JP6564147B2 - エレベーター故障の遠隔復旧システム - Google Patents

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Description

本発明は、エレベーターで故障が発生した際にこれを遠隔から復旧させるシステムに関する。
従来から、エレベーターで故障等の不具合が生じたときに、遠隔の管理センター等から復旧指令を送り、その復旧を図るシステムが知られている。
例えば特許文献1では、ビル内設機器の個別制御要求(顧客要求)が発生すると、監視センタでビル内設備機器の仕様に応じて更新プログラムを再構築し、通信手段を介して制御装置に伝送し検証プログラムとして格納させる。検証プログラムに切り替えて自己診断を実施し、自己診断の結果が良好であれば、検証プログラムを稼動プログラムに複写する(更新する)。一方、自己診断結果に問題が生じると既存の稼動プログラムに切り替えるとともに監視センタに異常通知を行う。
また特許文献2では、作業機械から発生したエラーログ(エラーコード)を読んで作業機械の状態を監視する機能と、作業機械の制御用ソフトウェアを書き換えることで機体制御プログラムを変更する機能を有するソフト書き換えシステムが開示されている。このシステムでは、作業機械で発生したエラーコードを読み取り、不具合発生箇所と不具合内容を特定し、作業機械の機体制御プログラム中の設定値を書き換えることで、作業機械の不具合を調整する。
特開2009−286600号公報 特開2008−144435号公報
本発明は、故障等の不具合をプログラム更新によって解消するに当たり、より確実な復旧が可能な、エレベーター故障の遠隔復旧システムを提供することを目的とする。
本発明は、エレベーターの駆動制御を行うエレベーター制御装置と通信する、エレベーターの遠隔復旧装置に関する。当該遠隔復旧装置は、情報処理装置及び復旧診断データベースを備える。情報処理装置は、エレベーター制御装置からエレベーターの故障コードを含む故障信号を受信するとともに、エレベーターの故障に対応する復旧指令をエレベーター制御装置に発信する。復旧診断データベースには、故障コードに対応する複数種類の復旧指令及びそれぞれの復旧指令が実行されたときの復旧率が記憶される。情報処理装置は、エレベーター制御装置から故障信号を受信したときに、故障信号に含まれる故障コードに対応する、プログラム更新指令を含む複数種類の復旧指令を抽出する。さらに情報処理装置は、抽出されたそれぞれの復旧指令の復旧率を参照し、プログラム更新指令に対応する復旧率が他の復旧指令と比較して高いときに、プログラム更新指令をエレベーター制御装置に発信する。
また、上記発明において、遠隔復旧装置は、故障信号発信時におけるエレベーター制御装置に適用された、現バージョンのプログラムとは異なるバージョンのプログラムが記憶されたプログラムデータベースを備えてもよい。この場合において、現バージョンのプログラムよりも新しいバージョンのプログラムがプログラムデータベースに記憶されている場合に、情報処理装置は、プログラム更新指令として、新しいバージョンのプログラムをエレベーター制御装置に送信してもよい。
また、上記発明において、遠隔復旧装置は、新しいバージョンのプログラムを更新する複数のエレベーター制御装置の更新スケジュールが定められたプログラム更新スケジュール管理データを記憶する記憶部を備えてもよい。この場合において、情報処理装置は、プログラム更新指令として新しいバージョンのプログラムをエレベーター制御装置に送信する際に、当該送信先のエレベーター制御装置のプログラム更新スケジュール管理データにおける更新順序を先頭に繰り上げてもよい。
また、上記発明において遠隔復旧装置は、故障信号発信時におけるエレベーター制御装置に適用された、現バージョンのプログラムとは異なるバージョンのプログラムが記憶されたプログラムデータベースを備えてもよい。この場合において、情報処理装置は、現バージョンのプログラムよりも新しいバージョンのプログラムがプログラムデータベースに記憶されていない場合に、プログラム更新指令として、現バージョンのプログラムよりも前のバージョンのプログラムをエレベーター制御装置に送信してもよい。
本発明によれば、プログラム更新による復旧動作を、その復旧率が、他の復旧動作と比較して高い場合に実行する。これにより、故障等の不具合をプログラム更新によって、従来よりも確実に解消可能となる。
本発明の実施形態におけるエレベーター故障の遠隔復旧システムの構成を示す系統図である。 本発明の実施形態におけるエレベーター故障の遠隔復旧システムの機能ブロック図である。 図2に示す保守データベースの構成を示す図である。 図2に示す復旧診断データベースの構成を示す図である。 本発明の実施形態におけるエレベーター故障の遠隔復旧システムの動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態におけるエレベーター故障の遠隔復旧システムの動作を示すフローチャートである。 他の復旧診断データベースの構成を示す図である。 他の復旧診断データベースの構成を示す図である。 本発明の実施形態におけるエレベーター故障の遠隔復旧システムの構成のうち、特にプログラム更新指令に関連する構成を示す系統図である。 本発明の実施形態におけるエレベーター故障の遠隔復旧システムの機能ブロックのうち、特にプログラム更新指令に関連する機能ブロックを示す図である。 プログラム更新履歴データを例示する図である。 プログラムのダウンロードプロセスを説明するフローチャートである。 プログラム更新スケジュール管理データを例示する図である。 図5における復旧指令選択ステップS106の詳細を説明する図である。 復旧診断データベースの構成の別例を示す図である。
以下、図面を参照しながら本実施形態のエレベーター故障の遠隔復旧システム100について説明する。図1に示すように、遠隔復旧システム100は、ビル10の昇降路11の中に配置されたエレベーター20の駆動制御を行うエレベーター制御装置200と、エレベーター制御装置200と通信し、エレベーター20に故障の復旧動作を行わせる遠隔復旧装置300とを備えている。遠隔復旧装置300が復旧動作を行わせるエレベーター20は、1台でもよいし複数台であってもよい。また、エレベーター20が複数の場合には、各エレベーター20は同一のビル10に設置されていてもよいし、異なるビル10に設置されていてもよい。
エレベーター制御装置200は、エレベーター20の駆動制御を行う制御盤210と通信装置250とを含んでいる。制御盤210は内部にCPUとメモリとを含むコンピュータである。また、遠隔復旧装置300は、通信装置320と監視盤330を含む遠隔監視センター310と、情報処理装置360と、保守データベース370と、復旧診断データベース380とを含んでいる。遠隔監視センター310と情報処理装置360と保守データベース370と復旧診断データベース380とは同じ場所に設置されていてもよいし、別々の場所に設置されてお互いをインターネット回線等によって接続するようにしてもよい。
通信装置250は、制御盤210に接続され、制御盤210からの出力を通信ネットワーク30に発信する。また、通信装置250は、情報処理装置360が復旧診断データベース380を参照して選択した制御盤210に対する指令を通信装置320、通信ネットワーク30を介して受信し、制御盤210に出力する。通信装置320は、制御盤210からの信号を通信装置250、通信ネットワーク30を介して受信し、情報処理装置360に出力する。また、通信装置320は、情報処理装置360が選択した制御盤210に対する指令を通信ネットワーク30に発信する。通信装置250、320は無線通信を行う機器であってもよいし有線通信を行う機器であってもよい。また、通信ネットワーク30は、インターネット通信網であってもよいし、電話回線網であってもよい。
遠隔監視センター310は、情報処理装置360とデータの授受を行い、エレベーター20の運行状況、故障状況を監視する監視盤330が配置されている。監視盤330には、エレベーター20の運行状況、故障状況、情報処理装置360からの通知等が表示されるディスプレイ331と、ディスプレイ331の表示を操作するスイッチ332とが設けられている。また、監視盤330には通信ネットワーク35を介してサービスセンター340との通信を行う電話333が備えられている。
