JPH0791229B2 - ジターシャリーブチルジカーボネートの製法 - Google Patents
ジターシャリーブチルジカーボネートの製法Info
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- JPH0791229B2 JPH0791229B2 JP63010423A JP1042388A JPH0791229B2 JP H0791229 B2 JPH0791229 B2 JP H0791229B2 JP 63010423 A JP63010423 A JP 63010423A JP 1042388 A JP1042388 A JP 1042388A JP H0791229 B2 JPH0791229 B2 JP H0791229B2
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- boc
- tertiary
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はアミノ基保護剤として有用で、通称Di−BOCと
呼ばれるジターシャリーブチルジカーボネート(以下、
Di−BOCと言う)を工業的有利に製造するための方法に
関するものである。
呼ばれるジターシャリーブチルジカーボネート(以下、
Di−BOCと言う)を工業的有利に製造するための方法に
関するものである。
(従来の技術) Di−BOCは各種のアミノ基をBOC化(ターシャリーブトキ
シカルボニル化)して保護するためのアミノ基保護剤と
して知られており、BOC化の反応性が良好である上、副
生物の殆んどがターシャリーブタノールと炭酸ガスであ
るので、反応の後処理が簡単であり、理想的なアミノ基
保護剤である。
シカルボニル化)して保護するためのアミノ基保護剤と
して知られており、BOC化の反応性が良好である上、副
生物の殆んどがターシャリーブタノールと炭酸ガスであ
るので、反応の後処理が簡単であり、理想的なアミノ基
保護剤である。
ところが、Di−BOCを工業的に製造しようとする場合、
反応面及び操作面での問題があり、従来、安価に製造す
ることができなかった。そのため、Di−BOCは実験室レ
ベルでは利用されているものの、工業的レベルでは広く
は利用されていなかった。
反応面及び操作面での問題があり、従来、安価に製造す
ることができなかった。そのため、Di−BOCは実験室レ
ベルでは利用されているものの、工業的レベルでは広く
は利用されていなかった。
Di−BOCの製造法としては、例えば、下記反応式に示す
ように、アルカリ金属ターシャリーブトキシサイドをテ
トラヒドロフランなどの有機溶媒中で炭酸ガスと反応さ
せてモノカーボネート体を生成させ、 引き続き、これにホスゲンを反応させトリカーボネート
体を得、 次いで、これを単離した後、トリカーボネート体を1,4
−ジアザビシクロ−〔2,2,2〕オクタンなどの第3級ア
ミンと接触させ脱炭酸することにより、 目的とするDi−BOCを回収する方法が知られている。
(例えば、Org.Synth,57,45(1977)参照) 而し乍ら、上記の公知ルートでは式の反応で得られる
トリカーボネートを経由し、更に、単離して式の反応
に供している為、収率が不満足である他操作が極めて繁
雑かつ面倒である。即ち、上記文献によれば、式の反
応で得られるトリカーボネート体の収率は64〜75%とさ
れており、更に式の反応へ供する為には精製が必要で
トリカーボネート体の精製後の収率は59〜62%とされて
いる。
ように、アルカリ金属ターシャリーブトキシサイドをテ
トラヒドロフランなどの有機溶媒中で炭酸ガスと反応さ
せてモノカーボネート体を生成させ、 引き続き、これにホスゲンを反応させトリカーボネート
体を得、 次いで、これを単離した後、トリカーボネート体を1,4
−ジアザビシクロ−〔2,2,2〕オクタンなどの第3級ア
ミンと接触させ脱炭酸することにより、 目的とするDi−BOCを回収する方法が知られている。
(例えば、Org.Synth,57,45(1977)参照) 而し乍ら、上記の公知ルートでは式の反応で得られる
トリカーボネートを経由し、更に、単離して式の反応
に供している為、収率が不満足である他操作が極めて繁
雑かつ面倒である。即ち、上記文献によれば、式の反
応で得られるトリカーボネート体の収率は64〜75%とさ
れており、更に式の反応へ供する為には精製が必要で
トリカーボネート体の精製後の収率は59〜62%とされて
いる。
