JP2019219639A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また特許文献2には、排出方向規制手段の規制方向が定着ローラ対のニップ部の接線方向を基準にして上方または下方であることが示されている。
未定着像を保持する用紙を加熱および加圧するニップ部を通過させるよう搬送して未定着像を定着させる定着手段と、
前記定着手段のニップ部から排出された用紙を最初に挟んで搬送する一対の搬送ロールと、
前記一対の搬送ロールよりも前記定着手段に接近した位置で前記ニップ部から排出される用紙の片面側から接触して用紙の搬送を案内する第1案内手段と、
前記一対の搬送ロールよりも前記定着手段に接近した位置で前記ニップ部から排出される用紙の反対面側から接触して用紙の搬送を案内する第2案内手段と、
を備え、
前記第1案内手段は、案内部として、用紙の搬送経路から離れる方向に窪んだ形状からなる凹部を有し、
前記第2案内手段は、案内部として、断面が円弧状の形状からなる曲げ部を有し、前記曲げ部の少なくとも一部が前記凹部に入り込んだ状態で配置されているものである。
この発明(A3)の画像形成装置は、上記発明A2の画像形成装置において、前記曲げ部は、前記凹部の用紙の搬送方向の最上流側に位置する凸部と前記搬送方向の最下流側に位置する凸部とに接する仮想の直線が当該曲げ部と交わる2つの交点のうち前記搬送方向の上流側の交点で当該曲げ部に接する接線が当該凹部となす角度をθ1とし、前記搬送方向の下流側の交点で当該曲げ部に接する接線が当該凹部となす角度をθ2とした場合、θ1>θ2という条件を満たすよう配置されているものである。
この発明(A4)の画像形成装置は、上記発明A2の画像形成装置において、前記曲げ部は、前記凹部の用紙の搬送方向の最上流側に位置する凸部と前記搬送方向の最下流側に位置する凸部とに接する仮想の直線が当該曲げ部と交わる2つの交点のうち前記搬送方向の上流側の交点から当該曲げ部の当該凹部との間隔が最も短い位置までの当該曲げ部の上流側周長をL1とし、前記搬送方向の下流側の交点から前記間隔が最も短い位置までの当該曲げ部の下流側周長をL2とした場合、L1>L2という条件を満たすよう配置されているものである。
この発明(A5)の画像形成装置は、上記発明A2からA4のいずれかの画像形成装置において、前記曲げ部は、前記凹部のうち用紙の搬送方向の上流側に配置されているものである。
この発明(A6)の画像形成装置は、上記発明A1からA5のいずれかの画像形成装置において、前記第2案内手段は、前記曲げ部が回転可能に配置される断面円形状の回転体で構成されているものである。
この発明(A7)の画像形成装置は、上記発明A6の画像形成装置において、前記曲げ部の回転体は、その回転の中心が前記凹部に入り込まないよう配置されているものである。
この発明(A8)の画像形成装置は、上記発明A1からA7のいずれかの画像形成装置において、前記第2案内手段は、案内部として、前記曲げ部よりも用紙の搬送方向の上流側に用紙を前記曲げ部に案内する導入部を有しているものである。
この発明(A9)の画像形成装置は、上記発明A8の画像形成装置において、前記導入部は、前記凹部に入り込まないよう配置されているものである。
この発明(A10)の画像形成装置は、上記発明A8又はA9の画像形成装置において、前記第1案内手段は、案内部として、前記凹部のうち前記搬送方向の上流側の端部に用紙の先端を前記第1案内手段の導入部に接触させるよう誘導する誘導部を有しているものである。
この発明(A11)の画像形成装置は、上記発明A1からA10のいずれかの画像形成装置において、前記凹部のうち用紙の搬送方向の下流側の端部は、前記曲げ部と前記一対の搬送ロールにおけるニップ部の入口とに接する接線よりも前記搬送経路から離れる側に配置されているものである。
この発明(A12)の画像形成装置は、上記発明A1からA11のいずれかの画像形成装置において、前記第1案内手段および第2案内手段は、用紙の搬送方向と交差する幅方向の全域にわたって連続する形態で構成されているものである。
