JP2014189333A - シートパレット - Google Patents

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幸弘 平田
Kenichi Kobayashi
健一 小林
Takashi Tsuruta
孝 鶴田
Tomoyuki Okamura
智行 岡村
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Abstract

【課題】十分な通気性と材料強度を備えるシートパレット。
【解決手段】一方向に延伸された網状の縦ウェブ2と、一方向に延伸された網状の横ウェブ3と、を備えた強化網状樹脂層であって、前記縦ウェブ2および横ウェブ3は延伸方向が互いに直交且つ通気性を有するように積層熱溶着されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、物流輸送に用いられるシートパレットに関するものである。
従来、物流輸送の際に荷物を積載するパレットとして、近年の物流量の拡大化に伴い、積載効率や輸送効率を向上させて物流の効率化を図るため、樹脂製のシートパレットが使用されるようになってきた。シートパレットは、荷物が積載されるシート状部と、このシート状部の辺から一体に延びたタブ部とを有し、全体がプラスチックシートで形成されている。このようなシートパレットに積載された荷物をフォークリフトで扱うには、プッシュプルアタッチメントを備えたフォークリフトが用いられ、フォークリフトのプラテン上への荷物の積み下ろしは、タブ部をプッシュプルアタッチメントで把持し、プッシュプルアタッチメントをプラテン上で進退動作させることで行う。
プラスチック製のシートパレットは、それ自身の占有容積が非常に小さいことから、荷物を積載した状態での保管スペースを節約できるばかりでなく、予備のシートパレットの保管や、使用済みのシートパレットの回収において、保管スペースや輸送の容易性で大きなメリットが得られ急速に普及している。しかし、さらに軽量化を進めようとすると、機械的強度が低下し、繰り返し使用に耐え得ないという問題点があった。かかる問題点に対して、熱可塑性樹脂からなり一方向に延伸された複数の延伸体を延伸方向が互いに直交するように組み合わせた基材層と、この基材層の片面に設けられた、荷物の積載面を構成する少なくともl層の表面層と、基材層のもう一方の面に設けられた少なくともl層の裏面層とを含む積層シート体によって形成されるシートパレットが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、最近物流輸送の多様化が進展し、冷凍食品の輸送あるいは冷蔵船による青果物あるいは水産物の輸送などが増加しつつあり、このような輸送においてシートパレットを用いようとした場合、次のような問題点が発生する。すなわち、冷凍食品においてはたとえばそれを収納した段ボール箱全体が大気温度以下に冷却されるため、その運搬中においては段ボール箱の外周に付着した霜が溶けて水滴となってシートパレット上に溜まり、段ボール箱が滑りやすくなる危険性があった。また、冷蔵船内あるいは冷凍・冷風装置付のコンテナーにより青果物あるいは水産物を輸送する場合には、通気孔を有するカートンボックスなどに青果物を収納し、これをシートパレット上に積載した状態で、輸送又は保管することがある。このような冷蔵船内あるいは冷凍・冷風装置付のコンテナーにおいては積荷の冷蔵のために冷気が床面から天井に向かって常時循環しているが、積荷がシートパレット上に載置されている場合には、この冷気の循環が遮断されてしまい、十分な冷却ができないという問題も生ずる。
このような問題点を解決するために、シートパレットに多数の通気孔を形成して通気性を持たせたシートパレットも提案されている(例えば特許文献2、3参照)。
特開2005-231738号公報 特開平10-35666号公報 特開平11-255237号公報
