JP2019522099A - ポリフェニレンスルフィドの製造方法及びそれから製造された高粘度のポリフェニレンスルフィド - Google Patents

ポリフェニレンスルフィドの製造方法及びそれから製造された高粘度のポリフェニレンスルフィド Download PDF

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Abstract

本発明は、ポリフェニレンスルフィドの製造方法及びそれから製造された高粘度のポリフェニレンスルフィドに関し、本発明に係るポリフェニレンスルフィドの製造方法によれば、脱水条件を制御して有機相と水性相の割合を調節することによって、ポリフェニレンスルフィドの製造途中に反応あるいは物性に悪影響を及ぼさずに効果的に高粘度化を具現する効果がある。

Description

[関連出願との相互参照]
本出願は、2016年12月23日付の韓国特許出願第10−2016−0177955号及び該特許を優先権として2017年10月25日付で再出願された韓国特許出願第10−2017−0139054号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
本発明は、ポリフェニレンスルフィドの製造方法及びそれから製造された高粘度のポリフェニレンスルフィドに関し、より詳細には、流動性に要求される溶融粘度と分子量の範囲をポリフェニレンスルフィドの製造途中に具現したポリフェニレンスルフィドの製造方法及びそれから製造された高粘度のポリフェニレンスルフィドに関する。
近年、電気・電子機器の部品や化学機器の部品などの材料として、耐熱性が高く、耐化学性が良い熱可塑性樹脂の需要が増大している。このような熱可塑性樹脂の一つとしてポリフェニレンスルフィド(Polyphenylene sulfide、PPS)は、優れた強度、耐熱性、難燃性及び加工性により、自動車と電機電子製品、機械類などでアルミニウムや亜鉛のようなダイカスト(die casting)金属に代わる素材として脚光を浴びている。前記ポリフェニレンスルフィドは、重合工程で分子量及び分子量分布の調節を通じて、様々な流れ性を有するポリフェニレンスルフィド樹脂として生産され得る。
前記流れ性は、溶融粘度が小さすぎると、機械的強度が不十分となり、大きすぎると、樹脂組成物の溶融成形時の流動性が不良であるため、成形作業が難しくなる。
したがって、機械的強度と成形性の両方を満足させる溶融粘度を有するポリフェニレンスルフィドを重合工程を通じて制御することが容易ではないため、これに対する製造方法に関する開発が必要になった。
韓国特許公開第10−2013−0025015号
上記のような従来技術の問題点を解決するために、本発明は、ポリフェニレンスルフィドの製造工程の途中に脱水条件を制御して有機相と水性相との割合を調節することによって高粘度化を有するポリフェニレンスルフィドの製造方法を提供することを目的とする。
また、溶融粘度及び分子量の範囲が特定された高粘度のポリフェニレンスルフィドを提供することを目的とする。
本発明の上記目的及びその他の目的は、以下で説明する本発明によって全て達成することができる。
上記目的を達成するために、本発明は、
(a)硫黄供給源、アルカリ金属水酸化物、重合助剤、有機溶媒及び水の混合物を形成するステップ;
(b)前記混合物を攪拌しながら加熱して残存混合物を得るステップ;及び
(c)前記残存混合物にジハロゲン化芳香族化合物及び有機溶媒を投入した混合溶液を重合反応させるステップ;を含み、
前記(c)ステップの混合溶液は、水と有機溶媒とのモル比(HO/有機溶媒)が0.5〜0.85であることを特徴とするポリフェニレンスルフィドの製造方法を提供する。
また、本発明は、アドバンスドレオメトリックエクスパンションシステム(Advanced Rheometric Expansion System;ARES−G2)で測定した溶融粘度が150〜15000Pa.Sである高粘度のポリフェニレンスルフィドを提供する。
前記で説明したように、本発明によれば、自動車、電気・電子または機械類で要求される高粘度をポリフェニレンスルフィドの製造途中に具現したポリフェニレンスルフィドの製造方法及びそれから製造された高粘度のポリフェニレンスルフィドを提供する効果がある。高粘度ベースのポリフェニレンスルフィドを製造するために、容易かつ簡便な方式を用いることで、工程に使用されるコスト及び時間を軽減し、効率を極大化することができる。本発明に係る高粘度のポリフェニレンスルフィドは、脱水条件を制御して有機相と水性相との割合を調節することによって、ポリフェニレンスルフィドの製造途中に反応あるいは物性に悪影響を及ぼさずに効果的に高粘度化を具現した樹脂であって、活用性が非常に広い。
