JP2005522539A - ペルフルオロビニルエーテルホモポリマーを含有する分散体およびその使用 - Google Patents

ペルフルオロビニルエーテルホモポリマーを含有する分散体およびその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、ポリ(ペルフルオロビニルエーテル)ホモポリマーの水性分散体の調製方法を提供する。更に本発明は、ポリ(ペルフルオロビニルエーテル)ホモポリマーと第2のフルオロポリマーとの二成分粒子を含む、水性フルオロポリマー分散体の製造方法に関する。繊維基材を、撥油性、撥水性および/または防ステイン性にするために、本発明の分散体を使用することができる。

Description

本発明は、ポリ(ペルフルオロビニルエーテル)ホモポリマーの水性分散体の調製方法に関する。更に本発明は、ポリ(ペルフルオロビニルエーテル)ホモポリマーと第2のフルオロポリマーとの二成分粒子を含む、水性フルオロポリマー分散体の製造方法に関する。繊維基材を、撥油性、撥水性および/または防ステイン性(stain repellent)にするために、本発明の分散体を使用することができる。更に本発明は、フルオロケミカル組成物によって処理された繊維基材、特に布地、およびフルオロケミカル分散体による繊維基材の処理方法に関する。
基材、特に布地等の繊維基材を撥油性および撥水性にするための組成物は、当該分野において古くから知られている。繊維基材、特に、衣服等の布地を処理する場合、可能な限り、布地がその外観および触感を保持することが必要条件である。従って、基材にはじく性質(repellency properies)を付与するためのいずれかの処理において適用することができる組成物の量は、多量である場合、基材の外観および触感を害し、そしてそれらを多くの用途に対して使用できなくさせるであろうから、制限される。結果として、基材の処理のために使用される組成物は、低い適用レベルにおいて有効である必要がある。
基材、特に布地基材への撥油性および撥水性の付与に関して非常に有効であるものとして、フルオロケミカル化合物は周知である。市販品として入手可能なフルオロケミカル組成物を低レベルで適用することができ、そしてこれらの低レベルにおいて、所望される撥油性および撥水性を付与することに関して、一般的に有効である。
布地を処理することに関して教示されたフルオロケミカルとしては、ペルフルオロアルキル基を有するビニルエーテルをベースとするポリマーが挙げられる。例えば、米国特許第4,929,471号は、シルクまたはレーヨンと類似の物理特性を有するポリエステル布を製造するために、その製造プロセスの間にポリエステル布を処理するためのCH2=CH−OR(式中、Rはフッ素化基を表す)のコポリマーの使用を開示する。
米国特許第4,029,867号は、無水マレイン酸と式CH2=CH−CH2−O−Rf(式中、Rfは過フッ素化された基を表す)のコモノマーとのコポリマーを使用して、防ソイル性(soil repellency)およびソイルリリース(soil release)性を布地に提供することを開示している。DE1720799号にはCH2=CH−O−Rfのホモポリマーが開示されており、これは、布地を撥油性および撥水性にするために適切であると記載されている。前記フルオロケミカル組成物は、全て、フッ素化された骨格を有しないフッ素含有ポリマーをベースとする。
例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)およびテトラフルオロエチレン(TFE)のコポリマーのようなフッ素化骨格を有するフルオロポリマーは、はじく性質を含む様々な特性を基材に提供するための基材のコーティングに関して既知である。フルオロポリマーは、例えば、調理用品に所望のリリース性を付与するために、それらにコーティングされる。フッ素化骨格を有するフルオロポリマーは、米国特許第4,546,157号、米国特許第4,619,983号、米国特許第4,766,190号、米国特許第5,110,385号、米国特許第5,969,066号、米国特許第3,450,684号、米国特許第4,035,565号、米国特許第4,368,308号、米国特許第4,418,186号、米国特許第4,654,394号、米国特許第4,840,998号、米国特許第5,639,838号および米国特許第3,136,745号に開示されている。しかしながら、撥剤コーティングとして有効にするために、多量のフルオロポリマーコーティングを適用することが教示されている。しかしながら、かかる厚みのあるコーティングは、布地基材の外観および触感を実質的に、すなわち、かかる布地が衣服における使用に不適切となる範囲まで変化させるため、それらは布地の処理に関して不適切である。その後、かかるコーティングに、処理が所望される多くの繊維基材を一般的に破壊するであろう高温で焼結させる工程を施すこともある。
EP969055号は、セラミック等の基材をコーティングするため、または布地に含浸させるための、例えば、PTFEと、TFEおよびペルフルオロビニルエーテル(PVE)のコポリマーとを含有する水性分散体を開示している。しかしながら、処理溶液中のフルオロポリマーの量は少なくとも25質量%であり、かなり厚いコーティングが得られる。更に、衣服に使用される多くの繊維基材を破壊するであろう420℃での焼結工程をコーティングに施す。
米国特許第4,670,328号は、布地を含浸させるための、TFEとPVEとのある種のコポリマーの水性分散体を開示している。再度、含浸において適用されるフルオロポリマーのレベルが非常に大きいため、布地の外観および触感は実質的に影響を受ける。従って、含浸された材料は一般的に、布地の外観はあまり重要でないダストフリークロスまたは耐化学薬品性クロスのような特定の適用においてのみ有益である。
EP186186号は、高い耐候性、ならびに良好な、撥水性、撥油性および/または防汚性等のはじく性質を有するコーティングを製造するための硬化性フルオロオレフィンポリマーを開示している。しかしながら、これらの特性を達成するためには、厚みのあるコーティングが要求されるようである。
2001年5月21日出願の、出願人の同時係属出願である米国特許出願第09/861,782号に、繊維基材を撥油性および/または撥水性にさせるフルオロケミカル組成物について記載されている。この組成物は、完全または部分的にフッ素化された骨格を有し、かつ式−CF2−CFRf−(式中、Rfは、少なくとも2個の原子から成る鎖長を有し、少なくとも1個の炭素原子を有する過フッ素化有機基である)の繰返し単位を含むフルオロポリマーを4質量%まで含む。
ペルフルオロビニルエーテルホモポリマーが調製され、そしてペルフルオロビニルエーテルのコポリマーは布地処理において使用されているが、これまで、ペルフルオロビニルエーテルホモポリマーの調製の難しさが、布地処理におけるそれらの使用を妨げていた。従って、従来技術におけるフルオロケミカル組成物の多くの欠点を示さない別のフルオロケミカル組成物を見出すことが所望される。特に、布地の外観に実質的に悪影響を及ぼすことなく、すなわち、繊維基材が衣服における使用に適切であるように、繊維基材、特に布地基材に撥油性および撥水性を提供することに関して有効であるペルフルオロビニルエーテルホモポリマーを含むフルオロケミカル組成物を見出すことが所望される。また好ましくは、フルオロケミカル組成物は、繊維基材に防ソイル性およびソイルリリース性を提供することができる。フルオロケミカル組成物が、より環境に優しく、そして、低分子量のフッ素化物質の形成を実質的に避けるために十分に安定であることが望ましい。またフルオロケミカル組成物は、好ましくは一般に使用される布地処理と適合性を有し、そして好ましくは再生産可能かつ信頼できる様式で、顧客によって容易に適用される。最終的に、所望のフルオロケミカル組成物は、好ましくは、繊維基材に耐久性のあるはじく性質を付与することができる。