しかしながら従来の通気性を有するシートパレットは、シートパレットを成形した後に、穴あけ加工などを施す必要があるため、成形コストも高くなることから普及は困難であった。特に、このような通気性を有するシートパレットにおいては、通気性を十分に持たせるために通気孔を大きくしたりその数を増やすとシートの強度が低下し、反対に強度を十分に持たせるために通気孔を小さくしたりその数を減らすと通気性が十分に得られないというように、通気性と強度の兼ね合いが困難であり、両者を満足させるシートパレットを安価に得ることはきわめて困難であった。
また、上記特許文献1記載のシートパレットは、専ら軽量で使用に耐えられ強度を実現することを目的としており、通気性についてはなんら考慮されていない。
従って、本発明はかかる従来のシートパレットの問題点を解決し、十分な通気性と材料強度を備えるとともに、安価に大量生産が可能なシートパレットを提供することを目的とするものである。
本発明のシートパレットは、荷物を載置する上面とその反対側の下面を有するシートパレットにおいて、熱可塑性樹脂からなり一方向に延伸された複数の網状体層を備え、これら網状体層は、少なくとも1の網状体層の延伸方向と他の少なくとも1の網状体層の延伸方向とが直交し且つ通気性を有するように一体化されていることを特徴とする。
このような構成によれば、複数の網状体層により構成しているため、穴あけ等の後加工なしに十分な通気性を得ることができ、しかも安価に大量生産が可能である。また、網状体層の延伸方向が直交しているため、十分な材料強度を得ることができる。
また、前記複数の網状体層は、原フィルムを縦方向に延伸した後、縦方向に割繊し、横方向に拡幅して網状にした縦ウェブと、原フィルムに横方向のスリットを形成した後横方向に延伸して網状にした横ウェブとの少なくとも一方を含んでいることが好ましい。これにより材料強度とともに通気性を容易に得ることができる。
また、前記下面に配置される網状体層は、縦ウェブであり、前記上面に配置される網状体層は、横ウェブであることが好ましい。これにより、縦ウェブと横ウェブの製法の相違により、縦ウェブは繊維表面が平坦になるが、横ウェブは繊維が丸みを帯びるため、シートパレットの上面は凹凸状に目が粗くなり荷物に食い込み易くなるので、荷物が滑り難くなる。下面は平滑になるので、プラテンとの摩擦が小さくなる。
すなわち、前記下面に配置される網状体層を構成する繊維は下面が略平坦状を呈し、前記上面に配置される網状体層を構成する繊維は上面が非平坦状を呈していることより、荷物に対しては滑り難くなり、プラテンに対しては滑り易くなる。
さらに、前記複数の網状体層は、それぞれ第1の熱可塑性樹脂からなる層の両面に第1の熱可塑性樹脂よりも低い融点を有する第2の熱可塑性樹脂からなる層を積層した層構成を有し、熱溶着により一体化されていることが好ましい。これにより、別途接着材を用いる必要がないので、製造が容易になる。
さらに、本発明のシートパレットにおいては、荷物を載置する上面とその反対側の下面を有するシートパレットにおいて、熱可塑性樹脂からなり一方向に延伸された複数の延伸体を延伸方向が直交し且つ網状に組合わせた基材層を少なくとも1以上備え、通気性を有するように一体化したことを特徴とする。
このような構成によれば、網状体層の代わりに複数の延伸体を網状に組合わせた基材層を用いるようにしても前記のような効果を得ることができる。
さらに、前記基材層は、第1の熱可塑性樹脂からなる層の両面に前記第1の熱可塑性樹脂よりも低い融点を有する第2の熱可塑性樹脂からなる層を積層した原フィルムから作られた、(1)一軸延伸網状フィルムを延伸方向が直交するように積層してなる不織布、(2)一軸延伸テープまたは延伸ヤーンを延伸方向が直交するように織成してなる織布、(3)一軸延伸テープまたは延伸ヤーンを延伸方向が直交するように積層してなる不織布、および(4)一軸延伸網状フィルムと一軸延伸テープまたは延伸ヤーンとを延伸方向が直交するように積層した積層体のいずれかであり、熱溶着により一体化されていることものでもよい。
本発明によれば、十分な通気性あるいは通水性と十分な材料強度を備えるシートパレットを提供するができる。