本発明の方法により製造されたポリフェニレンスルフィド及び従来の方法により製造されたポリフェニレンスルフィドにおいて、方法中の(c)ステップでのHO/有機溶媒(mol/mol)対溶融粘度(MV、Angular frequency 0.1rad/s、300、Pa.S)の散布図を示したグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るポリフェニレンスルフィドの製造方法は、一例として、次の通りである:
(a)硫黄供給源、アルカリ金属水酸化物、重合助剤、有機溶媒及び水の混合物を形成するステップ;
(b)前記混合物を攪拌しながら加熱して残存混合物を得るステップ;及び
(c)前記残存混合物にジハロゲン化芳香族化合物及び有機溶媒を投入した混合溶液を重合反応させるステップ;を含み、
前記(c)ステップの混合溶液は、水と有機溶媒とのモル比(HO/有機溶媒)が0.5〜0.85であることを特徴とする。
(a)ステップにおいて、硫黄供給源、アルカリ金属水酸化物、重合助剤、有機溶媒及び水の混合物を形成する。
前記硫黄供給源は、固体硫黄供給源であれば、特に制限されず、一例として、アルカリ金属硫黄水和物とアルカリ金属水酸化物が反応して形成されたものであってもよく、具体例として、硫酸水素ナトリウム、硫化ナトリウム、硫化カリウムなどを挙げることができる。硫黄供給源として、硫酸水素ナトリウムのようなアルカリ金属水硫化物を使用する場合、アルカリ金属水酸化物と反応してアルカリ金属硫化物を形成する。
前記アルカリ金属水酸化物は、例えば、強塩基性のアルカリ金属水酸化物であって、水酸化ナトリウム(NaOH)は、硫化水素ナトリウム(NaSH)と反応して水と硫化ナトリウム(NaS)を生成して、p−ジクロロベンゼン(p−dicholorobenzene)と反応することができる。
前記重合助剤は、重合反応を促進させることによって短時間内にポリフェニレンスルフィドの重合度を高めることができるものであって、一例として、有機酸金属塩、アルカリ金属塩化物、有機スルホン酸塩、及び硫酸アルカリ金属塩からなる群から選択された1種以上であってもよく、好ましくは、弱酸性の有機酸金属塩であってもよく、より好ましくは、酢酸ナトリウムであってもよい。
本記載において、弱酸性の有機酸金属塩は、有機酸金属塩が弱酸性であることを説明したものであって、弱酸性のものに限定するものではない。
硫黄供給源の一種である硫化水素ナトリウム(NaSH)1当量を基準として、強塩基性のアルカリ金属水酸化物として水酸化ナトリウム(NaOH)を0.8〜1.5当量、または1.0〜1.2当量の範囲で使用することができ、この範囲内で、ポリフェニレンスルフィドの粘度が向上する効果に優れる。
本記載において、強塩基性のアルカリ金属水酸化物は、アルカリ金属水酸化物が強塩基性であることを説明したものであって、強塩基性のものに限定するものではない。
本記載において、別に定義されない限り、弱酸性はpH5〜6を指し、強塩基性は、pH10以上を指す。
前記有機溶媒は、各原料を溶かすための極性溶媒であり得、一例として、アルコール、アルキレンオキシド、n−メチルピロリドン(NMP)及び多価アルコールから選択された1種以上であってもよい。具体例として、高温でアルカリに対して安定した非プロトン性極性有機溶媒である有機アミド溶媒を使用することが好ましく、より好ましくは、有機溶媒であるn−メチルピロリドン(NMP)を脱水以降の段階でジハロゲン化芳香族化合物と混合して使用することである。
前記有機溶媒は、蒸留水と混合溶媒として使用されることが、高い温度で反応器内の水と開環(ring−opening)反応してナトリウム4−(N−メチルアミノ)−ブタノアート(sodium 4−(N−methylamino)−butanoate)を形成することができ、これは、硫黄供給源を溶解させ、HS気体が発生する副反応を抑制できるので好ましく、硫黄供給源の一種である硫化水素ナトリウム(NaSH)1当量を基準として、有機溶媒を1.0〜5.0当量、または1.5〜2.0当量の範囲で使用し、そして、水を1.0〜15.0当量、または4.0〜10.0当量の範囲で使用することができる。
前記(a)ステップにおいて硫黄供給源(S)と重合助剤(WM)は、WM/Sの当量比が、一例として、0.05〜1.0、0.1〜0.8、または0.3〜0.5であってもよく、この範囲内で、粘度が向上する効果に優れる。