本発明は、
a)フルオロケミカル乳化剤の存在下で、ペルフルオロビニルエーテルの水性混合物を1ミクロン以下の平均エマルジョン液滴径まで予備乳化する工程と、
b)ポリ(ペルフルオロビニルエーテル)の粒子を生成するために十分な温度および時間で、フリーラジカル開始剤の存在下で、前記ペルフルオロビニルエーテルを重合する工程と、
を含むポリ(ペルフルオロビニルエーテル)ホモポリマー分散体の製造方法を提供する。
請求項1に記載の、本発明で使用されるペルフルオロビニルエーテルは、次式:
CF2=CF−Rf(式中、Rfは、少なくとも2個の原子から成る鎖長を有し、かつ少なくとも1個の炭素原子および1個の酸素原子を有する過フッ素化有機基を表す)で表されるものである。Rf基は、ペルフルオロアルコキシ基、ペルフルオロエーテル基またはペルフルオロポリエーテル基であってよい。
更に本発明は、
a)フルオロケミカル乳化剤の存在下で、ペルフルオロビニルエーテルモノマーの水性混合物を1ミクロン以下の平均エマルジョン液滴径まで予備乳化する工程と、
b)ポリ(ペルフルオロビニルエーテル)の粒子を生成するために十分な温度および時間で、フリーラジカル開始剤の存在下で、前記ペルフルオロビニルエーテルを重合する工程と、
c)その後に、追加のフルオロケミカル乳化剤を加えずに、少なくとも1種の追加のフッ素化コモノマーを添加する工程と、
d)得られる混合物を更に重合する工程と、
を含む二成分粒子を含むフルオロポリマー分散体の製造方法を提供する。
本明細書で使用される場合、「二成分粒子」は、2種の異なるフルオロポリマーの単一粒子である。第1のフルオロポリマーは、1つ以上のペルフルオロビニルエーテルモノマーのホモポリマーである。第2のフルオロポリマーは、テトラフルオロエチレンホモ−もしくはコポリマー、フッ化ビニリデンホモ−もしくはコポリマー、あるいはヘキサフルオロプロピレンホモ−もしくはコポリマー、またはペルフルオロビニルエーテルホモ−もしくはコポリマー等のフルオロモノマーを1つ以上含むいずれのフルオロポリマーであってもよい。二成分粒子は、コア−シェル、逆コア−シェル、半月形または他の形態をとっていてもよい。
更なる態様において、本発明は、繊維基材を撥油性および/または撥水性にさせるためのフルオロポリマー分散体を提供する。フルオロケミカル分散体は、ポリ(フルオロビニルエーテル)ホモポリマー粒子を含み得るか、またはポリ(フルオロビニルエーテル)ホモポリマーと第2の成分のフルオロポリマーとの二成分粒子を含み得る。
なお更なる態様において、本発明は、第1のポリ(ペルフルオロビニルエーテル)と第2のフルオロポリマーとを含む、二成分粒子を含むフルオロポリマー分散体に関する。第1のフルオロポリマーは、次の一般式:
Figure 2005522539
(式中、Rfは、少なくとも1個の酸素原子から成る鎖長を有し、かつ少なくとも1個の炭素原子を有する過フッ素化有機基を表す)に対応する繰返し単位から基本的に成る。
二成分粒子のかかる分散体は、繊維基材の処理のために特に有効であることが見出された。特に以下の補助成分によって、単独でのフルオロポリマーの撥油性の単なる添加の範囲をしばしば超えて、第2のフルオロポリマーがはじく性質の改善に寄与することが特に見出された。従って、第1のポリ(ペルフルオロビニルエーテル)ホモポリマーのコストは一般的に、第2のフルオロポリマーのコストより高いので、フルオロケミカル処理組成物のコストを、それによって低下させることができる。
本発明のフルオロポリマー分散体は、その外観に実質的に影響を及ぼすことなく、繊維基材に撥油性および/または撥水性を付与するために有効であることが見出された。更に、組成物中の低分子量種(1000g/モル未満)の量が低く、例えば0.5質量%以下、好ましくは1000ppm以下であるか、またはかかる物質がないように、フルオロポリマー分散体を製造することができる。またフルオロポリマー分散体が一般的に、長時間にわたって、低分子量フッ素化物質を形成しないように、フルオロポリマー分散体は一般的に、高い化学的安定性を有する。更にフルオロポリマー分散体は、防ソイル性、ならびにソイルリリース性またはステインリリース性を提供し得る。用語ソイルリリースおよびステインリリースとは、ソイル汚染されたか、またはステイン汚染された処理基材を、例えば、家庭での洗濯で、ソイル汚染されたか、またはステイン汚染された未処理基材よりも容易に浄化できることを意味する。他方、防ソイル/ステイン性は、ソイルをはじく能力を指し、それによって基材のソイル汚染またはステイン汚染が減少する。
処理組成物中のフルオロポリマーの量は、処理される基材上で所望されるフルオロポリマーのレベルを達成するために、典型的に選択される。典型的に、処理組成物中のフルオロポリマーの量は、4質量%(組成物の総質量を基準として)以下であり、例えば、0.01質量%〜4質量%であり、好ましくは0.05質量%〜3質量%である。特に、繊維基材による組成物の取り込みが低い場合には、より多量のフルオロポリマーを同様に使用することができる。
更なる態様において、本発明は、上記フルオロケミカル組成物による繊維基材の処理に関する。そのようにして得られる基材は、一般的に、良好な、撥油性、撥水性、防ソイル性等のはじく性質を有する。加えて、処理された基材は、良好であるか、または改善されたソイル/ステインリリース性を同様に示し得る。
本発明の更なる態様において、本発明のフルオロポリマー分散体が少なくとも1つの主面の少なくとも一部分で被覆された繊維基材、特に布地が提供される。基材の外観および触感に不利に影響を及ぼすことなく適用できる量は、基材、ならびに処理に使用されるフルオロケミカル組成物の性質次第であるが、かかる処理された繊維基材上のフルオロポリマーの量は、一般的に、基材の一般的な外観および触感を保持するために、繊維基材の質量を基準として3質量%未満でなければならない。
なおもう1つの態様において、本発明は、繊維基材の外観および触感に実質的に影響を及ぼすことなく、繊維基材に撥油性、撥水性、防ソイル性および/またはソイル/ステインリリース性を付与するためのフルオロポリマー分散体の使用に関する。ここで、フルオロケミカル組成物は、完全にフッ素化された骨格を有し、かつ一般式:
Figure 2005522539
(式中、Rfは、少なくとも1個の酸素原子から成る鎖長を有し、かつ少なくとも1個の炭素原子を有する過フッ素化有機基を表す)に一致する1つ以上の繰返し単位を含む、フルオロポリマーの溶液または分散体を含む。用語「繊維基材の外観および感触に実質的に影響を及ぼすことなく」とは、処理された基材が、外観上、未処理の基材と実質的に変わらず、例えば衣服のような、使用に関して繊維基材の外観および触感が重要である適用において、問題なく処理された基材を使用することができることを意味する。
最終的に、本発明は、前記フルオロポリマーの分散体と、フルオロケミカル組成物によって処理された繊維基材の撥水性および/または撥油性ならびに/あるいはソイル/ステインリリース性を更に改善することが可能な一般的に非フッ素化有機化合物である更なる補助成分とを含む、フルオロケミカル組成物に関する。
フルオロケミカル組成物において使用するためのフルオロポリマー
フルオロケミカル組成物において使用されるポリ(ペルフルオロビニルエーテル)は、完全にフッ素化された骨格を有するポリマーである。用語「完全にフッ素化された」は、骨格上の全水素原子がフッ素によって置換されたポリマー、ならびに骨格上の全水素原子がフッ素および塩素または臭素によって置換されたポリマーを含む。
フルオロポリマーは、一般式:
Figure 2005522539
(式中、Rfは、少なくとも1個の酸素原子から成る鎖長を有し、かつ少なくとも1個の炭素原子を有する過フッ素化(すなわち、全水素原子がフッ素原子によって置換されている)有機基を表す)に一致する1つ以上の繰返し単位を有する。好ましくは、過フッ素化有機基の鎖長は、少なくとも3原子である。特に好ましいRf基は、少なくとも4原子の鎖長を有し、そのうちの3つの原子は炭素である。
f基の例としては、1つ以上の酸素原子を含有する過フッ素化脂肪族基が挙げられる。Rf基は、特に、直鎖状または分枝状ペルフルオロアルコキシ基であってもよく、好ましくは、ペルフルオロアルコキシ基は1〜6つの炭素原子を有し、そして具体例としては、過フッ素化メトキシ、エトキシおよびn−プロポキシ基が挙げられる。なお更に、Rf基は、直鎖状であってもまたは分枝状であってもよいペルフルオロポリエーテルであってもよい。好ましい実施形態に従って、Rf基は、以下の一般式:
−O(R1 fO)n(R2 fO)m3 f (II)
(式中、R1 f、R2 fは、それぞれ独立して、1、2、3、4、5もしくは6つの炭素原子を有する直鎖状または分枝状ペルフルオロアルキレン基を表し、R3 fは、1、2、3、4、5もしくは6つの炭素原子を有する直鎖状、分枝状または環状のペルフルオロアルキル基を表し、nおよびmは、それぞれ独立して、0〜10の整数を表す)に対応する。好ましくは、nおよびmの少なくとも1つが、0とは異なる。式(II)に従う特に好ましいRf基としては、mが0であり、nが1であり、R1 fが−CF2CF2−、−CF2CF(CF3)−、−CF(CF3)CF2−または−CF2CF2CF2−であり、R3 fが、1〜6つの炭素原子を有する直鎖状、分枝状または環状のペルフルオロアルキル基を表すものが挙げられる。式(II)に従う好ましいRf基としては、特に、mおよびnの両方が0であるペルフルオロプロピル基が挙げられる。式(II)に従うもう1つの好ましいRf基としては、特に、mおよびnの合計が1であるペルフルオロプロピル基が挙げられる。
フルオロケミカル組成物のフルオロポリマーは、式(I)に従う繰返し単位の混合物を含んでもよいことを、当業者は理解するであろう。例えば、フルオロポリマーは、例えば、次式:
Figure 2005522539
に対応する繰返し単位と、次式:
Figure 2005522539
に対応する繰返し単位との混合物のような、Rf基が上記式(II)に対応する繰返し単位の混合物、またはペルフルオロ(プロピルビニル)エーテルと式CF2=CF−O−CF2CF(CF3)−O−CF2CF2CF3のモノマーとの組み合わせから誘導された繰返し単位の混合物を含んでもよい。
フルオロケミカル組成物によって達成することができるはじく性質は、式(I)に従うペルフルオロビニルエーテル繰返し単位のフルオロポリマーにおける存在に大きく依存する。一般式(I)に従う繰返し単位のみを含有するフルオロポリマーは、それによって処理された繊維基材上で優れたはじく性質を生じることが見出された。式(I)の繰返し単位の量が多いほど一般的に性能は改善されるが、これらの繰返し単位が誘導されるモノマーは一般的に高価であるので、それによってフルオロポリマーのコストも増加する。
本発明の特定の実施形態において、フルオロケミカル組成物は、それぞれ完全または部分的にフッ素化された骨格を有する、第1のポリ(ペルフルオロビニルエーテル)ホモポリマーと第2のフルオロポリマーとの二成分粒子を含むフルオロポリマー分散体を含む。二成分粒子は、ポリ(ペルフルオロビニルエーテル)ホモポリマーのコアと第2のフルオロポリマーのシェルとを含むコア−シェルポリマーであると考えられる。
第1のフルオロポリマーは、上記一般式(I)に対応する繰返し単位1つ以上から基本的に成る。一般的に、第2のフルオロポリマーは、総量50モル%以下の式(I)の繰返し単位を含有する。第2のフルオロポリマー中の繰返し単位の量は、より少なくてもよく、例えば、25モル%以下、または10モル%以下であってもよい。更に、第2のポリマー中に繰返し単位が1モル%未満で存在するか、または実質的に存在しない場合でさえ、第2のポリマーの有益な効果が認められた。特に、第2のフルオロポリマーが単独で使用された場合に、一般的にはじく性質を付与しない(すなわち、式(I)の繰返し単位を含有しない)か、または限定範囲のみではじく性質を付与するが、それにもかかわらず、第1のフルオロポリマーとの二成分粒子の分散体において使用される場合に、第2のフルオロポリマーははじく性質を改善できることが認められた。
一般的に、第1と第2のフルオロポリマーのいずれの比率を使用してもエマルジョンを調製することができるが、最適な比率は、混合物中で使用されるフルオロポリマーの性質、繊維基材の性質、適用される混合物の量、および所望されるはじく性質のレベル次第である。常套的な実験によって、最適な比率を容易に決定することができる。一般的に、第1のフルオロポリマーの質量%は1質量%〜50質量%であり、好ましくは1質量%〜30質量%であり、そして第2のフルオロポリマーはその残り部分である。従って、第2のフルオロポリマーの含有量が高い混合物(50%以上の第2のフルオロポリマーの質量%を有する)は、式(I)の繰返し単位を含有しないか、またはわずかに含有し、良好なはじく性質を生じることが見出された。しかしながら一般的に、かかる混合物中の一般式(I)に従う繰返し単位の総量は、良好なレベルのはじく性質を達成するために、少なくとも10質量%、好ましくは少なくとも20質量%であるべきである。
1)ポリ(ペルフルオロビニルエーテル)の粒子を生成するために十分な温度および時間で、フリーラジカル開始剤および乳化剤の存在下で、次式
CF2=CF−Rf
(式中、Rfは、少なくとも2つの原子から成る鎖長を有し、かつ少なくとも1個の炭素原子および1個の酸素原子を有する過フッ素化有機基を表す)のモノマーの水性エマルジョンを重合する工程と、
2)その後に、追加のフルオロケミカル乳化剤を加えずに、少なくとも1種の追加のフッ素化コモノマーを添加する工程と、
3)得られる混合物を更に重合する工程と、
によって、二成分またはコア−シェル粒子分散体を調製することができる。
好ましくは、工程1)のエマルジョンは、1ミクロン未満、好ましくは300ナノメートルの平均液滴径を有する液滴を含む。
フルオロポリマー混合物を使用することの重要な利益は、ペルフルオロビニルエーテルモノマーのコストが、重合プロセスの第2の段階に使用されてよい他のモノマーのコストを著しく上回る場合のように、高レベルの性能を達成しながら、処理組成物の総コストを低下させることができることである。
二成分粒子の第2のフルオロポリマー成分は、二重結合炭素原子上に少なくとも1つのフッ素原子置換基を含有し、かつフッ素、塩素もしくは臭素等のハロゲン原子、水素、または低級フルオロアルキル基によって更に置換されている、少なくとも1つのエチレン系不飽和フルオロモノマーのホモ−またはコポリマーを含む。
第2の成分のフルオロポリマーの有用なフッ素化コモノマーとしては、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロペン、クロロトリフルオロエチレン、2−クロロペンタフルオロプロペン、1−ヒドロペンタフルオロプロペン、ジクロロジフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、1,1−クロロフルオロエチレン、トリクロロエチレン等のホモ−およびコポリマー、および任意に上記式(1)に一致するモノマーが挙げられる。
