JP6571228B2 - Mvr式アンモニア水溶液の蒸留装置 - Google Patents
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Description
缶B2には外部から処理液が供給される管13が接続され、缶B2で蒸発されなかったアンモニア含有処理液は、缶B1に供給されるように構成されている。
そして、缶B2には凝縮器2が接続され、加熱器C2にはアンモニア水を排出する管19が接続され、管19は凝縮器2に接続されており、缶B1にはアンモニアが除去された処理液を排出する管9が接続されている。
すなわち、一般的な蒸留装置においては、通常、エネルギーとして水蒸気が用いられており、その消費量がエネルギーの使用量となる。
(a)圧縮機に供給される第1蒸留塔の塔頂から取り出されるベーパである第1塔頂ベーパの温度をできるだけ高くすること、
(b)リボイラの加熱側流路を通流する加熱媒体のアンモニア濃度を低く保つことで、気液平衡による露点降下を抑制すること、すなわち、加熱媒体の温度が、リボイラにて、第1蒸留塔の塔底液に意図する熱量を与えることができる温度に維持されるようにすること
などが必要であることを知った。
そして、さらに種々の検討を行い、本発明を完成するに至った。
アンモニアを所定の割合で含むアンモニア水溶液である原液の蒸留を行う第1蒸留塔と、
前記第1蒸留塔の塔底液を再加熱するリボイラであって、加熱媒体が通流する加熱側流路と、被加熱流体である前記第1蒸留塔の塔底液が通流する被加熱側流路とが隔離された構造を有する間接熱交換式のリボイラと、
前記第1蒸留塔の塔頂から取り出されるベーパである第1塔頂ベーパを断熱圧縮することで昇温した圧縮ベーパを、前記リボイラに加熱源として供給する圧縮機と、
前記圧縮機で断熱圧縮され、加熱源として前記リボイラに供給された前記圧縮ベーパのうち、前記リボイラにおいて凝縮させずに抜き出した不凝縮ガスの蒸留を行う第2蒸留塔と、
前記第2蒸留塔の塔頂から取り出されるベーパである第2塔頂ベーパを冷却するコンデンサと
を備え、
前記リボイラは、(a)前記第1蒸留塔の前記塔底液が前記被加熱流体として前記被加熱側流路に供給され、(b)前記圧縮機により断熱圧縮された前記圧縮ベーパが前記加熱媒体として前記加熱側流路に供給されるように構成され、かつ、(c)前記塔底液の加熱に用いられた前記圧縮ベーパの一部を、高濃度のアンモニアガスを含む不凝縮ガスとして前記加熱側流路から抜き出すことにより、前記加熱側流路におけるアンモニア濃度を低く保つことで、気液平衡による露点降下を抑制して、前記加熱側流路を通流する前記加熱媒体の温度が、前記リボイラにて前記塔底液に意図する熱量を与えることができる温度に維持されるように構成されており、
前記第2蒸留塔は、前記リボイラの前記加熱側流路から抜き出された、高濃度のアンモニアガスを含む不凝縮ガスを蒸留対象ベーパとし、前記コンデンサにおいて凝縮した凝縮液を還流液とし、前記不凝縮ガスと前記還流液とを気液接触させることにより蒸留が行われるように構成されているとともに、
前記コンデンサは、前記第2塔頂ベーパを冷却して、前記第2蒸留塔に還流液として戻される凝縮液と、前記第2塔頂ベーパよりもアンモニアを高い割合で含む不凝縮ガスとに分離するように構成されていること
を特徴としている。
前記第1蒸留塔の操作圧が、大気圧以下であり、
前記圧縮機により前記第1塔頂ベーパを断熱圧縮した圧縮ベーパの圧力が、10kPaA〜大気圧以下であることが好ましい。
(1)リボイラにおいて塔底液の加熱に用いられた圧縮ベーパの一部を、高濃度のアンモニアガスを含む不凝縮ガスとしてリボイラから抜き出すことにより、リボイラの加熱側流路を通流する加熱媒体(圧縮ベーパ)中のアンモニア濃度を低く保ち、露点降下を抑制することが可能になる、
(2)コンデンサにおいて、第2塔頂ベーパをコンデンサに導いて、分縮操作を行い、アンモニア濃度の高い不凝縮ガスを系外に抜き出すことにより、コンデンサの操作温度を高く保ち、チラー水を不要とすることが可能になる、
(3)上記(1)のように、リボイラの加熱媒体中のアンモニア濃度を低く保つ、すなわち第1蒸留塔の還流液中のアンモニア濃度を低く保つことで、第1蒸留塔の塔頂から取り出される第1塔頂ベーパ中のアンモニアの量を減らして、第1塔頂ベーパの温度を高く保つことが可能になる、
(4)上記(3)のように、第1塔頂ベーパの温度を高く保つことで、圧縮機における圧縮率が少なくなり、圧縮機の負荷を減らすことが可能になる、
などの作用効果を得ることができる。
なお、第1蒸留塔10は、通常、操作圧は10kPaA〜大気圧以下の範囲で操作されることが好ましい。
なお、本発明のMVR式アンモニア水溶液の蒸留装置100においては、圧縮機12により第1塔頂ベーパを断熱圧縮した圧縮ベーパの圧力が、10kPaA〜大気圧以下となるように操作されることが望ましい。
(a)第1蒸留塔10の塔底液が被加熱流体としてチューブ側(被加熱側流路)11aに供給され、
(b)上述の圧縮機12により断熱圧縮された圧縮ベーパが加熱媒体としてシェル側(加熱側流路)11bに供給されるように構成されている。