次に、(b)ステップにおいて、前記混合物から水を除去して残存混合物を得る。前記残存混合物は、一例として、水、硫黄供給源及びアルカリ金属水酸化物の反応によって生成されたものであり得る。
前記水を除去するために、前記混合物を130〜210℃の温度、150〜205℃の温度、180〜205℃の温度、あるいは180〜190℃の温度に昇温して攪拌することができる。前記範囲で、水と共に有機溶媒の一部が除去され、硫黄が特定含量以上残留することで、最終収得されるポリフェニレンスルフィドの高粘度を柔軟に制御できる残存混合物を得ることができる。
前記残存混合物は、一例として、有機溶媒70〜90重量%が残留することができる。
前記(b)ステップで得られた残存混合物をガスクロマトグラフィーで測定したHO/Sのモル比が1.0以上、あるいは1.5以上であってもよく、好ましくは1.7〜3.0、より好ましくは1.7〜2.5であってもよく、この範囲内で、反応に悪影響を及ぼさずに水の残留量を高めることで、結果的に、収得されるポリフェニレンスルフィドの高粘度を柔軟に高める効果を提供することができる。
次に、(c)ステップにおいて、前記残存混合物にジハロゲン化芳香族化合物及び有機溶媒を添加して重合する。
前記ジハロゲン化芳香族化合物は、様々な種類が選択されてもよく、一例として、p−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,2,4,5−テトラクロロベンゼン、ヘキサクロロベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロ−p−キシレン、1,4−ジブロモベンゼン、1,4−ジヨードベンゼン、及び1−メトキシ−2,5−ジクロロベンゼンからなるポリハロゲン化芳香族化合物から選択された1種以上であってもよく、このうち、ポリフェニレンスルフィドにハロゲン末端基、具体的には塩素末端基を導入し得るパラ−ジハロゲンベンゼンが好ましい。必要によっては、ジハロゲン化芳香族化合物を単独または2種以上混合して用いることができる。
前記ジハロゲン化芳香族化合物(DH)は、前述した(a)ステップで使用された硫黄供給源(S)との当量比(S/DH)が、一例として、0.80〜1.30、0.90〜1.10、あるいは0.95〜1.05であってもよく、この範囲内で、高粘度を付与するのに適した範囲内で十分なハロゲン末端置換基を提供することができる。
前記有機溶媒は、一例として、ジハロゲン化芳香族化合物の一種であるパラ−ジクロロベンゼン(p−DCB)0.99当量を基準として、0.5〜5.0当量、1.0〜2.0当量、または1.5〜2.0当量の範囲で使用することができる。
前記重合のために前記混合溶液を、一例として、200〜280℃の温度に昇温して攪拌することを含む。前記重合のために前記混合溶液を、一例として、200〜280℃の温度に昇温して攪拌することができ、必要によっては、200〜240℃の温度に昇温して反応させた後、240〜280℃の温度に昇温して多段階で攪拌することもできる。また、前記昇温後には蒸留水を、一例として、ジハロゲン化芳香族化合物の一種であるパラ−ジクロロベンゼン(p−DCB)0.99当量を基準として、1.0〜7.0当量、2.0〜6.0当量、または2.0〜4.0当量の範囲で添加して反応を急冷させ、相分離を起こしてポリフェニレンスルフィドを得ることができる。
前記(c)ステップで残存混合物にジハロゲン化芳香族化合物及び有機溶媒を投入した混合溶液において水と有機溶媒の量をガスクロマトグラフィーで分析したHO/有機溶媒のモル比が、0.5〜0.85、0.5〜0.80、0.5〜0.75、あるいは0.54〜0.68であってもよい。この範囲内で、有機溶媒の残留量を効果的に調節することで、有機相に含まれたポリフェニレンスルフィドの粘度を高める効果を提供することができる。
このような過程を通じて、先に固形分として得たポリフェニレンスルフィドを柔軟な高粘度で提供することができる。この段階で、次の化学式1の構造を有するポリフェニレンスルフィドを提供することができる:
Figure 2019522099
(ここで、nは、10以上の整数、あるいは10〜10000の整数である。)
前記化学式1中の主鎖は、一例として提示したもので、本発明に係るポリフェニレンスルフィド樹脂は、一例として、下記化学式2の構造を有する共重合単位体からなる群から選択された様々な主鎖構造を有するように具現することができる。
Figure 2019522099
