JP2019199347A - かご位置特定装置及びかご位置特定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来は、停電発生やエレベーター点検等により乗りかごが停止した階床が変わると気圧データが誤って補正されてしまい、補正後の気圧データを使って、乗りかごが停止する階床を求めることができなかった。【解決手段】かご位置特定装置12が備える計測データ作成部14は、乗りかご1の停止を判断した場合に、かごドア2の移動方向に生じる加速度からかごドア2の開閉回数を階床毎に求める。階床データ作成部15は、階床毎に、気圧データとかごドア2の開閉回数とが紐付けて格納される階床データテーブル15aの気圧データが、基準階に乗りかご1が到着したときに気圧センサー5から出力される気圧データと異なる場合に、気圧センサー5から出力される気圧データにより、階床データテーブル15aに格納される気圧データを補正する。【選択図】図1

Description

本発明は、かご位置特定装置及びかご位置特定方法に関する。
エレベーターの異常を計測する遠隔監視システムは、エレベーターを制御する制御装置の情報を用いて、かご位置や速度の異常、閉じ込め故障などを計測し、計測した状態をエレベーターの管制センターや保守員に知らせている。この遠隔監視システムでは、エレベーターを制御する制御装置から出力される乗りかごの位置情報を取得することで、エレベーターの乗りかごの所在階を特定していた。
しかし、エレベーターの制御装置の情報を用いることができないエレベーター、例えば、旧式エレベーターであるリレー式のエレベーターなどの場合、データを収集することができない。このため、エレベーターの動作を遠隔監視する遠隔監視システムでは、乗りかごが停止している階床等を含むエレベーターの制御情報を収集できず、乗りかごの現在位置を把握することができなかった。そこで、制御装置から出力される情報を用いるのではなく、外付けのセンサから得られる情報に基づいて乗りかごの所在階を確認する手法が提案されていた。
特許文献1には、防犯などの目的で、エレベーターの乗りかご内に設置する監視カメラについて、乗りかごの位置を特定する手段としてエレベーターのかご内の気圧を計測する手段(気圧センサー)を設け、気圧センサーの出力値により乗りかごの位置を特定する技術について開示されている。
特開2017−149547号公報
ところで、特許文献1に開示された技術では、乗りかごが停止した階床で気圧センサーが計測した気圧データを取り込んだ制御部が、メモリに設定されたテーブルに気圧データを登録する。そして、制御部は、乗りかごが停止する階床毎に、気圧センサーが計測した気圧データをテーブルに登録する作業を行う。これにより、テーブルには、気圧データと階床情報とが紐付けて格納される。このように階床毎にテーブルに格納される気圧データと階床情報を「階床データ」と呼ぶ。その後、制御部がテーブルを参照し、気圧センサーが計測した気圧データと、テーブルに格納されている気圧データとが対応する階床を、乗りかごが停止している階床と判定することができる。
しかし、気圧は気候によって常に変動するため、テーブルに登録された気圧データを適宣、補正しなければならない。例えば、制御部は、乗りかごが停止した階床にて気圧センサーが計測した気圧データと、テーブルに登録され、乗りかごが停止した階床に対応付けられた気圧データとの差分に基づいて気圧変動の有無を判断し、気圧の変動量が多ければテーブルに登録された気圧データを補正することができる。ここで、乗りかごに取付けられた加速度センサーの出力が所定値未満であれば、乗りかごが停止したと判断することが可能である。
特許文献1には、加速度センサーから出力される加速度データを用いてエレベーターの停止有無を判断することが記述されている。しかし、特許文献1に開示された技術では、停電時に乗りかごが最寄り階に着床する自動着床運転が行われたり、エレベーターの点検などで乗りかごが階床間(例えば1階と2階の間)で頻繁に停止したりすることでも階床データが補正される。このように階床データが誤って補正されると、各階床にて計測される気圧データと、テーブルに登録される補正後の気圧データとがずれる可能性があった。この場合、制御部は、階床データとして登録された気圧データを参照しても、乗りかごが停止している階床を求めることができない可能性があった。
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、かご位置を特定するために参照されるテーブルに登録される階床データを精度良く補正できるようにすることを目的とする。
本発明に係るかご位置特定装置は、かごドアを有する乗りかごに取付けられた加速度計測部により計測される乗りかごの移動方向に生じる加速度の変化に基づいて乗りかごの停止を判断した場合に、加速度計測部により計測されるかごドアの移動方向に生じる加速度からかごドアの開閉回数を階床毎に求める計測データ作成部と、乗りかごが昇降路内で停止する階床毎に、乗りかごに取付けられた気圧計測部により計測される気圧を表す気圧データと、かごドアの開閉回数とが紐付けて格納される階床データテーブルと、階床データテーブルの気圧データが、複数の階床から選択された基準階に乗りかごが到着したときに気圧計測部から出力される気圧データと異なる場合に、気圧計測部から出力される気圧データにより、階床データテーブルに格納される気圧データを補正する階床データ作成部と、を備える。