本発明の第1の実施形態に係るシートパレットの斜視図である。 図1に示すシートパレットの構造を示す部分断面図である。 図2に示す第1の一軸延伸網状フィルム(縦ウェブ)の部分斜視図である。 図3に示す第1の一軸延伸網状フィルム(縦ウェブ)の製造に用いられる原反フィルムに割繊処理を施した部分斜視図である。 図2に示す第2の一軸延伸網状フィルム(横ウェブ)の部分斜視図である。 図4に示す第2の一軸延伸網状フィルム(横ウェブ)の製造に用いられる原反フィルムにスリット処理を施した部分斜視図である。 図3に示す第1の一軸延伸網状フィルム(縦ウェブ)を構成する繊維の形状を説明するための拡大断面図である。 図5に示す第2の一軸延延伸フィルム(横ウェブ)を構成する繊維の形状を説明するための拡大断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るシートパレットの構造を示す部分断面図である。 図9に示すシートパレットの製造方法の一例を説明するための概略図である。 本発明の第3の実施形態に係るシートパレットの構造を示す部分断面図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図lは、本発明の第1の実施形態による通気性を有するシートパレットの斜視図である。図1に示すように、シートパレットlは、ほぼ正方形を呈し、中央が荷載置部1aとして機能し、この荷載置部1aの周囲がタブ部1bとして機能するようになっている。荷載置部1aは、その上面に段ボール、金属あるいは樹脂製のコンテナーに収納された輸送用荷物が積載される部分である。タブ部1bは、荷物が積載されたシートパレット1をフォークリフトで取り扱う際に、フォークリフトに装着されたプッシュプルアタッチメントによって把持される部分である。なお、荷載置部1aの一つの辺側のみをタブ部1bしてもよく、荷載置部1aの互いに対向する2辺側、隣り合う2辺側、あるいは3辺側など、複数の辺側をそれぞれタブ部1bとしてもよい。
荷物が積載されたシートパレット1の取り扱い時には、まず、フォークリフトに装着されたプッシュプルアタッチメントによってタブ部1bを把持し、この状態でプッシュプルアタッチメントをフォークリフトのプラテンの根元側に引き寄せる。これによりタブ部1bが引っ張られ、シートパレット1がプラテン上で滑りながら移動する。 そして、荷物が積載されたシートパレット1をプラテン上に載せたままフォークリフトを所望の場所まで移動させ、 プッシュプルアタッチメントを押し戻す。これにより、 シートパレット1はプラテン上から降ろされる。
このように、シートパレット1を用いた荷役作業時に非常に大きな引張力がタブ部1bに加わる。しかも、この引張力は、シートパレットlが使用されるたびに繰り返し加わる。そこでこのように繰り返し加わる引張力に耐えるとともに、結露等対策のため通気性を有するように、本実施形態においては、以下に説明する構造を採用している。
図2は、 図1に示すシートパレットの部分断面図である。 図2に示すように、 シートパレット1は、縦ウェブ(一軸延伸網状フィルム、網状体層、延伸体)2と、横ウェブ(一軸延伸網状フィルム、網状体、延伸体)3とを熱溶着によって経緯積層してなる強化網状樹脂層(基材層)4により形成されている。
図3に縦ウェブ2の斜視図を示す。
縦ウェブ2は、図2および図3(b)に示すように、第1の熱可塑性樹脂からなる層2aの両面に、 第1の熱可塑性樹脂よりも低い融点を有する第2の熱可塑性樹脂からなる層2bを積層した層構造を有し、図3(a) に示すように、 互いに平行に延びた複数の幹繊維2cと、幹繊維2cに対して交差して延び、隣接する幹繊維2c同士を繋ぐ枝繊維2dとで構成される。枝繊維2dは幹繊維2cと比べて細く、縦ウェブ2の機械的強度は主として幹繊維2cによって与えられる。
第2の熱可塑性樹脂からなる層2bの厚みは、縦ウェブ2全体の厚みの50%以下、望ましくは40%以下である。後述する横ウェブ3との熱溶着時の接着強度等の諸物性を満足させるためには、第2の熱可塑性樹脂からなる層2bの厚みは5μm以上であればよいが、好ましくは10〜100μmの範囲から選択される。
