JP2020059537A - 搬送パレットおよびその使用方法 - Google Patents

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庄一郎 木田
Shoichiro Kida
庄一郎 木田
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Abstract

【課題】ローラコンベア上を搬送させる際の抵抗を軽減し、搬送効率の低下を抑制することができる、搬送パレットを提供する。【解決手段】その上面に物品を載置した状態でコンベアローラ3上に配置され、所定の搬送方向に向けてコンベアローラ3上を移動させる搬送パレット10であって、その一方主面側に配置されて、物品が載置可能となる載置部と、その他方主面側に配置されて、コンベアローラ3のローラ5Rの外周面7に当接する当接部と、を有する平面視が矩形状のパレット本体12を含み、当接部は、n角形(n≧3)状のプレート体24を含み、プレート体24のn個の頂点部24Vのうちの少なくとも1つの頂点部24Vは、パレット本体12の4つの辺部のうちの少なくとも1つの辺部に対向するように配設されていることを特徴とする。【選択図】図9

Description

本発明は、物品を搬送する際に用いられる搬送パレットに関し、特に、ローラコンベアにより搬送され、例えば、その上面に枚葉形の用紙が積載されるパレットに用いられて好適な搬送パレットおよびその使用方法に関する。
本発明の背景となる従来技術には、荷物等の保管、運搬等の際に使用され、上部デッキボードと下部デッキボードを互いに対向させて溶着一体化してなる樹脂製パレットが知られている。この従来の樹脂製パレットは、上部デッキボードと下部デッキボードは桁部を介して結合され、当該桁部間の中空領域がフォーク差込領域とされてなり、フォーク差込領域に形成される格子状のリブに囲まれた区画内に複数の小孔が設けられたことを特徴としている(例えば、特許文献1参照。)。
この樹脂製パレットでは、耐衝撃強度や曲げ強度等において、必要最小限の樹脂量にて十分な強度を有し、しかも軽量の樹脂製パレットを提供することができる。
また、他の従来技術には、パレットの少なくとも一面が荷物を載置するデッキ面であるパレットであって、当該デッキ面には滑り止め材を挿入するための挿入孔が設けられており、この挿入孔の内周面には、滑り止め材の挿入状態で当該滑り止め材と挿入孔との間に溜まる水を挿入孔の外部に排出可能な溝部が形成されていることを特徴とするパレットが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
このパレットでは、洗浄時にデッキ面の挿入孔と滑り止め材との間に水が浸入したときでもその水は、挿入孔の内周面に形成した溝部を通して挿入孔の外部に排出され、滑り止め材と挿入孔との間に溜まることがないので、洗浄後の使用時に載置物が滑り止め材と挿入孔との間に溜まった水により濡れるのを未然に防止することができる。
さらに、他の従来技術には、矩形状をなす一対のデッキボードの間に、二つのフォーク挿入孔の間に配置されている中間桁と、フォーク挿入孔を挟んで中間桁の反対側に配置されている一対の端桁と、が設けられ、各端桁が、パレットの側壁として機能する外壁と、フォーク挿入孔の周壁として機能する内壁と、をそれぞれ有しており、また、端桁における外壁と内壁との間には、外壁と内壁とに接続されている桁間リブと、桁間リブを挟んだ両側に配置されているものであり、外壁の延伸方向及び桁間リブの延伸方向の双方と交差する方向に延びており、桁間リブにおける一端と他端との間の規定点と外壁との双方に接続されている一対の傾斜リブと、外壁と傾斜リブとの交点に接続されている端部から内壁に向けて延伸している補強リブと、が設けられ、さらに、桁間リブと、傾斜リブと、補強リブとが、一対のデッキボードのそれぞれに連結されていることを特徴としているパレットが知られている(例えば、特許文献3参照。)。
このパレットでは、端桁の外壁と傾斜リブとの交点に補強リブの端部が接続されているので、端桁の外壁にフォークリフトのフォークなどが押し当てられたとしても、その際に外壁に入力される荷重が傾斜リブと補強リブとに分散されるものとなり、パレットの側壁のうち、フォーク挿入孔が開口していない側壁、すなわち端桁の外壁の剛性を向上させることができる。