保守データベース370は、エレベーター20の仕様や検査、保守、修理等の履歴データが格納されている。復旧診断データベース380は、エレベーター20の制御盤210から出力された故障コードに対応する複数の故障要因とその件数および復旧率等のデータが格納されている。
情報処理装置360は、内部にCPUとメモリとを含むコンピュータである。情報処理装置360には、エレベーター20に故障が発生した際に制御盤210が出力する故障信号が通信装置250、320、通信ネットワーク30を介して入力される。情報処理装置360は、故障信号が入力されると復旧診断データベース380のデータを参照して故障信号に含まれる故障コードに対応する復旧指令と復旧診断指令を選択する。選択された復旧指令と復旧診断指令とは、通信装置250、320と通信ネットワーク30を介して制御盤210に入力され、エレベーター20に復旧動作、復旧診断動作を実行させる。
図2に示すように、保守データベース370には、エレベーター仕様データ371、検査履歴データ372、保守作業履歴データ373、遠隔点検履歴データ374、変調履歴データ375、修理工事履歴データ376、故障履歴データ377、故障要因別データ378が格納されている。
以下、図3を参照しながら、エレベーター仕様データ371、検査履歴データ372、保守作業履歴データ373、遠隔点検履歴データ374、変調履歴データ375、修理工事履歴データ376、故障履歴データ377、故障要因別データ378のデータ構造について説明する。
エレベーター仕様データ371は、エレベーター20の管理番号、機種、製造日、製造番号、設置ビルの名称、設置ビルの用途のデータを格納するデータ構造を有している。設置ビルの用途とは、例えば、事務所、一般居住用、飲食店、学校等である。
検査履歴データ372は、エレベーター20の管理番号、技術者350が現地で行った検査の日時、検査項目、検査結果のデータを格納するデータ構造を有している。検査とは、例えば、図1に示すエレベーター20のドア13、26の開閉状態の検査、各階の停止位置の検査(階床12とカゴ22の床27との高さずれ量の点検)、ワイヤ23の検査、走行速度の検査等である。また、検査結果には、検査の結果、異常が発見されたかどうかや、異常は発見されなかったが清掃等の保守作業が必要、あるいは、近々部品交換が必要である等が入力されている。なお、図1において符号25は錘を示す。
保守作業履歴データ373は、エレベーター20の管理番号、技術者350が現場で行ったエレベーター20の保守作業日時、保守作業項目、保守作業結果を格納するデータベース構造を有している。保守作業項目とは、例えば、エレベーター20の運転状態の点検、エレベーター20のドアレールの清掃、図1に示す駆動装置24への給油、エレベーター20のブレーキの調整等である。保守作業結果には、点検、清掃、給油、調整等を実施した実績が入力されている。
遠隔点検履歴データ374は、エレベーター20の管理番号、遠隔点検日時、遠隔点検項目、遠隔点検結果を格納するデータ構造を有している。エレベーター20の遠隔点検は、例えば、一か月に1回等予め設定されたスケジュールに従って、エレベーター20の制御盤210によって実施される。エレベーター20の制御盤210は、図1に示すエレベーター20のカゴ22を所定の階に移動させる。この移動の際にエレベーター20に取り付けられた各種のセンサによって運転性能(加速度、異常音の有無)、ドア開閉、ブレーキ、非常用バッテリ、外部連絡装置等に異常がないかを点検する。その点検結果を通信装置250、320、通信ネットワーク30を介して情報処理装置360から遠隔点検履歴データ374に格納するものである。なお、遠隔点検は、遠隔監視センター310からの指示によって行うようにしてもよい。
変調履歴データ375は、エレベーター20の管理番号、変調発生日時、変調項目、変調対応結果を格納するデータ構造を有している。エレベーター20の変調とは、技術者350による検査、点検、保守作業、あるいは遠隔点検の結果が異常値には達しないが、そのエレベーター20の通常の値よりも変化しているような場合をいう。例えば、走行速度の検査を行った結果、許容値内に入っているが、前回点検の際、あるいはそのエレベーター20の今までの検査結果の値からのずれが大きいような場合に、変調項目の中に「走行速度」と記録される。
修理工事履歴データ376は、エレベーター20の管理番号、修理工事日時、修理工事項目、修理工事結果を格納するデータ構造を有している。修理工事とは、ワイヤ23の交換、ハンガローラ交換、ブレーキパッド交換、制御基板交換、リレー交換等の部品交換による復旧工事である。従って、修理工事項目には、「ワイヤ交換」、「ハンガローラ交換」、「ブレーキパッド交換」等の交換部品の名称が入力され、修理工事結果の欄には、「修理工事終了」、「再修理必要」等の事項が入力される。
故障履歴データ377は、エレベーター20の管理番号、故障発生日時、故障コード、復旧方法、復旧判定結果を格納するデータ構造を有している。故障コードとは、エレベーター20に故障が発生した際に制御盤210から出力される数字あるいは数字と英文字とを組み合わせたコードである。故障コードの種類は、例えば、1000種類程度である。復旧方法の項目には、例えば、技術者350が出動して検査、点検、復旧を行った場合には「技術者出動」のように入力される。また、復旧方法の項目には、例えば、遠隔復旧システム100によって復旧した場合には「遠隔復旧」のように入力される。復旧判定結果の項目には、エレベーター20が復旧して運行再開した場合には、「復旧」のように入力される。また、復旧判定結果の項目には、エレベーター20が復旧に失敗した場合には、「失敗」のように入力される。
故障要因別データ378は、ある故障コードが制御盤210から出力された際に、技術者350が現場に出動して検査、点検した結果によるその故障コードに対応する故障要因の件数、および、遠隔復旧システム100で復旧した場合のその故障コードに対応する故障要因の件数の合計件数が格納されている。例えば、故障コードがドア13、26に関する故障を示す0001の場合、技術者350が現地で点検した結果、その故障コード「0001」の出力された要因がドア敷居のゴミ詰まり(故障要因1)であったり、ドア開閉装置のスイッチの接触不良(故障要因2)であったり、その他の故障要因3であったりする。そこで、故障要因別データは、故障コード「0001」が出力された場合、ドア敷居のゴミ詰まり要因(故障要因1)の場合が100件、ドア開閉装置のスイッチの接触不良が要因(故障要因2)の場合が50件、その他の故障要因3の場合が10件というようなデータ構造で、その件数が多い順にデータが並べられるように構成されている。遠隔復旧システム100による復旧の場合、復旧指令によってエレベーター20の復旧に成功した場合にその復旧指令の基礎となった故障コードに対応する故障要因の件数が全体の故障要因の件数に追加される。
図4に示すように、復旧診断データベース380は、故障要因別データ378の故障要因の件数の多い順に、復旧指令と復旧診断指令のセットである復旧診断指令セットと、その復旧指令の実行によってエレベーター20の故障が復旧した割合である復旧率(%)が格納されている。復旧診断データベース380は、先に説明した故障要因別データ378に復旧診断指令セットと復旧率とをリンクさせたデータベースである。
以下、故障コードがドア13、26に関する故障を示す「0001」の場合の復旧診断データベース380のデータ構成について説明する。ドア敷居のゴミ詰まりが要因(故障要因1)の場合、復旧診断データは、故障要因1の件数データに復旧指令として「ドア回路リセット+ドア高トルク開閉」、復旧診断指令として「ドア開閉診断」、の2つの指令のセットである復旧診断指令セットAと、この復旧指令による復旧動作による復旧率x%とをリンクさせたデータ構成となっている。同様に、ドア開閉装置のスイッチの接触不良が要因(故障要因2)の場合には、復旧診断データは、故障要因2の件数データに復旧指令として「ドア回路リセット+ドア開閉リトライ」、復旧診断指令として「ドア開閉診断」の2つの指令のセットである復旧診断指令セットBと、この復旧指令による復旧動作の復旧率y%とをリンクさせたデータ構成となっている。同様に、故障要因3の場合には、復旧診断データは、故障要因3の件数データに復旧診断指令セットCと復旧率z%とをリンクさせたデータ構成となっている。このように、復旧診断データベース380は、故障コードと、その故障コードに対応する故障要因と、その故障要因の件数と、復旧指令と復旧診断のセットである復旧診断指令セットと、復旧率とを対応づけてデータベースに格納したものである。なお、本実施形態では、復旧率y%は復旧率x%、z%よりも大きな数値であり、復旧診断指令セットBは復旧診断指令セットA、復旧診断指令セットCよりも復旧率が高くなっている。