前記式1のポリフェニレンスルフィドは、通常の精製、濾過工程を経て回収することができる。一例として、水と有機溶媒との混合液及び水で順次洗浄した後、濾過させ、90〜100℃で5〜20分間有機溶媒で洗浄し、濾過させ、0.1〜1重量%の酢酸水溶液で90〜120℃、または90〜100℃で洗浄し、濾過させた後、90〜100℃で5〜20分間水で数回洗浄した後、濾過させる工程を順次行うことができる。
また、本発明は、アドバンスドレオメトリックエクスパンションシステム(Advanced Rheometric Expansion System;ARES−G2)を用いて300℃及び0.1/sの条件下で測定した溶融粘度が、一例として、150〜15000Pa.S、300〜10000Pa.S、350〜7000Pa.S、450〜5000Pa.S、1000〜5000Pa.S、あるいは1000〜4500Pa.Sである高粘度のポリフェニレンスルフィドを提供する。
前記高粘度のポリフェニレンスルフィドは、0.1rad/sの溶融粘度値を用いて間接的に計算した分子量が、一例として、30,000g/mol以上、30,000〜100,000g/mol、30,000〜80,000g/mol、34,000〜70,000g/mol、40,000〜70,000g/mol、または50,000〜70,000g/molであってもよく、この範囲で、熱特性を具現するポリフェニレンスルフィドの円滑な加工性及び生産性を提供することができる。
前記高粘度のポリフェニレンスルフィドは、自動車、電気・電子または機械類における金属の代替品であり得る。
上述したように、本発明に係るポリフェニレンスルフィドの製造方法によれば、ポリフェニレンスルフィドの製造途中に反応あるいは物性に悪影響を及ぼさずに有機相と水性相との割合を調節することによって、高粘度のポリフェニレンスルフィドを柔軟に具現することができる。
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示するが、以下の実施例は、本発明を例示するものに過ぎず、本発明の範疇及び技術思想の範囲内で様々な変更及び修正が可能であることは当業者にとって明らかであり、このような変更及び修正が添付の特許請求の範囲に属することも当然である。
実施例1
(a)ステップとして、硫化水素ナトリウム(NaSH)と水酸化ナトリウム(NaOH)を当量比1:1.05の割合で混合して硫化ナトリウムを製造した。このとき、0.33当量の酢酸ナトリウム粉末、1.65当量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、及び4.72当量の蒸留水を反応器に添加した。
(b)ステップとして、前記反応器を150rpmで攪拌しながら、180℃まで1時間加熱して脱水し、残存混合物を収得した。このとき、ガスクロマトグラフィーで測定したHO/Sのモル比は2.34と計算された。
(c)ステップとして、温度を下げることなく、残存混合物に0.99当量のパラ−ジクロロベンゼン(p−DCB)と1.65当量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を反応器に添加して混合溶液を製造した。このとき、ガスクロマトグラフィーで測定したHO/NMPのモル比は0.80と計算された。
その後、前記混合溶液を230℃まで加熱して2時間反応させた後、250℃まで加熱して2時間反応させた後、3当量の蒸留水を添加して20分間攪拌した。
結果物を、蒸留水と有機溶媒との混合液及び蒸留水で順次洗浄した後、濾過させ、100℃で10分間有機溶媒で洗浄し、濾過させ、0.4%酢酸水溶液で120℃で洗浄し、濾過させた後、100℃で10分間蒸留水で濾過させる工程を順次行い、ポリフェニレンスルフィドを回収した。
実施例2
(a)ステップとして、硫化水素ナトリウム(NaSH)と水酸化ナトリウム(NaOH)を当量比1:1.05の割合で混合して硫化ナトリウムを製造した。このとき、0.44当量の酢酸ナトリウム粉末、1.65当量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、及び4.72当量の蒸留水を反応器に添加した。
(b)ステップとして、前記反応器を150rpmで攪拌しながら、180℃まで1時間加熱して脱水し、残存混合物を収得した。このとき、ガスクロマトグラフィーで測定したHO/Sのモル比は2.14と計算された。
(c)ステップとして、温度を下げることなく、残存混合物に0.99当量のパラ−ジクロロベンゼン(p−DCB)と1.65当量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を反応器に添加して混合溶液を製造した。このとき、ガスクロマトグラフィーで測定したHO/NMPのモル比は0.72と計算された。