一般的に、フルオロポリマーは、0モル%〜70モル%、好ましくは0モル%〜60モル%、より好ましくは0モル%〜40モル%のテトラフルオロエチレンから誘導された繰返し単位、0モル%〜95モル%、好ましくは20モル%〜80モル%、より好ましくは30モル%〜75モル%のフッ化ビニリデンから誘導された繰返し単位、0モル%〜95モル%、好ましくは20モル%〜80モル%、より好ましくは30モル%〜75モル%のヘキサフルオロプロペンから誘導された繰返し単位を含有し、それによって、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロペンおよびテトラフルオロエチレンから誘導された繰返し単位の総量は、一般的に、0モル%〜95モル%、好ましくは20モル%〜90モル%、より好ましくは30モル%〜90モル%である。
フルオロケミカル組成物の第2の成分のフルオロポリマーは、非フッ素化モノマーから誘導された更なる繰返し単位を含有する。非フッ素化モノマーの例としては、エチレンおよびプロピレン等のα−オレフィン炭化水素が挙げられる。かかる更なる繰返し単位の量は広範囲に変更されてよく、いずれの特定の非フッ素化モノマーに関しても0モル%〜50モル%であり得る。
本発明のフルオロケミカル組成物中に使用することができる第2の成分のフルオロポリマーの具体例は、テトラフルオロエチレンと、ペルフルオロ(メチルビニル)エーテル、ペルフルオロ(メトキシエチルビニル)エーテル、ペルフルオロ(プロピルビニル)エーテル(PPVE−1)、ペルフルオロ(2−(n−プロポキシ)プロピルビニル)エーテル(PPVE−2)およびペルフルオロ(エトキシエチルビニル)エーテル等のペルフルオロビニルエーテルとのコポリマー、テトラフルオロエチレンと、ヘキサフルオロプロピレンと、ペルフルオロ(メチルビニル)エーテル、ペルフルオロ(メトキシエチルビニル)エーテル、PPVE−1、PPVE−2およびペルフルオロ(エトキシエチルビニル)エーテル等のペルフルオロビニルエーテルとのコポリマー、フッ化ビニリデンと、ペルフルオロ(メチルビニル)エーテル、PPVE−1、PPVE−2、ペルフルオロ(メトキシエチルビニル)エーテルおよびペルフルオロ(エトキシエチルビニル)エーテル等のペルフルオロビニルエーテルとのコポリマー、フッ化ビニリデンと、テトラフルオロエチレンと、ペルフルオロ(メチルビニル)エーテル、ペルフルオロ(メトキシエチルビニル)エーテル、PPVE−1、PPVE−2およびペルフルオロ(エトキシエチルビニル)エーテル等のペルフルオロビニルエーテルとのコポリマー、フッ化ビニリデンと、ヘキサフルオロプロピレンと、ペルフルオロ(メチルビニル)エーテル、PPVE−1、PPVE−2、ペルフルオロ(メトキシエチルビニル)エーテルおよびペルフルオロ(エトキシエチルビニル)エーテル等のペルフルオロビニルエーテルとのコポリマー、ならびにフッ化ビニリデンと、テトラフルオロエチレンと、ヘキサフルオロプロピレンと、ペルフルオロ(メチルビニル)エーテル、PPVE−1、PPVE−2、ペルフルオロ(メトキシエチルビニル)エーテルおよびペルフルオロ(エトキシエチルビニル)エーテル等のペルフルオロビニルエーテルとのコポリマーである。
フルオロポリマーの製造方法
ペルフルオロビニルエーテルモノマーおよびフッ素化乳化剤を含むプレエマルジョンの水性乳化重合によって、ポリ(ペルフルオロビニルエーテル)ホモポリマー粒子を製造する。ここで、プレエマルジョンの平均液滴径は1ミクロン以下、好ましくは300ナノメートル以下である。水性乳化重合において、フリーラジカル開始剤およびフッ素化乳化剤、好ましくは非テロゲン性乳化剤の存在下において、モノマーは水相で重合する。
一般的に、単独重合に必要とされる時間は6時間〜約48時間であり、かつ温度は40℃〜80℃、好ましくは40℃〜60℃の範囲である。より高い温度は、液滴の不安定化を導き得る。
フルオロケミカル乳化剤は一般的に、水相の質量を基準として1質量%未満、例えば、0.1質量%〜1質量%の量で使用される。フッ素化乳化剤の例としては、アルキル鎖中に4〜11つの炭素原子を有する直鎖状または分枝状ペルフルオロアルキル含有カルボン酸およびスルホン酸の塩、特にアンモニウム塩が挙げられる。具体例としては、ペルフルオロオクタン酸アンモニウム塩(APFO、米国特許第2,567,011号に記載されている)、バイエルAG(Bayer AG)から市販品として入手可能なC817SO3Li、C49SO3LiおよびC49SO3K(米国特許第2,732,398号に記載されている)が挙げられる。ペルフルオロアルキル含有カルボン酸塩の更なる例としては、C817SO2N(C25)CH2COOK(米国特許第2,809,990号に記載されている)である。使用可能な更なる乳化剤としては、EP219065号に開示されるようなペルフルオロポリエーテルカルボキシレート乳化剤が挙げられる。
本発明の実施形態に従って、少なくとも200g/モル、好ましくは1000g/モルの分子量を有するフッ素化乳化剤を使用して、例えばポリマーフッ素化乳化剤を使用して、乳化重合を実行することができる。適切なフッ素化ポリマーまたは高分子量乳化剤の例としては、1つ以上の親水性基、特にカルボン酸基またはその塩のようなイオン性基を有するペルフルオロポリエーテルが挙げられる。ペルフルオロポリエーテル乳化剤の例としては、次式(IV)または(V):
f a−O−(CF2O)k(CF2CF2O)p(CF(CF3)CF2O)q−Q1−COOM (IV)
MOOC−Q1−O−(CF2O)k(CF2CF2O)p(CF(CF3)CF2O)q−Q2−COOZ (V)
(式中、k、pおよびqは、それぞれ0〜15、典型的に0〜10または12の値を表し、かつk、pおよびqの合計は、平均分子量が少なくとも200g/モル、好ましくは少なくとも1000g/モルであるようなものであり、Rf aは、2〜4個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基を表し、MおよびZは、それぞれ独立して、水素またはカチオン、好ましくはアンモニウムまたはアルカリ金属イオン等の一価カチオンを表し、Q1およびQ2は、それぞれ独立して、−CF2−または−CF(CF3)−を表す)に従うものが挙げられる。
式(IV)の乳化剤として有用なフッ素化化合物の例としては、一般式:
f a−O−(CFXCF2O)r−CFX−COOM (VI)
(式中、Rf aおよびMは、式(IV)において定義された通りの意味を有し、Xは水素原子またはフッ素原子であり、rは2〜15の値を有する)に対応するものが挙げられる。かかるフッ素化乳化剤の例は、EP219065号に開示されている。市販品として入手可能な式(IV)または(V)に従うフッ素化化合物としては、オーシモントSpA(Ausimont SpA)から入手可能なフルオロリンク(FLUOROLINK)(商標)C、E.I.デュポン・ド・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I.Dupont de Nemours and Company)から全て入手可能なクリトックス(KRYTOX)(商標)157FSL、クリトックス(KRYTOX)(商標)157FSMおよびクリトックス(KRYTOX)(商標)157FSHが挙げられる。
乳化剤として有用な更なるフッ素化ポリマー化合物としては、次式:
Figure 2005522539