さらに、また、他の従来技術には、物流荷役用に使用されている各種のパレットにおいて、物品が積載される搭載面を形成する天板と、底面を形成する底板と、天板及び底板の間に介装される柱状の桁部材とを備え、桁部材は、耐震性や制振性を有する機能素材で形成されていることを特徴とする制振パレットが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
この制振パレットでは、輸送時の振動や衝撃が直接機器類に伝わることを防止して、厳重な梱包を要することなく、輸送の際の機器の損傷を簡易な構成で安価に防止することができる。
再公表特許WO2014/034660号公報 特開2018−79959号公報 特開2018−52598号公報 実用新案登録第3214735号公報
しかしながら、上記した例えば特許文献1〜特許文献4に記載のいずれの従来技術においても、特に、ローラコンベアによりパレットを移動させるときの問題点に注目したものは見当たらない。特許文献1〜特許文献4に記載のいずれのパレットにおいても、それぞれ、当該パレットは、平面視および底面視の形状が方形状または矩形状に形成され、且つ、底面の周縁部は、その長手方向に延びる直線状の端縁を有する構造となっている。
一方で、特許文献1〜特許文献4に記載のいずれのパレットにおいて、当該パレットをローラコンベアの上を手動で移動させる場合、通常、たとえば図10の(A)に示すように、パレット1は、当該パレット1の搬送方向は、ローラコンベア3の各ローラ5Rの中心軸5Cの軸線方向ad(axial direction)に対して、平面略直角に交差する(直交する)ように、ローラコンベア3のローラ5Rの上面に載置されて所定の方向に搬送されるものとなっている。
また、パレット1がローラコンベア3上を移動するとき、図10の(B)に示すように、当該パレット1は、その底面1BP(basal plane)がローラコンベア3の各ローラ5Rの側面7と線接触しながら搬送方向に向って移動していく。すなわち、パレット1の搬送方向で見て、特に、パレット1の前端部1Aは、あるローラ5Rから次のローラ5Rに移動したとき、常に、ローラ5R(Roller)の側面7の1つの母線7g(generatrix)と線接触しながら搬送方向に向って移動していく。
そのため、上記した従来のいずれのパレット1においても、当該パレット1がローラコンベア3の各ローラ5Rの上面を通過するときに、パレット1の底面1bpと各ローラ5Rとの線接触による摩擦抵抗を受けるため、当該パレット1は、ローラコンベア上をスムーズに移動させることに支障を来たす虞があった。
この場合、これらの従来のパレット1を、あるローラ5R上から次のローラ5R上に、特に、たとえば手動で移動させるときに、図10(A),(B)に示すように、パレット1は、その前端部1Aが、先ず、ローラ5Rの側面7の1つの母線7gに当接することで、初期的に、摩擦抵抗によって負荷を受けるものとなる。そのため、従来のパレット1では、特に、パレット1の前端部1Aがコンベアローラ1の各ローラ5R間を移動する際に、たとえば「コツン、コツン」といった突っ掛かり感が生じるものとなっている。
すなわち、従来の所謂搬送パレット1では、ローラコンベア3上を搬送させる際に、当該パレット1を各ローラ5R間においてスムーズに移動させることが困難となって、搬送効率が低下するなどの不具合が発生するものであった。
それゆえに、本発明の主たる目的は、ローラコンベア上を搬送させる際の各ローラとの接触による摩擦抵抗を軽減し、搬送効率の低下を抑制することができる、搬送パレットを提供することである。
請求項1に係る本発明は、その上面に物品を載置した状態でコンベアローラ上に配置され、所定の搬送方向に向けてコンベアローラ上を移動させる搬送パレットであって、その一方主面側に配置されて、物品が載置可能となる載置部と、その他方主面側に配置されて、コンベアローラのローラの外周面に当接する当接部と、を有する平面視が方形状または矩形状のパレット本体を含み、当接部は、n角形(n≧3)状のプレート体を含み、プレート体のn個の頂点部のうちの少なくとも1つの頂点部は、パレット本体の4つの辺部のうちの少なくとも1つの辺部に対向するように配設されていることを特徴とする、搬送パレットである。
請求項2に係る本発明は、請求項1に係る発明に従属する発明であって、パレット本体は、平面視が方形状または矩形状で、且つ、その上面が平坦面に形成されるデッキ部と、平面視が方形状または矩形状で、デッキ部の下側に配設されてデッキ部を支持する支持部とを含み、載置部は、デッキ部の上面に形成され、プレート体は、支持部の下面に配設されていることを特徴とする、搬送パレットである。