縦ウェブ2を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、 ポリプロピレン等のポリオレフィンおよびこれらの共重合体、ポリエチレンテレフタレート、 ポリブチレンテレフタレート群のポリエステルおよびこれらの共重合体、ナイロン6、 ナイロン66等のポリアミドおよびこれらの共重合体、ポリ塩化ビニル、メタクリル酸またはその誘導体の重合体および共重合体、ポリスチレン、ポリスルホン、 ポリテトラクロロエチレンポリカーボネート、 ポリウレタン等が挙げられる。縦ウェブ2はその延伸方向に高い引張強度を有している。その中でも、割繊性の良好なポリオレフィンおよびその重合体、ポリエステルおよびその重合体が好ましい。また、第1の熱可塑性樹脂と第2の熱可塑性樹脂との融点の差は、製造上の理由から、5℃以上であることが必要であり、好ましくは10〜50℃である。
縦ウェブ2の製造方法としては、例えば、以下に示すような方法が挙げられる。まず、多層インフレーション法あるいは多層Tダイ法などの押出成形により、可塑性樹脂からなる層2aの両面に第2の熱可塑性樹脂からなる層2bが積層された3層構造の原反フィルムを製造する。次いで、図4に示すように、この原反フィルム20を縦方向(図中L方向)に延伸し、スプリッターを用いて縦方向(図4に示すL方向)に千鳥掛けに割繊 (スプリット処理)して多数の平行なスリット20aを形成する。さらにこれと直交する方向に拡幅する。これにより、図3(a)に示すような、 幹繊維2cがほぼ縦方向に配列された縦ウェブ2が得られる。
延伸倍率(配向倍率)は、1.1〜15倍が好ましく、より好ましくは3〜10倍である。延伸倍率が1.1倍未満では、機械的強度が十分でなくなるおそれがある。
一方、延伸倍率が15倍を超えると、通常の方法で延伸することが難しく、高価な装置を必要とするなどの問題が生じる。延伸は、多段で行うことが延伸むらを防止するために好ましい。
次に、横ウェブ3は、図5(a)および図5(b)に示すように、第1の熱可塑性樹脂からなる層3aの両面に、 第1の熱可塑性樹脂よりも低い融点を有する第2の熱可塑性樹脂からなる層3bを積層した層構成を有し、平面が図5(a) に示すように、略菱形の網目状に形成されている。
横ウェブ3の製造方法は、熱可塑性樹脂からなる層3aの両面に第2の熱可塑性樹脂からなる層3bが積層された3層構造の原反フィルムを製造する。次いで、図6に示すように、この原反フィルム21に対して横方向(図6に示すT方向)に千鳥掛けにスリット処理を施して多数の平行なスリット21aを形成する。その後、原反フィルム21を横方向(図6に示すT方向)に延伸する。このように原反フィルム21に、先にスリットを形成した後に、これを横方向に延伸することにより、菱形の網目が形成されたフィルム3 が得られる。横方向のスリット21aは、円筒の外周面上に軸方向に直線状の突起が形成された回転ローラとこれに対向する外周面が平坦な回転ローラ間に、原反フィルムを通過搬送することにより形成することができる。
横ウェブ3全体の厚みと第2の熱可塑性樹脂からなる層3bの厚みとの関係は、上述した縦ウェブ2についての説明と同じであり、また、横ウェブ3を構成する樹脂材料についても、上述した縦ウェブ2と実質的に同じ材料を用いることができる、その詳細な説明は省略する。
ここで、上述した縦ウェブ2と横ウェブ3とは、その表面の粗さが異なっている。すなわち、縦ウェブ2は全体的に薄くその表面は比較的滑らかである。これに対して、横ウェブ3は全体的に厚く、表面が凹凸状に粗く形成されている。その理由は、主としてそれらの製造方法の相違に起因するものであり、縦ウェブ2の製造においては、前述したように、原反フィルム20を先に縦方向に延伸し、その後に縦方向にスプリット処理を施し、さらに拡幅する。したがって、延伸後の網状の繊維は全体的にその厚さが薄く形成され、個々の繊維の断面は、図7に示すように、略平坦である。これに対して、横ウェブ3の製造においては、前述したように、原反フィルムに対して、先に横方向にスリット処理を施し、その後にこれを横方向に延伸する。したがって、延伸後の網状の繊維は全体的にその厚さが厚く、スリットにより分割された個々の繊維の断面も図8に示すように非平坦たとえば断面円弧状に丸みを帯びたほぼ正方形となり、従って横ウェブ3の表面全体が凹凸状に粗く形成される。
