JPH07290582A - 黒鉛繊維強化フッ素樹脂複合体の製造方法 - Google Patents

黒鉛繊維強化フッ素樹脂複合体の製造方法

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JPH07290582A
JPH07290582A JP6112294A JP11229494A JPH07290582A JP H07290582 A JPH07290582 A JP H07290582A JP 6112294 A JP6112294 A JP 6112294A JP 11229494 A JP11229494 A JP 11229494A JP H07290582 A JPH07290582 A JP H07290582A
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graphite
fiber
graphite fiber
halogen
fibers
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Application number
JP6112294A
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English (en)
Inventor
Takuya Ueno
拓哉 上野
Tadayuki Inamori
均之 稲守
Hiroya Kakegawa
宏弥 掛川
Masaru Higashiyama
勝 東山
Yasuhisa Inai
康久 井内
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械的強度が大きく、一体性、圧縮強度特性
及び耐摩耗性に優れ、摺動部材等として有用な黒鉛繊維
強化フッ素樹脂複合体を製造する。 【構成】 ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂
99〜40重量部と、黒鉛繊維1〜60重量部の割合か
らなる組成物を成形して黒鉛繊維強化フッ素樹脂複合体
を得る。前記黒鉛繊維としては、比表面積0.6〜25
2 /gである下記の(1)〜(3)の黒鉛繊維が用い
られる。(1)その表面のハロゲン原子含有量(X1s
1s)が0.05〜1.8である黒鉛繊維、(2)その
表面のハロゲン原子含有量(X1s/C1s)が0.05〜
1.8で、かつその表面の酸素原子含有量(O1s
1s)が0.10〜0.20である黒鉛繊維、又は
(3)その表面の酸素原子含有量(O1s/C1s)が0.
10〜0.20であり、特定の酸化処理により得られた
黒鉛繊維。黒鉛繊維(1)又は(2)は、ハロゲン化処
理、又は酸化及びハロゲン化処理することにより得られ
る。前記黒鉛繊維により複合体の機械的強度及び耐摩耗
性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械的強度及び摺動
性、特に耐摩耗性に優れた黒鉛繊維強化フッ素樹脂複合
体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリテトラフルオロエチレン(以下、P
TFEと略称する)は耐熱性、耐薬品性に優れているだ
けでなく、特に摩擦係数が小さく摺動性にも優れてい
る。しかしながら、PTFEの耐摩耗性は必ずしも十分
ではなく、また荷重による成形体の変形(クリープ)、
特に高温での成形体の変形が大きい。従って、高温荷重
下での使用においては、特に大きな制約を受ける。
【0003】そこで、通常、PTFEに、ガラス繊維、
ガラス粉末又はビーズ、炭素繊維、グラファイト、二硫
化モリブデン、金属潤滑剤、金属酸化物などの充填剤を
添加している。これらの充填剤を添加した樹脂組成物複
合体は、マトリックス樹脂単体と比較して耐摩耗性が向
上する。そのため、前記樹脂組成物複合体は、軸受、歯
車、ブッシュ、パッキンなどのシール材、ピストンリン
グ、ボール弁のシート、スライディングバンドなどの各
種産業用摺動部材に広く使用されている。
【0004】しかしながら、このような複合体を高温高
負荷の条件で使用する場合は、充填剤として炭素繊維を
用いた場合でも、機械的強度、圧縮クリープ特性、複合
体及び摺動相手材の耐摩耗性は不十分である。このこと
は、マトリックスであるPTFEと炭素繊維との濡れ性
が劣ることに起因すると推測される。
【0005】なお、本出願人は、先に、特開平5−32
842号公報及び特開平5−43763号公報におい
て、酸素含有雰囲気下で加熱することにより得られた炭
素繊維とフッ素樹脂とを含むフッ素樹脂組成物を提唱し
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、機械
的強度が大きく、一体性、圧縮強度特性及び耐摩耗性に
優れる黒鉛繊維強化フッ素樹脂複合体の製造方法を提供
することにある。
【0007】本発明の他の目的は、高負荷条件下におい
ても機械的特性及び耐摩耗性に優れる黒鉛繊維強化フッ
素樹脂複合体の製造方法を提供することにある。
【0008】本発明の更に他の目的は、摺動部材として
有用な黒鉛繊維強化フッ素樹脂複合体の製造方法を提供
することにある。
【0009】本発明の他の目的は、黒鉛繊維とフッ素樹
脂との濡れ性が更に改善され、上記の如き特性が更に改
善された黒鉛繊維強化フッ素樹脂複合体の製造方法を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、黒鉛繊維
強化フッ素樹脂複合体の機械的強度及び摺動性、特に耐
摩耗性を向上させるべく鋭意検討した結果、特定の表面
状態を有する黒鉛繊維を用いる場合には、黒鉛繊維強化
フッ素樹脂複合体の成形体の圧縮強度、耐摩耗性が向上
することを見いだし、本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明は、比表面積が0.6〜
25m2 /gである下記(1)又は(2)の黒鉛繊維と
フッ素樹脂とを含む組成物を成形する黒鉛繊維強化フッ
素樹脂複合体の製造方法を提供する。
【0012】(1)X線光電子分光法による繊維表面の
ハロゲン原子と炭素原子の比が、前者/後者=0.05
〜1.8である黒鉛繊維、又は(2)X線光電子分光法
による繊維表面のハロゲン原子と炭素原子との比が、前
者/後者=0.05〜1.8であり、かつX線光電子分
光法による繊維表面の酸素原子と炭素原子の比が、前者
/後者=0.10〜0.20である黒鉛繊維また、本発
明は、比表面積が0.6〜25m2 /gであり、X線光
電子分光法による繊維表面の酸素原子と炭素原子の比
が、前者/後者=0.10〜0.20であり、かつ特定
の酸化方法で得られたものである黒鉛繊維(3)とフッ
素樹脂とを含む組成物を成形する黒鉛繊維強化フッ素樹
脂複合体の製造方法を提供する。
【0013】黒鉛繊維強化フッ素樹脂複合体は、例え
ば、前記組成物を圧縮成形し、得られた成形体をアニー
リングするか、或いは前記組成物を押出成形または射出
成形することにより製造できる。
【0014】本発明で使用するフッ素樹脂には、種々の
