JP2019203055A - ポリテトラフルオロエチレン組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、本開示のPTFE組成物は、PTFEと繊維状フィラーとを含み、上記繊維状フィラーは、平均繊維長が100μm以下であり、かつ、繊維長160μm超の割合が15質量%以下である。上記構成を有することによって、圧縮強度等の機械的強度に優れ、かつ、延伸加工性に優れるPTFE組成物となる。
また、上記PTFEは、非溶融加工性及びフィブリル化性を有する高分子量PTFEであってもよいし、溶融加工性を有し、フィブリル化性を有しない低分子量PTFEであってもよいが、非溶融加工性及びフィブリル化性を有する高分子量PTFEであることが好ましい。
CF2=CF−ORf1 (1)
(式中、Rf1は、パーフルオロ有機基を表す。)で表されるパーフルオロ不飽和化合物等が挙げられる。本明細書において、上記「パーフルオロ有機基」とは、炭素原子に結合する水素原子が全てフッ素原子に置換されてなる有機基を意味する。上記パーフルオロ有機基は、エーテル酸素を有していてもよい。
上記パーフルオロビニルエーテルとしては、更に、上記一般式(1)において、Rf1が炭素数4〜9のパーフルオロ(アルコキシアルキル)基であるもの、Rf1が下記式:
パーフルオロアルキルエチレンとしては特に限定されず、例えば、パーフルオロブチルエチレン[PFBE]、パーフルオロヘキシルエチレン、(パーフルオロオクチル)エチレン等が挙げられる。
上記溶融粘度は、ASTM D 1238に準拠し、フローテスター(島津製作所社製)及び2φ−8Lのダイを用い、予め測定温度(380℃)で5分間加熱しておいた2gの試料を0.7MPaの荷重にて上記温度に保って測定することができる。
本明細書において、標準比重(SSG)は、ASTM D 4895−89に準拠して、水中置換法に基づき測定することができる。
上記PTFEは、フィブリル化性に加えて、非溶融加工性を有することが好ましい。非溶融加工性とは、ポリマーを溶融して加工できないことをいう。
上記PTFE粒子の平均粒子径は、JIS K6891に準拠して測定するか、または、レーザー回折式粒度分布測定装置を用い、カスケードは使用せず、分散圧力3.0barで測定を行い、粒度分布積算の50%に対応する粒子径に等しいとする。レーザー回折式粒度分布測定装置としては、例えば、日本電子株式会社製のHELOS&RODOSを用いることができる。
上記繊維状フィラーは、平均繊維長が100μm以下である。上記平均繊維長は、延伸加工性がより向上することから、95μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましく、60μm以下であることが更に好ましい。
平均繊維長の下限値は限定されないが、例えば、40μmである。
上記平均繊維長は、走査型電子顕微鏡の200倍像を任意で10視野分撮影し、200本の繊維長を計測して、平均繊維長(重量基準)を求める。また、繊維長160μm超の割合及び繊維長80μm未満の割合は、走査型電子顕微鏡の200倍像を任意で10視野分撮影し、200本の繊維長を計測して、その分布からそれぞれの割合を読み取り、算出する。
上記平均繊維径は、走査型電子顕微鏡の200倍像を任意で10視野分撮影し、200本の繊維長を計測して、数平均繊維径を求める。
上記アスペクト比は、走査型電子顕微鏡の200倍像を任意で10視野分撮影し、200本の繊維長の平均値、および繊維径の平均値より算出した。
上記炭素繊維としてはPAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、セルロース系炭素繊維等のいずれでもよい。また、等方性炭素繊維でも、異方性炭素繊維であってもよい。
繊維状フィラーの含有量は、5質量%以上がより好ましく、8質量%以上が更に好ましく、また、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。
