JP2014227217A - シートパレット - Google Patents

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幸弘 平田
Yukihiro Hirata
幸弘 平田
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Abstract

【課題】後加工を施すことなく滑りとめ効果を備え、かつ機械的強度を増したシートパレットを提供する。
【解決手段】シートパレット10は、熱可塑性樹脂を用いて形成され一方向に延伸された、表面の平滑度が低い横一軸配向網状フィルム22と、表面の平滑度が横一軸配向網状フィルム22に比べて相対的に高い縦一軸配向網状フィルム21と、を経緯積層した割繊維不織布2と、縦一軸配向網状フィルム21と接合されたシート状の基材1と、を備えたことを特徴する。
【選択図】図2

Description

本発明は、シートパレットに関する。例えば、基礎材の強度を強化したシートパレットに関する。
貨物の流通分野において、従来の木製パレットやプラスチツク製パレットなどの代りに、軽便なシートパレットを利用する流通システムが急速に普及している。シートパレットは、保管のためのスペースが節約できること、安価であること、場合によっては回収を省略できること(ワンウェイ輸送が可能であること)、および、作業能率を向上し得ることなど多くの利点を有している。シートパレットは、紙、プラスチツクなどの材質を用いて製作され、その構造や形状に特徴を持たせた種々のものが提案されている。
また、シートパレットには、機械的強度が要求される。例えば、紙製のシートパレット等は、かかる機械的強度の点で難点があり、かかる機械的強度の向上が求められる。しかし、機械的強度不足を補うために、単に、厚さ等を厚くするのでは重量が重くなってしまうといった問題があった。そのため、例えば、紙に熱可塑性樹脂延伸体を張り合わせた強化紙を2層以上積層させ、下面がかかる熱可塑性樹脂延伸体になるように形成されたシートパレット等が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、シートパレットは、貨物を載せて移動させる際、貨物がシートパレットから滑り落ちることを防止することが求められる。そのため、従来、実質的にシートパレットを形成した後の後加工において、滑りとめ加工を施す等の作業が行われてきた。例えば、エチレン・α−オレフィン共重合体のシートパレットの上面にサンドブラスト加工、或いはコロナ放電加工等により粗面を形成すること等が行われていた(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、実質的にシートパレットを形成した後に、さらに後加工の滑りとめ加工を施すのでは、工程数が増え煩雑である。
公開実用昭和63−149823号公報 特公平5−88726号公報
そこで、本発明は、上述した問題点を克服し、後加工を施すことなく滑りとめ効果を備え、かつ機械的強度を増したシートパレットを提供することを目的とする。
本発明の一態様のシートパレットは、
熱可塑性樹脂を用いて形成され一方向に延伸された、表面の平滑度が低い第1の延伸体と、表面の平滑度が第1の延伸体に比べて相対的に高い第2の延伸体と、を経緯積層した強化材層と、
第2の延伸体と接合されたシート状の基材と、
を備えたことを特徴する。
かかる構成により、シート状の基材の強度を高めることができる。同時に、表面の平滑度が低い第1の延伸体がシートパレットの上面に配置される。そのため、貨物を第1の延伸体上に載置した際、かかる平滑度が低い表面により貨物がシートパレットから滑り落ちることを防止できる。
また、第1の延伸体を構成する要素部材間には隙間が形成され、第2の延伸体を構成する要素部材間には隙間が形成され、
第1の延伸体の開口率は、第2の延伸体の開口率よりも大きいように構成すると好適である。
また、シートパレット上に貨物を載せた状態で、貨物の接触面が第1の延伸体に食い込むように第1の延伸体の開口率が設定されると好適である。