請求項3に係る本発明は、請求項2に係る発明に従属する発明であって、載置部は、デッキ部の上面に間隔を隔てて平行に配列され、その上面が平坦面に形成された複数のロッド体を含み、複数のロッド体の平坦面上に物品が載置可能となることを特徴とする、搬送パレットである。
請求項4に係る本発明は、請求項2または請求項3に係る発明に従属する発明であって、パレット本体は、デッキ部および/またはプレート体に配設され、当該パレット本体の持ち運びに供する把持部を含むことを特徴とする、搬送パレットである。
請求項5に係る本発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に係る搬送パレットの使用方法であって、搬送パレットを準備する工程と、搬送パレットの載置部の上に物品を載置する工程と、物品が載置された搬送パレットを、平面視で見て、ローラコンベアのローラの軸線に対して直交するように、搬送パレットの前端部を搬送パレットの搬送方向に向けて、ローラコンベア上に載置する工程と、物品が載置された搬送パレットをローラコンベアのローラにより所定の搬送方向に移動させる工程とを含み、物品が載置された搬送パレットは、プレート体のn個の頂点部のうちの少なくとも1つの頂点部と対向するパレット本体の辺部が、搬送パレットの搬送方向に向くように、ローラコンベア上に載置されることを特徴とする、搬送パレットの使用方法である。
本発明に係る搬送パレットでは、特に、プレート体のn角形(n≧3)の頂点部のうちの少なくとも1つが、パレット本体の4つの辺部のうちの少なくとも1つの辺部に対向しているので、この頂点部と、当該頂点部と隣り合う他の頂点部とを結ぶ線分(辺部)は、搬送パレットの搬送方向で見て、ローラコンベアの各ローラの軸線と平面視で交差するようにして、ローラコンベア上を搬送方向に向って移動させる(例えば、図9を参照。)ことが可能となっている。すなわち、搬送パレットの底面は、ローラコンベアの各ローラの外周面(側面)と点接触しながら搬送方向に向って移動していく。この場合、搬送パレットの搬送方向で見て、特に、搬送パレットの前端部は、あるローラから次のローラに移動するとき、常に、ローラの外周面(側面)の1つの母線と点接触しながら搬送方向に向って移動していく。
一方、本発明に係る搬送パレットの使用方法では、特に、物品が載置された搬送パレットを、平面視で見て、ローラコンベアのローラの軸線に対して直交するように、搬送パレットの前端部を搬送パレットの搬送方向に向けて、ローラコンベア上に載置する工程において、プレート体のn個の頂点部のうちの少なくとも1つの頂点部と対向するパレット本体の辺部が、搬送パレットの搬送方向に向くように、ローラコンベア上に載置される。この場合、物品が載置された搬送パレットは、プレート体のn個の頂点部のうちの少なくとも1つの頂点部と対向するパレット本体の辺部が、搬送パレットの搬送方向に向くように、ローラコンベア上に載置される。
そのため、物品が載置された搬送パレットをローラコンベアのローラにより所定の搬送方向に移動させる工程では、搬送パレットの搬送方向に向くプレート体の頂点部と他の頂点部とを結ぶ線分が、ローラコンベアの各ローラの外周面(側面)の軸線に対して平面視交差するように各ローラ上を通過していく。すなわち、搬送パレットが、あるローラから次のローラに移動するとき、そのプレート体の前側は、常に、ローラの外周面(側面)の1つの母線と点接触しながら搬送方向に向って移動していく(例えば、図9を参照。)。
この場合、従来のパレットの接地構造では、たとえば図10(A),(B)で示したように、パレット1の下面(パレットの接地面側)がローラコンベア3の各ローラ5Rの外周面(側面)に線接触しながら、当該パレット1の搬送方向に移動していくのに対して、本発明に係る搬送パレットおよびその使用方法によれば、たとえば図9(A),(B)に示すように、当該搬送パレット10下面(当接面側)がローラコンベア3の各ローラ5Rの外周面(側面)に点接触しながら、当該搬送パレット10の搬送方向に移動していく
上記した構成を有する本発明に係る搬送パレットおよびその使用方法では、従来のパレットのように、パレットの下面と各ローラとの線接触による摩擦抵抗を受ける場合に比べて、搬送パレットの下面と各ローラとが点接触となるため、搬送パレットと各ローラとの摩擦抵抗を少なくすることができる。
