JP6529156B2 - 組成物、組成物の製造方法および不飽和化合物の製造方法 - Google Patents

組成物、組成物の製造方法および不飽和化合物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6529156B2
JP6529156B2 JP2015029730A JP2015029730A JP6529156B2 JP 6529156 B2 JP6529156 B2 JP 6529156B2 JP 2015029730 A JP2015029730 A JP 2015029730A JP 2015029730 A JP2015029730 A JP 2015029730A JP 6529156 B2 JP6529156 B2 JP 6529156B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
unsaturated
composition
ppm
mixture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015029730A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016150922A (ja
Inventor
大野 勝俊
勝俊 大野
克利 森中
克利 森中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko KK
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP2015029730A priority Critical patent/JP6529156B2/ja
Priority to KR1020160014594A priority patent/KR101805292B1/ko
Priority to CN201610086594.1A priority patent/CN105884654B/zh
Publication of JP2016150922A publication Critical patent/JP2016150922A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6529156B2 publication Critical patent/JP6529156B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C269/00Preparation of derivatives of carbamic acid, i.e. compounds containing any of the groups, the nitrogen atom not being part of nitro or nitroso groups
    • C07C269/02Preparation of derivatives of carbamic acid, i.e. compounds containing any of the groups, the nitrogen atom not being part of nitro or nitroso groups from isocyanates with formation of carbamate groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C231/00Preparation of carboxylic acid amides
    • C07C231/10Preparation of carboxylic acid amides from compounds not provided for in groups C07C231/02 - C07C231/08
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C273/00Preparation of urea or its derivatives, i.e. compounds containing any of the groups, the nitrogen atoms not being part of nitro or nitroso groups
    • C07C273/18Preparation of urea or its derivatives, i.e. compounds containing any of the groups, the nitrogen atoms not being part of nitro or nitroso groups of substituted ureas
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C333/00Derivatives of thiocarbamic acids, i.e. compounds containing any of the groups, the nitrogen atom not being part of nitro or nitroso groups
    • C07C333/02Monothiocarbamic acids; Derivatives thereof
    • C07C333/04Monothiocarbamic acids; Derivatives thereof having nitrogen atoms of thiocarbamic groups bound to hydrogen atoms or to acyclic carbon atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D231/00Heterocyclic compounds containing 1,2-diazole or hydrogenated 1,2-diazole rings
    • C07D231/02Heterocyclic compounds containing 1,2-diazole or hydrogenated 1,2-diazole rings not condensed with other rings
    • C07D231/10Heterocyclic compounds containing 1,2-diazole or hydrogenated 1,2-diazole rings not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D231/12Heterocyclic compounds containing 1,2-diazole or hydrogenated 1,2-diazole rings not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with only hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, directly attached to ring carbon atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G65/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule
    • C08G65/34Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule from hydroxy compounds or their metallic derivatives
    • C08G65/48Polymers modified by chemical after-treatment

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Polyethers (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Description