本発明によれば、基準階に乗りかごが到着したときに、階床データ作成部が気圧計測部から取り込んだ気圧データにより、階床データテーブルに格納される気圧データが補正される。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1の実施の形態に係るエレベーターの構成例を示す概要図である。 本発明の第1の実施の形態に係るエレベーターの構成例を示す概要図である。 本発明の第1の実施の形態に係るかごドア及びドア開閉装置の構成例を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る階床データ作成部が階床情報を登録する処理の例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る初期値が登録された階床データテーブルの内容を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る気圧データが更新された階床データテーブルの内容を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係るエレベーターが長時間停電などから復電した後に、階床データテーブルに登録されている気圧データの値を補正する処理の例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る階床データワークテーブルの内容を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る気圧データが補正された階床データテーブルの内容を示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
[第1の実施の形態]
始めに、本発明の第1の実施の形態に係るエレベーター50の構成例及び動作例について説明する。
図1は、第1の実施の形態に係るエレベーター50の構成例を示す概要図である。
エレベーター50は、乗りかご1、乗りかご1を昇降させる巻上機6、乗りかご1の昇降時の負荷を軽減するつり合いおもり7、乗りかご1とつり合いおもり7の接触を避けるためのプーリ8、乗りかご1とつり合いおもりをつなぐ主ロープ9を備える。
乗りかご1には、かごドア2、ドア開閉装置3、3軸加速度センサー4、及び気圧センサー5が取付けられる。
かごドア2は、乗りかご1に取り付けられており、乗りかご1が目的階に停止すると開閉動作を行う。
ドア開閉装置3は、かごドア2の開閉を制御する。
3軸加速度センサー4は、乗りかご1の3軸(間口方向、奥行方向及び鉛直方向)の加速度を計測し、計測した加速度を含む加速度データをインターフェース部13に出力する。
気圧センサー5は、乗りかご1のかごドア2に取付けられており、乗りかご1の昇降動作に応じて、乗りかご1が昇降路内で停止する位置で計測した気圧を含む気圧データをインターフェース部13に出力する。
また、エレベーター50は、乗り場ドア10、エレベーター制御装置11及びかご位置特定装置12を備える。
乗り場ドア10は、かごドア2のドア開閉と同期して開閉する。
エレベーター制御装置11は、エレベーター50の運転を制御する。エレベーター制御装置11には、不図示の遠隔監視センターに設けられる遠隔監視装置と接続されている。遠隔監視装置は、エレベーター50の運転状態を遠隔監視することができる。
かご位置特定装置12は、乗りかご1に取り付けられた3軸加速度センサー4、気圧センサー5による計測値を元に、エレベーター50の運転状態を診断する。このかご位置特定装置12も不図示の遠隔監視装置に接続される。このため、遠隔監視装置は、かご位置特定装置12が診断したエレベーター50の運転状態の診断結果を遠隔監視することができる。
かご位置特定装置12は、インターフェース部13、計測データ作成部14、階床データ作成部15、かご位置特定部16、異常診断部17及び外部通信部18を備える。
インターフェース部13は、3軸加速度センサー4から出力された加速度データ、及び気圧センサー5から出力された気圧データを取り込む。
計測データ作成部14は、インターフェース部13から加速度データを取り込む。そして、計測データ作成部14は、加速度データに基づいて、乗りかご1の移動方向に生じる加速度から求めた乗りかご1の移動有無、乗りかご1の速度、乗りかご1の移動距離、かつ、かごドア2の移動方向に生じる加速度から求めたかごドア2の開閉回数を計測データとして求める。ここで、計測データ作成部14は、加速度の変化に基づいて乗りかご1の停止を判断する。例えば、乗りかご1の移動方向に生じる加速度が“0”になった時に、計測データ作成部14は、乗りかご1が移動しておらず、停止したと判断する。なお、乗りかご1の移動速度が一定になった場合にも加速度が“0”となるが、本実施の形態では、加速度が“0”となったときに、乗りかご1が停止したものとする。このため、計測データ作成部14は、乗りかご1が停止したと判断した場合に、かごドア2の移動方向に生じる加速度からかごドア2の開閉回数を階床毎に求める。そして、計測データ作成部14が作成した計測データのうち、乗りかご1の移動有無、階床毎のかごドア2の開閉回数が階床データ作成部15に出力される。
階床データ作成部15(階床データ作成部の一例)は、階床データテーブル15a又は階床データワークテーブル15bに登録するための階床データを作成する。このため、階床データ作成部15は、かご位置特定装置12の設置時に気圧センサー5から取り込んだ気圧データと、計測データ作成部14から取り込んだかごドア2の開閉回数とを、エレベーター50が設置される建物の階床毎に紐付けた階床データを、階床データテーブル15aに登録しておく。
その後のエレベーター50の運用において、階床データ作成部15は、階床データテーブル15aに格納される気圧データが、複数の階床から選択された基準階に乗りかご1が到着したときに気圧センサー5から出力される気圧データと異なる場合に、気圧センサー5から出力される気圧データにより、階床データテーブル15aに格納される気圧データを補正する。ここで、所定期間におけるかごドア2の開閉回数が最も多い階床が階床データ作成部15により基準階として選択される。または、乗りかご1の動作を監視する遠隔監視装置により任意の階床が基準階として設定される。
階床データテーブル15aは、乗りかご1が昇降路内で停止する階床を特定するためにかご位置特定部16により参照されるテーブルである。階床データテーブル15aには、乗りかご1が昇降路内で停止する階床毎に乗りかご1に取付けられた気圧センサー5により計測される気圧データと、かごドア2の開閉回数とが紐付けて格納される。後述する図4に示すように、階床データテーブル15aには、連続する階床毎に気圧センサー5により計測される気圧データの差分を表す差分データも格納される。
