JP6216156B2 - 積層構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、発泡板状体を用いて形成した積層構造体に関する。
発泡板状体は、低発泡から高発泡と呼ばれるものがあり、軽量であり且つ断熱性や弾性特性を有することから、容器、断熱容器、緩衝材等に好適に使用される。
例えば、特許文献1には、発泡板状体を用いて組立式の物品搬送用箱を形成することが提案されている。
特許第4143999号公報
しかし、上述した従来の発泡板状体は、荷重が掛かかる等して曲げを生じたときに、全体の曲げ剛性や曲げ強度が低下するという問題があった。
本発明は前記問題点に鑑みて発明したものであって、軽量化ができ、且つ、荷重が掛かって曲がる部分で全体の曲げ剛性や曲げ強度が低下することを抑えることのできる積層構造体を提供することを、課題とする。
前記課題を解決するために、本発明を、下記構成を具備する積層構造体とする。
つまり、本発明は、熱可塑性樹脂製の発泡板状体の少なくとも一方の主面に、多軸繊維シート又は繊維シートと、熱可塑性樹脂フィルムとを、貼り合わせて形成した積層構造体である。前記多軸繊維シートは、熱可塑性樹脂繊維を一方向に配列した層を、繊維方向が異なるように複数層積層し且つ一体化させたものである。
前記多軸繊維シート又は前記繊維シートと、前記熱可塑性樹脂フィルムとは、前記発泡板状体の両主面に貼り合わされている。
前記熱可塑性樹脂フィルムは、前記多軸繊維シート又は前記繊維シートの外側に配置されており、前記多軸繊維シート又は前記繊維シートの貼り付けと、前記熱可塑性樹脂フィルムの貼り付けは、接着フィルムを入れた熱ラミネートにより行われており、前記接着フィルムの融点は、これを挟む各層の融点よりも5〜40℃低く、前記接着フィルムの材質は、これを挟む各層と同じくポリプロピレンであることが好ましい。
また、前記多軸繊維シート又は前記繊維シートの貼り付けと、前記熱可塑性樹脂フィルムの貼り付けは、接着フィルムを入れた熱ラミネートにより行われており、前記接着フィルムの融点は、これを挟む各層の融点よりも5〜40℃低いことが好ましい。
また、前記多軸繊維シート又は前記繊維シートの貼り付けと、前記熱可塑性樹脂フィルムの貼り付けは、接着フィルムを入れた熱ラミネートにより行われており、前記接着フィルムの材質は、これを挟む各層と同じくポリプロピレンであることが好ましい
本発明は、発泡板状体の少なくとも一方の主面に、多軸繊維シート又は繊維シートと、熱可塑性樹脂フィルムとを貼り合わせた積層構造体である。発泡板状体は厚さがあり、曲げると曲げた側に突出シワや凹部ができるが、多軸繊維シート又は繊維シートと、熱可塑性樹脂フィルムとを積層して貼り合わせていることで、突出シワや凹部が発生しにくくなる。そのため、本発明によれば、軽量化ができ、且つ、荷重が掛かって曲がる部分で全体の曲げ剛性や曲げ強度が低下することを抑えることのできる積層構造体となる。
(a)は本発明の一実施形態の積層構造体の曲げ強度を測定する際の断面図であり、(b)は比較例である積層構造体の曲げ強度を測定する際の断面図である。 本発明の一実施形態の積層構造体の拡大断面図である。
容器、断熱容器、断熱材、トラックなどのボディーの中間材等に用いる積層構造体は、曲げに対する剛性や強度が重要である。本発明者らは当初、発泡板状体に多軸繊維シートを貼り合わせることにより、曲げ剛性や強度が向上するのではないかと考えて、発泡板状体の表層に多軸繊維シートを貼り合わせた。
しかし、多軸繊維シートを貼り合わせただけでは、曲げ剛性や強度を向上させるには不十分であった。その原因を調べると、例えば、以下のような問題が原因として挙げられることが分かった。その問題とは、発泡板状体は2〜50mm程度の厚さがあり、この発泡板状体を曲げると、曲げた内側の部分には屈曲によって突出シワや凹部が生じるので、この突出シワや凹部の発生によって、貼り合わせた多軸繊維シートの構成繊維に乱れや破壊が生じ、その結果として、積層構造体の曲げ剛性や強度が低下するという問題である。
図面に基づいて説明すると、図1(b)で比較例を示すように、発泡板状体1の表面に多軸繊維シート2を貼り合わせただけの積層構造体5では、曲げるとその内側に屈曲による突出シワ6や凹部ができやすく、この突出シワ6や凹部によって、多軸繊維シート2の構成繊維に乱れや破壊が発生し、結果的に、積層構造体5全体の曲げ剛性や曲げ強度が低下する。