本発明は、不飽和イソシアネート化合物を含有する組成物、組成物の製造方法、不飽和化合物および不飽和化合物の製造方法に関する。
従来、不飽和イソシアネート化合物と、活性水素を有する化合物とを反応させて、不飽和ウレタン化合物、不飽和チオウレタン化合物、不飽和ウレア化合物、不飽和アミド化合物などの不飽和化合物を製造している。このようにして製造された不飽和化合物は、様々な用途に用いられている。
例えば、不飽和イソシアネート化合物であるメタクリロイルオキシエチルイソシアネート(以下、MOIともいう。)と、水酸基を有する化合物であるポリアルキレングリコールとを反応させて製造した不飽和ウレタン化合物がある。この不飽和ウレタン化合物は、コンタクトレンズの材料(例えば、特許文献1参照。)、高分子固体電解質の固体溶媒の材料(例えば、特許文献2参照。)、生物学的材料を固定化する材料(例えば、特許文献3および特許文献4参照。)として用いることが提案されている。
また、特許文献5には、MOIと、分子両末端にアミノ基を有するオルガノポリシロキサンとを反応させて得られる不飽和ウレア化合物が記載されている。特許文献5には、この不飽和ウレア化合物を、放射線硬化性接着性オルガノポリシロキサン組成物の材料として用いることが記載されている。
特許文献6には、ダイマージオールとポリイソシアネートとを反応させて得た生成物に、MOIなどの不飽和イソシアネート化合物を反応させて合成したウレタンアクリレートが記載されている。また、特許文献6には、このウレタンアクリレートを含む硬化性組成物が記載されている。
不飽和化合物の材料として用いられる不飽和イソシアネート化合物としては、MOIの他に、アクリロイルオキシエチルイソシアネート(以下、AOIともいう。)、メタクリロイルイソシアネート(以下、MAIともいう。)などがある。MOI、AOI、MAIは、工業的に製造され、市販されており、入手が容易である。
MOIは、イソプロペニルオキサゾリンまたは2−アミノエチルメタクリレート塩酸塩と、ホスゲンとの反応により合成されている。AOIは、2−ビニルオキサゾリンまたは2−アミノエチルアクリレート塩酸塩と、ホスゲンとの反応により合成されている。MAIは、メタクリル酸アミドとオキザリルクロライドとの反応により合成されている。
上記のように合成された不飽和イソシアネート化合物には、副生物、触媒残渣等の不純物が含まれる。そのため、不飽和イソシアネート化合物を合成した後に、不純物を除いて純度を上げる操作が一般的に行われている(例えば、特許文献7および特許文献8参照。)。
また、合成された不飽和イソシアネート化合物について、従来、様々な方法を用いて品質の良否を判定している。具体的には、濁りの有無や色相など、不飽和イソシアネート化合物の外観を確認する方法、ガスクロマトグラフィーを用いて不飽和イソシアネート化合物の純度を確認する方法、電位差滴定により不飽和イソシアネート化合物中の加水分解性塩素含有量を確認する方法、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて不飽和イソシアネート化合物中の溶解性不純物を確認する方法(例えば、特許文献9参照。)等がある。
一般に、不飽和イソシアネート化合物には、これを安定して輸送・保管するために、重合防止剤が添加されている。重合防止剤としては、ハイドロキノン等が用いられ、数十〜数百ppmの濃度で添加されている。例えば、特許文献6には、不飽和イソシアネート化合物を用いて、不飽和ウレタン化合物を合成する際に、重合防止剤を全重量成分100重量部に対して0.01〜10重量部添加することが記載されている。
また、特許文献6には、不飽和イソシアネート化合物を原料として不飽和化合物を製造する際に用いられる重合防止剤として、トリエチルアミン塩酸塩が記載されている。
しかしながら、トリエチルアミン塩酸塩などの三級アミン塩酸塩は、不飽和イソシアネート化合物に対する溶解度が低い。このため、重合防止剤として三級アミン塩酸塩を用いた場合、不飽和イソシアネート化合物が低温になると、析出して沈殿したり、不飽和イソシアネート化合物が白濁したりしやすかった。このため、三級アミン塩酸塩は、不飽和イソシアネート化合物の重合防止剤として、一般的に使用されているものではなかった。
特開平6−322051号公報 特開平6−187822号公報 特開昭60−234582号公報 特開昭60−234583号公報 特開平6−184256号公報 国際公開第2011/074503号 特許第4273531号公報 特許第4823546号公報 特開2007−8828号公報
CMCテクニカルライブラリー「高分子の劣化機構と安定化技術」 CMC出版(2005/04発売)168頁 図5
従来の不飽和イソシアネート化合物は、従来の判定方法では品質に大きな差が見られなくても、保管中および/または輸送中に予期せぬ粘度上昇やゲル化が生じる場合があった。また、従来の不飽和イソシアネート化合物は、従来の判定方法では品質に大きな差が見られなくても、これを用いて不飽和化合物を製造した場合、製造中に急激に反応生成物の粘度が上昇したり、ゲル化したりする場合があった。
不飽和イソシアネート化合物の保管中および輸送中の粘度上昇やゲル化を防止して、保管時の安定性を向上させるためには、不飽和イソシアネート化合物に、十分に重合防止剤を添加しておけばよい。また、不飽和イソシアネート化合物に十分に重合防止剤を添加することで、これを原料として不飽和化合物を製造する際の安定性(以下、「利用時の安定性」という場合がある。)を向上させることができ、製造中の反応生成物の粘度が急激に上昇したり、ゲル化したりすることを抑制できる。
しかし、不飽和イソシアネート化合物に多くの重合防止剤を添加すると、これを原料として不飽和化合物を製造した場合に、不飽和化合物とともに、重合防止剤に起因する着色成分が生成されやすくなる(例えば、非特許文献1参照)。このため、製造した不飽和化合物が、着色されてしまう場合があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、不飽和化合物を製造する際に着色成分を生成する重合防止剤の添加量を削減できる、保管時の安定性および利用時の安定性に優れる組成物およびその製造方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記の組成物を原料として用いた、製造中にゲル化しにくい不飽和化合物およびその製造方法を提供することを課題とする。
トリエチルアミン塩酸塩は、重合防止剤としての機能を有することが知られている。しかも、トリエチルアミン塩酸塩は、不飽和イソシアネート化合物とともに不飽和化合物の原料中に含まれていても、不飽和化合物を製造する場合に着色成分を生成しない。さらに、トリエチルアミン塩酸塩は、不飽和イソシアネート化合物の合成過程において副生させることができる。そこで、本発明者らは、トリエチルアミン塩酸塩を用いて、不飽和イソシアネート化合物に添加する、不飽和化合物を製造する際に着色成分を生成する重合防止剤の量を削減することを検討した。
本発明者らは、不飽和イソシアネート化合物の合成過程においてトリエチルアミン塩酸塩を副生させた後、蒸留法により初留分の除去量を調節して精製することにより、残存するトリエチルアミン塩酸塩の含有量を調節した。そして、トリエチルアミン塩酸塩の含有量と、不飽和イソシアネート化合物の保管時の安定性との関係を調べた。その結果、重合防止剤としての機能を有しているトリエチルアミン塩酸塩の含有量が少ない程、不飽和イソシアネート化合物がゲル化しにくいという、常識的に想定されるのとは異なる結果が得られた。
この結果から、不飽和イソシアネート化合物の保管時の安定性を劣化させる原因は、トリエチルアミン塩酸塩ではなく、蒸留法により精製することでトリエチルアミン塩酸塩とともに初留分として除去される詳細不明の不純物であると推定できる。そこで、本発明者らは、蒸留法によって精製した不飽和イソシアネート化合物中のトリエチルアミン塩酸塩の含有量は、保管時の安定性を劣化させる詳細不明の不純物の含有量の指標として用いることが可能であると考えた。
さらに、本発明者は、鋭意検討し、不飽和イソシアネート化合物中の詳細不明の不純物の含有量の指標として、トリエチルアミン塩酸塩の含有量を用いる場合には、トリエチルアミン塩酸塩の由来は問われないことを確認した。すなわち、上記の指標として用いるトリエチルアミン塩酸塩は、不飽和イソシアネート化合物の合成過程において副生したものであってもよいし、不飽和イソシアネート化合物の精製前に添加したものであってもよいことを見出した。
そして、本発明者は、不飽和イソシアネート化合物中に混在している三級アミン塩酸塩が0.01〜10ppmとなるように、蒸留法により初留分の除去量を調節して精製することで、保管時の安定性の劣化に関わる詳細不明の不純物が十分に除去された組成物が得られることを見出した。さらに、上記の詳細不明の不純物が十分に除去された組成物は、保管時の安定性だけでなく利用時の安定性も優れていることを確認し、本発明を完成するに至った。
なお、上記の詳細不明の不純物が十分に除去された組成物に、トリエチルアミン塩酸塩を添加して、組成物中のトリエチルアミン塩酸塩の含有量が10ppm以上となるようにしても、保管時の安定性および利用時の安定性が劣化することはない。また、トリエチルアミン塩酸塩は、析出しなければ不飽和イソシアネート化合物中に含まれていても除去する必要はない。このため、従来、副生したトリエチルアミン塩酸塩を不飽和イソシアネート化合物中から除去する場合には、析出物を濾過法により取り除く方法が用いられていた。合成過程においてトリエチルアミン塩酸塩を副生させて、濾過法により取り除いた場合、濾過後の不飽和イソシアネート化合物中に残存するトリエチルアミン塩酸塩の含有量は、100〜300ppmとなり、10ppm以下の濃度になることはない。
また、従来、副生したトリエチルアミン塩酸塩を除去する場合には、10ppm以下の濃度にする必要がないため、トリエチルアミン塩酸塩を10ppm以下にするための蒸留を行うことはなかった。なお、本発明における「ppm」は質量基準である。
本発明は、上記知見に基づくものであり、以下の態様を有する。
[1]不飽和イソシアネート化合物と、質量基準で0.01〜10ppmの三級アミン塩酸塩とを含有することを特徴とする、組成物。
[2]質量基準で0.1ppm以上の三級アミン塩酸塩を含有する[1]に記載の組成物。
[3]前記不飽和イソシアネート化合物が、アクリロイルオキシエチルイソシアネートまたはメタクリロイルオキシエチルイソシアネートである[1]または[2]に記載の組成物。
[4]前記三級アミン塩酸塩が、トリエチルアミン塩酸塩である[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]不飽和イソシアネート化合物と、質量基準で10ppm超の三級アミン塩酸塩とを含む混合物を製造する工程と、前記混合物を精製して、前記三級アミン塩酸塩の含有量が質量基準で0.01〜10ppmである組成物とする精製工程を含むことを特徴とする、組成物の製造方法。
[6]前記精製工程を行うことにより、前記三級アミン塩酸塩の含有量が質量基準で0.1ppm以上である組成物とする[5]に記載の組成物の製造方法。
[7]前記混合物を製造する工程が、前記不飽和イソシアネート化合物を合成するとともに前記三級アミン塩酸塩が副生される工程を有する[5]または[6]に記載の組成物の製造方法。
[8]前記混合物を製造する工程が、前記不飽和イソシアネート化合物と、前記三級アミン塩酸塩とを混合する工程を有する[5]〜[7]のいずれかに記載の組成物の製造方法。
[9]前記不飽和イソシアネート化合物が、アクリロイルオキシエチルイソシアネートまたはメタクリロイルオキシエチルイソシアネートである[5]〜[8]のいずれかに記載の組成物の製造方法。
[10]前記三級アミン塩酸塩が、トリエチルアミン塩酸塩である[5]〜[9]のいずれかに記載の組成物の製造方法。
[11]前記精製工程において、前記混合物を蒸留法により精製する[5]〜[10]のいずれかに記載の組成物の製造方法。
[12]不飽和イソシアネート化合物と、質量基準で10ppm超の三級アミン塩酸塩とを含む混合物を、蒸留法により精製して製造されたものであり、前記三級アミン塩酸塩の含有量が0.01〜10ppmであることを特徴とする、組成物。