以下、図2および図5、図6を参照して、エレベーター20から故障信号が発信された場合の遠隔復旧システム100の動作について説明する。以下の説明では、最初にドア13、26に関する故障コード信号「0001」が発信された場合の遠隔復旧動作について説明する。次に、制御盤210の中に組み込まれている制御回路に関する故障コード「0002」が発信された場合の遠隔復旧動作について説明する。その次に、駆動装置24の中のブレーキに関する故障コード「0003」が発信された場合の遠隔復旧動作について説明する。なお、遠隔復旧システム100は、上記以外の部分に関する故障コードが発信された場合にも対応可能である。
図2および図5のステップS101に示すように、エレベーター20の制御盤210は、エレベーター20に故障が発生した否かの判断を行う。エレベーター20のドア13、26に関する故障、例えば、ドア開閉不良等の故障が発生した場合、制御盤210は、故障発生日時と故障がドアに関する故障であることを示す故障コード「0001」を通信装置250に出力する。エレベーター20に故障が発生しない場合には、制御盤210は、ステップS101の最初に戻ってエレベーター20の監視を継続する。
通信装置250は制御盤210から故障コード「0001」が入力されると、図2および図5のステップS102に示すように、故障コード「0001」およびエレベーター20の管理番号および故障発生日時を含む故障信号を通信ネットワーク30に発信する。図2および図5のステップS103に示すように、遠隔監視センター310の通信装置320は、通信ネットワーク30を介して通信装置250が発信した故障信号を受信する。通信装置320は、故障信号を受信すると、故障信号に含まれる故障コード「0001」とエレベーター20の管理番号、および、故障発生日時を情報処理装置360に出力する。情報処理装置360は、入力された故障コード「0001」とエレベーター20の管理番号、故障発生日時を保守データベース370の故障履歴データ377に格納する。
そして、情報処理装置360は、図5のステップS104に示すように、故障の発生したエレベーター20が遠隔復旧可能かどうかを判断する。情報処理装置360は、図2および図3に示すように、エレベーター20の管理番号を用いてエレベーター仕様データ371からエレベーター20の機種、製造日、製造番号を取得する。情報処理装置360は、取得した仕様データに基づいて、そのエレベーター20が遠隔復旧装置300からの復旧指令、復旧診断指令によって復旧動作、復旧診断動作が可能な仕様であるかどうか確認する。情報処理装置360は、エレベーター20が遠隔復旧動作の不可能な機種である場合には、図2および図5のステップS124に示すように、遠隔監視センター310に遠隔復旧不可を通知する信号を出力する。
また、情報処理装置360は、図2に示すように、検査履歴データ372、保守作業履歴データ373、遠隔点検履歴データ374、変調履歴データ375、修理工事履歴データ376、故障履歴データ377を参照して、以下の(a)〜(f)について確認する。
(a)エレベーター20が最近の検査で調整手直し指示があったものである。
(b)エレベーター20が最近、あるいは、当日に保守計画があり調整ミスの可能性が予測されるものである。
(c)遠隔点検でエレベーター20に異常の診断結果があった。
(d)最近、エレベーター20に変調の発生があった。
(e)エレベーター20が、最近、修理工事が実施されているものである。
(f)エレベーター20が、最近、同様の故障コード「0001」による故障信号を発信している。
そして、上記(a)〜(f)のいずれか1つまたは複数に該当する場合には、情報処理装置360は、遠隔復旧システム100による復旧よりも技術者350をビル10に派遣した方が良いと判断し、図5のステップS104でNOと判断する。そして、図2および図5のステップS124に示すように、情報処理装置360は、遠隔監視センター310に遠隔復旧不可の通知を出力する。
更に、情報処理装置360は、エレベーター20の管理番号を用いてエレベーター仕様データ371と故障履歴データ377から、ビル10が故障信号の誤発信の多い建物であるかを確認する。このような場合には、情報処理装置360は、故障信号の誤発信の可能性が大きいので、遠隔復旧システム100による復旧よりも技術者350をビル10に派遣した方が良いと判断し、図5のステップS104でNOと判断する。そして、情報処理装置360は、図2および図5のステップS124に示すように、遠隔監視センター310に遠隔復旧不可の通知を出力する。
情報処理装置360から遠隔監視センター310に出力された遠隔復旧不可の通知は、図2に示すように、遠隔監視センター310のディスプレイ331に表示される。監視者334は、この表示を確認したら、図2および図6のステップS125に示すように、エレベーター20の運行休止の指示、および、アナウンス動作を行わせる。そして、監視者334は、電話333によって図2および図6のステップS126に示すように、ビル10近隣のサービスセンター340に技術者350をビル10に派遣するように指示する。
図5のステップS104でエレベーター20が遠隔復旧不可との判断をした場合は、情報処理装置360はステップS103において、入力された故障コード「0001」とエレベーター20の管理番号、故障発生日時を保守データベース370の故障履歴データ377に格納する。そして、情報処理装置360は、保守データベース370の他のデータの更新、並びに、復旧診断データベース380の更新は行わずに遠隔復旧動作を終了する。
一方、図5に示すステップS104において、情報処理装置360は、図2に示すように、検査履歴データ372、保守作業履歴データ373、遠隔点検履歴データ374、変調履歴データ375、修理工事履歴データ376、故障履歴データ377を参照して以下の(g)〜(n)について確認する。
(g)エレベーター20が遠隔復旧装置300からの復旧指令、復旧診断指令によって復旧動作、復旧診断動作が可能な仕様である。
(h)エレベーター20が最近の検査で調整手直し指示があったものではない。
(i)エレベーター20が、最近、あるいは、当日に保守計画がなく調整ミスの可能性が予測されるものではない。
(j)遠隔点検でエレベーター20に異常の診断結果がない。
(k)最近、エレベーター20に変調の発生がない。
(l)エレベーター20が、最近、修理工事が実施されているものではない。
(m)エレベーター20が、最近、同様の故障コード「0001」による故障信号を発信していない。
(n)ビル10が故障信号の誤発信の多い建物ではない。
そして、上記(g)〜(n)の全ての要件を満たす場合には、情報処理装置360は、図5に示すステップS104でYESと判断し、ステップS105で遠隔監視センター310に遠隔復旧開始を通知する。この信号は、遠隔監視センター310のディスプレイ331に表示される。これにより遠隔監視センター310の監視者334にエレベーター20の遠隔復旧が開始されることが通知される。