フッ素含有ポリマーが含まれる。このようなフッ素樹脂
としては、特に限定されず、例えば、テトラフルオロエ
チレン、クロロトリフルオロエチレン、ビニルフルオラ
イド、ビニリデンフルオライド、ヘキサフルオロプロピ
レン、パーフルオロアルキルビニルエーテルなどのフッ
素含有モノマーの単独又は共重合体;前記フッ素含有モ
ノマーと、エチレン、プロピレン、各種のアクリル酸エ
ステルなどの共重合性モノマーとの共重合体が含まれ
る。より具体的には、フッ素樹脂としては、例えば、ポ
リテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエ
チレン、ポリビニリデンフルオライドなどの単独重合
体;テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロア
ルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレ
ン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体、エチレン−テトラフルオロエ
チレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレ
ン共重合体などの共重合体が例示される。これらのフッ
素樹脂の中で、ポリテトラフルオロエチレンが好まし
い。これらのフッ素樹脂は一種又は二種以上混合して使
用できる。
【0015】本発明で使用される黒鉛繊維としては、例
えば、石炭系ピッチ、石油系ピッチ、液晶ピッチ、ポリ
アクリロニトリル、フェノール系樹脂、レーヨン、セル
ロースなどを原料とする黒鉛繊維を挙げることができ
る。これらの黒鉛繊維は一種又は二種以上混合して用い
ることができる。
【0016】なお、本明細書において、「黒鉛繊維」と
は、炭素繊維又は表面が不融化処理(耐炎化処理)され
た炭化若しくは黒鉛化可能な前駆体繊維を、1600℃
以上、好ましくは1600〜3300℃、より好ましく
は2200〜3000℃程度の温度で熱処理して得られ
る繊維を意味する。前記温度で熱処理された繊維は、耐
酸化性や熱安定性の点で炭素繊維とは異なる。
【0017】本発明で使用される黒鉛繊維の比表面積
は、0.6〜25m2 /g、好ましくは、0.6〜10
2 /g、より好ましくは、0.8〜8m2 /g、特に
好ましくは、1〜6m2 /g程度である。このような比
表面積を有する黒鉛繊維は、フッ素樹脂に対して高い濡
れ性を示すため、フッ素樹脂と黒鉛繊維とを含む複合材
の機械的強度を向上させるだけでなく、複合材及び摺動
相手材の耐摩耗性も向上させる。このような比表面積の
黒鉛繊維は、例えば、酸化処理によって得ることができ
る。
【0018】黒鉛繊維の繊維径及び繊維長は特に制限さ
れないが、通常、繊維径1〜20μm、好ましくは5〜
20μm程度、繊維長10μm以上、好ましくは50μ
m〜5mm、より好ましくは50μm〜3mm、特に好
ましくは50〜500μm程度の短繊維が使用される。
【0019】更に、黒鉛繊維としては、次のような特性
を有する黒鉛繊維を用いる。
【0020】(1)X線光電子分光法による黒鉛繊維表
面のハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、
ヨウ素原子)と炭素原子の比(X1S/C1S)が0.05
〜1.8、好ましくは、0.05〜1.5、より好まし
くは、0.15〜1.5程度の黒鉛繊維、又は(2)X
線光電子分光法による黒鉛繊維表面のハロゲン原子(フ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)と炭素原
子の比(X1S/C1S)が0.05〜1.8、好ましく
は、0.05〜1.5、より好ましくは、0.15〜
1.5程度であり、かつX線光電子分光法による黒鉛繊
維表面の酸素原子と炭素原子の比(O1S/C1S)が、
0.10〜0.20、好ましくは0.12〜0.20、
より好ましくは、0.15〜0.20程度の黒鉛繊維。
【0021】このような黒鉛繊維は、マトリックスであ
るフッ素樹脂との濡れ性に優れるため、フッ素樹脂と黒
鉛繊維とを含む複合体の強度をさらに高めるとともに、
複合体の成形品及び摺動相手材を含めた耐摩耗性もさら
に高める。
【0022】繊維表面のハロゲン原子と炭素原子の比が
前記範囲である黒鉛繊維(1)又は(2)は、例えば次
のようにして調製できる。
【0023】(i)黒鉛繊維をハロゲン又はハロゲン含
有無機化合物と化学反応させる方法(化学反応法)、
(ii)ハロゲン含有ガス中で、黒鉛繊維をプラズマ放電
処理する方法(プラズマ放電法)、(iii )黒鉛繊維表
面上でハロゲン含有モノマーを重合させる方法(重合
法)、(iv)黒鉛繊維をハロゲン含有化合物でサイジン
グする方法(サイジング法)、又は(v)黒鉛繊維に、
反応性末端基を有するハロゲン含有化合物をグラフトさ
せる方法(グラフト法)。
【0024】なお、前記(ii)〜(v)に記載した方法
において、ハロゲン含有成分としては、フッ素含有成分
が好適に用いられる。
【0025】繊維表面の酸素原子と炭素原子の比が前記
範囲である黒鉛繊維(2)は、例えば次のようにして調
製できる。
【0026】(A)含酸素化合物を含む液相又は気相中
で黒鉛繊維を酸化する方法(液相又は気相酸化法)、
(B)含酸素気体の雰囲気中で黒鉛繊維を機械的に粉砕
する方法(機械的粉砕法)、(C)黒鉛繊維の表面に無
機酸化剤を付与し、加熱する方法(無機酸化剤法)、
(D)黒鉛繊維を陽極として電解質溶液中で電解酸化す
る方法(電解酸化法)、又は(E)窒素ガス等の不活性
ガス中で、黒鉛繊維をプラズマ放電処理した後、酸素含
有気体と接触させる方法(プラズマ放電酸化法)。
【0027】また、黒鉛繊維としては、下記の特定の方
法により表面に酸素原子が導入された黒鉛繊維(3)を
用いてもよい。
【0028】(B)機械的粉砕法(D)電解酸化法、又
は(E)プラズマ放電酸化法。
【0029】上記の方法を用いると、黒鉛繊維を効率的
に酸化できるので、このようにして得られた黒鉛繊維
は、補強材としての機能が大きく、フッ素樹脂と黒鉛繊
維とを含む複合体の機械的強度を高めるとともに、複合
体及び摺動相手材の耐摩耗性も高める。
【0030】このような酸化方法で酸化された黒鉛繊維
は、次のような特性を有する。
【0031】X線光電子分光法による黒鉛繊維表面の酸
素原子と炭素原子の比(O1S/C1S)が、0.10〜
0.20、好ましくは0.12〜0.20、より好まし
くは、0.15〜0.20程度である。
【0032】本発明において、黒鉛繊維の調製には、前
記の方法を一種又は二種以上組み合わせて適用できる。
【0033】本発明において、黒鉛繊維の表面に、ハロ
ゲン原子と酸素原子とが前記範囲の含有量で存在する
と、黒鉛繊維のフッ素樹脂に対する濡れ性が更に高ま
り、複合体の機械的強度及び耐摩耗性が更に向上する。
従って、前記(A)〜(E)の酸化処理と、前記(i)
〜(v)のハロゲン化処理とを組み合わせて黒鉛繊維を
調製することが好ましい。このような酸化処理とハロゲ
ン化処理との組み合わせを下記に例示する。