[13]前記蒸留法において、初留分の除去量を調節されたものである[12]に記載の組成物。
[14]前記初留分の除去量が4%以上である[12]または[13]に記載の組成物。
[15][1]〜[4][12]〜[14]のいずれかに記載の組成物と、活性水素を有する化合物とを混合し、前記組成物に含まれる不飽和イソシアネート化合物と前記活性水素を有する化合物とを反応させて不飽和化合物を得る工程を含むことを特徴とする不飽和化合物の製造方法。
[16]前記活性水素を有する化合物が、ポリオール、ポリチオール、ポリアミンまたはポリカルボン酸である[15]に記載の不飽和化合物の製造方法。
[17]前記不飽和化合物が、不飽和ウレタン化合物、不飽和チオウレタン化合物、不飽和ウレア化合物、または不飽和アミド化合物である[15]または[16]に記載の不飽和化合物の製造方法。
[18][15]〜[17]のいずれかに記載の不飽和化合物の製造方法を用いて製造された不飽和化合物。
[19]前記不飽和化合物が、不飽和ウレタン化合物、不飽和チオウレタン化合物、不飽和ウレア化合物、または不飽和アミド化合物である[18]に記載の不飽和化合物。
本発明の組成物は、不飽和イソシアネート化合物と、0.01〜10ppmの三級アミン塩酸塩とを含有するものであるため、保管中および輸送中の組成物の予期せぬ粘度上昇やゲル化が生じにくく保管時の安定性に優れている。しかも、本発明の組成物は、これを用いて不飽和化合物を製造した場合に製造中に生じる反応生成物の急激な粘度上昇やゲル化が生じにくく、利用時の安定性に優れている。
本発明の組成物は、保管時の安定性および利用時の安定性に優れるため、不飽和化合物を製造する際に着色成分を生成する重合防止剤を大量に含む必要はない。よって、本発明の組成物を用いて製造した不飽和化合物が、重合防止剤に起因する着色成分によって着色されることを防止できる。
本発明の組成物の製造方法は、不飽和イソシアネート化合物と、10ppm超の三級アミン塩酸塩とを含む混合物を製造する工程と、前記混合物を精製して、前記三級アミン塩酸塩の含有量が0.01〜10ppmである組成物とする精製工程を含む。したがって、混合物中に含まれる保管時の安定性および利用時の安定性を劣化させる詳細不明の不純物は、精製工程において、過剰な三級アミン塩酸塩とともに十分に除去される。その結果、上記の詳細不明の不純物が少なく、保管時の安定性および利用時の安定性に優れる本発明の組成物が得られる。
本発明の不飽和化合物の製造方法は、本発明の組成物と、活性水素を有する化合物とを混合し、組成物に含まれる不飽和イソシアネート化合物と活性水素を有する化合物とを反応させて不飽和化合物を得る工程を含む。よって、製造中に反応生成物の急激な粘度上昇やゲル化が生じにくく、優れた生産性が得られる。
また、本発明の不飽和化合物は、本発明の不飽和化合物の製造方法を用いて製造されたものであるので、製造中に反応生成物の急激な粘度上昇やゲル化が生じにくい。
「組成物」
本実施形態の組成物は、不飽和イソシアネート化合物と、0.01〜10ppmの三級アミン塩酸塩とを含有する。本実施形態の組成物は、不飽和イソシアネート化合物と、10ppm超の三級アミン塩酸塩とを含む混合物を、蒸留法により精製して製造されたものであることが好ましい。本発明において、混合物は精製前の組成物を意味する。
本発明において、不飽和イソシアネート化合物は、分子内にエチレン性不飽和結合とイソシアナト基の両方を含む化合物であることを意味する。不飽和イソシアネート化合物の有するエチレン性不飽和結合は、1つであってもよいし2つ以上であってもよい。不飽和イソシアネート化合物の有するイソシアナト基は、1つであってもよいし2つ以上であってもよい。
組成物に含まれる不飽和イソシアネート化合物の具体例としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシアルキルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネート、水酸基を含む(メタ)アクリレート(例えば2−ヒドロキシエチルメタクリレート)とジイソシアネート化合物とのアダクト、特に二つのイソシアナト基の反応性の異なる2,4−トリレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネートとの1:1アダクト等が挙げられる。
(メタ)アクリロイルオキシアルキルイソシアネートとしては、例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルイソシアネート化合物、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルイソシアネート等が挙げられる。
これらの不飽和イソシアネート化合物の中でも、反応の選択性の点から、分子内に(メタ)アクリロイル基およびイソシアナト基を含む化合物が好ましく、(メタ)アクリロイルオキシアルキルイソシアネートまたは(メタ)アクリロイルイソシアネートがより好ましく、(メタ)アクリロイルオキシアルキルイソシアネートがさらに好ましい。
(メタ)アクリロイルオキシアルキルイソシアネートにおけるアルキル基は、反応の選択性の点から、置換基を有さない直鎖のアルキル基であることが好ましい。また、該アルキル基の炭素数は1〜10であることが好ましく、1〜5であることがより好ましい。中でも特に、該アルキル基の炭素数が2であることが好ましく、具体的には、アクリロイルオキシエチルイソシアネート(AOI)またはメタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)が好ましい。
なお、本発明において「(メタ)アクリロイル基」とは、α位に水素原子が結合したアクリロイル基、またはα位にメチル基が結合したメタクリロイル基を意味する。「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートまたはメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。
本発明の組成物は、組成物中に0.01〜10ppmの三級アミン塩酸塩を含有する。三級アミン塩酸塩の含有量は、組成物の保管時の安定性および利用時の安定性を劣化させる詳細不明の不純物の含有量と相関関係を有している。したがって、組成物中に含まれる三級アミン塩酸塩は、組成物の保管時の安定性および利用時の安定性を示す指標として機能する。また、三級アミン塩酸塩は、組成物中において重合防止剤としても機能する。しかも、三級アミン塩酸塩は、本実施形態の組成物を用いて不飽和化合物を製造しても、着色成分を生成しない化合物である。
組成物に含まれる三級アミン塩酸塩としては、例えば、種々のトリアルキルアミン塩酸塩、窒素原子に結合した2つまたは3つのアルキル基が互いに結合して環状構造を形成している化合物(環状構造の中に、酸素、硫黄、他の窒素原子などを有していてもよい。)の塩酸塩、窒素原子に結合している基の1つが芳香環基であるアミン(例えば、N,N−ジアルキルアニリン、N,N−ジアルキルアミノピリジン等)の塩酸塩などが挙げられる。
これらの三級アミン塩酸塩の中でも、トリエチルアミン塩酸塩やトリプロピルアミン塩酸塩などのトリアルキルアミン塩酸塩、テトラメチルエチレンジアミン塩酸塩を用いることが好ましい。その中でも特に、不飽和イソシアネート化合物の合成過程において、容易に副生させることができるトリエチルアミン塩酸塩を用いることが好ましい。
上記の三級アミン塩酸塩は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
三級アミン塩酸塩の含有量を0.01ppm未満にするには、後述する精製工程を長時間行う必要があり、生産性が低下する。したがって、組成物中に含まれる三級アミン塩酸塩の含有量を0.01ppm以上とする。
また、組成物中の三級アミン塩酸塩の含有量は0.1ppm以上であることが好ましい。組成物中に含まれる三級アミン塩酸塩の含有量を、0.1ppm以上とすることで、三級アミン塩酸塩の重合防止剤として機能が十分に得られる。したがって、組成物が重合防止剤を含む場合、重合防止剤の使用量をより一層抑制できる。例えば、組成物が重合防止剤として、不飽和化合物を製造する際に着色成分を生成するハイドロキノン等を含む場合、三級アミン塩酸塩の含有量を0.1ppm以上とすることで、ハイドロキノンの使用量を効果的に低減できる。よって、本実施形態の組成物を用いて製造した不飽和化合物が、重合防止剤に起因する着色成分によって着色されることを防止できる。
一方、組成物中に含まれる三級アミン塩酸塩の含有量が10ppmを超えると、上記の詳細不明の不純物が十分に除去されていないため、保管時の安定性および/または利用時の安定性が不充分となる。組成物中に含まれる三級アミン塩酸塩の含有量は、保管時の安定性および利用時の安定性を高める効果をより一層向上させるために、8ppm以下であることが好ましく、5ppm以下であることがより好ましい。
本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、不飽和イソシアネート化合物と三級アミン塩酸塩の他に、添加物を含有していてもよい。
添加物としては、例えば、ハイドロキノン等の重合防止剤が挙げられる。
「組成物の製造方法」
本実施形態の組成物の製造方法は、不飽和イソシアネート化合物と、10ppm超の三級アミン塩酸塩とを含む混合物を製造する工程と、混合物を精製して、三級アミン塩酸塩の含有量が0.01〜10ppmである組成物とする精製工程とを含む。
「混合物を製造する工程」
混合物に含まれる不飽和イソシアネート化合物としては、上記のものが挙げられ、特に、アクリロイルオキシエチルイソシアネートまたはメタクリロイルオキシエチルイソシアネートであることが好ましい。
また、混合物に含まれる三級アミン塩酸塩としては、上記のものが挙げられ、特に、トリエチルアミン塩酸塩であることが好ましい。
混合物を製造する工程は、不飽和イソシアネート化合物を合成するとともに三級アミン塩酸塩が副生される工程を有することが好ましい。
この場合、混合物を製造する工程において、三級アミン塩酸塩が副生される不飽和イソシアネート化合物の合成方法を用いて合成された粗不飽和イソシアネート化合物(精製前のもの)を製造してもよいし、粗不飽和イソシアネート化合物の精製途中のものであって10ppm超の三級アミン塩酸塩を含むものを製造してもよい。
三級アミン塩酸塩が副生される工程としては、従来公知の方法を用いることができ、特に限定されるものではなく、例えば、不飽和イソシアネート化合物の合成方法に含まれる以下に示す最終工程が挙げられる。
下記一般式(1)で表されるイソシアナト基を有する3−クロロプロピオン酸エステル誘導体を生成し、これをトリアルキルアミンの存在下で脱塩化水素する。このことにより、下記一般式(2)で表されるイソシアナト基を有する(メタ)アクリル酸エステル誘導体(不飽和イソシアネート化合物)が得られる。
Cl−CH2−CHR1−COO−R2−NCO・・・(1)
CH2=CR1−COO−R2−NCO・・・(2)
(一般式(1)および一般式(2)において、R1は、水素原子またはメチル基を示し、R2は、炭素数1〜10の直鎖または分岐した構造を有するアルキレン基、または、炭素数3〜6のシクロアルキレン基の前後に炭素数0〜3のアルキレン基を有する鎖状の炭化水素基を示す。)
この製造方法では、上記一般式(2)で表される不飽和イソシアネート化合物が生成される際に、三級アミン塩酸塩であるトリアルキルアミン塩酸塩が副生する。トリアルキルアミンとして、トリエチルアミンを用いた場合、上記一般式(2)で表される不飽和イソシアネート化合物が生成される際にトリエチルアミン塩酸塩が副生する。
また、混合物を製造する工程は、不飽和イソシアネート化合物と、三級アミン塩酸塩とを混合することにより、混合物中における三級アミン塩酸塩の含有量を10ppm超とする方法であってもよい。