それゆえ、本発明に係る搬送パレットおよびその使用方法では、搬送パレットがローラコンベア上をスムーズに移動することが可能となり、従来のパレットのように、搬送効率が低下するなどの不具合を防止することができる。
本発明によれば、ローラコンベア上を搬送させる際の各ローラとの接触による摩擦抵抗を軽減し、搬送効率の低下を抑制することができる、搬送パレットおよびその使用方法が得られる。
本発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
本発明に係る搬送パレットの一例を示す平面図である。 図1の正面図である。 図1の底面図である。 図1の右側面図である。 図1のA−A拡大断面図である。 図6の(A)は、図3のB部拡大図であり、図6の(B)は、図3のB´部拡大図である。 図7の(A)は、図3のC部拡大図であり、図7の(B)は、図7の(A)のD−D断面図である。 図8の(A)は、図1〜図7に示す搬送パレットの変形例(図7のD−D断面図の変形例)を示す要部断面図であり、図8の(B)は、他の変形例(図7のD−D断面図の他の変形例)を示す要部断面図である。 図9の(A)は、図1〜図8に例示される搬送パレットの使用状態の一例を示すと共に、その作用・効果の例を示す要部平面図であり、図9の(B)は、その要部正面図である。 図10の(A)は、従来の搬送パレットの使用状態の一例を示すと共に、その問題点を示す要部平面図であり、図10の(B)は、その要部正面図である。 本発明に係る搬送パレットの他の例を示す平面図である。 図11の正面図である。 図11の底面図である。 図1の右側面図である。 図11のF−F拡大断面図である。 図16の(A)は、図11のG部拡大図であり、図16の(B)は、図16の(A)のI−I断面図である。 図17の(A)は、図13のH部拡大図であり、図17の(B)は、図13のH´部拡大図である。 本発明に係る搬送パレットのさらに他の例を示す平面図である。 図18の正面図である。 図18の底面図である。 図18の右側面図である。 図18のJ−J拡大断面図である。 図23の(A)は、図18のK部拡大図であり、図23の(B)は、図23の(A)のM−M断面図である。 図24の(A)は、図20のL部拡大図であり、図24の(B)は、図20のL´部拡大図である。
この発明を実施するための形態の例では、例えば、枚葉オフセット印刷機等の印刷機に付設され、枚葉形の用紙を1枚ずつ印刷装置に自動供給するフィーダー(給紙装置)の昇降パイルに、ローラコンベアによって搬入される多数枚の枚葉形の用紙が積載されたパレットとして用いられて好適な搬送パレット10の一例について、以下、説明する。
図1は、本発明に係る搬送パレットの一例を示す平面図であり、図2は、図1の正面図であり、図3は図1の底面図であり、図4は図1の右側面図であり、図5は、図1のA−A拡大断面図であり、図6は図3のB部拡大図であり、図7の(A)は、図3のC部拡大図であり、図7の(B)は、図7の(A)のD−D断面図である。
この搬送パレット10は、その上面に物品を載置した状態でコンベアローラ上に配置され、所定の搬送方向に向けて、当該コンベアローラ上を移動させる搬送パレットであって、パレット本体12を含む。パレット本体12は、たとえば平面視が矩形状で、且つ、その上面が平坦面15に形成されるデッキ部14を含む。デッキ部14は、当該デッキ部14の下面に配設される支持部16によって支持されている。支持部16は、デッキ部14と略同形で、且つ、デッキ部14よりも僅かに小さい大きさに形成され、その厚みは、デッキ部14の厚みよりも2倍ほど厚く形成されている。
なお、この実施形態の搬送パレット10では、例えば、デッキ部14の長手方向の長さが1160mm、幅方向の長さが850mm、厚み方向の長さが14mmに形成され、支持部16の長手方向の長さが1140mm、幅方向の長さが830mm、厚み方向の長さが30mmに形成されている。
デッキ部14および支持部16は、それぞれ、ポリプロピレン樹脂(PP)等のたとえば熱可塑性樹脂による繊維強化ハニカム構造体で形成されている。また、デッキ部14と支持部16は、図5に示すように、例えば、その4つの辺部の周縁端側が、ポリプロピレン樹脂(PP)の溶接棒を用いて、ホットジェット溶接等のプラスチック溶接で固着された溶接部18によって、接続されている。なお、図1〜図7に示す実施形態に係る搬送パレット10では、デッキ部14および支持部16が、例えば、TECCELL(登録商標)で知られているポリプロピレン樹脂(PP)によるハニカムコア材で形成されている。また、デッキ部14および支持部16は、それぞれ、平面視が方形状に形成されてもよい。