情報処理装置360は、ステップS105で遠隔監視センター310に遠隔復旧開始を通知したら、図5に示すステップS106に進み、故障コード「0001」に対応する復旧指令と復旧診断指令を選択する。先に、図4を参照して説明したように、復旧診断データベース380は、故障要因別データ378に復旧診断指令セットと復旧率とをリンクさせたデータベースである。以下、故障コードがドア13、26に関する故障を示す「0001」の場合の復旧診断データベース380のデータ構成について再度簡単に説明しておく。ドア敷居のゴミ詰まりが要因(故障要因1)の場合には、復旧診断データは、故障要因1の件数データに復旧指令として「ドア回路リセット+ドア高トルク開閉」、復旧診断指令として「ドア開閉診断」、の2つの指令のセットである復旧診断指令セットAと、この復旧指令による復旧動作による復旧率x%とをリンクさせたデータ構成となっている。同様に、ドア開閉装置のスイッチの接触不良が要因(故障要因2)の場合には、復旧診断データは、故障要因2の件数データに復旧指令として「ドア回路リセット+ドア開閉リトライ」、復旧診断指令として「ドア開閉診断」の2つの指令のセットである復旧診断指令セットBと、この復旧指令による復旧動作の復旧率y%とをリンクさせたデータ構成となっている。同様に故障要因3の場合には、復旧診断データは、故障要因3の件数データに復旧診断指令セットCと復旧率z%とをリンクさせたデータ構成となっている。また、先に説明したように、復旧率y%は復旧率x%、z%よりも大きな数値であり、復旧診断指令セットBは復旧診断指令セットA、復旧診断指令セットCよりも復旧率が高くなっている。
情報処理装置360は、故障コード「0001」に対応する複数の故障要因の内の件数が最も多い故障要因に応じた指令を復旧指令として選択してもよい。また、情報処理装置360は、故障コード「0001」に対応する複数の指令の内の復旧率が最も高い指令を復旧指令として選択してもよい。そして情報処理装置360は、選択した復旧指令に対応する復旧診断指令が選択した復旧指令とセットとなっている復旧診断指令セットを選択する。
まず、情報処理装置360が、故障コード「0001」に対応する複数の故障要因の内で件数が最も多い故障要因に応じた指令を復旧指令として選択する場合について説明する。情報処理装置360は、復旧診断データベース380を参照して、復旧指令として故障コード「0001」の場合に最も件数の多い故障要因を確認する。そして、情報処理装置360は、最も件数の多い故障要因であるドア敷居のゴミ詰まり(故障要因1)に対応する復旧動作を実行させる復旧指令である「ドア回路リセット+ドア高トルク開閉」と、この復旧動作の結果に対応する復旧診断動作を実行させる復旧診断指令である「ドア開閉診断」の2つからなる復旧診断指令セットAを選択する。
次に、情報処理装置360が、故障コード「0001」に対応する複数の指令の内の復旧率が最も高い指令を復旧指令として選択する場合について説明する。情報処理装置360は、復旧診断データベース380を参照して、復旧指令として故障コード「0001」に対応する復旧率が最も高い復旧率を確認する。そして、情報処理装置360は、最も高い復旧率y%であるスイッチの接触不良が要因(故障要因2)に対応する復旧動作を実行させる復旧指令である「ドア回路リセット+ドア開閉リトライ」と、この復旧動作の結果に対応する復旧診断動作を実行させる復旧診断指令である「ドア開閉診断」の2つからなる復旧診断指令セットBを選択する。
復旧診断指令セットを選択する場合、故障コード「0001」に対応する最も件数の多い故障要因に基づくか、故障コード「0001」に対応する復旧診断指令セットの復旧率に基づくかの選択は次のように行ってもよい。例えば、最大件数と次の件数との比率(件数比率)と最大復旧率と次の復旧率の比率(復旧率比率)のうち、比率が大きくなっている方、つまり、次の数値に対して最大値が突出している方を選択してもよい。また、例えば、前回の遠隔復旧で失敗した場合には、前回と異なる選択方法をとるようにしてもよい。また、復旧診断指令セットの選択は、例えば、エレベーター20の機種、仕様等によって決定してもよい。
以下の説明では、情報処理装置360が故障コード「0001」に対応する最も件数の多い故障要因1に基づいて復旧診断指令セットAを選択した場合について説明する。
図5のステップS106で復旧診断指令セットAを選択したら、情報処理装置360は、図2および図5のステップS107に示すように、選択した復旧診断指令セットAを通信装置320から発信する。図2および図5のステップS108に示すように、通信装置250は、通信装置320から復旧診断指令セットAを受信したら、復旧指令と復旧診断指令とを制御盤210に出力する。
制御盤210は、まず、図5のステップS109に示すように、エレベーター20が停止していること、カゴ22の重量センサ、カゴ22内のカメラ、カゴ22内の人物センサ等の出力からカゴ22の中に乗客がいないことを確認する。そして、制御盤210は、エレベーター20が停止していること、カゴ22の中に乗客がいないことを確認したら、カゴ22の中に設置された通話装置のスピーカーから「これから遠隔復旧を開始します。エレベーターのドアが開閉します。」等のアナウンスを行う。
制御盤210は、アナウンスが終了したら、図5のステップS110に進み、復旧指令に従って復旧動作を実行する。いま、受信している復旧指令は、ドア敷居のゴミ詰まり(故障要因1)に対応する復旧動作を実行させる復旧指令である「ドア回路リセット+ドア高トルク開閉」であるから、制御盤210は、まず、制御盤210のドア回路をリセットする。この動作は、ドア回路がドア13またはドア26が開閉不能で、開(または閉)状態、あるいは半開(または半閉)状態を検知している状態をリセットし、ドア13またはドア26を開閉動作可能とする動作である。次に、制御盤210は、ドア13およびドア26の駆動モータのトルクを通常よりも20〜30%高くして通常よりも大きな力でドア13およびドア26を開閉動作させる。この動作は、ドアの敷居に詰まっていたゴミを敷居から移動させ、ドア13、26の開閉動作を通常状態に復旧する動作である。上記動作によってドア13、26の敷居に詰まっていたゴミが移動し、ドア13、26の開閉が復旧したかどうかを確認するため、制御盤210は、図5のステップS111に示すように、復旧診断指令である「ドア開閉診断」を実行する。制御盤210は、通常のトルクでドア13およびドア26の開閉を行い、所定の開閉時間で開閉動作ができているか、ドア13およびドア26の駆動モータの電流が通常よりも大きくなっていないかを確認する。次に制御盤210は、駆動モータのトルクを通常よりも20%程度低くしてドア13およびドア26を開閉し、開閉時間に異常がないかを確認する。
そして、制御盤210は、図5のステップS112に示すように、復旧診断動作によってドア13、26が通常状態に復旧したと判断した場合には、図5のステップS113に進む。ステップS113において、制御盤210は、エレベーター20が復旧したという判定結果信号を出力する。この信号は、通信装置250から通信ネットワーク30に発信される。発信された判定結果信号は、図6のステップS114に示すように通信装置320で受信され、判定結果は情報処理装置360に入力される。また、判定結果は、図6のステップS115に示すように、情報処理装置360から遠隔監視センター310に通知され、その結果が遠隔監視センター310のディスプレイ331に表示される。遠隔監視センター310の監視者334は、この表示を確認したら、図6のステップS116に示すように、エレベーター20の運行再開、および、アナウンス動作を行わせる。また、情報処理装置360は、図6のステップS117、ステップS118に示すように、保守データベース370と、復旧診断データベース380とを更新する。
一方、制御盤210は、復旧診断動作の結果、図5のステップS112でNOと判断した場合には、図5のステップS119に進む。ステップS119において制御盤210は、エレベーター20の復旧に失敗したという判定結果信号を出力する。この信号は、通信装置250から通信ネットワーク30に発信される。発信された判定結果信号は、図6のステップS120に示すように通信装置320で受信され、判定結果は情報処理装置360に入力される。また、判定結果は、図6のステップS121に示すように、情報処理装置360から遠隔監視センター310に通知され、その結果が遠隔監視センター310のディスプレイ331に表示される。監視者334は、この表示を確認したら、図6のステップS122に示すように、エレベーター20の運行休止の指示、および、アナウンス動作を行わせる。また、監視者334は、電話333によって図2および図6のステップS123に示すように、ビル10近隣のサービスセンター340に技術者350をビル10に派遣するように指示する。また、情報処理装置360は、図6のステップS117、ステップS118に示すように、保守データベース370と、復旧診断データベース380とを更新する。
