JPH10120642A - フッ素置換フェニルイソシアネートの製造方法 - Google Patents

フッ素置換フェニルイソシアネートの製造方法

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JPH10120642A
JPH10120642A JP28257796A JP28257796A JPH10120642A JP H10120642 A JPH10120642 A JP H10120642A JP 28257796 A JP28257796 A JP 28257796A JP 28257796 A JP28257796 A JP 28257796A JP H10120642 A JPH10120642 A JP H10120642A
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JP
Japan
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fluorine
phosgene
formula
solvent
substituted
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Pending
Application number
JP28257796A
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English (en)
Inventor
Shigeru Handa
滋 半田
Ryutaro Takei
龍太郎 武居
Yoshitomo Kashiyama
佳朋 樫山
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】医農薬中間体等として有用なo−フッ素置換フ
ェニルイソシアネートを高収率で製造する方法の提供。 【解決手段】2,6−ジフルオロアニリン、2,4−ジ
フルオロアニリンなどのo−フッ素置換アニリンまたは
その塩をジエチレングリコールジメチルエーテル等のエ
ーテル系溶媒の存在下、ホスゲンと反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医農薬中間体等と
して有用なフッ素置換フェニルイソシアネートの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ホスゲンを用いたイソシアネートの製造
は、溶媒としてトルエン、キシレン、デカリン、クロロ
ベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の不活性な溶媒を用
いる方法が一般的である(ULLMANNS ENCYCLOPEDIA OF I
NDUSTRIAL CHEMISTRY,Vol.A14,617pp 、Kirk-Othmer EN
CYCLOPEDIA OF CHEMICAL TECHNOLOGY 2nd Ed.,Vol.2,55
pp)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】フッ素置換アニリンを
ホスゲン化することによるフッ素置換フェニルイソシア
ネートの製造方法において、従来から用いられている溶
媒を使用した場合、反応中間体であるカルバモイル体に
おいて、窒素原子に結合した水素原子とオルト位のフッ
素原子とが水素結合を形成し、その結合力が大きいため
脱塩酸反応がきわめて進行しにくく、目的とするイソシ
アネートの収率が低い、という問題があった。
【0004】この水素結合の影響を低減させるために高
温で反応を行った場合には、一般のイソシアネートと同
様に高分子量の高沸点不純物が多量に生成し、収率がさ
らに低下する。本発明の目的は、従来技術の前述の欠点
を解消にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決すべくなされた下記の発明である。式1で表されるフ
ッ素置換アニリンおよび/またはその塩をエーテル系溶
媒の存在下、ホスゲンと反応させることを特徴とするフ
ッ素置換フェニルイソシアネートの製造方法。ただし、
式1におけるX1 、X2 、X3 、X4 、X5 はそれぞれ
フッ素原子または水素原子を示し、かつX1 、X5 の1
個以上はフッ素原子である。
【0006】
【化2】
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において使用されるフッ素
置換アニリンは、式1で示される。ただし、X1 、X5
の1個以上はフッ素原子であることが必須である。すな
わちオルト位にフッ素原子を有する化合物である。
【0008】本発明の溶媒以外の溶媒を用いた場合に