上記発明A2の画像形成装置によれば、第2案内手段の曲げ部が第1案内手段の凹部と接触した状態で配置される場合に比べて、用紙の搬送性が確保される。
上記発明A3の画像形成装置によれば、第2案内手段における曲げ部が上記θ1>θ2という条件を満たすよう配置されていない場合に比べて、用紙の少なくとも先端部に生じるカールを、用紙詰まりの発生を防ぎつつ矯正することができる。
上記発明A4の画像形成装置によれば、第2案内手段における曲げ部が上記L1>L2という条件を満たすよう配置されていない場合に比べて、用紙の少なくとも先端部に生じるカールを、用紙詰まりの発生を防ぎつつ矯正することができる。
上記発明A5の画像形成装置によれば、第2案内手段の曲げ部が第1案内手段の凹部のうち用紙の搬送方向の下流側に片寄らせた状態で配置する場合に比べて、用紙の少なくとも先端部に生じるカールを的確に矯正することができる。
上記発明A6の画像形成装置によれば、曲げ部が回転可能な回転体で構成されていない場合に比べて、用紙の搬送性の向上と用紙への負荷の低減が可能になる。
上記発明A7の画像形成装置によれば、曲げ部の回転体の回転中心が第1案内手段の凹部に入り込むよう配置される場合に比べて、用紙の搬送不良の発生を抑制できる。
上記発明A8の画像形成装置によれば、用紙の先端部を曲げ部に確実に案内してカールの矯正を行うことができる。
上記発明A9の画像形成装置によれば、用紙の先端部に生じるカールを導入部でなく曲げ部によって確実に矯正することができる。
上記発明A10の画像形成装置によれば、用紙の先端部を誘導部を介して曲げ部に確実に案内してカールの矯正を行うことができる。
上記発明A11の画像形成装置によれば、第2案内手段の曲げ部を通過した後の用紙にカールが再発することを防ぐことができる。
上記発明A12の画像形成装置によれば、用紙の幅方向においてむらのないカールの矯正を行うことができる。
図1と図2は、実施の形態1に係る画像形成装置1を示すものである。図1はその画像形成装置1の全体の構成を示し、図2はその画像形成装置1の一部(主に定着部およびカール矯正部)の構成を示している。
各図面中に符号X,Y,Zで示す矢印は、各図面において想定した3次元空間の幅、高さおよび奥行の各方向を示す。また図1、図2等においてX,Yの方向の矢印が交わる部分の丸印は、Zの方向が図面の垂直下方に向いていることを示している。
画像形成装置1は、例えば、外部から入力される画像情報に基づく画像を用紙9に形成するプリンタとして構成されている。
この画像形成装置1は、図1に示されるように、筐体10の内部空間に、画像情報に基づく未定着像を形成して用紙9に転写する像形成部2と、像形成部2に供給する用紙9を収容する給紙部4と、像形成部2で転写された未定着像を用紙9に定着させる定着部5と、定着部5から排出される用紙9に発生するカールを矯正するカール矯正部6等を備えている。図1等における一点鎖線は、筐体10内で用紙9が搬送されるときの主な搬送経路を示している。
その機器は、感光ドラム21の外周面(像形成可能面)を帯電させる帯電装置22と、感光ドラム21の外周面に画像情報に基づく露光をして静電潜像を形成する露光装置23と、感光ドラム21の外周面に形成された静電潜像を現像剤(トナー)により現像して顕像化する現像装置24と、感光ドラム21の外周面に形成された未定着の像(トナー像)を用紙9に転写させる転写装置25と、感光ドラム21の外周面に付着するトナー、紙粉等の不要物を除去して清掃する清掃装置26等の機器である。この像形成部2では、感光ドラム21と転写装置25が接触又は対向する部位が、用紙9を通過させて未定着像であるトナー像の転写を行う転写位置TPになる。
このうち収容カセット41は、複数枚の用紙9を所要の向きで積載して収容する積載板42を有し、筐体10の外部に引き出し操作が可能になるよう取り付けられた収容部材である。また、供給装置43は、収容カセット41の積載板42上に積載されている用紙9を、複数のロール等により上方のものから1枚ずつ繰り出す装置である。