情報処理装置360は、図5のステップS113に示すようなエレベーター20が復旧したという判定信号が入力された場合、次のように、保守データベース370を更新する。
図5のステップS113に示すようなエレベーター20が復旧したという判定信号が入力された場合には、情報処理装置360は、故障履歴データ377の復旧方法の項目に「遠隔復旧」、復旧判定結果の項目に「復旧」を格納する。先に、説明したように、通信装置320が故障信号を受信した際に、情報処理装置360は、通信装置320から入力された故障コード「0001」とエレベーター20の管理番号、故障発生日時を保守データベース370の故障履歴データ377に格納している。従って、今回の復旧方法、復旧判定結果の格納により、故障履歴データ377の全ての項目が更新されることになる。
また、今回の遠隔復旧において情報処理装置360は、復旧診断データベース380を参照して、復旧指令として故障コード「0001」の場合に最も件数の多い故障要因であるドア敷居のゴミ詰まり(故障要因1)に対応する復旧動作を実行させる復旧指令である「ドア回路リセット+ドア開閉リトライ」と、この復旧動作の結果に対応する復旧診断動作を実行させる復旧診断指令である「ドア開閉診断」の2つからなる復旧診断指令セットAを選択して復旧動作および復旧診断動作を実行させている。従って、エレベーター20の復旧に成功した場合には、復旧診断データベース380の故障コード「0001」、故障要因1(ドア敷居のゴミ詰まり)の件数を1件多くし、復旧に成功した分だけ復旧率を高くする。また、情報処理装置360は、故障要因別データ378の故障コード「0001」の故障要因1の件数を1件多くする。
一方、情報処理装置360は、図5のステップS119に示すようなエレベーター20の復旧に失敗したという判定信号が入力された場合、次のように、保守データベース370と復旧診断データベース380を更新する。図5のステップS119に示すようなエレベーター20の復旧に失敗したという判定信号が入力された場合には、情報処理装置360は、故障履歴データ377の復旧方法の項目に「遠隔復旧」、復旧判定結果の項目に「失敗」を格納する。また、復旧診断データベース380の故障コード「0001」、故障要因1(ドア敷居のゴミ詰まり)の件数はそのままとし、復旧に失敗した分だけ復旧率を低下させる。なお、復旧に失敗した場合には、故障要因別データ378の故障コード「0001」の故障要因1の件数は変更されない。
以上の説明では、情報処理装置360が故障コード「0001」に対応する最も件数の多い故障要因に基づいて復旧診断指令セットAを選択した場合について説明した。情報処理装置360が故障コード「0001」に対応する復旧診断指令セットの復旧率に基づいて復旧診断指令セットBを選択した場合には、「ドア高トルク開閉」の復旧動作に代えて、通常のトルクでドア13、26の開閉動作を再度行う「ドア開閉リトライ」の復旧動作を行う点が異なる。その他の動作は復旧診断指令セットAを選択した場合と同様である。
エレベーター20の遠隔復旧に成功すると、それまで、故障コード「0001」の場合に最も件数の多い故障要因であったドア敷居のゴミ詰まり(故障要因1)の件数が多くなる。このため、遠隔復旧システム100が故障コード「0001」に対応する最も件数の多い故障要因に基づいて復旧診断指令セットを選択する場合、次の遠隔復旧の際に故障コード「0001」が入力された際に、情報処理装置360は、再度、復旧診断指令セットAを選択する。また、復旧診断指令セットAの復旧率が復旧診断指令セットBの復旧率よりも高くなった場合には、情報処理装置360が故障コード「0001」に対応する複数の指令の内で復旧率が最も高い指令を復帰指令として選択する場合でも、復旧診断指令セットAを選択する。
一方、エレベーター20の遠隔復旧に失敗すると、故障要因別データ378の故障コード「0001」の故障要因1の件数は変更されないが、復旧診断指令セットAの復旧率が低下する。これにより、復旧診断指令セットBの復旧率が相対的に高くなる。つまり、復旧診断指令セットBの復旧診断指令セットAに対する復旧率比率が高くなる。この復旧率比率が故障要因2の件数に対する故障要因1の件数の比率として計算される件数比率よりも大きくなると、情報処理装置360は、故障コード「0001」に対応する複数の指令の内で復旧率が最も高い指令を復帰指令として選択するようになる。このため、情報処理装置360は、次の遠隔復旧の際に故障コード「0001」が入力された場合には、復旧率が最も高い復旧診断指令セットBを選択する。また、情報処理装置360が前回の遠隔復旧で復旧に失敗した復旧診断指令セットAを選択しない場合には、故障要因1の次に故障コード「0001」に対応する件数の多い故障要因2にリンクした復旧診断指令セットBを選択する。
また、情報処理装置360が故障コード「0001」に対応する複数の指令の内で復旧率が最も高い復旧診断指令セットBを選択してエレベーター20の復旧に成功した場合には、復旧診断指令セットBの復旧率が高くなる。従って、情報処理装置360は、次の遠隔復旧では、前回と同様、復旧診断指令セットBを選択する。一方、復旧診断指令セットBでエレベーター20の復旧に失敗した場合には復旧診断指令セットBの復旧率が低くなる。そして、復旧診断指令セットBの復旧率が復旧診断指令セットAの復旧率よりも低くなったら、情報処理装置360は、復旧診断指令セットAを選択する。なお、情報処理装置360が前回の遠隔復旧で復旧に失敗した復旧診断指令セットBを選択しない場合には、復旧診断指令セットBの次に故障コード「0001」に対応する復旧率の高い復旧診断指令セットAを選択する。
このように、遠隔復旧システム100は、遠隔復旧に成功すると故障要因の件数、選択した復旧診断指令セットの復旧率を増加させる。また、遠隔復旧システム100は、遠隔復旧に失敗すると故障要因の件数はそのままで、選択した復旧診断指令セットの復旧率を低下させる。このため、遠隔復旧に成功すると、その遠隔復旧で選択した復旧診断指令セットが次の遠隔復旧の際に選択される可能性が高くなる。また、遠隔復旧に失敗するとその遠隔復旧で選択した復旧診断指令セットが次の遠隔復旧の際に選択される可能性が低くなる。このため、遠隔復旧の回数が多くなるに従って、情報処理装置360は、復旧診断データベース380から故障コードに対応した復旧可能性の高い復旧診断指令セットを選択できるようになり、エレベーター20の復旧の確実性を向上させていくことができる。
以上説明した実施形態では、制御盤210からドア13、26に関する故障であることを示す故障コード「0001」が出力された場合の遠隔復旧システム100の動作について説明した。次に、制御盤210から、制御回路に関する故障であることを示す故障コード「0002」が出力された場合について説明する。なお、故障コード「0001」が出力された場合と同様の動作については、説明は省略する。
故障コードが制御回路に関する故障を示す「0002」の場合、技術者350が現地で点検した結果、その故障コード「0002」の出力された要因が制御盤210に取り付けられているリレーに不具合のある場合(故障要因4)であったり、リレーを駆動するリレー駆動回路に不具合がある場合(故障要因5)であったり、その他の故障要因6であったりする。故障要因別データ378は、故障コード「0002」の場合、リレーに不具合が要因(故障要因4)の場合が100件、リレー駆動回路の不具合が要因(故障要因5)の場合が50件、その他の故障要因6の場合が10件というようなデータ構造で、その件数が多い順にデータが並べられるように構成されている。先に説明したと同様、遠隔復旧システム100による復旧の場合、復旧指令によってエレベーター20の復旧に成功した場合にその復旧指令の基礎となった故障コードに対応する故障要因の件数が全体の故障要因の件数に追加される。
