JPH09202750A - ジカーボネートの製造方法 - Google Patents
ジカーボネートの製造方法Info
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- JPH09202750A JPH09202750A JP8010062A JP1006296A JPH09202750A JP H09202750 A JPH09202750 A JP H09202750A JP 8010062 A JP8010062 A JP 8010062A JP 1006296 A JP1006296 A JP 1006296A JP H09202750 A JPH09202750 A JP H09202750A
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- butoxide
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/141—Feedstock
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ジカーボネートの製造方法の提供。
【解決手段】 有機溶媒の存在下アルカリ金属t−ブト
キシドを二酸化炭素と反応させ炭酸モノt−ブチルモノ
アルカリ金属塩を製造する方法において、反応系中のt
−ブチルアルコールの含有量がアルカリ金属t−ブトキ
シドの1/100モル以下である。または、有機溶媒の
存在下アルカリ金属t−ブトキシドを二酸化炭素と反応
させ、次いで得られた炭酸モノt−ブチルモノアルカリ
金属塩を第三級アミンの存在下ホスゲン類と反応させて
ジt−ブチルジカーボネートを製造する際に、前記モノ
カーボネート化反応における反応系中のt−ブチルアル
コールの含有量がアルカリ金属t−ブトキシドの1/1
00モル以下である。
キシドを二酸化炭素と反応させ炭酸モノt−ブチルモノ
アルカリ金属塩を製造する方法において、反応系中のt
−ブチルアルコールの含有量がアルカリ金属t−ブトキ
シドの1/100モル以下である。または、有機溶媒の
存在下アルカリ金属t−ブトキシドを二酸化炭素と反応
させ、次いで得られた炭酸モノt−ブチルモノアルカリ
金属塩を第三級アミンの存在下ホスゲン類と反応させて
ジt−ブチルジカーボネートを製造する際に、前記モノ
カーボネート化反応における反応系中のt−ブチルアル
コールの含有量がアルカリ金属t−ブトキシドの1/1
00モル以下である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジカーボネートの
製造方法に関する。詳しくは、本発明は、特定条件下で
アルカリ金属t−ブトキシドと二酸化炭素とを反応させ
て炭酸モノt−ブチルモノアルカリ金属塩を製造する方
法及び得られたモノカーボネートをアミンの存在下ホス
ゲン類と反応させてジ−t−ブチルジカーボネート(以
下BOC−Dと略す)を製造する方法に関する。BOC
−Dは各種のアミノ基をBOC化(t−ブトキシカルボ
ニル化)して保護するためのアミノ基保護剤として知ら
れており、BOC化の際の反応性が良好である上、副生
物の殆どがt−ブチルアルコールと炭酸ガスであるの
で、反応の後処理が簡単であり、理想的なアミノ基保護
剤である。
製造方法に関する。詳しくは、本発明は、特定条件下で
アルカリ金属t−ブトキシドと二酸化炭素とを反応させ
て炭酸モノt−ブチルモノアルカリ金属塩を製造する方
法及び得られたモノカーボネートをアミンの存在下ホス
ゲン類と反応させてジ−t−ブチルジカーボネート(以
下BOC−Dと略す)を製造する方法に関する。BOC
−Dは各種のアミノ基をBOC化(t−ブトキシカルボ
ニル化)して保護するためのアミノ基保護剤として知ら
れており、BOC化の際の反応性が良好である上、副生
物の殆どがt−ブチルアルコールと炭酸ガスであるの
で、反応の後処理が簡単であり、理想的なアミノ基保護
剤である。
【0002】
【従来の技術】BOC−Dは有用なアミノ基保護剤であ
るが、これを工業的に製造しようとする場合、反応面及
び操作面での問題があり、従来、安価に製造することが
できなかった。そのため、BOC−Dは実験室レベルで
は利用されているものの、工業的レベルでは広くは利用
されていない。BOC−Dの製造法としては、例えば、
下記反応式に示すように、アルカリ金属t−ブトキシド
をテトラヒドロフラン等の有機溶媒中で炭酸ガスと反応
させてモノカーボネート体を生成させ、引続き、これに
ホスゲンを反応させトリカーボネート体を得、次いで、
これを単離した後、トリカーボネート体を1,4−ジア
ザビシクロ−〔2.2.2〕オクタン等の第三級アミン
と接触させ脱炭酸することにより、目的とするBOC−
Dを回収する方法が知られている(例えば、Org.S
ynth.,57,45(1977)参照)。
るが、これを工業的に製造しようとする場合、反応面及
び操作面での問題があり、従来、安価に製造することが
できなかった。そのため、BOC−Dは実験室レベルで
は利用されているものの、工業的レベルでは広くは利用
されていない。BOC−Dの製造法としては、例えば、
下記反応式に示すように、アルカリ金属t−ブトキシド
をテトラヒドロフラン等の有機溶媒中で炭酸ガスと反応
させてモノカーボネート体を生成させ、引続き、これに
ホスゲンを反応させトリカーボネート体を得、次いで、
これを単離した後、トリカーボネート体を1,4−ジア
ザビシクロ−〔2.2.2〕オクタン等の第三級アミン
と接触させ脱炭酸することにより、目的とするBOC−
Dを回収する方法が知られている(例えば、Org.S
ynth.,57,45(1977)参照)。
【0003】
【化1】
【0004】しかしながら、上記の公知ルートでは式
(2)の反応で得られるトリカーボネートを経由し、更
に、単離して式(3)の反応に供しているため、収率が
不満足である他、操作が極めて煩雑かつ面倒である。即
ち、上記文献に依れば、式(2)の反応で得られるトリ
カーボネートの収率は64%〜75%とされており、更
に式(3)の反応へ供する為には精製が必要でトリカー
ボネート体の精製後の収率は59%〜62%とされてい
る。式(2)の反応で得た反応液中には未反応のホスゲ
ンの他に、t−ブチルクロロホーメート等の多くの酸性
物質を含んでおり、この反応液に1,4−ジアザビシク
ロ−〔2.2.2〕オクタンを添加しても式(3)の脱
炭酸は進行しない。上記文献では、収率64%〜75%
で、結晶化により単離されたトリカーボネート体でも共
存酸性物質の存在のため、反応が順調に進行しないとさ
れており、トリカーボネート体の更なる精製が勧められ
ている。また、式(2)の反応で得られる反応混合物は
微細な副生塩の結晶を含有しており、全体的に強い糊状
を呈する。この糊状反応液からのトリカーボネート体の
分離操作は極めて面倒である。要するに、副生塩は水溶
性塩であるから通常水洗による分離手法を適用できれば
工業的な操作としては簡単であるが、トリカーボネート
体は水に対して不安定であるため、長時間かけ、しかも
面倒な濾過で副生塩を分離するしか方法がなかった。一
方、トリカーボネート体を分離することなくBOC−D
を得る方法も知られている(特公平6−29225号公
報)。この方法は、第三級アミンをホスゲン化反応を行
う以前に添加することにより、トリカーボネート体を単
離することなく一気にBOC−Dを得る方法である。
(2)の反応で得られるトリカーボネートを経由し、更
に、単離して式(3)の反応に供しているため、収率が
不満足である他、操作が極めて煩雑かつ面倒である。即
ち、上記文献に依れば、式(2)の反応で得られるトリ
カーボネートの収率は64%〜75%とされており、更
に式(3)の反応へ供する為には精製が必要でトリカー
ボネート体の精製後の収率は59%〜62%とされてい
る。式(2)の反応で得た反応液中には未反応のホスゲ
ンの他に、t−ブチルクロロホーメート等の多くの酸性
物質を含んでおり、この反応液に1,4−ジアザビシク
ロ−〔2.2.2〕オクタンを添加しても式(3)の脱
炭酸は進行しない。上記文献では、収率64%〜75%
で、結晶化により単離されたトリカーボネート体でも共
存酸性物質の存在のため、反応が順調に進行しないとさ
れており、トリカーボネート体の更なる精製が勧められ
ている。また、式(2)の反応で得られる反応混合物は
