JP2019509963A - 高分子硫黄の製造方法 - Google Patents

高分子硫黄の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019509963A
JP2019509963A JP2018545956A JP2018545956A JP2019509963A JP 2019509963 A JP2019509963 A JP 2019509963A JP 2018545956 A JP2018545956 A JP 2018545956A JP 2018545956 A JP2018545956 A JP 2018545956A JP 2019509963 A JP2019509963 A JP 2019509963A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sulfur
polymer
metal
mixture
solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2018545956A
Other languages
English (en)
Inventor
ドナルド バーニッキ スコット
ドナルド バーニッキ スコット
トーマス ヘンブル ロバート
トーマス ヘンブル ロバート
リチャード ラニンガム マイケル
リチャード ラニンガム マイケル
チャクラボルティ スミット
チャクラボルティ スミット
ブハミディ ベンカテスワルル
ブハミディ ベンカテスワルル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eastman Chemical Co
Original Assignee
Eastman Chemical Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eastman Chemical Co filed Critical Eastman Chemical Co
Publication of JP2019509963A publication Critical patent/JP2019509963A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B17/00Sulfur; Compounds thereof
    • C01B17/02Preparation of sulfur; Purification
    • C01B17/0253Preparation of sulfur; Purification from non-gaseous sulfur compounds other than sulfides or materials containing such sulfides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B17/00Sulfur; Compounds thereof
    • C01B17/02Preparation of sulfur; Purification
    • C01B17/0243Other after-treatment of sulfur
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B17/00Sulfur; Compounds thereof
    • C01B17/02Preparation of sulfur; Purification
    • C01B17/12Insoluble sulfur (mu-sulfur)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D341/00Heterocyclic compounds containing rings having three or more sulfur atoms as the only ring hetero atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F3/00Compounds containing elements of Groups 2 or 12 of the Periodic Table
    • C07F3/06Zinc compounds

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)

Abstract

本発明は、高分子硫黄の製造方法に関する。この方法は、金属硫黄誘導体を酸化剤と反応させて、高分子硫黄を生成させることを含む。

Description

関連出願への相互参照
本願は、2016年3月2日に出願された米国特許仮出願第62/302213号明細書(参照によりこの開示のすべてを本明細書中に取り込む)の優先権を主張する。
本発明は、概して、高分子硫黄の製造方法に関する。
高分子硫黄(多くの場合、シクロオクタ硫黄と比較して、二硫化炭素中のその極度に低い溶解度のために、「不溶性硫黄」と呼ばれる)および硫黄含有部分からのその合成のための経路は文献中に記載されてきた。例えば、また本明細書中においてポリマーと呼ばれる、高分子硫黄は、約140℃未満の温度における約0.30wt%以下から200〜300℃の間での最大約40wt%までの範囲の平衡温度に依存して、濃度で熱的に平衡した硫黄同素体混合物中に存在することが知られている(Steudel,R.;Strauss,R.;Koch,L.,“Quantitative HPLC Analysis and Thermodynamics of Sulfur Melts”,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,24(1),1985,pp.59−60を参照のこと)。
多数の米国特許は、ポリマー合成のための方法を記載する(例えば、Belchetzの米国特許第2,419,309号明細書;Belchetzの米国特許第2,419,310号明細書;Schallisの米国特許第2,513,524号明細書;およびRossらの米国特許第2,534,063号明細書を参照のこと)。これらすべては、20〜40wt%の高分子硫黄、シクロオクタ硫黄、および他の環状硫黄同素体を含む平衡混合物を形成する高温(概して約400℃超)において硫黄を蒸発させ、そして次に低温(概して60℃未満)で溶媒、例えば、二硫化炭素中の平衡混合物を急速に冷却して、粗ポリマー含有混合物を生成させることを含む。次にポリマー含有混合物は、典型的には、溶媒、例えば二硫化炭素で抽出されて、可溶性硫黄不純物、例えばシクロオクタ硫黄を除く。急冷および抽出後に、高分子硫黄は最初非晶質であるが、溶媒中にある微結晶形態に転化する傾向がある。
ポリマーを製造するための従来技術の方法はすべて1つまたは2つ以上の欠点、例えば、低い歩留まり、危険な溶媒(例えば二硫化炭素)の使用を必要とし、および熱的ポリマー生成に必要な高温およびポリマーの生成を続けるために必要な急速な低温冷却による非常に高いエネルギーの消費を有する複数の回旋状の製造ステップに苦しんでいた。したがって、商業的実施のための工業の基準を満たす環状硫黄同素体の製造のための低エネルギー、高収率、安全、および費用効率が高い方法への継続したニーズが存在する。
本発明は、高分子硫黄(本明細書中において、また「ポリマー」と呼ばれる)の製造のための方法に関する。この方法は、反応区間中の金属硫黄誘導体を酸化剤と反応させて、高分子硫黄を含むポリマー含有反応混合物を生成させることを含む。この方法は、好ましくは、ポリマー含有反応混合物からポリマーを単離することをさらに含む。本発明の方法は、加硫処理物品を生成するのに使用するための加硫処理組成物において有用である高分子硫黄の製造に特に有用である。
適用のさらなる形態および領域は、本明細書中に提供する説明から明白になるだろう。明細および特定の実施例は例示するだけの目的を意図し、本発明の精神および範囲を限定することを意図しないことは理解されるべきである。
本明細書で使用する場合、次の用語または句は以下の通りに定義される:
「高分子硫黄」または「硫黄ポリマー」または単に「ポリマー」は、硫黄原子の鎖状高分子と、S硫黄原子の非常に大きい同素環状環(例えば、式中、nは、約24超、または約30超、または約50超であり、すなわち、n>24、30、または50である)との混合物を含む硫黄化合物を意味する。
「環状硫黄同素体」は、硫黄原子の同素環によって特徴付けられる硫黄化合物を意味する。
「シクロドデカ硫黄」は、本明細書においてS12とも呼ばれ、同素環中に12個の硫黄原子を有する環状硫黄同素体を意味する。
「金属硫黄誘導体」は、少なくとも2:1(S:M≧2.0)の金属原子に対する硫黄の比を有する二価の硫黄(S)原子と金属(M)原子とを含有する化合物を意味する。このような誘導体の明確な構造単位は以下のように表すことができる:
式中、金属原子(M)は二価または多価であり、硫黄原子(S)は二価でありn≧0の鎖を形成する。化合物は直鎖または分岐鎖であり、環状、多環状、オリゴマーまたは高分子であってよく、他の元素、配位子、金属原子と結合または配位したカチオンまたはアニオン(内圏または外圏)を含むことができるが、これに限定されない。
「メタラシクロスルファン」は、硫黄および金属原子、好ましくは、少なくとも2個の硫黄原子および1個以上の金属原子を有する硫黄および金属原子のみを含有する少なくとも1つの環状構造の特徴を有する金属硫黄誘導体を意味する。
「硫黄鋳型剤(単数)」または「硫黄鋳型剤(複数)」は、元素状硫黄と反応させた場合に金属硫黄誘導体を生成する化合物、または化合物と元素との組合せを意味する。
「酸化剤」は、(i)金属硫黄誘導体により還元され、(ii)金属硫黄誘導体中に含有される硫黄の遊離を促進し、(iii)この組成物から方法で生成される高分子硫黄に硫黄を添加できるかまたはできない薬剤を意味する。
「擬ハロゲン」は、ハロゲンと類似した特性および反応性プロファイルを有する分子または官能基を意味する(例えば、Inorganic Chemistry by Duward Shriver,P.W.Atkins and Cooper Langford,W.H.Freeman & Co.,1990,pp407−408参照)。
本発明は、本明細書中に記載されたように高分子硫黄を製造のための方法である。類似の方法は、環状硫黄同素体(ここで、同素体の同素環状環中の硫黄(S)原子の数は、10、12、15、18、20および24、および特にシクロドデカ硫黄からなる群から選択される)の製造に使用されることができ、そのための方法は、本願とともに出願され、共通の譲受人を有する同時係属中の出願中に開示されおよび請求項に記載されている。本発明の方法は、金属硫黄誘導体を酸化剤と反応させることを含む。好適な金属硫黄誘導体は、式:
(式中、
Lは、x>1の場合に同一であるか相違することができる、単座または多座の配位子種であり、
Xは、配位子種Lの合計数であり、かつ、0〜6(両端を含む)であり;
Mは、金属原子であり;
yは、金属原子の合計数でありかつ1〜4(両端を含む)であり;
Sは、硫黄原子であり;
zは、硫黄原子の数でありかつ1〜12(両端を含む)であり;
uは、金属硫黄誘導体の電荷を表しかつ−6〜+6(両端を含む)であることができ;
vは、オリゴマー構造またはポリマー構造における金属硫黄誘導体単位の数であり;
Iは、イオン性原子またはイオン性基でありかつカチオン性またはアニオン性であることができ;および、
wは、必要に応じて中性に電荷を提供する、カチオン性またはアニオン性原子または基の数である)
によって特徴付けられる。
配位子種は単座でもよく、多座でもよく、帯電していてもよく、中性でもよい。好適な配位子種はまた、シクロペンタジエニルもしくは置換シクロペンタジエニル環;第一級、第二級、および第三級アルキルもしくはアリール直鎖もしくは環状アミンなどのアミンであり、エチレンジアミンおよびエチレントリアミンなどのジアミンもしくはトリアミンもしくは他のポリアミンおよびこれらの誘導体、ピペリジンおよび誘導体、ならびにピロリジンおよび誘導体;またはピリジンおよびピリジン誘導体もしくはイミダゾールおよびイミダゾール誘導体などの複素環式誘導体であることができる。好適なアミンとしては、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、テトラエチルエチレンジアミン、テトラプロピルエチレンジアミン、テトラブチルエチレンジアミンなどのテトラアルキルエチレンジアミン;ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)などのジエチレントリアミンおよび誘導体;ビピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)、ピコリン類、ルチジン類、キヌクリジン類などのピリジンおよびピリジン誘導体;N−メチルイミダゾール、N−エチルイミダゾール、N−プロピルイミダゾール、およびN−ブチルイミダゾールなどのイミダゾールおよびイミダゾール誘導体が挙げられるが、これに限定されない。
上記置換基Mのための好適な金属としては、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、コバルト、モリブデン、マンガン、クロム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、カドミウム、水銀;およびロジウム、白金、パラジウム、金、銀、およびイリジウムなどの貴金属および希土類金属が挙げられる。好ましい金属は亜鉛である。
本発明の方法に特に好適な金属硫黄誘導体は、メタラシクロスルファンである。好ましいメタラシクロスルファンとしては、A、B、CおよびDとして以下に示すものが挙げられる。他の金属硫黄誘導体は、オリゴマー種またはポリマー種であり、下記Eに示したように直鎖であってよく、分岐点としての役割を果たす金属原子を有する下記Fに示すように分岐していてもよい。
金属硫黄誘導体は、帯電した配位子種を含有してもよい。例えば、シクロドデカ硫黄化合物の生成に好適な金属硫黄誘導体を下記に示す:
これは、2つのメタラシクロスルファン環内の亜鉛と結合した硫黄原子のみ、および金属硫黄誘導体の二価アニオン電荷を中和する2つのテトラフェニルホスホニウムイオン基を含有する。
配位子を含有する関連する金属硫黄誘導体を下記に示す:
この場合、亜鉛と配位したTMEDA配位子は、ヘキサスルフィド二価アニオンを置換し、したがって、金属硫黄誘導体はアニオンではなく、中性である。
本発明の方法に好ましい分類のメタラシクロスルファンは、Nドナー亜鉛錯体を含有するものである。このような錯体は、本明細書においてシクロオクタ硫黄またはSとも呼ばれる元素状硫黄を、下記により詳細に記載するように、ドナーアミン、ジアミンもしくはポリアミン鋳型剤からなる、または含有する溶媒中で金属亜鉛と反応させることにより生成される。Nドナー亜鉛シクロスルファンの例としては、(TMEDA)Zn(S)、(DMAP)Zn(S)、(ピリジン)Zn(S)、(メチルイミダゾール)Zn(S)、(キヌクリジン)Zn(S)、(PMDETA)Zn(S)、および(ビピリジン)Zn(S)が挙げられる。亜鉛錯体、(TMEDA)Zn(S)は、本発明の方法において特に好ましいメタラシクロスルファンであり、シクロオクタ硫黄、テトラメチルエチレンジアミンおよび亜鉛の反応により生成することができる。本発明者らは、このメタラシクロスルファン生成反応が水の存在下で最良に行われ、例14のように、水の添加により、低グレードのTMEDAを用いてすら高収率かつ高純度で(TMEDA)Zn(S)錯体を一貫して生成することを見出した。
米国特許第6420581号明細書(参照によりこの開示のすべてを本明細書中に取り込む)は、本発明に従った使用に好適な亜鉛ヘキサスルフィドアミン錯体の製造方法に関する。これらの方法は、高温で亜鉛、硫黄およびモル過剰のアミンを反応させて亜鉛ヘキサスルフィドアミン錯体および過剰アミンを含む反応混合物を得ることを含む。亜鉛ヘキサスルフィドアミン錯体がほとんど可溶でない第一溶媒を添加して反応混合物のスラリーを得る。亜鉛ヘキサスルフィドアミン錯体はその後の分離工程で回収することができる。
本発明の方法のための別の好ましいクラスのメタラシクロスルファンは、金属、例えば、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、またはニッケル、すなわち、CpM(S)のメタロセン錯体を含むものである。多くの遷移金属または典型金属を有する他のメタラシクロスルファンは、有用であり、および公知である(Takeda,N;Tokitoh,N.;Okazaki,R.“Polysulfido Complexes of Main Group and Transition Metals”Topics in Current Chemistry,231,2003,pp153−202を参照のこと)。Takedaらの例は、上記に記載した好ましいメタラシクロスルファンのタイプ(A、B、およびC)の具体的な説明である。金属および種々のメタラスルファンの構造的なタイプのこの範囲は、適した金属硫黄誘導体の例としてとして本明細書中に含まれる。多くの異なる金属および配位子のタイプはまた、(A〜Fのような)関連した金属硫黄構造とともに錯体、オリゴマーまたはポリマーに取り込まれ、およびこれらは制限なく、本発明の範囲内に取り込まれる。本発明の方法の金属硫黄誘導体は、元素状硫黄を硫黄鋳型剤と反応させることにより生成させることができる。したがって、好ましい態様では、本発明の方法は、金属硫黄誘導体を酸化剤と反応させるステップ前に、元素状硫黄を硫黄鋳型剤と反応させて金属硫黄誘導体を生成させるステップを含む。
本発明の方法のこの態様で使用するための好適な硫黄鋳型剤としては、式:

