JP2019199444A - ペンタンジイソシアネートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このペンタンジイソシアネートの製造方法では、まず、ペンタンジアミン(以下、PDAとする。)および塩化水素を、それらが同時に連続的に供給される期間を有するように、撹拌槽に供給して、PDAと塩化水素とを混合して、ペンタンジアミン塩酸塩(以下、PDA塩酸塩とする。)を製造する。
次いで、PDA塩酸塩と塩化カルボニルとを反応させて、ペンタンジイソシアネート(以下、PDIとする。)を得る。
また、上記の反応混合物は、PDIおよび塩素誘導体に加えて、タール成分を含有する場合がある。
しかるに、本発明者は、PDA塩酸塩を生成する造塩工程において、PDAが溶解されたアミン溶液を撹拌槽に予め仕込み、そのアミン溶液に塩化水素を供給すると、造塩工程におけるPDAの転化率(造塩転化率)の向上を図るには限度があり、造塩工程において生成する塩酸塩スラリー(塩酸塩組成物)中にPDAが過度に残存するという知見を得た。さらに、本発明者は、塩酸塩スラリー中にPDAが所定の割合を超過して残存すると、PDIを生成するイソシアネート化工程において、塩素誘導体が顕著に副生するという知見を得た。
上記の実施形態では、造塩工程において、塩化水素ガスおよびPDA(アミン溶液)を順に供給開始した後、PDAおよび塩化水素ガスを順に供給停止するが、塩化水素ガスおよびPDAが少なくとも同時に供給される期間を有すれば、これに限定されない。
まず、純度99.8質量%の1,5−ペンタメチレンジアミン(市販品)を用い、下記の条件でガスクロマトグラフィーにて分析して、得られたガスクロマトグラムの面積値から検量線を作成した(絶対検量線法)。次いで、後述する各実施例および比較例の塩酸塩スラリーを、0.1μmのフィルターで濾過し、得られた濾液を下記の条件でガスクロマトグラフィーにて分析して、濾液における1,5−ペンタメチレンジアミンの濃度を求めた。
装置;GC−2010(島津製作所社製)
カラム;CP−SIL8、内径0.25mm×長さ30m×膜厚0.25μm(アジレントテクノロジー社製)
オーブン温度;120℃で3分間保持、120℃から300℃まで20℃/minで昇温、300℃で5分間保持
スプリット比;50.0
注入口温度;340℃
検出器温度;340℃
キャリアガス;窒素
キャリアガス流量;40.7ml/min(定流量制御)
注入量;1.0μL
検出方法;FID
そして、下記式から、塩酸塩スラリー中に残存する1,5−ペンタメチレンジアミンの割合を算出した。
C2×(100−C1)/{C1×(100−C2)}×100
C1:全アミン濃度
C2:濾液の1,5−ペンタメチレンジアミン濃度。
下記式から、造塩工程における1,5−ペンタメチレンジアミンの転化率(造塩転化率)を算出した。
100−塩酸塩スラリー中に残存する1,5−ペンタメチレンジアミンの割合。
まず、純度99.8質量%の1,5−ペンタメチレンジイソシアネート(市販品)を用い、下記の条件でガスクロマトグラフィーにて分析して、得られたガスクロマトグラムの面積値から作成した検量線を作成した(絶対検量線法)。次いで、後述する各実施例および比較例の反応混合液を、下記の条件でガスクロマトグラフィーにて分析して、反応混合液におけるペンタメチレンジイソシアネートの濃度を求めた。
装置;GC−2010(島津製作所社製)
カラム;DB−1、内径0.53mm×長さ30m×膜厚1.5μm(アジレントテクノロジー社製)
オーブン温度;120℃から280℃まで7℃/minで昇温、280℃で5分間保持
スプリット比;10.0
注入口温度;250℃
検出器温度;280℃
キャリアガス;窒素
キャリアガス流量;39.9mL/min(定流量制御)
サンプル濃度:10質量%トルエン溶液
注入量;1.0μL
検出方法;FID
そして、下記式から、1,5−ペンタメチレンジイソシアネートの反応収率を算出した。
C1/{(W1×M1/M2)/(W2+W1×M1/M2)}
C1:反応混合液における1,5−ペンタメチレンジイソシアネートの濃度
M1:1,5−ペンタメチレンジイソシアネートの分子量
M2:1,5−ペンタメチレンジアミンの分子量
W1:供給した1,5−ペンタメチレンジアミンの質量部
W2:供給したジクロロベンゼン(予め仕込んだジクロロベンゼンとアミン溶液に用いたジクロロベンゼンとの総和)の質量部。
ペンタメチレンジイソシアネートの濃度測定と同条件でガスクロマトグラフィーにて分析して、後述する各実施例および比較例の反応混合液における塩素誘導体の濃度を求めた。そして、下記式から、塩素誘導体の生成率を算出した。
C1/{(W1×M1/M2)/(W2+W1×M1/M2)}
C1:反応混合液における塩素誘導体の濃度
M1:塩素誘導体の分子量
M2:1,5−ペンタメチレンジアミンの分子量
W1:供給した1,5−ペンタメチレンジアミンの質量部
W2:供給したジクロロベンゼン(予め仕込んだジクロロベンゼンとアミン溶液に用いたジクロロベンゼンとの総和)の質量部。
(1)造塩工程
撹拌槽と、撹拌槽内に配置される回転羽根とを備える撹拌装置を準備した。撹拌槽には、還流冷却管、温度計、アミン供給ライン、塩化水素導入ラインおよび塩化カルボニル導入ラインが設けられる。撹拌槽に、反応溶媒としてo−ジクロロベンゼン370.4質量部を仕込んだ。次いで、o−ジクロロベンゼンを周速1.57m/sで撹拌するとともに、大気圧(0.1MPa)下において撹拌槽内の温度を下記表1に示す造塩温度に昇温した。そして、塩化水素ガスを、塩化水素導入ラインから撹拌槽に、24.2質量部/hrの供給速度で連続的に供給した。
次いで、撹拌槽の内液を150℃とした後、塩化カルボニルを、大気圧(0.1MPa)下において、塩化カルボニル導入ラインから撹拌槽に、連続的に30.6質量部/hrで、下記表1に示す反応時間、連続的に供給した。
Claims (1)
- 撹拌槽に、ペンタンジアミンおよび塩化水素を、それらが同時に連続的に供給される期間を有するように供給して、ペンタンジアミンと塩化水素とを混合して、ペンタンジアミン塩酸塩を含む塩酸塩組成物を得る造塩工程と、
前記ペンタンジアミン塩酸塩と塩化カルボニルとを反応させて、ペンタジイソシアネートを得るイソシアネート化工程と、を含み、
前記造塩工程に供されたペンタンジアミンに対して、前記塩酸塩組成物中に残存するペンタンジアミンの割合は、1.0mol%以下であることを特徴とする、ペンタンジイソシアネートの製造方法。
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---|---|---|---|---|
CN114057582A (zh) * | 2021-11-16 | 2022-02-18 | 南京工业大学 | 一种连续分离纯化戊二胺盐酸盐晶体的方法 |
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