また、強化材層は、
(1)一軸延伸網状フィルムを延伸方向が直交するように積層してなる不織布と、
(2)一軸延伸テープまたは延伸ヤーンを延伸方向が直交するように織成してなる織布と、
(3)一軸延伸テープまたは延伸ヤーンを延伸方向が直交するように積層してなる不織布と、および
(4)一軸延伸網状フィルムと一軸延伸テープまたは延伸ヤーンとを延伸方向が直交するように積層した積層体と、
のうちのいずれかであるように構成すると好適である。
また、第1の延伸体を構成する要素部材の外周面は曲面部を有するように構成すると好適である。
本発明の一態様によれば、後加工を施すことなく滑りとめ効果を備え、かつ機械的強度を高めることができる。
実施の形態1におけるシートパレットの使用例を示す斜視図である。 実施の形態1におけるシートパレットの構成を示す断面図である。 実施の形態1における割繊維不織布の一例の平面図である。 実施の形態1における割繊維不織布の一例の断面図である。 実施の形態1における縦方向に一軸配向しスプリット(割繊)した一軸延伸繊維フィルムの一例の斜視図である。 実施の形態1における横方向にスリット処理し一軸配向した一軸延伸繊維フィルムの一例の斜視図である。 実施の形態1におけるスプリット処理を行った多層フィルムの一例を示す図である。 実施の形態1における縦一軸配向網状フィルムと横一軸配向網状フィルムを積層した割繊維不織布の製造方法を示す概略図である。 実施の形態1におけるシートパレット上に貨物を載置した状態での断面拡大図である。 実施の形態1における網状構造の強化材層の他の一例を示す図である。 実施の形態1における網状構造の強化材層の他の一例を示す図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるシートパレットの使用例を示す斜視図である。図1において、シートパレット10を使用する際、シートパレット10上に貨物100を載置する。そして、シートパレット10の端部には、例えば、タブと呼ばれる角度を持って折れ曲がった部分を形成し、かかる部分を引っ張ることによりシートパレット10ごと貨物100を移動させる。
図2は、実施の形態1におけるシートパレットの構成を示す断面図である。図2(a)と図2(b)は、シートパレットのシート面を水平方向(シート面と平行な方向)に互いに相対的に90度ずらした方向(x,y方向)における断面を示している。図2では、シートパレット10の厚さ方向を垂直方向(z方向)として示している。図2において、シートパレット10は、シート状の基材1と、割繊維不織布2(強化材層の一例)とを備えている。基材1上に割繊維不織布2が配置され、接合される。かかる接合は熱融着による。或いは接着材により接着されてもよい。
基材1は、材料として、紙、プラスチックフィルム、ファイバーボード等を用いると好適である。
割繊維不織布2としては、例えば、クラフ(登録商標:JX日鉱日石エネルギー株式会社)を用いることができる。割繊維不織布2は、熱可塑性樹脂を用いて形成され一方向に延伸された、2枚の一軸延伸繊維フィルムを経緯積層(延伸方向を直交させた方向に積層)したものを用いると好適である。割繊維不織布2は、2枚の一軸延伸繊維フィルムの一方となる、例えば、縦一軸配向網状フィルム21(第2の延伸体の一例)と、他方となる、例えば、横一軸配向網状フィルム22(第1の延伸体の一例)とが経緯積層されることによって構成される。
図2(a)に示すように、上面側に配置される横一軸配向網状フィルム22は、網状構造を形成する要素部材(第1の延伸体を構成する要素部材)となる繊維の断面が、製造上、円に近づくように丸みをおび、曲線或いは少なくとも一部曲線に形成される。言い換えれば、かかる繊維の外周面は少なくとも一部が曲面に形成される。特に、繊維の矩形断面の4つの角が後述するように製造過程上で最終的に円弧状(R形状)に変形して形成される。横一軸配向網状フィルム22は、例えば、繊維幅L1及び繊維間の隙間S1(開口部)によるピッチP1で配列される。但し、これに限るものではなく、各繊維の間隔はランダムであっても構わない。