(式中、
Lは、x>1の場合に同一であるか相違することができる、単座または多座の配位子種であり;
xは、配位子種Lの合計数でありかつ1〜6(両端を含む)であり;
Mは、金属原子であり;および
yは、金属原子の合計数でありかつ1〜4(両端を含む)である)
によって特徴付けられるものを含む。
配位子種は単座でもよく、多座でもよい。好適な配位子種は、シクロペンタジエニルもしくは置換シクロペンタジエニル環;第一級、第二級、および第三級アルキルもしくはアリール直鎖もしくは環状アミンなどのアミンであることができ、エチレンジアミンおよびエチレントリアミンなどのジアミンもしくはトリアミンもしくは他のポリアミンおよびこれらの誘導体、ピペリジンおよび誘導体、ならびにピロリジンおよび誘導体;またはピリジンおよびピリジン誘導体もしくはイミダゾールおよびイミダゾール誘導体などの複素環式誘導体であることができる。
好適なアミンとしては、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、テトラエチルエチレンジアミン、テトラプロピルエチレンジアミン、テトラブチルエチレンジアミンなどのテトラアルキルエチレンジアミン;ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)などのジエチレン−トリアミンおよび誘導体;ビピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)、ピコリン類、ルチジン類、キヌクリジン類などのピリジンおよびピリジン誘導体;N−メチルイミダゾール、N−エチルイミダゾール、N−プロピルイミダゾール、およびN−ブチルイミダゾールなどのイミダゾールおよびイミダゾール誘導体が挙げられるが、これに限定されない。
上記置換基Mのための好適な金属としては、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、コバルト、モリブデン、マンガン、クロム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、カドミウム、水銀;およびロジウム、白金、パラジウム、金、銀、およびイリジウムなどの貴金属および希土類金属が挙げられる。好ましい金属は亜鉛である。
本発明の方法では、上記金属硫黄誘導体を酸化剤と反応させる。適切な酸化剤は、金属硫黄誘導体により還元される任意の薬剤であり、金属硫黄誘導体に含有される硫黄の遊離を促進する。加えて、酸化剤は、この組成物から方法で生成される高分子硫黄に硫黄を添加できるかまたはできない。したがって、一つの形態では、酸化剤からの硫黄原子は高分子硫黄に加えられ、一方別の形態では、酸化剤中のいずれの硫黄原子も生成された高分子硫黄に加えられない。
好適な酸化剤の非限定的例としては、式:
X−X’
(式中、XおよびX’は、同一であるかまたは相違し、そしてハロゲンおよび擬ハロゲンからなる群から選択される)のものが挙げられる。好ましくは、XおよびX’は、両方塩素または臭素のいずれかであり、したがって、本発明の方法のための酸化剤は分子状臭素(Br)または分子状塩素(Cl)のいずれかである。XおよびX’は、シアン化物、チオシアン化物、硫酸化物、チオ硫酸化物、スルホン酸化物またはチオスルホン酸化物などの擬ハロゲン基であってもよい。擬ハロゲン基がシアン化物またはチオシアン化物である態様では、酸化剤X−X’は、それぞれ、ジシアノーゲンまたはジチオシアノーゲンであろう。擬ハロゲン基が硫酸化物、チオ硫酸化、スルホン酸化物またはチオスルホン酸化物である別の態様では、対応する過硫酸化物または過チオ硫酸化物は、製造される高分子硫黄に硫黄原子を通常転移しないことは理解されるだろうが、一つの形態では、本発明はその可能性を除外しない。
別の好適な酸化剤は分子状酸素(O)である。分子状酸素が酸化剤である場合、上記XおよびX’は、酸素原子である。酸化剤が分子状酸素である態様では、分子状酸素は、酸化剤が分子状酸素および触媒を含むことができるように、金属硫黄誘導体の硫黄から酸化体への電子移動速度を促進および/または加速する触媒を添加する必要があることがあるか、または必要でないことがある。このような触媒は金属類または金属錯体類である場合があり、このような錯体の例としてはFe(II)錯体が挙げられるが、マンガン、バナジウム、モリブデンおよび銅などの他の金属も一般的である。分子状酸素と組み合わせて、金属硫黄誘導体の所望の酸化を引き起こす物質はいずれも、本明細書に記載の触媒の範囲内である。
本発明の方法のための酸化剤が好適な化学化合物に関連して前述されているが、概して、電気化学的に生成した酸化体が酸化剤としての機能を果たすことができ、したがって、本発明の方法において有用な酸化剤であり得ることは、当業者により理解されるだろう。例えば、過酸化水素、アルキルおよびアシル過酸化物、ハロゲン原子基(radicals)、およびCe(IV)およびIr(V)などの高酸化状態金属中心酸化体などが挙げられる。金属硫黄誘導体のアノード酸化は、アノードにおいて触媒を含み、容易で選択的酸化を可能とすることができる。このような種は、本発明の方法のための酸化剤として分子状酸素と組み合わせて、または同時に使用してもよい。
しかし、他の適した酸化剤は、スルフリルハライド(sulfuryl halide)、例えばSOClおよびSOBr;およびハロスルフィド、例えばSClおよびSBr(式中、nは1以上である)である。後者の例は、SCl、SCl、SBr、SBr、およびその同類のものを含む。これらの酸化剤のいくつかは、有用な本発明による有用な他のいくつかと類似せずに、生成される高分子硫黄に硫黄原子を与えられる。
本発明の方法では、酸化剤の金属硫黄誘導体に対する化学量論は、金属硫黄誘導体の組成および構造に依存し得る。本発明の方法の1つの態様では、酸化剤の金属硫黄誘導体に対する化学量論比は、酸化剤(X−X’)の1当量が金属硫黄誘導体中の2つのM−S結合毎に存在するように選択される。例えば、高分子硫黄の製造のため、金属硫黄誘導体が3個の硫黄原子毎に1つの金属−硫黄結合を有する場合、酸化剤(X−X’)の1当量は硫黄6当量と同等の金属硫黄誘導体の重量と組み合わせされる。金属硫黄誘導体に対する酸化剤の好適な比の例としては:Br 1モルに対して(TMEDA)Zn(S) 1モル;Cl 1モルに対して(TMEDA)Zn(S) 1モル;Cl 1モルに対して(CTi(S) 1モル;Br 2モルに対して[PPh[Zn(S] 1モル;Cl 2モルに対して[PPh[Zn(S] 1モル;Br 1モルに対して(N−メチルイミダゾール)Zn(S) 1モル;Cl 1モルに対して(N−メチルイミダゾール)Zn(S) 1モル;Br 1モルに対して(PMDETA)Zn(S) 1モルが挙げられる。
本発明の方法の別の形態では、酸化剤(X−X’)の金属硫黄誘導体に対する化学量論は、最終ポリマー生成物の純度を増大するように選択され得る。したがって、好ましい態様では、酸化剤の金属硫黄誘導体に対する準化学量論的(すなわち、1当量未満の)比は、より低レベルのハロゲンを有するポリマー含有混合物を合成するために選択される。この形態では酸化剤の金属硫黄誘導体に対する化学量論比は、酸化剤の1当量未満が金属硫黄誘導体中の2つのM−S結合毎に存在するように選択される。ポリマー化合物の製造のため、金属硫黄誘導体が3個の硫黄原子毎に1つの金属−硫黄結合を有する場合、酸化剤(X−X’)の準化学量論的は硫黄6当量と同等の金属硫黄誘導体の重量と組み合わせることができる。この形態では、金属硫黄誘導体に対する酸化剤の好適な比の例としては:Br 0.90〜0.99モルに対して(TMEDA)Zn(S) 1モル;Cl 0.90〜0.99モルに対して(TMEDA)Zn(S) 1モル;Cl 0.90〜0.99モルに対して(CTi(S) 1モル;Br 1.80〜1.99モルに対して[PPh[Zn(S] 1モル;Cl 1.80〜1.99モルに対して[PPh[Zn(S] 1モル;Br 0.90〜0.99モルに対して(N−メチルイミダゾール)Zn(S) 1モル;Cl 0.90〜0.99モルに対して(N−メチルイミダゾール)Zn(S) 1モル;Br 0.90〜0.99モルに対して(PMDETA)Zn(S) 1モルが挙げられる。
本発明の方法は、高分子硫黄の製造のための方法である。ある態様において、好ましい金属硫黄誘導体は、テトラメチルエチレン−ジアミン/Zn(S)錯体である。テトラメチルエチレン−ジアミン/Zn(S)錯体は、最も好ましくは、元素状硫黄の存在下、テトラメチルエチレンジアミンと亜鉛との反応によりin situで生成される。したがって、この態様では、元素状硫黄の存在下、鋳型剤はin situで生成され、鋳型剤を元素状硫黄と反応させるためのステップにおいてこの鋳型剤と反応する。
(TMEDA)Zn(S)の1モルを、酸化剤Brの1モルと反応させて、シクロドデカ硫黄化合物の理論上1/2モルを生成することにより、高分子硫黄は生成された。別の形態では、酸化剤の金属硫黄誘導体に対する準化学量論的(すなわち、1当量未満の)比は、より低レベルのハロゲンを有するシクロドデカ硫黄混合物を合成するために選択され得る。
別の形態では、金属硫黄誘導体は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、イリジウム、または鉄のメタロセン錯体である。
本発明の方法は、広範な温度、圧力、および濃度範囲において行うことができる。適した反応温度は−10℃〜120℃、または0℃〜100℃、さらに典型的には、3℃〜90℃である。高分子硫黄が目的の生成物である場合、本発明者らは、周囲温度を超える温度において請求項に記載した発明を行うと助けとなることを見出した。環境より低い温度において、S12が優先的に生成される場合があるが、高分子硫黄が目的の生成物である場合には、より高い温度が好ましくは使用される。
しかし、高分子硫黄がSに戻り始める温度は、請求項に記載された発明による生成のための好ましい温度に上限を規定する。この温度は反応媒体中の他の材料によって影響される場合があり、そのいくつかは戻り工程を開始する場合がある。概して、温度は、好ましくは約100℃未満である。さらに好ましくは、温度は90℃未満または80℃未満であることが好ましい。例えば、方法は、周囲温度より上の温度、または少なくとも25℃、または少なくとも30℃、または少なくとも40℃、または約25℃〜約75℃、または30℃〜70℃、または40℃〜60℃の温度において行われることができる。周囲温度は、反応が行われる環境の温度から反応区間の温度を上げるかまたは下げるために並外れた手段が取られない快適な温度を意味する。
反応ステップ中の金属硫黄誘導体は、反応を促進するのに望ましい物理形態であり得る。好適な形態としては、固体、適切な溶媒中のスラリー、または適切な溶媒中の溶液が挙げられる。したがって、本発明の方法の1つの態様では、方法は、反応ステップ前に溶媒中に金属硫黄誘導体のスラリーを生成することを含む。本発明の方法の別の態様では、方法は、反応ステップ前に溶媒中に金属硫黄誘導体の溶液を生成することを含む。スラリーまたは溶液形態を利用する場合、スラリーまたは溶液の典型的な金属硫黄誘導体濃度は、スラリーまたは溶液の総重量に基づいて、0.5〜30重量%、より典型的には2〜25重量%である。反応ステップにおけるスラリーまたは溶液形態に有用な好適な溶媒としては、1〜12個の炭素原子および1個のハロゲン原子から過ハロゲン化含有量までのハロゲン化溶媒が挙げられる。ハロゲン化溶媒の例としては、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、四臭化炭素、臭化メチレン、ブロモホルム、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、クロロトルエン類、ジクロロベンゼン類、ジブロモベンゼン類が挙げられる。他の好適な溶媒としては、5〜20個の炭素のアルカン、芳香族化合物、7〜20個の炭素のアルキル芳香族化合物が挙げられる。例としては、ペンタン類、ヘキサン類、シクロヘキサン、ヘプタン類、オクタン類、デカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン類、メシチレン、エチルベンゼンおよび同種のものである。溶媒の1つ以上の組合せをまた使用してもよい。
