は、アンモニアを供給液よりも高い割合で含むベーパであり、分縮コンデンサBに送られて、冷却水(分縮コンデンサ用循環冷却水)により冷却され、凝縮液と、凝縮液よりもアンモニア(水溶性低沸点成分)を高い割合で含むベーパとに分離される。そして、分縮コンデンサBで冷却されて凝縮した高沸点成分である水を高い割合で含む、NH3濃度の低い凝縮液は、還流液として蒸留塔A1の塔頂に戻される。
具体的に数値を挙げて説明すると、
(1)蒸留塔A1で分離された、アンモニアを供給液よりも高い割合で含み、圧力が37.3kPaA(絶対圧で37.3kPa)で、温度が70℃、NH3濃度が18.2wt%の蒸発ベーパ(塔頂ベーパ)が、745kg/hの割合で、分縮コンデンサBに送られて冷却され、
(2)NH3濃度が1.97wt%、温度が65℃の凝縮液が、367kg/hの割合で還流液として蒸留塔A1の塔頂に戻され、
(3)分縮コンデンサBで凝縮しなかった、NH3濃度が34.0wt%、温度が65℃のベーパが、378kg/hの割合で吸収装置Eに送られ、アンモニアの吸収が行われる。
また、循環冷却水クーラCは、上述したように、分縮コンデンサBで用いられ、昇温した分縮コンデンサ用循環冷却水を冷却する機能を果たすものである。この実施形態において、循環冷却水クーラCは、循環冷却水クーラ用間接型熱交換器C1とクーリングタワーC2とを備えている。
詳しくは、この実施形態において、循環冷却水クーラCは、分縮コンデンサBで塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した分縮コンデンサ用循環冷却水を、水を冷媒として間接的に冷却する循環冷却水クーラ用間接型熱交換器C1と、循環冷却水クーラ用間接型熱交換器C1で、分縮コンデンサ用循環冷却水を間接的に冷却するのに用いられ、昇温した水を空気と接触させ、主として水の気化熱によって水を冷却するとともに、空気と蒸発した水とを外部に放出することにより、所定の熱量が系外に排出されるように構成されたクーリングタワーC2とを備えている。
本実施形態の蒸留装置の省エネルギーシステム100において、循環冷却水クーラCは、図1に示すように、分縮コンデンサBで用いられ、39℃に昇温した分縮コンデンサ用循環冷却水を冷却して、所定の熱量を系外に排出する機能を果たす。
そして、循環冷却水クーラCにおいて冷却され、所定の熱量が系外に排出された後の35℃の分縮コンデンサ用循環冷却水は、第1のヒートポンプDに送られて熱回収に供されるように構成されている。なお、蒸留装置全体の熱バランスについては後述する。
また、循環冷却水クーラCを構成する循環冷却水クーラ用間接型熱交換器C1で用いられ、例えば35℃にまで昇温した循環冷却水クーラ用の冷却水(循環冷却水クーラ用冷却水)は、クーリングタワーC2において32℃に冷却され、再び循環冷却水クーラCを構成する循環冷却水クーラ用間接型熱交換器C1に戻るように構成されている。
すなわち、分縮コンデンサBで用いられ、蒸発ベーパ(塔頂ベーパ)の凝縮熱で昇温した分縮コンデンサ用循環冷却水は、循環冷却水クーラCによって冷却され、循環冷却水クーラCで用いられた冷却水(循環冷却水クーラ用冷却水)はクーリングタワーC2において、蒸発潜熱が奪われることで冷却され、所定の熱量が蒸留装置の系外に排出されることになる。
また、第1のヒートポンプDは、上述のように、分縮コンデンサBにおいて用いられ、循環冷却水クーラCにおいて、所定の熱量が系外に排出された後の分縮コンデンサ用循環冷却水から熱回収を行うとともに、回収した熱を電力により温度レベルを上げてリボイラA2に高温水として供給する機能を果たす。
具体的には、図1に示すように、第1のヒートポンプDにおいて、循環冷却水クーラCで所定の熱量が系外に排出された後の35℃の分縮コンデンサ用循環冷却水からの熱回収が行われ、30℃の分縮コンデンサ用循環冷却水が分縮コンデンサBに供給されるとともに、回収した熱と電力により温度レベルを上げた90℃の高温水が、蒸留部Aの熱源としてリボイラA2に供給されるように構成されている。
