JPH04279559A - 3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンの製造方法 - Google Patents

3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンの製造方法

Info

Publication number
JPH04279559A
JPH04279559A JP3038197A JP3819791A JPH04279559A JP H04279559 A JPH04279559 A JP H04279559A JP 3038197 A JP3038197 A JP 3038197A JP 3819791 A JP3819791 A JP 3819791A JP H04279559 A JPH04279559 A JP H04279559A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cyano
trimethylcyclohexanone
isophorone
quaternary ammonium
hydrocyanic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3038197A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Takahoso
博 高細
Norio Takahashi
高橋 典雄
Koji Midorikawa
晃二 緑川
Hisayasu Sato
佐藤 寿保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kasei Chemical Co Ltd
Nippoh Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kasei Chemical Co Ltd
Nippoh Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kasei Chemical Co Ltd, Nippoh Chemicals Co Ltd filed Critical Nippon Kasei Chemical Co Ltd
Priority to JP3038197A priority Critical patent/JPH04279559A/ja
Priority to US07/727,447 priority patent/US5179221A/en
Priority to DE69205601T priority patent/DE69205601T2/de
Priority to EP92301842A priority patent/EP0502707B1/en
Publication of JPH04279559A publication Critical patent/JPH04279559A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C253/00Preparation of carboxylic acid nitriles
    • C07C253/08Preparation of carboxylic acid nitriles by addition of hydrogen cyanide or salts thereof to unsaturated compounds
    • C07C253/10Preparation of carboxylic acid nitriles by addition of hydrogen cyanide or salts thereof to unsaturated compounds to compounds containing carbon-to-carbon double bonds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2601/00Systems containing only non-condensed rings
    • C07C2601/12Systems containing only non-condensed rings with a six-membered ring
    • C07C2601/14The ring being saturated

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、3−シアノ−3,5,
5−トリメチルシクロヘキサノンの製造方法に関するも
のである。詳しく述べると、特定の第4級アンモニウム
塩もしくは第4級ホスホニウム塩および塩基性化合物の
存在下に、イソホロンと青酸とを特定の条件下において
反応させることにより、化学量論的収率で3−シアノ−
3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンを製造する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】3−シアノ−3,5,5−トリメチルシ
クロヘキサノンは水素添加とアミノ化とを経て、エポキ
シ硬化剤として使用される1−アミノ−3−アミノメチ
ル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンの製造に用
いられ、さらにはイソシアネート化を経て、特に自動車
用として注目されているポリウレタン塗料、粉体塗料、
高級エラストマー、レザー表面処理剤などの原料として
使用される3−イソシアネートメチル−3,5,5−ト
リメチルシクロヘキシル−1−イソシアネートの製造に
使用される、工業的に有用かつ重要な化合物である。
【0003】従来よりイソホロンと青酸あるいはシアン
化物を原料として3−シアノ−3,5,5−トリメチル
シクロヘキサノンを製造する方法は知られている。例え
ばJ.Org.Chem.誌第13巻(1948年)第
31〜37頁記載の方法によれば、イソホロンとシアン
化ナトリウムとをメタノールと水と酢酸との混合溶液中
で室温にて1週間反応させることにより60%の収率で
3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノン
を合成している。しかしながら、この方法は低収率でか
つ反応日数を要することから、工業的方法として問題に
ならないことは明白である。あるいはJ.Am.Che
m.Soc.誌第104巻23号(1982年)第64
49〜6450頁記載の方法によれば、イソホロンとほ
ぼ等モルの四塩化チタンの存在下にイソホロンとイソシ
アン化t−ブチルとを反応させることにより63%の収
率で3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサ
ノンを合成している。しかしながら、この方法は低収率
でかつ高価な原料を使用しなければならならことから工
業的には現実性に乏しい。
【0004】また、西独特許第1,085,871号公