この場合、不飽和イソシアネート化合物として、三級アミン塩酸塩が副生される合成方法を用いて合成したものを用いてもよいし、三級アミン塩酸塩が副生しない合成方法を用いて合成したものを用いてもよいし、両者を混合して用いてもよい。また、不飽和イソシアネート化合物として、合成された粗不飽和イソシアネート化合物(精製前のもの)を用いてもよいし、粗不飽和イソシアネート化合物の精製途中のものを用いてもよいし、精製後の不飽和イソシアネート化合物を用いてもよい。
三級アミン塩酸塩が副生されない不飽和イソシアネート化合物の製造方法としては、従来公知の方法を用いることができ、特に限定されるものではなく、例えば、特開昭54−005921号公報に記載の方法、2−アミノアルキル(メタ)アクリレート塩酸塩などの(メタ)アクリル酸とアミノアルコールとの塩を、ホスゲンと反応させて合成する方法などが挙げられる。
不飽和イソシアネート化合物と、三級アミン塩酸塩とを混合する場合、混合物中の三級アミン塩酸塩の含有量は10ppm超であればよい。混合物中の三級アミン塩酸塩の含有量は、後述する精製工程において、三級アミン塩酸塩とともに詳細不明の不純物をより効果的に除去するために、100ppm以上であることが好ましい。また、混合物中の三級アミン塩酸塩の含有量は、後述する精製工程を容易にするために、300ppm以下であることが好ましく、250ppm以下であることがより好ましい。
「精製工程」
本実施形態においては、このようにして得られた不飽和イソシアネート化合物と10ppm超の三級アミン塩酸塩とを含む混合物を精製して、三級アミン塩酸塩の含有量が0.01〜10ppmである組成物とする(精製工程)。精製工程は、三級アミン塩酸塩の含有量が0.1〜10ppmである組成物とする工程であってもよい。
混合物を精製する方法は、三級アミン塩酸塩の含有量が0.01〜10ppmである組成物が得られる方法であればよく、生産性の面で、蒸留法を用いることが好ましい。
蒸留法では、三級アミン塩酸塩の含有量が0.01〜10ppmである組成物を得るために、混合物の加熱を開始してから混合物の蒸気温度が安定した一定の温度となるまでの間に蒸発した初留分の除去量を調節することが好ましい。具体的には、混合物の加熱の開始後、所定の間隔で留出液を採取して、留出液中の三級アミン塩酸塩の濃度を測定する。そして、留出液中の三級アミン塩酸塩の濃度が予め決定した所定の濃度以下となるまでの留出液を、初留分として除去することが好ましい。このことにより、三級アミン塩酸塩の含有量が0.01〜10ppmである組成物が得られる。初留分の除去量は、三級アミン塩酸塩の含有量を10ppm以下にするために、4%以上であることが好ましい。
混合物を精製する方法としては、2種類以上の精製方法を組み合わせてもよい。具体的には、例えば、蒸留法の前および/または後に濾過法などを行ってもよい。
濾過法を用いる場合、混合物の温度および/または濾過に用いるフィルターの種類を変えることにより、三級アミン塩酸塩の除去量を調整できる。具体的には、冷却した混合物を濾過する、および/または目開きの小さいフィルターを用いることによって、三級アミン塩酸塩の除去量を多くすることができる。
精製工程において蒸留法を用いる場合、混合物の加熱を開始する前に、混合物に重合防止剤を添加してもよい。混合物の加熱を開始する前に、混合物に重合防止剤を添加することで、蒸留に伴う温度上昇によって、不飽和イソシアネート化合物が重合してゲル化することを防止できる。
混合物に添加した重合防止剤は、蒸留を行うことにより一部除去される。蒸留後に組成物中に残留する重合防止剤は、組成物の保管中および輸送中に組成物がゲル化することを防止し、組成物の保管時の安定性の向上に寄与する。重合防止剤は、必要に応じて、蒸留後に得られた組成物に添加してもよい。
重合防止剤の具体例としては、ハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、カテコール、p−tert−ブチルカテコール、クレゾール、2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルフェノール(BHT)、2、4、6−トリ−tert−ブチルフェノール等が挙げられる。
[不飽和化合物の製造方法]
本発明の不飽和化合物の製造方法は、上記のいずれかの組成物と、活性水素を有する化合物とを混合し、組成物に含まれる不飽和イソシアネート化合物と活性水素を有する化合物とを反応させて不飽和化合物を得る工程を含む。
本実施形態において、不飽和化合物の材料として使用する組成物中に含まれる不飽和イソシアネート化合物は、特に限定されるものではなく、不飽和化合物の構造に応じて適宜選択できる。
また、活性水素を有する化合物における活性水素は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等に結合した水素原子であり、炭素原子に結合した水素原子と比較して高い反応性を示す。活性水素を有する化合物は、特に限定されるものではなく、不飽和化合物の構造に応じて適宜選択できる。
例えば、活性水素を有する化合物として、水酸基、メルカプト基、アミノ基(環状アミン、アミド、イミドを含む)、カルボキシル基等の活性水素含有基を有する化合物を用いた場合、以下に示す反応により、以下に示す反応生成物(不飽和化合物)が得られる。
組成物に含まれる不飽和イソシアネート化合物と水酸基を有する化合物とを反応させると、不飽和イソシアネート化合物のイソシアナト基と水酸基とが反応して、不飽和ウレタン化合物が生成する。本実施形態において、不飽和ウレタン化合物は、分子内にエチレン性不飽和結合およびウレタン結合を含む化合物を意味する。
組成物に含まれる不飽和イソシアネート化合物とメルカプト基を有する化合物とを反応させると、不飽和イソシアネート化合物のイソシアナト基とメルカプト基とが反応して、不飽和チオウレタン化合物が生成する。本実施形態において、不飽和チオウレタン化合物は、分子内にエチレン性不飽和結合およびチオウレタン結合を含む化合物を意味する。
組成物に含まれる不飽和イソシアネート化合物とアミノ基を有する化合物とを反応させると、不飽和イソシアネート化合物のイソシアナト基とアミノ基とが反応して、不飽和ウレア化合物が生成する。本実施形態において、不飽和ウレア化合物は、分子内にエチレン性不飽和結合およびウレア結合を含む化合物を意味する。
組成物に含まれる不飽和イソシアネート化合物とカルボキシル基を有する化合物とを反応させると、不飽和イソシアネート化合物のイソシアナト基とカルボキシル基とが反応して、不飽和アミド化合物が生成する。本実施形態において、不飽和アミド化合物は、分子内にエチレン性不飽和結合およびアミド結合を含む化合物を意味する。
水酸基を有する化合物としては、例えばエタノール、n−もしくはiso−プロパノール、ブタノール、もしくは異性体、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール等の脂肪族アルコール化合物;フェノール、クレゾール、p−ノニルフェノール、サリチル酸メチル等のフェノール化合物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトール、ヘキサントリオール、トリグリセロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合体、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、シクロヘキサンジオール、シクロオクタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ヒドロキシプロピルヘキサノール、トリシクロ[5,2,3,02,6]デカンジメタノール、ジシクロヘキサンジオール等の脂肪族ポリオール;ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゼン、ビスフェノール−A、ビスフェノール−F、ピロガロール、キシレングリコール、ビスフェノール−A(2−ヒドロキシエチルエーテル)等の芳香族ポリオール;ジブロモネオペンチルグリコール等のハロゲン化ポリオール;水酸基含有エポキシ樹脂;フェノキシ樹脂;ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの(共)重合体等の高分子ポリオール;フタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、アジピン酸、ダイマー酸等の有機酸と前記ポリオールとの末端水酸基含有反応生成物;前記ポリオールとアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等)との付加反応生成物;ヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロース等のグルコース誘導体;ペンタエリスリトールのカルボン酸(ギ酸、酢酸、安息香酸等)オルトエステルのような複素環を含むアルコール類;2−メルカプトエタノールのように水素基とメルカプト基を同時にもつもの;ジメチルケトンオキシム、ジエチルケトンオキシム、メチルエチルケトンオキシム等のオキシム系化合物;等が挙げられる。
水酸基を有する化合物としては、上記の中でも、ポリオールが好ましく、脂肪族ポリオールがより好ましい。
メルカプト基を有する化合物としては、例えば、1−ブタンチオール、1−ペンタンチオール、1−オクタンチオール、1−ドデカンチオール、n−オクタンデカンチオール、α−トルエンチオール、2−ベンズイミダゾールチオール、2−チアゾリン−2−チオール、2−メチル−2−プロパンチオール、O−アミノチオフェノール等のモノチオール;ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、テトラエチレングリコールビス3−メルカプトプロピオネート、トリメチロールプロパントリス3−メルカプトプロピオネート、トリス(3−メルカプトプロピニルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス3−メルカプトプロピオネート、ジペンタエリスリトールテトラキス3−メルカプトプロピオネート、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカブトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)等の脂肪族ポリチオール;等が挙げられる。
メルカプト基を有する化合物としては、上記の中でも、ポリチオールが好ましく、脂肪族ポリチオールがより好ましい。
アミノ基を有する化合物としては、ブチルアミン、ヘキシルアミン、アニリン等のモノアミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、1,3−または1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン等の脂肪族ポリアミン;m−またはp−キシリレンジアミン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、2,4−または2,6−トリレンジアミン等芳香族ポリアミン;キトサンのようなグリコサミン類;ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシクロキサン、ビス(3−アミノプロピル)ポリジフェニルシロキサン等のシリコーン化合物;イミダゾール、ε−カプロラクタム、フタル酸イミド等の複素環化合物;アミド類;イミド類;2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート、3,5−ジメチルピラゾール等が挙げられる。
アミノ基を有する化合物としては、上記の中でも、ポリアミンが好ましく、脂肪族ポリアミンがより好ましい。
カルボキシル基を有する化合物としては、酢酸、プロピオン酸、デカン酸等のモノカルボン酸;こはく酸、アジピン酸、ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の脂肪族・芳香族ポリカルボン酸;ポリアミック酸、アクリル酸の(共)重合物等の高分子ポリカルボン酸等が挙げられる。