このうち加熱用回転体51は、矢印で示す方向に回転するロール形態等からなる定着手段の一部である。加熱用回転体51は、図示しない駆動装置から回転動力を得て矢印で示す方向に回転し、また、例えばその内部に配置された加熱源53にて所要の温度に保たれるよう加熱される。加圧用回転体52は、加熱用回転体51に所要の加圧下で接触して従動回転するロール形態等からなる定着手段の一部である。
また、この定着部5は、定着が終了した用紙9をニップ部FNからほぼ上方向(例えば重力の方向と反対側の方向(鉛直方向)であって重力の方向を挟んで±45°の範囲内に含まれる方向)に排出するようになっている。以下では、このような排出を行う形式の定着部5を「上排出式の定着部5A」ということもある。
さらに、定着部5と排出収容部12の間には、定着終了後の用紙9を排出収容部12に排出させるよう搬送する排出搬送路Rt2が設けられている。排出搬送路Rt2は、筐体10の排出収容部12の一部を構成する壁面に形成された排紙口13の手前において用紙9を挟持して搬送する一対の排出ロール46や、用紙9の搬送空間を確保して用紙9の搬送を案内する図示しない案内部材等を配置して構成されている。また、排出搬送路Rt2は、定着部5から上方側に一対の排出ロール46が存在する方向に曲がって延びる搬送経路を形成する搬送路になっている。
そして、この画像形成装置1では、以下の基本的な画像形成動作が行われる。
また、この画像形成装置1では、複数枚の用紙9に対する画像形成動作を要求する指令が出された場合には、上記した一連の動作がその枚数分だけ同様に繰り返される。
ところで、このような画像形成装置1においては、図21(A)に例示されるように、定着部(定着手段)5のニップ部FNから排出される用紙9に、未定着像(トナー像)MTが定着処理された直後の画像T1が存在する表面9aとは反対側の裏面9bの側に反るように湾曲して変形するカール(例えば「反イメージカール」とも称される)が発生することがある。
この定着部5は、上排出式の定着部5Aであってかつ1型ニップ部の定着部5であるため、以下では1型ニップ部の上排出式定着部5A1と称することもある。また、ここでいう普通紙は、例えば薄紙や厚紙でない用紙であり、例えば坪量が60〜105g/m2の範囲の用紙である。
なお、この1型ニップ部の上排出式定着部5A1において用紙9として厚紙(例えば坪量が106g/m2以上の用紙)を使用して定着を行った場合、その厚紙には上記反イメージカールが発生しない。この場合、その厚紙には、定着された直後の未定着像が存在する側の表面の側に湾曲するように変形するカール(例えば「イメージカール」とも称される)が発生することがある。
このときの定着部5は、図19や図21(B)に示されるように、金属等からなるロール基体51aの外周面に離型層51cを設けた構成の加熱用回転体51と、金属等からなるロール基体52aに弾性層52bを設けた構成の加圧用回転体52とを用い、その加熱用回転体51が加圧用回転体52の弾性層52bに食い込んで窪んだ形状のニップ部FN2が形成されたもの(例えば2型ニップ部の定着部5)を適用している。この定着部5は、上排出式の定着部5Aであってかつ2型ニップ部の定着部5であるため、以下では2型ニップ部の上排出式定着部5A2と称することもある。
また、この2型ニップ部の上排出式定着部5A2に用紙9として厚紙を使用して定着を行った場合、その厚紙には、普通紙の場合ほど湾曲する程度が大きくならないものの、上記イメージカールが発生することがある。
そこで、この画像形成装置1においては、以下の構成からなるカール矯正部(矯正装置)6を備えている。
さらに、カール矯正部6は、第2案内手段65について、図2や図4に示されるように、用紙9を案内する部位である案内部として、用紙9の搬送方向Cに沿う断面が円弧状の形状からなる曲げ部66を有する案内手段として構成している。しかも、カール矯正部6は、第2案内手段65の曲げ部66について、その少なくとも一部が第1案内手段61の凹部62に入り込んだ状態になるよう配置しているものである。
この凹部62は、例えば、用紙9のカールを矯正するために用紙9を曲げる量等に応じて、その深さや用紙9の搬送方向Cにおける長さや形状等が設定されている。