報によれば、ジメチルアセトアミドのごとき極性溶媒中
でアルカリ金属塩類を触媒としてイソホロンと青酸とを
反応せしめて3−シアノ−3,5,5−トリメチルシク
ロヘキサノンを合成している。あるいは英国特許第88
7,413号公報によれば、ジメチルアセトアミドのご
とき極性溶媒中でイソホロンとシアン化カリウムとを反
応せしめて3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロ
ヘキサノンを合成している。これらの方法による3−シ
アノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンの収率
は、約70%と低いうえに、溶媒の回収に多大の負荷を
必要とするため、工業的方法としては問題がある。
【0005】さらに、特公昭40−7486号公報によ
れば、固体担体に付着させたアルカリ性触媒上に、イソ
ホロンに対して青酸が約10重量%以下のイソホロン−
青酸混合物をガス状で供給して3−シアノ−3,5,5
−トリメチルシクロヘキサノンを連続的に合成している
。しかしながら、この方法は、副生する青酸重合物によ
る触媒の被毒が避けがたく、実用上、触媒寿命が短く、
また多量のイソホロンの回収を必要とするため、これも
工業的方法としては問題がある。
【0006】さらにまた、西独特許第1,240,85
4号公報によれば、触媒の分散剤としてメタノールを用
いて、アルカリ金属塩触媒の存在下にイソホロンと青酸
とを反応せしめて3−シアノ−3,5,5−トリメチル
シクロヘキサノンを合成している。しかしながら、この
方法を追試したところ、3−シアノ−3,5,5−トリ
メチルシクロヘキサノンの収率は約70%と低く、しか
も多量の青酸重合物が副生することが判明した。これも
また工業的方法としては問題がある。
【0007】つぎに特公昭62−5418号公報によれ
ば、無機の塩基性触媒とグリコール類の存在下に、青酸
重合物の副生を避けるべく、大過剰のイソホロンに青酸
を反応せしめて3−シアノ−3,5,5−トリメチルシ
クロヘキサノンを合成している。しかしながら、この方
法を追試したところ、3−シアノ−3,5,5−トリメ
チルシクロヘキサノンの収率(青酸基準)は約80%と
低く、しかも未反応のイソホロンを大量に回収する必要
を有し、この方法も工業的には問題がある。
【0008】つぎにまた、特公平1−47459号公報
によれば、第4級アンモニウム塩および第4級ホスホニ
ウム塩から選ばれる相間移動触媒の存在下に、イソホロ
ンとシアン化物として水に溶解したシアン化ナトリウム
またはシアン化カリウムとを2相系中で反応せしめて3
−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンを
合成している。しかしながら、この方法は、シアン化物
をイソホロンに対して大過剰に使用するにも関わらずイ
ソホロンの転化率が低く、結果として大量の未反応イソ
ホロンを回収しなければならないし、3−シアノ−3,
5,5−トリメチルシクロヘキサノンの選択率も90%
程度と未だ満足に足るものではない。また溶媒を使用す
るために、これを回収する必要もある。さらには重合物
の副生および操作性等の問題から使用が困難であるとし
て、青酸の使用を忌避してシアン化物としてシアン化ナ
トリウムまたはシアン化カリウムを使用するとしている
が、シアン化物をイソホロンに対して1〜10モル倍の
範囲で、実際上は大過剰に使用している。この方法では
反応終了後に多量のシアン化物が未反応のまま残り、こ
の取り扱いに問題があるが、該公報はこの解決策を何ら
明示していない。さらにいえば該公報中にも明記されて
いるが如く、シアン化物としてシアン化ナトリウムまた
はシアン化カリウムを水に溶解して使用する場合、反応
の進行に従って水性相のアルカリ度が上昇してしまう。 このため酸によってこれを緩衝するという副次的操作の
必要も生じる。これらの諸問題を考慮すれば、この方法
もまた工業的には採用しがたい。
【0009】さらに、特開昭61−33157号公報に
よれば、第4級アンモニウムハイドロオキサイドまたは
第4級ホスホニウムハイドロオキサイドの存在下に、イ
ソホロンと青酸とを反応させて、約95%の反応収率で
3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノン
を合成している。しかしながら、この方法では、第4級
アンモニウムハイドロオキサイドまたは第4級ホスホニ
ウムハイドロオキサイドの塩基性が強いために、青酸の
重合などの副反応や反応中に生成した3−シアノ−3,
5,5−トリメチルシクロヘキサノンの分解または重合
等の副反応を抑制することが難しく、多量の重合物の副
生を伴い、後処理にも困難を生じる。この方法も発明者
達が望む工業的方法として満足に足るものではない。
【0010】あるいは、特開昭61−33158号公報
によれば、ジアザビシクロアルケン類を触媒として、イ
ソホロンと青酸とを反応させて、3−シアノ−3,5,
5−トリメチルシクロヘキサノンを合成しているが、高
価な触媒を使用するうえに、触媒の回収、循環使用も難
しく、また触媒の強塩基性のため多量の重合物等の副生
を伴うという状況は改善されておらず、工業的とは言い
難い。
【0011】元来、イソホロンの二重結合への青酸の付
加反応性は非常に小さい。故にイソホロンを含む有機層
において、如何にシアンイオン濃度を増加させ反応活性
を高めるかに関して、前記の如く、従来様々な提案がな
されてきたが、経済性、生産性、操作性等の点から、工
業的方法としては、どれも必ずしも優れた方法とは言え
ない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、新規な3−シアノ−3,5,5−トリメチルシ
クロヘキサノンの製造方法を提供することにある。
【0013】本発明の他の目的は、触媒をイソホロンに
可溶化もしくは分散させるために溶媒を使用する必要が
なく、かつイソホロンまたはシアン化物のいずれかを大
過剰に使用して大量の未反応原料を回収する必要もなく
、青酸を使用してしかも青酸重合物の副生を抑制して化
学量論的収率で3−シアノ−3,5,5−トリメチルシ
クロヘキサノンを製造する方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記諸目的は、水に溶解
あるいは分散させるかまたは単独の触媒として第4級ア
ンモニウム塩もしくは第4級ホスホニウム塩および塩基
性化合物の存在下に、イソホロンと青酸とを反応させて
3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノン
を製造する方法において、第4級アンモニウム塩もしく
は第4級ホスホニウム塩がイソホロンの0.001〜0
.1モル倍になるようにし、また塩基性化合物が第4級
アンモニウム塩もしくは第4級ホスホニウム塩の0.5
〜3.0モル倍になるようにし、さらに水を使用する場
合は水がイソホロンの0.1〜25重量%になるように
して、90〜140℃の温度で、イソホロンの0.6〜
1.0モル倍の青酸を導入することによって反応せしめ