デッキ部14の平坦面15の上には、図1,図2,図4および図5に示すように、たとえばポリプロピレン樹脂(PP)で形成された複数のロッド体20が間隔を隔てて配設されている。複数のロッド体20,・・・,20は、それぞれ、同形同大に形成され、たとえばデッキ部14の長手方向に等間隔に間隔を隔てて、且つ、当該デッキ部14の幅方向の一端から他端に亘って、延設されている。複数のロッド体20,・・・,20は、それぞれ、たとえば断面矩形で棒状に形成され、その上面が平坦面に形成されている。複数のロッド体20,・・・,20は、それぞれ、その下面がたとえば両面接着テープ22によって、デッキ部14の平坦面15の上に固着されている。なお、図1〜図7に示す実施形態に係る搬送パレット10では、たとえば16個のロッド体20がデッキ部14の上面に配設されている。
複数のロッド体20,・・・,20は、それぞれ、同形同大に形成されているので、デッキ部14の平坦面15の上に、図1に示すように配列された場合、複数のロッド体20,・・・,20の上面は、図2に示すように、水平な同一平面上に位置するものとなっている。この場合、複数のロッド体20,・・・,20の平坦面15は、その上面に物品を載置・積載可能となる載置部としての機能を有している。
一方、支持部16の下面には、たとえば平面視八角形状のプレート体24が配設されている。このプレート体24は、特に、図3に示すように、プレート体24の8個の頂点部(Vertex)24V,・・・,24Vと、8個の頂点部24V間を結ぶ8個の線分(Segment)24S,・・・,24Sと、を有する。8個の頂点部24Vのうちの少なくとも1つの頂点部24Vは、特に、図3に示すように、パレット本体124つの辺部12a,12b,12c,12dのうちの少なくとも1つの辺部12aと対向するように配設されている。さらに、パレット本体12の4つの辺部12a〜12dのうちの少なくとも1つの辺部12aと対向する頂点部24Vは、当該辺部12aの長さ方向の中央部と対向するように配設されている。
すなわち、8個の頂点部24Vのうちの少なくとも1つの頂点部24Vは、デッキ部14の4つの辺部14a,14b,14c,14dのうちの少なくとも1つの辺部14aと対向するように配設されていると共に、支持部16の4つの辺部16a,16b,16c,16dのうちの少なくとも1つの辺部16aと対向するように配設されている。さらに、前記したデッキ部14の1つの辺部14aおよび支持部16の1つの辺部16aと対向する頂点部24Vは、それぞれ、当該辺部14aおよび当該辺部16aの長さ方向の中央部と対向するように、且つ、当該中央部の近傍に位置するように、配設されている。そして、このプレート体24は、その全体が支持部16の外周端縁から外方に出ないように、当該支持部16の外周端縁よりも内側に配設されている。
また、このプレート体24は、平面視形状が八角形に限定されるものではなく、n角形(n≧3)状に形成されていればよい。より好ましくは、四角形、ひし形、五角形、六角形、八角形、十二角形、十六角形などの多角形状に形成されているとよい。プレート体24が方形状の場合、好ましくは、正方形、正五角形、正六角形、正八角形、正十二角形、正十六角形などの正多角形に形成されるとよく、さらに好ましくは、正六角形および正八角形に形成されるとよい。
このプレート体24は、図5に示すように、たとえば両面接着テープ26によって、支持部16の下面に固着されている。この場合、また、プレート体24は、難燃性、耐久性、耐油・耐薬品性当の化学的安定性、機械的安定性に優れ、加工・成形性の良さなどの観点から、特に、たとえば塩化ビニル樹脂で形成されている。このプレート体24は、例えば、その長手方向の長さが1130mm〜1135mmに形成され、その幅方向の長さが820mm〜825mmに形成され、その厚み方向の長さが、たとえば2〜5mmに形成されている。