なお、凹部62の案内面62cとして、図6(B)で例示するように凹部62の上流側端部62aと下流側端部62bの間に中間的な凸部がある場合、その中間的な凸部の頂点P1〜P4はいずれも上記直線VLで結ぶ頂点に該当しない。また、図6(C)で例示するように凹部62の上流側端部62aよりも用紙9の搬送方向Cの上流側に存在する凸部(角部)の頂点P5や、図6(D)で例示するように凹部62の下流側端部62bよりも用紙9の搬送方向Cの下流側に存在する凸部(角部)の頂点P6についても、上記直線VLで結ぶ頂点に該当しない。
この誘導部63は、例えば、凹部62の端部62aから加熱用回転体51の法線方向にほぼ沿って延びる面を有する部位であって、その面の仮想の延長線が上記導入部68のうち曲げ部66に近い側の部分に交差する状態になる部位として構成されている。
上記接線TLは、例えば、一対の排出ロール46のうち用紙9の搬送経路を挟んで曲げ部66(ロール67)と反対側に位置する排出ロール46bと曲げ部66とに接する接線としてもよい。
また、第1案内手段61は、図4に示されるように、誘導部63の加熱用回転体51と向き合う端部から加熱用回転体51の回転方向に延びる第1延長部分612と、凹部62の下流側端部62bから凹部62の窪む方向とほぼ同じ方向に延びる第2延長部分613とを有している。この第1延長部分612と第2延長部分613は、凹部62や誘導部63を形成するための付属部分と取付け部分になるが、場合によっては省略することも可能である。
また、この曲げ部66は、図2から図4に示されるように、第1案内手段61の凹部62のうち用紙9の搬送方向Cの上流側に片寄った状態で配置されている。つまり、このときの曲げ部66は、凹部62の上流側端部62aとの間の離間距離(隙間)が、凹部62の下流側端部62bとの間の離間距離よりも短くなる関係になっている。
曲げ部66のロール67は、図3に示されるように、円柱状又は円筒状の本体部67aの両端部における軸部67b,67cが図示しない支持部材に回転可能に取り付けて支持されている。このロール67は、弾性変形しない剛体として構成されている。また、曲げ部66のロール67は、図4に示されるように、その回転の中心O1が第1案内手段61の凹部62に入り込まないよう配置されている。つまり、このときのロール67は、半円筒部分の一部が凹部62に入り込んだ状態になっている。
この導入部68は、図4に示されるように、例えば、第1案内手段61における誘導部63よりも加熱用回転体51の回転方向下流側になる位置から曲げ部66に接近するように延びる面を有する部位であって、その面が第1案内手段61における誘導部63と凹部62の上流側端部62aと用紙9を通過させるための所要の間隔S2をあけて向き合う状態の部位として構成されている。
また、この導入部68は、第1案内手段61の誘導部63と協働して、定着部5のニップ部FNと向き合う状態で存在し、そのニップ部FNから排出される用紙9をカール矯正部6に受け入れる受け口を形成するように配置されている。この受け口は、実際のところ、向かい合う導入部68と誘導部63との間で用紙9の搬送方向Cの下流側にむかうにつれて間隔が次第に狭くなる隙間空間を形成する開口部として構成される。
さらに、この導入部68は、図4に示されるように、第1案内手段61の凹部62に入り込まないよう配置されている。つまり、この導入部68は、凹部62における上流側端部62aの頂点Psと下流側端部62bの頂点Peを結ぶ上記直線VLを越えて凹部62に入り込んだ部位がない状態になっている。
また、カール矯正部6における第1案内手段61、第2案内手段65および曲げ部66は、図2等に示されるように、第1案内手段61および第2案内手段65と一対の排出ロール46の間に配置される用紙9の排出案内手段47,48とを併せることにより、上記排出搬送路Rt2の搬送通路(空間)を構成している。