そこで、本実施形態の積層構造体4では、図1(a)や図2に示すように、突出シワや凹部の発生を防止するため、多軸繊維シート2と熱可塑性樹脂フィルム3を組み合わせて、発泡板状体1の表面に積層した。これにより、積層構造体4を曲げても、その内側に屈曲による突出シワが発生しにくくなった。
多軸繊維シート2と熱可塑性樹脂フィルム3の積層の順番は、曲げ剛性と曲げ強度の点からはいずれの順番であってもよいが、表面の平滑性を考慮すると、熱可塑性樹脂フィルム3を外側に配置することが好ましい。
本発明の多軸繊維シート2及び熱可塑性樹脂フィルム3は、発泡板状体1の少なくとも一方の主面(つまり発泡板状体1の厚み方向と直交する平面)に貼り合わせる。一方の主面に貼り合わせる場合は、前記のとおり積層構造体4を曲げるとその内側に突出シワが発生しやすいことを考量して、曲げたときに多軸繊維シート2及び熱可塑性樹脂フィルム3がその曲がりの内側となるように貼り合わせる。
この場合、発泡板状体1の他の主面には多軸繊維シート2と熱可塑性樹脂フィルム3の一方を貼り合わせてもよいし、両方を貼り合わせてもよい。また、多軸繊維シート2に変えて繊維シートを用いることも可能であり、一方の主面に多軸繊維シート2を貼り合わせ、他方の主面に繊維シートを貼り合わせる組み合わせでもよい。
なお、使用状態において様々な方向に応力がかかる場合は、多軸繊維シート2及び熱可塑性樹脂フィルム3を、発泡板状体1の両主面に貼り合わせることが好ましい。多軸繊維シート2及び熱可塑性樹脂フィルム3は、熱や接着剤を用いて発泡板状体1に貼り合わせるので、両主面に貼り合わせることによって両主面が対称になり、反り等の製品の不具合が起こり難く、平坦な製品になる。
発泡板状体1に多軸繊維シート2及び熱可塑性樹脂フィルム3を貼り合わせる方法はいかなる方法であってもよく、例えば下記(1)−(3)の方法が挙げられ、下記の方法において多軸繊維シート2を繊維シートに代えることも可能である。
(1)発泡板状体1の主面に多軸繊維シート2を貼り付け、更に熱可塑性樹脂フィルム3を貼り付けて一体化する方法。
(2)発泡板状体1の主面に熱可塑性樹脂フィルム3を貼り付け、更に多軸繊維シート2を貼り付けて一体化する方法。
(3)発泡板状体の主面に、あらかじめ多軸繊維シート2及び熱可塑性樹脂フィルム3を一体化させた複合シートを貼り付け、一体化する方法。
上記貼り付け手段としては、加熱加圧により直接又は間接的に融着する手段、低融点の接着フィルムを入れて熱ラミネートする手段、接着剤を塗布して接着する手段等が、適宜使用可能である。さらに、発泡板状体1の製造と同時に多軸繊維シート2及び熱可塑性樹脂フィルム3を貼り合わせる手段でもよい。生産時の取扱い性に鑑みれば、あらかじめ多軸繊維シート2及び熱可塑性樹脂フィルム3を一体化させた複合シートを用いることが好ましい。多軸繊維シート2及び熱可塑性樹脂フィルム3を一体化する手段としては、多軸繊維シート2を成形後に、熱可塑性樹脂フィルム3を成形する口金から多軸繊維シート2に対して直接樹脂を流し、一体化する方法もある。
上記のように接着フィルムを入れて熱ラミネートする場合、用いる接着フィルムは、厚みが5〜200μm程度であることや、単位面積当たりの重量(目付け)が10〜200g/mであることが好ましい。接着フィルムの融点は、これを挟む各層の融点よりも5〜40℃低いことが好ましく、例えば熱可塑性樹脂フィルム3の融点よりも5〜40℃低く設ける。接着フィルムの材質は、これを挟む各層の材質と異なる材質でもよいが、各層の材質が互いに同一である場合には、この材質と接着フィルムの材質とを一致させることが好ましい。また、接着フィルムを挟む各層の材質が互いに異なる場合には、両方の材質を混ぜた接着フィルムを用いることが好ましい。接着フィルムの代わりに接着性不織布を用いることも可能である。
図1(a)は、本実施形態の積層構造体4を曲げたときの断面図であり、発泡板状体1の表面に多軸繊維シート2と熱可塑性樹脂フィルム3を貼り合わせた積層構造体4は、曲げを生じた際にもその内側には突出シワや凹部が発生しないか、或いは発生しにくいものとなっている。その理由は、以下のとおりと考えられる。