微細な副生塩の結晶を含有しており、全体的に強い糊状
を呈する。この糊状反応液からのトリカーボネート体の
分離操作は極めて面倒である。要するに、副生塩は水溶
性塩であるから通常水洗による分離手法を適用できれば
工業的な操作としては簡単であるが、トリカーボネート
体は水に対して不安定であるため、長時間かけ、しかも
面倒な濾過で副生塩を分離するしか方法がなかった。一
方、トリカーボネート体を分離することなくBOC−D
を得る方法も知られている(特公平6−29225号公
報)。この方法は、第三級アミンをホスゲン化反応を行
う以前に添加することにより、トリカーボネート体を単
離することなく一気にBOC−Dを得る方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
方法では、式(1)の炭酸エステル化反応及び引続き行
うホスゲン化反応又はスルホニルハライドとの反応に供
する場合において、高粘性のスラリーを攪拌せねばなら
ず、使用する有機溶媒、或いはホスゲンと炭酸モノt−
ブチルモノアルカリ金属塩のモル比等によっては非常に
高粘性で攪拌困難となることがあり、その場合には満足
な収率でBOC−Dを得ることができないという問題点
があった。特に、アルカリ金属t−ブトキシドがナトリ
ウムt−ブトキシドの時にこの傾向が強く、反応面、操
作面での改善が強く望まれていた。本発明の課題は、上
述の炭酸モノt−ブチルモノアルカリ金属塩とホスゲン
類(ホスゲン、ダイホスゲン、トリホスゲン等の、系中
でホスゲンを発生する物質を示す)を反応させてBOC
−Dを合成するに際し、反応性、操作性が良好であり、
しかも、より高収率である工業的に有利な方法を提供す
ることにある。
方法では、式(1)の炭酸エステル化反応及び引続き行
うホスゲン化反応又はスルホニルハライドとの反応に供
する場合において、高粘性のスラリーを攪拌せねばなら
ず、使用する有機溶媒、或いはホスゲンと炭酸モノt−
ブチルモノアルカリ金属塩のモル比等によっては非常に
高粘性で攪拌困難となることがあり、その場合には満足
な収率でBOC−Dを得ることができないという問題点
があった。特に、アルカリ金属t−ブトキシドがナトリ
ウムt−ブトキシドの時にこの傾向が強く、反応面、操
作面での改善が強く望まれていた。本発明の課題は、上
述の炭酸モノt−ブチルモノアルカリ金属塩とホスゲン
類(ホスゲン、ダイホスゲン、トリホスゲン等の、系中
でホスゲンを発生する物質を示す)を反応させてBOC
−Dを合成するに際し、反応性、操作性が良好であり、
しかも、より高収率である工業的に有利な方法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、アルカリ金属t−
ブトキシドと二酸化炭素を反応させて炭酸モノt−ブチ
ルモノアルカリ金属塩を得る際に、系中に含まれるt−
ブタノールの含有量が反応液の粘性に非常に大きな影響
を与えること、そしてこの粘性がその後の炭酸モノt−
ブチルモノアルカリ金属塩とホスゲン類との反応にも影
響を与えること、更に、系中のt−ブタノール含有量を
低く押さえることによって、ジt−ブチルジカーボネー
トを高収率で製造できることを見出し、本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明は、有機溶媒の存在下アルカ
リ金属t−ブトキシドを二酸化炭素と反応させ炭酸モノ
t−ブチルモノアルカリ金属塩を製造する方法におい
て、反応系中のt−ブチルアルコールの含有量がアルカ
リ金属t−ブトキシドの1/100モル以下であること
を特徴とする炭酸モノt−ブチルモノアルカリ金属塩の
製造方法及び有機溶媒の存在下アルカリ金属t−ブトキ
シドを二酸化炭素と反応させ、次いで得られた炭酸モノ
t−ブチルモノアルカリ金属塩を第三級アミンの存在下
ホスゲン類と反応させてジt−ブチルジカーボネートを
製造する際に、前記モノカーボネート化反応における反
応系中のt−ブチルアルコールの含有量がアルカリ金属
t−ブトキシドの1/100モル以下であることを特徴
とするジt−ブチルジカーボネートの製造方法にある。
以下、本発明の方法を詳細に説明する。
を解決するために鋭意検討した結果、アルカリ金属t−
ブトキシドと二酸化炭素を反応させて炭酸モノt−ブチ
ルモノアルカリ金属塩を得る際に、系中に含まれるt−
ブタノールの含有量が反応液の粘性に非常に大きな影響
を与えること、そしてこの粘性がその後の炭酸モノt−
ブチルモノアルカリ金属塩とホスゲン類との反応にも影
響を与えること、更に、系中のt−ブタノール含有量を
低く押さえることによって、ジt−ブチルジカーボネー
トを高収率で製造できることを見出し、本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明は、有機溶媒の存在下アルカ
リ金属t−ブトキシドを二酸化炭素と反応させ炭酸モノ
t−ブチルモノアルカリ金属塩を製造する方法におい
て、反応系中のt−ブチルアルコールの含有量がアルカ
リ金属t−ブトキシドの1/100モル以下であること
を特徴とする炭酸モノt−ブチルモノアルカリ金属塩の
製造方法及び有機溶媒の存在下アルカリ金属t−ブトキ
シドを二酸化炭素と反応させ、次いで得られた炭酸モノ
t−ブチルモノアルカリ金属塩を第三級アミンの存在下
ホスゲン類と反応させてジt−ブチルジカーボネートを
製造する際に、前記モノカーボネート化反応における反
応系中のt−ブチルアルコールの含有量がアルカリ金属
t−ブトキシドの1/100モル以下であることを特徴
とするジt−ブチルジカーボネートの製造方法にある。
以下、本発明の方法を詳細に説明する。
【0007】
(1) モノカーボネート化反応 本発明においては、先ず有機溶媒の存在下でアルカリ金
属t−ブトキシドを二酸化炭素と反応させて、炭酸モノ
t−ブチルモノアルカリ金属塩を得る。原料となるアル
カリ金属t−ブトキシドは、t−ブタノールを溶媒に分
散させ、アルカリ金属と反応させて得られるが、公知の
方法により単離して用いても良く、反応系中のt−ブタ
ノール含有量さえアルカリ金属t−ブトキシドの1/1
00モル以下の範囲内となるならば、そのまま用いても
差し支えない。アルカリ金属t−ブトキシドのアルカリ
金属としてはナトリウム、カリウムが一般的である。好
適には安価で入手し易いナトリウムt−ブトキシドが用
いられる。
属t−ブトキシドを二酸化炭素と反応させて、炭酸モノ
t−ブチルモノアルカリ金属塩を得る。原料となるアル
カリ金属t−ブトキシドは、t−ブタノールを溶媒に分
散させ、アルカリ金属と反応させて得られるが、公知の
方法により単離して用いても良く、反応系中のt−ブタ
ノール含有量さえアルカリ金属t−ブトキシドの1/1
00モル以下の範囲内となるならば、そのまま用いても
差し支えない。アルカリ金属t−ブトキシドのアルカリ
金属としてはナトリウム、カリウムが一般的である。好
適には安価で入手し易いナトリウムt−ブトキシドが用
いられる。
【0008】また、二酸化炭素については、高純度のも
のはもとより窒素等の反応に悪影響を及ぼさない他のガ
スで希釈されているものも使用できるが、ガス中の水分
量にできるだけ少ないものがよい。
のはもとより窒素等の反応に悪影響を及ぼさない他のガ
スで希釈されているものも使用できるが、ガス中の水分
量にできるだけ少ないものがよい。
【0009】有機溶媒としては、原料であるアルカリ金
属のt−ブトキシド若しくは炭酸ガス、或いは、生成物
である炭酸モノt−ブチルモノアルカリ金属塩と反応し
ない有機溶媒で有れば何等制限無く用いることができ
る。但し、有機溶媒については、該t−ブトキシドの加
水分解を防ぐために水分量のできるだけ少ないものを用
いるのが好ましい。このような有機溶媒の例としては、
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチル
エーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等の
エーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベ
ンゼン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、n−ヘプ
タン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素類、塩化メチレ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン等のハ
ロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエス
テル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド
等のアミド類、アセトニトリル等のニトリル類及びこれ
らの混合物が挙げられる。
属のt−ブトキシド若しくは炭酸ガス、或いは、生成物
である炭酸モノt−ブチルモノアルカリ金属塩と反応し
ない有機溶媒で有れば何等制限無く用いることができ
る。但し、有機溶媒については、該t−ブトキシドの加
水分解を防ぐために水分量のできるだけ少ないものを用
いるのが好ましい。このような有機溶媒の例としては、
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチル
エーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等の
エーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベ
ンゼン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、n−ヘプ
タン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素類、塩化メチレ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン等のハ
ロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエス
テル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド
等のアミド類、アセトニトリル等のニトリル類及びこれ
らの混合物が挙げられる。
【0010】本発明において、炭酸モノt−ブチルモノ
アルカリ金属塩、更にはBOC−Dを高収率で得るため
には、炭酸モノt−ブチルモノアルカリ金属塩を得る際
に反応液中のt−ブタノール含有量をアルカリ金属t−
ブトキシドに対し1/100モル以下とすることが必須
である。t−ブチルアルコールはアルカリ金属t−ブト
キシドと何らかのコンプレックスを形成し、反応液が非
常に高粘性となる結果、二酸化炭素と反応し難くなるの
ではないかと思われる。炭酸モノt−ブチルモノアルカ
リ金属塩は、アルカリ金属のt−ブトキシドを炭酸ガス
若しくはドライアイスと反応させることにより得ること
ができる。この反応は通常、有機溶媒に溶解又は懸濁し
たアルカリ金属のt−ブトキシドに−50〜100℃の
温度、好ましくは−20℃〜50℃の温度でアルカリ金
属のt−ブトキシドに対して、0.5〜10モル倍、好
ましくは1〜3モル倍の炭酸ガスを導通することにより
行われる。この反応では一般的に、有機溶媒中に炭酸モ
ノt−ブチルモノアルカリ金属塩の結晶が分散したスラ
リー混合物が得られるので、本発明ではこの混合物を溶
媒調製の後そのまま引き続き行うホスゲン類との反応の
原料として用いるのが望ましい。勿論、このスラリー混
合物より、前記炭酸モノt−ブチルモノアルカリ金属塩
の結晶を分離してから用いても差し支えない。
アルカリ金属塩、更にはBOC−Dを高収率で得るため
には、炭酸モノt−ブチルモノアルカリ金属塩を得る際
に反応液中のt−ブタノール含有量をアルカリ金属t−
ブトキシドに対し1/100モル以下とすることが必須
である。t−ブチルアルコールはアルカリ金属t−ブト
キシドと何らかのコンプレックスを形成し、反応液が非
常に高粘性となる結果、二酸化炭素と反応し難くなるの
ではないかと思われる。炭酸モノt−ブチルモノアルカ
リ金属塩は、アルカリ金属のt−ブトキシドを炭酸ガス
若しくはドライアイスと反応させることにより得ること
ができる。この反応は通常、有機溶媒に溶解又は懸濁し
たアルカリ金属のt−ブトキシドに−50〜100℃の
温度、好ましくは−20℃〜50℃の温度でアルカリ金
属のt−ブトキシドに対して、0.5〜10モル倍、好
ましくは1〜3モル倍の炭酸ガスを導通することにより
行われる。この反応では一般的に、有機溶媒中に炭酸モ
ノt−ブチルモノアルカリ金属塩の結晶が分散したスラ
リー混合物が得られるので、本発明ではこの混合物を溶
媒調製の後そのまま引き続き行うホスゲン類との反応の
原料として用いるのが望ましい。勿論、このスラリー混
合物より、前記炭酸モノt−ブチルモノアルカリ金属塩
の結晶を分離してから用いても差し支えない。
【0011】(2) ジカーボネート化反応 上述のようにして得た炭酸モノt−ブチルモノアルカリ
金属塩は、引続き第三級アミンの存在下ホスゲン類(ホ
スゲン、ダイホスゲン、トリホスゲン等の、系中でホス
ゲンを発生する物質を示す)と反応させるが、その際の
有機溶媒は、ホスゲン類及び炭酸モノt−ブチルモノア
ルカリ金属塩と反応しない、極性溶媒と非水溶性溶媒の
混合溶媒であることが好ましい。極性溶媒の効果は固液
の反応を増進させ、目的反応を円滑に進行させることに
あるのではないかと思われる。従って、前記炭酸モノt
−ブチルモノナトリウム塩を得る反応溶媒として非水溶
性溶媒を用いたときには極性溶媒を所定の混合割合とな
るように添加する必要があるし、極性溶媒を用いたとき
には、非水溶性溶媒を所定の混合割合となるように添加
する必要がある。最初から、所定の混合割合の有機溶媒
を用いて炭酸エステル化を行った時には、引続きホスゲ
ン類との反応に供することができる。炭酸モノt−ブチ
ルモノアルカリ金属塩を得る際にはt−ブタノール含有
量は低く押さえる必要があるが、ホスゲン類と反応させ
る際の系中には極性溶媒としてt−ブタノールを添加し
てもよい。なお、本発明はこのような混合有機溶媒中で
第三級アミンの存在下にホスゲン類と反応させ実施する
が、ダイホスゲンやトリホスゲンは反応系内で容易にホ
スゲンを発生させ、最初からホスゲンを用いた場合と同
様な形態で進行するので、以下ホスゲンを例にとって説
明する。
金属塩は、引続き第三級アミンの存在下ホスゲン類(ホ
スゲン、ダイホスゲン、トリホスゲン等の、系中でホス
ゲンを発生する物質を示す)と反応させるが、その際の
有機溶媒は、ホスゲン類及び炭酸モノt−ブチルモノア
ルカリ金属塩と反応しない、極性溶媒と非水溶性溶媒の
混合溶媒であることが好ましい。極性溶媒の効果は固液
の反応を増進させ、目的反応を円滑に進行させることに
あるのではないかと思われる。従って、前記炭酸モノt
−ブチルモノナトリウム塩を得る反応溶媒として非水溶
性溶媒を用いたときには極性溶媒を所定の混合割合とな
るように添加する必要があるし、極性溶媒を用いたとき
には、非水溶性溶媒を所定の混合割合となるように添加
する必要がある。最初から、所定の混合割合の有機溶媒
を用いて炭酸エステル化を行った時には、引続きホスゲ
ン類との反応に供することができる。炭酸モノt−ブチ
ルモノアルカリ金属塩を得る際にはt−ブタノール含有
量は低く押さえる必要があるが、ホスゲン類と反応させ
る際の系中には極性溶媒としてt−ブタノールを添加し
てもよい。なお、本発明はこのような混合有機溶媒中で
第三級アミンの存在下にホスゲン類と反応させ実施する
が、ダイホスゲンやトリホスゲンは反応系内で容易にホ
スゲンを発生させ、最初からホスゲンを用いた場合と同
様な形態で進行するので、以下ホスゲンを例にとって説
明する。
【0012】ホスゲンの使用量としては通常、前記炭酸
モノt−ブチルモノアルカリ金属塩に対して、0.4〜
5モル倍、好ましくは0.3〜1.5モル倍である。こ
の使用量が余り少ないと反応が良好に進行せず反応混合
物中に未反応成分が多く含まれることになり、逆に余り
多すぎても、反応内容に変わりはないか、副生物量が増
加するのでホスゲンのコスト及び無害化のためのコスト
や、或いは目的物から副生物を除く精製のためのコスト
が高くなり経済的でない。ホスゲンは通常、液状或いは
有機溶媒に溶解した溶液状又はガス状で用いられるが、
ガス状で用いる場合は、窒素ガス又は炭酸ガスなどの不
活性ガスで適宜希釈してもよい。
モノt−ブチルモノアルカリ金属塩に対して、0.4〜
5モル倍、好ましくは0.3〜1.5モル倍である。こ
の使用量が余り少ないと反応が良好に進行せず反応混合
物中に未反応成分が多く含まれることになり、逆に余り