(式中、sは、0、1または2であり、tは2〜4の整数であり、Gは、非イオン性、アニオン性またはカチオン基等の親水性基を1個以上含有する部分である)のモノマーから誘導可能な繰返し単位を含むペルフルオロポリマーが挙げられる。適切な非イオン性基の例としては、−SO2F、ヒドロキシアルキレン、例えば、−(CH2nOH(式中、nは1〜18の整数である)、ヒドロキシアリーレン、およびエステル、例えば、−COOR(式中、Rは、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基である)が挙げられる。適切なアニオン性基の例としては、カルボキシル基、例えば、−CO2M(式中、Mは、水素原子、一価もしくは二価金属イオン(例えば、ナトリウム、カリウムまたはマグネシウム)、アンモニウム(例えば、単一アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、テトラアリールアンモニウム)またはホスホニウム(例えば、テトラアルキルホスホニウム)であってよい)、あるいはスルホネート基、例えば、−SO3M(式中、Mは、上記で定義された通りである)が挙げられる。適切なカチオン性基の例としては、アルキルアンモニウム基(例えば、−(CH2nNR3 +Cl-(式中、Rは、水素、アルキルまたはアリールであってよい))が挙げられる。
好ましくは、フッ素化ポリマー乳化剤は、テトラフルオロエチレンと、式(VII)に従うモノマーとのコポリマーである。かかるコポリマーおよびそれらの製造方法は、例えば、米国特許第5,608,022号および国際公開第00/52060号に開示されている。乳化剤として有用な適切なフッ素化ポリマー化合物は、デラウェア州ウィルミントンのE.Iデュポン・ド・ヌムール&カンパニー(E.I duPont de Nemours & Co.,Wilmington,DE)からナフィオン(Nafion)(商標)超酸触媒(例えば、ナフィオン(Nafion)(商標)SE10172)として入手可能であり、そして日本、大阪の朝日化学工業株式会社からフレミオン(Flemion)(商標)超酸ポリマーとしても入手可能であり、そして日本、東京の旭硝子株式会社からアシペックス(Acipex)(商標)超酸ポリマーとして入手可能である。
所望であれば、水性乳化重合において使用されるフッ素化乳化剤を回復およびリサイクルするための幾つかの方法を使用してもよい。かかる方法は、例えばEP524585号、EP566974号、EP632009号、EP731081号、国際公開第99/62858号、国際公開第99/62830号およびDE19932771号に開示されている。本発明において、乳化重合に続いて、いずれの残留フッ素化乳化剤も除去および、または最小化するために、これらの方法のいずれも有利に実行することができる。
フルオロポリマー分散体を製造するための特定の実施形態に従って、重合で使用される液体ペルフルオロビニルエーテルモノマーは、その単独重合の前に予備乳化される。本方法は、従来技術のプロセスより非常に能率的にペルフルオロビニルエーテルホモポリマーの調製を可能にする。本発明と関連して、用語「予備乳化」は、液体フッ素化モノマーの重合前にフッ素化乳化剤を用いて、1ミクロン以下、好ましくは300nm以下の液滴径までフッ素化モノマーが水中で乳化されることを意味する。ペルフルオロビニルエーテルホモポリマーのエマルジョンを調製するための重合の温度は、一般的に40℃〜100℃、好ましくは50℃〜80℃である。
他のモノマーとの重合の前に、上記のようなフッ素化乳化剤を用いてペルフルオロビニルエーテルモノマーを水中で乳化させることができる。液体フッ素化モノマーの予備の乳化によって、モノマー液滴を有するエマルジョンが得られる。プレエマルジョン平均液滴径は、1μm以下の平均直径から約150nmまたは更にそれ以下までの範囲であり得る。好ましくは、平均液滴径は300nm以下である。水性エマルジョンは、好ましくは、少なくとも1時間、より好ましくは少なくとも3時間のポットライフ(沈降時間)を有するべきである。モノマー液滴の10質量%が水性エマルジョンから沈殿または分離するために要求される時間として、ポットライフまたは静置時間を定義する。例えば、当該分野で既知であるような光散乱実験によって、液滴径を決定することができる。
例えばウルトラ−タラックス(Ultra−Turrax)(イカ(Ika))のような高速ロータースターラー混合機のような適切な乳化装置によって、ペルフルオロビニルエーテルモノマーの水性エマルジョンを都合よく得ることができる。所望の程度の乳化および安定性を達成するために、撹拌速度が十分に高くなければならない。一般的に、24000rpm以上の撹拌速度を利用することができる。乳化の間、好ましくは空気を排除する。APVガウリン(APV Gaulin)またはマイクロフルイディクス(Microfluidics)から入手可能な高圧ホモジェナイザーによって、プレエマルジョン粒径を更に減少することができる。
液体フッ素化モノマーの乳化に使用されるフッ素化乳化剤の量は、一般的に、液体フッ素化モノマーの質量を基準として、0.01質量%〜15質量%であり、好ましくは0.1質量%〜4質量%である。より多量の乳化剤を使用することもできるが、それらが、製造された液体フッ素化モノマーの水性エマルジョンのポットライフの著しい増加へと必ずしも導くわけではない。二成分粒子エマルジョンを製造するための二段階プロセスにおいては、より少ない量で使用できる。
二成分粒子の分散体が調製される本発明の二段階プロセスにおいて、上記のように少なくとも1%、好ましくは少なくとも5%の転化率までプレエマルジョンを最初に重合し、ペルフルオロビニルエーテルホモポリマー粒子と未転化のペルフルオロビニルエーテルモノマー(もしある場合は)との分散体を製造する。重合の第2の段階が進行する間に、連続的に撹拌しながら追加のフッ素化モノマーを添加する。追加のフッ素化乳化剤なしで、重合の第2の段階が起こらなければならない。追加の乳化剤の不在下で、二成分粒子分散体を製造し、そしてフッ素化モノマーの追加装入分は、ペルフルオロビニルエーテルホモポリマー粒子の表面で重合する。追加的なフッ素化乳化剤を添加し、ペルフルオロビニルエーテルホモポリマーの第1の粒子と、重合の第2の段階で供給された追加のフッ素化モノマーから誘導されたフルオロポリマーの第2の粒子との慎重な粒子の混合物を製造した。
二段階重合プロセス(二成分分散体を製造するための)において、重合の第1の段階に関しては第1の温度で、そして重合の第2の段階に関しては第2の温度で、重合を開始してよい。初期期間は典型的に、重合反応の開始から1時間〜6時間であり、例えば、1時間〜4時間である。所望であれば、重合間に更なる開始剤を添加してもよいが、要求されない。初期装入分における開始剤の量は一般的に、製造されるポリマーの総質量を基準として、0.01質量%〜2.0質量%、好ましくは0.1質量%〜1.8質量%、より好ましくは0.3質量%〜1.6質量%である。初期段階で使用される温度(より高い温度が使用される場合)は、一般的に40℃〜100℃、好ましくは50℃〜80℃である。重合の進行間の温度は一般的に、30℃〜80℃の範囲である。慣例の実験により、最適条件を容易に決定することができる。
重合を開始するために、フリーラジカル開始剤の代わりに、化学線放射を使用してもよい。UVのような化学線放射を使用して重合を開始する場合、約0℃から周囲温度までの低温が使用されてよい。
ペルフルオロビニルエーテルの水性乳化重合を連続的に実行することができる。ここでは、例えば、最適圧力および温度条件下で、得られる分散体または懸濁液を連続的に除去しながら、撹拌反応器にペルフルオロビニルエーテルモノマーと、水と、フルオロケミカル乳化剤と、緩衝剤と、開始剤とのプレエマルジョンを連続的に供給する。別の方法は、撹拌反応器中に成分のプレエマルジョンを供給して、所望の量のポリマーが形成されるまで、それらを明示された時間、設定温度で反応させることによる、バッチまたはセミバッチ(半連続)重合である。
重合の第2の段階において、連続式またはバッチ式で、追加のフルオロモノマーによって、ポリ(ペルフルオロビニルエーテル)の分散体を提供する。