また、リボイラA2で用いられた後の85℃の温水は、第1のヒートポンプDに戻され、上述のようにして温度レベルを上げた90℃の高温水が、再びリボイラA2に供給されるように構成されている。
なお、本実施形態の蒸留装置の省エネルギーシステム100においては、第2のヒートポンプFからも、温度レベルを上げた90℃の高温水がリボイラA2に供給されるように構成されているが、これについては第2のヒートポンプFを説明する際にあわせて説明する。
この実施形態にかかる蒸留装置の省エネルギーシステム100における第1のヒートポンプDは、上述のような条件で用いられるように構成されているので、高い成績効率(COP)で熱回収を行うことが可能になる。
一方、分縮コンデンサBで凝縮しなかったベーパ(低沸点成分であるアンモニアを高い割合で含む不凝縮ガス)は、上述の吸収装置Eに送られる。
具体的には、上述のように、NH3濃度が34.0wt%、温度が65℃のベーパが、378kg/hの割合で、分縮コンデンサBから、吸収装置Eに送られる。
なお、分縮コンデンサBで凝縮した水を高い割合で含む凝縮液が還流液として蒸留塔A1の塔頂に戻されることは上述の通りである。
また、吸収装置Eは、分縮コンデンサBにおける不凝縮ガス(ベーパ)に含まれるアンモニア(水溶性低沸点成分)を水に吸収させる吸収装置本体E1と、吸収装置本体E1においてアンモニア(水溶性低沸点成分)の吸収に用いられて昇温した水を、循環冷却水によって間接的に冷却する吸収装置用間接型熱交換器E2を備えている。
また、吸収装置本体E1は、分縮コンデンサBにおける不凝縮ガス(ベーパ)を、吸収装置用間接型熱交換器E2で冷却された吸収液(水)と接触させることで冷却するエゼクター式スクラバ(冷却機構部)E10と、エゼクター式スクラバE10を通過したアンモニア(水溶性低沸点成分)(NH3)を水に吸収させるための充填塔式の吸収塔E11と、アンモニア(水溶性低沸点成分)の吸収液である水を貯めるための吸収液槽E12を備えている。
なお、エゼクター式スクラバE10は上述のように、分縮コンデンサBにおける不凝縮ガス(ベーパ)(温度65℃、アンモニア(NH3)34wt%、378kg/h)を冷却する機能を果たすものであるが、気液平衡の関係で、ベーパ中のアンモニア(水溶性低沸点成分)の一部を吸収する場合や、吸収液に溶解しているアンモニア(水溶性低沸点成分)の一部を放出する場合がある。
なお、冷却機構部として、エゼクター式スクラバE10を用いるようにした場合、エゼクター効果(吸引効果)により、エネルギーの消費を抑制しつつ、分縮コンデンサにおける不凝縮ガス、すなわちベーパを効率よく吸引して、冷却することが可能になり、有意義である。
また、吸収塔E11は、エゼクター式スクラバE10で冷却されたベーパ中に存在するアンモニア(NH3)(水溶性低沸点成分)を、水で吸収するための装置であり、吸収塔E11の塔頂には、アンモニア(NH3)の分圧を持たない新鮮な水(上水)が吸収液として供給されるように構成されている。
さらに、吸収液槽E12の、エゼクター式スクラバE10の下方に位置するスクラバ下方領域1と、吸収塔E11の下方に位置する吸収塔下方領域2との間には、堰3が設けられており、スクラバ下方領域1内の吸収液(アンモニアが溶解した水)が、堰3を超えて、吸収塔下方領域2に流れ込むように構成されている。
そして、吸収液槽E12の、吸収塔下方領域2内の吸収液(アンモニアが溶解した水)が、吸収装置用間接型熱交換器E2で冷却されてエゼクター式スクラバE10に供給される。なお、吸収塔下方領域2から吸収装置用間接型熱交換器E2を経て、エゼクター式スクラバE10に送られる吸収液(アンモニアが溶解した水)の供給量は38000kg/hで、NH3濃度は24.9wt%、温度は10℃となるように構成されている。
また、エゼクター式スクラバE10の下方領域1に溜まった吸収液(アンモニア(NH3)が溶解した水)は、アンモニアを高濃度に含む回収液として回収される。
なお、回収液は、NH3濃度:25wt%、温度:15℃で、回収量:515kg/hとなる。