一方、図2(b)に示すように、下層側(基材1側)に配置される縦一軸配向網状フィルム21は、網状構造を形成する要素部材(第2の延伸体を構成する要素部材)となる繊維の断面が、製造上、矩形に形成される。そのため、横一軸配向網状フィルム22の表面は、平滑度が縦一軸配向網状フィルム21に比べて相対的に低くなる。逆に、縦一軸配向網状フィルム21の表面は、平滑度が横一軸配向網状フィルム22に比べて相対的に高くなる。縦一軸配向網状フィルム21は、例えば、繊維幅L2及び繊維間の隙間S2(開口部)によるピッチP2で配列される。但し、これに限るものではなく、各繊維の間隔はランダムであっても構わない。
完成後のシートパレット10では、基材1が縦一軸配向網状フィルム21に接合される。よって、表面の平滑度が低い横一軸配向網状フィルム22がシートパレット10の最上面に配置される。そのため、貨物を横一軸配向網状フィルム22上に載置した際、かかる平滑度が低い表面により滑り止め効果が高まり、貨物がシートパレットから滑り落ちることを防止できる。一方、基材1は、平滑度が相対的に高い縦一軸配向網状フィルム21の表面と接合されるので、より強固に(しっかりと)接合させることができる。また、凹凸の無い或いは少ない平滑度の高い基材1表面(裏面)をシートパレット10の底面にすることで、滑り易くできる。よって、貨物100を載置した状態でのシートパレット10の移動を容易にすることができる。
図3は、実施の形態1における割繊維不織布の一例の平面図である。図4は、実施の形態1における割繊維不織布の一例の断面図である。割繊維不織布2は、図3及び図4に示すように、2枚の一軸延伸繊維フィルム(例えば、縦一軸配向網状フィルム21と横一軸配向網状フィルム22)を経緯積層(延伸方向を直交させた方向に積層)したものである。
図5は、実施の形態1における縦方向に一軸配向しスプリット(割繊)した一軸延伸繊維フィルムの一例の斜視図である。図5において、縦一軸配向網状フィルム21は、熱可塑性樹脂層12の両面に、特定のエチレン・α−オレフィン共重合体を含む接着層13が積層された多層フィルムに構成されており、かかる多層フィルムについて、フィルムの長さ方向に一軸配向した後にスプリット(割繊)されたもので、幹繊維14と枝繊維15から構成される。
図6は、実施の形態1における横方向にスリット処理し一軸配向した一軸延伸繊維フィルムの一例の斜視図である。図6において、横一軸配向網状フィルム22は、熱可塑性樹脂層12の両面に、特定のエチレン・α−オレフィン共重合体を含む接着層13が積層された多層フィルムに構成されており、かかる多層フィルムについて、フィルムの長さ方向に対して直角(横方向)にスリット処理した後、同方向に一軸配向されたもので、各繊維によって構成される。
図5に示した縦一軸配向網状フィルムの製造方法について説明する。縦一軸配向網状フィルム21は、主として(1)多層フィルムの製膜工程、(2)多層フィルムの配向工程、(3)配向多層フィルムを配向軸と平行にスプリットするスプリット工程および(4)スプリットしたフィルムを巻取る巻取工程等を経て製造される。
(1)多層フィルムの製膜工程では、図示しない主押出機に高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等の高配向性の樹脂層に用いる熱可塑性樹脂を供給し、2台の副押出機に接着層樹脂として特定のエチレン・α−オレフィン共重合体またはその混合物を供給する。そして、主押出機から押出される熱可塑性樹脂を中心層(配向層)とし、2台の副押出機から押出される接着層樹脂を内層および外層として、インフレーション成形により多層フィルムを作製する。ここでは、例えば、3台の押出機を用いて多層環状ダイを通して下吹出し水冷インフレーションにより製膜する。但し、多層フィルムの製造方法としては、多層インフレーション法、或いは多層Tダイ法などを用いることができ、特に限定されるものではない。これらの成形法の中では、厚手のフィルムを急冷し、透明性を保持することができるなどの長所を有する点で、水冷インフレーション法が好ましい。