カルボキシル基を有する化合物としては、上記の中でも、ポリカルボン酸が好ましく、脂肪族・芳香族ポリカルボン酸がより好ましい。
さらに、活性水素を有する化合物としては、上記の活性水素を有する化合物のフッ素置換体、塩素置換体等のハロゲン置換体を使用してもよい。これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
活性水素を有する化合物としては、上記の中でも、汎用性の点で、ポリオール、ポリチオール、ポリアミンまたはポリカルボン酸であることが好ましく、ポリオールが特に好ましい。
本発明の組成物に含まれる不飽和イソシアネート化合物と活性水素を有する化合物との反応において、不飽和イソシアネート化合物と活性水素を有する化合物との使用割合は、イソシアナト基/活性水素の比を考慮して設定される。
イソシアナト基/活性水素の比は、従来、不飽和イソシアネート化合物と活性水素を有する化合物との反応において適用されている比と同様であってよい。イソシアナト基/活性水素の比は、活性水素を有する化合物の種類によって異なる。例えば、活性水素を有する化合物がモノアルコール、ジオール等である場合、イソシアナト基/活性水素の比はほぼ1/1とされることが多い。活性水素を有する化合物が高分子ポリオール等である場合、前記の比よりもイソシアナト基の比率が少ないのが普通であり、例えばイソシアナト基/活性水素=0.01/1〜0.5/1とされることが多い。
本発明の組成物に含まれる不飽和イソシアネート化合物と活性水素を有する化合物は、反応触媒の存在下で反応させてもよい。反応触媒の添加量によって反応速度を調節することができる。
反応触媒としては、公知の反応触媒を用いることができる。反応触媒の具体例としては、ジブチル錫ジラウレート、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2,6,7−トリメチル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ジルコニウムアセチルアセトナート、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)と2−エチルヘキサン酸の混合物、等が挙げられる。これらの反応触媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
反応触媒の使用量は、不飽和イソシアネート化合物(100質量%)に対して0.025〜2.5質量%であることが好ましく、0.05〜2質量%がより好ましい。反応触媒の添加量が0.025質量%以上の場合、反応性が著しく低下する場合が少ない。反応触媒の添加量が2.5質量%以下の場合、反応時に副反応が起きる可能性が少ない。
本発明の組成物に含まれる不飽和イソシアネート化合物と活性水素を有する化合物とを反応させる際の反応温度は、−10〜100℃であることが好ましく、0〜80℃がより好ましい。
本発明の組成物に含まれる不飽和イソシアネート化合物と活性水素を有する化合物とを反応させる際には、必要に応じて、重合防止剤を添加してもよい。重合防止剤としては、一般に用いられているものを用いることができ、例えば、フェノール系化合物、ヒドロキノン系化合物などを使用することができる。重合防止剤の具体例としては、ハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、カテコール、p−tert−ブチルカテコール、クレゾール、2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルフェノール(BHT)、2、4、6−トリ−tert−ブチルフェノール等が挙げられる。
その他、前記反応に際し、目的に応じて、公知の光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、染料充填剤、反応性希釈剤等の種々の物質を添加してもよい。
このようにして得られた本実施形態の不飽和化合物は、塗料・コーティング、粘・接着剤、フォトレジスト、コンタクトレンズ、固体電解質、生理活性物質の固体化等、各種の分野の材料として好ましく用いられる。
[不飽和化合物]
本発明の不飽和化合物は、上記のいずれかの不飽和化合物の製造方法を用いて製造された反応生成物である。
反応生成物としては、例えば、不飽和ウレタン化合物、不飽和チオウレタン化合物、不飽和ウレア化合物、または不飽和アミド化合物が挙げられる。
本実施形態の組成物は、不飽和イソシアネート化合物と、0.01〜10ppmの三級アミン塩酸塩とを含有するものであるため、保管時の安定性および利用時の安定性に優れる。このため、重合防止剤を大量に含む必要はない。よって、本実施形態の組成物を用いて製造した不飽和化合物が、重合防止剤に起因する着色成分によって着色されることを防止できる。
本実施形態の組成物の製造方法は、不飽和イソシアネート化合物と、10ppm超の三級アミン塩酸塩とを含む混合物を製造する工程と、混合物を精製して、三級アミン塩酸塩の含有量が0.01〜10ppmである組成物とする精製工程を含む。したがって、混合物に含まれる保管時の安定性および利用時の安定性を劣化させる詳細不明の不純物は、精製工程において、過剰な三級アミン塩酸塩とともに十分に除去される。その結果、上記の詳細不明の不純物が少なく、保管時の安定性および利用時の安定性に優れる本発明の組成物が得られる。
本実施形態の不飽和化合物の製造方法は、本実施形態の組成物と、活性水素を有する化合物とを混合し、組成物に含まれる不飽和イソシアネート化合物と活性水素を有する化合物とを反応させて反応生成物(不飽和化合物)を得る工程を含む。よって、製造中に反応生成物の急激な粘度上昇やゲル化が生じにくく、優れた生産性が得られる。また、例えば、組成物に含まれる不飽和イソシアネート化合物と活性水素を有する化合物とを、従来よりも高い温度で反応させて反応速度を高めることができ、生産性を向上させることができる。
また、本実施形態の不飽和化合物は、本実施形態の不飽和化合物の製造方法を用いて製造された反応生成物であるので、製造中に反応生成物の急激な粘度上昇やゲル化が生じにくく、優れた生産性を有する。
以下、本発明を実施例と比較例により具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明の内容の理解をより容易にするためのものであり、本発明は、これらの実施例のみに制限されるものではない。
「組成物の製造」
以下に示す方法により混合物を製造(混合物を製造する工程)し、以下に示す方法により混合物を精製(精製工程)して、表1に示すAOI1〜AOI5および表2に示すMOI1〜MOI5の組成物を得た。
「混合物を製造する工程」
AOI1〜AOI5については、混合物を製造する工程として、下記一般式(5)で表されるアクリロイルオキシエチルイソシアネート(AOI)を合成するとともに三級アミン塩酸塩であるトリエチルアミン塩酸塩が副生される工程を有する以下に示す工程を行った。
Figure 0006529156
Figure 0006529156
まず、アクリル酸とエタノールアミンとの塩である一般式(3)で示される2−アミノエチルアクリレート塩酸塩を生成した。次に、得られた2−アミノエチルアクリレート塩酸塩をホスゲンと反応させて、一般式(4)で示されるイソシアナト基を有する3−クロロプロピオン酸エステル誘導体を生成した。次に、得られた3−クロロプロピオン酸エステル誘導体を、トリエチルアミン(TEA)の存在下で脱塩化水素し、粗AOI(混合物)を得た。
この製造方法では、粗AOIが生成される際に、トリエチルアミン塩酸塩(TEA塩酸塩)が副生する。このようにして得られた粗AOI(混合物)に含まれるTEA塩酸塩の含有量を、後述する方法により測定した。その結果、粗AOI中には、約240ppmのTEA塩酸塩が含まれていた。
「精製工程」
次に、粗AOI(混合物)500gを、蒸留法を用いて精製し、表1に示すように初留分の除去量((除去量(g)/混合物量(g))×100(%))を変化させることにより、TEA塩酸塩と上記一般式(5)で表されるアクリロイルオキシエチルイソシアネート(AOI(沸点200℃))とを含有するAOI1〜AOI5の組成物を得た。
なお、AOI1〜AOI5の組成物を得るための蒸留は、蒸留装置の内温を62〜67℃、圧力を0.7kPaとして行った。
「混合物を製造する工程」
MOI1〜MOI5については、以下に示すように、下記一般式(7)で表されるメタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)を合成する際に三級アミン塩酸塩が副生されない方法を用いて合成し、混合物を製造する工程として、MOIと、トリエチルアミン塩酸塩とを混合する工程を有する以下に示す工程を行った。
Figure 0006529156
Figure 0006529156
まず、メタクリル酸とエタノールアミンとの塩である一般式(6)で示される2−アミノエチルメタクリレート塩酸塩を生成した。次に、得られた2−アミノエチルメタクリレート塩酸塩をホスゲンと反応させて、粗MOIを得た。
その後、得られた粗MOIに、トリエチルアミン塩酸塩(TEA塩酸塩)を添加して混合し、250ppmのTEA塩酸塩を含む混合物を得た。
「精製工程」
次に、TEA塩酸塩と粗MOIとの混合物500gを、蒸留法を用いて精製し、表2に示すように初留分の除去量((除去量(g)/混合物量(g))×100(%))を変化させることにより、TEA塩酸塩と上記一般式(7)で表されるメタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI(沸点211℃))とを含有するMOI1〜MOI5の組成物を得た。
なお、MOI1〜MOI5の組成物を得るための蒸留は、蒸留装置の内温を75〜78℃、圧力を0.7kPaとして行った。
このようにして得られたMOI1〜MOI5およびAOI1〜AOI5の組成物について、純度、色相、粘度、組成物中のトリエチルアミン塩酸塩(TEA塩酸塩)の含有量を、以下の手順で測定した。その結果を表1および表2に示す。
Figure 0006529156
Figure 0006529156
<純度>
純度については、ガスクロマトグラフィー(GC)分析により各成分を分離し、内部標準法によりMOIもしくはAOIの含有量(質量(wt/wt)%)を定量した。
<色相>
色相については、標準色度液を調製し、比色管を用いて判定した。
<粘度>
試料の25℃での動粘度(cm/sec)を、ウベローデ式粘度計にて測定した。その測定値に相対密度(AOI:1.13g/cm、MOI:1.096g/cm)を乗じて粘度(mPa・sec)を算出した。
<TEA塩酸塩>
規定量の試料(組成物)を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)メンブランフィルター(目開き0.5μm)を装着した濾過装置に注入し、圧力30kPaにて吸引濾過して不溶成分(固形分)を除去した。得られた濾液を、ガスクロマトグラフィーを用いて、以下に示す条件で各成分を分離し、内部標準法によりトリエチルアミン塩酸塩の含有量(ppm(質量基準))を測定した。
(ガスクロマトグラフィーの条件)
カラム:内径0.32mm、長さ30m、液相膜厚1.0μm(J&WScientific社製DB−1)
カラム温度:初期温度50℃、その後10℃/分で昇温、最終温度300℃(15分間)
注入口温度:300℃
検出器温度:300℃
検出器:水素炎イオン化検出器
キャリヤーガス:ヘリウム
流量(カラム):1.2ml/分
表1および表2に示すとおり、純度、色相、粘度については、MOI1〜MOI5及びAOI1〜AOI5の組成物において大幅な差異は見られなかった。一方、トリエチルアミン塩酸塩(TEA塩酸塩)の含有量については、MOI1〜MOI5およびAOI1〜AOI5の間で明らかな差異が見られた。
[実施例1〜5、比較例1:MOI保管試験および不飽和ウレタン化合物の合成]
表2に示すMOI1〜5のいずれかに、重合防止剤として2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルフェノール(BHT)を表3に示す添加量で添加し、夏季を想定した保管条件である45℃で14日間保管し、以下に示す方法により外観評価を行った。その結果を表3に示す。