同様に、反応ステップにおける酸化剤は、反応を促進するのに望ましい物理形態であり得る。好ましくは、酸化剤は、好適な分散剤中の分散体の形態である。したがって、本発明の方法の1つの態様では、方法は、反応ステップ前に分散剤中の酸化剤の分散体を生成することを含む。典型的には、酸化剤は、分散体の総重量に基づいて0.5〜60重量%、より典型的には分散体の総重量に基づいて1〜25重量%の量で分散体中に存在する。分散剤の例としては、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、四臭化炭素、臭化メチレン、ブロモホルム、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、クロロトルエン類、ジクロロベンゼン類、およびジブロモベンゼン類が挙げられる。
本発明の方法では、金属硫黄誘導体を酸化剤と反応させるステップは、反応区間において典型的に開始し、および少なくとも部分的に行われる。反応区間は、概して、金属硫黄誘導体と酸化剤を反応させるステップが開始し、完了まで少なくとも部分的に進行する容積物(volume)またはスペースとして定義される。本発明の方法を、バッチ式もしくは半バッチ式操作または連続式操作、ならびに栓流反応器および撹拌槽型反応器構成を含む当技術分野で公知のいずれもの方法または反応器型式として行われ得る場合、反応区間は、例えば、能力見込み;利用可能な製造/プラント面積および資本;ならびにユーティリティなどの因子に応じて構成され得る。
反応ステップの反応が発熱性であるので、反応ステップは、好ましくは、反応区間から反応熱の排除を含む。金属硫黄誘導体および酸化剤の1つ以上が溶媒を使用する形態(金属硫黄誘導体のためのスラリーもしくは溶液、または酸化剤のための分散剤)である態様では、排熱ステップは、溶媒(単数)、溶媒(複数)または分散剤の沸騰をもたらす温度および圧においてステップを操作することを含んでもよい。あるいは、反応区間中に追加の溶媒または反応物の添加により、またはシェル式およびチューブ式または螺旋巻き熱交換器などの市販および周知の外部熱交換機器により反応区間から熱を移動することにより、排熱は行われることができる。
反応物(金属硫黄誘導体および酸化剤)を反応区間に同時または順次投入するバッチ式操作として、本発明の方法を行ってもよい。反応物の逐次添加を利用する1つの態様では、本発明の方法の反応ステップは、反応区間に酸化剤を先ず添加してから、反応区間に金属硫黄誘導体を添加することを含んでもよい。逐次添加のため、金属硫黄誘導体は、スラリーまたは溶液の形態であり、酸化剤は分散体の形態であってよい。反応物の同時添加を利用する別の態様では、本発明の方法の反応ステップは、反応区間に酸化剤および金属硫黄誘導体の同時添加を含んでもよい。
あるいは、本発明の方法は、反応物(金属硫黄誘導体および酸化剤)を、静的ミキサー、または単純乱流栓流チューブ式反応器中への衝突噴流などの混合を増強するように、分離連続式流れとして投入する栓流連続方式で行われてもよい。
本発明の反応ステップは、通常、30秒〜3時間、好ましくは1分〜2時間、より好ましくは2分〜1時間の時間にわたる。高分子硫黄の製造において、(TMEDA)Zn(S)が金属硫黄誘導体として利用され、Brが酸化剤として利用される場合、本発明の反応ステップは、通常、1分〜1時間、または5分〜20分の時間にわたる。[PPh[Zn(S]が金属硫黄誘導体として利用され、ClまたはBrが酸化剤として利用される場合、本発明の反応ステップは、通常、1分〜1時間、または1分〜10分の時間にわたる。
本発明の方法における反応ステップは、ポリマー含有反応混合物を与える。反応混合物は、通常、所望の生成物として非晶質または結晶形態のポリマー、ならびに小さい環サイズ(すなわち、25硫黄原子未満)の環状硫黄同素体、実質的な商業的価値を有することができるが本明細書で概して「不純物」と呼び、これらの少なくとも一部は様々な溶媒に不溶性であり得る溶媒、分散剤、反応副生成物、および未反応反応物の1つ以上を含有する。不純物および副生成物の例としては、シクロオクタ硫黄ならびにシクロヘキサ硫黄、シクロヘプタ硫黄、およびシクロドデカ硫黄などの硫黄の他の同素体;未反応酸化剤;金属硫黄誘導体およびその中の部分的に反応した誘導体またはそのオリゴマー;TMEDAなどの配位子;金属硫黄誘導体合成からの亜鉛などの金属;酸化体−硫黄誘導体、例えば、X−S−X(式中、XはClまたはBr、nは1以上)の構造;ZnBr、ZnCl、(TMEDA)ZnBr、および(TMEDA)ZnClなどの金属含有化合物;ならびに反応または単離ステップで使用する溶媒が挙げられる。したがって、本発明の方法は、高分子硫黄含有反応混合物から高分子硫黄を単離する方法をさらに含む。ポリマー含有混合物からポリマーを単離するための好適な技術、方法、および処理ステップは、例えば、酸化剤、金属硫黄誘導体の選択、未反応反応物の量、相当する反応効率、収率、ならびに不純物および副生成物の程度および種類ならびに同種のものに広く依存して異なり得る。したがって、ポリマーのための単離方法は溶解、乾燥、および沈降ステップの1つ以上を含み得る。
溶解ステップは、不純物を溶解する溶媒でポリマー含有混合物を処理して溶解溶液を生成し、次いで高分子硫黄から溶解溶液を分離することを含んでもよい。溶解ステップでポリマーから分離され得る不純物の例は、環状硫黄同素体、例えば、シクロオクタ硫黄、シクロヘキサ硫黄、およびシクロドデカ硫黄、金属硫黄誘導体、および金属含有化合物である。不溶性不純物からの溶解溶液の分離は、ろ過、遠心分離、または沈降などの当技術分野で公知の分離技術を利用することができる。通常、ポリマーからの溶解溶液の分離は、不純物が分離操作中に溶解したままであることを確かにするように先行溶解ステップの温度またはこの温度より高い温度で行われる。
溶解ステップで使用される溶媒は、アルカン、ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物、および二硫化炭素(CS)からなる群から好ましく選択される。なお、環状硫黄同素体などの不純物は、部分的に温度に依存し、高分子硫黄の溶解性と著しく異なる様々な溶媒での溶解性を示す。例えば、温度に依存して、シクロオクタ硫黄はシクロドデカ硫黄より30〜200倍溶解性があり、シクロドデカ硫黄はp−キシレン、クロロベンゼン、およびCSにおいて高分子硫黄より少なくとも1桁大きい溶解性がある(例5参照)。
好ましい溶解性溶媒は、CS、C以上のアルカン、1〜12個の炭素原子および1個のハロゲン原子から過ハロゲン化含有量までのハロゲン化炭化水素からなる群から選択される。ハロゲン化溶媒の例としては、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、四臭化炭素、臭化メチレン、ブロモホルム、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、クロロトルエン類、ジクロロベンゼン類、o−、m−、p−ジブロモベンゼンが挙げられる。アルカンおよび芳香族溶解性溶媒の例は、o−、m−、p−キシレン、トルエン、ベンゼン、エチルベンゼン、o−、m−、p−ジイソプロピルベンゼン、ナフタレン、メチルナフタレン類、ヘキサンおよび異性体、ヘプタンおよび異性体、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ならびにデカンである。
なお、高分子硫黄は、多くの溶媒で極度に低い溶解性を示すので、溶解ステップは、通常、20℃超から約100℃までの高温で行われ、溶媒の使用を最小限にし、および不純物の溶解度を最大限にする。不純物の溶解性は、溶媒の固有性でかなり変わるので、好ましい温度は選択した溶媒に依存する。例えば、溶解ステップ用溶媒としてCSを使用する場合、好ましい温度範囲は、−20〜90℃、または−10〜70℃である。溶解ステップ用溶媒としてアルカン、ハロゲン化炭化水素または芳香族化合物を使用する場合、好ましい温度範囲は、15〜100℃、または25〜95℃である。溶解性溶媒の処理されるポリマー含有混合物に対する重量比は、典型的には、約500/1〜1/1、より典型的には300/1〜10/1である。
驚くべきことに、ポリマー含有混合物およびポリマーそれ自体において不純物の密度差を使用してポリマーの精製を行うことができる。特に、ポリマーは、金属粒子、例えば、亜鉛粒子から分離され得る。沈降ステップでは、ポリマー含有混合物は、接触され沈降溶媒と混合され、沈降溶媒内で粒子を懸濁させて、懸濁スラリー混合物をもたらす。それから、この懸濁スラリー混合物は、種々の粒子を沈降した粒子層と懸濁した粒子混合物とに分離させる外部加速場に曝される。この外部加速場は、事実上、重力、遠心、磁気、または静電であり得る。
例えば、粗ポリマー含有混合物がBr酸化体および(TMEDA)Zn(S)金属硫黄誘導体から製造される本発明の態様では、ポリマー含有混合物は、沈降溶媒としてCSを用いた沈降ステップに曝され、懸濁スラリー混合物を生成する。懸濁スラリー混合物の撹拌は中止され、懸濁スラリー混合物は単純な重力沈降に曝され、S12および大きな亜鉛粒子を含む沈降粒子層、および大部分より小さい亜鉛粒子および沈降溶媒を含む懸濁粒子混合物をもたらす。選択された粒子層からこの懸濁粒子混合物をデカンテーションすることにより、沈降粒子層の亜鉛含有量を低減させ、ポリマー含有量を増大させる。
沈降ステップは、バッチ式でも連続式でも操作されてよく、分離を高めるために1回以上繰り返してもよい。沈降ステップの好ましい温度は、0〜80℃、より好ましくは20〜45℃である。
沈降溶媒は、液体化合物、溶解したシクロオクタ硫黄、または粗ポリマー含有混合物からの他の可溶性不純物を含むことがある。好ましくは、沈降溶媒は、沈降ステップ温度において、1g/cc(1g/cm)超かつ約1.8g/cc(1.8g/cm)未満の密度を有する。沈降溶媒の成分として使用するための有用な液体化合物の例は、CSおよび1〜12個の炭素原子および1個のハロゲン原子から過ハロゲン化含有量までのハロゲン化炭化水素である。ハロゲン化溶媒の例としては、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、四臭化炭素、臭化メチレン、ブロモホルム、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、クロロトルエン類、ジクロロベンゼン類、o−、m−、p−ジブロモベンゼンが挙げられる。沈降溶媒中に溶解したシクロオクタ硫黄の存在は、沈降溶媒の密度を増加させ、特に、より小さい金属粒子を懸濁する場合に好ましい。溶解したシクロオクタ硫黄の好ましい量は、使用される液体化合物および沈降温度に依存するが、通常、約1重量%〜約20重量%である。
溶解、および沈降などの単離方法の他のステップ生成物が、溶媒で湿ったポリマー粒子をもたらす場合、単離方法は、任意選択的に、この溶媒で湿ったポリマー粒子を乾燥して乾燥したポリマー粒子を生成するステップを含んでもよい。溶媒で湿ったポリマー粒子の乾燥は、不活性ガススイープ、加熱、真空下に置く、またはその組合せなどの当技術分野で公知の手段により達成することができる。典型的には、乾燥ステップは、2バール(bara:絶対圧)未満の圧、典型的には、大気圧または約0.05バール(bara:絶対圧)までの圧で、ポリマーの融点より低い温度、より典型的には、約20℃〜約90℃において達成される。