式の反応で得た反応液中には未反応のホスゲンの他
に、ターシャリーブチルクロロホーメート等の多くの酸
性物質を含んでおり、この反応液に1,4−ジアザビシク
ロ〔2,2,2〕オクタンを添加しても式の脱炭酸は進行
しない。上記文献では、収率64〜75%で、結晶化により
単離されたトリカーボネート体でも共存酸性物質の存在
の為、反応が順調に進行しないとされており、トリカー
ボネート体の更なる精製が勧められている。
に、ターシャリーブチルクロロホーメート等の多くの酸
性物質を含んでおり、この反応液に1,4−ジアザビシク
ロ〔2,2,2〕オクタンを添加しても式の脱炭酸は進行
しない。上記文献では、収率64〜75%で、結晶化により
単離されたトリカーボネート体でも共存酸性物質の存在
の為、反応が順調に進行しないとされており、トリカー
ボネート体の更なる精製が勧められている。
また、式の反応で得られる反応混合物は微細な副生塩
の結晶を含有しており、全体的に強い糊状を呈する。こ
の糊状反応液からのトリカーボネート体の分離操作は極
めて面倒である。要するに、副生塩は水溶性塩であるか
ら通常水洗による分離手法を適用できれば工業操作とし
ては簡単であるが、トリカーボネート体は水に対して不
安定である為、長時間かけ、しかもやっかいな過で副
生塩を分離するより仕方なかった。
の結晶を含有しており、全体的に強い糊状を呈する。こ
の糊状反応液からのトリカーボネート体の分離操作は極
めて面倒である。要するに、副生塩は水溶性塩であるか
ら通常水洗による分離手法を適用できれば工業操作とし
ては簡単であるが、トリカーボネート体は水に対して不
安定である為、長時間かけ、しかもやっかいな過で副
生塩を分離するより仕方なかった。
この様に、公知の方法ではトリカーボネート体を単離、
経由する為操作が極めて繁雑面倒である他トリカーボネ
ート体の収率が良くない為Di−BOCとしての一貫収率も
当然満足できるものではなかった。また、毒性の強いホ
スゲンを原料として使用する必要があった。
経由する為操作が極めて繁雑面倒である他トリカーボネ
ート体の収率が良くない為Di−BOCとしての一貫収率も
当然満足できるものではなかった。また、毒性の強いホ
スゲンを原料として使用する必要があった。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者等は上記事情に鑑み、上述のモノカーボネート
体を原料として、工業的有利にDi−BOCを製造する方法
につき検討した結果、先に、モノカーボネート体とホス
ゲンとの反応時に第3級アミンを存在させることによ
り、直接、Di−BOCを製造する方法を見い出し特許出願
を行なった。(特願昭61−195,027号参照)この方法に
よれば、公知法の如く、トリカーボネート体の分離操作
が不要となる上、得られる混合物は副生塩を含む糊状物
であるものの、Di−BOCは水に対して安定であるため、
水洗によって簡単に副生塩を除去することができる。
体を原料として、工業的有利にDi−BOCを製造する方法
につき検討した結果、先に、モノカーボネート体とホス
ゲンとの反応時に第3級アミンを存在させることによ
り、直接、Di−BOCを製造する方法を見い出し特許出願
を行なった。(特願昭61−195,027号参照)この方法に
よれば、公知法の如く、トリカーボネート体の分離操作
が不要となる上、得られる混合物は副生塩を含む糊状物
であるものの、Di−BOCは水に対して安定であるため、
水洗によって簡単に副生塩を除去することができる。
ところが、この方法においても、一方の反応原料として
ホスゲンを用いる必要があるが、ホスゲンは毒性の強い
特殊な化合物であるため、その使用範囲がかなり制約さ
れると言う問題がある。
ホスゲンを用いる必要があるが、ホスゲンは毒性の強い
特殊な化合物であるため、その使用範囲がかなり制約さ
れると言う問題がある。
そこで、本発明者等はホスゲンを用いず、同様な反応内
容を取ることができないかと、更に検討を続けた結果、
ホスゲンの代りに塩化チオニルを用いても、収率は、若
干、劣るものの、目的とするDi−BOCが確実に得られる
ことを見い出した。
容を取ることができないかと、更に検討を続けた結果、
ホスゲンの代りに塩化チオニルを用いても、収率は、若
干、劣るものの、目的とするDi−BOCが確実に得られる
ことを見い出した。
(問題点を解決するための手段) すなわち、本発明の要旨は、炭酸モノターシャリーブチ
ルモノアルカリ金属塩を有機溶媒中、第3級アミンの存