多すぎても、反応内容に変わりはないか、副生物量が増
加するのでホスゲンのコスト及び無害化のためのコスト
や、或いは目的物から副生物を除く精製のためのコスト
が高くなり経済的でない。ホスゲンは通常、液状或いは
有機溶媒に溶解した溶液状又はガス状で用いられるが、
ガス状で用いる場合は、窒素ガス又は炭酸ガスなどの不
活性ガスで適宜希釈してもよい。
【0013】ホスゲンとの反応は混合有機溶媒中にて実
施するが、このような溶媒としては上述した炭酸モノt
−ブチルモノアルカリ金属塩の製造に用いられるものと
同様なものが挙げられる。非水溶性の溶媒は、得られる
BOC−Dを溶解する非水溶性の溶媒であれば何等制限
無く用いることができる。このような溶媒の具体例とし
ては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ
ブチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル類、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン等の芳香
族炭化水素類、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オク
タン等の脂肪族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホル
ム、四塩化炭素、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水
素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類及びこれ
らの混合物等が挙げられる。極性溶媒は水溶性であって
も、非水溶性であっても差し支えないが上記非水溶性の
溶媒と分離し易い溶媒が好適に使用される。更に好適に
は反応後の水洗時に、洗液中へのBOC−Dロスが少な
くなるような極性溶媒が望ましい。このような極性溶媒
の具体例としては、t−ブチルアルコール等のアルコー
ル類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトニト
リル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド等のアミド類及びこれらの混合物等が挙げ
られる。これらの極性溶媒はホスゲン化反応溶媒中に5
0重量%以下の範囲で、非水溶性溶媒は50重量%以上
の範囲で混合され、反応に用いられる。極性溶媒の混合
割合がこの範囲より少なくても、或いは多くても、反応
液の粘性が非常に高くなり、操作上の問題を引起こすと
共に、収率も低下する傾向を示す。また、混合溶媒の使
用量は通常、前記炭酸モノt−ブチルモノアルカリ金属
塩に対して、2〜100重量倍、好ましくは、反応の空
時収率を上げるため2〜20重量倍である。
施するが、このような溶媒としては上述した炭酸モノt
−ブチルモノアルカリ金属塩の製造に用いられるものと
同様なものが挙げられる。非水溶性の溶媒は、得られる
BOC−Dを溶解する非水溶性の溶媒であれば何等制限
無く用いることができる。このような溶媒の具体例とし
ては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ
ブチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル類、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン等の芳香
族炭化水素類、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オク
タン等の脂肪族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホル
ム、四塩化炭素、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水
素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類及びこれ
らの混合物等が挙げられる。極性溶媒は水溶性であって
も、非水溶性であっても差し支えないが上記非水溶性の
溶媒と分離し易い溶媒が好適に使用される。更に好適に
は反応後の水洗時に、洗液中へのBOC−Dロスが少な
くなるような極性溶媒が望ましい。このような極性溶媒
の具体例としては、t−ブチルアルコール等のアルコー
ル類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトニト
リル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド等のアミド類及びこれらの混合物等が挙げ
られる。これらの極性溶媒はホスゲン化反応溶媒中に5
0重量%以下の範囲で、非水溶性溶媒は50重量%以上
の範囲で混合され、反応に用いられる。極性溶媒の混合
割合がこの範囲より少なくても、或いは多くても、反応
液の粘性が非常に高くなり、操作上の問題を引起こすと
共に、収率も低下する傾向を示す。また、混合溶媒の使
用量は通常、前記炭酸モノt−ブチルモノアルカリ金属
塩に対して、2〜100重量倍、好ましくは、反応の空
時収率を上げるため2〜20重量倍である。
【0014】本発明で反応系に存在させる第三級アミン
としては、通常、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミン等の脂肪族アミン、ジメチルアニ
リン、ジエチルアニリン等の芳香族アミン、1,4−ジ
アザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、1,8−ジアザ
ビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7、ヘキサメチル
テトラミン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリ
ジン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、
N,N′−ジアルキルピペラジン等の脂環式アミン、ピ
リジン、キノリン、イソキノリン等の複素環式アミン及
びこれらの混合物が挙げられ、中でも、トリエチルアミ
ン及び1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン
が好ましい。これら第三級アミンの使用量としては前記
炭酸モノt−ブチルモノアルカリ金属塩に対して、通常
50モル%以下、好ましくは10モル%以下であり、こ
の使用量が余り少なすぎると、目的とするBOC−Dを
効率的に得ることができず、逆に余り多すぎても効果に
変わりはないか、場合によりBOC−Dの分解を引起こ
す可能性もあるので避けるべきである。
としては、通常、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミン等の脂肪族アミン、ジメチルアニ
リン、ジエチルアニリン等の芳香族アミン、1,4−ジ
アザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、1,8−ジアザ
ビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7、ヘキサメチル
テトラミン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリ
ジン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、
N,N′−ジアルキルピペラジン等の脂環式アミン、ピ
リジン、キノリン、イソキノリン等の複素環式アミン及
びこれらの混合物が挙げられ、中でも、トリエチルアミ
ン及び1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン
が好ましい。これら第三級アミンの使用量としては前記
炭酸モノt−ブチルモノアルカリ金属塩に対して、通常
50モル%以下、好ましくは10モル%以下であり、こ
の使用量が余り少なすぎると、目的とするBOC−Dを
効率的に得ることができず、逆に余り多すぎても効果に
変わりはないか、場合によりBOC−Dの分解を引起こ
す可能性もあるので避けるべきである。