階床データワークテーブル15bは、計測データ作成部14から複数の階床毎に取り込む気圧データを一時的に格納するテーブルである。階床データワークテーブル15bは、後述する第2の実施の形態において用いられるテーブルである。
かご位置特定部16は、計測データ作成部14から入力する計測データのうち、乗りかご1の移動有無を用いて、乗りかご1が停止しているか否かを判断する。かご位置特定部16は、乗りかご1が停止していると判断したときに、計測データ作成部14により作成された気圧データと、階床データテーブル15aに登録された気圧データとが対応する場合に、この気圧データに紐付けられた階床情報により、乗りかご1が停止した階床(かご位置)を特定する。かご位置特定部16が特定した乗りかご1が停止した階床は異常診断部17に出力される。かご位置特定部16が特定した乗りかご1が停止した階床は、かご位置特定装置12に接続される保守端末等に表示されてもよい。また、乗りかご1が停止した階床は、エレベーター制御装置11に出力されてもよい。
異常診断部17は、計測データ作成部14から入力する信号により、エレベーター50の運転状態の診断を行う。そして、異常診断部17は、かご位置特定部16から入力する乗りかご1が停止した階床に基づいて診断結果が異常であったときの階床を判断する。
外部通信部18は、異常診断部17による診断結果が異常であった場合、例えば、かご位置特定装置12に接続される外部の遠隔監視装置に異常状態の発生を通知する。遠隔監視装置には、さらに異常が発生したときに乗りかご1が停止した階床も通知される。このため、遠隔監視装置によりエレベーター50の運転を監視する監視員は、異常が発生したときの階床に保守員等を派遣する指示を行うことができる。
次に、かご位置特定装置12を構成する計算機Cのハードウェア構成を説明する。
図2は、計算機Cのハードウェア構成例を示すブロック図である。
計算機Cは、いわゆるコンピュータとして用いられるハードウェアである。計算機Cは、バスC4にそれぞれ接続されたCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)C1、ROM(Read Only Memory)C2、RAM(Random Access Memory)C3を備える。さらに、計算機Cは、不揮発性ストレージC5、ネットワークインターフェイスC6を備える。
CPU C1は、本実施の形態に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをROM C2から読み出して実行する。RAM C3には、演算処理の途中に発生した変数やパラメーター等が一時的に書き込まれる。CPU C1がROM C2から読み出したプログラムを実行することにより、図1に示した計測データ作成部14、階床データ作成部15、かご位置特定部16及び異常診断部17の各機能が実現される。
不揮発性ストレージC5としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリ等が用いられる。この不揮発性ストレージC5には、OS(Operating System)、各種のパラメーターの他に、計算機Cを機能させるためのプログラムが記録されている。ROM C2、不揮発性ストレージC5は、CPU C1が動作するために必要なプログラムやデータ等を永続的に記録しており、計算機Cによって実行されるプログラムを格納したコンピュータ読取可能な非一過性の記録媒体の一例として用いられる。階床データテーブル15a及び階床データワークテーブル15bは、不揮発性ストレージC5に構成されるテーブルである。ただし、階床データテーブル15a及び階床データワークテーブル15bは、RAM C3に構成されてもよい。
ネットワークインターフェイスC6には、例えば、NIC(Network Interface Card)等が用いられ、端子が接続されたLAN(Local Area Network)、専用線等を介して各種のデータを装置間で送受信することが可能である。かご位置特定装置12は、インターフェース部13として構成されるネットワークインターフェイスC6を通じて、ドア開閉装置3、3軸加速度センサー4、及び気圧センサー5から出力される各種の信号を取込むことができる。
なお、計算機Cに、表示装置及び入力装置を設け、保守員が表示装置に表示された内容を確認し、入力装置を通じて必要な情報を入力できるようにしてもよい。
図3は、かごドア2及びドア開閉装置3の構成例を示す説明図である。
かごドア2は、右側かごドアパネル20、左側かごドアパネル21を備える。
ドア開閉装置3は、ドアレール22、ドアマシン23、ドア駆動用ベルト24、ドアプーリ25及びドア閉計測スイッチ26を備える。
ドアレール22は、右側かごドアパネル20及び左側かごドアパネル21を左右に移動可能に保持する。
ドアマシン23は、右側かごドアパネル20及び左側かごドアパネル21をドアレール22に沿って動作させる。
ドア駆動用ベルト24には、右側かごドアパネル20及び左側かごドアパネル21が接続される。ドア駆動用ベルト24は、ドアマシン23により駆動する。そして、ドア駆動用ベルト24の移動する方向に合わせて右側かごドアパネル20及び左側かごドアパネル21が移動する。
ドアプーリ25は、ドア駆動用ベルト24の動作を補助する。
ドア閉計測スイッチ26は、右側かごドアパネル20及び左側かごドアパネル21どちらか一方のドア閉端部に設置され、かごドア2が閉じた際にONして、インターフェース部13にON信号を出力する。
右側かごドアパネル20には、3軸加速度センサー4が設置されている。3軸加速度センサー4は、右側かごドアパネル20のドア開閉方向(X方向)、かごドア2を正面から見たときの奥行き方向(Y方向)、乗りかご移動方向(Z方向)の加速度を計測する。