在下、塩化チオニルと反応させることを特徴とするDi−
BOCの製法に存する。
ルモノアルカリ金属塩を有機溶媒中、第3級アミンの存
在下、塩化チオニルと反応させることを特徴とするDi−
BOCの製法に存する。
本発明の原料となる炭酸モノターシャリーブチルモノア
ルカリ金属塩は通常、アルカリ金属のターシャリーブト
キサイドを炭酸ガスと反応させることにより取ることが
できる。この反応は通常、有機溶媒に溶解又は懸濁した
アルカリ金属ターシャリーブトキサイドに、50℃以下、
好ましくは−20〜30℃の温度で、アルカリ金属ターシャ
リーブトキサイドに対して、0.5〜10モル倍、好ましく
は1〜3モル倍の炭酸ガスを導通することにより行なわ
れる。ここで用いる有機溶媒としては、例えば、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル、ジエチ
ルエーテル、イソプロピルエーテル、ジブチルエーテ
ル、ジメトキシエタンなどの脂肪族エーテル、ベンゼ
ン、トルエンなどの芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタ
ンなどの脂肪族炭化水素、塩化メチレン、四塩化炭素な
どのハロゲン化脂肪族炭化水素及びこれらの混合物が挙
げられる。この反応では有機溶媒中に炭酸モノターシャ
リーブチルモノアルカリ金属塩の結晶が分散した、全体
が糊状となった混合物が得られるので、本発明では混合
物をそのまま原料として用いるのが望ましい。勿論、こ
の混合物より前記モノアルカリ金属塩の結晶を分離して
から用いても差し支えない。なお、前記モノアルカリ金
属塩のアルカリ金属としては通常、カリウム又はナトリ
ウムが挙げられる。
ルカリ金属塩は通常、アルカリ金属のターシャリーブト
キサイドを炭酸ガスと反応させることにより取ることが
できる。この反応は通常、有機溶媒に溶解又は懸濁した
アルカリ金属ターシャリーブトキサイドに、50℃以下、
好ましくは−20〜30℃の温度で、アルカリ金属ターシャ
リーブトキサイドに対して、0.5〜10モル倍、好ましく
は1〜3モル倍の炭酸ガスを導通することにより行なわ
れる。ここで用いる有機溶媒としては、例えば、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル、ジエチ
ルエーテル、イソプロピルエーテル、ジブチルエーテ
ル、ジメトキシエタンなどの脂肪族エーテル、ベンゼ
ン、トルエンなどの芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタ
ンなどの脂肪族炭化水素、塩化メチレン、四塩化炭素な
どのハロゲン化脂肪族炭化水素及びこれらの混合物が挙
げられる。この反応では有機溶媒中に炭酸モノターシャ
リーブチルモノアルカリ金属塩の結晶が分散した、全体
が糊状となった混合物が得られるので、本発明では混合
物をそのまま原料として用いるのが望ましい。勿論、こ
の混合物より前記モノアルカリ金属塩の結晶を分離して
から用いても差し支えない。なお、前記モノアルカリ金
属塩のアルカリ金属としては通常、カリウム又はナトリ
ウムが挙げられる。
本発明では上述のような炭酸モノターシャリーブチルモ
ノアルカリ金属塩を有機溶媒中、第3級アミンの存在
下、塩化チオニルと反応させDi−BOCを製造するもので
あるが、ホスゲンの代りに、塩化チオニルを用いても、
目的とするDi−BOCが生成すると言うことは従来技術に
くらべ、予想外のことである。
ノアルカリ金属塩を有機溶媒中、第3級アミンの存在
下、塩化チオニルと反応させDi−BOCを製造するもので
あるが、ホスゲンの代りに、塩化チオニルを用いても、
目的とするDi−BOCが生成すると言うことは従来技術に
くらべ、予想外のことである。
塩化チオニルの使用量としては通常、前記モノアルカリ
金属塩に対して、0.4〜5モル倍、好ましくは0.5〜1.5
モル倍である。この使用量があまり少ないと、反応が良
好に進行せず反応混合物中に未反応成分が多く含まれる
こととなり、逆に、あまり多すぎても、反応内容には変
りはないので経済的でない。塩化チオニルは通常、液状
であるので、そのまま又は有機溶媒で希釈して用いられ
る。
金属塩に対して、0.4〜5モル倍、好ましくは0.5〜1.5
モル倍である。この使用量があまり少ないと、反応が良
好に進行せず反応混合物中に未反応成分が多く含まれる
こととなり、逆に、あまり多すぎても、反応内容には変
りはないので経済的でない。塩化チオニルは通常、液状