また、本実施形態にかかる蒸留装置の省エネルギーシステム100において、吸収装置用間接型熱交換器E2には、後述する第2のヒートポンプFで熱回収された後の、温度が5℃の循環冷却水が、供給されるように構成されている。
そして、吸収装置用間接型熱交換器E2において、吸収液(アンモニア(NH3)が溶解した水)の冷却に用いられ、10℃に昇温した循環冷却水は、第2のヒートポンプFに送られて熱回収に供される。
また、蒸留塔A1の塔底からは、NH3濃度0.1wt%、温度45℃の缶出液が7183kg/hの割合で排出される。なお、原料液に含まれる固形分は、ほとんど蒸留塔の内部に付着せず、缶出液に含まれて系外に排出される。
また、第2のヒートポンプFは、吸収装置Eを構成する吸収装置用間接型熱交換器E2で用いられ、昇温した循環冷却水(例えば10℃)から熱回収を行うとともに、回収した熱を電力により温度レベルを上げて、90℃の高温水としてリボイラA2に供給することで、熱エネルギーを循環再利用することができるように構成されている。
なお、リボイラA2には、上述のように第1のヒートポンプDからの90℃の高温水と、第2のヒートポンプFらの90℃の高温水が供給され、かつ、リボイラA2において用いられた後の85℃の温水が、適宜分配されて第1のヒートポンプDと、第2のヒートポンプFに送られて温度レベルが上げられた後、90℃の高温水として再びリボイラA2に供給される。これによって、蒸留塔A1への熱の供給が継続的に行われる。
本実施形態にかかる蒸留装置の省エネルギーシステムは、上述のように構成されており、蒸留塔A1の原料液の供給位置Pより下側の領域が、棚段塔A11として構成されているので、蒸留塔A1に供給される原料液が固形分を含むスラリー液である場合にも、閉塞が生じにくく、固形分が付着したとしても容易に洗浄して除去することができるため、継続して安定した蒸留操作を行うことができる。
一方、蒸留塔A1に棚段塔A11を採用した場合、ヒートポンプへの負荷を考慮して、操作温度を上げずに操作しようとすると、蒸留塔A1およびそれ以降の分縮コンデンサB、吸収装置Eなどの操作真空度を高く設定することが必要となり、間接型熱交換器では水溶性低沸点成分を確実に回収することが困難になるが、本発明では、分縮コンデンサBの下流側に吸収装置Eを設けて水溶性低沸点成分を水で吸収するようにしているので、水溶性低沸点成分を確実に回収することができる。
その結果、効率のよい蒸留装置の省エネルギーシステム100を実現することが可能になる。
次に、第1のヒートポンプDおよび第2のヒートポンプFを蒸留装置に導入した場合の熱バランスについて説明する。
ヒートポンプを蒸留装置に導入した場合、概念的にみると、その熱バランスは、概略以下のようになる。
「リボイラでの加熱量」=「コンデンサでの凝縮熱量」 …(1)
ここで、ヒートポンプを用いた蒸留装置では、下記のような熱収支となる。
「コンデンサでの凝縮熱」+「ヒートポンプにおける消費動力」
=「温水によるリボイラへの供給熱量(リボイラでの加熱量)」…(2)
したがって、上記式(1)と式(2)から明らかなように、ヒートポンプの消費動力分が、余剰な熱量となり、蒸留装置全体の熱バランスが成立しなくなる。
すなわち、ヒートポンプを用いた蒸留装置においては「余剰熱量」であるヒートポンプの消費動力に相当する熱量を、なんらかの方法で系外に除去することが必要になる。
そして、本発明では、分縮コンデンサにおいて用いられ、凝縮熱が入力された分縮コンデンサ用循環冷却水から所定の熱量を除去するようにしている。
これにより、以下の式(3)の条件を満足すること、すなわち熱バランスをとることが可能になる。
「コンデンサにおける凝縮熱」−「余剰熱量」
=「温水によるリボイラへの供給熱量」 …(3)
そして、本発明では、分縮コンデンサBで用いられた分縮コンデンサ用循環冷却水を第1のヒートポンプDに供給するためのラインに、循環冷却水クーラCを導入することで、第1のヒートポンプD、および、第2のヒートポンプFにおける消費動力の合計量に相当する余剰熱量の除去を行い、蒸留装置全体での熱バランスを調整するようにしている。