【0015】本発明における反応温度は通常−50〜1
00℃、好ましくは−20〜50℃であり、この温度が
極端に低い場合には、冷却設備に多大な経費がかかり得
策でなく、一方、あまり温度が高いと原料及び生成物の
分解が起こり高収率でBOC−Dを得ることができな
い。また、反応時間は通常0.5〜50時間程度であ
り、圧力は減圧、常圧、加圧のいずれにおいても実施し
うる。更に、本反応は回分反応、連続反応のいずれでも
実施可能である。ホスゲン類との反応は通常、炭酸モノ
t−ブチルモノアルカリ金属塩を含む混合有機溶媒中
に、所定量の第三級アミンを添加した後、攪拌下、系内
の温度が所定範囲に保持されるように外部より冷却しな
がら、ホスゲンを徐々に供給することにより実施され
る。ホスゲンの供給速度は反応が発熱反応であるため、
系内の除熱程度に応じて決定される。また、反応原料と
して、アルカリ金属のt−ブトキシドと炭酸ガスとの反
応混合物を引続き用いる場合は、第三級アミンは前段の
反応時から添加しておいても差し支えない。本発明は毒
性を有するホスゲンを使用することと、反応副生物とし
て可燃性のイソブチレン等が生成することから、反応容
器内を不活性ガスによるシール若しくは流通下にて反応
を行うことが望ましい。不活性ガスとしては窒素、ヘリ
ウム、アルゴン、炭酸ガス等の一般的な不活性ガスが何
等制限無く用いられるが、安価で入手し易い窒素ガスが
好適に用いられる。
00℃、好ましくは−20〜50℃であり、この温度が
極端に低い場合には、冷却設備に多大な経費がかかり得
策でなく、一方、あまり温度が高いと原料及び生成物の
分解が起こり高収率でBOC−Dを得ることができな
い。また、反応時間は通常0.5〜50時間程度であ
り、圧力は減圧、常圧、加圧のいずれにおいても実施し
うる。更に、本反応は回分反応、連続反応のいずれでも
実施可能である。ホスゲン類との反応は通常、炭酸モノ
t−ブチルモノアルカリ金属塩を含む混合有機溶媒中
に、所定量の第三級アミンを添加した後、攪拌下、系内
の温度が所定範囲に保持されるように外部より冷却しな
がら、ホスゲンを徐々に供給することにより実施され
る。ホスゲンの供給速度は反応が発熱反応であるため、
系内の除熱程度に応じて決定される。また、反応原料と
して、アルカリ金属のt−ブトキシドと炭酸ガスとの反
応混合物を引続き用いる場合は、第三級アミンは前段の
反応時から添加しておいても差し支えない。本発明は毒
性を有するホスゲンを使用することと、反応副生物とし
て可燃性のイソブチレン等が生成することから、反応容
器内を不活性ガスによるシール若しくは流通下にて反応
を行うことが望ましい。不活性ガスとしては窒素、ヘリ
ウム、アルゴン、炭酸ガス等の一般的な不活性ガスが何
等制限無く用いられるが、安価で入手し易い窒素ガスが
好適に用いられる。
【0016】反応後の混合物は通常、不活性ガスの流通
又は溶媒の一部留去等の手段により残存するホスゲンを
除去し、次いで、混合物中に析出している副生塩である
塩化アルカリの結晶を分離する必要がある。この分離操
作は濾過によっても可能であるが、通常、この混合物も
全体的に糊状を呈しているので、水洗により塩化アルカ
リを除去するのが望ましい。この際、溶媒が水溶性溶媒
であると、一旦、例えば、ジブチルエーテル等の非水溶
性溶媒に大部分を溶媒置換後水洗する方が好ましいとさ
れているが、本発明で使用する溶媒組成の時には直接水
洗可能であるため、溶媒置換工程が省略される。しか
も、溶媒置換は、一般的に加熱下に行われるため、この
工程でのBOC−Dの分解が収率低下の一因となってい
たが、本発明では溶媒置換の必要が無く、高収率でBO
C−Dを得ることができる。従って、水洗後のBOC−
Dを溶解している有機溶媒を濃縮するだけで十分に純度
の高いBOC−Dを得ることができる。このように濃縮
時に揮発する溶媒は、t−ブタノール量を上記の範囲内
となるように調製した後、再び炭酸モノt−ブチルアル
カリ金属塩を得る反応の溶媒として回収利用することが
できる。回収溶媒中のt−ブタノール量を低減するに
は、回収した溶媒を蒸留精製する等の公知の方法により
精製した後使用すればよい。但しこの場合、溶媒の回収
率を上げ98%以上とするとt−ブタノール量が増大す
るので好ましくない。使用した非水溶性有機溶媒が比較
的高い沸点を有する場合には、一般的に濃縮操作のみで
は完全にこれを除去できないので、更に高純度のBOC
−Dを得る必要が有る場合には濃縮後得られたBOC−
Dを薄膜蒸留等の、なるべく熱を長時間かけない方法で
精製することができる。
又は溶媒の一部留去等の手段により残存するホスゲンを
除去し、次いで、混合物中に析出している副生塩である
塩化アルカリの結晶を分離する必要がある。この分離操
作は濾過によっても可能であるが、通常、この混合物も
全体的に糊状を呈しているので、水洗により塩化アルカ
リを除去するのが望ましい。この際、溶媒が水溶性溶媒
であると、一旦、例えば、ジブチルエーテル等の非水溶
性溶媒に大部分を溶媒置換後水洗する方が好ましいとさ
れているが、本発明で使用する溶媒組成の時には直接水
洗可能であるため、溶媒置換工程が省略される。しか
も、溶媒置換は、一般的に加熱下に行われるため、この
工程でのBOC−Dの分解が収率低下の一因となってい
たが、本発明では溶媒置換の必要が無く、高収率でBO
C−Dを得ることができる。従って、水洗後のBOC−
Dを溶解している有機溶媒を濃縮するだけで十分に純度
の高いBOC−Dを得ることができる。このように濃縮
時に揮発する溶媒は、t−ブタノール量を上記の範囲内
となるように調製した後、再び炭酸モノt−ブチルアル
カリ金属塩を得る反応の溶媒として回収利用することが
できる。回収溶媒中のt−ブタノール量を低減するに
は、回収した溶媒を蒸留精製する等の公知の方法により
精製した後使用すればよい。但しこの場合、溶媒の回収
率を上げ98%以上とするとt−ブタノール量が増大す
るので好ましくない。使用した非水溶性有機溶媒が比較
的高い沸点を有する場合には、一般的に濃縮操作のみで
は完全にこれを除去できないので、更に高純度のBOC
−Dを得る必要が有る場合には濃縮後得られたBOC−
Dを薄膜蒸留等の、なるべく熱を長時間かけない方法で
精製することができる。
【0017】本発明は、炭酸モノt−ブチルモノアルカ
リ金属塩を得る反応時にt−ブタノール量を上記の範囲
内にすることを必須とする。t−ブタノールの混入ルー
トは多々あるが、原料のアルカリ金属t−ブトキシド自
身が非常に吸湿性の高い物質であり、空気中の湿気と容
易に反応してt−ブタノールを生成する。また、アルカ
リ金属t−ブトキシドはt−ブタノールを溶媒中に分散
させ、アルカリ金属と反応させて得られるので、不純物
として原料中に最初から混入している可能性もある。更
に、本発明のように、炭酸モノt−ブチルモノアルカリ
金属塩とホスゲンを反応させる場合に極性溶媒としてt
−ブタノールを添加する場合には、反応で副生するt−
ブタノールと共に反応溶媒中に多量のt−ブタノールを
含有するので、回収率によっては回収溶媒中に多量のt
−ブタノールが混入してくる可能性もある。
リ金属塩を得る反応時にt−ブタノール量を上記の範囲
内にすることを必須とする。t−ブタノールの混入ルー
トは多々あるが、原料のアルカリ金属t−ブトキシド自
身が非常に吸湿性の高い物質であり、空気中の湿気と容
易に反応してt−ブタノールを生成する。また、アルカ
リ金属t−ブトキシドはt−ブタノールを溶媒中に分散
させ、アルカリ金属と反応させて得られるので、不純物
として原料中に最初から混入している可能性もある。更
に、本発明のように、炭酸モノt−ブチルモノアルカリ
金属塩とホスゲンを反応させる場合に極性溶媒としてt
−ブタノールを添加する場合には、反応で副生するt−
ブタノールと共に反応溶媒中に多量のt−ブタノールを
含有するので、回収率によっては回収溶媒中に多量のt
−ブタノールが混入してくる可能性もある。
【0018】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の実施例
に限定されるものではない。
るが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の実施例
に限定されるものではない。
【0019】実施例1 攪拌機、ガス導入管及び冷却用ジャケットを備えた2L
ガラス製反応器に、ナトリウムt−ブトキシド186.