3軸加速度センサー4が計測した3軸の加速度は加速度データとしてインターフェース部13に取り込まれ、計測データ作成部14にて各方向の速度、距離を示すデータが作成される。また、計測データ作成部14は、各階床でドア開閉方向(X方向)の加速度データの変化(ドア開閉の一連の加速度変化)を捉え、ドア開閉の完了後にドアの開閉回数を階床毎にカウントアップするドア開閉回数カウンタを作成する。計測データ作成部14は、ドア開閉回数カウンタを用いてかごドア2の開閉回数をカウントすることにより、各階床におけるかごドア2の開閉回数を把握することができる。
<かご位置特定装置の設置時に階床情報が初期登録される処理と、エレベーターの通常運用時に階床情報が更新される処理の例>
次に、階床データ作成部15が階床データテーブル15aに階床情報を登録する処理について説明する。
図4は、階床データ作成部15が階床情報を登録する処理の例を示すフローチャートである。階床情報を登録する処理は、かご位置特定装置12が設置された時と、エレベーター50の通常運用時とで行われる。
始めに、かご位置特定装置12が設置された時に行われる階床情報を登録する処理について説明する。かご位置特定装置12が設置された時には、階床データ作成部15に階床情報が登録されていないため、階床情報の初期値が登録される。
まず、エレベーター50の保守員は、建物にかご位置特定装置12を設置した時、エレベーター50の各階運転を実施する。そして、計測データ作成部14は、インターフェース部13を通じて取り込まれた3軸加速度センサー4の出力(加速度データ)に異常があるか否かを判断する(S1)。
例えば、乗りかご1が非常停止した場合などでは、3軸加速度センサー4の出力が、平常運転時の3軸加速度センサー4の出力と異なるため、加速度に急峻な変化が生じる。また、3軸加速度センサー4が不良になると、3軸加速度センサー4からの出力が異常に低くなったり高くなったりする。このため、計測データ作成部14は、3軸加速度センサー4の出力に異常があると判断した場合(S1のYES)、階床データテーブル15aに対する階床データの登録処理を行わず、本処理を終了する。
一方、計測データ作成部14は、3軸加速度センサー4の出力に異常がないと判断した場合(S1のNO)、3軸加速度センサー4の乗りかご移動方向(Z方向)の出力値があるか否かを判断する(S2)。ステップS2の処理は、計測データ作成部14が、乗りかご1が移動階に到着し、停止したことを計測するために行われる。
3軸加速度センサー4の乗りかご移動方向(Z方向)の出力値が“0”でない、すなわち乗りかご移動方向(Z方向)の出力値がある場合(S2のYES)、エレベーター50が起動して乗りかご1が移動するため、気圧センサー5により計測される気圧が変化する(S3)。このため、ステップS1に戻って処理を続ける。一方、3軸加速度センサー4の乗りかご移動方向(Z方向)の出力値が“0”である場合(S2のNO)、計測データ作成部14は、乗りかご1が移動階にて停止していると判断する。
乗りかご1が移動階にて停止していると判断されると、階床データ作成部15は、階床データテーブル15aに各階床の階床情報及び気圧データが登録済みであるか否かを確認する(S4)。
かご位置特定装置12が設置された時点では階床データテーブル15aに、乗りかご1が停止した階床の階床情報及び気圧データが登録されていない(S4のNO)。このため、階床データ作成部15は、乗りかご1が停止した階床の階床情報及び気圧データを階床データテーブル15aに登録し(S5)、本処理を終了する。そして、かご位置特定装置12は、一連の動作を建物の各階床で行い、各階床の気圧データを取得して階床データテーブル15aに登録する。
ここで、階床データテーブル15aの内容を説明する。
図5は、初期値が登録された階床データテーブル15aの内容を示す説明図である。
階床データ作成部15は、階床情報と気圧データの他、3軸加速度センサー4のドア開閉方向(X方向)の加速度データより算出した階床毎のドア開閉回数と、各階床間の気圧データの差分とを階床データテーブル15aに登録する。
階床データテーブル15aには、階床毎のドア開閉回数が登録されるため、最もドア開閉回数が多い階床が、階床データ作成部15により基準階として選択される。なお、かご位置特定装置12を設置したときに、遠隔監視システムを通じてかご位置特定装置12に基準階が設定されてもよい。また、各階床間の気圧データの差分(0.30hPa)は、後述する長時間停電などでテーブルに登録された気圧データと、停電から復電した後に気圧センサー5が計測した気圧データとの差分が大きく異なった場合に、階床データを補正するために使用される。
階床データテーブル15aに各階床の階床情報、気圧データ及び各階床間の気圧データの差分が登録される。このため、かご位置特定部16は、乗りかご1が移動した際、気圧センサー5が計測した気圧データの変化により、乗りかご1が移動する階床を特定することができる。ここで、かご位置特定部16は、次式(1)に示すように、例えば、階床データテーブル15aに登録された各階床の気圧データに対して、気圧データの差分を“2”で割った値を加減した値により階床を切替えて特定する。
(各階床の気圧データ)±(隣接する各階床間の気圧データの差分)/2 …(1)
図5に示す階床データテーブル15aを参照して、かご位置特定部16が階床を特定する処理を説明する。例えば、1階にいた乗りかご1が2階に移動する際、かご位置特定部16は、1階と2階の気圧データの差分である“0.30hPa”を“2”で割った“0.15hPa”を、1階の気圧データである“1010.00hPa”から減算して、“1009.85hPa”を求める。そして、かご位置特定部16は、気圧センサー5が計測した気圧データが“1009.85hPa”から“1010.00hPa”の範囲内であれば、乗りかご1が1階にあり、“1009.70hPa”から“1009.85hPa”の範囲内であれば、乗りかご1が2階にあると特定する。
再び、図4の説明に戻り、エレベーター50の通常運転時に乗りかご1がドア開閉回数の最も多い基準階に到達した場合に、階床データテーブル15aの気圧データを補正する処理について説明する。
ステップS1〜S3の処理は上述した階床データテーブル15aの初期値登録処理と同じ処理と同じであるため、説明を省略する。