本発明の方法のための好ましい単離方法は、(i)ポリマー含有混合物を不純物のための溶媒で処理することにより、ポリマー含有混合物から不純物を溶解して溶解溶液を生成し、その後この溶解溶液からポリマー粒子を分離することと、(ii)ステップ(i)からの母液−湿潤ポリマー粒子を乾燥させて、精製されたポリマー生成物を製造することを含む。
第2の好ましい態様において、単離する方法は、(i)ポリマー含有混合物を沈降溶媒と接触させて懸濁されたスラリー混合物および沈降した粒子層を生成させることと、(ii)ポリマー含有混合物を不純物のための溶媒で処理して溶解溶液を生成させることによって沈降した粒子層から不純物を溶解させ、その後溶解溶液からポリマー粒子を分離することと、(iii)ステップ(ii)からの母液−湿潤ポリマー粒子を乾燥させて精製されたポリマー生成物を生成させることと、を含む。
第3の好ましい態様において、単離方法は、(i)ポリマー含有混合物を不純物のための溶媒で処理して溶解溶液を生成させることによってポリマー含有混合物から不純物を溶解させ、その後溶解溶液からポリマー粒子分離することと、(ii)ステップ(i)の溶解溶液からのポリマー粒子を沈降溶媒と接触させて、懸濁されたスラリー混合物および沈降した粒子層を生成させることと、(iii)ステップ(ii)からの沈降した粒子層を単離して精製されたポリマー生成物を生成させることと、を含む。
本発明の多くの形態および利点を特異性および詳細で具体亭に示すために提供するが、以下の実施例は決して本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきでない。本発明の精神から離れない変化形、改変および適応は、当業者によりただちに認識されるだろう。
分析方法
示差走査熱分析(DSC)−対象の化合物の融点範囲を測定するための示差走査熱分析(DSC)は、融解ピーク温度(Tm1)および発熱ピーク温度(Tex1)を決定する第一加熱走査を含む。使用する装置は、冷蔵冷却システムを備えたTAのQ2000 DSC(RCS)であった。使用する手順は下記のように本明細書に記載される。装置は製造者の「使用者の取扱説明書」に従って;アダマンタン、インジウムおよび鉛の融点の開始点を、それぞれ、−65.54℃、156.60℃、および327.47℃に、インジウムの融解熱を6.8cal/gに設定することにより較正した。それから、約3.0mgの較正検体を、50cc/分の流速でヘリウムの存在下20℃/分の速度でスキャンした。硫黄含有検体について、同様な方法を使用した。TAの2つのアルミニウム密封蓋と共にTzeroアルミニウムパンおよび蓋を秤で風袋の重さを量った。約3.0mgの硫黄含有検体をTzeroパン中に重量を量り入れ、風袋の重さを量った蓋で覆い、1対の「黒」ダイを備えたTAのサンプルクリンパを用いて圧着した。「黒」ダイスタンドからの圧着した検体は、2つの風袋の重さを量った密封蓋が検体パンの先端に置いて先端「青」ダイで圧着される「青」ダイスタンドへ移動された。2つの密封蓋と共に空の圧着したTzeroアルミニウムパンおよび蓋は、参照として同様に準備された。検体および参照パンは、室温でDSCトレイおよびセル内に入れられた。DSCは冷蔵冷却システムを用いて−5℃まで冷却された後、検体は、ヘリウムの存在下、20℃/分の速度で−5℃から200℃まで加熱された。「融点開始」は、発熱融解現象の開始における温度と定義された。Tm1は解析オプション「Signal Maximum」を用いて融解曲線上で起こる低融解ピーク温度をいい、TAのソフトウェア Universal V4.7Aを用いてデータ解析は行われた。Tex1は、解析オプション「Signal Maximum」を用いて、Tm1後直ぐに起こる発熱ピーク温度をいう。
UniQuant(UQ)−サンプルは、X線蛍光およびUniQuantソフトウェアパッケージを用いて分析された。UniQuant(UQ)は、サンプルのスタンダードレスXRF分析を提供するX線蛍光(XRF)分析ツールである。それから、サンプルは周期表の第3周期から始まる72元素まで(すなわち、Naからより高いZまで)について半定量的に分析されることができる。データは、較正標準品およびサンプル間のマトリックス差ならびに吸収およびエンハンスメント効果;すなわち、元素間効果について数学的に補正される。結果の質に影響し得るいくつかの因子は、サンプルの粒度(影効果をもたらす)、鉱物学的効果(サンプルの不均質性が理由)、不十分なサンプルサイズ、およびサンプルマトリックスの認識不足を含む。サンプルが両方で測定可能である場合では、XRF UQ分析およびICP−OES(すなわち、定量)分析は、概して、±10%以内で一致する。サンプルは、UQにより、Zn、Br、Cl、およびS含有量について分析された。
ICP−約100ミリグラムのサンプルは前清浄化した石英サンプルチューブに重量を量り入れられた。それから、3mLの濃硝酸を各チューブ(微量金属分析用、Fisher Chemical)に添加した。Ultrawave Single Reaction Chamber Digestion SyStemを用いて、サンプルはマイクロ波温浸された。内部標準元素としてスカンジウム(最終希釈後1ppmレベル)の添加後、温浸したサンプルは25mLの体積まで希釈され、約10%HNOの最終酸濃度を得た(添加した硝酸および温浸中の硝酸の予測消費量に基づいて)。1ppmのスカンジウム内部標準は各サンプルに添加された。Perkin Elmer Optima 2100 ICP−OES装置(Perkin Elmer Inc.、米国マサチューセッツ州ウォルサム)は、マトリックスマッチング1ppm補正標準品およびブランクを用いて較正された。それから、方法ブランクを含む各サンプルは、Zn、S、Br、およびCl含有量について分析された。
X線回折(XRD)−PANalytical Empyrean X−Ray Diffractometer(XRD)(PANalytical Incorporatedから入手可能)を用いて粉末サンプルの測定を行った。XRDは、45kVおよび40mAで運転される銅陽極X線源を利用した。システムはBragg Brentanoθ/2θ反射ジオメトリーで測定できるように構成された。回折測定は、0.026°のサンプリング幅および約160秒のステップ時間を有する5〜90°の2θ角(2つのセータ角)で集められた。試料は16mm直径の粉体試料ホルダーにバックロードされおよびスピナーステージ上で分析の間回転させられた。結晶硫黄同素体および高分子硫黄の粉末回折パターンは、購入したデータベース(International Centre for Diffraction Data ICDD、米国ペンシルベニア州ニュータウンスクエアまたは同等品)からのパターンまたは公知の参照標準品のパターンとの比較により同定された。結晶硫黄同素体および高分子硫黄の定量は、外部較正または参照強度比(RIR)方法の使用により行われた。
ラマン分光法−785nm励起レーザーおよび5倍拡大顕微鏡対物レンズを備えたReniShaw inVia confocalラマン顕微鏡およびWiRE 4.1ソフトウェアを用いて、サンプルのラマンスペクトルは測定された。
NMR−サンプル約0.0200gはバイアル中に重量を量り入れる。内部標準、1,4−ジメトキシベンゼン約0.0200gは同じバイアル中に重量を量り入れる。約1mLのピリジン−d5、また材料が可溶である他の重水素化溶媒を加える。この材料のH NMRを測定し、δσ3.68におけるピークを積分する(6プロトン)。δ2.45およびδ2.25における2つのピークを積分する(16プロトン)。次式を用いて純度%を算出する。
純度%=100[mg IS/MW IS)×(∫サンプル/∫IS)×(6/16)×(MWサンプル/mgサンプル)]
IS=内部標準
MW=分子量
∫=H NMRの積分値
液体クロマトグラフィー−液体クロマトグラフィー(LC)法は、SおよびS12を含む元素状硫黄種を分離する。硫黄種は、公知のサンプルから決定された保持時間により同定された。Sの量は、未知サンプルのSのピーク面積をトルエン中で製造された公知の濃度のS標準溶液のものと比較することにより決定された。次の操作パラメーターをLC分析全てに適用する。
HPLC装置:クォータナリポンプおよびダイオードアレイ検出器を備えたAgilent 1200
カラム:Agilent、粒子:Eclipse Plus C18、粒度:3.5μm
プレカラムフィルター:Upchurch 0.5μmステンレススチールフリット、パーツ番号:A316
ガードカラム:C18カートリッジを備えたPhenomenex 「security guard」 HPLCガードカートリッジシステム、パーツ番号:KJ0−4282
オートサンプラーバイアル:VWRからの、カタログ番号500779
流速:0.8mL/分
実行時間:40分
溶媒:HPLCグレードメタノールアイソクラチック
カラム温度:6℃
検出波長:254nm、バンド幅16nm
注入体積:5μL
(TMEDA)Zn(S)からのシクロドデカ硫黄化合物の調製
例1.金属硫黄誘導体(TMEDA)Zn(S)の調製
テトラメチル−エチレンジアミン(TMEDA)(408グラム)およびメタノール(72グラム)は、機械式式撹拌機(容器の壁近くに達する)、熱電対、Nバブラー、水冷式冷却器、および電気式加熱マントルを装備した3L三口ガラス製フラスコに添加された。窒素でこのシステムはパージされ、混合物の温度は35℃に調節された。粉砕したてのシクロオクタ硫黄(粉末)は、425〜450rpmで撹拌しながら、5分かけて添加された。粉砕したてのシクロオクタ硫黄が溶解し、その上に、金属亜鉛粉末(粒度<10ミクロン、純度>98%)40グラムは425〜450rpmで撹拌しながら、5分かけて添加されるように、温度を45℃まで上昇させられた。それから、灰緑色がかった黄色反応器の内容物は、86℃までゆっくりと加熱され、4時間、または黄色になるまで撹拌された。一旦、黄色になったならば、混合物は、撹拌しながら、さらに2時間温度を保持された。反応時間終了時、フラスコは室温に冷却され、撹拌機を停止し、真空排気により自由液体を除去した。メタノール(600ml)はフラスコに添加されてスラリーを生成し、1時間撹拌された。それから、得られたスラリーは真空ブフナーフィルター(1ミクロン紙)でろ過され、各200mlのメタノールで2回洗浄された。固体はフィルターから除去されて、50℃、0.1MPaに設定された真空乾燥器内で一夜乾燥された。収率はほぼ定量的で、233グラムの金属硫黄誘導体(TMEDA)Zn(S)錯体は、NMRによる測定として純度97%で回収された。混合条件を注意深く制御することによる複数回の実施において同様な収率が均一に得られた。
シクロドデカ硫黄化合物(S12)および高分子硫黄の調製。
塩化メチレン(750mL)は、機械式撹拌機、熱電対、Nバブラーおよび栓を装備した2L四口ガラス製フラスコに添加された。酸化剤として臭素(16.7g、104.5mmol、1.0当量)は、50mL CHClを含む瓶に重量を量り入れられ、この混合物はフラスコに添加された。溶液は4℃まで冷却された。例1の亜鉛錯体(TMEDA)Zn(S)(純度97.5%)(40g、104.3mmol、1.0当量)は、全部一度に添加され、50mL CHClで洗浄された。直ぐに発熱して11℃になった。溶液は15分間撹拌され、ろ過され、低温CHClで洗浄されて、真空乾燥された。固体は、THF(250mL)中にスラリー化されて、ろ過され、真空乾燥された。得られた固体は、低温CS(150mL)中にスラリー化されて、ろ過され、真空乾燥されて、10.2gの淡黄色固体を得た。この工程を4回繰り返して、すべてで42.69グラムのシクロドデカ硫黄を含むポリマー含有反応混合物を与えた。