すなわち、本発明では、第2のヒートポンプFにおける消費動力による余剰熱量についても、上述の循環冷却水クーラCにて、対応する熱量を系外に排出して、蒸留装置全体としての熱量の調整を行うようにしている。
さらに言えば、本発明では、第1のヒートポンプDにおける消費動力に基づく余剰熱量と、第2のヒートポンプFにおける消費動力に基づく余剰熱量の両方を、循環冷却水クーラCにて系外に排出するようにしている。
具体的には、上記実施形態においては、第1のヒートポンプDにおける消費動力が約48kW、第2のヒートポンプFにおける消費動力が約144kWで、合計の消費動力が192kWであるのに対して、分縮コンデンサ用循環冷却水を第1のヒートポンプDに供給するためのラインに設けた循環冷却水クーラCにおいて約192kWの熱量(余剰熱量に相当する熱量)を系外に排出することで、蒸留装置全体における熱バランスを調整するようにしている。
ここで、吸収装置用間接型熱交換器E2で用いられた循環冷却水を第2のヒートポンプFに供給するためのラインで第2のヒートポンプFにおける消費動力に基づく余剰熱量を除去しようとすると、低温の(10℃未満の)チラー水が必要となり、多くの電力を消費して製造されるチラー水を用いることは、ランニングコストの増加につながる。
そのため、本発明では、吸収装置用間接型熱交換器E2で用いられた循環冷却水を第2のヒートポンプFに供給するためのラインで上述の余剰熱量を除去することはせずに、分縮コンデンサ用循環冷却水ライン設けた循環冷却水クーラCにて、第1のヒートポンプDによる余剰熱量だけではなく、第2のヒートポンプFによる余剰熱量の除去も行うようにしている。
上述のように、第1のヒートポンプDおよび第2のヒートポンプFの余剰熱量を、一般の冷却水で除去可能な温度レベルである第1のヒートポンプDへの分縮コンデンサ用循環冷却水ラインに設けた循環冷却水クーラCにおいて集中的に行うことにより、蒸留装置全体での熱バランスの調整を効率よく行うことが可能になり、ランニングコストの最小化を実現することが可能になる。
なお、上記実施形態で示した、原料液、蒸留塔の塔頂ベーパ、分縮コンデンサにおいて凝縮した凝縮液、分縮コンデンサにおける不凝縮ガスであるベーパなどについて記載した、各種の量や、温度、圧力、熱量などの値は、あくまで例示であって、本発明においては、それらの値は上記実施形態の値に限定されるものではなく、他の値とすることも可能である。
また、上記実施形態では、蒸留に供される原料液が、アンモニア(NH3)を主成分とする水溶性低沸点成分と、水を主成分とする高沸点成分とを含むアンモニア水である場合について説明したが、本発明は、他の水溶性低沸点成分を含む水溶液である場合(例えば水溶性低沸点成分がアセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、揮発性の高い香料であるような場合)にも適用することが可能である。
本発明は、さらにその他の点においても上記実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲内において、応用、変形を加えることが可能である。
1 スクラバ下方領域
2 吸収塔下方領域
3 堰
100 蒸留装置の省エネルギーシステム
A 蒸留部
A1 蒸留塔
A11 棚段塔
A12 充填塔
A2 リボイラ
B 分縮コンデンサ
C 循環冷却水クーラ
C1 循環冷却水クーラ用間接型熱交換器
C2 クーリングタワー
D 第1のヒートポンプ
E 吸収装置
E1 吸収装置本体
E2 吸収装置用間接型熱交換器
E10 エゼクター式スクラバ
E11 吸収塔
E12 吸収液槽
F 第2のヒートポンプ

Claims (6)

  1. ヒートポンプを用いた蒸留装置の省エネルギーシステムであって、
    (a)水溶性低沸点成分と、水を主成分とする高沸点成分を含む原料液の蒸留を行う蒸留塔と、前記蒸留塔の塔底液を再加熱するリボイラとを備えた蒸留部と、
    (b)前記蒸留塔の塔頂から取り出される、前記原料液よりも前記水溶性低沸点成分を高い割合で含む塔頂ベーパを、分縮コンデンサ用循環冷却水により冷却して、凝縮液と、前記凝縮液よりも前記水溶性低沸点成分を高い割合で含むベーパとに分離する分縮コンデンサと、