最後に、以上のようにして得られた縦ウェブ2を、横ウェブ3と延伸方向が直交するように重ね合わせ、これを加熱溶着することにより、 図2に示したような通気性を有する強化網状樹脂層4が得られる。 この場合、熱溶着に際しては、重ね合わせた縦ウェブ2および横ウェブ3を、対向配置された一対の加熱シリンダ間に供給し、幅方向の収縮が生じないように固定しながら、しかも第1の熱可塑性樹脂からなる層の延伸効果が失われないように、第1の熱可塑性樹脂の融点以下で、かつ第2の熱可塑性樹脂の融点以上の温度で熱溶着を行う。
そして、シートパレット1は、強化網状樹脂層4を構成する横ウェブ3がシートパレット1の上面すなわち、荷物が積載される側の面となり、縦ウェブ2がシートパレット1の下面、すなわち、例えばフォークリフトのプラテン側の面となるように形成される。その後、所定の大きさに切断される。
このように構成された本実施形態に係るシートパレット1によれば、強化網状樹脂層4自体は網目構造であり、一定の開口率を備えているため、シートパレットとしても通気性あるいは通水性を有することになる。なお、ここで、通気性と通水性は本質的に異なるものではなく、一般には通気性があれば通水性も確保される。従って、本明細書では、「通気性」という用語は「通水性」も含むものとする。
また、本実施形態に係るシートパレット1によれば、下面が縦ウェブ2の比較的滑らかな面により形成されるためプラテンに対しては滑り易くなり、上面が横ウェブ3の凹凸のある粗面により形成されるため、その上に載置された荷物に食い込み、その結果荷物が滑り難くなる。従って、フォークリフトのプラテン上への荷物の移動およびプラテンから床面への荷物の移動が容易になり、作業性が向上する。
(第2の実施形態)
図9は本願発明の第2の実施形態に係るシートパレット11の構造を示す断面図である。このシートパレット11は、3層の強化網状樹脂層12、13、14を積層して熱溶着することにより構成されている。すなわち、強化網状樹脂層12、13、14は、それぞれ基本的に図2に示した強化網状樹脂層4と同一の構造を備えている。従って、図9においては図2と同一の構成部分には同一の参照番号を付して示し、詳細な説明は省略する。
第1の強化網状樹脂層12はシートパレット1の荷物が積載される表面を形成し、第2の強化網状樹脂層13は中心部を形成し、第3の強化網状樹脂層14は例えばフォークリフトのプラテン表面に接触するシートパレット1の裏面を形成する。ここで、各強化網状樹脂層12、13、14は、それぞれを形成する縦ウェブ2と横ウェブ3との位置関係が同じになるように配置積層される。すなわち、各強化網状樹脂層12、13、14において、下層に縦ウェブ2が、上層に横ウェブ3が配置されている。したがって、第2の実施形態に係るシートパレット11おいては、その下面は縦ウェブ2により形成され、上面は横ウェブ3の凹凸のある粗面により形成される。
図10は本実施形態に係るシートパレット11の製造方法を説明する概略図である。それぞれロール状に巻回された強化網状樹脂層12および13は、図示しない繰出し機により繰り出され、ガイドローラ31、32にそれぞれ案内されて第1の加圧ローラ対33の間に互いに反対方向から供給される。第1の加圧ローラ対33は予め所定の温度に加熱されており、強化網状樹脂層12および13はこの間を通過する間に熱圧着される。ここで、所定の加熱温度とは、図2に示すように、強化網状樹脂層12あるいは13を構成する縦ウェブ2および横ウェブ3に含まれる第1の熱可塑性樹脂の融点以下で、かつ第2の熱可塑性樹脂の融点以上の温度である。また、強化網状樹脂層12および13は、それぞれの縦ウェブ2と横ウェブ3の位置関係がそろうように熱圧着される。
互いに熱圧着された強化網状樹脂層12および13からなる2層強化網状樹脂層34はガイドローラ35を介して第2の加圧ローラ対36間に供給される。この第2の加圧ローラ対36間にはまた、ロール状に巻回された強化網状樹脂層14が繰り出され、ガイドローラ37を介して第2の加圧ローラ対36間に供給される。第2の加圧ローラ対36も第1の加圧ローラ対33と同様に、予め所定の温度に加熱されており、2層強化網状樹脂層34および強化網状樹脂層14はこの間を通過する間に熱圧着され、3層構造の強化網状樹脂層38となって取り出される。ここで、3層構造の強化網状樹脂層38においては、各強化網状樹脂層12、13および14を構成する縦ウェブ2と横ウェブ3が同じ位置関係となるように熱圧着される。