上記他の成分としては、金属、無機または有機の補強用充填材や相溶化剤、潤滑剤(フッ化カーボン、カーボングラファイト、二硫化モリブデン)、安定剤など種々の添加剤を組み合わせて配合することができる。
上記成形品は、従来公知の延伸加工方法により製造することができる。
例えば、PTFE及び繊維状フィラーを上記の混合機にて混合して樹脂組成物を得た後、圧縮成形などの成形法により成形し、成形体を350〜380℃で0.5〜10時間焼成した後、得られた焼成体を切削加工等により加工することで所望の成形体(シールリング等)を得てもよい。
さらに、炭酸ガス、天然ガス、代替フロン、空気、ヘリウムガスなどが使用されているコンプレッサー用シール(チップシール、ピストンリング)、高層建築物用の高水圧シール、トラック、バス、自動車などのパワーステアリングシールリング、ショベルカー、フォークリフト、ブルドーザーまたは釘打ち機等の建設機械関連のシール軸受としても使用可能である。
PTFE(A)
商品名:ポリフロンM−18F、ダイキン工業株式会社製、標準比重(SSG):2.164、融点:344.9℃
(2)繊維状フィラー
[カーボンファイバー(A)]
平均繊維長53.0μm、繊維長160μm超の割合0.5質量%、繊維長80μm未満の割合94.0質量%、アスペクト比:3.9
[カーボンファイバー(B)]
平均繊維長56.0μm、繊維長160μm超の割合3.0質量%、繊維長80μm未満の割合81.0質量%、アスペクト比:3.9
[カーボンファイバー(C)]
平均繊維長114.0μm、繊維長160μm超の割合21.0質量%、繊維長80μm未満の割合43.0質量%、アスペクト比:9.5
[カーボンファイバー(D)]
平均繊維長118.0μm、繊維長160μm超の割合10.0質量%、繊維長80μm未満の割合52.0質量%、アスペクト比:8.7
実施例1〜2、比較例1〜2の各樹脂組成物210gを成形圧力49.0MPaで加圧成形した後、370℃で焼成し、円柱状成形体(外径50mm、高さ50mm)を得た。この成形体から圧縮強度試験用の試験片(外径10mm、高さ20mm)を作製し、島津製作所製のオートグラフAG−Iを用いて、試験片高さが25%変形するまで、10mm/minの速度で圧縮し、その際の応力を測定した。
実施例1〜2、比較例1〜2の各樹脂組成物210gを成形圧力30MPaで加圧成形した後、370℃で焼成し、円柱状成形体(外径50mm、高さ50mm)を得た。この成形体をスカイブ加工することで厚みがおよそ0.13mmのシートを作製した。このシートを島津製作所製のオートグラフAGS−J引張試験機を用いて、延伸倍率が2倍になるまで、50mm/minの速度で延伸し、その際に生じる成形体のピンホールの数を観察した。ピンホールの観察には実態顕微鏡の40倍像を任意で10視野分撮影し、その平均を算出した。
懸濁重合により得られたポリテトラフルオロエチレン樹脂の粉末(上記PTFE(A))を90質量部と、カーボンファイバー(A)を10質量部とをヘンシェルミキサーを用いて混合し、PTFE組成物を得た。
繊維状フィラーの種類を表1に記載のように変更したこと以外は、実施例1と同様にしてPTFE組成物を得た。
Claims (5)
- ポリテトラフルオロエチレンと繊維状フィラーとを含み、
前記繊維状フィラーは、平均繊維長が100μm以下であり、かつ、繊維長160μm超の割合が15質量%以下である
ことを特徴とするポリテトラフルオロエチレン組成物。 - 前記繊維状フィラーは、繊維長80μm未満の割合が75質量%以上である請求項1記載のポリテトラフルオロエチレン組成物。
- 前記繊維状フィラーは、炭素繊維及びガラス繊維からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1又は2記載のポリテトラフルオロエチレン組成物。
- 前記ポリテトラフルオロエチレンの含有量は、60〜97質量%である請求項1、2又は3記載のポリテトラフルオロエチレン組成物。
- 前記繊維状フィラーの含有量は、3〜40質量%である請求項1、2、3又は4記載のポリテトラフルオロエチレン組成物。
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