【0034】(A)液相又は気相酸化法 この方法と組み合わせ可能なハロゲン化方法は、(i)
化学反応法、(ii)プラズマ放電法、(iii )重合法、
(iv)サイジング法、又は(v)グラフト法である。
【0035】(B)機械的粉砕法 この方法と組み合わせ可能なハロゲン化方法は、(i)
化学反応法、(ii)プラズマ放電法、(iii )重合法、
(iv)サイジング法、又は(v)グラフト法である。
【0036】(C)無機酸化剤法 この方法と組み合わせ可能なハロゲン化方法は、(i)
化学反応法、(ii)プラズマ放電法、(iii )重合法、
(iv)サイジング法、又は(v)グラフト法である。
【0037】(D)電解酸化法 この方法と組み合わせ可能なハロゲン化方法は、(i)
化学反応法、(ii)プラズマ放電法、(iii )重合法、
(iv)サイジング法、又は(v)グラフト法である。
【0038】(E)プラズマ放電酸化法 この方法と組み合わせ可能なハロゲン化方法は、(i)
化学反応法、(ii)プラズマ放電法、(iii )重合法、
(iv)サイジング法、又は(v)グラフト法である。
【0039】このような酸化処理とハロゲン化処理と
は、同時に行ってもよく、順次行ってもよい。
【0040】特に、上記ハロゲン化処理のうち、(ii)
〜(v)の方法は、予め繊維を酸化処理しておくと、ハ
ロゲンを効率的に導入できる。従って、黒鉛繊維の調製
方法としては、前記(A)液相又は気相酸化法、(B)
機械的粉砕法、(C)無機酸化剤法、(D)電解酸化
法、又は(E)プラズマ放電酸化法のいずれか一つの方
法で繊維表面に所定濃度の酸素を導入した黒鉛繊維を用
いて、(ii)プラズマ放電法、(iii )重合法、(iv)
サイジングする方法、又は(v)グラフト法のいずれか
の方法によりハロゲンを導入することがより好ましい。
【0041】以下、それぞれの方法について詳述する。
【0042】(A)含酸素化合物を含む気相又は液相中
で黒鉛繊維を酸化する方法 この酸化処理は、含酸素気体の存在下または含酸素液体
を用いて慣用の方法で行うことができる。このような化
学的酸化方法には、例えば、酸素、オゾン、水蒸気又は
スチーム、一酸化炭素、二酸化炭素、二酸化窒素などの
含酸素気体の一種または二種以上と、黒鉛繊維とを接触
させる気相酸化法、濃硝酸、硫酸、クロム酸、重クロム
酸、過マンガン酸、過ハロゲン酸、次亜ハロゲン酸、過
酸化水素などの酸化性化合物を一種または二種以上含む
液体と、黒鉛繊維とを接触させる液相酸化法などが含ま
れる。
【0043】また、処理時間を短縮するために、例え
ば、気相酸化法は500〜1000℃程度の温度、液相
酸化法は60〜120℃程度の温度で行うことが好まし
い。処理時間は特に制限されず、黒鉛繊維の強度に悪影
響を及ぼさず、酸素原子が繊維表面に前記酸素原子/炭
素原子の比で導入される範囲で、処理温度等に応じて適
宜選択できる。
【0044】(B)含酸素気体の雰囲気中で黒鉛繊維を
機械的に粉砕する方法 この方法は、炭素繊維を粉砕する慣用の方法で行うこと
ができる。例えば、1mm〜150mmの黒鉛繊維トウ
やチョップ等を、酸化剤の存在下、ミキサー、粉砕機等
を用いて10〜700μmに粉砕することにより酸化処
理できる。酸化剤としては、空気や、前記(A)の方法
に記載した酸化性化合物等が用いられる。これらの酸化
剤のうち、空気が好ましい。
【0045】(C)黒鉛繊維の表面に無機酸化剤を付与
し、加熱する方法 この方法は、黒鉛繊維を、無機酸化剤を含有するサイズ
剤でサイジングする方法や、微粒子状の無機酸化剤を黒
鉛繊維の表面に沈着又は析出させる方法などの慣用の方
法で行うことができる。具体的には、黒鉛繊維の表面に
酸化剤を分散させ、その後、300〜1000℃程度の
温度で加熱処理することにより酸化処理できる。処理時
間は特に制限されず、黒鉛繊維の強度に悪影響を及ぼさ
ず、酸素原子が繊維表面に前記酸素原子/炭素原子の比
で導入される範囲で、処理温度等に応じて適宜選択でき
る。
【0046】酸化剤としては、例えば、過マンガン酸カ
リウム、重クロム酸カリウム、過マンガン酸ナトリウ
ム、重クロム酸ナトリウム等の遷移金属含有オキソ酸等
が例示される。また、酸化剤として、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等を用
いてもよい。これらの酸化剤は、一種または二種以上混
合して使用できる。
【0047】(D)黒鉛繊維を陽極として電解質溶液中
で電解酸化する方法 黒鉛繊維を陽極、金属を陰極として用い、電解酸化能を
有する電解質溶液中、例えば硝酸、硫酸、次亜塩素酸等
の酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基、塩
化ナトリウム、硫酸アンモニウム、炭酸カルシウム等の
塩の水溶液中で、100クーロン/g(黒鉛繊維)以
上、好ましくは300〜5000クーロン/g(黒鉛繊
維)、より好ましくは500〜2000クーロン/g
(黒鉛繊維)程度の電気量を通電することにより酸化処
理できる。液温は、特に制限はないが、好ましくは20
〜100℃、より好ましくは20〜50℃程度である。
電解酸化時間は特に制限されず、黒鉛繊維の強度に悪影
響を及ぼさない範囲で選択できる。
【0048】(E)フッ素原子を含有しないガス(例え
ば、不活性ガス)中で、黒鉛繊維をプラズマ放電処理し
たのち、酸素含有気体と接触させる方法 この方法は、慣用の方法、例えば、反応容器外にいずれ
か一方がアースされた一対の放電電極を有する外部電極
型低温プラズマ発生装置に、黒鉛繊維を入れ、減圧下、
フッ素原子を含有しないガスを流通させながらグロー放
電を行わせることにより発生させた低温プラズマで処理
する方法、反応容器内にいずれか一方がアースされた一
対の放電電極を有する内部電極型低温プラズマ発生装置
に、黒鉛繊維を入れ、減圧下、フッ素を含有しないガス
を流通させながらグロー放電を行わせることにより発生
させた低温プラズマで処理する方法などで行うことがで
きる。
【0049】プラズマ処理に用いる黒鉛繊維は、例え
ば、ミルド、チョップ、マット、フェルト、フィラメン
ト、クロス等の織物などいずれの形態であってもよい。
【0050】プラズマ処理のための雰囲気ガスとして
は、例えば、He、Ne、Ar、N2等の不活性ガスが
使用できる。これらのガスを二種以上混合して使用して
もよい。
【0051】反応容器内の圧力は、0.001〜10T
orr、好ましくは0.01〜5Torr、より好まし
くは、0.01〜2Torr程度である。このようなガ
ス圧力の下、一対の放電電極間に、例えば、10kHz
〜100MHz程度の周波数の高周波で10W〜100
kW程度の電力を与えることにより安定なグロー放電を
得ることができる。プラズマ処理時間は、例えば、10
分〜10時間、好ましくは10分〜2時間程度である。
なお、放電周波数帯としては、上記高周波の他に、低周
波、マイクロ波、直流などを用いることもできる。
【0052】電極の形状は特に制限はなく、一対の電極
形状は、同一又は異なっていてもよく、また、リング
状、平板状、棒状等のいずれであってもよい。