2g、n−ヘプタン569.8g、1,4−ジアザビシ
クロ〔2.2.2〕オクタン(DABCO)135.8
mgを仕込み、温度を30℃に保ち攪拌した。この時、
系中に含まれるt−BuOH含有量をガスクロマトグラ
フィーにて測定したところ、t−BuOHは検出されな
かった。このスラリー混合物を温度30℃に保持し、攪
拌下、炭酸ガスをナトリウムt−ブトキシドに対して
1.5モル比となるように4時間かけて導入することに
より炭酸モノt−ブチルモノナトリウム塩の製造を行っ
た。反応は攪拌性良く、100%進行した。次いで、上
記の反応混合物に対し、t−ブタノール63.3gを添
加、攪拌の後、系内の温度を30℃に保持しながらホス
ゲンを炭酸モノt−ブチルモノナトリウム塩に対し0.
55モル比となるように2時間かけて吹き込むことによ
り、BOC−Dの製造を行った。更に引続き、1時間熟
成を行い脱ホスゲン後、ガスクロマトグラフィー分析を
行った結果、反応液中にBOC−Dが195g生成して
いた。収率は92%であった。
ガラス製反応器に、ナトリウムt−ブトキシド186.
2g、n−ヘプタン569.8g、1,4−ジアザビシ
クロ〔2.2.2〕オクタン(DABCO)135.8
mgを仕込み、温度を30℃に保ち攪拌した。この時、
系中に含まれるt−BuOH含有量をガスクロマトグラ
フィーにて測定したところ、t−BuOHは検出されな
かった。このスラリー混合物を温度30℃に保持し、攪
拌下、炭酸ガスをナトリウムt−ブトキシドに対して
1.5モル比となるように4時間かけて導入することに
より炭酸モノt−ブチルモノナトリウム塩の製造を行っ
た。反応は攪拌性良く、100%進行した。次いで、上
記の反応混合物に対し、t−ブタノール63.3gを添
加、攪拌の後、系内の温度を30℃に保持しながらホス
ゲンを炭酸モノt−ブチルモノナトリウム塩に対し0.
55モル比となるように2時間かけて吹き込むことによ
り、BOC−Dの製造を行った。更に引続き、1時間熟
成を行い脱ホスゲン後、ガスクロマトグラフィー分析を
行った結果、反応液中にBOC−Dが195g生成して
いた。収率は92%であった。
【0020】実施例2 攪拌機、ガス導入管及び冷却用ジャケットを備えた2L
ガラス製反応器に、ナトリウムt−ブトキシド186.
7g、回収n−ヘプタン632.8g、1,4−ジアザ
ビシクロ〔2.2.2〕オクタン(DABCO)13
6.0mgを仕込み、温度を30℃に保ち攪拌した。こ
の時、系中に含まれるt−BuOH含有量をガスクロマ
トグラフィーにて測定したところ、t−BuOHが系中
に0.63g検出された。ナトリウムt−ブトキシドに
対して、4/1000モル比である。このスラリー混合
物を温度30℃に保持し、攪拌下、炭酸ガスをナトリウ
ムt−ブトキシドに対して1.5モル比となるように4
時間かけて導入することにより炭酸モノt−ブチルモノ
ナトリウム塩の製造を行った。反応は攪拌性よく、10
0%進行した。次いで、上記の反応混合物に対し、t−
ブタノール70.2gを添加、攪拌の後、系内の温度を
30℃に保持しながらホスゲンを炭酸モノt−ブチルモ
ノナトリウム塩に対し0.55モル比となるように2時
間かけて吹き込むことにより、BOC−Dの製造を行っ
た。更に引続き、1時間熟成を行い脱ホスゲン後、ガス
クロマトグラフィー分析を行った結果、反応液中にBO
C−Dが195g生成していた。収率は92%であっ
た。
ガラス製反応器に、ナトリウムt−ブトキシド186.
7g、回収n−ヘプタン632.8g、1,4−ジアザ
ビシクロ〔2.2.2〕オクタン(DABCO)13
6.0mgを仕込み、温度を30℃に保ち攪拌した。こ
の時、系中に含まれるt−BuOH含有量をガスクロマ
トグラフィーにて測定したところ、t−BuOHが系中
に0.63g検出された。ナトリウムt−ブトキシドに
対して、4/1000モル比である。このスラリー混合
物を温度30℃に保持し、攪拌下、炭酸ガスをナトリウ
ムt−ブトキシドに対して1.5モル比となるように4
時間かけて導入することにより炭酸モノt−ブチルモノ
ナトリウム塩の製造を行った。反応は攪拌性よく、10
0%進行した。次いで、上記の反応混合物に対し、t−
ブタノール70.2gを添加、攪拌の後、系内の温度を
30℃に保持しながらホスゲンを炭酸モノt−ブチルモ
ノナトリウム塩に対し0.55モル比となるように2時
間かけて吹き込むことにより、BOC−Dの製造を行っ
た。更に引続き、1時間熟成を行い脱ホスゲン後、ガス
クロマトグラフィー分析を行った結果、反応液中にBO
C−Dが195g生成していた。収率は92%であっ
た。
【0021】比較例1 攪拌機、ガス導入管及び冷却用ジャケットを備えた2L
ガラス製反応器に、ナトリウムt−ブトキシド186.
0g、回収n−ヘプタン571.2g、1,4−ジアザ
ビシクロ〔2.2.2〕オクタン(DABCO)13
4.9mgを仕込み、温度を30℃に保ち攪拌した。こ
の時、系中に含まれるt−BuOH含有量をガスクロマ
トグラフィーにて測定したところ、t−BuOHが1.
72g検出された。ナトリウムt−ブトキシドに対し、
12/1000モル比である。このスラリー混合物を温
度30℃に保持し、攪拌下、炭酸ガスをナトリウムt−
ブトキシドに対して1.5モル比となるように4時間か
けて導入することにより炭酸モノt−ブチルモノナトリ
ウム塩の製造を行った。反応の際、山崎式トルクメータ
ー(1kg・cm)にて液のトルクを測定したところ、
炭酸ガスを等量付近導入した辺りで、急激なトルクの上
昇が観察され、実施例2の5倍にも達した。攪拌不良で
あったためホスゲン化は行わなかった。
ガラス製反応器に、ナトリウムt−ブトキシド186.
0g、回収n−ヘプタン571.2g、1,4−ジアザ
ビシクロ〔2.2.2〕オクタン(DABCO)13
4.9mgを仕込み、温度を30℃に保ち攪拌した。こ
の時、系中に含まれるt−BuOH含有量をガスクロマ
トグラフィーにて測定したところ、t−BuOHが1.
72g検出された。ナトリウムt−ブトキシドに対し、
12/1000モル比である。このスラリー混合物を温
度30℃に保持し、攪拌下、炭酸ガスをナトリウムt−
ブトキシドに対して1.5モル比となるように4時間か
けて導入することにより炭酸モノt−ブチルモノナトリ
ウム塩の製造を行った。反応の際、山崎式トルクメータ
ー(1kg・cm)にて液のトルクを測定したところ、
炭酸ガスを等量付近導入した辺りで、急激なトルクの上
昇が観察され、実施例2の5倍にも達した。攪拌不良で
あったためホスゲン化は行わなかった。
【0022】比較例2 攪拌機、ガス導入管及び冷却用ジャケットを備えた2L
ガラス製反応器に、ナトリウムt−ブトキシド186.