その後、前記混合溶液を230℃まで加熱して2時間反応させた後、250℃まで加熱して2時間反応させた後、3当量の蒸留水を添加して20分間攪拌した。
結果物を、蒸留水と有機溶媒との混合液及び蒸留水で順次洗浄した後、濾過させ、100℃で10分間有機溶媒で洗浄し、濾過させ、0.4%酢酸水溶液で120℃で洗浄し、濾過させた後、100℃で10分間蒸留水で濾過させる工程を順次行い、ポリフェニレンスルフィドを回収した。
実施例3
(a)ステップとして、硫化水素ナトリウム(NaSH)と水酸化ナトリウム(NaOH)を当量比1:1.05の割合で混合して硫化ナトリウムを製造した。このとき、0.44当量の酢酸ナトリウム粉末、1.65当量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、及び4.72当量の蒸留水を反応器に添加した。
(b)ステップとして、前記反応器を150rpmで攪拌しながら、180℃まで1時間加熱して脱水し、残存混合物を収得した。このとき、ガスクロマトグラフィーで測定したHO/Sのモル比は2.34と計算された。
(c)ステップとして、温度を下げることなく、残存混合物に0.99当量のパラ−ジクロロベンゼン(p−DCB)と1.65当量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を反応器に添加して混合溶液を製造した。このとき、ガスクロマトグラフィーで測定したHO/NMPのモル比は0.85と計算された。
その後、前記混合溶液を230℃まで加熱して2時間反応させた後、250℃まで加熱して2時間反応させた後、3当量の蒸留水を添加して20分間攪拌した。
結果物を、蒸留水と有機溶媒との混合液及び蒸留水で順次洗浄した後、濾過させ、100℃で10分間有機溶媒で洗浄し、濾過させ、0.4%酢酸水溶液で120℃で洗浄し、濾過させた後、100℃で10分間蒸留水で濾過させる工程を順次行い、ポリフェニレンスルフィドを回収した。
実施例4
(a)ステップとして、硫化水素ナトリウム(NaSH)と水酸化ナトリウム(NaOH)を当量比1:1.05の割合で混合して硫化ナトリウムを製造した。このとき、0.44当量の酢酸ナトリウム粉末、1.65当量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、及び4.72当量の蒸留水を反応器に添加した。
(b)ステップとして、前記反応器を150rpmで攪拌しながら、180℃まで1時間加熱して脱水し、残存混合物を収得した。このとき、ガスクロマトグラフィーで測定したHO/Sのモル比は1.94と計算された。
(c)ステップとして、温度を下げることなく、残存混合物に0.99当量のパラ−ジクロロベンゼン(p−DCB)と1.65当量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を反応器に添加して混合溶液を製造した。このとき、ガスクロマトグラフィーで測定したHO/NMPのモル比は0.68と計算された。
その後、前記混合溶液を230℃まで加熱して2時間反応させた後、250℃まで加熱して2時間反応させた後、3当量の蒸留水を添加して20分間攪拌した。
結果物を、蒸留水と有機溶媒との混合液及び蒸留水で順次洗浄した後、濾過させ、100℃で10分間有機溶媒で洗浄し、濾過させ、0.4%酢酸水溶液で120℃で洗浄し、濾過させた後、100℃で10分間蒸留水で濾過させる工程を順次行い、ポリフェニレンスルフィドを回収した。
実施例5
(a)ステップとして、硫化水素ナトリウム(NaSH)と水酸化ナトリウム(NaOH)を当量比1:1.05の割合で混合して硫化ナトリウムを製造した。このとき、0.44当量の酢酸ナトリウム粉末、1.65当量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、及び4.72当量の蒸留水を反応器に添加した。
(b)ステップとして、前記反応器を150rpmで攪拌しながら、205℃まで1時間加熱して脱水し、残存混合物を収得した。このとき、ガスクロマトグラフィーで測定したHO/Sのモル比は1.75と計算された。
(c)ステップとして、温度を下げることなく、残存混合物に0.99当量のパラ−ジクロロベンゼン(p−DCB)と2.00当量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を反応器に添加して混合溶液を製造した。このとき、ガスクロマトグラフィーで測定したHO/NMPのモル比は0.54と計算された。