は、中間体であるカルバモイル体において、窒素原子に
結合した水素原子がフッ素原子と水素結合を形成するた
めに、脱塩酸反応が進行しにくい。本発明の方法では、
エーテル系溶媒の酸素原子がカルバモイル体の窒素原子
に結合した水素原子と水素結合を形成するため、該水素
原子とフッ素原子との間の水素結合が弱まり、脱塩酸反
応が進行しやすくなると考えられる。
【0009】フッ素置換アニリンとしては具体的には
2,6−ジフルオロアニリン、2,4−ジフルオロアニ
リン、o−フルオロアニリンが挙げられるが、それらに
限定されない。
【0010】またフッ素置換アニリンの塩としては、塩
酸塩または炭酸塩が好ましい。フッ素置換アニリンは塩
として使用することが特に好ましい。フッ素置換アニリ
ンは塩とすることにより、生成したイソシアネートとの
反応による尿素化合物の副生を抑制できる。
【0011】本発明において使用されるエーテル系溶媒
としては、アルキルエーテル、すなわち、アルカンのC
−C結合間に酸素原子を有するエーテルが好ましい。ホ
スゲンとの反応の後の目的物回収時に必要以上の高温を
要するものは高沸不純物の副生の点で好ましくなく、ま
た沸点があまり低いものは引火の危険性の点で好ましく
ない。
【0012】アルキルエーテルとしては鎖状アルキルエ
ーテル、環状アルキルエーテルいずれも好ましい。鎖状
アルキルエーテルとしては酸素原子を5個以下、好まし
くは1〜3個含む化合物が好ましい。酸素原子を1個含
むアルキルエーテルとしてはジアルキルエーテルがあ
り、例えばジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル等が挙
げられる。また酸素原子を2〜3個含む化合物としては
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコ
ールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチル
エーテル等が挙げられる。環状アルキルエーテルとして
は、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,
3,5−トリオキサン等が挙げられる。
【0013】これらエーテル系溶媒の使用量はあまり多
くても経済的に好ましくない。一般的には原料であるフ
ッ素置換アニリンに対して重量で2〜40倍、特に5〜
20倍使用することが好ましい。
【0014】ホスゲンを反応させる場合、ガス状で反応
系に吹き込む方法または冷却液化状態で反応系と混合す
る方法が好ましい。ホスゲン2量体であるトリクロロメ
チルクロロホルメートまたはホスゲン3量体であるビス
(トリクロロメチル)カーボネートを用い、ホスゲンと
の反応の前にホスゲンに分解して使用することもでき
る。
【0015】ホスゲンとの反応は、最初に0〜10℃の
低温で反応させることが好ましい。この後10℃〜溶媒
の沸点の高温で反応を行うことが好ましい。目的化合物
によっては低温でのホスゲンとの反応を省略できる。
【0016】反応後の液は乾燥した窒素ガスを通気させ
ることにより過剰のホスゲンを充分に除去することが好
ましい。その後、常圧または減圧にて溶媒とイソシアネ
ートとを分離回収できる。
【0017】本発明の方法によって式2で示されるフッ
素置換フェニルイソシアネートが得られる。ただし、式
1におけるX1 、X2 、X3 、X4 、X5 はそれぞれフ
ッ素原子または水素原子を示し、かつX1 、X5 の1個
以上はフッ素原子である。
【0018】
【化3】
【0019】
【実施例】以下に、本発明を実施例および比較例によっ
て説明する。なお、分析はガスクロマトグラフで行っ
た。
【0020】「例1(実施例)」1Lのフラスコにジエ
チレングリコールジメチルエーテル300gと2,6−
ジフルオロアニリン32.3g(0.25モル)を仕込
み氷水にて5℃に冷却した。この混合物に、5℃を維持
しながら塩化水素を11.2NL/hの流量で1時間吹
き込み2,6−ジフルオロアニリンの塩酸塩を得た(転
化率100%)。
【0021】この塩酸塩溶液に5℃を維持しながらホス
ゲンガスを11.2NL/hで1時間吹き込んだ後、ホ
スゲンガスを同流量で流通させながら1時間をかけて徐
々に昇温した。100℃となった時点でホスゲンガスの
供給および加温を停止した。この際反応液中の塩酸塩は
消滅し、無色透明の液体となっていた。
【0022】窒素ガスを50NL/hの流量で8時間流
し、過剰のホスゲンを除去したのち減圧下蒸留を行い、
10mmHg、60℃の留分である2,6−ジフルオロ
フェニルイソシアネート37.3g(0.24モル)を
得た。目的物の純度は99.6%、収率は96.2%で
あった。この物質の融点は23℃であった。
【0023】「例2(比較例)」ジエチレングリコール