(2)配向工程では、上記製膜した環状多層フィルムを2枚のフィルムに切り裂き、赤外線ヒーター、熱風送入機等を備えたオーブン内を通過させ、所定温度に加熱しながら、初期寸法に対し配向倍率1.1〜15、好ましくは5〜12、さらに好ましくは6〜10でロール配向を行う。上記配向温度は、中心層の熱可塑性樹脂の融点以下であり、通常20〜160℃、好ましくは60〜150℃、さらに好ましくは90〜140℃の範囲であり、多段で行うことが好ましい。
(3)スプリット(割繊)工程では、配向した多層フィルムを高速で回転するスプリッター(回転刃)に摺動接触させて、フィルムにスプリット処理(割繊化)を行う。
図7は、実施の形態1におけるスプリット処理を行った多層フィルムの一例を示す図である。図7に示すように、多層フィルム23に、多層フィルム23の長手方向(縦方向:図7では矢印L方向)に千鳥掛けに、スプリッターを用いて割繊(スプリット処理)を施して多数の平行なスリット30を形成する。スプリット処理の方法としては、上記のほか、多層一軸配向フィルムを叩打する方法、捻転する方法、摺動擦過(摩擦)する方法、ブラッシュする方法等の機械的方法、あるいはエアージェット法、超音波法、レーザー法等により無数の微細な切れ目を形成してもよい。これらの中でも特に回転式機械的方法が好ましい。このような回転式機械的方法としては、タップネジ式スプリッター、ヤスリ状粗面体スプリッター、針ロール状スプリッター等の各種形状のスプリッターが挙げられる。例えば、タップネジ式スプリッターとしては、通常、5角あるいは6角の角形であって、1インチあたり10〜40、好ましくは15〜35のネジ山を有するものが用いられる。ヤスリ状粗面体スプリッターは、円形断面軸の表面を鉄工用丸ヤスリ目またはこれに類似の粗面体に加工し、その面に2条の螺旋溝を等ピッチに付与したものである。
(4)巻取工程では、スプリット処理されたフィルムを巻取る。
図8は、実施の形態1における縦一軸配向網状フィルムと横一軸配向網状フィルムを積層した割繊維不織布の製造方法を示す概略図である。図8において、割繊維不織布の製造方法は、横一軸配向網状フィルムを製造するための主として(1)多層フィルムの製膜工程、(2)多層フィルムの長手方向に対して直角にスリット処理を行うスリット工程、(3)多層スリットフィルムの横一軸配向工程を示している。そして、さらに、(4)横一軸配向スリットフィルムに上述したように製造された縦一軸配向網状フィルム(以下、「縦ウエブ410」という)を重層して熱圧着する圧着工程を含むものである。
図8において、(1)多層フィルムの製膜工程では、主押出機311に樹脂層に用いる熱可塑性樹脂を供給し、副押出機312に接着層樹脂として特定のエチレン・α−オレフィン共重合体またはその混合物を供給する。そして、主押出機311から押出される熱可塑性樹脂を内層とし、副押出機312から押出される接着層樹脂を外層として、インフレーション成形により2層フィルムを作製する。ここでは、2台の押出機を用いて多層環状ダイ313を通して下吹出し水冷インフレーション314により製膜する場合の例を示す。多層フィルムの製造方法としては、上述したように、多層インフレーション法、多層Tダイ法などを用いることができ、特に限定されない。これらの成形法の中では、厚手のフィルムを急冷し、透明性等を保持することができるなどの長所を有する点で、水冷インフレーション法が好ましい。また、インフレーション成形したフィルムは、そのままロール間で、所望により微配向した後、押し潰すことにより接着層13/熱可塑性樹脂層12/接着層13の3層構造のシートが得られ、縦フィルム用の3台の押出機を2台に省略することができるため経済的効果が大きい。
(2)スリット工程では、横一軸配向網状フィルムを製造するために、上記製膜した環状多層フィルムをピンチして偏平化し、次いで圧延により微配向し、3層構造としたフィルムに、走行方向に対して直角に、千鳥掛けに横スリット315を入れる。上記スリット方法としては、カミソリ刃または高速回転刃のような鋭利な刃先で切り裂く方法、スコアーカッター、シアーカッター等でスリットを形成する方法などが挙げられるが、特に熱刃(ヒートカッター)によるスリット方法が最も好ましい。熱刃によるスリット方法は、前段で圧延により微配向されたフィルムの切口の縁を盛り上げる効果を有し、後続の横配向工程において配向の際に切口が裂けて伝播することを防止することができる。