て3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノ
ンを製造する方法によって達成される。
【0015】また、本発明は、得られた反応生成液を水
と接触させて、有機層と反応に使用した第4級アンモニ
ウム塩もしくは第4級ホスホニウム塩および塩基性化合
物を含む水層とに分離し、分離された水層から第4級ア
ンモニウム塩もしくは第4級ホスホニウム塩および塩基
性化合物を回収して次回の反応に循環して使用されてな
る3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノ
ンの製造方法である。
【0016】
【作用】本発明は、前記のように、触媒として特定の第
4級アンモニウム塩もしくは第4級ホスホニウム塩およ
び塩基性化合物を使用し、イソホロンと青酸とを特定の
条件下において反応させて3−シアノ−3,5,5−ト
リメチルシクロヘキサノンを製造するものである。
【0017】本発明において使用される第4級アンモニ
ウム塩もしくは第4級ホスホニウム塩としては、好まし
くは一般式(1)で示される第4級アンモニウム塩が挙
げられる。
【0018】R1(R2)3NX          
  (1)(ただし、式中、R1はベンジル基または炭
素数1〜4のアルキル基、R2は炭素数1〜4のアルキ
ル基、Xは塩素、臭素またはヨウ素を示す。)一般式(
1)を有する第4級アンモニウム塩の具体例としては、
例えば、塩化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラメ
チルアンモニウム、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、
塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアン
モニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、塩化テト
ラ−n−プロピルアンモニウム、臭化テトラ−n−プロ
ピルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−プロピルアンモ
ニウム、塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム、臭化テ
トラ−n−ブチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−ブ
チルアンモニウム、塩化メチルトリエチルアンモニウム
、臭化メチルトリエチルアンモニウム、ヨウ化メチルト
リエチルアンモニウム、塩化プロピルトリエチルアンモ
ニウム等のテトラアルキル第4級アンモニウム塩、塩化
ベンジルトリメチルアンモニウム、臭化ベンジルトリメ
チルアンモニウム、ヨウ化ベンジルトリメチルアンモニ
ウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、臭化ベン
ジルトリエチルアンモニウム、ヨウ化ベンジルトリエチ
ルアンモニウム等のベンジルトリアルキル第4級アンモ
ニウム塩が挙げられ、好ましくは塩化テトラメチルアン
モニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラ
エチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、
塩化メチルトリエチルアンモニウム、臭化メチルトリエ
チルアンモニウムが使用される。
【0019】また、これらに対応する第4級ホスホニウ
ム塩は、一般式(2)で示される第4級ホスホニウム塩
が挙げられる。
【0020】R1(R2)3PX          
  (2)(ただし、式中、R1はベンジル基または炭
素数1〜4のアルキル基、R2は炭素数1〜4のアルキ
ル基、Xは塩素、臭素またはヨウ素を示す。)一般式(
2)を有する第4級ホスホニウム塩の具体例としては、
例えば、塩化テトラメチルホスホニウム、臭化テトラメ
チルホスホニウム、ヨウ化テトラメチルホスホニウム、
塩化テトラエチルホスホニウム、臭化テトラエチルホス
ホニウム、ヨウ化テトラエチルホスホニウム、塩化テト
ラ−n−プロピルホスホニウム、臭化テトラ−n−プロ
ピルホスホニウム、ヨウ化テトラ−n−プロピルホスホ
ニウム、塩化テトラ−n−ブチルホスホニウム、臭化テ
トラ−n−ブチルホスホニウム、ヨウ化テトラ−n−ブ
チルホスホニウム、塩化メチルトリエチルホスホニウム
、臭化メチルトリエチルホスホニウム、ヨウ化メチルト
リエチルホスホニウム、塩化プロピルトリエチルホスホ
ニウム等のテトラアルキル第4級ホスホニウム塩、塩化
ベンジルトリメチルホスホニウム、臭化ベンジルトリメ
チルホスホニウム、ヨウ化ベンジルトリメチルホスホニ
ウム、塩化ベンジルトリエチルホスホニウム、臭化ベン
ジルトリエチルホスホニウム、ヨウ化ベンジルトリエチ
ルホスホニウム等のベンジルトリアルキル第4級ホスホ
ニウム塩が挙げられる。
【0021】本発明において使用される塩基性化合物と
しては、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の炭酸
化物、炭酸水素化物、水酸化物、シアン化物、酸化物、
炭素数1〜5の低級脂肪酸塩、アルコラート等が挙げら
れ、特に好ましくは、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムが挙げられる。
【0022】本発明においては、イソホロンと青酸とを
反応させて3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロ
ヘキサノンを製造するに際し、触媒として第4級アンモ
ニウム化合物もしくは第4級ホスホニウム塩と塩基性化
合物とを組合わせて使用する。好ましくは、塩化テトラ
メチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、
塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアン
モニウム、塩化メチルトリエチルアンモニウム、臭化メ
チルトリエチルアンモニウムからなる群から選ばれた少
なくとも1種のものの第4級アンモニウム塩と炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素
カリウムからなる群から選ばれた少なくとも1種のもの
の塩基性化合物とを組合せて使用する。
【0023】本発明において触媒として使用される第4
級アンモニウム塩もしくは第4級ホスホニウム塩の割合
は、イソホロンに対して0.001〜0.1モル倍、好
ましくは0.02〜0.07モル倍である。0.001
モル倍未満の場合はイソホロンと青酸との反応が不十分
となり、一方、0.1モル倍を越えて使用しても使用量
の増加による効果が得られず好ましくない。
【0024】また、塩基性化合物の使用量は、第4級ア
ンモニウム塩もしくは第4級ホスホニウム塩に対して0
.5〜3.0モル倍である。0.5モル倍未満の場合は
イソホロンと青酸との反応が不十分となり、一方、3.