このうち排出案内手段47は、カール矯正部6における第1案内手段61と一対の排出ロール46の一方(例えば従動ロール46b)との間に下方側案内部47aを存在させた状態で配置される。また、排出案内手段48は、カール矯正部6における第2案内手段65と一対の排出ロール46の他方(例えば駆動ロール46a)との間に上方側案内部48aを存在させた状態で配置される。
以下、このカール矯正部6の動作について説明する。
この場合、普通紙9Aは、定着に際して、図7に例示されるような状態で定着部5のニップ部FNから排出されてカール矯正部6に進む。
このとき定着部5は、上記したように図21(A)に例示した1型ニップ部の上排出式定着部5A1である。このため、未定着像が転写された普通紙9Aは、その上排出式定着部5A1において矢印で示す方向に回転する加熱用回転体51とその加熱用回転体51の表面(弾性層51b)に食い込んで圧接する加圧用回転体52との間におけるニップ部FN(FN1)を通過し、しかる後、加熱用回転体51から自然に剥離されてほぼ上方向に排出される。
続いて、反イメージカールが発生した普通紙9Aは、上排出式定着部5A1のニップ部FN1における搬送力を受けて搬送され続け、その普通紙9Aの先端9cが、例えばカール矯正部6における第1案内手段61の誘導部63に接触した後、図7に二点鎖線で例示するようにカール矯正部6における第2案内手段65の導入部68に達するよう誘導されて接触させられる。
このときの普通紙9Aの先端9cは、第1案内手段61の誘導部63に接触する前に、第2案内手段65の導入部68に先に接触して移動することもある。
この際、反イメージカールが発生した普通紙9Aは、図8に実線で例示するように、その先端部が未定着像が転写された表面9aの側に反る方向に曲げられた状態にされて搬送される。またこの際、普通紙9Aの先端9cは、図8に二点鎖線で例示するように、第2案内手段65の曲げ部66であるロール67を通過すると、第1案内手段61の凹部62の案内面62cに接触して案内されるよう移動する。
また、普通紙9Aは、図10に例示されるように、その搬送時の後端9dが定着部5のニップ部FNを通過した段階でも、その後端部分は、カール矯正部6における第1案内手段61の凹部62と第2案内手段65の曲げ部66であるロール67との間の隙間を通過するときに、その表面9aの側に反るようにある程度曲げられた状態にされて移動する。
このときのカール矯正部6による反イメージカールの矯正は、第1案内手段61の凹部62と第2案内手段65の曲げ部66であるロール67とによって主に行われて、駆動源により第1案内手段61の位置を調整することや駆動源によりロール67を回転させること等を必要とせずに行われるので、駆動源を有することがなく比較的簡素な構成で行われることになる。
また、画像形成装置1においては、普通紙9Aは、定着部5のニップ部FNから排出された際に反イメージカールが発生した場合でも、カール矯正部6を通過することにより反イメージカールが矯正されてほぼ平らな状態にされた後、最終的に排出収容部12にほぼ正常な状態で収容される。
また、このカール矯正部6では、図11に示されるように、曲げ部66であるロール67の用紙9の搬送方向Cの下流側の部分(一方向の矢印で示す以降の範囲)で用紙9を表面9aの側に反らせるよう曲げて変形させることがなく、普通紙9Aに反イメージカールを再度付与してしまうことが防止される。
つまり、用紙9としての厚紙は、1型ニップ部の上排出式定着部5A1のニップ部FN1を通過して排出されたとき、普通紙9Aにおける反イメージカール(91)が発生しない状態で排出される。
また、このときの厚紙は、カール矯正部6における第1案内手段61の凹部62と第2案内手段65の曲げ部66であるロール67との間の隙間を通過する際に、その表面の側に反るように曲げられて通過するが、厚紙で腰(剛性)が普通紙よりも強いため、その曲げられた状態が保持されることはない。
そして、このときの厚紙は、カール矯正部6を通過した後、排出案内手段47,48で形成される搬送通路に送られ、最後に回転する一対の排出ロール46に達するよう搬送されて排出収容部12に収容される。
したがって、カール矯正部6は、用紙9として厚紙が通過するときにも、その表面の側に反るよう曲げて通過させるよう作動するが、その厚紙に例えばイメージカールを付与してしまうようなおそれはない。