つまり、熱可塑性樹脂フィルム3は、引張りや圧縮に強い性質を有するので、熱可塑性樹脂フィルム3が積層されることにより多軸繊維シート2の強度低下が抑制され、強度が向上する。その結果、強度が低下することなく、全体として軽量を維持したまま、積層構造体4の曲げ剛性と曲げ強度をともに満足させることが可能となる。なお、多軸繊維シート2と熱可塑性樹脂フィルム3以外に、任意で接着シートや保護シート(化粧シートなど)を積層させてもよい。
ところで、本実施形態で用いる発泡板状体1は、発泡倍率が1.2〜5倍の低発泡のものであってもよいし、或いは、5〜50倍の高発泡のものであってもよく、発泡倍率は特に限定されない。また、発泡板状体1の厚みも特に限定されない。
発泡板状体1の材料は、熱可塑性樹脂であればいかなるものであってもよいが、例えばポリプロピレン(PP)ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などが使用される。このうち、コストと軽量性の点からは、ポリプロピレンが好ましい。
発泡板状体1をなす発泡体は、曲げ剛性が30Nm以上であることが好ましく、50Nm以上であることが更に好ましい。また、この発泡体は、曲げ強度が50Nm/m以上であることが好ましく、100Nm/m以上であることが更に好ましい。
本実施形態で用いる多軸繊維シート2は、熱可塑性樹脂繊維を一方向に配列した繊維層を、互いの繊維方向が異なるように複数層だけ積層し且つ一体化させたものである。例えば、3層の繊維層の繊維方向を±60°ずつ相違させて積層させることが考えられるが、軽量性やコンパクト性、コスト等の点を鑑みれば、3〜5層の繊維層で多軸繊維シート2を構成することが好ましい。
熱可塑性樹脂繊維は、ポリプロピレン(PP)繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維等、いかなる繊維であってもよい。繊維層を一体化させる方法としては、ステッチ糸により編み込む方法、構成繊維の融着による方法、低融点繊維の接着による方法、接着剤により接着させる方法等が挙げられる。取扱い性を鑑みれば、熱可塑性のステッチ糸により編み込む方法が好ましい。構成繊維を融着させる場合には、多軸繊維シート2の繊維として、ポリプロピレンの芯と、この芯よりも薄肉であるポリエチレンの鞘とから成る繊維を用いることが好ましい。
多軸繊維シート2では、縦方向、横方向、斜め方向等の多方向に繊維が配列されており、且つ、織物や編物のように繊維の交錯点がないことから、様々な方向に対して強度が高いという性質を有する。多軸繊維シート2の目付けは、通常200〜800g/mのものが用いられるが、軽量性と補強性とのバランスの観点からは、目付けが300〜700g/mであることが好ましい。
本実施形態で使用する多軸繊維シート2以外の繊維シートは、織物、編み物及び不織布から選ばれる少なくとも一つの繊維シートであることが好ましい。織物としては、平織り、綾織り、朱子織り、アヤメ織り等の織物や3軸織物等が挙げられる。編み物としては、平編、リブ編、トリコット、ラッセル、モケット等が挙げられる。不織布としては、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布、ニードルパンチ不織布等が挙げられる。繊維シートとしては、さらに、レース、組物、ネット等も使用可能である。
多軸繊維シート2やこれ以外の繊維シートは、連続繊維(フィラメント繊維)からなることが好ましい。また、繊維シートの表面に樹脂を含浸させたプリプレグのようなシートを用いてもよい。
これらの繊維シートと樹脂製フィルムを積層させると、曲げても座屈による突出シワや凹部ができにくくなり、曲げ強度(座屈強度)が高くなる。この中でも織物は、薄くても強度を高くすることができ、表面平滑性も高いことから好ましい。繊維シートを構成する繊維材料は、ポリプロピレン(PP)繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ナイロン繊維などの熱可塑性樹脂繊維、木綿や麻などの天然繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの任意の繊維を選択できる。PP繊維は、芯がPP材で鞘がPE材の構造であってもよい。