0モル倍を越えて使用しても使用量の増加による効果が
得られず好ましくない。
【0025】本発明において前記触媒は、水に溶解ある
いは分散させるかまたは水の不存在下においても使用さ
れる。好ましくは、水に溶解あるいは分散させて使用す
る。好ましい水の使用量としては、イソホロンに対して
0.1〜25重量%である。25重量%を越えて使用し
ても使用量の増加による効果が得られないばかりでなく
、反応温度を規定の温度に保つことが困難となり反応の
正常な進行を妨げる。本発明においては反応および後処
理に際し、何ら有機溶媒を使用することなく操作を行う
ことができるが、所望であれば、必要により有機溶媒を
使用することもできる。使用する有機溶媒としては、好
ましくは、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン
化炭化水素等である。
【0026】本発明において使用される青酸の割合は、
イソホロンに対して0.6〜1.0モル倍、好ましくは
0.65〜0.85モル倍である。青酸の割合が0.6
モル未満の場合は、未反応のイソホロンが多く残って生
産性が低下するばかりでなく、未反応のイソホロンの回
収にかかる負荷も増大する。一方、1.0モル倍を越え
て使用しても過剰分の青酸の大半は重合物を生成して目
的の反応には寄与せず、使用量の増加による効果が得ら
れないばかりか、不必要な副生物を生成して反応の後処
理に困難を生じせしめる原因ともなる。
【0027】本発明における反応温度は、90〜140
℃、好ましくは100〜130℃である。反応温度が9
0℃より低いと、イソホロンと青酸とが反応して3−シ
アノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンを生成
する反応は起こりにくくなり、一方、140℃より高い
と、青酸が重合する副反応の方がはやくなり収率の低下
を招く。
【0028】本発明における青酸の導入時間は1〜7時
間、好ましくは2〜4時間である。青酸の導入時間が1
時間未満では、反応が急激になりすぎて、反応に伴う発
熱により反応温度を規定の温度に制御することが困難と
なる。また導入した青酸が即時的に反応しきれなくなっ
て残留し、導入終了後に熟成を行ったとしても、一部は
重合等の副反応によって失われ収率の低下を招く。一方
、7時間より長くしても、長くした効果が得られないば
かりか、生成した3−シアノ−3,5,5−トリメチル
シクロヘキサノンが反応雰囲気中において副反応を起こ
して徐々に消失し、収率が低下する。
【0029】本反応は以下の如く実施される。
【0030】イソホロンと、水に溶解あるいは分散させ
た第4級アンモニウム塩もしくは第4級ホスホニウム塩
および塩基性化合物とを混合し、規定の反応温度まで昇
温せしめた後、この温度を保ちながら、これに青酸を液
状またはガス状で導入して反応させる。青酸導入直後に
は、反応はほぼ終了しているが、好ましくは規定の反応
温度を保ちながら熟成を行い反応を完結させる。好まし
い熟成時間は0.01〜4時間、さらに好ましくは0.
5〜2時間である。熟成時間は長すぎても、生成した3
−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンの
反応雰囲気中における副反応が助長されることになり好
ましくない。
【0031】反応終了後、得られた反応生成液から触媒
である第4級アンモニウム塩もしくは第4級ホスホニウ
ム塩および塩基性化合物を分離することを目的として、
この反応生成液を水と接触させ、有機層と第4級アンモ
ニウム塩もしくは第4級ホスホニウム塩および塩基性化
合物を含む水層とに分離する。分離された第4級アンモ
ニウム塩もしくは第4級ホスホニウム塩および塩基性化
合物を含む水層からは第4級アンモニウム塩もしくは第
4級ホスホニウム塩および塩基性化合物を回収して、次
回の反応に循環して使用できる。
【0032】前記操作により触媒の大部分は分離できる
が、一部はまだ有機層中に残留していてアルカリ性雰囲
気である。このままの状態で3−シアノ−3,5,5−
トリメチルシクロヘキサノンを取り出すための蒸留を行
うと、加熱によって3−シアノ−3,5,5−トリメチ
ルシクロヘキサノンが副反応を起こして消失する。これ
を防ぐために、酸による中和によって有機層を酸性雰囲
気とし、3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘ
キサノンを安定化せしめる。
【0033】前記操作により得られた有機層から、未反
応イソホロンを回収し、3−シアノ−3,5,5−トリ
メチルシクロヘキサノンを取得する。この操作は、通常
、減圧蒸留によって行われる。常法による精製蒸留によ
って得られた3−シアノ−3,5,5−トリメチルシク
ロヘキサノンは十分に高純度で通常の使用に耐えるもの
であるが、さらに精製度を高めることが所望であれば、
ヘキサン、イソプロパノール等を使用した再結晶法によ
る精製も可能である。蒸留時に分離されたイソホロンは
、次回の反応にそのまま再使用できる。
【0034】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明を詳細に説明す
るが、本発明は下記実施例のみに限定されるものではな
い。
【0035】実施例1 300mlのガラス製反応器に攪拌装置、冷却管、温度
計および冷却管付き滴下ロートを装着し、イソホロン1
38.2g(1.0モル)、臭化テトラエチルアンモニ
ウム6.9g(0.033モル)、炭酸カリウム6.9
g(0.050モル)および水13.8gを仕込み、攪
拌下に110℃の温度で青酸18.9g(0.70モル
)を3時間を要して滴下して反応せしめ、滴下終了後1
10℃で1時間熟成を行って反応を完結せしめた。反応
終了後50℃に冷却し、水70gを仕込み、攪拌、静置
後分液し、有機層よりを触媒を分離した。さらにこの有
機層に6%硝酸70gを仕込み、攪拌、静置後分液し、
有機層を中和した。得られた有機層をガスクロマトグラ
フィーで分析したところ、114.5g(0.693モ
ル)の3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキ
サノンの生成と、40.5gの未反応イソホロンを確認
した。したがって、3−シアノ−3,5,5−トリメチ
ルシクロヘキサノンの青酸基準の収率は99%、反応し
たイソホロンに対するモル比で表した選択率は98%で
あった。得られた有機層を蒸留したところ、回収イソホ
ロン40.8g(イソホロン39.6gと3−シアノ−
3,5,5−トリメチルシクロヘキサノン1.2gを含
む)と純度99%の3−シアノ−3,5,5−トリメチ
ルシクロヘキサノン113.2gが得られた。
【0036】実施例2 実施例1で得られた触媒を含む水層を滴定法で分析した
ところ、臭化テトラエチルアンモニウム6.2gと炭酸
カリウム6.2gの存在を確認した。当初仕込み量に対