本実施形態に係る通気性を有するシートパレット11は、3層の強化網状樹脂層12、13、14により構成されるため、シートパレット11に繰り返し加わる引張力に対して1層構造の場合に比較してより強度を有するとともに、適度な剛性、すなわち、「腰」が付与され、シートパレット1を用いた荷物の積み下ろしの操作性も向上する。すなわち、前述したように、シートパレット1上に載置された荷物をフォークリフトにより搬送する場合、プッシュプルアタッチメントによってシートパレット1のタブ部1bを把持してプラテン上に引き寄せるが、シートパレット1がある程度の剛性(腰)を有する方がタブ部1bを把持し易いためである。
また、強化網状樹脂層12、13、14は、それぞれ所定の開口率を有する網状構造である。これらを複数層積層して熱圧着することにより、形成された強化網状樹脂層も全体としも個々の強化網状樹脂層12、13、14の開口率よりも小さくはなるが、一定の開口率を有しており、これによってシートパレットl1に実用上十分な通気性あるいは通水性が付与される。この場合、3層の強化網状樹脂層12、13、14のそれぞれに、凹凸面を有する横ウェブ3が介在するため、凹凸による微小空間が形成されこれによって全体として通気性が確保し得るものと推測される。
また、本実施形態に係るシートパレットl1は、それを構成する各強化網状樹脂層12、13、14が自己溶着性を備えているため、特別な接着剤などを要することなく、単に熱圧着するだけで製造できるため、量産にも適しており、低コストでの生産が可能である。
なお、本実施形態においては、3層の強化網状樹脂層12、13、14によりシートパレット11を構成したが、特に3層に限られることは無く、シートパレット11として必要な強度に応じて任意の複数層により構成することができる。
(第3の実施形態)
図11に、本発明の第3の実施形態に係るシートパレット41の構造を示す模式的断面図である。この実施形態においては、シートパレット41を構成する強化網状樹脂層4は、2枚の縦ウェブ2をその延伸方向が直交するように積層して熱圧着したものである。従って、図11においては、図2と同じ構成部分には同じ参照番号を付して、詳細な説明は省略する。
この実施形態においては、シートパレット41は1層の強化網状樹脂層4により構成されたが、より高い強度を得るためには、同じ強化網状樹脂層4を複数層積層して熱圧着しても良い。また、最上層に縦ウェブ2と横ウェブ3の組み合わせからなる強化網状樹脂層4あるいは12、13、14を配置してもよい。
以上、本発明をいくつかの実施形態により説明したが、本発明によれば、2枚の一軸延伸網状フィルムをその延伸方向が直交するように積層した強化網状樹脂層をシートパレットに用いることで、シートパレットは、繰り返し使用に耐え得るような高い引張り強度を有したものとなる。しかも、強化網状樹脂層は網状の構造体であるので、特に孔明け加工を施す必要もなく通気性を持たせることができる上、材料の使用量も少なくてよく、結果的に軽量化が達成され、シートパレット自身の取り扱いも容易である。
このように、2枚の縦ウェブを直交積層した強化網状樹脂層の代表的な例として、新日石プラスト(株)製のポリエチレン製不織布である日石ワリフ(登録商標)が挙げられる。また、縦ウェブと横ウェブを直交積層した強化網状樹脂層2の代表的な例として、同じく新日石プラスト(株)製のポリエチレン製不織布である日石クラフ(登録商標)EX(T)、HS2423、HS(T)、HS(T)90104、LX(F)等が挙げられる。