「外観評価」
○:変化なし。
×:重合が生じた(ゲル化した)。
上記保管処理を行ったMOI1〜5のいずれかを77.5gと、ポリエチレングリコール(数平均分子量660)の165gとを、撹拌機、還流冷却管、温度計を備えた容量500mLの四つ口フラスコに仕込み、温度を80℃に保って5時間反応させて不飽和ウレタン化合物を合成した。
得られた不飽和ウレタン化合物の25℃での粘度(Pa・sec)を、SV型(音叉型振動式)粘度計(A&D(エーアンドデイ)社製、SV−10型)を用いて測定した。その結果を表3に示す。
Figure 0006529156
表3に示すように、トリエチルアミン(TEA)塩酸塩の含有量が0.01〜10ppmであるMOI1〜4を用いた実施例1〜5では、保管後の評価結果が全て○となり、安定性が良好であることが確認できた。
また、実施例1〜5では、それを原料として製造した不飽和ウレタン化合物の粘度が適正であり、大きな差はみられなかった。
これに対し、トリエチルアミン(TEA)塩酸塩の含有量が10ppmより高いMOI5を用いた比較例1では、保管後の評価結果が○となった。しかし、それを原料として不飽和ウレタン化合物を製造した場合にゲル化した。すなわち、比較例1では、BHTとトリエチルアミン(TEA)塩酸塩とによる重合防止剤の効果により、夏季を想定した保管条件で保管しても変化は見られなかった。しかし、比較例1では、MOI5に含まれている詳細不明の不純物によって、不飽和ウレタン化合物を製造した場合のゲル化が促進されたものと推定される。
表2および表3の結果から、MOIを含む組成物中のトリエチルアミン塩酸塩(TEA塩酸塩)の含有量は、MOIを含む組成物を原料として不飽和ウレタン化合物を製造した場合の粘度上昇およびゲル化と相関があることが明らかとなった。
[実施例6〜10、比較例2:AOI保管試験および不飽和ウレタン化合物の合成]
表1に示すAOI1〜5のいずれかに、表4に示す添加量で実施例1と同様の重合防止剤(BHT)を添加し、実施例1と同様にして保管し、評価した。その結果を表4に示す。
上記保管処理を行ったAOI1〜5のいずれかを70.5gと、ポリエチレングリコール(数平均分子量660)の165gとを、撹拌機、還流冷却管、温度計を備えた容量500mLの四つ口フラスコに仕込み、温度を80℃に保って5時間反応させて不飽和ウレタン化合物を合成し、室温で1週間保管し、以下に示す方法により外観評価を行った。その結果を表4に示す。
「外観評価」
○:変化なし。
×:重合が生じた(粘度上昇および/またはゲル化した)。
Figure 0006529156
表4に示すように、トリエチルアミン(TEA)塩酸塩の含有量が0.01〜10ppmであるAOI1〜4を用いた実施例6〜10では、保管後の評価結果が全て○となり、安定性が良好であることが確認できた。
また、実施例6〜10では、それを原料として製造した不飽和ウレタン化合物を室温で1週間保管しても、ゲル化しなかった。
これに対し、トリエチルアミン(TEA)塩酸塩の含有量が10ppmより高いAOI5を用いた比較例2では、保管後の評価結果が○となった。しかし、それを原料として不飽和ウレタン化合物を製造した場合にゲル化した。すなわち、比較例2では、BHTとトリエチルアミン(TEA)塩酸塩とによる重合防止剤の効果により、夏季を想定した保管条件で保管しても変化は見られなかった。しかし、比較例2では、AOI5に含まれている詳細不明の不純物によって、不飽和ウレタン化合物を製造した場合のゲル化が促進されたものと推定される。
表1および表4の結果から、AOIを含む組成物中のトリエチルアミン塩酸塩(TEA塩酸塩)の含有量は、AOIを含む組成物を原料として不飽和ウレタン化合物を製造した場合の粘度上昇およびゲル化と相関があることが明らかとなった。
[実施例11、比較例3:不飽和ウレタン化合物の合成]
表1に示すAOI4またはAOI5を273gと、ペンタエリスリトールを72.4gとを、撹拌機、還流冷却管、温度計を備えた容量500mLの四つ口フラスコに仕込み、重合防止剤として2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルフェノール(BHT)を50ppmとなるように添加し、温度を80℃に保って5時間反応させて不飽和ウレタン化合物を合成し、室温で1週間保管して実施例6と同様にして外観の評価を行った。
その結果、トリエチルアミン(TEA)塩酸塩の含有量が0.01〜10ppmであるAOI4を用いた実施例11の不飽和ウレタン化合物では、着色やゲル化などの問題は見られなかった。
これに対し、トリエチルアミン(TEA)塩酸塩の含有量が10ppmより高いAOI5を用いた比較例3の不飽和ウレタン化合物は、粘度が高く、使用上支障をきたすものであった。
[実施例12、比較例4:不飽和ウレタン化合物の合成]
MEKオキシム(メチルエチルケトンオキシム)616gと、重合防止剤である2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルフェノール(BHT)0.1gとを、撹拌機、コンデンサ、温度計を備えた容量2Lのセパラブルフラスコに仕込み、10℃に冷却した。続いて、セパラブルフラスコ内の温度を20〜25℃に調整しながら、表1に示すAOI4またはAOI5を4時間かけて988g滴下した。AOIの滴下終了後に、セパラブルフラスコ内の温度を25℃として2時間攪拌し、メタクリル酸2−([1’−メチルプロピリデンアミノ]オキシカルボニルアミノ)エチルを合成し、室温で1週間保管して実施例6と同様にして外観の評価を行った。
トリエチルアミン(TEA)塩酸塩の含有量が0.01〜10ppmであるAOI4を用いた実施例12の不飽和ウレタン化合物は、着色やゲル化などの問題は見られなかった。
これに対し、トリエチルアミン(TEA)塩酸塩の含有量が10ppmより高いAOI5を用いた比較例4の不飽和ウレタン化合物は、粘度が高く、使用上支障をきたすものであった。
実施例11、12、比較例3、4の結果から、AOIを含む組成物中のトリエチルアミン塩酸塩(TEA塩酸塩)の含有量は、それを原料として製造した不飽和ウレタン化合物の粘度と相関があることが明らかとなった。
[実施例13〜15、比較例5:不飽和ウレア化合物の合成]
2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート66.4gと3,5−ジメチルピラゾール77.4gとを、撹拌機、還流冷却管、温度計を備えた容量500mLの四つ口フラスコに仕込み、温度を35℃に保ち、表1に示すAOI1、3〜5のいずれかを111.5g供給し、表5に示す添加量で実施例1と同様の重合防止剤(BHT)を添加し、2時間反応させて不飽和ウレア化合物を合成した。
得られた不飽和ウレア化合物の25℃での粘度(Pa・sec)を実施例1と同様の手順で測定した。結果を表5に示す。
Figure 0006529156
表5に示すように、AOI1、3,4を用いた実施例13〜15では、適正な粘度の不飽和ウレア化合物が得られた。
これに対し、AOI5を用いた比較例5では、不飽和ウレア化合物の製造中にゲル化した。
[実施例16〜18、比較例6:不飽和ウレア化合物の合成]
2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート66.4gと3,5−ジメチルピラゾール77.4gとを、撹拌機、還流冷却管、温度計を備えた容量500mLの四つ口フラスコに仕込み、温度を35℃に保ち、表2に示すMOI1、3〜5のいずれかを122.7g供給し、表6に示す添加量で実施例1と同様の重合防止剤(BHT)を添加し、2時間反応させて不飽和ウレア化合物を合成した。
得られた不飽和ウレア化合物を室温で1週間保管し、実施例6と同様の方法により外観評価した。結果を表6に示す。
Figure 0006529156
表6に示すように、MOI1、3,4を用いた実施例16〜18では、それを原料として製造した不飽和ウレア化合物を室温で1週間保管しても、ゲル化しなかった。
これに対し、MOI5を用いた比較例6では、不飽和ウレア化合物の製造中に粘度が上昇した。
[実施例19〜21、比較例7:不飽和アミド化合物の合成]
デカン酸177.3gとジブチル錫ジラウレート0.8gとを、撹拌機、還流冷却管、温度計を備えた容量500mLの四つ口フラスコに仕込み、温度を80℃に保ち、表1に示すAOI1、3〜5のいずれかを169.4g供給し、表7に示す添加量で実施例1と同様の重合防止剤(BHT)を添加し、12時間反応させて不飽和アミド化合物を合成した。
得られた不飽和アミド化合物の25℃での粘度(Pa・sec)を実施例1と同様の手順で測定した。結果を表7に示す。
Figure 0006529156
表7に示すように、AOI1、3,4を用いた実施例19〜21では、適正な粘度の不飽和アミド化合物が得られた。
これに対し、AOI5を用いた比較例7では、不飽和アミド化合物の製造中にゲル化した。
[実施例22〜24、比較例8:不飽和アミド化合物の合成]
デカン酸177.3gとジブチル錫ジラウレート0.8gとを、撹拌機、還流冷却管、温度計を備えた容量500mLの四つ口フラスコに仕込み、温度を80℃に保ち、表2に示すMOI1、3〜5のいずれかを186.3g供給し、表8に示す添加量で実施例1と同様の重合防止剤(BHT)を添加し、12時間反応させて不飽和アミド化合物を合成した。
得られた不飽和アミド化合物を室温で1週間保管し、実施例6と同様の方法により外観評価した。結果を表8に示す。
Figure 0006529156
表8に示すように、MOI1、3,4を用いた実施例22〜24では、それを原料として製造した不飽和アミド化合物を室温で1週間保管しても、ゲル化しなかった。
これに対し、MOI5を用いた比較例8では、不飽和アミド化合物の製造中に粘度が上昇した。
[実施例25〜27、比較例9:不飽和チオウレタン化合物の合成]
1−オクタンチオール177.3gを、撹拌機、還流冷却管、温度計を備えた容量500mLの四つ口フラスコに仕込み、表1に示すAOI1、3〜5のいずれかを169.4g供給し、表9に示す添加量で実施例1と同様の重合防止剤(BHT)を添加し、温度を80℃に保ち、24時間反応させて不飽和チオウレタン化合物を合成した。
得られた不飽和チオウレタン化合物の25℃での粘度(Pa・sec)を実施例1と同様の手順で測定した。結果を表9に示す。
Figure 0006529156
表9に示すように、AOI1、3,4を用いた実施例25〜27では、適正な粘度の不飽和チオウレタン化合物が得られた。
これに対し、AOI5を用いた比較例9では、不飽和チオウレタン化合物の製造中にゲル化した。
[実施例28〜30、比較例10:不飽和チオウレタン化合物の合成]
1−オクタンチオール177.3gを、撹拌機、還流冷却管、温度計を備えた容量500mLの四つ口フラスコに仕込み、表2に示すMOI1、3〜5のいずれかを186.3g供給し、表10に示す添加量で実施例1と同様の重合防止剤(BHT)を添加し、温度を80℃に保ち、24時間反応させて不飽和チオウレタン化合物を合成した。
得られた不飽和チオウレタン化合物を室温で1週間保管し、実施例6と同様の方法により外観評価した。結果を表10に示す。
Figure 0006529156
表10に示すように、MOI1、3,4を用いた実施例28〜30では、それを原料として製造した不飽和チオウレタン化合物を室温で1週間保管しても、ゲル化しなかった。
これに対し、MOI5を用いた比較例10では、不飽和チオウレタン化合物の製造中に粘度が上昇した。
以上の結果に示すとおり、不飽和イソシアネート化合物であるMOIまたはAOIと、トリエチルアミン塩酸塩とを含む組成物において、0.01〜10ppmのトリエチルアミン塩酸塩を含有するものでは、粘度上昇やゲル化を防止できることが確認できた。
また、組成物に含まれているトリエチルアミン塩酸塩の含有量を0.01〜10ppmとすることで、組成物を原料として不飽和化合物を製造する場合に、製造中に反応生成物の粘度が急激に上昇したりゲル化したりすることを防止できるとともに、製造した不飽和化合物のゲル化を防止できることが確認できた。