する回収率は共に90%であった。この水層を29.0
gに濃縮したものを、実施例1と同様の装置に、実施例
1で回収されたイソホロン40.8g(イソホロン39
.6gと3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘ
キサノン1.2gを含む)と新たにイソホロン98.6
g、臭化テトラエチルアンモニウム0.7gおよび炭酸
カリウム0.7gと共に仕込み、実施例1と同様の方法
にて青酸18.9gと反応せしめたのち、後処理を行っ
て得られた有機層をガスクロマトグラフィーで分析した
ところ、115.9gの3−シアノ−3,5,5−トリ
メチルシクロヘキサノンの生成と、40.1gの未反応
イソホロンを確認した。したがって、3−シアノ−3,
5,5−トリメチルシクロヘキサノンの回収イソホロン
由来分を除いた収率(青酸基準)は99%、選択率(反
応イソホロン基準)は98%であった。得られた有機層
を蒸留したところ、回収イソホロン40.6g(イソホ
ロン39.2gと3−シアノ−3,5,5−トリメチル
シクロヘキサノン1.4gを含む)と純度99%の3−
シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノン11
5.7gが得られた。
【0037】実施例3 実施例2と同様の方法により、触媒すなわち臭化テトラ
エチルアンモニウムと炭酸カリウムの回収と循環使用を
さらに8バッチ、順次行った。臭化テトラエチルアンモ
ニウムの回収率は87〜92%、炭酸カリウムの回収率
は85〜91%であった。毎回臭化テトラエチルアンモ
ニウムおよび炭酸カリウムが所定量となるよう不足分を
追加して反応を行ったところ、3−シアノ−3,5,5
−トリメチルシクロヘキサノンの収率(青酸基準)は9
8〜99%、選択率(反応イソホロン基準)は97〜9
8%であった。
【0038】実施例4 青酸21.6g(0.80モル)を使用した以外は実施
例1と同様の操作を行い、後処理後、得られた有機層を
ガスクロマトグラフィーで分析したところ、128.2
g(0.776モル)の3−シアノ−3,5,5−トリ
メチルシクロヘキサノンの生成と、28.6gの未反応
イソホロンを確認した。したがって、3−シアノ−3,
5,5−トリメチルシクロヘキサノンの収率(青酸基準
)は97%、選択率(反応イソホロン基準)は98%で
あった。
【0039】実施例5 臭化テトラエチルアンモニウムの代わりに塩化テトラメ
チルアンモニウム3.6g(0.033モル)を使用し
た以外は実施例1と同様の操作を行い、後処理後、得ら
れた有機層をガスクロマトグラフィーで分析したところ
、111.9g(0.677モル)の3−シアノ−3,
5,5−トリメチルシクロヘキサノンの生成と、43.
5gの未反応イソホロンを確認した。したがって、3−
シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンの収
率(青酸基準)は97%、選択率(反応イソホロン基準
)は99%であった。
【0040】実施例6 臭化テトラエチルアンモニウムの代わりに臭化メチルト
リエチルアンモニウム6.5g(0.033モル)を使
用した以外は実施例1と同様の操作を行い、後処理後、
得られた有機層をガスクロマトグラフィーで分析したと
ころ、112.1g(0.678モル)の3−シアノ−
3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンの生成と、3
9.6gの未反応イソホロンを確認した。したがって、
3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノン
の収率(青酸基準)は97%、選択率(反応イソホロン
基準)は95%であった。
【0041】実施例7 臭化テトラエチルアンモニウムの代わりに塩化テトラエ
チルアンモニウム1水和物6.0g(0.033モル)
を使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、後処理
後、得られた有機層をガスクロマトグラフィーで分析し
たところ、113.5g(0.687モル)の3−シア
ノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンの生成と
、41.4gの未反応イソホロンを確認した。したがっ
て、3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサ
ノンの収率(青酸基準)は98%、選択率(反応イソホ
ロン基準)は98%であった。
【0042】実施例8 臭化テトラエチルアンモニウムの代わりに臭化テトラ−
n−プロピルアンモニウム8.7g(0.033モル)
を使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、後処理
後、得られた有機層をガスクロマトグラフィーで分析し
たところ、111.4g(0.674モル)の3−シア
ノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンの生成と
、40.4gの未反応イソホロンを確認した。したがっ
て、3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサ
ノンの収率(青酸基準)は96%、選択率(反応イソホ
ロン基準)は95%であった。
【0043】実施例9 臭化テトラエチルアンモニウムの代わりに臭化テトラ−
n−ブチルホスホニウム11.1g(0.033モル)
を使用し、さらに青酸27.0g(1.0モル)を使用
した以外は実施例1と同様の操作を行い、後処理後、得
られた有機層をガスクロマトグラフィーで分析したとこ
ろ、155.3g(0.940モル)の3−シアノ−3
,5,5−トリメチルシクロヘキサノンの生成を確認し
た。したがって、3−シアノ−3,5,5−トリメチル
シクロヘキサノンの収率(青酸基準)は94%であった
【0044】実施例10 臭化テトラエチルアンモニウムの代わりに塩化ベンジル
トリメチルアンモニウム6.1g(0.033モル)を
使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、後処理後
、得られた有機層をガスクロマトグラフィーで分析した
ところ、109.1g(0.660モル)の3−シアノ
−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンの生成と、
41.0gの未反応イソホロンを確認した。したがって
、3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノ
ンの収率(青酸基準)は94%、選択率(反応イソホロ
ン基準)は94%であった。
【0045】実施例11 炭酸カリウムの代わりに炭酸ナトリウム6.9g(0.