    (c)前記分縮コンデンサで前記塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した前記分縮コンデンサ用循環冷却水を冷却して、所定の熱量を系外に排出することができるように構成された循環冷却水クーラと、
    (d)前記循環冷却水クーラで冷却され、所定の熱量が系外に排出された後の前記分縮コンデンサ用循環冷却水から熱回収を行うとともに、回収した熱を電力により温度レベルを上げて前記リボイラに高温水として供給するように構成された第1のヒートポンプと、
    (e)前記分縮コンデンサにおける不凝縮ガスである前記ベーパに含まれる前記水溶性低沸点成分を水に吸収させる吸収装置本体と、前記吸収装置本体において前記水溶性低沸点成分の吸収に用いられて昇温した前記水を、下記第2のヒートポンプにおいて熱回収が行われた後の循環冷却水によって間接的に冷却する吸収装置用間接型熱交換器とを備えた吸収装置と、
    (f)前記吸収装置用間接型熱交換器において、前記水溶性低沸点成分の吸収に用いられて昇温した前記水の冷却に用いられ、昇温した前記循環冷却水から熱回収を行うとともに、回収した熱を電力により温度レベルを上げて前記リボイラに高温水として供給するように構成された第2のヒートポンプと
    を備え、
    前記分縮コンデンサで前記塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した前記分縮コンデンサ用循環冷却水を、前記循環冷却水クーラで冷却して、所定の熱量を系外に排出することにより、前記第1のヒートポンプおよび前記第2のヒートポンプを駆動するために使用される電力に基づいて当該蒸留装置に入力される熱量に対応する所定の熱量が系外に排出され、当該蒸留装置全体における熱バランスの調整が行われるように構成されていること
    を特徴とする蒸留装置の省エネルギーシステム。
  2. 前記蒸留塔の、前記原料液の供給位置より下側の領域が、棚段塔として構成されていることを特徴とする請求項1記載の蒸留装置の省エネルギーシステム。
  3. 前記吸収装置本体が、
    前記分縮コンデンサにおける不凝縮ガスである前記ベーパを、前記吸収装置本体において前記水溶性低沸点成分の吸収に用いられた後に前記吸収装置用間接型熱交換器で冷却された水と接触させて冷却する冷却機構部と、
    前記冷却機構部で冷却された前記ベーパを水と接触させて、前記ベーパに含まれる前記水溶性低沸点成分を水に吸収させる吸収機構部と
    を備えていることを特徴とする請求項1または2記載の蒸留装置の省エネルギーシステム。
  4. 前記冷却機構部として、エゼクター式スクラバが用いられていることを特徴とする請求項3記載の蒸留装置の省エネルギーシステム。
  5. 前記循環冷却水クーラが、
    前記分縮コンデンサで前記塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した前記分縮コンデンサ用循環冷却水を、水を冷媒として間接的に冷却する循環冷却水クーラ用間接型熱交換器と、
    前記循環冷却水クーラ用間接型熱交換器で、前記分縮コンデンサ用循環冷却水を間接的に冷却するのに用いられ、昇温した前記水を空気と接触させ、主として前記水の気化熱によって前記水を冷却するとともに、前記空気と蒸発した水とを外部に放出することにより、前記所定の熱量が系外に排出されるように構成されたクーリングタワーと
    を備えたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の蒸留装置の省エネルギーシステム。
  6. 前記原料液が、アンモニアを主成分とする水溶性低沸点成分と、水を主成分とする高沸点成分を含むものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の蒸留装置の省エネルギーシステム。
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