(3)配向工程では、上記スリット処理を行ったフィルムに横配向316を施す。横配向方法としては、テンター法、プーリー法等が挙げられるが、装置が小型であり経済的であることからプーリー法が好ましい。
以上のようにして得られた横一軸配向網状フィルム(横ウェブ420)は、(4)熱圧着工程317に搬送される。このように、横ウェブ420は、多層フィルムの両耳部を除く部分に、横方向(幅方向)に、スリットを形成した後、横方向に延伸させて形成される。かかる横ウェブ420(スリットウェブ)は、横方向に比較的高い強度を有する。一方、上述した(4)巻取工程で巻き取られた縦ウェブ410を原反繰出しロールから繰出して、所定の供給速度で走行させて拡幅工程411に送り、拡幅機により数倍に拡幅し、必要により熱処理を行う。このように、縦ウェブ410では、縦方向(長さ方向)に延伸させた後、同方向に割繊(スプリット処理)して更に所定幅に拡幅させて形成される。かかる縦ウェブ410(スプリットウェブ)は、幅方向全体にわたって縦方向に比較的高い強度を有する。この縦ウェブ410を、上記の横ウェブ420に重層して熱圧着工程317に送り、ここで縦ウェブ410と横ウェブ420を配向軸が交差するように積層して熱圧着する。そして、目飛びなどの不良検査を経た後、巻取工程318に搬送して経緯積層不織布の製品とする。
以上により、縦一軸配向網状フィルム21と横一軸配向網状フィルム22の経緯積層による割繊維不織布2が製造される。
ここで、一軸配向網状フィルム21,22を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂およびその重合体を用いると好適である。その他、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリビニアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、アクリル樹脂等から成形されたフィルムであってもよい。また、第1の熱可塑性樹脂と第2の熱可塑性樹脂との融点の差は、製造上の理由から、5℃以上であることが必要であり、より好ましくは10〜50℃に設定されるとよい。
また、一軸配向網状フィルム21,22の延伸倍率(配向倍率)は、1.1〜15倍が好ましい。延伸倍率が1.1倍未満では、不織布としたときの機械的強度が十分でなくなる。一方、延伸倍率が15倍を超えると、通常の方法で延伸することが難しく、高価な装置を必要とするなどの問題が生ずる。
また、縦一軸配向網状フィルム21と横一軸配向網状フィルム22の経緯積層では、縦一軸配向網状フィルム21同士を経緯積層する場合に生じる継ぎ目を無くすことができる。すなわち、縦方向に延伸した縦ウェブ410と横方向に延伸した横ウェブ420とを積層することで、継ぎ目のない割繊維不織布とすることができる。
ここで、縦一軸配向網状フィルム21(縦ウェブ)では、上述したように、配向処理後(延伸後)の多層フィルムの長手方向(縦方向:図7では矢印L方向)に割繊(スプリット処理)する。その後、図8に示すように、拡幅工程411において、割繊されたスリットと直交する方向に拡幅される。縦ウェブ410は、かかる拡幅によって網状に広げられる。縦ウェブ410では、延伸後に割繊するので、図2(b)に示したように、繊維断面が矩形形状を維持することができる。よって、縦一軸配向網状フィルム21では、各繊維が断面を矩形に維持するので平滑性の高い上面を持った各繊維が配列される。