また、カール矯正部6においては、曲げ部66が凹部62のうち用紙9の搬送方向Cの上流側に片寄らせた状態で配置されているので、その曲げ部66を凹部62のうち用紙9の搬送方向Cの下流側に片寄らせた状態で配置する場合に比べて、用紙9(普通紙9A)の少なくとも先端部に生じるカール(反イメージカール)が的確に矯正される。
さらに、カール矯正部6においては、曲げ部66が断面円形状の回転体であるロール67で構成されているので、その曲げ部66を回転体で構成しない場合に比べて、用紙9が良好に通過して搬送されるとともにロール67と接触したときに用紙9に与える負荷が低減される。
また、曲げ部66であるロール67は、その回転の中心O1が凹部62に入り込まないよう配置されているので、そのロール67を回転の中心O1が凹部62に入り込むよう配置した場合に比べて、用紙9を凹部62に相対的に多く押し込んだ状態で通過させることがなく、用紙9がロール67と凹部62の間を通過しにくくなって搬送不良を誘発することが抑制される。
実施の形態1におけるカール矯正部6は、その第2案内手段65として、図12に示されるように、案内部の曲げ部66が回転せず固定された形態の固定曲げ部69を有した第2案内手段65Bを適用して構成してもよい。
また、この固定曲げ部69を有する第2案内手段65Bでは、導入部68を固定曲げ部69と連続した状態で設けることができる。
なお、第1案内手段61は、実施の形態1における第1案内手段61と同じ構成のものである。
このような固定曲げ部69を有する第2案内手段65Bを備えたカール矯正部6の場合にも、実施の形態1におけるカール矯正部6とほぼ同様の作用効果が得られる。
図13と図14は、実施の形態2に係る画像形成装置1Bを示すものである。図13はその画像形成装置1Bの全体の構成を示し、図14はその画像形成装置1Bの一部(主に定着部およびカール矯正部)の構成を示している。
また、定着部5Bは、定着が終了した用紙9をニップ部FNからほぼ横方向(例えば画像形成装置が設置される床面等における水平の方向を挟んで±45°の範囲内に含まれる方向)に排出する点で異なる以外は、実施の形態1における定着部5と同じ構成からなるものである。以下では、このような排出を行う形式の定着部5Bを「横排出式の定着部5B」ということもある。
さらに、横排出式の定着部5Bは、実施の形態1における定着部5と同様に、図21(A)に例示した1型ニップ部の定着部でもある。このため、以下では、この横排出式の定着部5Bについて、1型ニップ部の横排出式の定着部5B1ということもある。
この他、画像形成装置1Bにおける排出搬送路Rt2は、図13に示されるように、定着部5Bと排出ロール46の間に一対の搬送ロール45を追加して構成されている。この搬送ロール45は、定着部5Bのニップ部FNから排出された用紙9を最初に挟んで搬送する一対の搬送ロールとして機能する。
図15は、実施の形態3に係る画像形成装置における定着部のカール矯正部6Cを示すものである。
また、カール矯正部6Cは、実施の形態1(その変形例を含む)におけるカール矯正部6とほぼ同様に第1案内手段61Cと第2案内手段65Cを備えて構成されており、特にその第1案内手段61Cおよび第2案内手段65Cの形状等の一部が変更されている点で少し異なる程度である。
また、本例のように一方の接線TL1が上記基準とする案内面(62c2)でない場合や不明である場合には、上記角度θ1については、その基準とする案内面(62c2)に沿って延長した仮想の延長線ELとなす角度とすればよい。さらに、角度θ1は接触m1において用紙9の搬送方向Cの上流側の位置に存在する角度を採用し、角度θ2は接触点m2において用紙9の搬送方向Cの下流側の位置に存在する角度を採用する。なお本例における角度θ1,θ2はいずれも劣角になる。
このことにより、用紙9は、凹部62Cと曲げ部66との間の空間を通過する際に受ける搬送負荷が低減し、その隙間空間で詰まりにくい状態で通過しやすくなり、用紙9の先端部にカールが存在してもそのカールがカール矯正部6Cの通過により矯正される。