であるので、そのまま又は有機溶媒で希釈して用いられ
る。
本発明の反応は有機溶媒中にて実施するが、この溶媒と
しては、上述したアルカリ金属ターシャリーブチル炭酸
エステルの製造に用いられるものと同様なものが挙げら
れる。有機溶媒の使用量は通常、前記モノアルカリ金属
塩に対して、2〜100重量倍、好ましくは4〜20重量倍
である。
しては、上述したアルカリ金属ターシャリーブチル炭酸
エステルの製造に用いられるものと同様なものが挙げら
れる。有機溶媒の使用量は通常、前記モノアルカリ金属
塩に対して、2〜100重量倍、好ましくは4〜20重量倍
である。
また、本発明で反応系に存在させる第3級アミンとして
は、通常、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ
ブチルアミンなどの脂肪族アミン、ジメチルアニリン、
ジエチルアニリンなどの芳香族アミン、1,4−ジアザビ
シクロ〔2,2,2〕オクタン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,
0〕ウンデセン−7、ヘキサメチルテトラミン、N−メ
チルピペリジン、N−エチルピペリジン、N−メチルモ
ルホリン、N−エチルモルホリン、N,N′−ジアルキル
ピペラジンなどの脂環式アミン、ピリジン、キノリン、
イソキノリンなどの複素環式アミンなどが挙げられ、な
かでも、1,4−ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタンが好ま
しい。これら第3級アミンの使用量としては前記モノア
ルカリ金属塩に対して、通常、0.005〜50モル%、好ま
しくは0.005〜5モル%であり、この使用量があまり少
な過ぎると、目的とするDi−BOCを効率的に得ることが
できず、逆にあまり多過ぎても効果に変りはないので経
済的でない。
は、通常、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ
ブチルアミンなどの脂肪族アミン、ジメチルアニリン、
ジエチルアニリンなどの芳香族アミン、1,4−ジアザビ
シクロ〔2,2,2〕オクタン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,
0〕ウンデセン−7、ヘキサメチルテトラミン、N−メ
チルピペリジン、N−エチルピペリジン、N−メチルモ
ルホリン、N−エチルモルホリン、N,N′−ジアルキル
ピペラジンなどの脂環式アミン、ピリジン、キノリン、
イソキノリンなどの複素環式アミンなどが挙げられ、な
かでも、1,4−ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタンが好ま
しい。これら第3級アミンの使用量としては前記モノア
ルカリ金属塩に対して、通常、0.005〜50モル%、好ま
しくは0.005〜5モル%であり、この使用量があまり少
な過ぎると、目的とするDi−BOCを効率的に得ることが
できず、逆にあまり多過ぎても効果に変りはないので経
済的でない。
本発明における反応温度は通常、100℃以下、好ましく
は−20〜50℃であり、この温度が極端に低い場合には、
冷却設備に多大な経費がかかり得策でなく、一方、あま
り温度が高いと原料及び生成物の分解が起り高収率でDi
−BOCを得ることができない。
は−20〜50℃であり、この温度が極端に低い場合には、
冷却設備に多大な経費がかかり得策でなく、一方、あま
り温度が高いと原料及び生成物の分解が起り高収率でDi
−BOCを得ることができない。
また、反応時間は通常、0.5〜20時間程度である。
本発明の反応を実施するには、通常、炭酸モノターシャ
リーブチルモノアルカリ金属塩を含む有機溶媒中に、所
定量の第3級アミンを添加した後、撹拌下、系内の温度
が所定範囲に保持されるように外部より冷却しながら、
塩化チオニルを徐々に供給することにより実施される。
塩化チオニルの供給速度は反応が発熱反応であるため、
系内の除熱程度に応じて決定される。また、反応原料と
して、アルカリ金属ターシャリーブトキシサイドと炭酸
ガスとの反応混合物を引き続き用いる場合は、第3級ア
ミンは前段の反応時から添加しておいても差し支えな
い。
リーブチルモノアルカリ金属塩を含む有機溶媒中に、所
定量の第3級アミンを添加した後、撹拌下、系内の温度
が所定範囲に保持されるように外部より冷却しながら、
塩化チオニルを徐々に供給することにより実施される。
塩化チオニルの供給速度は反応が発熱反応であるため、