その後、前記混合溶液を230℃まで加熱して2時間反応させた後、250℃まで加熱して2時間反応させた後、3当量の蒸留水を添加して20分間攪拌した。
結果物を、蒸留水と有機溶媒との混合液及び蒸留水で順次洗浄した後、濾過させ、100℃で10分間有機溶媒で洗浄し、濾過させ、0.4%酢酸水溶液で120℃で洗浄し、濾過させた後、100℃で10分間蒸留水で濾過させる工程を順次行い、ポリフェニレンスルフィドを回収した。
比較例1
(a)ステップとして、70%硫化水素ナトリウム(NaSH)と水酸化ナトリウム(NaOH)を当量比1:1.05の割合で混合して硫化ナトリウムを製造した。このとき、0.33当量の酢酸ナトリウム粉末、1.65当量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、及び4.72当量の蒸留水を反応器に添加した。
(b)ステップとして、前記反応器を150rpmで攪拌しながら、180℃まで1時間加熱して脱水し、残存混合物を収得した。このとき、ガスクロマトグラフィーで測定したHO/Sのモル比は2.69と計算された。
(c)ステップとして、温度を下げることなく、残存混合物に1.08当量のパラ−ジクロロベンゼン(p−DCB)と1.65当量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を反応器に添加して混合溶液を製造した。このとき、ガスクロマトグラフィーで測定したHO/NMPのモル比は0.99と計算された。
その後、前記混合溶液を230℃まで加熱して2時間反応させた後、250℃まで加熱して2時間反応させた後、3当量の蒸留水を添加して20分間攪拌した。
結果物を、蒸留水と有機溶媒との混合液及び蒸留水で順次洗浄した後、濾過させ、100℃で10分間有機溶媒で洗浄し、濾過させ、0.4%酢酸水溶液で120℃で洗浄し、濾過させた後、100℃で10分間蒸留水で濾過させる工程を順次行い、ポリフェニレンスルフィドを回収した。
比較例2
(a)ステップとして、70%硫化水素ナトリウム(NaSH)と水酸化ナトリウム(NaOH)を当量比1:1.05の割合で混合して硫化ナトリウムを製造した。このとき、0.33当量の酢酸ナトリウム粉末、1.65当量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、及び4.72当量の蒸留水を反応器に添加した。
(b)ステップとして、前記反応器を150rpmで攪拌しながら、180℃まで1時間加熱して脱水し、残存混合物を収得した。このとき、ガスクロマトグラフィーで測定したHO/Sのモル比は2.56と計算された。
(c)ステップとして、温度を下げることなく、残存混合物に0.99当量のパラ−ジクロロベンゼン(p−DCB)と1.35当量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を反応器に添加して混合溶液を製造した。このとき、ガスクロマトグラフィーで測定したHO/NMPのモル比は0.96と計算された。
その後、前記混合溶液を230℃まで加熱して2時間反応させた後、250℃まで加熱して2時間反応させた後、3当量の蒸留水を添加して20分間攪拌した。
結果物を、蒸留水と有機溶媒との混合液及び蒸留水で順次洗浄した後、濾過させ、100℃で10分間有機溶媒で洗浄し、濾過させ、0.4%酢酸水溶液で120℃で洗浄し、濾過させた後、100℃で10分間蒸留水で濾過させる工程を順次行い、ポリフェニレンスルフィドを回収した。
比較例3
(a)ステップとして、70%硫化水素ナトリウム(NaSH)と水酸化ナトリウム(NaOH)を当量比1:1.05の割合で混合して硫化ナトリウムを製造した。このとき、0.44当量の酢酸ナトリウム粉末、1.65当量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、及び4.72当量の蒸留水を反応器に添加した。
(b)ステップとして、前記反応器を150rpmで攪拌しながら、205℃まで1時間加熱して脱水し、残存混合物を収得した。このとき、ガスクロマトグラフィーで測定したHO/Sのモル比は1.78と計算された。
(c)ステップとして、温度を下げることなく、残存混合物に0.99当量のパラ−ジクロロベンゼン(p−DCB)と3.00当量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を反応器に添加して混合溶液を製造した。このとき、ガスクロマトグラフィーで測定したHO/NMPのモル比は0.42と計算された。