ポリマーは、機械式撹拌機、微細なガラスフリットフィルタープレート、熱電対、Nバブラー、ドライアイストラップおよび底弁を装備した上側1.5Lジャケット付き三口ガラス製フラスコ;および、機械式撹拌機、水冷式冷却器および1Lガラスレシーバーポット、熱電対、Nバブラー、ドライアイストラップおよび底弁を装備した下側1.5Lジャケット付き三口ガラス製フラスコを備える2容器システムでさらに単離された。精製手順を開始するため、二硫化炭素(1000グラム)は、上記反応ステップ(42.69g)からのポリマー含有反応混合物と一緒に上側容器に添加された。フラスコの内容物は、撹拌しながら40〜40℃まで加熱された。30分間の混合物の撹拌後、容器の底弁は開かれ、フリットガラスフィルターを通って下側フラスコ中に自由液体は引き込まれた。最初の固体の約半分はフィルター上に残った。第二容器中の溶液は、20分以下の時間をかけて−6℃まで冷却された。冷却段階の間、微細な淡黄色結晶の固体(シクロドデカ硫黄)が生成した。溶液は、−6℃の最終温度で約15分間撹拌されて、容器の底弁は開かれ、結晶−CSのスラリーは1ミクロンろ紙を装着したブフナー漏斗上に滴下された。最終ろ過からの母液は、補給CSと共に上側容器(残固体物を含む)に戻され、1000グラムの液体を得た。上側容器は撹拌され、再度、40〜42℃まで加熱されて、冷却したCSからなんら結晶が生成することが観察されなくなるまで、ろ過−冷却手順は繰り返された。最終加熱−溶解ステップ後、約10グラムの黄色固体物が上側フリットフィルター上に残った。この材料を30℃および約0.01MPaの真空オーブンに一晩入れて残留するCSを除いた。ラマン分析は、この材料が高分子硫黄であることを示した。
例2.水添加ありなしでの(TMEDA)Zn(S)の合成
テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)(2042グラム、85重量%、純度99%、試薬プラスグレード)およびメタノール(360グラム、15重量%)は、機械式撹拌機(容器壁すれすれまで達する)、熱電対、Nバブラー、および水冷式冷却器を装備した6L四口ジャケット付きガラス製反応器に添加された。システムは窒素でパージされ、混合物温度は22℃に調節された。新たに粉砕したシクロオクタ硫黄粉末(673グラム、純度約90%)は、425〜450rpmの撹拌速度を維持しながら、数分かけて添加された。この懸濁液に、金属亜鉛(207グラム、3.1モル、粒度<10μm、純度≧98%)は、同じ撹拌速度を維持しながら、5分かけて添加された。この反応混合物を86℃で2時間加熱後、褐色溶液はいくらかの緑色がかった沈殿物をもたらした。これは、反応物が所望の(TMEDA)Zn(S)錯体を上手く生成しなかったことを示した。この点で、水78gは、反応物に添加され、得られた混合物は86℃までさらに2時間加熱され、(TMEDA)Zn(S)の黄色沈殿物が生成した。反応時間終了時、フラスコは室温に冷却され、撹拌機を停止し、真空排気により自由液体を除去した。メタノール(2000ml)はフラスコに添加されてスラリーを生成し、1時間撹拌された。それから、得られたスラリーは真空ブフナーフィルター(1ミクロン紙)でろ過され、各600mlのメタノールで2回洗浄された。固体はフィルターから除去されて、50℃、0.1MPaに設定された真空乾燥器内で一夜乾燥された。相当する収率はほぼ定量的で、1087グラムの金属硫黄誘導体(TMEDA)Zn(S)錯体は、NMR分光法による測定として純度97.5%で回収された。同じ反応条件下、複数回の実施において同様な収率および純度が一様に達成された。水の添加は、低グレードのTMEDAを用いてでさえ、高収率および純度で(TMEDA)Zn(S)錯体を一貫して製造した。
例3.水添加ありでの(TMEDA)Zn(S)の調製
テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)(2042グラム、85重量%、純度99%、試薬プラスグレード)、メタノール(360グラム、15重量%)、および水(78グラム)は、2つの機械式ピッチ翼撹拌機(容器壁すれすれまで達する)、熱電対、Nバブラー、および水冷式冷却器を装備した6L四口ジャケット付きガラス製反応器に添加された。システムは窒素でパージされ、混合物温度は22℃に調節された。新たに粉砕したシクロオクタ硫黄粉末(673グラム、純度99%超)は、425〜450rpmの撹拌速度を維持しながら、5分かけて添加された。この懸濁液に、金属亜鉛(207グラム、3.1モル、粒度<10μm、純度≧98%)は、同じ撹拌速度を維持しながら、5分かけて添加された。それから、緑色がかった黄色混合物は、86℃までゆっくり加熱され、2時間、または黄色沈殿物が見られるまで撹拌された。一旦、色が黄色になったならば、混合物はさらに1時間撹拌しながら加熱された。反応時間終了時、フラスコは室温に冷却され、撹拌機を停止し、真空排気により自由液体を除去した。メタノール(2000ml)はフラスコに添加されてスラリーを生成し、1時間撹拌された。それから、得られたスラリーは真空ブフナーフィルター(1ミクロン紙)でろ過され、各600mlのメタノールで2回洗浄された。固体はフィルターから除去されて、50℃、0.1MPaに設定された真空乾燥器内で一夜乾燥された。亜鉛金属に対する相当するモル収率は90.1%であり、金属硫黄誘導体(TMEDA)Zn(S)錯体1087グラムはNMR分光法による測定として純度98%で回収された。同じ反応条件下、複数回の実施において同様な収率および純度が一様に達成された。
例4.二硫化炭素、クロロベンゼン、およびパラキシレン中のシクロオクタ硫黄、シクロドデカ硫黄、および結晶性高分子硫黄の溶解性
p−キシレン50グラムは、循環加熱浴、水冷式冷却器、マグネチック撹拌子および撹拌プレート、ならびに窒素パージを装着した3つの同じ100ミリリットルジャケット付きガラス製容器にそれぞれ添加された。全ての容器は、所望の温度まで加熱され、シクロオクタ硫黄、シクロドデカ硫黄(例2のように調製)、およびオイル分を除去した市販結晶性高分子硫黄(Crystex(商標))は充分な量で各ガラス製容器に添加され、混合物の溶解および平衡後未溶解固体物を残存させた。平衡期間は通常2〜8時間続き、この間、容器の内容物は所望の温度で維持され、継続的に撹拌された。平衡時、上澄み液は加熱されたフリットガラス製ピペット(溶液と同じ温度まで加熱された)により容器から取り出された。上澄みはUniquantにより分析され、容器温度における硫黄種の溶解性を示す硫黄含有量を決定した。同様な実験は、3つの溶質の各々に対して二硫化炭素、クロロベンゼンについて行われた。各溶媒中の溶質の溶解性(重量%)は、表4にまとめている。
例5.高亜鉛(wt%)濃度下での(TMEDA)Zn(S)錯体の臭素化を介した高分子硫黄の調製
3つ口丸底フラスコを(TMEDA)Zn(S)(32g、83.9mmol、98%純度、30wt%)およびジクロロメタン(100g、1.177mol)で充填した。この粘度の高いスラリーに、臭素(4.3mL、83.9mmol、1.0当量)を、気密シリンジを介して加え、および生じた混合物を0℃で10分間撹拌した。黄色固体を真空ろ過によって集めおよびアセトン(3×50mL)で充分に洗浄して、残留する(TMEDA)ZnBr種を除いた。乾燥した材料を70℃のクロロベンゼン中でスラリー化して、シクロオクタ硫黄およびシクロドデカ硫黄を溶かし、およびこの工程を3回繰り返した。不溶性の固体をろ過によって集めおよび吸引乾燥し浅い緑色がかった黄色粉末(約12%の単離収率)を与えた。ラマン分光法およびXRD分析で、不溶性の材料は、高分子硫黄からなることを確認した。
例6.(TMEDA)Zn(S)錯体の制御された塩素化を介した高分子硫黄の調製
3つ口丸底フラスコを(TMEDA)Zn(S)(15g、39.3mmol、98%純度、15wt%)およびクロロベンゼンで充填した。このスラリーに、気密シリンジを介して、塩素溶液(39.3mmol、1.0当量、クロロベンゼン中91(M))を加え、および生じた混合物を0℃で10分間撹拌した。固体を真空ろ過によって集め、およびアセトン(3×50mL)で充分に洗浄して残留する(TMEDA)ZnCl種を除いた。この材料を0℃においてCSおよびTHFでさらに洗浄して、シクロオクタ硫黄を除き、および真空下で乾燥して淡黄色生成物を与えた(61%の粗単離収率)。ラマン分光法およびXRD分析は、材料がシクロドデカ硫黄および高分子硫黄の混合物であることを示した。
例7.(TMEDA)Zn(S)錯体の逆順臭素化を介した高分子硫黄の調製
3つ口丸底フラスコをクロロベンゼン(400mL)および臭素(4.3mL、83.9mmol)で充填した。この橙色溶液に、固体(TMEDA)Zn(S)(32g、83.9mmol、98%純度)を一度に加え、および生じた混合物を0℃で10分間撹拌した。固体を真空ろ過によって集め、およびアセトン(3×50mL)で充分に洗浄して、残留する(TMEDA)ZnBr種を除いた。乾燥した材料を70℃のクロロベンゼン中でスラリー化して、シクロオクタ硫黄およびシクロドデカ硫黄を溶かしおよびこの工程を3回繰り返した。不溶性の固体をろ過によって集めおよび吸引乾燥して浅い緑色がかった黄色粉末を与えた(約9%の単離収率)。ラマン分光法およびXRD分析で、不溶性の材料は、高分子硫黄からなることを確認した。
例8.CpTi(S)錯体の調製
40℃に加熱した1110グラムのクロロホルムを含むフラスコ中に23グラムの二塩化チタノセン(>99%純度)を溶解させることによって、チタノセンクロライド溶液を調製した。23グラムの薄片硫黄を、100グラムの40wt%水性アンモニウムスルフィドを含む(水冷却器による冷却、機械式クレセント−ブレード攪拌器、およびNパージを備えた)2リッターのガラス丸底フラスコに加えた。すべての硫黄が溶解されるまで(約1時間)、フラスコを攪拌した。次に、すべてのあらかじめ調製された二塩化チタノセン溶液を攪拌しながら2リッター容器に加えおよび一晩保持した。いったん反応が完了すると、反応容器のすべての内容物を3リッターの分液漏斗に移し、および二相に分離させた。水層を分液漏斗から排出させ、および有機層を4回の500グラムの水で洗浄した。赤色有機層を、その後の処理のために別にした。(初期の反応層およびすべての水洗浄を含む)すべての水性層を合わせ、および500グラムの新たなクロロホルムで5回抽出した。すべてのクロロホルム層を合わせ、および60℃かつ200トールにおいて回転乾燥により乾燥させた。生じた固体を75℃において一晩真空下で乾燥させて、29グラムのチタノセンペンタスルフィドを与えた(93%の理論上収率)。
例9.ジクロロメタン中CpTi(S)錯体の臭素化を介した高分子硫黄の調製
3つ口丸底フラスコをCpTi(S)(10g、29.7mmol)およびジクロロメタン(191mL、2.973mol)で充填した。この溶液に、気密シリンジを介して臭素(1.5mL、29.7mmol、1.0当量)を加え、および生じた混合物を0℃で10分間撹拌した。固体を真空ろ過によって集め、およびアセトン(3×50mL)およびジクロロメタンで充分に洗浄し、残留するCpTiBr種を除いた。乾燥した材料を70℃のクロロベンゼン中でスラリー化して、シクロ硫黄同素体を溶かし、およびこの工程を3回繰り返した。不溶性の固体をろ過によって集め、および吸引乾燥して粉末(14%の単離収率)を与え、XRDおよびラマン分光法によってポリマーであることが確認された。
本発明の様々な態様の前述の記載は例示および説明を目的として提示されている。これは全てを網羅している訳ではなく、開示される正確な態様に本発明を限定するものでもない。上記教示を踏まえて、多数の改変または変化形が可能である。考察された態様は、本発明の原理およびその実際的な用途の最良の具体例を提供し、それにより当業者が本発明を様々な態様で、かつ、企図される特定の使用に適するように様々な修正を行って利用できるように選択され説明された。全てのこのような改変および変化形は、それらが公平で合法的、かつ、公正に権利を得る広さに従って解釈される場合、添付の請求の範囲により決定される本発明の範囲内である。