(c)第1蒸留塔10の塔底液の加熱に用いられた圧縮ベーパの一部を、高濃度のアンモニアガスを含む不凝縮ガスとしてリボイラ11のシェル側から抜き出すことにより、加熱側流路(シェル側)11bにおけるアンモニア濃度を低く保ち、気液平衡による露点降下を抑制して、加熱媒体(シェル側流体)の温度が、リボイラ11にて、第1蒸留塔10の塔底液に意図する熱量を与えることができる温度に維持されるように構成されている。
(1)リボイラ11において塔底液の加熱に用いられた圧縮ベーパの一部を、高濃度のアンモニアガスを含む不凝縮ガスとしてリボイラ11から抜き出すようにしているので、リボイラ11のシェル側流体(加熱媒体)中のアンモニア濃度を低く保ち、露点降下を抑制することができる、
(2)コンデンサ30は、分縮操作を行い、不凝縮ガスとして系外に取り出すようにしているので、コンデンサの温度を高く保ち、チラー水を不要とすることが可能となる、
(3)上記(1)のように、リボイラ11で分縮操作を行い、アンモニア濃度の高い不凝縮ガスを第2蒸留塔に抜き出して、アンモニア濃度を低く保つことで、第1蒸留塔10の塔頂から取り出される第1塔頂ベーパ中のアンモニア濃度を減らして、第1塔頂ベーパの温度を高く保つことが可能になる、
(4)上記(3)のようにして、第1蒸留塔10の塔頂から取り出される第1塔頂ベーパの温度を高く保つようにしているので、圧縮率が低減し、圧縮機12の負荷を減らすことができる、
などの特有の作用効果を得ることが可能になる。
ここで、第1蒸留塔10に供給される原液中のアンモニア量は1時間当たり150kgとなる。
11 リボイラ
11a 被加熱側流路(チューブ側)
11b 加熱側流路(シェル側)
12 圧縮機
13 (複数の)管
14 両端管板
15 本体胴
20 第2蒸留塔
30 コンデンサ
41 予熱器
50 アンモニア吸収装置
51 吸収塔
52 水供給ライン
53 充填部
54 クーラ
55 チラーユニット
100 MVR式アンモニア水溶液の蒸留装置
Claims (5)
- アンモニアを所定の割合で含むアンモニア水溶液である原液の蒸留を行う第1蒸留塔と、
前記第1蒸留塔の塔底液を再加熱するリボイラであって、加熱媒体が通流する加熱側流路と、被加熱流体である前記第1蒸留塔の前記塔底液が通流する被加熱側流路とが隔離された構造を有する間接熱交換式のリボイラと、
前記第1蒸留塔の塔頂から取り出されるベーパである第1塔頂ベーパを断熱圧縮することで昇温した圧縮ベーパを、前記リボイラに加熱源として供給する圧縮機と、
前記圧縮機で断熱圧縮され、前記加熱源として前記リボイラに供給された前記圧縮ベーパのうち、前記リボイラにおいて凝縮させずに抜き出した不凝縮ガスの蒸留を行う第2蒸留塔と、
前記第2蒸留塔の塔頂から取り出されるベーパである第2塔頂ベーパを冷却するコンデンサと
を備え、
前記リボイラは、(a)前記第1蒸留塔の前記塔底液が前記被加熱流体として前記被加熱側流路に供給され、(b)前記圧縮機により断熱圧縮された前記圧縮ベーパが前記加熱媒体として前記加熱側流路に供給されるように構成され、かつ、(c)前記塔底液の加熱に用いられた前記圧縮ベーパの一部を、高濃度のアンモニアガスを含む不凝縮ガスとして前記加熱側流路から抜き出すことにより、前記加熱側流路におけるアンモニア濃度を低く保つことで、気液平衡による露点降下を抑制して、前記加熱側流路を通流する前記加熱媒体の温度が、前記リボイラにて前記塔底液に意図する熱量を与えることができる温度に維持されるように構成されており、
前記第2蒸留塔は、前記リボイラの前記加熱側流路から抜き出された、高濃度のアンモニアガスを含む不凝縮ガスを蒸留対象ベーパとし、前記コンデンサにおいて凝縮した凝縮液を還流液とし、前記不凝縮ガスと前記還流液とを気液接触させることにより蒸留が行われるように構成されているとともに、
前記コンデンサは、前記第2塔頂ベーパを冷却して、前記第2蒸留塔に還流液として戻される凝縮液と、前記第2塔頂ベーパよりもアンモニアを高い割合で含む不凝縮ガスとに分離するように構成されていること
を特徴とするMVR式アンモニア水溶液の蒸留装置。 - 前記第1蒸留塔の操作圧が、大気圧以下であり、
前記圧縮機により前記第1塔頂ベーパを断熱圧縮した圧縮ベーパの圧力が、10kPaA〜大気圧以下であることを特徴とする請求項1記載のMVR式アンモニア水溶液の蒸留装置。 - 前記第1蒸留塔に供給される前記原液のアンモニア濃度が0.1wt%以上20.0wt%以下で、前記第1蒸留塔の塔底から排出される排出液のアンモニア濃度が0.1wt%以下であることを特徴とする請求項1または2記載のMVR式アンモニア水溶液の蒸留装置。
- 前記コンデンサにおける前記不凝縮ガスのアンモニア濃度が30wt%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のMVR式アンモニア水溶液の蒸留装置。
- 前記コンデンサにおける前記不凝縮ガスに含まれるアンモニアを水に吸収させて、アンモニア濃度が30wt%未満のアンモニア水を回収するアンモニア吸収装置を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のMVR式アンモニア水溶液の蒸留装置。
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