065モル)を使用した以外は実施例1と同様の操作を
行い、後処理後、得られた有機層をガスクロマトグラフ
ィーで分析したところ、110.8g(0.671モル
)の3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサ
ノンの生成と、40.3gの未反応イソホロンを確認し
た。したがって、3−シアノ−3,5,5−トリメチル
シクロヘキサノンの収率(青酸基準)は96%、選択率
(反応イソホロン基準)は95%であった。
【0046】実施例12 実施例1と同様の装置に、イソホロン138.2g(1
.0モル)、臭化テトラエチルアンモニウム6.9g(
0.033モル)、炭酸水素カリウム6.9g(0.0
69モル)および水13.8gを仕込み、攪拌下に10
5℃の温度で青酸18.9g(0.70モル)を3時間
を要して滴下して反応せしめ、滴下終了後105℃で1
時間熟成を行って反応を完結せしめた。反応終了後50
℃に冷却し、水70gを仕込み、攪拌、静置後分液し、
有機層よりを触媒を分離した。さらにこの有機層に6%
硝酸70gを仕込み、攪拌、静置後分液し、有機層を中
和した。得られた有機層をガスクロマトグラフィーで分
析したところ、113.6g(0.687モル)の3−
シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンの生
成と、39.9gの未反応イソホロンを確認した。した
がって、3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘ
キサノンの収率(青酸基準)は98%、選択率(反応イ
ソホロン基準)は97%であった。
【0047】実施例13 炭酸カリウム6.9g(0.033モル)の代わりに炭
酸カリウム9.7g(0.070モル)を使用した以外
は実施例1と同様の操作を行い、後処理後、得られた有
機層をガスクロマトグラフィーで分析したところ、11
1.0g(0.672モル)の3−シアノ−3,5,5
−トリメチルシクロヘキサノンの生成と、40.5gの
未反応イソホロンを確認した。したがって、3−シアノ
−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンの収率(青
酸基準)は96%、選択率(反応イソホロン基準)は9
5%であった。
【0048】実施例14 炭酸カリウム6.9g(0.033モル)の代わりに炭
酸カリウム4.1g(0.030モル)を使用した以外
は実施例1と同様の操作を行い、後処理後、得られた有
機層をガスクロマトグラフィーで分析したところ、11
3.4g(0.686モル)の3−シアノ−3,5,5
−トリメチルシクロヘキサノンの生成と、41.6gの
未反応イソホロンを確認した。したがって、3−シアノ
−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンの収率(青
酸基準)は98%、選択率(反応イソホロン基準)は9
8%であった。
【0049】実施例15 冷却器および青酸貯槽を接続した1m3グラスライニン
グ製反応装置に、イソホロン390kg(2.82キロ
モル)、臭化テトラエチルアンモニウム19kg(0.
09キロモル)、炭酸水素カリウム19kg(0.14
キロモル)および水38kgを仕込み、攪拌下に108
〜112℃の温度で青酸52kg(1.92キロモル)
を3時間を要して滴下して反応せしめ、滴下終了後11
0℃で1時間熟成を行って反応を完結せしめた。反応終
了後50℃に冷却し、水200kgを仕込み、攪拌、静
置後分液し、有機層よりを触媒を分離した。さらにこの
有機層に6%硝酸150kgを仕込み、攪拌、静置後分
液し、有機層を中和した。得られた有機層をガスクロマ
トグラフィーで分析したところ、311kg(1.89
キロモル)の3−シアノ−3,5,5−トリメチルシク
ロヘキサノンの生成と、121kgの未反応イソホロン
を確認した。したがって、3−シアノ−3,5,5−ト
リメチルシクロヘキサノンの収率(青酸基準)は98%
、選択率(反応イソホロン基準)は97%であった。 得られた有機層を蒸留したところ、回収イソホロン10
1kg(イソホロン99kgと3−シアノ−3,5,5
−トリメチルシクロヘキサノン2kgを含む)、前留4
9kg(イソホロン19kgと3−シアノ−3,5,5
−トリメチルシクロヘキサノン30kgを含む)および
純度99%の3−シアノ−3,5,5−トリメチルシク
ロヘキサノン281kgが得られた。
【0050】実施例16 実施例15で得られた触媒を含む水層を滴定法で分析し
たところ、臭化テトラエチルアンモニウム16.4kg
と炭酸カリウム16.8kgの存在を確認した。当初仕
込み量に対する回収率は臭化テトラエチルアンモニウム
86%、炭酸カリウム88%であった。この水層を77
kgに濃縮したものを、実施例15と同様の装置に、実
施例15で回収されたイソホロン101kg(イソホロ
ン99kgと3−シアノ−3,5,5−トリメチルシク
ロヘキサノン2kgを含む)と新たにイソホロン281
kg、臭化テトラエチルアンモニウム2.6kgおよび
炭酸カリウム2.2kgと共に仕込み、攪拌下に108
〜112℃の温度で青酸52kgを3時間を要して滴下
して反応せしめ、滴下終了後110℃で1時間熟成を行
って反応を完結せしめた。反応終了後50℃に冷却し、
水200kgを仕込み、攪拌、静置後分液し、有機層よ
りを触媒を分離した。さらにこの有機層に6%硝酸15
0kgを仕込み、攪拌、静置後分液し、有機層を中和し
た。得られた有機層をガスクロマトグラフィーで分析し
たところ、312kgの3−シアノ−3,5,5−トリ
メチルシクロヘキサノンの生成と、112kgの未反応
イソホロンを確認した。したがって、3−シアノ−3,
5,5−トリメチルシクロヘキサノンの回収イソホロン
由来分を除いた収率(青酸基準)は98%、選択率(反
応イソホロン基準)は97%であった。得られた有機層
に実施例15で得られた前留49kg(イソホロン19
kgと3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキ
サノン30kgを含む)を加えて蒸留したところ、回収
イソホロン108kg(イソホロン106kgと3−シ
アノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノン2kg
を含む)、前留50kg(イソホロン21kgと3−シ
アノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノン29k
gを含む)および純度99%の3−シアノ−3,5,5
−トリメチルシクロヘキサノン314kgが得られた。
【0051】