一方、横一軸配向網状フィルム22(横ウェブ)では、多層フィルムの長手方向と直交する方向にスリット処理された後、横配向(延伸)処理を行うので、スリット処理により形成された各繊維は、繊維の長手方向に引っ張られる。そのため、図2(a)に示したように、繊維断面が矩形形状から丸みを帯びて円形状に近づくように変形する。よって、横一軸配向網状フィルム22では、各繊維が、断面を円形形状(楕円形状を含む)に近づくように、少なくとも断面の4つの角が円弧状の形状に形成される。言い換えれば、横一軸配向網状フィルム22の網状構造を形成する繊維(要素部材)の外周面は曲面部を有する。よって、平滑性の低い曲面の上面を持った各繊維が配列される。よって、横一軸配向網状フィルム22の表面は、平滑性が低い面に形成できる。よって、縦一軸配向網状フィルム21の表面は、横一軸配向網状フィルム22に比べて平滑性が相対的に高い面に形成できる。逆に言えば、横一軸配向網状フィルム22の表面は、縦一軸配向網状フィルム21に比べて平滑性が相対的に低い面に形成できる。
以上のように一軸配向網状フィルム21,22を経緯積層したことにより、強度が高い割繊維不織布2を製造できる。また、剛性の高い(腰がつよい)割繊維不織布2を製造できる。よって、基材1の厚みを薄いまま(基礎材料の増量無しのまま)にしても、シートパレット10全体での強度を向上できる。また、シートパレット10全体での剛性を向上できる。また、割繊維不織布2は、フィルム厚を薄くできるので、実施の形態1におけるシートパレットでは、基材1を増量する場合よりも薄く形成できる。また、基材1を増量する場合よりも重量を軽くできる。
図9は、実施の形態1におけるシートパレット上に貨物を載置した状態での断面拡大図である。実施の形態1では、シートパレット10上に貨物100を載せた状態で、貨物100の接触面が横一軸配向網状フィルム22に食い込むように横一軸配向網状フィルム22の開口率が設定される。これにより、図9に示すように、シートパレット10上に貨物100を載せた状態で、貨物100の接触面を横一軸配向網状フィルム22に食い込ませる(A部)ことができる。言い換えれば、横一軸配向網状フィルム22の繊維間の隙間に貨物100の接触面を食い込ませることができる。これにより、貨物100を滑りにくくさせることができる。
なお、横一軸配向網状フィルム22(横ウェブ)では、上述したようにスリット処理により形成された繊維が繊維の長手方向に引っ張られ、円に近づくように変形するため各繊維間の隙間が広がる。よって、図2(a)に示す横一軸配向網状フィルム22の各繊維の配列ピッチP1と図2(b)に示す縦一軸配向網状フィルム21の各繊維の配列ピッチP2とを仮に同じサイズに設定した場合でも、横一軸配向網状フィルム22の各繊維間の隙間S1(開口部)を、縦一軸配向網状フィルム21の各繊維間の隙間S2(開口部)よりも大きくできる。なお、実施の形態1では、横一軸配向網状フィルム22の開口率は、縦一軸配向網状フィルム21の開口率よりも大きくするように構成すると好適である。これにより、シートパレット10表面では貨物100の食い込み量を増やして滑りにくくできる。同時に、縦一軸配向網状フィルム21と基材1との接合面積を増やすことができ、より強固に接合できる。
以上のように実施の形態1では、横一軸配向網状フィルム22と縦一軸配向網状フィルム21との立体構造の違いを利用することにより、後工程で滑りとめ加工を施すことなく、滑り止め効果を発揮させることができる。
以上のように実施の形態1によれば、後加工を施すことなく滑りとめ効果を備え、かつ機械的強度を高めることができる。
ここで、上述した例では、網状構造の強化材層の例として、一軸配向網状フィルム21,22を経緯積層した割繊維不織布2を用いたが、網状構造の強化材層の強化材は、これに限るものではない。
図10は、実施の形態1における網状構造の強化材層の他の一例を示す図である。図10において、少なくとも上面に曲面部を有する複数の一軸延伸多層テープ7を一定の間隔をあけて平行に並べる。そして、少なくとも下面が平面に形成された複数の一軸延伸多層テープ8を一定の間隔をあけて平行に並べる。そして、一軸延伸多層テープ7の長手方向と一軸延伸多層テープ8の長手方向が直交するように一軸延伸多層テープ7を上側にして2層に積層した不織布および織布なども用いることができる。かかる構成においても、上面が平坦なテープを用いる場合よりも、少なくともシートパレットの上面の平滑性を低くできる。よって、後工程での滑り止め加工を実施することなく、滑り止め効果を発揮できる。裏表の面で平滑度が異なる一軸延伸多層テープであれば、縦横に同じ一軸延伸多層テープを用いても構わない。