計測データ作成部14は、階床データテーブル15aに各階床の階床情報、気圧データが登録済みであるか否かを確認する(S4)。
初期値登録処理により、既に階床データテーブル15aに気圧データが登録されている(S4のYES)。このため、計測データ作成部14は、3軸加速度センサー4から出力された加速度データにより乗りかご1の鉛直方向の加速度が“0”であれば乗りかご1が停止していると判断する。このとき、計測データ作成部14は、階床データテーブル15aを参照し、乗りかご1が基準階(ドア開閉回数が最も多い階床)に停止しているかを判断する(S6)。乗りかご1が基準階に停止していない場合(S6のNO)、計測データ作成部14は、気圧データの補正を行わず、本処理を終了する。
一方、乗りかご1が基準階に停止している場合(S6のYES)、計測データ作成部14は、階床データテーブル15aに登録されている気圧データと、気圧センサー5が計測した気圧データとを比較し、計測した気圧データが、階床データテーブル15aに登録されている気圧データから変化したか否かを判断する(S7)。
気圧センサー5が計測した気圧データが、階床データテーブル15aに登録されている気圧データから変化した場合(S7のYES)、階床データ作成部15は、階床データテーブル15aに登録されている気圧データを更新する(S8)。階床データ作成部15は、階床データテーブル15aに格納される基準階における気圧データを補正した後、気圧データの差分データに基づいて、基準階以外の階床毎に階床データテーブル15aに格納される気圧データを補正する。例えば、基準階(ドア開閉回数が最も多い階)における階床データテーブル15aの気圧データが1010.00hPaであり、気圧センサー5が計測した気圧データが1010.05hPaであったとする。この場合、気候変化に伴い、気圧が変動したことにより、気圧データには0.05hPaの差分が生じたと判断する。
そこで、階床データ作成部15は、階床データテーブル15aに登録されている各階床の気圧データを更新する。
図6は、気圧データが更新された階床データテーブル15aの内容を示す説明図である。階床データテーブル15aに格納される各階床の気圧データは、基準階である1階で計測された気圧の変化に合わせて更新される。
まず、階床データ作成部15は、階床データテーブル15aに格納される1階の気圧データを1010.05hPaに更新する。続いて、階床データ作成部15は、基準階以外の階床である、2階〜5階の気圧データに対しても、連続する階床の気圧データの差分である0.05hPaを加算して気圧データを補正する。
一般にエレベーター50は、基準階(ドア開閉回数が最も多い階)の利用が最も多いので、基準階における階床データテーブル15aの気圧データが頻繁に更新される。このため、保守員により行われる点検作業などで乗りかご1の停止位置にずれが発生したり、階床データテーブル15aの気圧データと気圧センサー5の気圧データとに差が発生したりすると、基準階(ドア開閉回数が最も多い階床)で気圧データが補正される。これにより、気圧センサー5が計測して出力した気圧データと、階床データテーブル15aに格納される気圧データとのずれを補正することができる。
以上説明した第1の実施の形態に係るエレベーター50では、かごドア2の開閉階数が最も多い階床が基準階として選択され、基準階で計測された気圧データを階床データテーブル15aに保存される。そして、基準階から乗りかご1が移動した階床毎に計測された気圧データを階床データテーブル15aに保存する。このため、かご位置特定部16は、エレベーター制御装置11から階床情報を取得できなくても、乗りかご1が停止した位置で計測した気圧データが、階床データテーブル15aに保存された気圧データと一致した階床を、乗りかご1が停止した階床であると判断することができる。また、基準階を設定したことにより、通常運転されている乗りかご1は、他の階床よりも多く基準階に着床する。このため、階床データ作成部15は、基準階にて気圧センサー5が計測した気圧データと、階床データテーブル15aに保存された気圧データとの差異により、階床データテーブル15aを補正すべきか判断しやすくなる。例えば、乗りかご1の自動着床運転が行われたり、エレベーター50の点検などで乗りかご1が階床間に頻繁に停止したりした後、気圧が変化すると、階床データ作成部15により階床データテーブル15aに格納された気圧データが補正される。このため、気圧が変化した後であっても、かご位置特定部16は、乗りかご1が停止した階床で計測される気圧データに基づいて、階床データテーブル15aを参照して乗りかご1の位置を特定することができる。
また、時期や天候、建物の空調設備のオン又はオフの切替えによっても気圧が変わる。この場合、乗りかご1が移動したことを要因として気圧が変わったのか分からなくなる。このため、予め定めた基準階で気圧センサー5が計測した気圧データが、階床データテーブル15aに保存されている気圧データと異なっていれば、階床データ作成部15は、基準階で計測された気圧データを階床データテーブル15aに上書き更新する。そして、階床データテーブル15aに登録されている階床間の気圧データの差分により、他の階床の気圧データを一括更新する。これにより、階床データテーブル15aの補正を迅速化することができる。
また、階床データ作成部15は、乗りかご1に取付けた3軸加速度センサー4及び気圧センサー5から出力される各データだけを用いて階床データテーブル15aに保存される気圧データを補正することができる。このため、既存のエレベーターに対して、大規模な改修を行う必要がない。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係るエレベーター50で行われる処理について、図7〜図9を参照して説明する。