【発明の効果】本発明は、特定の第4級アンモニウム塩
もしくは第4級ホスホニウム塩および塩基性化合物の存
在下に、イソホロンと青酸とを特定の条件下において反
応させることにより、大量の溶媒を使用する必要がなく
、イソホロンかシアン化化合物のいずれかを大過剰に使
用して大量の未反応原料を回収する必要もなく、青酸を
使用してしかも青酸の重合等の副反応を抑制して、化学
量論的収率で、かつ極めて容易に3−シアノ−3,5,
5−トリメチルシクロヘキサノンを製造する方法である
から、工業的に有用かつ重要な化合物である3−シアノ
−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンを工業的に
極めて有利に製造できるという効果がある。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  水に溶解あるいは分散させるかまたは
    単独の触媒として第4級アンモニウム塩もしくは第4級
    ホスホニウム塩および塩基性化合物の存在下に、イソホ
    ロンと青酸とを反応させて3−シアノ−3,5,5−ト
    リメチルシクロヘキサノンを製造する方法において、第
    4級アンモニウム塩もしくは第4級ホスホニウム塩がイ
    ソホロンの0.001〜0.1モル倍になるようにし、
    また塩基性化合物が第4級アンモニウム塩もしくは第4
    級ホスホニウム塩の0.5〜3.0モル倍になるように
    し、さらに水を使用する場合は水がイソホロンの0.1
    〜25重量%になるようにして、90〜140℃の温度
    で、イソホロンの0.6〜1.0モル倍の青酸を導入す
    ることによって反応せしめて3−シアノ−3,5,5−
    トリメチルシクロヘキサノンを製造する方法。
  2. 【請求項2】  得られた反応生成液を水と接触させて
    、有機層と反応に使用した第4級アンモニウム塩もしく
    は第4級ホスホニウム塩および塩基性化合物とを含む水
    層とに分離し、分離された水層から第4級アンモニウム
    塩もしくは第4級ホスホニウム塩および塩基性化合物を
    回収して次回の反応に循環して使用されてなる請求項1
    に記載の3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘ
    キサノンの製造方法。
  3. 【請求項3】  第4級アンモニウム塩が一般式(1)
    R1(R2)3NX          (1)(ただ
    し、式中、R1はベンジル基または炭素数1〜4のアル
    キル基、R2は炭素数1〜4のアルキル基、Xは塩素、
    臭素またはヨウ素を示す。)で示される化合物よりなる
    群から選ばれた少なくとも1種である請求項1または請
    求項2に記載の3−シアノ−3,5,5−トリメチルシ
    クロヘキサノンの製造方法。
  4. 【請求項4】  第4級ホスホニウム塩が一般式(2)
    R1(R2)3PX          (2)(ただ
    し、式中、R1はベンジル基または炭素数1〜4のアル
    キル基、R2は炭素数1〜4のアルキル基、Xは塩素、
    臭素またはヨウ素を示す。)で示される化合物よりなる
    群から選ばれた少なくとも1種である請求項1または請
    求項2に記載の3−シアノ−3,5,5−トリメチルシ
    クロヘキサノンの製造方法。
  5. 【請求項5】  第4級アンモニウム塩がテトラメチル
    アンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルトリ
    エチルアンモニウムの塩素化物および臭素化物よりなる
    群から選ばれた少なくとも1種のものである請求項1〜
    3のいずれか一つに記載の3−シアノ−3,5,5−ト
    リメチルシクロヘキサノンの製造方法。
  6. 【請求項6】  塩基性化合物がナトリウムまたはカリ
    ウムの炭酸化物および炭酸水素化物よりなる群から選ば
    れた少なくとも1種のものである請求項1〜5のいずれ
    か一つに記載の3−シアノ−3,5,5−トリメチルシ
    クロヘキサノンの製造方法。
  7. 【請求項7】  第4級アンモニウム塩もしくは第4級
    ホスホニウム塩がイソホロンの0.02〜0.07モル
    倍である請求項1〜6のいずれか一つに記載の3−シア
    ノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンの製造方
    法。
  8. 【請求項8】  青酸をイソホロンに対して0.65〜
    0.85モル倍使用する請求項1〜7のいずれか一つに
    記載の3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキ
    サノンの製造方法。
  9. 【請求項9】  反応温度を100〜130℃とする請
    求項1〜8のいずれか一つに記載の3−シアノ−3,5
    ,5−トリメチルシクロヘキサノンの製造方法。
  10. 【請求項10】  青酸導入時間を1〜7時間とする請
    求項1〜9のいずれか一つに記載の3−シアノ−3,5
    ,5−トリメチルシクロヘキサノンの製造方法。
  11. 【請求項11】  反応に際して有機溶媒を使用せずに
    行う請求項1〜10のいずれか一つに記載の3−シアノ
    −3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンの製造方法
JP3038197A 1991-03-05 1991-03-05 3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンの製造方法 Pending JPH04279559A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3038197A JPH04279559A (ja) 1991-03-05 1991-03-05 3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンの製造方法
US07/727,447 US5179221A (en) 1991-03-05 1991-07-09 Method for production of 3-cyano-3,5,5-trimethyl cyclohexanone
DE69205601T DE69205601T2 (de) 1991-03-05 1992-03-04 Verfahren zur Herstellung von 3-Cyano-3,5,5-trimethylcyclohexanon.