【0053】酸素含有気体としては、前記方法(A)に
記載したのと同様の酸素含有気体を用いることができ
る。
【0054】(i)黒鉛繊維をハロゲン又はハロゲン含
有無機化合物と化学反応させる方法 この処理は、慣用の方法、例えば、ハロゲン又はハロゲ
ン含有無機化合物と黒鉛繊維とを、液相、気相又はバル
クで反応させることにより行うことができる。
【0055】前記方法としては、例えば、四塩化炭素、
ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒中に黒鉛繊維を分散
させ、臭素、塩素等のハロゲンと黒鉛炭素とを加熱下反
応させる方法、臭素等のハロゲンガスと黒鉛繊維とを気
相で反応させる方法、五塩化リン等のハロゲン含有無機
化合物(ハロゲン化用無機化合物)と黒鉛繊維とを加熱
下、バルクで反応させる方法などが挙げられる。黒鉛繊
維とハロゲン又はハロゲン含有無機化合物との反応は、
塩化第二鉄等のルイス酸触媒の存在下で行ってもよい。
【0056】また、ハロゲン又はハロゲン含有無機化合
物との反応に用いる黒鉛繊維は、表面が酸化処理された
ものであってもよい。
【0057】(ii)ハロゲン含有ガス中で黒鉛繊維をプ
ラズマ放電処理する方法 この方法は、慣用の方法、例えば、反応容器外にいずれ
か一方がアースされた一対の放電電極を有する外部電極
型低温プラズマ発生装置に、黒鉛繊維を入れ、減圧下、
ハロゲン含有ガスを流通させながらグロー放電を行わせ
ることにより発生させた低温プラズマで処理する方法、
あるいは、反応容器内にいずれか一方がアースされた一
対の放電電極を有する内部電極型低温プラズマ発生装置
に、黒鉛繊維を入れ、減圧下、ハロゲン含有ガスを流通
させながらグロー放電を行わせることにより発生させた
低温プラズマで処理する方法等で行うことができる。
【0058】プラズマ処理に用いる黒鉛繊維は、例え
ば、ミルド、チョップ、マット、フェルト、フィラメン
ト、クロス等の織物などいずれの形態であってもよい。
【0059】プラズマ処理に用いるハロゲン含有ガス
は、例えば、塩素、臭素、ジクロロメタン、トリクロロ
メタン等の、塩素又は臭素含有ガスであってもよいが、
フッ素含有ガスが好ましい。フッ素含有ガスとしては、
例えば、C3 6 、C2 4 、CF4 、C3 8 、C2
6 、CH3 F、CBrF3 、CClF2 CF3 などが
挙げられる。好ましくはC2 4 、C3 6 、C3 8
であり、さらに好ましくはC3 6 である。これらのガ
スは一種又は二種以上混合して使用してもよく、不活性
ガス、例えば、He、Ne、Ar等と混合して用いても
よい。
【0060】反応容器内の圧力は、0.001〜10T
orr、好ましくは0.01〜5Torr、より好まし
くは、0.01〜2Torr程度である。このようなガ
ス圧力の下、一対の放電電極間に、例えば、10kHz
〜100MHz程度の周波数の高周波で10W〜100
kW程度の電力を与えることにより安定なグロー放電を
得ることができる。プラズマ放電処理時間は、10分〜
10時間、好ましくは10分〜2時間程度の範囲から適
宜選択できる。なお、放電周波数帯としては、上記高周
波の他に、低周波、マイクロ波、直流などを用いること
もできる。
【0061】電極の形状は特に制限はなく、一対の電極
形状は、同一又は異なっていてもよく、リング状、平板
状、棒状等のいずれであってもよい。
【0062】(iii )黒鉛繊維表面上でハロゲン含有モ
ノマーを重合する方法 ハロゲン含有モノマーは、慣用の方法、例えば、液相又
は気相中で黒鉛繊維表面で重合させることができる。
【0063】重合可能なエチレン性不飽和結合を有する
ハロゲン含有モノマーは、塩化ビニル、塩化ビニリデン
等の、塩素又は臭素含有モノマーであってもよいが、好
ましいハロゲン含有モノマーには、フッ素含有モノマー
が含まれる。フッ素含有モノマーとしては、種々のモノ
マー、例えば、テトラフルオロエチレン、クロロトリフ
ルオロエチレン、ビニルフルオライド、ビニリデンフル
オライド、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロア
ルキルビニルエーテル等が例示される。前記フッ素含有
モノマーは、エチレン、プロピレン、アクリル酸エステ
ルなどの共重合可能なモノマーと併用してもよい。フッ
素含有モノマーは、一種又は二種以上混合して用いるこ
とができる。
【0064】重合により黒鉛繊維の表面上に形成された
フッ素含有ポリマー又は樹脂には、例えば、ポリテトラ
フルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、
ポリビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン
−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロ
エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレ
ン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テ
トラフルオロエチレン−エチレン共重合体、エチレン−
クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体等が含
まれる。好ましくはポリテトラフルオロエチレン、ポリ
ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン−パ
ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフ
ルオロエチレン−エチレン共重合体であり、さらに好ま
しくはポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエ
チレン−エチレン共重合体であり、特に好ましくはポリ
テトラフルオロエチレンである。
【0065】フッ素含有モノマーを重合させる触媒とし
ては、慣用のものを挙げることができる。このような触
媒又は重合開始剤には、例えば、t−ブチルパーベンゾ
エート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルハ
イドロパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド等
の過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル;過硫酸アン
モニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫
酸塩等が含まれる。好ましい触媒には、t−ブチルパー
ベンゾエート等の過酸化物が含まれる。
【0066】液相反応に用いられる溶媒としては、慣用
の種々の溶媒、例えば、トリクロロトリフルオロエタン
(以下、フレオン113という)や水等を挙げることが
できる。好ましい溶媒には、フレオン113が含まれ
る。
【0067】黒鉛繊維と、対応するポリマーに換算した
ハロゲン含有モノマーとの割合は、例えば、黒鉛繊維:
ハロゲン含有モノマー=99.9〜50:0.1〜50
(重量比)である。好ましくは、黒鉛繊維:ハロゲン含
有モノマー=99〜80:1〜20(重量比)、より好
ましくは、黒鉛繊維:ハロゲン含有モノマー=99〜9
0:1〜10(重量比)である。
【0068】重合は、例えば、He、Ar、N2 等の不
活性ガス雰囲気中で、40〜120℃、好ましくは60
〜100℃程度の温度で行うことができる。
【0069】(iv)黒鉛繊維をハロゲン含有化合物でサ
イジングする方法 この方法は、ハロゲン含有化合物を含む溶液、エマルジ
ョン又はサスペンジョンに、黒鉛繊維又は所定の表面酸
素濃度を有する黒鉛繊維を含浸し、溶媒を除去すること
により行うことができる。
【0070】ハロゲン含有化合物は、例えば、塩素又は
臭素含有化合物であってもよいが、フッ素含有化合物が
好ましい。
【0071】ハロゲン含有化合物の溶液は、ハロゲン含
有化合物をハロゲン化炭素等の良溶媒(例えば、フッ素
含有化合物に対するフッ化炭化水素等)に溶解すること
により調製できる。エマルジョン又はサスペンジョン
は、(a)0.1〜100μmの大きさで固体状のハロ
ゲン含有化合物を、ハロゲン含有化合物を溶解しない溶
媒、例えば、水、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水
素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、トルエン等の
芳香族炭化水素、フレオン113等のハロゲン化炭化水
素などに均一に分散させる方法、(b)ハロゲン含有化
合物を、ハロゲン化炭素(例えば、フッ化炭化水素)等
の良溶媒に溶解させ、ハロゲン含有化合物が不溶な水等
の貧溶媒中に均一に分散させる方法、又は(c)ハロゲ
ン含有不飽和モノマーを水性媒体中で乳化重合させる方
法により調製できる。
【0072】ハロゲン含有化合物と黒鉛繊維との割合
は、通常、ハロゲン含有化合物:黒鉛繊維=1〜15:
99〜85(重量比)であり、好ましくは、ハロゲン含
有化合物:黒鉛繊維=5〜10:95〜90(重量比)
程度である。このような組成物は、黒鉛繊維とマトリッ
クスであるフッ素樹脂との濡れ性をさらに改善する。
【0073】ハロゲン含有化合物、特にフッ素含有化合
物の軟化点は、好ましくは、200℃以上、より好まし
くは250℃以上である。このようなフッ素含有化合物
には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロ
ロテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライ
ド、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロア
ルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレ
ン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エ
チレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレ
ン−エチレン共重合体などのフッ素含有ポリマー及び、
フッ化ピッチ等が含まれる。前記フッ化ピッチは、フッ
化炭化水素に可溶である。このようなフッ素含有化合物
のうち、ポリテトラフルオロエチレン及びフッ化ピッチ
が好ましい。これらのフッ素含有化合物は、一種または
二種以上混合して使用できる。また、複合体の特性を損
なわない範囲で、前記フッ素含有化合物とフッ素原子を
含有しない有機化合物との混合物で黒鉛繊維をサイジン
グしてもよい。
【0074】上記(A)〜(E)に記載のいずれかの方
法で、繊維の表面に所定濃度の酸素を導入した黒鉛繊維
を、前記ハロゲン含有化合物、特にフッ素含有化合物で
サイジングすると、黒鉛繊維とマトリックスであるフッ
素樹脂との濡れ性をさらに改善できる。
【0075】フッ素含有化合物のエマルジョンあるいは
サスペンジョンの安定性を高めるために、フッ素系界面
活性剤(カチオン系、アニオン系、ノニオン系)を添加
してもよい。また、少量であれば、主鎖にアルキル基、
アリール基、アルキルアリール基又はアルキレンオキシ
基を有する通常の界面活性剤を用いてもよい。
【0076】(v)反応性末端基を有するハロゲン含有
化合物を黒鉛繊維にグラフトさせる方法 反応性末端基を有するハロゲン含有化合物は、黒鉛繊維
にグラフトさせることができる。前記ハロゲン含有化合
物は、例えば、上記(A)〜(E)に記載のいずれかの
方法により繊維の表面に所定量の酸素を導入した黒鉛繊
維に、有効にグラフト化される。
【0077】ハロゲン含有化合物は、塩素又は臭素含有
化合物であってもよいが、フッ素含有化合物が好まし
い。反応性末端基を有するフッ素含有化合物には、例え
ば、エポキシ基、アシルハライド基、カルボキシル基な
どの反応性末端基と下記組成式で表される主鎖とを有す
る化合物が含まれる。
【0078】(Cn m )[式中、nは2〜15の整数
を表す]又は、(Cn x y z )[式中、nは2〜
30の整数、yは0〜10の整数、zは0〜5の整数で
あり、x+y=2n+1、2n−1又は2n−5であ
る。但し、yとzとは同時に0ではない)。
【0079】すなわち、前記反応性末端基を有するフッ
素含有化合物は、式Rf−X[式中、Rfは前記(Cn
m )又は(Cn x y z )を示し、Xは反応性末
端基を示す]で表すことができる。
【0080】フッ素含有化合物の主鎖は、アルキレン、
アルケニレン、シクロアルキレン又はフェニレン鎖を有
していてもよく、これらの鎖はフッ素原子を有していて
もよい。前記主鎖は、さらに、フッ素原子で置換されて
いてもよい分枝鎖状アルコキシ基を有していてもよい。
【0081】好ましい化合物は、下記式(I)又は(I
I)で表すことができる。
【0082】
【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は独立してH、F又
はCF3 を示し、nは0〜30の整数であり、R3 及び
4 はnの繰返しにおいて互いに異なっていてもよく、
XはCOCl、COBr、COF、
【0083】
【化2】 を示す)
【0084】
【化3】 (式中、R5 及びR13は独立してH、F又はCF3 を表
し、cは1〜3の整数、dは0〜15の整数、eは0〜
15の整数であり、R7 及びR8 はc又はdの繰返しに
おいて互いに異なっていてもよく、R9 、R10、R11
びR12はeの繰返しにおいて互いに異なっていてもよ
く、d+e=1〜30であり、Xは、COCl、COB
r、COF、
【0085】
【化4】 を示す) 式(I)で表される化合物において、好ましくは、R1
及びR2 は独立してH、F又はCF3 (特にF又はCF
3 )であり、R3 及びR4 はFであり、nは1〜20の
整数である。
【0086】式(II)で表される化合物において、好
ましくは、R5 〜R8 はFであり、R9 はF又はCF3
であり、R10、R11及びR12はFであり、R13はF又は