ジメチルエーテルのかわりにo−ジクロロベンゼン30
0gを用いるほかは例1と同様にして2,6−ジフルオ
ロアニリンの塩酸塩を得た(転化率100%)。
【0024】この塩酸塩溶液に5℃を維持しながらホス
ゲンガスを11.2NL/hで1時間吹き込んだ後、反
応器を油浴に移しホスゲンガスを同流量で流通させなが
ら1時間をかけて徐々に昇温し、180℃の還流温度で
2時間維持した。反応液は均一にはならず、白色の固形
物が残存したままであった。
【0025】ホスゲンガスの供給および加温を停止した
後、窒素ガスを50NL/hの流量で8時間流し、過剰
のホスゲンを除去した。固形物をろ別した反応液を減圧
蒸留し、2,6−ジフルオロフェニルイソシアネート1
3.5g(0.09モル)が得られた。目的物の収率は
35%であった。
【0026】「例3(実施例)」ジエチレングリコール
ジメチルエーテルのかわりにテトラヒドロフラン300
gを用い、50℃となった時点でホスゲンガスの供給お
よび加温を停止したほかは例1と同様にして2,6−ジ
フルオロフェニルイソシアネートを得た。目的物は3
6.9g(0.24モル)得られ、収率は95.3%で
あった。
【0027】「例4(実施例)」ジエチレングリコール
ジメチルエーテルのかわりに1,4−ジオキサン300
gを用い、70℃となった時点でホスゲンガスの供給お
よび加温を停止したほかは例1と同様にして2,6−ジ
フルオロフェニルイソシアネートを得た。目的物は3
6.5g(0.24モル)得られ、収率は94.2%で
あった。
【0028】「例5(実施例)」2,6−ジフルオロア
ニリンのかわりに2,4−ジフルオロアニリン32.3
g(0.25モル) を用いたほかは例4と同様にして
2,4−ジフルオロフェニルイソシアネート(6mmH
g、42℃の留分)を得た。目的物は36.5g(0.
235モル)得られ、純度は99.3%、収率は94.
3%であった。
【0029】「例6(比較例)」1,4−ジオキサンの
かわりにクロロベンゼン300gを用いるほかは例5と
同様にして2,4−ジフルオロアニリンの塩酸塩を得た
(転化率100%)。この塩酸塩溶液に5℃を維持しな
がらホスゲンガスを11.2NL/hで1時間吹き込ん
だ後、反応器を油浴に移しホスゲンガスを同流量で流通
させながら1時間をかけて徐々に昇温し、131℃の還
流温度で2時間維持した。反応液には白色の固形物が存
在していた。
【0030】ホスゲンガスの供給および加温を停止した
後、窒素ガスを50NL/hの流量で8時間流し、過剰
のホスゲンを除去した。固形物をろ別した反応液を減圧
蒸留し、2,4−ジフルオロフェニルイソシアネート
8.5g(0.055モル)が得られた。目的物の収率
は22%であった。
【0031】
【発明の効果】本発明の方法によれば、フッ素置換フェ
ニルイソシアネートを高収率でかつ経済的に製造でき
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式1で表されるフッ素置換アニリンおよび
    /またはその塩をエーテル系溶媒の存在下、ホスゲンと
    反応させることを特徴とするフッ素置換フェニルイソシ
    アネートの製造方法。ただし、式1におけるX1 、X
    2 、X3 、X4 、X5 はそれぞれフッ素原子または水素
    原子を示し、かつX1 、X5 の1個以上はフッ素原子で
    ある。 【化1】
JP28257796A 1996-10-24 1996-10-24 フッ素置換フェニルイソシアネートの製造方法 Pending JPH10120642A (ja)

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JP (1) JPH10120642A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006048141A1 (de) * 2004-11-03 2006-05-11 Basf Aktiengesellschaft Verfahren zur herstellung von polyisocyanaten
JP2019199444A (ja) * 2018-05-17 2019-11-21 三井化学株式会社 ペンタンジイソシアネートの製造方法

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WO2006048141A1 (de) * 2004-11-03 2006-05-11 Basf Aktiengesellschaft Verfahren zur herstellung von polyisocyanaten
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