これらの中でも、繊維シートを構成する繊維材料は、コスト、強度、耐久性、廃棄の容易性等の点から、熱可塑性合成繊維製織物が好ましい。上記繊維シートの目付けは、通常100〜800g/mのものが用いられるが、軽量性と補強性とのバランスの観点からは、目付けが200〜700g/mであることが好ましい。
これら繊維シートを、多軸繊維シート2に積層させて用いることも可能である。多軸繊維シート2は、各層が一方向に配列してあるため、軽量化を図ろうとすると繊維間に隙間ができることがあり、見た目として不均一になることがある。そこで、軽量化を図った多軸繊維シート2に織物等を積層させることによって、見た目が均一になり、意匠性が向上する。例えば、90°/30°/−30°の3軸の多軸繊維シート2上に織物を貼りつける方法や、90°/30°/−30°の3軸の多軸繊維シート2のうち90°の繊維層の代わりに織物を貼る方法(つまり、30°/−30°の2軸繊維シートの上に織物を貼る方法)等によって、見た目が均一になり、意匠性が向上する。また更に、織物の経糸と緯糸とは違う方向に繊維方向を有する多軸繊維シート2を貼ることによって、強度の方向性を低減させるといった使用も可能である。さらに、多軸繊維シート2を2枚以上積層して用いるような場合、そのうちの1枚(特に最上層)を織物にすることなども可能である。
熱可塑性樹脂フィルム3は、未延伸フィルム、1軸延伸フィルム、2軸延伸フィルム(2軸配向フィルム)等のいかなるフィルムであっても良く、その材質としてはポリオレフィン樹脂、特にポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂が好ましく用いられる。
熱可塑性樹脂フィルム3には、耐候剤、帯電防止剤等の材料を添加してもよく、軟質剤(エラストマー)を添加して衝撃強度を高めることも可能である。熱可塑性樹脂フィルム3の厚みは0.1〜0.5mmに設けることが好ましく、0.5〜3.0mmに設けることも可能である。熱可塑性樹脂フィルム3は、単層と複層のいずれであってもよい。
積層構造体4は、溶着等の貼り合わせやリサイクルの点を鑑みれば同一材料を用いることが好ましい。特に発泡板状体1、多軸繊維シート2等の繊維シート、熱可塑性樹脂フィルム3は、同一材料のポリオレフィン系樹脂、特にポリプロピレン樹脂及びポリプロピレン繊維を用いることが好ましい。
ポリプロピレンの繊維シートと、同じくポリプロピレンの熱可塑性樹脂フィルム3とを貼り合わせるときは、ポリプロピレン又はポリエチレンの接着フィルムや、ポリプロピレンとポリエチレンを含む接着フィルムを用いることが好ましい。熱可塑性樹脂フィルム3は、繊維シートに直接押し出して成形してもよい。
積層構造体4の各層の目付けの大小関係は、熱可塑性樹脂フィルム3>繊維シートで設けることや、繊維シート>熱可塑性樹脂フィルム3で設けることが好ましい。
積層構造体4の各層の融点も大小関係は、熱可塑性樹脂フィルム3>接着フィルム>繊維シートで設けることや、熱可塑性樹脂フィルム3>繊維シートで設けることや、熱可塑性樹脂フィルム3>接着フィルム>繊維シート>発泡体で設けることや、熱可塑性樹脂フィルム3>繊維シート>発泡体で設けることが好ましい。
以下実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。なお本発明は下記の実施例に限定されない。
(実施例1)
<発泡板状体>
発泡板状体1として、40倍発泡のポリプロピレンを用いて8mmの肉厚で形成し、1平方メートル当たりの重量(目付け)を約250g/mとしたものを用いた。また、肉厚を30mmとし、1平方メートル当たりの重量(目付け)を約670g/mとしたものも用いた。
<多軸繊維シート>
多軸繊維シート2として、多軸繊維の方向を90°/30°/−30°とし、1平方メートル当たりの重量(目付け)を350g/mとしたものを用いた。以下、この条件の多軸繊維シート2を「A350」と称する。この多軸繊維シート2は、単繊維繊度1850decitexのPPフィラメントを多数本使用したものである。また、ステッチ糸としてポリエステル糸を用いた。
<熱可塑性樹脂フィルム>