さらに、この搬送パレット10では、図3に示すように、支持部16の略中央に、当該搬送パレット10の持ち運びに供する把持部28が配設されている。把持部28は、特に、図7(A),(B)に示すように、把持部材30を含む。把持部材30は、たとえば平面視長円状の把持部材本体32を含む。把持部材本体32は、ウレタンフォーム等のプラスチック材料で形成されている。また、把持部材本体32は、その長軸方向に間隔を隔てて、たとえば4つの平面視長円状の指挿入部34を有している。4つの指挿入部34は、それぞれ、把持部材本体32の一方主面から他方主面に貫通する貫通孔を設けることにより形成されている。4つの指挿入部34には、手の示指(じし),中指(ちゅうし),薬指(やくし),小指(しょうし)を挿入することができる。
把持部材本体32を支持部16に取付ける取付け構造としては、図3および図7(A),(B)に示すように、支持部16の略中央に、把持部材嵌合部として、たとえば把持部材本体32の外形よりも僅かに大きい挿通穴部36が設けられ、この挿通穴部36に把持部材本体32が嵌合される。この場合、把持部材本体32は、その底面がたとえば両面接着テープ38によって、デッキ部14の下面に固着される。
また、把持部材本体32を支持部16に取付ける取付け構造としては、図7の(B)に示す取付け構造以外にも、たとえば図8の(A)に示すように、把持部材本体32の外周面をたとえば両面接着テープ38によって、支持部16に設けた挿通穴部36の内周面に固着するようにしてもよい。
さらに、把持部材本体32を支持部16に取付ける取付け構造としては、図7の(B)に示す取付け構造と図8の(A)に示す取付け構造を組み合わせた取付け構造として、たとえば図8の(B)に示すように、把持部材本体32の底面をデッキ部14の下面に、且つ、把持部材本体32の外周面を挿通穴部36の内周面に、それぞれ、両面接着テープ38によって固着するようにしてもよい。
図11は、本発明に係る搬送パレットの他の例を示す平面図であり、図12は図11の正面図であり、図13は図11の底面図であり、図14は図1の右側面図であり、図15は、図11のF−F拡大断面図である。図16の(A)は、図11のG部拡大図であり、図16の(B)は、図16の(A)のI−I断面図である。図17の(A)は、図13のH部拡大図であり、図17の(B)は、図13のH´部拡大図である。
この発明の実施形態は、図1〜図7で示された発明の実施形態と比べて、特に、デッキ部14の上面にロッド体20が配設されていない点、把持部28がデッキ部14に配設されている点、および、把持部28に把持部材本体32が具備されていない点で、相違している。
すなわち、図11〜図17に示す搬送パレット10では、デッキ部14の上面が平坦面15に形成され、複数のロッド体20による凹凸が形成されていない。また、把持部28は、単に、デッキ部14の中央部に設けられた挿通穴部36だけにより構成されている。
図18は、本発明に係る搬送パレットのさらに他の例を示す平面図であり、図19は、図18の正面図であり、図20は図18の底面図であり、図21は図18の右側面図であり、図22は、図18のJ−J拡大断面図である。また、図23の(A)は、図18のK部拡大図であり、図23の(B)は、図23の(A)のM−M断面図である。図24の(A)は、図20のL部拡大図であり、図24の(B)は、図20のL´部拡大図である。
この発明の実施形態は、図1〜図7で示された発明の実施形態と比べて、特に、把持部28がデッキ部14に配設されている点、および、把持部28に把持部材本体32が具備されていない点で、相違している。
すなわち、図18〜図24に示す搬送パレット10では、デッキ部14の中央部に、把持部28を設けるための回避エリア40を有している。当該回避エリア40の区域では、図18に示すように、デッキ部14の中央部に位置するたとえば2本のロッド体20の長手方向の中央部が欠如された構成となっている。そして、把持部28は、この回避エリア40の略中央に配設されている。把持部28は、図11〜図17に示す搬送パレット10と同様に、デッキ部14の中央部に設けられた挿通穴部36により構成されている。
上記した各実施形態に係る搬送パレット10において、デッキ部14は、物品が載置・積載される載置部としての機能を有する部位である。また、支持部16は、コンベアローラ3の各ローラ5Rの外周面に当接する当接部としての機能を有し、当該搬送パレット10の接地面ともなる部位である。
なお、上述した各実施形態に係る搬送パレット10では、デッキ部14とロッド体20との固着手段、支持部16とプレート体24との固着手段、支持部16と把持部材30の把持部材本体32との固着手段は、それぞれ、両面接着テープで形成されたが、それに限定されるものではなく、たとえば接着剤であってもよい。