Claims (14)

  1. 反応区間中で金属硫黄誘導体を酸化剤と反応させて、高分子硫黄含有反応混合物中に高分子硫黄を生成させることを含む、高分子硫黄の製造方法。
  2. 前記金属硫黄誘導体は、式:
    (式中、
    Lは、x>1の場合に同一であるか相違することができる、単座または多座の配位子種であり、
    Xは、配位子種の合計数でありかつ0〜6(両端を含む)であり、
    Mは、金属原子であり、
    yは、金属原子の合計数でありかつ1〜4(両端を含む)であり、
    Sは、硫黄原子であり、
    zは、硫黄原子の数でありかつ1〜12(両端を含む)であり、
    uは、前記金属硫黄誘導体の電荷を表しかつ−6〜+6(両端を含む)であることができ、
    vは、オリゴマー構造またはポリマー構造における金属硫黄誘導体単位の数であり、
    Iは、イオン性原子またはイオン性基でありかつカチオン性またはアニオン性であることができ、および、
    wは、必要に応じて中性に電荷を提供する、カチオン性またはアニオン性原子または基の数である。)によって特徴付けられている、請求項1に記載の方法。
  3. 前記酸化剤は、式:X−X’
    (式中、XおよびX’は、同一であるかまたは相違し、そしてハロゲンおよび擬ハロゲンからなる群から選択される。)によって特徴付けられている、請求項2に記載の方法。
  4. 前記酸化剤の前記金属硫黄誘導体に対する化学量論は、前記金属硫黄誘導体中の2つのM−S結合ごとに1当量未満の前記酸化剤が存在するように選択されている、請求項3に記載の方法。
  5. XおよびX’は、塩素または臭素である、請求項3に記載の方法。
  6. 前記反応させることは、周囲温度より上の温度で行われる、請求項1に記載の方法。
  7. 前記反応させることは、約40℃〜約60℃の温度で行われる、請求項1に記載の方法。
  8. 前記金属硫黄誘導体を前記酸化剤と反応させるステップの前に、元素状硫黄を硫黄鋳型剤と反応させて前記金属硫黄誘導体を生成させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  9. (i)ポリマー含有混合物を不純物のための溶媒で処理して溶解溶液を生成させることによって、前記ポリマー含有混合物からの不純物を溶解させ、その後前記溶解溶液からポリマー粒子を分離させて母液−湿潤ポリマー粒子を得ることと、
    (ii)ステップ(i)からの前記母液−湿潤ポリマー粒子を乾燥させて精製されたポリマーを生成させることと、
    によってポリマー含有反応混合物から前記ポリマーを単離することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  10. (i)ポリマー含有混合物を沈降溶媒と接触させて、懸濁されたスラリー混合物および沈降した粒子層を生成させることと、
    (ii)前記沈降した粒子層を不純物のための溶媒で処理して溶解溶液を生成させることによって前記沈降した粒子層からの不純物を溶解させ、その後前記溶解溶液からポリマー粒子を分離させて母液−湿潤粒子を得ることと、
    (iii)前記母液−湿潤ポリマー粒子を乾燥させて精製されたポリマーを生成させることと、
    によってポリマー含有反応混合物から前記ポリマーを単離することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  11. (i)ポリマー含有混合物を不純物のための溶媒で処理して溶解溶液を生成させることによって、前記ポリマー含有混合物からの不純物を溶解させ、その後前記溶解溶液からポリマー粒子を分離することと、
    (ii)前記ポリマー粒子を沈降溶媒と接触させて、懸濁されたスラリー混合物および沈降した粒子層を生成させることと、
    (iii)前記懸濁されたスラリー混合物から前記沈降した粒子層を分離して精製されたポリマーを得ることと、
    によってポリマー含有反応混合物から前記ポリマーを単離することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記反応させるステップの前に溶媒中に前記硫黄鋳型剤のスラリーを生成させることをさらに含む、請求項8に記載の方法。
  13. 前記反応させるステップの前に溶媒中に前記硫黄鋳型剤の溶液を生成させることをさらに含む、請求項8に記載の方法。
  14. (i)水の存在下で、シクロオクタ硫黄、テトラメチルエチレンジアミンおよび亜鉛を反応させて、テトラメチルエチレンジアミン/Zn(S)錯体を生成させることと、
    (ii)周囲温度より上の温度において前記錯体のための溶媒の存在下で、前記錯体を酸化剤と反応させることと、
    を含む、高分子硫黄化合物の製造方法。
JP2018545956A 2016-03-02 2017-02-28 高分子硫黄の製造方法 Withdrawn JP2019509963A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201662302213P 2016-03-02 2016-03-02
US62/302,213 2016-03-02
US15/440,007 US10000380B2 (en) 2016-03-02 2017-02-23 Method for the manufacture of polymeric sulfur
US15/440,007 2017-02-23
PCT/US2017/019888 WO2017151581A1 (en) 2016-03-02 2017-02-28 Method for the manufacture of polymeric sulfur