すなわち、曲げ部66は、図18に示されるように、第1案内手段61Cにおける凹部62Cの上流側端部62aと下流側端部62bとに接する直線VLが曲げ部66と交わる2つの交点K1,K2のうち用紙9の搬送方向Cの上流側の交点K1から曲げ部66との間隔が最も短いSmという寸法になる位置spまでの曲げ部66の上流側周長をL1とし、前記搬送方向Cの下流側の交点K2から上記位置spまでの曲げ部66の下流側周長をL2とした場合、L1>L2という条件を満たすよう配置されている。
また、上記L1>L2という条件については、曲げ部66が例えば断面円形のロール67である場合、上流側の交点K1から上記位置spまでの中心角をα1とし、下流側の交点K2から上記位置spまでの中心角をα2としたとき、α1>α2という条件と言い替えることも可能である。
この発明は、上記実施の形態1から3で例示した内容に何ら限定されるものではなく、例えば、以下に挙げるような変形例も含むものである。
ただし、このカール矯正部6Dは、その第1案内手段61が主に上排出式定着部5A2におけるニップ部FN2より加圧用回転体52側に存在するよう配置され、その第2案内手段65と曲げ部66が上排出式定着部5A2における加熱用回転体51側に存在するよう配置されている点で、実施の形態1、3におけるカール矯正部6、6Cと相違している。また、この上排出式定着部5A2においては、そのニップ部FN2とカール矯正部6Cの第2案内手段65との間に、定着後の用紙9の先端9cを加熱用回転体51から剥離した後に第2案内手段65の導入部68に案内する図示しない剥離案内手段を設けることが望ましい。
しかし、このときのカール矯正部6Dは、上排出式定着部5A2のニップ部FN2から排出されてイメージカールが発生する普通紙9Aの先端部をはじめその後方部分に対して、第1案内手段61の凹部62と第2案内手段65の曲げ部66であるロール67との間の隙間を通過させる際に、その普通紙9Aをその裏面9bの側に反るよう一時的に湾曲させた状態にして通過させる。これにより、普通紙9Aに発生するイメージカールは、ほぼ消失されるように矯正される。
また、このカール矯正部6Dは、用紙9として厚紙9Bを使用したときには、実施の形態1におけるカール矯正部6の場合とほぼ同様に作動する。
さらに、カール矯正部6(6B,6D)は、必要な場合には、第2案内手段65の曲げ部66を第1案内手段61の凹部62と接近又は接触させた状態になるよう配置してもよい。この場合、その凹部62と曲げ部66の間を通過する用紙9の搬送性を確保する観点から、例えば曲げ部66を回転可能なロール67等の回転体として構成したり、あるいは、凹部62の案内面62cや曲げ部66の表面を弾性変形しやすい表面層を備えた構成にするとよい。
また、カール矯正部6(6B,6D)は、第1案内手段61に誘導部63を設ける代わりに、第1案内手段61と加熱用回転体51(又は加圧用回転体52)との間に用紙9を剥離して第2案内手段65の導入部68や曲げ部66に案内する剥離案内手段を設けるようにしてもよい。
また、実施の形態1から3では、定着部5(5A,5B)として加熱用回転体51と加圧用回転体52がロール形態で構成されている場合を例示したが、定着部5(5A,5B)としては、この他にも例えば、加熱用回転体51と加圧用回転体52の一方又は双方がベルト−支持ロール形態で構成されている定着部やベルト−ニップ形態で構成されている定着部を適用しても構わない。
5 …定着部(定着手段の一例)
9 …用紙
9a…表面(片面の一例)
9b…裏面(反対面の一例)
45…搬送ロール(一対の搬送ロールの一例)
46…排出ロール(一対の搬送ロールの一例)
61…第1案内手段
62…凹部
63…誘導部
65…第2案内手段
66…曲げ部
67…ロール(回転可能な回転体の一例)
68…導入部
C …用紙の搬送方向
D2…第2案内手段から離れる方向
FN…ニップ部
MT…トナー像(未定着像の一例)
S …空間
O1…回転の中心
TNs…ニップ部の入口
TL…接線
Claims (12)