EP92301842A EP0502707B1 (en) 1991-03-05 1992-03-04 Method for production of 3-cyano-3,5,5-trimethyl cyclohexanone

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3038197A JPH04279559A (ja) 1991-03-05 1991-03-05 3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04279559A true JPH04279559A (ja) 1992-10-05

Family

ID=12518628

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3038197A Pending JPH04279559A (ja) 1991-03-05 1991-03-05 3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンの製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US5179221A (ja)
EP (1) EP0502707B1 (ja)
JP (1) JPH04279559A (ja)
DE (1) DE69205601T2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4203456A1 (de) * 1992-02-07 1993-08-12 Basf Ag Verfahren zur kontinuierlichen herstellung von 3-cyano-3,5,5-trimethylcyclohexanon
US5183915A (en) * 1992-03-05 1993-02-02 Elf Atochem North America, Inc. Catalyst and process for the production of 3-cyano-3,5,5-trialkylcyclohexanone
DE4407487A1 (de) * 1994-03-07 1995-09-14 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von 3-Cyano-3,5,5-trimethylcyclohexanon
DE19836474A1 (de) * 1998-08-12 2000-02-17 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von 3-Cyano-3,5,5-trimethyl-cyclohexanon
CN102020586B (zh) * 2010-11-25 2013-08-28 重庆紫光化工股份有限公司 异氟尔酮腈的制备方法
DE102010062603A1 (de) 2010-12-08 2012-06-14 Evonik Degussa Gmbh Verfahren zur Herstellung von 3-Aminomethyl-3,5,5-trimethylcyclohexylamin
DE102011077681A1 (de) 2011-06-17 2012-12-20 Evonik Degussa Gmbh Verfahren zur Herstellung von 3-Cyano-3,5,5-trimethylcyclohexanon
WO2024110260A1 (en) 2022-11-25 2024-05-30 Solvay Sa Novel synthesis for a nitrile solvent

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE1085871B (de) * 1957-05-31 1960-07-28 Rohm & Haas Verfahren zur Herstellung von alicyclischen Cyanketonen
BE568220A (ja) * 1957-05-31
DE1240854B (de) * 1964-10-24 1967-05-24 Scholven Chemie Ag Verfahren zur Herstellung von 3-Cyan-3, 5, 5-trimethylcyclohexanon aus Isophoron undBlausaeure
FR2468584A1 (fr) * 1979-10-26 1981-05-08 Ugine Kuhlmann Procede de preparation de cyano-3-trimethyl-3,5,5-cyclohexanone
JPS57116038A (en) * 1981-01-12 1982-07-19 Nitto Chem Ind Co Ltd Preparation of 3-cyano-3,5,5-trimethylcyclohexanone
JPS6133158A (ja) * 1984-07-25 1986-02-17 Nippo Kagaku Kk 3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンの製造方法
JPS6133157A (ja) * 1984-07-25 1986-02-17 Nippo Kagaku Kk 3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンの製造方法
JPS62164656A (ja) * 1986-01-14 1987-07-21 Daicel Chem Ind Ltd シアノイソホロンの製造法
JP2527568B2 (ja) * 1987-08-19 1996-08-28 日本セメント株式会社 粉砕機
US5011968A (en) * 1990-02-06 1991-04-30 W. R. Grace & Co.-Conn. Process for the preparation of 3-cyano-3,5,5-trimethylcyclohexanone

Also Published As

Publication number Publication date
DE69205601D1 (de) 1995-11-30
EP0502707A1 (en) 1992-09-09
DE69205601T2 (de) 1996-04-11
US5179221A (en) 1993-01-12
EP0502707B1 (en) 1995-10-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0686397B2 (ja) クロロジフェニルエーテルの製造方法
JPH06128214A (ja) 1,3,3−トリメチル−5−オキソ−シクロヘキサン−カルボニトリルの製法
JPH04279559A (ja) 3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンの製造方法
US4096185A (en) Preparation of p-aminobenzotrifluoride
JPS625418B2 (ja)
JPH0273049A (ja) 3―ジアルキルアミノプロピオニトリル、ビス―(2―シアノエチル)―エーテル及び所望によりエチレンシアンヒドリンの共通製法
US4144264A (en) Process for producing a 3-methyl-2-(4-halophenyl)butyronitrile
JP4270524B2 (ja) シクロアルキルおよびハロアルキルo−アミノフエニルケトン類の改良された製造方法
JPS6133157A (ja) 3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンの製造方法
JPH07330708A (ja) カルバメートの製造法
EP0921115B1 (en) Process for making aromatic nitriles
JPH11171850A (ja) 酪酸エステル誘導体の製造方法
JP2004155785A (ja) イソホロンニトリルの製造方法
JP4803911B2 (ja) 4,4’−ジブロモビフェニルの製造方法
CA1159074A (en) Carbamate process
JPH04253948A (ja) 3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンの製造方法
JP3412246B2 (ja) 2−ハロゲノ−1−アルケン誘導体の製法
JP4024882B2 (ja) ターシャリーブチルヒドラジン・ハロゲン化水素酸塩の製造方法
WO2017033813A1 (ja) アルケニルハライドの製造方法
JP2016169192A (ja) 7−オクテニルハライドの製造方法
JPS62267253A (ja) α−アミノ酸の製造方法
JPH0583533B2 (ja)
JPH07126198A (ja) アリルブロミド類の製造方法
JPH10114729A (ja) アミノフェノールの製造
JP2020083797A (ja) 芳香族ハロゲン誘導体の製造方法