系内の除熱程度に応じて決定される。また、反応原料と
して、アルカリ金属ターシャリーブトキシサイドと炭酸
ガスとの反応混合物を引き続き用いる場合は、第3級ア
ミンは前段の反応時から添加しておいても差し支えな
い。
反応後の混合物は通常、不活性ガスの流通又は溶媒の一
部留去などの手段により残存するガス成分を除去し、次
いで、混合物中に析出している副生塩である塩化アルカ
リの結晶を分離する必要がある。この分離操作は過に
よっても可能であるが、通常、この混合物も全体的に糊
状を呈しているので、水洗により塩化アルカリを除去す
るのが望ましい。この場合、有機溶媒が水不溶性のもの
であるときには、これに直接、水を混合して水洗すれば
よいが、水溶性のものであるときには、一旦、例えば、
ジブチルエーテル、ヘプタンなどの水不溶性のものにそ
の大部分を溶媒置換をしてから水洗した方が望ましい。
水洗によって塩化アルカリ及びその他不純物が除去され
た、Di−BOCを溶解する有機溶媒溶液が得られ、次い
で、これを減圧下、蒸留することによりDi−BOCを回収
することができる。
部留去などの手段により残存するガス成分を除去し、次
いで、混合物中に析出している副生塩である塩化アルカ
リの結晶を分離する必要がある。この分離操作は過に
よっても可能であるが、通常、この混合物も全体的に糊
状を呈しているので、水洗により塩化アルカリを除去す
るのが望ましい。この場合、有機溶媒が水不溶性のもの
であるときには、これに直接、水を混合して水洗すれば
よいが、水溶性のものであるときには、一旦、例えば、
ジブチルエーテル、ヘプタンなどの水不溶性のものにそ
の大部分を溶媒置換をしてから水洗した方が望ましい。
水洗によって塩化アルカリ及びその他不純物が除去され
た、Di−BOCを溶解する有機溶媒溶液が得られ、次い
で、これを減圧下、蒸留することによりDi−BOCを回収
することができる。
(実 施 例) 次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発
明は以下の実施例に限定されるものではない。
明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1 撹拌機、ガス導入管及び冷却用ジャケットを備えた3
ガラス製反応器に、カリウムターシャリーブトキサイド
168g(1.5モル)及びテトラヒドロフラン2060mlを仕込
み、これに、1,4−ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタン2g
(0.018モル)を添加し、この混合物を5℃に保持し、
撹拌下、簡単ガス13g(67.2)を3時間かけて吹き込
むことにより炭酸モノターシャリーブチルモノカリウム
塩の製造を行なった。(この反応における反応混合物は
糊状のスラリーであったが、炭酸モノターシャリーブチ
ルモノカリウム塩は定量的に生成していた) 次いで、上記の反応混合物に対し、系内の温度を5℃に
保持しながら、撹拌下、塩化チオニル94.6g(0.795モ
ル)を4時間かけて滴下することによりDi−BOCの製造
を行なった。
ガラス製反応器に、カリウムターシャリーブトキサイド
168g(1.5モル)及びテトラヒドロフラン2060mlを仕込
み、これに、1,4−ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタン2g
(0.018モル)を添加し、この混合物を5℃に保持し、
撹拌下、簡単ガス13g(67.2)を3時間かけて吹き込
むことにより炭酸モノターシャリーブチルモノカリウム
塩の製造を行なった。(この反応における反応混合物は
糊状のスラリーであったが、炭酸モノターシャリーブチ
ルモノカリウム塩は定量的に生成していた) 次いで、上記の反応混合物に対し、系内の温度を5℃に
保持しながら、撹拌下、塩化チオニル94.6g(0.795モ
ル)を4時間かけて滴下することによりDi−BOCの製造
を行なった。
反応終了後、混合物を減圧下、50℃以下の温度に保持し
てジブチルエーテルの供給を行ないつつ、テトラヒドロ
フランの留去を行ない、ジブチルエーテルの合計添加量
を2000mlとし、ほぼ初めの液高までテトラヒドロフラン
を留去した。そして、この混合物を30℃に冷却し、水50
0mlで2回水洗した後、有機相に硫酸マグネシウムを添
加し乾燥し、次いで、減圧下、ジブチルエーテルの大半
を留去し、更に、0.5mmHgで蒸留を行ない、Di−BOC60g