乳化重合に使用される標準または通常の容器で重合を実行することができるが、気体状フッ素化モノマーを装入する第2の段階に関して、圧力容器が一般的に要求される。
フリーラジカル重合に関して、いずれかの適切な開始剤またはいずれかの適切な開始剤系、例えば、過硫酸アンモニウム(APS)、もしくはAPS/重亜硫酸塩のようなレドックス系、過マンガン酸カリウム、あるいはUV光のような化学線放射が使用されてよい。重合に油溶性開始剤が使用される場合、これらに関して、ペルフルオロビニルエーテルモノマーの水性エマルジョンと混合することが一般的に好ましい。本発明の目的のために、油溶性開始剤は、水溶解度がないか、または不十分である。油溶性開始剤の例は、置換ジベンゾイルペルオキシド、およびクメンヒドロペルオキシド、特にビスペルフルオロプロピオニルペルオキシドである。重合の第1の段階では、過硫酸塩が好ましい。
本発明で有用な水溶性熱開始剤は、熱への暴露時に、エマルジョンの液滴を含むモノマーの重合を開始するフリーラジカルを生じる開始剤である。適切な水溶性熱開始剤としては、限定されないが、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムおよびそれらの混合物;ならびに上記過硫酸塩と、メタ重亜硫酸ナトリウムおよび重亜硫酸ナトリウムよりなる群から選択されるもの等の還元剤との反応生成物等の酸化還元開始剤;よりなる群から選択されるものが挙げられる。好ましい水溶性熱開始剤は、過硫酸アンモニウムである。好ましくは、殆どの水溶性熱開始剤は約50℃〜約70℃の温度で使用され、酸化還元型開始剤は、好ましくは約25℃〜約50℃の温度で使用される。水溶性熱開始剤は、エマルジョン中のモノマーの総質量を基準として、約0.01質量%〜約2質量%、好ましくは約0.1質量%〜約2質量%である。
初期装入で添加される酸化剤の量は、典型的に、10ppmと10000ppmとの間である。初期投充填における還元剤の量も、典型的に、10ppmと10000ppmとの間である。酸化剤および還元剤の少なくとも1つの更なる装入分を重合進行時に重合系に添加する。更なる添加をバッチ式で行ってもよく、または更なる添加を連続式で行ってもよい。
結果として生じるフルオロポリマー粒子を、それ自体分散体として使用してもよい。濾過、凝集噴霧乾燥、有機溶媒中への抽出、または当該分野において既知である他の技術によって、水性媒体から粒子を単離してもよい。
重合系は、緩衝剤、および所望であれば錯体形成または連鎖移動剤のような補助剤を含んでもよい。
フルオロケミカル組成物
フルオロケミカル組成物は、フルオロポリマーの水性分散体を含む(ペルフルオロビニルエーテルホモポリマー粒子であっても、または二成分粒子であってもよい)。一般的に、処理組成物中に含有されるフルオロポリマーの量は、フルオロケミカル組成物の総質量を基準として、0.01質量%〜4質量%であり、好ましくは0.05質量%〜3質量%である。基材によるフルオロケミカル組成物の取り込みが低い場合、4質量%より多い、例えば、10質量%までのより多量のフルオロポリマーが使用されてもよい。一般的に、より濃縮されたフルオロケミカル組成物を、処理組成物中のフルオロポリマーの所望のレベルまで希釈することにより、フルオロケミカル処理組成物を調製する。濃縮されたフルオロケミカル組成物は、70質量%まで、典型的に10質量%〜50質量%の量でフルオロポリマーを含有し得る。
フルオロケミカル組成物が水分散体の形態である場合、フルオロポリマー粒子の体積平均粒径は一般的に300nm以下、好ましくは50nm〜200nmである。
非イオン性ポリオキシアルキレン、特に、ポリオキシエチレン界面活性剤、アニオン性非フッ素化界面活性剤、カチオン性非フッ素化界面活性剤および双性イオン性非フッ素化界面活性剤等の非フッ素化界面活性剤を使用して、分散体を更に安定化することができる。使用可能な非フッ素化界面活性剤の具体例は、エマルソゲン(Emulsogen)EPN207(クラリアント(Clariant))およびトェーン(Tween)80(ICI)のような非イオン性型、硫酸ラウリルおよびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなアニオン性型、アークォード(Arquad)T−50(アクゾ(Akzo))、エソクォード(Ethoquad)18−25(アクゾ(Akzo))のようなカチオン性型、またはラウリルアミンオキシドおよびコカミドプロピルベタインのような両性型である。非フッ素化界面活性剤は、好ましくは、フルオロケミカル組成物100質量部を基準として、約1質量部〜約25質量部、好ましくは、約2質量部〜約10質量部の量で存在する。
あるいは、有機溶媒中のフルオロポリマーの溶液または分散体を、フルオロケミカル処理組成物として使用することができる。適切な有機溶媒としては、イソプロパノール、メトキシプロパノールおよびt−ブタノール等のアルコール、イソブチルメチルケトンおよびメチルエチルケトン等のケトン、イソプロピルエーテル等のエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチルまたは酢酸メトキシプロパノール等のエステル、あるいはHCFC−141b、HFC−134a、HFE−7100、HFE−7200またはペルフルオロケトン等の(部分的に)フッ素化された溶媒が挙げられる。HFE−7100、HFE−7200およびペルフルオロケトンは、ミネソタ州セントポールの3Mカンパニー(3M Company,St.Paul,MN)から市販品として入手可能である。
フルオロケミカル組成物は、緩衝剤、防火性または静電防止性を付与する薬剤、殺菌剤、任意の漂白剤、金属封鎖剤、岩塩および浸透を促進するための膨張剤等の更なる添加剤を含んでもよい。フルオロケミカル組成物によって処理された繊維基材の撥油性および/または撥水性を更に改善することができるか、またはフルオロケミカル組成物によって処理された繊維基材のソイル/ステインリリース性を改善することができる、フルオロポリマー以外の補助成分を1つ以上含むことが特に好ましい。好ましくは、補助成分は、撥性および/またはソイル/ステインリリース性の耐久性を改善することができる。
補助成分は、一般的に非フッ素化有機化合物であり、以下、増量剤とも呼ばれる。撥油性および/または撥水性を改善することができる適切な増量剤としては、例えば、芳香族および脂肪族ブロック化イソシアネートを含むブロック化イソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、ならびに芳香族または脂肪族ポリカルボジイミドを含む芳香族または脂肪族カルボジイミドが挙げられる。ソイル/ステインリリース性を増強することができる補助成分は、一般的に、例えば、ポリオキシアルキレン基、特に、ポリオキシエチレン基を含むブロック化イソシアネート化合物のような非フッ素化有機化合物である。一般的に撥性またはソイル/ステインリリース性の耐久性を改善することができる補助成分としては、繊維基材の表面と反応することができる1つ以上の基(またはそれらの前駆体)を有する非フッ素化有機化合物が挙げられる。それらの例としては、イソシアネート基を有する化合物またはブロック化イソシアネートが挙げられる。
繊維基材の処理方法
繊維基材の処理を実行するために、繊維基材を本発明のフルオロポリマー分散体と接触させる。例えば、基材をフルオロケミカル処理分散体中に浸漬することができる。次いで、処理された基材をパッダ/ローラーを通過させて、過剰なフルオロケミカル組成物を除去し、そして乾燥させることができる。処理された基材を、空気中にそれを放置することによって室温で乾燥させても、もしくは代わりにまたは付加的に、例えばオーブン中で熱処理を受けさせてもよい。使用される特定の系または適用方法次第で、この熱処理は、約50℃〜約190℃の温度で典型的に実行される。一般的に、約20秒〜10分、好ましくは3分〜5分の間で、約120℃〜170℃、特に約150℃〜約170℃の温度が適切である。あるいは繊維基材上に組成物を噴霧することによって、化学的組成物を適用することができる。