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019509963A true JP2019509963A (ja) 2019-04-11

Family

ID=59723411

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018545617A Active JP6901494B2 (ja) 2016-03-02 2017-02-28 シクロドデカ硫黄の製造方法
JP2018545956A Withdrawn JP2019509963A (ja) 2016-03-02 2017-02-28 高分子硫黄の製造方法

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018545617A Active JP6901494B2 (ja) 2016-03-02 2017-02-28 シクロドデカ硫黄の製造方法

Country Status (7)

Country Link
US (3) US10000380B2 (ja)
EP (2) EP3423400B1 (ja)
JP (2) JP6901494B2 (ja)
KR (2) KR20180118134A (ja)
CN (2) CN108699026B (ja)
BR (2) BR112018016883A2 (ja)
WO (2) WO2017151581A1 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10011663B2 (en) 2016-02-04 2018-07-03 Eastman Chemical Company Vulcanizing composition containing cyclododecasulfur and improved cyclododecasulfur compound
US10280281B2 (en) 2016-02-04 2019-05-07 Eastman Chemical Company Processes for forming vulcanizable elastomeric formulations and vulcanized elastomeric articles
US11021581B2 (en) 2016-02-04 2021-06-01 Eastman Chemical Company Durable elastomeric compositions employing cyclododecasulfur as a vulcanizing agent
US10000380B2 (en) 2016-03-02 2018-06-19 Eastman Chemical Company Method for the manufacture of polymeric sulfur
US11059722B2 (en) 2016-03-02 2021-07-13 Eastman Chemical Company Method for the manufacture of cyclododecasulfur
CN113518757A (zh) * 2019-03-13 2021-10-19 伊士曼化工公司 可用于制造环十二硫的方法
WO2020185486A1 (en) * 2019-03-13 2020-09-17 Eastman Chemical Company Processes useful in the manufacture of cyclododecasulfur
CN113518759A (zh) * 2019-03-13 2021-10-19 伊士曼化工公司 可用于制造环十二硫的方法
CN113518758A (zh) * 2019-03-13 2021-10-19 伊士曼化工公司 可用于制造环十二硫的方法
US11421082B2 (en) * 2019-03-13 2022-08-23 Hrl Laboratories, Llc Broadband-transparent polysulfide-based copolymers
CN113666340A (zh) * 2021-08-25 2021-11-19 赛义德·帕拉斯塔 水溶性单质硫的制备方法