長時間の停電が発生すると、階床データテーブル15aに登録された気圧データと、停電から復電した後に気圧センサー5が計測した気圧データとの差が大きく異なることがある。このように階床データテーブル15aに登録された気圧データと、気圧センサー5が計測した気圧データの実測値とが乖離すると、階床データテーブル15aを参照しても階床データから階床を特定できなくなる。このため、本実施の形態に係るエレベーター50では、停電から復電した後に、階床データテーブル15aに格納されている気圧データを適切な値に補正する処理が行われる。
<停電から復電後に行われる処理の例>
図7は、第2の実施の形態に係るエレベーター50が長時間停電などから復電した後に、階床データテーブル15aに登録されている気圧データの値を補正する処理の例を示すフローチャートである。
停電から復電した後に行われるステップS11〜S13の処理は、図4に示したステップS1〜S3の処理と同じである。ただし、ステップS12において、3軸加速度センサー4から乗りかご移動方向(Z方向)の加速度データの出力がない場合(S12のNO)、ステップ14に進む。
そして、計測データ作成部14は、階床データテーブル15aに登録されている気圧データと、停電から復電した後に気圧センサー5から得られた気圧データとの乖離値が閾値以上であるか否かを判断する(S14)。閾値は、各階床間の気圧データ差分を閾値としてもよいし、任意で定めてよい。ここで、停電が発生したことにより停止した乗りかご1の位置は、停電中に消失しないので、復電した後、計測データ作成部14は、乗りかご1がどの階床で停止しているか分かる。そして、乖離値が閾値未満であれば(S14のNO)、階床データテーブル15aを更新することなく、本処理を終了する。
一方、乖離値が閾値以上であれば(S14のYES)、階床データ作成部15は、気圧センサー5から得た気圧データを、一旦、階床データワークテーブル15bの階床情報が「X」として特定される項目に登録する(S15)。X階は、停電から復電した時に乗りかご1が停止していた階床として階床データ作成部15により設定される。その後、乗りかご1の移動が行われる(S16)。このように階床データ作成部15が階床毎に気圧データを階床データワークテーブル15bに登録する処理は、停電が発生した時点で乗りかご1が停止していた階床にて階床データテーブル15aから取り込んだ気圧データと、復電した時点で計測データ作成部14から取り込んだ気圧データとの差分が閾値以上である場合に行われる。
ここで、階床データワークテーブル15bの内容について、図8とを参照して説明する。
図8は、階床データワークテーブル15bの内容を示す説明図である。
階床データワークテーブル15bは、階床情報と、停電から復電した後に階床データ作成部15が捕捉した気圧データの項目(以下、「停電後気圧データ」と呼ぶ)を備える。
階床データ作成部15は、停電から復電した時に乗りかご1が停止していた階床を不明階とする。例えば、不明階は、X階とされる。そして、階床データ作成部15は、不明階に対して乗りかご1が移動する階床毎に計測データ作成部14から取り込んだ気圧データを階床データワークテーブル15bに登録する。例えば、階床データワークテーブル15bの階床情報項目には、不明階であるX階の他に、X階に対して「1」ずつ加えた「X+1」、「X+2」の階床情報と、「1」ずつ減じた「X−1」、「X−2」の階床情報とが登録されている。
そして、階床データ作成部15は、階床データワークテーブル15bに格納される複数の階床に対して気圧データを登録した後、階床データワークテーブル15bに格納される気圧データにより階床データテーブル15aに登録される気圧データを更新する。例えば、階床データ作成部15は、階床データワークテーブル15bに格納される気圧データを、階床毎に階床データテーブル15aに複写することで、階床データテーブル15aに登録される気圧データを更新する。
ここで、図8では、階床情報の項目に設けられた5つのセルのうち、真ん中のセルにX階が設定された例が示される。ここで、X階に対して加えられ、又は減じられる数の最大値は、エレベーター50が設置される建物の全階床の数から「1」だけ減じた値となる。例えば、建物の全階床の数が「5」であれば、X階に対して「1」だけ減じた「4」がXに対して加えられ、又は減じられる数の最大値となる。このため、X階に対して加えられ、又は減じられる数の最大値を考慮した数のセルを階床データワークテーブル15bの階床情報と、停電後気圧データの項目に設けてもよい。
停電後気圧データの項目には、図7に示す処理のステップS20にて登録される気圧データの値が格納される。停電後気圧データの項目は、乗りかご1の走行回数を表す複数の列により構成される。この例では、1回目の乗りかご1の走行により階床データ作成部15がX階で捕捉した気圧データが「1005.0hPa」であることが示される。ただし、1回目の走行は、復電した直後であるため、乗りかご1が停止した状態とする。
そして、階床データワークテーブル15bでは、2回目の乗りかご1の走行により階床データ作成部15がX+1階で捕捉した気圧データが「1004.70hPa」であり、3回目の乗りかご1の走行により階床データ作成部15がX+2階で捕捉した気圧データが「1004.40hPa」であることが示される。同様に、4回目の乗りかご1の走行により階床データ作成部15がX−2階で捕捉した気圧データが「1005.60hPa」であり、5回目の乗りかご1の走行により階床データ作成部15がX−1階で捕捉した気圧データが「1005.30hPa」であることが示される。このように乗りかご1を、不明階であるX階から上階又は下階に移動させ、全ての階にて気圧データを捕捉することで、階床データワークテーブル15bを気圧データで埋めることができる。
そして、階床データ作成部15は、階床データワークテーブル15bに格納される複数の階床に対して気圧データを登録した後、階床データワークテーブル15bに格納される気圧データを階床毎に階床データテーブル15aに複写する。ここで、階床データ作成部15は、階床データワークテーブル15bに格納される全ての階床に対して気圧データを登録した後、階床データテーブル15aに複写する処理を行うことが望ましい。しかし、各階床間の気圧データの差分が判明していれば、階床データ作成部15は、一部の階床に対して気圧データを登録した後、差分を加算又は減算して作成した気圧データを他の階床に登録することも可能である。