図7に示すように、復旧診断データベース380は、故障要因別データ378に復旧診断指令セットと復旧率とをリンクさせたデータベースである。以下、故障コードが制御回路に関する故障を示す「0002」の場合の復旧診断データベース380のデータ構成について説明する。リレーに不具合のある場合(故障要因4)には、復旧診断データは、故障要因4の件数データに復旧指令として「制御回路リセット+低速アップ、ダウン運転」、復旧診断指令として「各階運転、高速運転診断」、の2つの指令のセットである復旧診断指令セットDと、この復旧診断指令による復旧動作による復旧率a%とをリンクさせたデータ構成となっている。リレー駆動回路に不具合がある場合(故障要因5)には、復旧診断データは、故障要因5の件数データに復旧指令として「制御回路リセット+最上階、最下階間運転」、復旧指令として「各階運転、高速運転診断」、の2つの指令のセットである復旧診断指令セットEと、この復旧診断指令による復旧動作による復旧率b%とをリンクさせたデータ構成となっている。同様に故障要因6の場合には、復旧診断データは、故障要因6の件数データに復旧診断指令セットFと復旧率c%とをリンクさせたデータ構成となっている。このように、復旧診断データベース380は、故障コードと、その故障コードに対応する故障要因と、その故障要因の件数と、復旧指令と復旧診断のセットである復旧診断指令セットと、復旧率とを対応づけてデータベースに格納したものである。なお、復旧率は、復旧診断指令セットEのb%が最も高くなっている。
故障コードが「0002」の場合、情報処理装置360が、情報処理装置360が故障コード「0002」に対応する最も件数の多い故障要因に基づいて復旧診断指令セットDを選択した場合、情報処理装置360は、復旧診断指令セットDを制御盤210に送信する。制御盤210は、制御回路リセット動作を実行した後、エレベーター20のカゴ22を低速で上昇、下降させる低速アップ、ダウン運転を実行する。その後、制御盤210は、ドア13、26の開閉を行わずに各階に停止する各階運転、複数の階間を高速で運転する高速運転を実行し、各階に停止する運転、および、高速での走行運転に異常がないかを確認する。制御盤210は、各階運転、高速運転で異常のない場合には、エレベーター20の復旧に成功した判定結果を出力する。また、各階運転、高速運転で異常が検出された場合には、制御盤210は、エレベーター20の復旧に失敗した判定結果を出力する。この判定結果は、制御盤210から通信装置250、320を介して情報処理装置360に入力される。情報処理装置360は、先に説明したと同様、判定結果に基づいてより復旧可能性の高い復旧診断指令セットを選択することができるように、故障履歴データ377、故障要因別データ378、復旧診断データベース380を更新する。
また、情報処理装置360が故障コード「0002」に対応する復旧率が最も高い復旧診断指令セットEを選択した場合、情報処理装置360は、復旧診断指令セットEを制御盤210に送信する。制御盤210は、制御回路リセット動作を実行した後、エレベーター20のカゴ22を最下階と最上階との間で移動させる最下階、最上階間運転を実行する。次に、制御盤210は、先に説明した各階運転、高速運転を実行し、エレベーター20の復旧診断を行い、エレベーター20の復旧に成功したか失敗したかの判定結果を出力する。先に説明したと同様、この判定結果は、制御盤210から通信装置250、320を介して情報処理装置360に入力される。情報処理装置360は、判定結果に基づいてより復旧可能性の高い復旧診断指令セットを選択することができるように、故障履歴データ377、故障要因別データ378、復旧診断データベース380を更新する。
次に、故障コードがブレーキに関する故障であることを示す「0003」の場合について説明する。
故障コードがブレーキに関する故障を示す0003の場合、技術者350が現地で点検した結果、その故障コード「0003」の出力された要因が制御盤210のブレーキ回路の異常が要因(故障要因7)であったり、その他の故障要因8、故障要因9であったりする。そこで、故障要因別データ378は、故障コード「0003」の場合、ブレーキ回路の異常が要因(故障要因7)の場合が100件、故障要因8の場合が50件、その他の故障要因9の場合が10件というようなデータ構造で、その件数が多い順にデータが並べられるように構成されている。先に説明したと同様、遠隔復旧システム100による復旧の場合、復旧指令によってエレベーター20の復旧に成功した場合にその復旧指令の基礎となった故障コードに対応する故障要因の件数が全体の故障要因の件数に追加される。
図8に示すように、復旧診断データベース380は、故障要因別データ378に復旧診断指令セットと復旧率とをリンクさせたデータベースである。以下、故障コードがブレーキに関する故障を示す「0003」の場合の復旧診断データベース380のデータ構成について説明する。ブレーキ回路の異常が要因(故障要因7)の場合には、復旧診断データは、故障要因7の件数データに復旧指令として「制御回路リセット」、復旧診断指令として「ブレーキトルク診断」、の2つの指令のセットである復旧診断指令セットGと、この復旧診断指令による復旧動作による復旧率d%とをリンクさせたデータ構成となっている。故障要因8、故障要因9の場合には、復旧診断データは、故障要因8および故障要因9の各件数データに復旧診断指令セットHと復旧率e%、復旧診断指令セットIと復旧率f%をそれぞれリンクさせたデータ構成となっている。このように、復旧診断データベース380は、故障コードと、その故障コードに対応する故障要因と、その故障要因の件数と、復旧指令と復旧診断のセットである復旧診断指令セットと、復旧率とを対応づけてデータベースに格納したものである。なお、復旧率は、復旧診断指令セットHのe%が最も高くなっている。
次に制御盤210がブレーキに関する故障発生を検出した場合の遠隔復旧システム100の動作について説明する。
故障コードが「0003」の場合、情報処理装置360が、図5のステップS106で情報処理装置360が故障コード「0003」に対応する最も件数の多い故障要因に基づいて復旧診断指令セットGを選択した場合、情報処理装置360は、復旧診断指令セットGを制御盤210に送信する。
故障コードが「0003」の場合、この復旧診断指令セットGを受信したら、制御盤210は、図5のステップS109に示す現場確認において、ブレーキトルク診断動作を実行する。ブレーキトルク診断動作は、機械的なブレーキで駆動装置24の中の巻上機が回転しない状態とし、巻上機に駆動力を与えてブレーキの保持力で巻上機が回転しないことを確認する動作である。この動作で異常がなければ、制御盤210は、図5のステップS109でエレベーター20の現場確認ができたとして遠隔復旧のアナウンスを行う。その後、図5のステップS110に進んで、制御盤210は、制御回路リセット動作を実行する。
その後、制御盤210はブレーキトルク診断動作を実行する。制御盤210は、この動作により巻上機の回転がない場合には、エレベーター20の復旧に成功した判定結果を出力する。また、巻上機が回転した場合には、制御盤210は、エレベーター20の復旧に失敗した判定結果を出力する。この判定結果は、制御盤210から通信装置250、320を介して情報処理装置360に入力される。情報処理装置360は、判定結果に基づいて復旧可能性の高い復旧診断指令セットを選択することができるように、故障履歴データ377、故障要因別データ378、復旧診断データベース380を更新する。
また、先に説明したと同様、情報処理装置360が故障コード「0003」に対応する復旧率が最も高い復旧診断指令セットHを選択して制御盤210に復旧動作および復旧診断動作を実行させることもできる。
なお、制御盤210は、ブレーキトルク診断動作で異常があった場合には、遠隔復旧を開始できないと判断し、遠隔復旧動作を実行せず、遠隔監視センター310に遠隔復旧不可を通知する。
以上説明したように、遠隔復旧システム100は、エレベーター20でいろいろな故障が発生した場合に、エレベーター20から離れた場所に配置された遠隔復旧装置300からの指令でエレベーター20に復旧動作、復旧診断動作を実行させてエレベーター20の復旧を行うことができる。このため、エレベーター20に故障が発生した際に技術者350を現地に出動させることなくエレベーター20を短時間で復旧することができ、エレベーター20の運行サービス向上を図ることができる。