Family Cites Families (40)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US1875372A (en) 1932-09-06 Method of treating- rubber compounds and composition obtained thereby
US1675372A (en) 1927-12-10 1928-07-03 Mohr Hartwig Swimming device
US2419309A (en) 1944-01-13 1947-04-22 Stauffer Chemical Co Sulphur production
US2419310A (en) 1944-11-07 1947-04-22 Stauffer Chemical Co Sulphur production
US2534063A (en) 1945-02-12 1950-12-12 Stauffer Chemical Co Manufacture of insoluble sulfur
US2460365A (en) 1945-09-29 1949-02-01 Stauffer Chemical Co Production of insoluble sulfur
US2462146A (en) 1945-12-03 1949-02-22 Stauffer Chemical Co Stabilization of insoluble sulfur
US2513524A (en) 1948-04-26 1950-07-04 Stauffer Chemical Co Producing insoluble sulfur
US2757075A (en) 1954-03-15 1956-07-31 Jerome N Haimsohn Stabilization of sulfur
US3844941A (en) 1971-02-01 1974-10-29 Amoco Prod Co Use of sulfur for combatting oil spills
US3891743A (en) * 1972-08-30 1975-06-24 Union Oil Co Free-flowing sulfur product
US4017467A (en) 1975-04-21 1977-04-12 Phillips Petroleum Company Sulfur-curable compositions
JPS54110249A (en) 1978-02-17 1979-08-29 Bridgestone Corp Vulcanizable rubber composition having improved sulfur blooming
US4238470A (en) 1979-07-30 1980-12-09 Stauffer Chemical Company Method for oil-treating insoluble sulfur
US4740559A (en) 1985-09-30 1988-04-26 Morton Thiokol, Inc. Rubber vulcanizing agents comprising reaction products of sulfur and unsaturated hydrocarbons
US4752507A (en) 1985-09-30 1988-06-21 Morton Thiokol, Inc. Rubber vulcanizing agents comprising reaction products of sulfur and unsaturated hydrocarbons
US4870135A (en) 1988-10-06 1989-09-26 The Goodyear Tire & Rubber Company Tall oil fatty acid mixture in rubber
DE19650633A1 (de) 1996-12-06 1998-06-10 Bayer Ag Reversionsarme Vernetzer
US6420581B1 (en) * 1999-06-29 2002-07-16 Flexsys America L.P. Manufacture of zinc hexasulfide amine complexes
SG83223A1 (en) * 1999-12-27 2001-09-18 Sumitomo Chemical Co Modified particles, catalyst for olefin polymerization using the same, and process of producing olefin polymer
DE10002878C1 (de) 2000-01-24 2001-09-06 Bayer Ag Neue Vulkanisationsmittel für ungesättigte Kautschukmischungen
US6441098B2 (en) 2000-05-24 2002-08-27 Acushnet Company Low hardness, resilient golf putter insert
US6624274B1 (en) 2000-11-09 2003-09-23 Dow Reichhold Specialty Latex Llc Polymers having novel cure system
KR100592527B1 (ko) 2002-01-17 2006-06-23 (주)케이에이치 케미컬 탄소나노튜브를 강화제로 포함하는 고무 조성물 및 이의제조방법
DE10333374A1 (de) * 2003-07-23 2005-02-10 Bayer Aktiengesellschaft Verfahren zur Herstellung von polymerem Schwefel
KR101006016B1 (ko) 2003-10-14 2011-01-06 요코하마 고무 가부시키가이샤 환상 폴리설파이드를 가황제로서 함유하는 고무 조성물 및이를 사용하는 공기 주입 타이어
DE102006008670A1 (de) 2006-02-24 2007-08-30 Degussa Gmbh Kautschukmischungen
ES2766851T3 (es) * 2006-05-04 2020-06-15 Grace W R & Co Composiciones de aluminoxano, su preparación, y su uso en catálisis
KR101408754B1 (ko) 2007-01-16 2014-06-17 호도가야 가가쿠 고교 가부시키가이샤 산화형 환형 페놀 황화물의 제조 방법
GB2459508B (en) 2008-04-25 2012-12-05 Univ United Arab Emirates Surfactant for use in the production of modified sulphur
CN101837958B (zh) 2010-04-30 2012-01-18 梁耀仁 一种高温稳定性不溶性硫磺的制备方法
JP5573883B2 (ja) 2011-04-26 2014-08-20 住友化学株式会社 ゴム組成物
US9403737B2 (en) 2011-07-18 2016-08-02 Northwestern University Forming ethylene
WO2013031488A1 (ja) 2011-08-26 2013-03-07 横浜ゴム株式会社 タイヤトレッド用ゴム組成物
JP5745490B2 (ja) 2012-10-25 2015-07-08 住友ゴム工業株式会社 インナーライナー用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
CN103601156B (zh) 2013-11-27 2016-08-17 深圳市新昊青科技有限公司 一种不溶性硫磺及其制备方法
US9908980B2 (en) 2013-12-27 2018-03-06 Nippon Valqua Industries, Ltd. Fluorine rubber composition, crosslinked rubber molded body and method for producing same
US10011663B2 (en) * 2016-02-04 2018-07-03 Eastman Chemical Company Vulcanizing composition containing cyclododecasulfur and improved cyclododecasulfur compound
US10280281B2 (en) 2016-02-04 2019-05-07 Eastman Chemical Company Processes for forming vulcanizable elastomeric formulations and vulcanized elastomeric articles
US10000380B2 (en) 2016-03-02 2018-06-19 Eastman Chemical Company Method for the manufacture of polymeric sulfur

Also Published As

Publication number Publication date
JP6901494B2 (ja) 2021-07-14
US10000380B2 (en) 2018-06-19
KR20180118648A (ko) 2018-10-31
EP3423400B1 (en) 2021-02-24
EP3423442A1 (en) 2019-01-09
BR112018016887B1 (pt) 2022-08-02
US20180273382A1 (en) 2018-09-27
CN108699026B (zh) 2021-10-01
WO2017151578A1 (en) 2017-09-08
US20170253483A1 (en) 2017-09-07
CN108699026A (zh) 2018-10-23
CN108698824A (zh) 2018-10-23
US20170253484A1 (en) 2017-09-07
US10611637B2 (en) 2020-04-07
EP3423442B1 (en) 2021-03-17
BR112018016887A2 (pt) 2019-02-12
KR20180118134A (ko) 2018-10-30
EP3423400A1 (en) 2019-01-09
WO2017151581A1 (en) 2017-09-08
US10011485B2 (en) 2018-07-03
BR112018016883A2 (pt) 2019-02-05
JP2019512443A (ja) 2019-05-16
CN108698824B (zh) 2022-08-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2019509963A (ja) 高分子硫黄の製造方法
Sharghi et al. Copper nanoparticles on charcoal for multicomponent catalytic synthesis of 1, 2, 3‐Triazole derivatives from benzyl halides or alkyl halides, terminal alkynes and sodium azide in water as a “Green” solvent
Neves et al. Incorporation of a dioxomolybdenum (VI) complex in a ZrIV-based Metal–Organic Framework and its application in catalytic olefin epoxidation
US20090234123A1 (en) Processes For The Preparation Of Clopidogrel Hydrogen Sulfate Polymorphic Form I
Díez-González et al. A [(NHC) CuCl] complex as a latent Click catalyst
CN107108472B (zh) 半合成方法
Amarante et al. Metal oxide-triazole hybrids as heterogeneous or reaction-induced self-separating catalysts
US20200207621A1 (en) Method for the manufacture of cyclododecasulfur
Belletire et al. Pairing heterocyclic cations with closo-dodecafluorododecaborate (2−): Synthesis of binary heterocyclium (1+) salts and a Ag4 (heterocycle) 84+ salt of B12F122−
Zhang et al. Fluorescence response of cruciform D–π–A–π–D phenothiazine derivatives to mechanical force
US11059722B2 (en) Method for the manufacture of cyclododecasulfur
Mironov et al. Dodecanuclear rhenium cluster complexes with an interstitial carbon atom: Synthesis, structures and properties of two new compounds K6 [Re12CS17 (OH) 6]· 4H2O and Na12Re12CS17 (SO3) 6· 48.5 H2O
FI79521B (fi) Foerfarande foer framstaellning av kinon.
Nogueira et al. Performance of a tetracarbonylmolybdenum (0) pyrazolylpyridine (pre) catalyst in olefin epoxidation and epoxide alcoholysis
Nogueira et al. Molybdenum (0) tricarbonyl and tetracarbonyl complexes with a cationic pyrazolylpyridine ligand: synthesis, crystal structures and catalytic performance in olefin epoxidation
JP2022013886A (ja) 新規の過塩素化ジシレンおよびゲルマシレン、およびネオペンタテトレラン、その製造方法、ならびにその使用
Telegina et al. Synthesis, molecular structure and photochemical properties of tricarbonyl and dicarbonyl derivatives of 1N-and 2N-cymantrenylalkyl-1, 2, 3-triazoles
JPH06107668A (ja) テトラチアフルバレン誘導体前駆体、テトラチアフルバレン誘導体、テトラチアフルバレン誘導体前駆体の製造方法およびテトラチアフルバレン誘導体の製造方法
JP4053685B2 (ja) 3級炭素塩素化炭化水素の製造方法
RU2575711C1 (ru) Способ получения легированных поли[(r)карбинов] (r=h, алкил, арил)
CN113354531A (zh) 一种基于苯酐和芳香烷基化合物的傅-克酰基化反应方法
Abdulla Preparation Of Ferrocene Derivatives Of Niobium IV
JPS63196593A (ja) アルキルジハロゲノホスフアンの製造法
Potapov et al. Research Article Facile Synthesis of Pyrazole-and Benzotriazole-Containing Selenoethers
JP2005139149A (ja) キノリン−8−スルホニルクロライドの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A524 Written submission of copy of amendment under article 19 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A525

Effective date: 20180831

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200228

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20200831