長時間の停電から復電した後、停電前の気圧と比べて、復電後の気圧が大きく変動することがある。このため、復電後に気圧センサー5により計測された気圧データを、階床データテーブル15aに登録されている気圧データと対応付けると、乗りかご1が停止している階床を誤ってしまう。そこで、階床データワークテーブル15bを用意して、復電後に移動した階床毎に気圧センサー5が計測した気圧の気圧データを階床データワークテーブル15bに登録する。ここで、復電後に計測を開始した階床を「X」と設定する。その後、階床データ作成部15は、乗りかご1が、上階(X+n)又は下階(X−n)に移動した階床毎に気圧センサー5から出力された気圧データを取得し、全ての階床の気圧データを取得した後、階床データテーブル15aに気圧データを割当てる。
図7の説明に戻る。
ステップS15の気圧データを階床データワークテーブル15bに登録する処理の後、ステップS16にて乗りかご1が移動し、ある階床で停止すると、計測データ作成部14は、インターフェース部13を通じて取り込まれた加速度データに示される3軸加速度センサー4の出力値に異常があるか否かを判断する(S17)。3軸加速度センサー4の出力値に異常があると判断した場合(S17のYES)、階床データの登録処理を行わず、本処理を終了する。
一方、計測データ作成部14は、3軸加速度センサー4の出力値に異常がないと判断した場合(S17のNO)、3軸加速度センサー4の乗りかご移動方向(Z方向)の出力値があるか否かを判断する(S18)。ステップS17,S18の処理は、ステップS11,S12の処理と同様であるが、ステップS16にて復電後に乗りかご1が移動する際、乗りかご1が予想外の動作をすることを考慮して、改めて3軸加速度センサー4の出力値の異常有無を判断する。
3軸加速度センサー4の乗りかご移動方向(Z方向)の出力値が“0”でない、すなわち乗りかご移動方向(Z方向)の出力値がある場合(S18のYES)、計測データ作成部14は、乗りかご1が移動中であると判断し、ステップS16に戻って処理を続ける。
一方、3軸加速度センサー4の乗りかご移動方向(Z方向)の出力値が“0”である場合(S18のNO)、計測データ作成部14は、乗りかご1が移動階にて停止していると判断する。このため、計測データ作成部14は、乗りかご1が移動した階床数である「n」を算出する処理を行う。この処理は、次式(2)に示すように、乗りかご1の移動後の気圧センサー5の気圧データから階床データワークテーブル15bの階床情報Xに登録された気圧データを減じた値を、各階床間の気圧データの差分で割ることで行われる(S19)。
n=((乗りかご1の移動後の気圧センサー5の気圧データ)−(階床データワークテーブル15bの階床情報Xに登録された気圧データ))÷(各階床間の気圧データの差分) …(2)
次に、階床データ作成部15は、階床データワークテーブル15bの「X」の項目に、ステップS19で算出した「n」を付した階床データテーブル15aに乗りかご1を移動した後の気圧センサー5から出力された気圧データを登録する(S20)。
そして、階床データ作成部15は、階床データワークテーブル15bに全階床分の気圧データが揃ったか否かを判断する(S21)。全階床分の気圧データが揃っていない場合(S21のNO)、階床データ作成部15は、全階床分の気圧データが揃うまでエレベーター50の運転を監視し続ける。このため、階床データ作成部15は、乗りかご1が移動するまで待機し(S22)、ステップS16に戻る。そして、ステップS16〜S22の処理を繰り返す。
一方、全階床分の気圧データが揃った場合(S21のYES)、階床データ作成部15は、階床データワークテーブル15bに登録された気圧データを階床データテーブル15aに複写する。そして、階床データテーブル15aの階床情報に合う気圧データを割当てて(S23)、本処理を終了する。このようにして、長時間の停電から復電した後に階床データテーブル15aの階床情報を補正することが可能となる。
ここで、気圧データが補正された階床データテーブル15aについて、図9を参照して説明する。
図9は、気圧データが補正された階床データテーブル15aの内容を示す説明図である。
図7のステップS23の処理により、階床データワークテーブル15bに登録された気圧データが階床データテーブル15aに複写される。これにより、階床データテーブル15aの気圧データ項目の値は、階床データワークテーブル15bの停電後に階床データ作成部15が捕捉した気圧データの項目の値で更新される。これにより、階床データテーブル15aの内容が、復電後の気圧データとなる。
以上説明した第2の実施の形態に係るエレベーター50では、例えば、長時間の停電から復電した後に、階床データテーブル15aに登録された気圧データと、停電から復電した後に気圧センサー5が計測した気圧データとの差分が大きく異なった場合には、改めて階床毎に気圧データが取込まれる。ここで、復電した時点で乗りかご1が停止していた階床は不明階を表すX階とされる。その後、乗りかご1が上階(X+n)又は下階(X−n)へ移動した際に気圧センサー5により計測された気圧データを階床データ作成部15が捕捉する。そして、階床データ作成部15は、気圧センサー5から階床毎に取り込んだ気圧データを階床データワークテーブル15bに登録する。全ての階床に対する気圧データが階床データワークテーブル15bに登録された後、階床データワークテーブル15bに格納された気圧データが、階床データテーブル15aに複写される。このため、階床データテーブル15aに格納される階床毎の気圧データは、最新の気圧を反映したものとなり、階床データテーブル15aを参照することで乗りかご1が階床毎に停止する位置を正確に把握することが可能となる。
[変形例]
なお、上述した実施の形態では、乗りかご1に3軸加速度センサー4を設置した例について説明したが、計測する加速度の方向は2軸以上であればよい。例えば、乗りかご移動方向(Z方向)と、ドアパネル20、21の開閉方向(X方向)の加速度を計測可能な2軸加速度センサーを乗りかご1に設けてもよい。