1g、回収n−ヘプタン572.4g、1,4−ジアザ
ビシクロ〔2.2.2〕オクタン(DABCO)13
6.0mgを仕込み、温度を30℃に保ち攪拌した。こ
の時、系中に含まれるt−BuOH含有量をガスクロマ
トグラフィーにて測定したところ、t−BuOHが2.
86g検出された。ナトリウムt−ブトキシドに対し、
2/100モル比である。このスラリー混合物を温度3
0℃に保持し、攪拌下、炭酸ガスをナトリウムt−ブト
キシドに対して1.5モル比となるように4時間かけて
導入することにより炭酸モノt−ブチルモノナトリウム
塩の製造を行った。反応の際、山崎式トルクメーター
(1kg・cm)にて液のトルクを測定したところ、炭
酸ガスを等量付近導入した辺りで、急激なトルクの上昇
が観察され、実施例2の5倍にも達した。攪拌不良であ
ったためホスゲン化は行わなかった。
ガラス製反応器に、ナトリウムt−ブトキシド186.
1g、回収n−ヘプタン572.4g、1,4−ジアザ
ビシクロ〔2.2.2〕オクタン(DABCO)13
6.0mgを仕込み、温度を30℃に保ち攪拌した。こ
の時、系中に含まれるt−BuOH含有量をガスクロマ
トグラフィーにて測定したところ、t−BuOHが2.
86g検出された。ナトリウムt−ブトキシドに対し、
2/100モル比である。このスラリー混合物を温度3
0℃に保持し、攪拌下、炭酸ガスをナトリウムt−ブト
キシドに対して1.5モル比となるように4時間かけて
導入することにより炭酸モノt−ブチルモノナトリウム
塩の製造を行った。反応の際、山崎式トルクメーター
(1kg・cm)にて液のトルクを測定したところ、炭
酸ガスを等量付近導入した辺りで、急激なトルクの上昇
が観察され、実施例2の5倍にも達した。攪拌不良であ
ったためホスゲン化は行わなかった。
【0023】比較例3 攪拌機、ガス導入管及び冷却用ジャケットを備えた2L
ガラス製反応器に、ナトリウムt−ブトキシド186.
4g、回収n−ヘプタン632.8g、1,4−ジアザ
ビシクロ〔2.2.2〕オクタン(DABCO)13
6.0mgを仕込み、温度を30℃に保ち攪拌した。こ
の時、系中に含まれるt−BuOH含有量をガスクロマ
トグラフィーにて測定したところ、t−BuOHが1
8.98g検出された。ナトリウムt−ブトキシドに対
し、132/1000モル比である。このスラリー混合
物を温度30℃に保持し、攪拌下、炭酸ガスをナトリウ
ムt−ブトキシドに対して1.5モル比となるように4
時間かけて導入することにより炭酸モノt−ブチルモノ
ナトリウム塩の製造を行った。反応の際、山崎式トルク
メーター(1kg・cm)にて液のトルクを測定したと
ころ、炭酸ガスを等量付近導入した辺りで、急激なトル
クの上昇が観察され、実施例2の11倍にも達した。攪
拌不良であったためホスゲン化は行わなかった。
ガラス製反応器に、ナトリウムt−ブトキシド186.
4g、回収n−ヘプタン632.8g、1,4−ジアザ
ビシクロ〔2.2.2〕オクタン(DABCO)13
6.0mgを仕込み、温度を30℃に保ち攪拌した。こ
の時、系中に含まれるt−BuOH含有量をガスクロマ
トグラフィーにて測定したところ、t−BuOHが1
8.98g検出された。ナトリウムt−ブトキシドに対
し、132/1000モル比である。このスラリー混合
物を温度30℃に保持し、攪拌下、炭酸ガスをナトリウ
ムt−ブトキシドに対して1.5モル比となるように4
時間かけて導入することにより炭酸モノt−ブチルモノ
ナトリウム塩の製造を行った。反応の際、山崎式トルク
メーター(1kg・cm)にて液のトルクを測定したと
ころ、炭酸ガスを等量付近導入した辺りで、急激なトル
クの上昇が観察され、実施例2の11倍にも達した。攪
拌不良であったためホスゲン化は行わなかった。
【0024】実施例3 攪拌機、ガス導入管及び冷却用ジャケットを備えた2L
ガラス製反応器に、ナトリウムt−ブトキシド76.9
6g、回収n−ヘプタン712.7g、1,4−ジアザ
ビシクロ〔2.2.2〕オクタン(DABCO)11
2.2mgを仕込み、温度を30℃に保ち攪拌した。こ
の時、系中に含まれるt−BuOH含有量をガスクロマ
トグラフィーにて測定したところ、t−BuOHは検出
されなかった。このスラリー混合物を温度30℃に保持
し、攪拌下、炭酸ガスをナトリウムt−ブトキシドに対
して1.5モル比となるように4時間かけて導入するこ
とにより炭酸モノt−ブチルモノナトリウム塩の製造を
行った。反応は攪拌性よく、100%進行した。次い
で、上記の反応混合物に対し、t−ブタノール79.1
9g添加、攪拌の後、系内の温度を30℃に保持しなが
らホスゲンを炭酸モノt−ブチルモノナトリウム塩に対
し0.55モル比となるように2時間かけて吹き込むこ
とにより、BOC−Dの製造を行った。更に引続き、1
時間熟成を行い脱ホスゲン後、ガスクロマトグラフィー
分析を行った結果、反応液中にBOC−Dが80.4g
生成していた。収率は92%であった。
ガラス製反応器に、ナトリウムt−ブトキシド76.9
6g、回収n−ヘプタン712.7g、1,4−ジアザ
ビシクロ〔2.2.2〕オクタン(DABCO)11
2.2mgを仕込み、温度を30℃に保ち攪拌した。こ
の時、系中に含まれるt−BuOH含有量をガスクロマ
トグラフィーにて測定したところ、t−BuOHは検出
されなかった。このスラリー混合物を温度30℃に保持
し、攪拌下、炭酸ガスをナトリウムt−ブトキシドに対
して1.5モル比となるように4時間かけて導入するこ
とにより炭酸モノt−ブチルモノナトリウム塩の製造を
行った。反応は攪拌性よく、100%進行した。次い
で、上記の反応混合物に対し、t−ブタノール79.1
9g添加、攪拌の後、系内の温度を30℃に保持しなが
らホスゲンを炭酸モノt−ブチルモノナトリウム塩に対
し0.55モル比となるように2時間かけて吹き込むこ
とにより、BOC−Dの製造を行った。更に引続き、1
時間熟成を行い脱ホスゲン後、ガスクロマトグラフィー
分析を行った結果、反応液中にBOC−Dが80.4g
生成していた。収率は92%であった。
【0025】比較例4 攪拌機、ガス導入管及び冷却用ジャケットを備えた2L
ガラス製反応器に、ナトリウムt−ブトキシド77.2
1g、n−ヘプタン712.8g、1,4−ジアザビシ
クロ〔2.2.2〕オクタン(DABCO)111.2
mg、t−ブタノール79.19gを仕込み、温度を3
0℃に保ち攪拌した。t−ブタノール含有量はナトリウ
ムt−ブトキシドに対し1.33モル比である。このス
ラリー混合物を温度30℃に保持し、攪拌下、炭酸ガス
をナトリウムt−ブトキシドに対して1.5モル比とな
るように4時間かけて導入することにより炭酸モノt−
ブチルモノナトリウム塩の製造を行った。反応の際、山
崎式トルクメーター(1kg・cm)にて液のトルクを
測定したところ、炭酸ガスを等量付近導入した辺りで、
急激なトルクの上昇が観察され、実施例3の7倍にも達
した。しかし反応は100%進行した。次いで、上記の
反応混合物に対し、攪拌下、系内の温度を30℃に保持
しながらホスゲンを炭酸モノt−ブチルモノナトリウム
塩に対し0.55モル比となるように2時間かけて吹き
込むことにより、BOC−Dの製造を行った。更に引続
き、1時間熟成を行い脱ホスゲン後、ガスクロマトグラ
フィー分析を行った結果、反応液中にBOC−Dが7
0.1g生成していた。収率は80%であった。
ガラス製反応器に、ナトリウムt−ブトキシド77.2
1g、n−ヘプタン712.8g、1,4−ジアザビシ
クロ〔2.2.2〕オクタン(DABCO)111.2
mg、t−ブタノール79.19gを仕込み、温度を3
0℃に保ち攪拌した。t−ブタノール含有量はナトリウ
ムt−ブトキシドに対し1.33モル比である。このス
ラリー混合物を温度30℃に保持し、攪拌下、炭酸ガス
をナトリウムt−ブトキシドに対して1.5モル比とな
るように4時間かけて導入することにより炭酸モノt−
ブチルモノナトリウム塩の製造を行った。反応の際、山
崎式トルクメーター(1kg・cm)にて液のトルクを
測定したところ、炭酸ガスを等量付近導入した辺りで、
急激なトルクの上昇が観察され、実施例3の7倍にも達