CH3 であり、dは1〜5の整数であり、eは1〜5の
整数であり、d+e=1〜15である。
【0087】前記フッ素含有化合物には、例えば、CF
3 CF2 COOH、F(CF2 nCOOH(n=3〜
10)、CHF2 CF2 COOH、パーフルオロ(2,
5,8−トリメチル−3,6,9−トリオキサドデカノ
イル)フルオライド[F(CF2 3 O(CF(C
3 )CF2 O)2 CF(CF3 )COF]、パーフル
オロ(2,5,8,11−テトラメチル−3,6,9,
12−テトラオキサペンタデカノイル)フルオライド
[F(CF2 3 O(CF(CF3 )CF2 O)3 CF
(CF3 )COF]、H(CF2 4 COCl、H(C
2 6 COCl、H(CF2 8 COCl、H(CF
2 10COCl、H(CF2 8 COBr、
【0088】
【化5】 等が含まれる。
【0089】好ましいフッ素含有化合物には、アシルハ
ライド基を有する化合物、例えば、H(CF2 4 CO
Cl、H(CF2 6 COCl、H(CF2 8 COC
l、H(CF2 10COCl、H(CF2 8 COBr
等が含まれる。
【0090】所定量の酸素を表面に導入した黒鉛繊維
と、反応性末端基を有するハロゲン含有化合物(特にフ
ッ素含有化合物)との反応は、(d)液相中、加熱下で
直接反応させる方法、あるいは、(e)黒鉛繊維表面
に、ハロゲン含有化合物の反応性末端基と反応し得る活
性基を導入した後、液相中、加熱下で反応させる方法で
行うことができる。
【0091】黒鉛繊維とハロゲン含有化合物との割合
は、例えば、黒鉛繊維:ハロゲン含有化合物=99.9
〜90:0.1〜10(重量比)、好ましくは黒鉛繊
維:ハロゲン含有化合物=99.5〜95:0.5〜5
(重量比)であり、より好ましくは黒鉛繊維:ハロゲン
含有化合物=99.5〜97:0.5〜3(重量比)程
度である。
【0092】前記(d)の直接反応させる方法で使用す
る溶媒は、反応性末端基を有するハロゲン含有化合物に
対して溶解性を有し、非反応性であれば、いずれの溶媒
であってもよい。このような溶媒としては、例えば、メ
チルエチルケトン(MEK)、アセトンなどのケトン
類、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル
等のエーテル類などが例示される。また、反応温度は、
反応が定量的に進行する限り、その溶媒の沸点以下のい
ずれの温度であってもよい。
【0093】前記(e)の黒鉛繊維表面に活性基を導入
した後、液相中、加熱下で反応させる方法において、溶
媒としては、反応性末端基を有するハロゲン含有化合物
に対して溶解性を有し、非反応性であれば、いずれの溶
媒も使用できる。このような溶媒としては、例えば、M
EK、アセトン等のケトン類、THF、ジエチルエーテ
ル等のエーテル類などを使用してもよい。また、反応温
度は、反応が定量的に進行する限り、その溶媒の沸点以
下のいずれの温度であってもよい。
【0094】黒鉛繊維表面への活性基の導入は、慣用の
方法、例えば、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウ
ム等のリチウム化試薬によりリチウム化する方法、Li
AlH4 等のように、カルボキシル基を水酸基に還元し
て水酸基を導入する還元剤を用いる方法、臭素、塩素、
五塩化リン等のハロゲン化剤を用いてフッ素以外のハロ
ゲン基を導入する方法等で行うことができる。
【0095】前記リチウム化する方法は、例えば、TH
F、ジエチルエーテル等の溶媒中で、n−ブチルリチウ
ム、t−ブチルリチウム等のリチウム化試薬と黒鉛繊維
とを加熱下で反応させることにより行うことができる。
水酸基を導入する方法は、THF、ジエチルエーテル等
の溶媒中で、LiAlH4 等の還元剤と黒鉛繊維とを加
熱下で反応させることにより行うことができる。また、
フッ素以外のハロゲン基を導入する方法としては、例え
ば、ハロゲン系溶媒中で臭素、塩素等と黒鉛繊維とを加
熱下で反応させる方法、臭素等のガスと黒鉛繊維とを気
相で反応させる方法、五塩化リン等と黒鉛繊維とを加熱
下、バルクで反応させる方法が挙げられる。
【0096】なお、前記(A)〜(E)及び(i)〜
(v)の方法による黒鉛繊維の表面改質処理は、繊維の
強度を損なわない範囲で行うことができる。また、必要
に応じて各処理は繰り返してもよい。
【0097】本発明で使用されるフッ素樹脂と黒鉛繊維
との割合は、製品(成形体)の用途などにより選択がで
きるが、通常、フッ素樹脂:黒鉛繊維=99〜40:1
〜60(重量比)、好ましくは、フッ素樹脂:黒鉛繊維
=95〜65:5〜35(重量比)、より好ましくはフ
ッ素樹脂:黒鉛繊維=92〜75:8〜25(重量比)
である。このような組成のフッ素樹脂複合体を成形する
と、機械的強度が大きく、一体性、圧縮強度特性及び耐
摩耗性に優れたフッ素樹脂−黒鉛繊維複合体からなる成
形体が得られる。
【0098】なお、本発明は、前記特性を有する黒鉛繊
維(1)、(2)又は(3)とフッ素樹脂とを含む組成
物も開示する。
【0099】本発明のフッ素樹脂複合体は、複合体の特
性を損なわない範囲で、例えば、他の炭素繊維、ガラス
繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミニウム繊維、
炭化珪素繊維などの短繊維及び長繊維、ウィスカー類、
これらにニッケル、アルミニウム、銅などの金属がコー
ティングされた繊維状剤等の繊維状強化剤類;カーボン
ブラック、二硫化モリブデン、マイカ、タルク、炭酸カ
ルシウムなどのフィラー類からなる強化剤;Sn、P
b、Cu、Zn、Li等の金属又はこれらの合金からな
る金属潤滑剤、Sn、Zn、Al、Sb、Co、Si、
Cu、Pb等の酸化物などの金属酸化物、Co−Al2
3 等の複合金属酸化物、着色剤、安定剤などの種々の
添加剤を含有してもよい。
【0100】本発明では、慣用の成形方法でフッ素樹脂
及び黒鉛繊維を含む組成物を成形することができる。例
えば、前記のフッ素樹脂の粉末と黒鉛繊維とをヘンシェ
ルミキサー等の混合機を用いて均一に混合し、この混合
物を金型内で圧縮成形し、得られた成形体を、フッ素樹
脂の溶融温度以上の温度で加熱処理(アニーリング)す
る方法、あるいはこの混合物を加熱し、溶融状態で成形
する押出成形法または射出成形法が使用できる。成形体
を先に作る前者の成形方法の場合は、フッ素樹脂の粉末
と黒鉛繊維とをより均一に混合することが重要である。
押出成形法又は射出成形法は、前記混合物中でフッ素樹
脂が溶融可能な温度で行うことができる。
【0101】
【発明の効果】本発明の方法によれば、ハロゲンやハロ
ゲン及び酸素、又は特定の方法により酸素が導入された
黒鉛繊維を用いるので、フッ素樹脂との濡れ性が高く、
機械的強度が大きく、一体性、圧縮強度特性及び耐摩耗
性に優れる黒鉛繊維強化フッ素樹脂複合体を製造でき
る。また、前記黒鉛繊維強化フッ素樹脂複合体は、高負
荷条件下でも機械的特性及び耐摩耗性に優れる。そのた
め、摺動部材等として有用である。