処理された基材の外観および感触に実質的に影響を及ぼすことなく、所望の特性の十分に高いレベルが基材表面に付与されるように、繊維基材に適用される処理組成物の量を選択する。かかる量は、通常、処理された繊維基材上のフルオロポリマーの得られる量が、繊維基材の質量を基準として、0.05質量%〜3質量%であるようなものである。所望の特性を付与するために十分である量を経験的に決定することができ、そして必要であるか、または所望であれば増加することができる。
フルオロケミカル組成物で処理されることができる繊維基材としては、特に布地が挙げられる。繊維の基材は、合成繊維、例えば、ポリエステル、ポリアミドおよびポリアクリレート繊維、または天然繊維、例えば、セルロース繊維、ならびにそれらの混合物をベースとしてもよい。繊維基材は、布ならびに不布地基材であってよい。
本発明をそれらに制限することを意図せずに、以下の実施例を参照にして、本発明を更に説明する。特記されない限り、全ての部およびパーセントは質量によるものである。
配合および処理手順
フルオロポリマー処理剤の定義された量を含む処理浴を配合した。実施例に示される濃度を提供するために、パディングによって試験基材に処理を適用した(布質量を基準として、SOF(布上の固体)として示される)。試料を乾燥させて、10分間300°Fの温度で硬化した。本発明の処理の評価のために使用される基材は、100%コットン US−3:米国のテスト・ファブリック(Test Fabric,USA)から入手可能なコットンであった。熱硬化後、それらの撥油性に関して基材を試験した。
撥油性のための試験方法
米国繊維化学者・色彩技術者協会(American Association of Textile Chemists and Colorists)(AATCC)標準試験法118−1997によって、基材の撥油性を測定した。この試験は、30秒間の接触後、様々な表面張力を有する油による浸透に対する処理された基材の抵抗に基づいた。カイドル(Kaydol)(登録商標)鉱物油(試験油の最少浸透)のみに対して処理された基材の抵抗に1の評価を与え、一方、n−ヘプタン(最高浸透の、最低表面張力試験液)に対しての処理された基材の抵抗に8の評価を与えた。以下の表に示す通り、他の純粋な油または油の混合物の使用によって、他の中間値を決定した。値に続く「−」記号は、2つの値の間の中間値の評価者による主観的な決定を示す(すなわち、4−は3と4との間の値を示す)。
Figure 2005522539
Figure 2005522539
実施例1;PPVE−2ホモポリマー分散体の調製
脱イオン水(90.0g)中に、フルオロリンク(FLOUROLINK)(商標)C(3.3g)および水酸化カリウム(0.186g)を溶解した。この溶液に、ナフィオン(NAFION)(商標)SE10172(0.0175g)およびPPVE−2(50.0g)を添加し、得られた水性混合物を、ブランソン450 ソニファー(Branson 450 sonifier)(ニュージャージー州ブリッジポートのVWRサイエンティフィック(VWR Scientific,Bridgeport,NJ)から入手可能)を使用して60秒間超音波処理し、粗製エマルジョンを生成した。次いで、3パスによって8800psi(60.67MPa)で、ガウリン(Gaulin)15MRホモジェナイザー(ミネソタ州セントポール(St.Paul,MN)のAPVから入手可能)により、得られる粗製エマルジョンを均質化し、144nmの平均液滴径のエマルジョンを得た。続いて、微細エマルジョンを、オーバーヘッド撹拌機および加熱マントルを備えた3つ口250mL丸底フラスコへ移した。脱イオン水(10.0g)、重炭酸ナトリウム(NaHCO3;0.2g)および過硫酸アンモニウム(0.2g)の溶液を撹拌混合物に添加した。次いで、混合物の温度を高め、そして窒素ブランケット下で20時間60℃に維持した。室温まで冷却時に、続いてホモポリマー分散体(NMRを使用して特性評価した;固形分29.1%)の収率は97.9%であると決定され、ホリバ(Horiba)LA−910(カリフォルニア州アービンのホリバ・インストルメンツ・インコーポレイテッド(Horiba Instruments,Inc,Irvine,CA))により測定した場合の平均粒径は62nmであった。ホモポリマーへのモノマー転化率は82%であった。
表1に明示された条件および材料を使用することを除き、本質的に実施例1の手順に従って、実施例2〜4を調製した。実施例2〜4に関して、得られる固形分(%)、平均粒径およびホモポリマーへの転化率も表1に載せた。
比較例C1
得られる水性混合物を予備乳化せず、かつ反応の持続が20時間である代わりに24時間であったことを除き、本質的に実施例1に従って、比較例C1を調製した。
Figure 2005522539
実施例5
フルオロリンク(FLOUROLINK)(商標)CをPBSに置き換えて、かつ反応を71℃で20時間実行したことを除き、本質的に実施例1に使用された手順に従って、実施例5を調製した。ホモポリマー分散体は、転化率58%で230nmの平均粒径を有した。
実施例6
ナフィオン(NAFION)(商標)SE10172の添加を省略したことを除き、本質的に実施例5に使用された手順に従って、実施例6を調製した。ホモポリマー分散体は、転化率24%で157nmの平均粒径を有した。
実施例7
PPVE−2をPPVE−1に置き換えたことを除き、本質的に実施例1に使用された手順に従って、実施例7を調製した。ホモポリマー分散体は、転化率48%で63nmの平均粒径を有した。
実施例8
脱イオン水(335.5g)に、ナフィオン(NAFION)SE10172 (2.38g)、続いて、PPVE−2(72.0)を添加した。続いて、3パスによって8800psi(60.67MPa)で、ガウリン(Gaulin)15MR(ミネソタ州セントポール(St.Paul,MN)のAPVから入手可能)を使用して混合物を均質化し、231nmの平均液滴径のエマルジョンを得た。このエマルジョン(341.6g)のアリコートに、脱イオン水(20.0g)および過硫酸アンモニウム(1.0g)の溶液を添加し、得られる混合物を数分間撹拌し、次いで、撹拌機、加熱マントル、熱電対、圧力ゲージおよびガス供給バルブを備えた500mL高圧反応器中に真空装入した。窒素および排気による2回のパージ後、撹拌機を800rpmに設定し、そして混合物の温度を71℃に上げ、そして6時間保持した。
6時間後、150psi(1034kPa)で反応器中に61質量%/39質量%VDF/HFP気体混合物を導入した。500mL反応器中への総気体供給時間は、3.42時間であった。気体供給完了後、反応器内容物を更に2.5時間反応させた。この時の圧力は150psi(1034kPa)から約20psi(138kPa)まで低下した。結果として得られた固形分27%のラテックスは、112nmの平均粒径を有した。
実施例9
PPVE−2エマルジョンの第1の段階の重合を、6時間の代わりに3時間反応させ、かつラテックスの得られる平均粒径が82nm(固形分26.8%)であったことを除き、実施例9のプロセスは本質的に実施例8と同一であった。
実施例10
PPVE−2エマルジョンの第1の段階の重合を、6時間の代わりに0.8時間反応させ、かつラテックスの得られる平均粒径が127nm(固形分26.9%)であったことを除き、実施例10のプロセスは本質的に実施例8と同一であった。
比較例C2