した。しかし反応は100%進行した。次いで、上記の
反応混合物に対し、攪拌下、系内の温度を30℃に保持
しながらホスゲンを炭酸モノt−ブチルモノナトリウム
塩に対し0.55モル比となるように2時間かけて吹き
込むことにより、BOC−Dの製造を行った。更に引続
き、1時間熟成を行い脱ホスゲン後、ガスクロマトグラ
フィー分析を行った結果、反応液中にBOC−Dが7
0.1g生成していた。収率は80%であった。
【0026】
【発明の効果】本発明の方法によれば、炭酸モノt−ブ
チルモノアルカリ金属塩及びBOC−Dが操作上簡便に
しかも高収率且つ高純度で得られるので、工業的に極め
て容易にBOC−Dを製造することができる。
チルモノアルカリ金属塩及びBOC−Dが操作上簡便に
しかも高収率且つ高純度で得られるので、工業的に極め
て容易にBOC−Dを製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 北井 三正 北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱 化学株式会社黒崎事業所内
Claims (13)
- 【請求項1】 有機溶媒の存在下アルカリ金属t−ブト
キシドを二酸化炭素と反応させ炭酸モノt−ブチルモノ
アルカリ金属塩を製造する方法において、反応系中のt
−ブチルアルコールの含有量がアルカリ金属t−ブトキ
シドの1/100モル以下であることを特徴とする炭酸
モノt−ブチルモノアルカリ金属塩の製造方法。 - 【請求項2】 アルカリ金属t−ブトキシドとしてナト
リウムt−ブトキシドを用いる請求項1に記載の炭酸モ
ノt−ブチルモノアルカリ金属塩の製造方法。 - 【請求項3】 有機溶媒として非水溶性有機溶媒を用い
る請求項1又は2に記載の炭酸モノt−ブチルモノアル
カリ金属塩の製造方法。 - 【請求項4】 有機溶媒としてn−ヘプタンを用いる請
求項1又は2に記載の炭酸モノt−ブチルモノアルカリ
金属塩の製造方法。 - 【請求項5】 反応を−50℃〜100℃の範囲内で行
う請求項1ないし4のいずれか1項に記載の炭酸モノt
−ブチルモノアルカリ金属塩の製造方法。 - 【請求項6】 有機溶媒の存在下アルカリ金属t−ブト
キシドを二酸化炭素と反応させ、次いで得られた炭酸モ
ノt−ブチルモノアルカリ金属塩を第三級アミンの存在
下ホスゲン類と反応させてジt−ブチルジカーボネート
を製造する際に、前記モノカーボネート化反応における
反応系中のt−ブチルアルコールの含有量がアルカリ金
属t−ブトキシドの1/100モル以下であることを特
徴とするジt−ブチルジカーボネートの製造方法。 - 【請求項7】 前記モノカーボネート化反応を−50℃
〜100℃の範囲内で行う請求項6に記載のジt−ブチ
ルジカーボネートの製造方法。 - 【請求項8】 前記ジカーボネート化反応を−50℃〜
100℃の範囲内で行う請求項6又は7に記載のジt−
ブチルジカーボネートの製造方法。 - 【請求項9】 第三級アミンを炭酸モノt−ブチルアル
カリ金属塩の50モル%以下で用いる請求項6ないし8
のいずれか1項に記載のジt−ブチルジカーボネートの
製造方法。 - 【請求項10】 アルカリ金属t−ブトキシドとしてナ
トリウムt−ブトキシドを用いる請求項6ないし9のい
ずれか1項に記載のジt−ブチルジカーボネートの製造
方法。 - 【請求項11】 有機溶媒としてn−ヘプタンを用いる
請求項6ないし10のいずれか1項に記載のジt−ブチ
ルジカーボネートの製造方法。 - 【請求項12】 有機溶媒が前記モノカーボネート化反
応ないし前記ジ−カーボネート化反応に使用後回収され
た溶媒を含み、且つ該有機溶媒中のt−ブチルアルコー
ルの含有量がアルカリ金属t−ブトキシドの1/100
モル以下である請求項6ないし11のいずれか1項に記
載のジt−ブチルジカーボネートの製造方法。 - 【請求項13】 有機溶媒中の回収溶媒の量が98%以
下である請求項6ないし12のいずれか1項に記載のジ
t−ブチルジカーボネートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8010062A JPH09202750A (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | ジカーボネートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8010062A JPH09202750A (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | ジカーボネートの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09202750A true JPH09202750A (ja) | 1997-08-05 |
Family
ID=11739904
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8010062A Pending JPH09202750A (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | ジカーボネートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09202750A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002097172A (ja) * | 2000-09-20 | 2002-04-02 | Sumitomo Chem Co Ltd | ジ−t−ブチルジカーボネートの製造方法 |
WO2008114750A1 (ja) * | 2007-03-16 | 2008-09-25 | Mitsubishi Chemical Corporation | ジアリールカーボネートの製造方法 |
JP2008230971A (ja) * | 2007-03-16 | 2008-10-02 | Mitsubishi Chemicals Corp | ジアリールカーボネートの製造方法 |
CN108727193A (zh) * | 2017-04-24 | 2018-11-02 | 中国石油化工股份有限公司 | 碳酸二苯酯类化合物的制备方法 |
CN115521206A (zh) * | 2022-09-20 | 2022-12-27 | 开封华瑞化工新材料股份有限公司 | 一种气态光气合成二碳酸二叔丁酯的制备方法 |
-
1996
- 1996-01-24 JP JP8010062A patent/JPH09202750A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002097172A (ja) * | 2000-09-20 | 2002-04-02 | Sumitomo Chem Co Ltd | ジ−t−ブチルジカーボネートの製造方法 |
WO2008114750A1 (ja) * | 2007-03-16 | 2008-09-25 | Mitsubishi Chemical Corporation | ジアリールカーボネートの製造方法 |
JP2008230971A (ja) * | 2007-03-16 | 2008-10-02 | Mitsubishi Chemicals Corp | ジアリールカーボネートの製造方法 |
CN108727193A (zh) * | 2017-04-24 | 2018-11-02 | 中国石油化工股份有限公司 | 碳酸二苯酯类化合物的制备方法 |
CN108727193B (zh) * | 2017-04-24 | 2021-03-16 | 中国石油化工股份有限公司 | 碳酸二苯酯类化合物的制备方法 |
CN115521206A (zh) * | 2022-09-20 | 2022-12-27 | 开封华瑞化工新材料股份有限公司 | 一种气态光气合成二碳酸二叔丁酯的制备方法 |
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