Claims (11)

  1. アクリロイルオキシエチルイソシアネートと、
    質量基準で0.01〜10ppmのトリエチルアミン塩酸塩とを含有する組成物であって、
    前記組成物が、アクリロイルオキシエチルイソシアネートと、質量基準で10ppm超のトリエチルアミン塩酸塩とを含む混合物を、蒸留法により精製して製造されたものであり、
    前記混合物が、アクリル酸とホスゲンを反応させて3−クロロプロピオニルクロリドを生成し、エタノールアミンと塩酸との反応物と、3−クロロプロピオニルクロリドとを反応させて下記式(3)で示される化合物を生成し、前記式(3)で示される化合物をホスゲンと反応させて、下記式(4)で示される化合物を生成し、前記式(4)で示される化合物を、トリエチルアミンの存在下で脱塩化水素する方法により製造されたものであることを特徴とする、組成物。
    Figure 0006529156
  2. メタクリロイルオキシエチルイソシアネートと、
    質量基準で0.01〜10ppmのトリエチルアミン塩酸塩とを含有する組成物であって、
    前記組成物が、メタクリロイルオキシエチルイソシアネートと、質量基準で10ppm超のトリエチルアミン塩酸塩とを含む混合物を、蒸留法により精製して製造されたものであり、
    前記混合物が、メタクリル酸とホスゲンを反応させてメタクリロイルクロリドを生成し、エタノールアミンと塩酸との反応物と、メタクリロイルクロリドとを反応させて下記式(6)で示される化合物を生成し、前記式(6)で示される化合物をホスゲンと反応させた後、トリエチルアミン塩酸塩を添加して混合する方法により製造されたものであることを特徴とする、組成物。
    Figure 0006529156
  3. 質量基準で0.1ppm以上のトリエチルアミン塩酸塩を含有する請求項1または請求項2に記載の組成物。
  4. 前記蒸留法において、初留分の除去量を調節されたものである請求項1または請求項2に記載の組成物。
  5. 前記初留分の除去量が4%以上である請求項に記載の組成物。
  6. アクリロイルオキシエチルイソシアネートと、質量基準で10ppm超のトリエチルアミン塩酸塩とを含む混合物を製造する工程であって、アクリル酸とホスゲンを反応させて3−クロロプロピオニルクロリドを生成し、エタノールアミンと塩酸との反応物と、3−クロロプロピオニルクロリドとを反応させて下記式(3)で示される化合物を生成し、前記式(3)で示される化合物をホスゲンと反応させて、下記一般式(4)で示される化合物を生成し、前記式(4)で示される化合物を、トリエチルアミンの存在下で脱塩化水素して、前記混合物を得る工程と、
    前記混合物を蒸留法により精製して、前記トリエチルアミン塩酸塩の含有量が質量基準で0.01〜10ppmである組成物とする精製工程と、を含むことを特徴とする、組成物の製造方法。
    Figure 0006529156
  7. メタクリロイルオキシエチルイソシアネートと、質量基準で10ppm超のトリエチルアミン塩酸塩とを含む混合物を製造する工程であって、メタクリル酸とホスゲンを反応させてメタクリロイルクロリドを生成し、エタノールアミンと塩酸との反応物と、メタクリロイルクロリドとを反応させて下記式(6)で示される化合物を生成し、前記式(6)で示される化合物をホスゲンと反応させた後、トリエチルアミン塩酸塩を添加して、前記混合物を得る工程と、
    前記混合物を蒸留法により精製して、前記トリエチルアミン塩酸塩の含有量が質量基準で0.01〜10ppmである組成物とする精製工程と、を含むことを特徴とする、組成物の製造方法。
    Figure 0006529156
  8. 前記精製工程を行うことにより、前記トリエチルアミン塩酸塩の含有量が質量基準で0.1ppm以上である組成物とする請求項6または請求項7に記載の組成物の製造方法。
  9. 請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の組成物と、活性水素を有する化合物とを混合し、前記組成物に含まれる不飽和イソシアネート化合物と前記活性水素を有する化合物とを反応させて不飽和化合物を得る工程を含むことを特徴とする不飽和化合物の製造方法。
  10. 前記活性水素を有する化合物が、ポリオール、ポリチオール、ポリアミンまたはポリカルボン酸である請求項に記載の不飽和化合物の製造方法。
  11. 前記不飽和化合物が、不飽和ウレタン化合物、不飽和チオウレタン化合物、不飽和ウレア化合物、または不飽和アミド化合物である請求項または請求項10に記載の不飽和化合物の製造方法。
JP2015029730A 2015-02-18 2015-02-18 組成物、組成物の製造方法および不飽和化合物の製造方法 Active JP6529156B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015029730A JP6529156B2 (ja) 2015-02-18 2015-02-18 組成物、組成物の製造方法および不飽和化合物の製造方法
KR1020160014594A KR101805292B1 (ko) 2015-02-18 2016-02-05 조성물, 조성물의 제조 방법, 불포화 화합물 및 불포화 화합물의 제조 방법
CN201610086594.1A CN105884654B (zh) 2015-02-18 2016-02-16 组合物、组合物的制造方法、不饱和化合物及不饱和化合物的制造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015029730A JP6529156B2 (ja) 2015-02-18 2015-02-18 組成物、組成物の製造方法および不飽和化合物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016150922A JP2016150922A (ja) 2016-08-22
JP6529156B2 true JP6529156B2 (ja) 2019-06-12