その後、前記混合溶液を230℃まで加熱して2時間反応させた後、250℃まで加熱して2時間反応させた後、3当量の蒸留水を添加して20分間攪拌した。
結果物を、蒸留水と有機溶媒との混合液及び蒸留水で順次洗浄した後、濾過させたが、ポリフェニレンスルフィド粒子を得ることができなかった。
比較例4
(a)ステップとして、70%硫化水素ナトリウム(NaSH)と水酸化ナトリウム(NaOH)を当量比1:1.05の割合で混合して硫化ナトリウムを製造した。このとき、0.33当量の酢酸ナトリウム粉末、1.65当量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、及び4.72当量の蒸留水を反応器に添加した。
(b)ステップとして、前記反応器を150rpmで攪拌しながら、180℃まで1時間加熱して脱水し、残存混合物を収得した。このとき、ガスクロマトグラフィーで測定したHO/Sのモル比は2.40と計算された。
(c)ステップとして、温度を下げることなく、残存混合物に0.99当量のパラ−ジクロロベンゼン(p−DCB)と1.35当量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を反応器に添加して混合溶液を製造した。このとき、ガスクロマトグラフィーで測定したHO/NMPのモル比は0.91と計算された。
その後、前記混合溶液を230℃まで加熱して2時間反応させた後、250℃まで加熱して2時間反応させた後、3当量の蒸留水を添加して20分間攪拌した。
結果物を、蒸留水と有機溶媒との混合液及び蒸留水で順次洗浄した後、濾過させ、100℃で10分間有機溶媒で洗浄し、濾過させ、0.4%酢酸水溶液で120℃で洗浄し、濾過させた後、100℃で10分間蒸留水で濾過させる工程を順次行い、ポリフェニレンスルフィドを回収した。
[試験例]
前記実施例1〜5及び比較例1〜4で収得したポリフェニレンスルフィドの物性を、下記の方法で測定し、その結果を下記の表1に示す。
測定方法
*溶融粘度(Melt Viscosity、Pa.S):ARES−G2(Advanced Rhoeometric Expansion System)を使用して各ポリフェニレンスルフィド樹脂を平衡プレートに載置し、frequency sweeping方式を用いてAngular frequencyを0.1から100rad/sまで変化させながら300℃で測定した。
*分子量:分子量は、MVの大きさと比例するので、0.1rad/sの溶融粘度値を用いて間接的に高分子の分子量を測定した。
分子量=10^((LOG(溶融粘度値)+12.20468)/3.48067)
*曲げ強度(Flexural Strength、MPa)及び引張強度(Tensile Strength、MPa):曲げ強度及び引張強度を測定するために、曲げ強度試片は、ISO FLEX BARの形状に作製し、引張強度試片は、ASTM D638の形状に作製した。このように作製された試片は、Zwick社の万能試験機(Universal Testing Machine、UTM)を用いて7回測定し、最も高い値及び最も低い値を除いた後、平均を出した。
Figure 2019522099
前記表1に示したように、本発明に係る実施例1〜5は、溶融粘度、分子量、及び曲げ強度と引張強度などの機械的物性が向上したことが確認できた。
特に、本発明に係る実施例2、4、5の場合、溶融粘度が1000〜4010Pa.Sの範囲内に急激に上昇することが確認できた。
反面、本発明の脱水条件を外れた、すなわち、HO/有機溶媒のモル比が0.85を超える比較例1、2及び4は、溶融粘度が150Pa.S以下に急激に低減し、これによって、分子量が30,000g/mol以下となった。これは、重合反応器の内部で水の量が過度に多いときに現れる現象であった。
また、本発明の脱水条件を外れた、すなわち、HO/有機溶媒のモル比が0.50未満である比較例3は、ポリフェニレンスルフィド粒子を得ることができなかった。これは、重合反応器の内部で水の量が少ないときに現れる現象であった。
下記の図1は、本発明の方法により製造されたポリフェニレンスルフィド及び従来の方法により製造されたポリフェニレンスルフィドにおいて、方法中の(c)ステップでのHO/有機溶媒(mol/mol)対溶融粘度(MV、Angular frequency 0.1rad/s、300、Pa.S)の散布図を示したグラフである。
下記の図1の結果から、本発明の実施例1〜5はいずれも、HO/有機溶媒(mol/mol)に対して比例関係が明確に見える反面、比較例1、2及び4は、HO/有機溶媒(mol/mol)に対する溶融粘度の差が見えず、これは、本発明が、脱水条件を制御して有機相と水性相の割合が調節されたためであると確認できた。