【0102】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0103】実施例1 黒鉛繊維((株)DONAC社製、S210、平均繊維
径13μmφ、ステープル状)を窒素ガス雰囲気中で、
昇温速度4℃/分で、室温から2000℃に昇温し、同
温度で3時間保持した後、降温速度4℃/分で室温まで
冷却することにより熱処理した。熱処理した黒鉛繊維を
粉砕機を用いて空気中で粉砕し、振動ふるい機を用いて
分級し、平均繊維長64μmの黒鉛繊維を得た。得られ
た黒鉛繊維10重量部およびポリテトラフルオロエチレ
ン(ダイキン工業社製、M−12)90重量部をスーパ
ーミキサーで混合した。得られた粉末混合物を金型に入
れ、650kg/cm2 で圧縮成形し、50mmφ×1
00mmの成形品を得た。この成形品を窒素ガス雰囲気
下、昇温速度120℃/hrで、室温から390℃に昇
温し、同温度で5時間保持してアニーリングした後、降
温速度75℃/hrで室温まで冷却した。そして、成形
品の圧縮強度試験及び摺動試験を、JISK7218
(相手材JIS ADC−12、荷重:4kg/c
2 、速度:1m/s、試験時間:20時間)に準じて
行った。
【0104】実施例2 白金酸化物コーティングチタン電極(酸素発生用電極、
90mm×90mm、厚さ3mm)を陽極、チタン電極
(90mm×90mm、厚さ3mm)を陰極とし、この
両極の間に、濾紙(陽極側、90mm×90mm)と、
1Mの硝酸35gを含浸させた50gの黒鉛繊維
((株)DONAC社製、SG241、平均繊維径13
μmφ、平均繊維長130μm)とを1kgf/cm2
の荷重で挾み込み、200mA、1.7V、5×104
クーロンの電気を通電した。上記処理を合計10回繰り
返し、得られた黒鉛繊維を、実施例1と同様にして成形
加工し、圧縮強度試験及び摺動試験を行った。
【0105】実施例3 ロータリー式セパラブルフラスコ(容量3リットル)に
黒鉛繊維((株)DONAC社製、SG241、平均繊
維径13μmφ、平均繊維長130μm)100gを入
れ、室温、2Torrの減圧下、アルゴンガスを0.1
リットル/分の速度で流通させ、電極間距離10cm、
13.6MHzの高周波、100Wの電力で2時間プラ
ズマ放電反応させた。この反応後、フラスコに空気を導
入した。上記処理を合計5回繰り返し、得られた黒鉛繊
維を、実施例1と同様にして成形加工し、圧縮強度試験
及び摺動試験を行った。
【0106】実施例4 黒鉛繊維((株)DONAC社製、SG241、平均繊
維径13μmφ、平均繊維長130μm)を窒素ガス雰
囲気下、昇温速度4℃/分で、室温から1500℃に昇
温し、同温度で3時間保持した後、降温速度4℃/分で
室温まで冷却して熱処理した。熱処理した黒鉛繊維10
0g、臭素15g及び塩化鉄第二0.2gを、還流下、
1000gの四塩化炭素溶液中、60℃で3時間反応さ
せ、得られた繊維を、乾燥させたエーテルを用いて十分
に洗浄した。上記処理を合計5回繰り返し、得られた黒
鉛繊維を、実施例1と同様にして成形加工し、圧縮強度
試験及び摺動試験を行った。
【0107】実施例5 ロータリー式セパラブルフラスコ(容量3リットル)に
黒鉛繊維((株)DONAC社製、SG241、平均繊
維径13μmφ、平均繊維長130μm)100gを入
れ、室温、2Torrの減圧下、C3 6 を0.1リッ
トル/分の速度で流通させ、電極間距離10cm、1
3.6MHzの高周波、100Wの電力で2時間プラズ
マ反応させた。上記処理を合計5回繰り返し、得られた
黒鉛繊維を、実施例1と同様にして成形加工し、圧縮強
度試験及び摺動試験を行った。
【0108】実施例6 黒鉛繊維((株)DONAC社製、SG241、平均繊
維径13μmφ、平均繊維長130μm)50gを、t
−ブチルパーベンゾエート10mgをアセトン30ml
に溶解した溶液からなる浴に含浸し、十分に乾燥させ
た。得られた黒鉛繊維、フレオン113(70ml)及
びC2 4 (5.0g)を、ステンレススチール製オー
トクレーブ(容量:100ml)に入れ、50℃で3時
間反応させた。上記処理を合計10回繰り返し、得られ
た黒鉛繊維を、実施例1と同様にして成形加工し、圧縮
強度試験及び摺動試験を行った。
【0109】実施例7 黒鉛繊維((株)DONAC社製、SG241、平均繊
維径13μmφ、平均繊維長130μm)50gを、水
系ポリテトラフルオロエチレンエマルジョン((株)喜
多村製、KD−100AS、濃度30重量%)20g及
び蒸留水50gを用いて調製したエマルジョンからなる
浴に含浸し、十分に乾燥させた。上記処理を合計10回
繰り返し、得られた黒鉛繊維を、実施例1と同様にして
成形加工し、圧縮強度試験及び摺動試験を行った。
【0110】実施例8 黒鉛繊維((株)DONAC社製、SG241、平均繊
維径13μmφ、平均繊維長130μm)35gを、濃
硝酸(比重=1.40)300gの存在下、100〜1
20℃で3時間酸化処理し、十分に蒸留水を用いて洗浄
した。得られた黒鉛繊維、THF50ml及びLiAl
4 50ミリモルを、セパラブルフラスコ(容量:1リ
ットル)に入れ、窒素ガス気流中、還流下で2時間反応
させ、未反応物を分解処理した後、黒鉛繊維を取り出し
た。反応後の黒鉛繊維、THF500ml及びn−ブチ
ルリチウム300ミリモル(ヘキサン溶液)をセパラブ
ルフラスコ(容量:1リットル)に入れ、窒素ガス気流
中、還流下で1時間反応させた。次いで、10gのH
(CF2 6 COClを加え、室温で24時間反応させ
た。未反応物を分解処理した後、黒鉛繊維を取り出し
た。上記処理を合計20回繰り返し、得られた黒鉛繊維
を、実施例1と同様にして成形加工し、圧縮強度試験及
び摺動試験を行った。
【0111】実施例9 黒鉛繊維((株)DONAC社製、S210、平均繊維
径13μmφ、ステイプル状)を窒素ガス雰囲気下、昇
温速度4℃/分で、室温から2000℃に昇温し、同温
度で3時間保持した後、降温速度4℃/分で室温まで冷
却して熱処理した。熱処理した黒鉛繊維を粉砕機を用い
て粉砕し、振動ふるい機を用いて分級し、平均繊維長6
4μmの黒鉛繊維を得た。
【0112】また、フッ化ピッチを300℃まで加熱
し、12時間保持して透明樹脂状のフッ化ピッチを得
た。このフッ化ピッチ(5g)、フレオン113(20
g)、C6 13COONa(0.1g)及び水(65
g)を用いてフッ化ピッチエマルジョンを調製した。
【0113】上記の黒鉛繊維100gを前記フッ化ピッ
チエマルジョンに含浸した後、十分に乾燥させた。
【0114】得られた黒鉛繊維を、実施例1と同様にし
て成形加工し、圧縮強度試験及び摺動試験を行った。
【0115】比較例 黒鉛繊維((株)DONAC社製、SG241、平均繊
維径13μmφ、平均繊維長130μm)を実施例1と
同様にして成形加工し、圧縮強度試験及び摺動試験を行
った。
【0116】得られた結果を表に示す。表において、表
面積の単位はm2 /g、25%変形時の圧縮強度の単位
はkg/cm2 、試験片の摩耗の単位は×10-4[(m
m/km)/(kg/cm2 )]、相手材の摩耗の単位
は×10-1(mg/km)である。