図11は、実施の形態1における網状構造の強化材層の他の一例を示す図である。図11に示すように、図10において説明した少なくとも上面が曲面に形成された一軸延伸多層テープ7を縦横に織成した不織布および織布等を用いてもよい。かかる構成においても、上面が平滑度の高いテープを用いる場合よりも、少なくともシートパレットの上面の平滑性を低くできる。よって、後工程での滑り止め加工を実施することなく、滑り止め効果を発揮できる。
以上のように、実施の形態1における網状構造の強化材層は、第1の熱可塑性樹脂からなる層の両面に、第1の熱可塑性樹脂よりも低い融点を有する第2の熱可塑性樹脂からなる層を積層した原フィルムから作られた、(1)一軸延伸網状フィルムを延伸方向が直交するように積層してなる不織布を用いることができる。或いは、(2)一軸延伸テープまたは延伸ヤーンを延伸方向が直交するように織成してなる織布を用いることができる。或いは、(3)一軸延伸テープまたは延伸ヤーンを延伸方向が直交するように積層してなる不織布を用いることができる。或いは、(4)一軸延伸網状フィルムと一軸延伸テープまたは延伸ヤーンとを延伸方向が直交するように積層した積層体を用いることができる。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのシートパレット、及びその製造方法は、本発明の範囲に包含される。
1 基材
2 割繊維不織布
7,8 一軸延伸多層テープ
10 シートパレット
12 熱可塑性樹脂層
13 接着層
14 幹繊維
15 枝繊維
21 縦一軸配向網状フィルム
22 横一軸配向網状フィルム
411 拡幅工程
311 主押出機
312 副押出機
313 多層環状ダイ
314 水冷インフレーション
315 横スリット
316 横配向
317 熱圧着工程
318 巻取工程
410 縦ウェブ
420 横ウェブ

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂を用いて形成され一方向に延伸された、表面の平滑度が低い第1の延伸体と、表面の平滑度が前記第1の延伸体に比べて相対的に高い第2の延伸体と、を経緯積層した強化材層と、
    前記第2の延伸体と接合されたシート状の基材と、
    を備えたことを特徴するシートパレット。
  2. 前記第1の延伸体を構成する要素部材間には隙間が形成され、前記第2の延伸体を構成する要素部材間には隙間が形成され、
    前記第1の延伸体の開口率は、前記第2の延伸体の開口率よりも大きいことを特徴する請求項1記載のシートパレット。
  3. 前記シートパレット上に貨物を載せた状態で、前記貨物の接触面が前記第1の延伸体に食い込むように前記第1の延伸体の開口率が設定されることを特徴する請求項1又は2記載のシートパレット。
  4. 前記強化材層は、
    (1)一軸延伸網状フィルムを延伸方向が直交するように積層してなる不織布と、
    (2)一軸延伸テープまたは延伸ヤーンを延伸方向が直交するように織成してなる織布と、
    (3)一軸延伸テープまたは延伸ヤーンを延伸方向が直交するように積層してなる不織布と、および
    (4)一軸延伸網状フィルムと一軸延伸テープまたは延伸ヤーンとを延伸方向が直交するように積層した積層体と、
    のうちのいずれかであることを特徴する請求項1〜3いずれか記載のシートパレット。
  5. 前記第1の延伸体を構成する要素部材の外周面は曲面部を有することを特徴する請求項1〜4いずれか記載のシートパレット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020059537A (ja) * 2018-10-11 2020-04-16 株式会社木田鉄工所 搬送パレットおよびその使用方法

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