また、遠隔復旧システム100は、復旧判定結果に基づいて次回の遠隔復旧の際により復旧可能性が高い復旧診断指令セットを選択することができるように、故障履歴データ377、故障要因別データ378、復旧診断データベース380を更新する。このため、遠隔復旧の回数が多くなるに従って、情報処理装置360は、復旧診断データベース380から故障コードに対応したより適切な復旧診断指令セットを選択できるようになる。これにより、更に、エレベーター20の復旧を確実に行うことができ、復旧にかかる時間を短縮してエレベーター20の運行サービス向上を図ることができる。
<プログラム更新指令による遠隔復旧処理>
図9〜図15を用いて、プログラム更新指令による遠隔復旧処理について説明する。図9には、本発明の実施形態におけるエレベーター故障の遠隔復旧システムの構成のうち、特にプログラム更新指令に関連する構成が示されている。図1との違いは、遠隔復旧装置300がプログラムデータベース390を備えた点にある。また、プログラムデータベース390にアクセス可能な構成として、情報処理装置360に加えて開発センター400を加えた点にある。開発センター400と遠隔復旧装置300とは通信ネットワーク37を介して通信可能となっている。通信ネットワーク37は、インターネット通信網であってもよいし、電話回線網であってもよい。
図10には、本発明の実施形態におけるエレベーター故障の遠隔復旧システムの機能ブロックのうち、特にプログラム更新指令に関連する機能ブロックが示されている。図2との違いは、図9と同様に、遠隔復旧装置300がプログラムデータベース390を備えた点にある。また、プログラムデータベース390にアクセス可能な構成として、情報処理装置360に加えて開発センター400を加えた点にある。
加えて、保守データベース370(記憶部)には、プログラム更新履歴データ381、プログラム更新スケジュール管理データ382が含まれる。図11には、プログラム更新履歴データ381が例示されている。このデータには、エレベーター制御装置200の制御プログラムの更新履歴が保存されている。
データはエレベーター管理番号毎に管理される。管理内容には、エレベーター管理番号に加えて、エレベーター機種、適用プログラム、適用プログラムのバージョン、及び現バージョンのプログラムの更新日が含まれる。
一般的に、エレベーター20の機種に応じて異なる制御プログラムが適用される。例えば油圧式エレベーターとロープ式エレベーターとで異なる制御プログラムが適用される。また単機管理エレベーターと群管理エレベーターとで異なる制御プログラムが適用される。さらに高層階用エレベーターと低層階用エレベーターとで異なる制御プログラムが適用される。図11に示す機種とは、例えば上述の油圧式とロープ式との区別、単機管理と群管理との区別、及び、高層階用と低層階用との区別が反映されている。図11では、機種記号の前にPを付けて、その機種に適合した制御プログラムとしている。例えば機種AAAに対する適用プログラムとしてプログラムPAAAと表記している。このような制御プログラムは、例えば昇降機に対するプログラマブル電子システムの基準であるPESSRAL(Programmable Electronic Systems in Safety-Related Applications for Lifts)に準拠している。
プログラム更新スケジュール管理データ382は、プログラムデータベース390に新しいバージョンの制御プログラムが格納(ダウンロード)された際に情報処理装置360によって生成される。
エレベーター制御装置200の制御プログラムは、例えば遠隔復旧装置300から離れた開発センター400にて生成される。開発センター400では新しいバージョンの制御プログラムが順次生成される。例えば開発センター400にて新しい機能が開発されると、これに伴う処理がエレベーター制御装置200にて可能となるように、新しいバージョンの制御プログラムが生成される。
プログラムデータベース390には、機種別の制御プログラムが旧バージョンから新バージョンに至るまで記憶されている。つまりエレベーター制御装置200に適用された現バージョンの制御プログラムを含め、これとは異なる(新旧の)バージョンの制御プログラムも記憶されている。開発センター400にて新しいバージョンの制御プログラムが生成されたときには、プログラムデータベース390に追加される。
図12には、制御プログラムの更新スケジュールの作成フローが例示されている。図12のフロー実行に当たり、情報処理装置360には、各ステップを実行する機能部が仮想的に生成される。情報処理装置360は、定期的に、または開発センター400からの告知に基づいて、開発センター400のプログラムデータベースを参照する(S1002)。
次に、開発センター400のプログラムデータベースに格納されている制御プログラムと、遠隔復旧装置300のプログラムデータベース390に格納された制御プログラムとを比較する。すなわち、開発センター400のプログラムデータベースに格納されている制御プログラムのうち、遠隔復旧装置300のプログラムデータベース390には格納されていない、未登録の、つまり新バージョンの制御プログラムがあるか否かを判定する(S1004)。開発センター400のプログラムデータベースに新バージョンの制御プログラムが無い場合は、フローが終了する。
開発センター400のプログラムデータベースに新バージョンの制御プログラムがある場合、情報処理装置360は開発センター400から当該新バージョンの制御プログラムを取得(ダウンロード)する(S1006)。
さらに情報処理装置360は、プログラム更新履歴データ381を参照して、取得した新バージョンの制御プログラムと同一種のプログラムが適用されたエレベーター20(より正確にはエレベーター管理番号)を抽出する(S1008)。
その後、情報処理装置360は、抽出されたエレベーター20に対する、新バージョンの制御プログラムの、エレベーター制御装置200への更新スケジュールを作成する(S1010)。要するに制御プログラムを新しいバージョンに更新するアップグレード(バージョンアップ)の順番を設定する。アップグレードの順番設定に当たり、例えばエレベーター20及びエレベーター制御装置200の製造日の古い順から先にアップグレードするように、更新スケジュールを設定する。このように更新の順序が定められると、図13に示すようにプログラム更新スケジュール管理データ382として保存される。
次に、遠隔復旧指令動作としてのプログラム更新について説明する。例えばエレベーター制御装置200の制御盤(CPU基板)の異常が検出されたとき、プログラム更新によって当該異常が解消される場合がある。
例えばエレベーター制御装置200に適用される制御プログラムの現バージョンをVer.2.0、その一世代前のバージョンをVer.1.0、現バージョンから一世代後のバージョンをVer.3.0で表す。
Ver.1.0では、エレベーター20の機能として、例えば特定の階を通過する停止階スキップ機能が設けられているとする。またVer.2.0には、停止階スキップ機能に加えて、特定階強制停止機能が追加されているものとする。さらにVer.3.0には停止階スキップ機能にて設定された通過階と特定強制停止機能にて設定された強制停止階とが重複するときに、特定階強制停止機能を優先させる調整機能がさらに追加されたとする。
このとき、現バージョンVer.2.0にて停止階スキップ機能にて設定された通過階と特定強制停止機能にて設定された強制停止階とが重複すると、相反する両機能が競合して制御盤210(CPU基板)の異常(例えばシステムフリーズ)に繋がるおそれがある。このような異常に対して、例えばどちらか一方の機能の設定階を変更すれば、制御盤210の異常は解消される。また、制御プログラムを更新して、特定階強制停止機能が搭載されていない旧バージョンのVer.1.0か、両機能が競合したときに調整する調整機能が設けられた新バージョンのVer.3.0に更新すれば、制御盤210の異常は解消される。
すなわち、上記の例では、復旧動作として、設定階の変更(パラメータ変更)、及び制御プログラム更新の2種類が挙げられる。前者については故障(異常)の原因が明らかであれば効果的であるが、例えば上述した故障コードが故障機器(例えばCPU基板)しか示さない場合、故障原因を特定することは困難となり、後者による復旧が一つの合理的な対応策となる。