を留出回収した。(なお、ここで回収したDi−BOCをNMR
測定及びIR測定で同定したところ、構造的に間違いなく
Di−BOCであった。) このようにして得たDi−BOCの炭酸モノターシャリーブ
チルモノカリウム塩に対する収率及び純度を液体クロマ
トグラフィーにより分析し、その結果を第1表に示す。
てジブチルエーテルの供給を行ないつつ、テトラヒドロ
フランの留去を行ない、ジブチルエーテルの合計添加量
を2000mlとし、ほぼ初めの液高までテトラヒドロフラン
を留去した。そして、この混合物を30℃に冷却し、水50
0mlで2回水洗した後、有機相に硫酸マグネシウムを添
加し乾燥し、次いで、減圧下、ジブチルエーテルの大半
を留去し、更に、0.5mmHgで蒸留を行ない、Di−BOC60g
を留出回収した。(なお、ここで回収したDi−BOCをNMR
測定及びIR測定で同定したところ、構造的に間違いなく
Di−BOCであった。) このようにして得たDi−BOCの炭酸モノターシャリーブ
チルモノカリウム塩に対する収率及び純度を液体クロマ
トグラフィーにより分析し、その結果を第1表に示す。
実施例2 第3級アミンの使用量を第1表に示すように変えた他は
実施例1の方法と全く同様な方法で反応を行なった結
果、第1表に示した通りのDi−BOCの収率及び純度を得
た。
実施例1の方法と全く同様な方法で反応を行なった結
果、第1表に示した通りのDi−BOCの収率及び純度を得
た。
比較例1 実施例1の方法において、第3級アミンである1,4−ジ
アザビシクロ〔2,2,2〕オクタンの添加を省略して同様
な反応を実施したところ、Di−BOCの生成は殆んど認め
られなかった。
アザビシクロ〔2,2,2〕オクタンの添加を省略して同様
な反応を実施したところ、Di−BOCの生成は殆んど認め
られなかった。
なお、この反応混合物に実施例1と同量の1,4−ジアザ
ビシクロ〔2,2,2〕オクタンを直接、加え、更に反応を
継続させたが、この場合も、Di−BOCの生成は殆んど認
められなかった。
ビシクロ〔2,2,2〕オクタンを直接、加え、更に反応を
継続させたが、この場合も、Di−BOCの生成は殆んど認
められなかった。
(発明の効果) 本発明によれば、炭酸モノターシャリーブチルモノアル
カリ金属塩を原料として、一段の反応で直接、Di−BOC
を高収率で得ることができる。そのため、反応工程が短
縮されている上、公知法の如く、中間体であるトリカー
ボネート体の単離、精製操作が不要となり、副生する塩
化アルカリの結晶は水に対して安定なDi−BOCとの混合
物より水洗により除去することができるので、Di−BOC
の単離操作が簡単である。
カリ金属塩を原料として、一段の反応で直接、Di−BOC
を高収率で得ることができる。そのため、反応工程が短
縮されている上、公知法の如く、中間体であるトリカー
ボネート体の単離、精製操作が不要となり、副生する塩
化アルカリの結晶は水に対して安定なDi−BOCとの混合
物より水洗により除去することができるので、Di−BOC
の単離操作が簡単である。
また、本発明の反応においては、取扱上の制約が多いホ
スゲンを用いる必要がないので、製造場所及び製造設備
の面での制約を受けず、工業的に極めて簡単に製造する
ことができる。
スゲンを用いる必要がないので、製造場所及び製造設備
の面での制約を受けず、工業的に極めて簡単に製造する
ことができる。
Claims (1)
- 【請求項1】炭酸モノターシャリーブチルモノアルカリ
金属塩を有機溶媒中、第3級アミンの存在下、塩化チオ
ニルと反応させることを特徴とするジターシャリーブチ
ルジカーボネートの製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63010423A JPH0791229B2 (ja) | 1988-01-20 | 1988-01-20 | ジターシャリーブチルジカーボネートの製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63010423A JPH0791229B2 (ja) | 1988-01-20 | 1988-01-20 | ジターシャリーブチルジカーボネートの製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01186847A JPH01186847A (ja) | 1989-07-26 |
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