熱可塑性樹脂フィルム3として、厚さ0.2mm、引張り弾性率1600(MPa)のポリプロピレン樹脂製無延伸シートを使用した。以下、この条件の熱可塑性樹脂フィルム3を「PP0.2mm」と称する。また、厚さ0.65mmでポリプロピレン樹脂製の無延伸シートを「PP0.65mm」と称する。
<接着フィルム>
発泡板状体1と多軸繊維シート2と熱可塑性樹脂フィルム3とのそれぞれの間に、接着フィルムとして厚み0.03mmのポリエチレンフィルムを介在させた。
<積層構造体の作成>
発泡板状体1の両主面において、発泡板状体1、多軸繊維シート2及び熱可塑性樹脂フィルム3の間にポリエチレンフィルムを入れ、熱ラミネート法により接着フィルムを溶着させることで全体を一体化した。
得られた積層構造体4の曲げ試験は、ASTM C393に準拠した4点曲げ法で測定した。試験片サイズは幅75mm、長さ550mm、試験速度は20mm/minとした。また、支点スパン500mm、荷重スパン50mmとした。
その結果は、下記の表1、表2に示すとおりである。重量比は、基準となる実験番号1−1の重量を100としたときの、それぞれの重量比である。
Figure 0006216156
Figure 0006216156
表1、表2に記載のとおり、本発明の実施例品(実験番号1−3,2−3)によれば、軽量化がなされるとともに、曲げ試験においても、突出シワは発生しなかった。つまり、この実施例品の積層構造体4では、軽量化を実現するとともに、荷重が掛かって曲がる部分に突出シワや凹部が発生することも抑えられ、したがって、曲げ剛性や曲げ強度も向上されたものとなる。本発明の積層構造体4は、容器、断熱容器、断熱材、トラックなどのボディーの中間材等の積層構造体に適用することができる。
以上、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本発明は前記各例の実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、各例において適宜の設計変更を行うことや、各例の構成を適宜組み合わせて適用することが可能である。
1 発泡板状体
2 繊維シート
3 熱可塑性樹脂フィルム
4 積層構造体
6 突出シワ

Claims (3)

  1. 熱可塑性樹脂製の発泡板状体の少なくとも一方の主面に、多軸繊維シート又は繊維シートと、熱可塑性樹脂フィルムとを、貼り合わせて形成し、
    前記多軸繊維シートは、熱可塑性樹脂繊維を一方向に配列した層を、繊維方向が異なるように複数層積層し且つ一体化させたものであり、
    前記熱可塑性樹脂フィルムは、前記多軸繊維シート又は前記繊維シートの外側に配置されており、
    前記多軸繊維シート又は前記繊維シートの貼り付けと、前記熱可塑性樹脂フィルムの貼り付けは、接着フィルムを入れた熱ラミネートにより行われており、
    前記接着フィルムの融点は、これを挟む各層の融点よりも5〜40℃低く、
    前記接着フィルムの材質は、これを挟む各層と同じくポリプロピレンである
    ことを特徴とする積層構造体。
  2. 熱可塑性樹脂製の発泡板状体の少なくとも一方の主面に、多軸繊維シート又は繊維シートと、熱可塑性樹脂フィルムとを、貼り合わせて形成し、
    前記多軸繊維シートは、熱可塑性樹脂繊維を一方向に配列した層を、繊維方向が異なるように複数層積層し且つ一体化させたものであり、
    前記多軸繊維シート又は前記繊維シートの貼り付けと、前記熱可塑性樹脂フィルムの貼り付けは、接着フィルムを入れた熱ラミネートにより行われており、
    前記接着フィルムの融点は、これを挟む各層の融点よりも5〜40℃低い
    ことを特徴とする積層構造体。
  3. 熱可塑性樹脂製の発泡板状体の少なくとも一方の主面に、多軸繊維シート又は繊維シートと、熱可塑性樹脂フィルムとを、貼り合わせて形成し、
    前記多軸繊維シートは、熱可塑性樹脂繊維を一方向に配列した層を、繊維方向が異なるように複数層積層し且つ一体化させたものであり、
    前記多軸繊維シート又は前記繊維シートの貼り付けと、前記熱可塑性樹脂フィルムの貼り付けは、接着フィルムを入れた熱ラミネートにより行われており、
    前記接着フィルムの材質は、これを挟む各層と同じくポリプロピレンである
    ことを特徴とする積層構造体
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