以上を踏まえて、以下では、復旧動作としてプログラム更新を行うときの、エレベーター故障の遠隔復旧システム動作について説明する。
遠隔復旧システムの基本フローは図5にて説明済みであるため、各ステップの説明を適宜省略する。ステップS106にて、故障コードに対応する復旧指令と復旧診断指令を選択するに当たり、情報処理装置360は図14に例示するフローを実行する。なお、図14のフロー実行に当たり、情報処理装置360には、各ステップを実行する機能部が仮想的に生成される。例えばステップS1014を実行するに当たり、復旧診断指令セット選択部が生成され、ステップS1022を実行するに当たり、更新スケジュール確認部が生成され、ステップS1026を実行するに当たり、更新スケジュール変更部が生成される。
すなわち、情報処理装置360は、復旧診断データベース380を参照して、エレベーター制御装置200から送信された故障信号に含まれる故障コードに対応する復旧診断指令セットを抽出する(S1012)。図15には、故障コード「0015」、すなわち、故障機器が制御盤210のCPU基板であるときの、復旧診断指令セットが例示されている。この例では、故障要因10(例えばシステムフリーズ)として、復旧診断指令セットK1,K3の2セットが例示されている。復旧診断指令セットK1では、復旧処理としてプログラム更新が含まれ、復旧診断指令セットK3では、復旧処理としてパラメータ変更が含まれる。また、復旧診断データベース380には、復旧診断指令セット別の復旧率(成功率)が記憶されている。ここでは、復旧率g% > h% > i%とする。
情報処理装置360は、故障コードに対応する復旧診断指令セットのうち、最も高い復旧率のセットを選択する(S1014)。例えば復旧処理にプログラム更新を含む復旧診断指令セットK1の復旧率g%が他の復旧診断指令セットK2,K3の復旧率h%,i%よりも高いので、復旧診断指令セットK1が選択される。
次に情報処理装置360は、選択された復旧診断指令セットの復旧指令がプログラム更新であるか否かを判定する(S1016)。復旧指令がプログラム更新とは異なるものである場合、選択された復旧診断指令セットに応じて処理が実行される(S1018)。
選択された復旧診断指令セットの復旧指令がプログラム更新である場合、情報処理装置360は、更新対象の制御プログラムとして、現プログラムの旧バージョンと新バージョンのどちらを適用するかを判定する。具体的には、プログラムデータベース390に現バージョンよりも新しいバージョンのプログラムが記憶されている場合、その新バージョンのプログラムがプログラム更新指令として送信される。
情報処理装置360は、プログラム更新スケジュール管理データ382を参照して(S1020)、復旧対象のエレベーター20(エレベーター制御装置200)の管理番号がプログラム更新スケジュール管理データ382に含まれているか否かを判定する(S1022)。
復旧対象のエレベーター20の管理番号がプログラム更新スケジュール管理データ382に含まれていない場合、つまり、エレベーター制御装置200にとって現バージョンの制御プログラムよりも新しいバージョンのプログラムがプログラムデータベース390に記憶されていない場合、情報処理装置360は、現バージョンの一世代前の旧バージョンの制御プログラムを更新プログラムとして選択する(S1024)。その後、エレベーター制御装置200には旧バージョンの制御プログラムが送信され、更新(ダウングレード)が行われる。
一方、プログラム更新スケジュール管理データ382に、復旧対象のエレベーター20の管理番号が含まれている場合、情報処理装置360は、当該復旧対象のエレベーター20(エレベーター制御装置200)の更新順序を先頭に繰り上げる(S1026)。更新順序が繰り上げられることで、復旧対象のエレベーター制御装置200に適用される更新プログラムは新バージョンのものとなる(S1028)。これにより、エレベーター制御装置200には新バージョンの制御プログラムが送信され、更新(アップグレード)が行われる。
なお、本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲により規定されている本発明の技術的範囲ないし本質から逸脱することない全ての変更および修正を包含するものである。
10 ビル、11 昇降路、12 階床、13 ドア、20 エレベーター、22 カゴ、23 ワイヤ、24 駆動装置、25 錘、26 ドア、27 床、30,35,37 通信ネットワーク、100 遠隔復旧システム、200 エレベーター制御装置、210 制御盤、250 通信装置、300 遠隔復旧装置、310 遠隔監視センター、320 通信装置、330 監視盤、331 ディスプレイ、332 スイッチ、333 電話、334 監視者、340 サービスセンター、350 技術者、360 情報処理装置、370 保守データベース、371 エレベーター仕様データ、372 検査履歴データ、373 保守作業履歴データ、374 遠隔点検履歴データ、375 変調履歴データ、376 修理工事履歴データ、377 故障履歴データ、378 故障要因別データ、380 復旧診断データベース、381 プログラム更新履歴データ、382 プログラム更新スケジュール管理データ、390 プログラムデータベース、400 開発センター。

Claims (2)

  1. エレベーターの駆動制御を行うエレベーター制御装置と通信する、エレベーターの遠隔復旧装置であって、
    前記エレベーター制御装置から前記エレベーターの故障コードを含む故障信号を受信するとともに、前記エレベーターの故障に対応する復旧指令を前記故障信号発信元のエレベーター制御装置に発信する情報処理装置と、
    前記故障コードに対応する複数種類の前記復旧指令及びそれぞれの前記復旧指令が実行されたときの復旧率が記憶された復旧診断データベースと、
    前記故障信号発信時における前記故障信号発信元のエレベーター制御装置に適用され現バージョンのプログラムとは異なるバージョンのプログラムが記憶されたプログラムデータベースと、
    前記現バージョンより新しいバージョンのプログラムを更新する複数のエレベーター制御装置の更新スケジュールが定期的に定められプログラム更新スケジュール管理データを記憶する記憶部と、
    を備え、
    前記情報処理装置は、
    前記故障信号発信元のエレベーター制御装置から前記故障信号を受信したときに、前記故障信号に含まれる前記故障コードに対応する、プログラム更新指令を含む複数種類の前記復旧指令を抽出し、
    抽出されたそれぞれの前記復旧指令の復旧率を参照し、前記プログラム更新指令に対応する復旧率が他の前記復旧指令と比較して高いときに、前記プログラム更新指令を前記故障信号発信元のエレベーター制御装置に発信し、
    前記現バージョンのプログラムよりも新しいバージョンのプログラムが前記プログラムデータベースに記憶されている場合に、前記情報処理装置は、前記プログラム更新指令として、前記新しいバージョンのプログラムを前記故障信号発信元のエレベーター制御装置に送信し、
    前記プログラム更新指令として前記新しいバージョンのプログラムを前記故障信号発信元のエレベーター制御装置に送信する際に、当該送信先の前記故障信号発信元のエレベーター制御装置の前記プログラム更新スケジュール管理データに含まれ前記定期的に定められる前記更新スケジュールにおける更新順序を先頭に繰り上げることで、前記新しいバージョンのプログラムを前記故障信号発信元のエレベーター制御装置に送信する
    エレベーターの遠隔復旧装置。
  2. 請求項1に記載のエレベーターの遠隔復旧装置であって、
    前記情報処理装置は、前記現バージョンのプログラムよりも新しいバージョンのプログラムが前記プログラムデータベースに記憶されていない場合に、前記プログラム更新指令として、前記現バージョンのプログラムよりも前のバージョンのプログラムを前記故障信号発信元のエレベーター制御装置に送信する、
    エレベーターの遠隔復旧装置。
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