【0117】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 10/00 15/277 // D01F 11/14 D06M 101:40 D06M 11/00 B (72)発明者 東山 勝 大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪 瓦斯株式会社内 (72)発明者 井内 康久 大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪 瓦斯株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比表面積が0.6〜25m2 /gである
    下記(1)又は(2)の黒鉛繊維とフッ素樹脂とを含む
    組成物を成形する黒鉛繊維強化フッ素樹脂複合体の製造
    方法。 (1)X線光電子分光法による繊維表面のハロゲン原子
    と炭素原子の比が、前者/後者=0.05〜1.8であ
    る黒鉛繊維、又は(2)X線光電子分光法による繊維表
    面のハロゲン原子と炭素原子との比が、前者/後者=
    0.05〜1.8であり、かつX線光電子分光法による
    繊維表面の酸素原子と炭素原子の比が、前者/後者=
    0.10〜0.20である黒鉛繊維
  2. 【請求項2】 黒鉛繊維(1)が、下記のいずれかの方
    法で処理することにより得られたものである請求項1記
    載の黒鉛繊維強化フッ素樹脂複合体の製造方法。 (i)黒鉛繊維とハロゲン又はハロゲン含有無機化合物
    とを化学反応させる方法、 (ii)ハロゲン含有ガス中で、黒鉛繊維をプラズマ放電
    処理する方法、 (iii )黒鉛繊維の表面上でハロゲン含有モノマーを重
    合する方法、 (iv)黒鉛繊維をハロゲン含有化合物でサイジングする
    方法、又は(v)黒鉛繊維にハロゲン含有化合物をグラ
    フトさせる方法
  3. 【請求項3】 前記方法(ii)〜(v)におけるハロゲ
    ン含有成分がフッ素含有成分である請求項2記載の黒鉛
    繊維強化フッ素樹脂複合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 黒鉛繊維(2)が、黒鉛繊維の酸化処理
    及びハロゲン化処理により得られたものである請求項1
    記載の黒鉛繊維強化フッ素樹脂複合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 黒鉛繊維(2)が、X線光電子分光法に
    よる繊維表面の酸素原子と炭素原子の比が0.10〜
    0.20である黒鉛繊維を、下記のいずれかの方法で処
    理することにより得られたものである請求項4記載の黒
    鉛繊維強化フッ素樹脂複合体の製造方法。 (i)黒鉛繊維とハロゲン又はハロゲン含有無機化合物
    とを化学反応させる方法、 (ii)ハロゲン含有ガス中で、黒鉛繊維をプラズマ放電
    処理する方法、 (iii )黒鉛繊維の表面上でハロゲン含有モノマーを重
    合する方法、 (iv)黒鉛繊維をハロゲン含有化合物でサイジングする
    方法、又は(v)黒鉛繊維にハロゲン含有化合物をグラ
    フトさせる方法
  6. 【請求項6】 前記方法(iv)において、ハロゲン含有
    化合物として、フッ化ピッチを用いる請求項5記載の黒
    鉛繊維強化フッ素樹脂複合体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記方法(v)において、ハロゲン含有
    化合物として、黒鉛繊維の酸化によって生成した基と反
    応し得る反応性末端基を有するフッ素含有化合物を用い
    る請求項5記載の黒鉛繊維強化フッ素樹脂複合体の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 X線光電子分光法による繊維表面の酸素
    原子と炭素原子の比が、前者/後者=0.10〜0.2
    0である黒鉛繊維が、下記のいずれかの方法で得られた
    ものである請求項5記載の黒鉛繊維強化フッ素樹脂複合
    体の製造方法。 (A)含酸素化合物を含む液相又は気相中で黒鉛繊維を
    酸化する方法、 (B)含酸素気体雰囲気中で黒鉛繊維を10〜700μ
    mの長さに粉砕する方法、 (C)黒鉛繊維の表面に無機酸化剤を付与し、加熱する
    方法、 (D)黒鉛繊維を陽極として電解質溶液中で電解酸化す
    る方法、又は(E)黒鉛繊維を不活性ガス存在下でプラ
    ズマ放電処理した後、酸素含有気体と接触させる方法
  9. 【請求項9】 比表面積が0.6〜25m2 /gであ
    り、X線光電子分光法による繊維表面の酸素原子と炭素
    原子の比が、前者/後者=0.10〜0.20であり、
    かつ下記のいずれかの方法で得られたものである黒鉛繊
    維(3)とフッ素樹脂とを含む組成物を成形する黒鉛繊
    維強化フッ素樹脂複合体の製造方法。 (B)含酸素気体雰囲気中で黒鉛繊維を10〜700μ
    mの長さに粉砕する方法、 (D)黒鉛繊維を陽極として電解質溶液中で電解酸化す
    る方法、又は(E)黒鉛繊維を不活性ガス中でプラズマ
    放電した後、含酸素気体と接触させる方法
  10. 【請求項10】 前記組成物を圧縮成形し、得られた成
    形体をアニーリングするか、又は前記組成物を射出成形
    若しくは押出成形する請求項1又は9記載の黒鉛繊維強
    化フッ素樹脂複合体の製造方法。
  11. 【請求項11】 フッ素樹脂と黒鉛繊維の割合が、前
    者:後者=99〜40:1〜60(重量比)である請求
    項1又は9記載の黒鉛繊維強化フッ素樹脂複合体の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエ
    チレンである請求項1又は9記載の黒鉛繊維強化フッ素
    樹脂複合体の製造方法。
  13. 【請求項13】 黒鉛繊維が、炭素繊維又は炭化若しく
    は黒鉛化可能な不融化処理された前駆体繊維を1600
    ℃以上で熱処理したものである請求項1又は9記載の黒
    鉛繊維強化フッ素樹脂の製造方法。
  14. 【請求項14】 比表面積が0.8〜10m/cm2
    ある下記の(1)又は(2)の黒鉛繊維とポリテトラフ
    ルオロエチレンとを、前者:後者=5〜35:95〜6
    5(重量比)の割合で含む組成物を成形する黒鉛繊維強
    化フッ素樹脂複合体の製造方法。 (1)X線光電子分光法による繊維表面のハロゲン原子
    と炭素原子の比が、前者/後者=0.05〜1.5であ
    る黒鉛繊維、又は(2)X線光電子分光法による繊維表
    面のハロゲン原子と炭素原子との比が、前者/後者=
    0.05〜1.5であり、かつX線光電子分光法による
    繊維表面の酸素原子と炭素原子の比が、前者/後者=
    0.12〜0.20である黒鉛繊維
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