したがって、本発明のポリフェニレンスルフィドの製造方法及びそれから製造された高粘度のポリフェニレンスルフィドは、脱水条件を制御して有機相と水性相の割合を調節することによって、ポリフェニレンスルフィドの製造途中に反応あるいは物性に悪影響を及ぼさずに高粘度を柔軟に具現できることが確認できた。

Claims (13)

  1. (a)硫黄供給源、アルカリ金属水酸化物、重合助剤、有機溶媒及び水の混合物を形成するステップと、
    (b)前記混合物を攪拌しながら加熱して残存混合物を得るステップと、
    (c)前記残存混合物にジハロゲン化芳香族化合物及び有機溶媒を投入した混合溶液を重合反応させるステップとを含み、
    前記(c)ステップにおいて、前記混合溶液は、水と有機溶媒とのモル比(HO/有機溶媒)が0.5〜0.85であることを特徴とする、ポリフェニレンスルフィドの製造方法。
  2. 前記硫黄供給源は、硫酸水素ナトリウム、硫化ナトリウム、及び硫化カリウムから選択された1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載のポリフェニレンスルフィドの製造方法。
  3. 前記重合助剤は、有機酸金属塩、アルカリ金属塩化物、有機スルホン酸塩、及び硫酸アルカリ金属塩からなる群から選択された1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載のポリフェニレンスルフィドの製造方法。
  4. 前記有機溶媒は、アルコール、アルキレンオキシド、N−メチルピロリドン、及び多価アルコールから選択された1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載のポリフェニレンスルフィドの製造方法。
  5. 前記(b)ステップで水を除去するために、前記混合物を130〜210℃の温度に昇温して攪拌することを特徴とする、請求項1に記載のポリフェニレンスルフィドの製造方法。
  6. 前記ジハロゲン化芳香族化合物は、p−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,2,4,5−テトラクロロベンゼン、ヘキサクロロベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロ−p−キシレン、1,4−ジブロモベンゼン、1,4−ジヨードベンゼン、及び1−メトキシ−2,5−ジクロロベンゼンからなるポリハロゲン化芳香族化合物から選択された1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載のポリフェニレンスルフィドの製造方法。
  7. 前記(a)ステップでの硫黄供給源(S)と(c)ステップのジハロゲン化芳香族化合物(DH)は、S/DHの当量比が0.80〜1.30であることを特徴とする、請求項1に記載のポリフェニレンスルフィドの製造方法。
  8. 前記(a)ステップにおいて硫黄供給源(S)と重合助剤(WM)は、WM/Sの当量比が0.05〜1.0であることを特徴とする、請求項1に記載のポリフェニレンスルフィドの製造方法。
  9. 前記(b)ステップで得られた残存混合物をガスクロマトグラフィーで測定した水と硫黄とのモル比(HO/S)が1.5以上であることを特徴とする、請求項1に記載のポリフェニレンスルフィドの製造方法。
  10. 前記(c)ステップにおいて、重合のために前記混合溶液を200〜280℃の温度に昇温して攪拌することを特徴とする、請求項1に記載のポリフェニレンスルフィドの製造方法。
  11. アドバンスドレオメトリックエクスパンションシステム(Advanced Rheometric Expansion System;ARES−G2)で測定した溶融粘度が150〜15000Pa.Sであることを特徴とする、高粘度のポリフェニレンスルフィド。
  12. 前記高粘度のポリフェニレンスルフィドは、0.1rad/sの溶融粘度値を用いて測定した分子量が30,000g/mol以上であることを特徴とする、請求項11に記載の高粘度のポリフェニレンスルフィド。
  13. 前記高粘度のポリフェニレンスルフィドは、自動車、電気・電子または機械類においてダイカスト金属の代替品材料として使用されることを特徴とする、請求項11に記載の高粘度のポリフェニレンスルフィド。
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