なお、前記実施形態では、基材層は、縦ウェブと横ウェブを組合わせた強化網状樹脂層(不織布)や2枚の縦ウェブを組合せた強化網状樹脂層(不織布)を用いたが、一軸延伸多層テープを経緯積層した不織布や織成した織布なども用いることができる。これら不織布や織布は、いずれも図3に示す一軸延伸網状フィルム2を製造するのに用いたのと同様の原反フィルムを1.1〜15倍、好ましくは3〜10倍に一軸延伸した後、延伸方向に沿って2mm〜」7mmの幅で裁断した一軸延伸多層テープを経緯組合せて構成されている。すなわち、不織布は、複数の一軸延伸多層テープを一定の間隔をあけて平行に並べ、それを一軸延伸多層テープの長手方向が直交するように積層したものである。織布は、この一軸延伸多層テープを縦横に織成したものである。また、基材層は、縦ウェブまたは横ウェブと一軸延伸多層テープとを延伸方向が直交するように積層した積層体や、熱可塑性樹脂から紡糸され延伸されたフィラメントを延伸方向が直交するように組合わせた織布や不織布を用いることもできる。さらに、前記の織布や不織布は、一軸延伸多層テープだけでなく、ポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂から紡糸した延伸ヤーンから作ってもよい。要するに、複数の網状体層あるいは基材層が延伸方向が直交し且つ通気性を有するように一体化された構成であればよい。
また、前記実施形態では、熱溶着により一体化したが、接着材を用いて通気性を有するように一体化してもよい。この場合、原反フィルムは、図3に示すように第1の熱可塑性樹脂からなる層2aの両面に、第1の熱可塑性樹脂よりも低い融点を有する第2の熱可塑性樹脂からなる層2bを積層した三層構造でなく、単層でもよい。
さらに、前記第1の実施形態では、上面側を横ウェブ3、下面側を縦ウェブ2としたが、荷物が材質や硬さなどによりウェブに食い込み難い場合は、上面側を縦ウェブ2、下面側を横ウェブ3としてもよい。
以下に、本発明の具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
本実施例では、上述した実施形態3に示す層構成例に従ってシートパレットを作製した。強化網状樹脂層としては、新日石プラスト(株)製のポリエチレン製不織布である日石ワリフ(登録商標)のグレードHS2423 (以下、「ワリフHS2423」という。)と同じく日石クラフ(登録商標)のグレードHS(T)90104(以下、「クラフHS(T)90104」という。)を用いた。ここでワリフHS2423は同じ2枚の縦ウェブを延伸方向を交差させて積層熱圧着したものであり、坪量が(32〜37)/m、交点厚さは107μm、開口率は43%である。また、クラフHS(T)90104は、横ウェブと縦ウェブとを延伸方向を交差させて積層熱圧着したものであり、坪量が(32〜37)/m、交点厚さは161μm、開口率は57%でる。層構成は表面から裏面に向かってHS2423/HS2423/HS(T)90104と3層に積層し、熱圧着法により積層シート体を作成した。得られた強化網状樹脂層シート体の平均厚さは280μm(実測値)、開口率は11%(計算値)であった。得られた強化網状樹脂層シート体を所定の形状に裁断してシートパレットを作製した。
(実施例2)
本実施例では、同じく実施形態3に示す層構成例に従ってシートパレットを作製した。強化網状樹脂層としては、実施例lと同様、新日石プラスト(株)製のポリエチレン製不織布である日石クラフHS(T)を用いた。クラフHS(T)は、坪量が(32〜37)/mであり、交点厚さは161μm、開口率は61%である。層構成は表面から裏面に向かってHS(T)/HS(T)/HS(T)と3層ともに同じグレードのクラフを積層し、熱圧着法により積層シート体を作成した。得られた強化網状樹脂層シート体の平均厚さは483μm(計算値)、開口率は22%であった。得られた強化網状樹脂層シート体を所定の形状に裁断してシートパレットを作製した。
(実施例3)
本実施例では、同じく実施形態3に示す層構成例に従ってシートパレットを作製した。強化網状樹脂層としては、実施例lと同様、新日石プラスト(株)製のポリエチレン製不織布である日石クラフLX(F)を用いた。クラフLX(F)は、坪量が(37〜45)/mであり、交点厚さは170μm、開口率は51%である。層構成は表面から裏面に向かってLX(F)/LX(F)/LX(F)と3層ともに同じグレードのクラフを積層し、熱圧着法により積層シート体を作成した。得られた強化網状樹脂層シート体の交点厚さは510μm(計算値)、開口率は13%であった。得られた強化網状樹脂層シート体を所定の形状に裁断してシートパレットを作製した。
(実施例4)