- 未定着像を保持する用紙を加熱および加圧するニップ部を通過させるよう搬送して未定着像を定着させる定着手段と、
前記定着手段のニップ部から排出された用紙を最初に挟んで搬送する一対の搬送ロールと、
前記一対の搬送ロールよりも前記定着手段に接近した位置で前記ニップ部から排出される用紙の片面側から接触して用紙の搬送を案内する第1案内手段と、
前記一対の搬送ロールよりも前記定着手段に接近した位置で前記ニップ部から排出される用紙の反対面側から接触して用紙の搬送を案内する第2案内手段と、
を備え、
前記第1案内手段は、案内部として、用紙の搬送経路から離れる方向に窪んだ形状からなる凹部を有し、
前記第2案内手段は、案内部として、断面が円弧状の形状からなる曲げ部を有し、前記曲げ部の少なくとも一部が前記凹部に入り込んだ状態で配置されている画像形成装置。 - 前記曲げ部は、前記凹部と用紙を通過させる間隔をあけて向き合う状態で配置されている請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記曲げ部は、前記凹部の用紙の搬送方向の最上流側に位置する凸部と前記搬送方向の最下流側に位置する凸部とに接する仮想の直線が当該曲げ部と交わる2つの交点のうち前記搬送方向の上流側の交点で当該曲げ部に接する接線が当該凹部となす角度をθ1とし、前記搬送方向の下流側の交点で当該曲げ部に接する接線が当該凹部となす角度をθ2とした場合、θ1>θ2という条件を満たすよう配置されている請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記曲げ部は、前記凹部の用紙の搬送方向の最上流側に位置する凸部と前記搬送方向の最下流側に位置する凸部とに接する仮想の直線が当該曲げ部と交わる2つの交点のうち前記搬送方向の上流側の交点から当該曲げ部の当該凹部との間隔が最も短い位置までの当該曲げ部の上流側周長をL1とし、前記搬送方向の下流側の交点から前記間隔が最も短い位置までの当該曲げ部の下流側周長をL2とした場合、L1>L2という条件を満たすよう配置されている請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記曲げ部は、前記凹部のうち用紙の搬送方向の上流側に配置されている請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記第2案内手段は、前記曲げ部が回転可能に配置される断面円形状の回転体で構成されている請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記曲げ部の回転体は、その回転の中心が前記凹部に入り込まないよう配置されている請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記第2案内手段は、案内部として、前記曲げ部よりも用紙の搬送方向の上流側に用紙を前記曲げ部に案内する導入部を有している請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記導入部は、前記凹部に入り込まないよう配置されている請求項8に記載の画像形成装置。
- 前記第1案内手段は、案内部として、前記凹部のうち前記搬送方向の上流側の端部に用紙の先端を前記第1案内手段の導入部に接触させるよう誘導する誘導部を有している請求項8又は9に記載の画像形成装置。
- 前記凹部のうち用紙の搬送方向の下流側の端部は、前記曲げ部と前記一対の搬送ロールにおけるニップ部の入口とに接する接線よりも前記搬送経路から離れる側に配置されている請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記第1案内手段および第2案内手段は、用紙の搬送方向と交差する幅方向の全域にわたって連続する形態で構成されている請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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