PPVE−2エマルジョンの充填が、6時間の反応時間の代わりに、VDF/HFP気体混合物の導入直後であったことを除き、比較例C2のプロセスは本質的に実施例8と同一であった。ラテックスの得られる平均粒径は115nm(固形分27.7%)であった。
Figure 2005522539

Claims (28)

  1. a.フルオロケミカル乳化剤の存在下で、ペルフルオロビニルエーテルの水性混合物を1ミクロン以下の平均エマルジョン液滴径まで予備乳化する工程と、
    b.ポリ(ペルフルオロビニルエーテル)の粒子を生成するために十分な温度および時間で、開始剤の存在下で、前記ペルフルオロビニルエーテルを重合する工程と、
    を含むポリ(ペルフルオロビニルエーテル)ホモポリマー分散体の製造方法。
  2. 前記ペルフルオロビニルエーテルが、次式:
    CF2=CF−Rf
    (式中、Rfは、少なくとも2個の原子から成る鎖長を有し、かつ少なくとも1個の炭素原子および1個の酸素原子を有する過フッ素化有機基を表す)で表されるものである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記Rf基が、ペルフルオロアルコキシ基、ペルフルオロポリエーテル基のペルフルオロエーテル基である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記Rf基が、次式:
    −O(R1 fO)n(R2 fO)m3 f
    (式中、R1 f、R2 fは、それぞれ独立して、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状ペルフルオロアルキレン基を表し、R3 fは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状、分枝状または環状のペルフルオロアルキル基を表し、nおよびmは、それぞれ独立して、0〜10の整数を表す)である、請求項2に記載の方法。
  5. nおよびmの少なくとも1つが、0とは異なる、請求項4に記載の方法。
  6. mが0であり、nが1であり、R1 fが−CF2CF2−、−CF2CF(CF3)−または−CF2CF2CF2−であり、R3 fが、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状、分枝状または環状のペルフルオロアルキル基を表す、請求項4に記載の方法。
  7. ペルフルオロビニルエーテルモノマーの濃度が、前記エマルジョンの1質量%〜70質量%である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記フッ素化乳化剤の濃度が、前記エマルジョンの0.1質量%〜4質量%である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記開始剤の濃度が、前記プレエマルジョンの0.01質量%〜2質量%である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記温度が40℃〜80℃であり、前記時間が6時間〜48時間である、請求項1に記載の方法。
  11. 前記重合の転化率が少なくとも1%である、請求項1に記載の方法。
  12. 前記フルオロポリマーが、50ナノメートル〜200ナノメートルの平均径を有する粒子を含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記乳化剤が、次式:
    Figure 2005522539
    (式中、sは、0、1または2であり、tは2〜4の整数であり、Gは、1個以上の非イオン性、アニオン性またはカチオン性親水性基を含有する部分である)のモノマーから誘導可能な繰返し単位を含む、請求項1に記載の方法。
  14. 前記乳化剤が、
    f a−O−(CF2O)k(CF2CF2O)p(CF(CF3)CF2O)q−Q1−COOM、または
    MOOC−Q1−O−(CF2O)k(CF2CF2O)p(CF(CF3)CF2O)q−Q2−COOZ
    (式中、k、pおよびqは、それぞれ0〜15の値を表し、かつk、pおよびqの合計は、数平均分子量が少なくとも200g/モルであるようなものであり、Rf aは、2〜4個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基を表し、MおよびZは、それぞれ独立して、水素またはカチオンを表し、Q1およびQ2は、それぞれ独立して、−CF2−または−CF(CF3)−を表す)から選択される、請求項1に記載の方法。
  15. 次式:
    MOOC−Q1−O−(CF2O)k(CF2CF2O)p(CF(CF3)CF2O)q−Q2−COOZ
    (式中、k、pおよびqは、それぞれ0〜15の値を表し、かつk、pおよびqの合計は、数平均分子量が少なくとも200g/モルであるようなものであり、Rf aは、2〜4個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基を表し、MおよびZは、それぞれ独立して、水素またはカチオンを表し、Q1およびQ2は、それぞれ独立して、−CF2−または−CF(CF3)−を表す)の乳化剤を更に含む、請求項13に記載の方法。
  16. 前記開始剤が水溶性開始剤を含む、請求項1に記載の方法。
  17. 前記水溶性開始剤が、前記モノマーの総質量を基準として0.01質量%〜2質量%の量で存在する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記重合工程の温度が50℃〜80℃である、請求項1に記載の方法。
  19. 乳化剤の量が、前記モノマーの総質量に対して0.01質量%〜15質量%である、請求項1に記載の方法。
  20. 前記分散体から前記ポリ(ペルフルオロビニルエーテル)の粒子を単離する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  21. 繊維基材を、請求項1に記載のフルオロポリマー分散体に接触させることを含む、繊維基材の処理方法。
  22. 前記繊維基材上に得られる前記フルオロポリマーの量が、前記繊維基材の質量を基準として3質量%以下であるような量で、前記フルオロポリマー分散体が前記繊維基材に適用される、請求項21に記載の方法。
  23. 前記繊維基材が布地である、請求項21に記載の方法。
  24. 前記繊維基材を前記フルオロケミカル組成物と接触させる工程の後に、前記繊維基材を、90℃〜170℃で20秒〜10分の時間で熱処理を施す、請求項21に記載の方法。
  25. その少なくとも一表面の少なくとも一部分において、前記繊維基材の質量を基準として3質量%以下の量で請求項1に記載の分散体を含む、繊維基材。
  26. 前記少なくとも一表面の前記部分において、前記繊維基材の撥油性および/または撥水性を更に改善することができる補助成分、あるいは前記繊維基材に改善されたソイル/ステインリリース性を付与することができる補助成分を更に含む、請求項25に記載の繊維基材。
  27. 前記補助成分が、脂肪族ポリイソシアネート、ブロック化イソシアネート、脂肪族または芳香族カルボジイミド、およびアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステルのホモもしくはコポリマーよりなる群から選択される、請求項26に記載の繊維基材。
  28. ペルフルオロビニルエーテルモノマーの濃度が、前記エマルジョンの20質量%〜40質量%である、請求項1に記載の方法。
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