次に、上記した各実施形態に係る搬送パレット10の使用方法の一例について、特に、たとえば図9(A),(B)を参照しながら、以下に説明する。
以下に示す搬送パレット10の使用方法では、例えば、枚葉オフセット印刷機等の枚葉式の印刷機のフィーダーに対して用紙の積み替えを自動的に行う印刷機の給紙部に、枚葉形の用紙が積載されたパレットがローラコンベア等の搬送コンベアで搬送される。
枚葉オフセット印刷機等の印刷機に付設され、枚葉形の用紙を1枚ずつ印刷装置に自動供給するフィーダー(給紙装置)の昇降パイルに、ローラコンベアによって搬入されるパレットとして用いられて好適な搬送パレット10の使用方法の一例について、以下、説明する。
先ず、上記した各実施形態に係る搬送パレット10が準備される(搬送パレット準備工程)。また、この搬送パレット10のデッキ部14の上には、多数枚の枚葉形の用紙等の物品(図示せず)が載置・積載され(物品の載置・積載工程)。
次に、物品が載置された搬送パレット10は、図9の(A)に示すように、平面視で見て、ローラコンベア3のローラ5Rの母線7gに対して直交するように、当該搬送パレット10の前端部10Aをこの搬送パレット10の搬送方向に向けて、ローラコンベア3上に載置される。この場合、物品が積載された搬送パレット10は、プレート体24のn個の頂点部24Vのうちの少なくとも1つの頂点部24Vと対向するパレット本体12の辺部12aが、当該搬送パレット10の搬送方向に向くように、ローラコンベア3上に載置される。
それから、当該搬送パレット10は、ローラコンベア3のローラ5R上を所定の搬送方向に移動される。
このとき、搬送パレット10は、特に、図3に示すように、プレート体24の頂点部24Vのうちの少なくとも1つが、パレット本体12の4つの辺部12a〜12dのうちの少なくとも1つの辺部12aに対向しているので、この頂点部24Vと、当該頂点部24Vと隣り合う他の頂点部24Vとを結ぶ線分24Sは、図9の(A)に示すように、搬送パレット10の搬送方向で見て、ローラコンベア3の各ローラ5Rの軸線方向adと平面視で交差するようにして、ローラコンベア3上を搬送方向に向って移動する。
この場合、物品が載置された搬送パレット10は、当該搬送パレット10の搬送方向に向くプレート体24の頂点部24Vと他の頂点部24Vとを結ぶ線分24Sが、ローラコンベア3の各ローラ5Rの外周面(側面)の母線7gに対して平面視交差するように各ローラ5R上を通過していく。
すなわち、支持プレート24の底面は、図9(A),(B)に示すように、搬送パレット10の搬送方向で見て、搬送パレット10の前端部10Aは、あるローラ5Rから次のローラ5Rに移動するとき、常に、ローラ5Rの外周面(側面)の1つの母線7gと点接触しながら搬送方向に向って移動していく(点接触部PC参照。)。
一方、従来のパレット1の接地構造では、たとえば図10(A),(B)で示したように、パレット1の下面(パレットの接地面側)がローラコンベア3の各ローラ5Rの外周面(側面)に線接触しながら、当該パレット1の搬送方向に移動していく。
それに対して、上記した各実施形態に係る搬送パレット10およびその使用方法によれば、たとえば図9(A),(B)に示すように、当該搬送パレット10の下面、この場合、プレート体24の下面(当接面側)がローラコンベア3の各ローラ5Rの外周面(側面)に点接触しながら、当該搬送パレット10の搬送方向に移動していく(点接触部PC参照。)。したがって、上記した各実施形態に係る搬送パレット10およびその使用方法では、従来のパレット1のように、パレット1の下面と各ローラ5Rとの線接触による摩擦抵抗を受ける場合に比べて、搬送パレット10の下面と各ローラ5Rとが点接触となるため、搬送パレット10と各ローラ5Rとの摩擦抵抗を少なくすることができる。
それゆえ、上記した各実施形態に係る搬送パレット10およびその使用方法では、当該搬送パレット10がローラコンベア3上をスムーズに移動することが可能となり、従来のパレット1のように、搬送効率が低下するなどの不具合を防止することができる。
上記した各実施形態に係る搬送パレット10では、パレット本体12がデッキ部14および支持部16を含み、デッキ部14の上側に載置部が形成され、且つ、支持部16の下面にプレート体24(当接部)が形成される構成としているが、それに限定されるものではなく、例えは、パレット本体12が1つのデッキ部を含み、当該1つのデッキ部の上面に載置が形成され、且つ、当該デッキ部の下面にプレート体(当接部)が形成される構成としてもよい。