また、最上階と最下階に乗りかご1が移動した時に、階床データ作成部15は、乗りかご1が停止したときにインターフェース部13を通じて取得した気圧データの最大値と最小値を求め、最大値の気圧データを計測した階床を最下階とし、最小値の気圧データを計測した階床を最上階と設定してもよい。さらに、階床間の高さが同じであれば、階床データ作成部15は、最下階と最上階に乗りかご1が停止したときにインターフェース部13を通じて取得した気圧データの差分を階床数で割ることで、各階床間の気圧データの差分を求め、各階床に気圧データを割当ててもよい。
また、例えば、1階の高さと、他階の高さとが異なる建物であれば、各階床間の気圧データの差分が異なる。このため、同じ高さの階床について、乗りかご1が停止したときに取得した気圧データの差分を、各階床間の気圧データの差分として階床データテーブル15aに登録してもよい。
また、本発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ここで説明した実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることは可能であり、さらにはある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1…乗りかご、2…かごドア、3…ドア開閉装置、4…3軸加速度センサー、5…気圧センサー、10…乗り場ドア、11…エレベーター制御装置、12…かご位置特定装置、13…インターフェース部、14…計測データ作成部、15…階床データ作成部、15a…階床データテーブル、15b…階床データワークテーブル、16…かご位置特定部、50…エレベーター

Claims (7)

  1. かごドアを有する乗りかごに取付けられた加速度計測部により計測される前記乗りかごの移動方向に生じる加速度の変化に基づいて前記乗りかごの停止を判断した場合に、前記加速度計測部により計測される前記かごドアの移動方向に生じる加速度から前記かごドアの開閉回数を階床毎に求める計測データ作成部と、
    前記乗りかごが昇降路内で停止する前記階床毎に、前記乗りかごに取付けられた気圧計測部により計測される気圧を表す気圧データと、前記かごドアの開閉回数とが紐付けて格納される階床データテーブルと、
    前記階床データテーブルの前記気圧データが、複数の前記階床から選択された基準階に前記乗りかごが到着したときに前記気圧計測部から出力される前記気圧データと異なる場合に、前記気圧計測部から出力される前記気圧データにより、前記階床データテーブルに格納される前記気圧データを補正する階床データ作成部と、を備える
    かご位置特定装置。
  2. 前記階床データテーブルには、複数の前記階床にて前記気圧計測部により計測される前記気圧データの差分を表す差分データが格納され、
    前記階床データ作成部は、前記階床データテーブルに格納される前記基準階における前記気圧データを補正した後、前記差分データに基づいて、前記基準階以外の前記階床毎に前記階床データテーブルに格納される前記気圧データを補正する
    請求項1に記載のかご位置特定装置。
  3. 所定期間における前記かごドアの開閉回数が最も多い前記階床が前記階床データ作成部により前記基準階として選択され、又は、前記乗りかごの動作を監視する遠隔監視装置により任意の階床が前記基準階として設定される
    請求項2に記載のかご位置特定装置。
  4. 前記計測データ作成部から複数の前記階床毎に取り込む前記気圧データを一時的に格納するワークテーブルを備え、
    前記階床データ作成部は、停電から復電した時に前記乗りかごが停止していた階床を不明階とし、前記不明階に対して前記乗りかごが移動する前記階床毎に前記計測データ作成部から取り込んだ前記気圧データを前記ワークテーブルに登録し、前記ワークテーブルに格納される複数の前記階床に対して前記気圧データを登録した後、前記ワークテーブルに格納される前記気圧データにより前記階床データテーブルに登録される前記気圧データを更新する
    請求項3に記載のかご位置特定装置。
  5. 前記階床データ作成部が前記階床毎に前記気圧データを前記ワークテーブルに登録する処理は、前記停電が発生した時点で前記乗りかごが停止していた前記階床にて前記階床データテーブルから取り込んだ前記気圧データと、復電した時点で前記計測データ作成部から取り込んだ前記気圧データとの差分が閾値以上である場合に行われる
    請求項4に記載のかご位置特定装置。
  6. さらに、前記乗りかごが停止したときに、前記計測データ作成部により作成された前記気圧データと、前記階床データテーブルに登録された前記気圧データとが対応する場合に、前記階床データテーブルに登録された前記気圧データに紐付けられた階床を、前記乗りかごが停止した前記階床と特定するかご位置特定部を備える
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のかご位置特定装置。
  7. かごドアを有する乗りかごに取付けられた加速度計測部により計測される前記乗りかごの移動方向に生じる加速度の変化に基づいて前記乗りかごの停止を判断した場合に、前記加速度計測部により計測される前記かごドアの移動方向に生じる加速度から前記かごドアの開閉回数を階床毎に求めるステップと、
    前記乗りかごが昇降路内で停止する前記階床毎に、前記乗りかごに取付けられた気圧計測部により計測される気圧を表す気圧データと、前記かごドアの開閉回数とが紐付けて格納される階床データテーブルの前記気圧データが、複数の前記階床から選択された基準階に前記乗りかごが到着したときに前記気圧計測部から出力される前記気圧データと異なる場合に、前記気圧計測部から出力される前記気圧データにより、前記階床データテーブルに格納される前記気圧データを補正するステップと、を含む
    かご位置特定方法。
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