Family

ID=56695223

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015029730A Active JP6529156B2 (ja) 2015-02-18 2015-02-18 組成物、組成物の製造方法および不飽和化合物の製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6529156B2 (ja)
KR (1) KR101805292B1 (ja)
CN (1) CN105884654B (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018070541A1 (ja) 2016-10-14 2018-04-19 旭化成株式会社 イソシアネート組成物、イソシアネート重合体の製造方法およびイソシアネート重合体
EP3336117A1 (de) 2017-09-20 2018-06-20 Basf Se Verfahren zur herstellung von in lösungsmitteln flockulationsstabilen polyisocyanaten von (cyclo)aliphatischen diisocyanaten
KR102593371B1 (ko) * 2018-08-20 2023-10-23 가부시끼가이샤 레조낙 조성물, 조성물의 제조 방법 및 불포화 화합물의 제조 방법
US20210276943A1 (en) * 2018-08-20 2021-09-09 Showa Denko K.K. Composition, production method for composition, and production method for unsaturated compound
US11891472B2 (en) 2018-08-20 2024-02-06 Resonac Corporation Composition, production method for composition, and production method for unsaturated compound
CN112513009A (zh) * 2018-08-20 2021-03-16 昭和电工株式会社 组合物、组合物的制造方法及不饱和化合物的制造方法
CN109553526B (zh) * 2018-12-18 2022-07-05 杭州盛弗泰新材料科技有限公司 一种丙烯酰氯的连续生产方法
US20230056109A1 (en) * 2020-01-06 2023-02-23 Showa Denko K.K. (meth)acrylic acid ester compound having isocyanate group and method for producing same

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2821544A (en) * 1954-04-26 1958-01-28 Bayer Ag Production of alkylisocyanate esters of 2-alkenoic acids
JPH04273531A (ja) 1991-02-28 1992-09-29 Casio Comput Co Ltd メモリカードを有する計算装置
JP3091979B2 (ja) * 1991-09-03 2000-09-25 昭和電工株式会社 有機イソシアナートの精製法
JP2669299B2 (ja) 1992-10-23 1997-10-27 昭和電工株式会社 高分子固体電解質
JP3301135B2 (ja) 1992-12-16 2002-07-15 株式会社スリーボンド 放射線硬化性接着性オルガノポリシロキサン組成物
JP2809028B2 (ja) 1993-02-09 1998-10-08 株式会社大林組 コンクリート表面の保護方法
JP3433962B2 (ja) 1993-02-10 2003-08-04 東洋炭素株式会社 フッ素樹脂含浸炭素材料及びその製造方法
US5484863A (en) 1993-03-10 1996-01-16 Johnson & Johnson Vision Products, Inc. Polymeric ophthalmic lens prepared from unsaturated polyoxyethylene monomers
JP3828618B2 (ja) * 1996-09-02 2006-10-04 昭和電工株式会社 安定な不飽和ウレタン、ウレア及びアミド化合物
JP4273531B2 (ja) * 1998-02-06 2009-06-03 昭和電工株式会社 イソシアナトアルキル(メタ)アクリレートの製造方法
WO2005092842A1 (en) * 2004-03-25 2005-10-06 Showa Denko K.K. Method for producing (meth)acrylate derivative having isocyanate group
JP2007008828A (ja) 2005-06-28 2007-01-18 Toagosei Co Ltd アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの製造方法
KR101303434B1 (ko) * 2008-08-08 2013-09-05 쇼와 덴코 가부시키가이샤 이소시아네이트기를 포함하는 에틸렌성 불포화 카르복실산 에스테르 화합물의 중합 억제 방법 및 제조 방법
EP2757122A2 (en) * 2009-12-14 2014-07-23 Showa Denko K.K. Photocurable moisture-proof insulating coating material for mounting circuit boards
US20130317252A1 (en) * 2011-02-15 2013-11-28 Showa Denko K.K. Stabilized isocyanate group-containing ethylenically unsaturated compound
JP6166939B2 (ja) * 2013-04-19 2017-07-19 昭和電工株式会社 不飽和ウレタン化合物、不飽和ウレア化合物、または不飽和アミド化合物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR20160101856A (ko) 2016-08-26
KR101805292B1 (ko) 2017-12-05
CN105884654A (zh) 2016-08-24
JP2016150922A (ja) 2016-08-22
CN105884654B (zh) 2019-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6529156B2 (ja) 組成物、組成物の製造方法および不飽和化合物の製造方法
JP7396284B2 (ja) 組成物、組成物の製造方法および不飽和化合物の製造方法
KR102591541B1 (ko) 조성물, 조성물의 제조 방법 및 불포화 화합물의 제조 방법
KR102593371B1 (ko) 조성물, 조성물의 제조 방법 및 불포화 화합물의 제조 방법
JP2015086205A (ja) 不飽和ウレタン化合物、不飽和チオウレタン化合物、不飽和ウレア化合物または不飽和アミド化合物、およびその製造方法
JP7396285B2 (ja) 組成物、組成物の製造方法および不飽和化合物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171114

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181009

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181102

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190226

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190325

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190416

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190513

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6529156

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350