本実施例では、同じく実施形態3に示す層構成例に従ってシートパレットを作製した。強化網状樹脂層としては、実施例lと同様、新日石プラスト(株)製のポリエチレン製不織布である日石クラフEX(T)90106を用いた。クラフEX(T)90106は、坪量が(45)/m以上であり、交点厚さは205μm、開口率は57%である。層構成は表面から裏面に向かって、EX(T)90106/EX(T)90106/EX(T)90106と3層ともに同じグレードのクラフを積層し、熱圧着法により積層シート体を作成した。得られた強化網状樹脂層シート体の平均厚さは430μm(実測値)、開口率は18%であった。得られた強化網状樹脂層シート体を所定の形状に裁断してシートパレットを作製した。
以上のように作製した実施例1〜4について、上述した強化網状樹脂層の交点厚さ、開口率、層構成、熱圧着後の平均厚さ、開口率を表1に示す。
Figure 2014189333
1 シートパレット
1a シート部
1b タブ部
2 縦ウェブ
2a 第1の熱可加性樹脂層
2b 第2の熱可塑性樹脂層
3 横ウェブ
4 強化網状樹脂層
11 シートパレット
12、13、14 強化網状樹脂層
31、32、35、37 ガイドローラ
33 第1の加圧ローラ対
34 第2の加圧ローラ対
38 3層構造の強化網状樹脂層

Claims (7)

  1. 荷物を載置する上面とその反対側の下面を有するシートパレットにおいて、熱可塑性樹脂からなり一方向に延伸された複数の網状体層を備え、これら網状体層は、少なくとも1の網状体層の延伸方向と他の少なくとも1の網状体層の延伸方向とが直交し且つ通気性を有するように一体化されていることを特徴とするシートパレット。
  2. 前記複数の網状体層は、原フィルムを縦方向に延伸した後、縦方向に割繊し、横方向に拡幅して網状にした縦ウェブと、原フィルムに横方向のスリットを形成した後横方向に延伸して網状にした横ウェブとの少なくとも一方を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のシートパレット。
  3. 前記上面に配置される網状体層は、横ウェブであり、前記下面に配置される網状体層は、縦ウェブであることを特徴とする請求項2に記載のシートパレット。
  4. 前記下面に配置される網状体層を構成する繊維は下面が略平坦状を呈し、前記上面に配置される網状体層を構成する繊維は上面が非平坦状を呈していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシートパレット。
  5. 前記複数の網状体層は、それぞれ第1の熱可塑性樹脂からなる層の両面に第1の熱可塑性樹脂よりも低い融点を有する第2の熱可塑性樹脂からなる層を積層した層構成を有し、熱溶着により一体化されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシートパレット。
  6. 荷物を載置する上面とその反対側の下面を有するシートパレットにおいて、熱可塑性樹脂からなり一方向に延伸された複数の延伸体を延伸方向が直交し且つ網状に組合せた基材層を少なくとも1以上備え、通気性を有するように一体化したことを特徴とするシートパレット。
  7. 前記基材層は、第1の熱可塑性樹脂からなる層の両面に前記第1の熱可塑性樹脂よりも低い融点を有する第2の熱可塑性樹脂からなる層を積層した原フィルムから作られた、(1)一軸延伸網状フィルムを延伸方向が直交するように積層してなる不織布、(2)一軸延伸テープまたは延伸ヤーンを延伸方向が直交するように織成してなる織布、(3)一軸延伸テープまたは延伸ヤーンを延伸方向が直交するように積層してなる不織布、および(4)一軸延伸網状フィルムと一軸延伸テープまたは延伸ヤーンとを延伸方向が直交するように積層した積層体のいずれかであり、熱溶着により一体化されていることを特徴とする請求項5に記載のシートパレット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107160108A (zh) * 2017-06-20 2017-09-15 无锡市林楷精密工业有限公司 一种自动化设备标准托盘的加工方法及标准托盘

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