本発明に係る搬送パレットは、例えば、枚葉オフセット印刷機等の印刷機に付設され、枚葉形の用紙を1枚ずつ印刷装置に自動供給するフィーダー(給紙装置)の昇降パイルに、ローラコンベアによって搬入され、多数枚の枚葉形の用紙が積載されたパレットに用いられて好適なものである。
10 搬送パレット
12 パレット本体
12a,12b,12c,12d パレット本体の4つの辺部
14 デッキ部
14a,14b,14c,14d デッキ部の4つの辺部
15 平坦面
16 支持部
16a,16b,16c,16d 支持部の4つの辺部
18 溶接部
20 ロッド体(載置部)
22 両面接着テープ(ロッド体用)
24 プレート体(当接部)
24V プレート体の頂点部(Vertex)
24S プレート体の頂点部24Vと他の頂点部24Vとを結ぶ線分(Segment)
26 他の両面接着テープ(プレート体用)
28 把持部
30 把持部材
32 把持部材本体
34 指挿入部
36 挿通穴部(把持部材取付け嵌合部)
38 さらに他の両面接着テープ(把持部材用)
40 回避エリア
PC 点接触部(Point-Contact)
1 従来のパレット
1A 従来のパレットの前端部
1BP 従来のパレットの底面(Basal-Plane)
3 ローラコンベア
R ローラ(Roller)
C ローラの中心軸
7 ローラの側面(外周面)
g ローラの側面の1つの母線(generatrix)
d ローラの軸線方向(axial direction)

Claims (5)

  1. その上面に物品を載置した状態でコンベアローラ上に配置され、所定の搬送方向に向けて前記コンベアローラ上を移動させる搬送パレットであって、
    その一方主面側に配置されて、物品が載置可能となる載置部と、
    その他方主面側に配置されて、前記コンベアローラのローラの外周面に当接する当接部と、
    を有する平面視が方形状または矩形状のパレット本体を含み、
    前記当接部は、n角形(n≧3)状のプレート体を含み、
    前記プレート体のn個の頂点部のうちの少なくとも1つの頂点部は、前記パレット本体の4つの辺部のうちの少なくとも1つの辺部と対向するように配設されていることを特徴とする、搬送パレット。
  2. 前記パレット本体は、
    平面視が方形状または矩形状で、且つ、その上面が平坦面に形成されるデッキ部、および
    平面視が方形状または矩形状で、前記デッキ部の下側に配設されて前記デッキ部を支持する支持部を含み、
    前記載置部は、前記デッキ部の上面に形成され、前記プレート体は、前記支持部の下面に配設されていることを特徴とする、請求項1に記載の搬送パレット。
  3. 前記載置部は、前記デッキ部の上面に間隔を隔てて平行に配列され、その上面が平坦面に形成された複数のロッド体を含み、
    前記複数のロッド体の平坦面上に前記物品が載置可能となることを特徴とする、請求項2に記載の搬送パレット。
  4. 前記パレット本体は、前記デッキ部および/または前記プレート体に配設され、当該パレット本体の持ち運びに供する把持部を含むことを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の搬送パレット。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の搬送パレットの使用方法であって、
    当該搬送パレットを準備する工程、
    当該搬送パレットの載置部の上に物品を載置する工程、
    前記物品が載置された当該搬送パレットを、平面視で見て、前記ローラコンベアのローラの軸線に対して直交するように、当該搬送パレットの前端部を当該搬送パレットの搬送方向に向けて、前記ローラコンベア上に載置する工程、および
    前記物品が載置された搬送パレットを前記ローラコンベアのローラにより所定の搬送方向に移動させる工程を含み、
    前記物品が載置された前記搬送パレットは、前記プレート体のn個の頂点部のうちの少なくとも1つの頂点部と対向する前記パレット本体の辺部が、前記搬送パレットの搬送方向に向くように、前記ローラコンベア上に載置されることを特徴とする、搬送パレットの使用方法。
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