JP6437176B2 - エレベーター故障の遠隔復旧システム - Google Patents

エレベーター故障の遠隔復旧システム Download PDF

Info

Publication number
JP6437176B2
JP6437176B2 JP2018545507A JP2018545507A JP6437176B2 JP 6437176 B2 JP6437176 B2 JP 6437176B2 JP 2018545507 A JP2018545507 A JP 2018545507A JP 2018545507 A JP2018545507 A JP 2018545507A JP 6437176 B2 JP6437176 B2 JP 6437176B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elevator
failure
recovery
remote
command
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018545507A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2018100609A1 (ja
Inventor
西山 秀樹
秀樹 西山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Mitsubishi Electric Building Techno-Service Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Mitsubishi Electric Building Techno-Service Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp, Mitsubishi Electric Building Techno-Service Co Ltd filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Publication of JPWO2018100609A1 publication Critical patent/JPWO2018100609A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6437176B2 publication Critical patent/JP6437176B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66BELEVATORS; ESCALATORS OR MOVING WALKWAYS
    • B66B5/00Applications of checking, fault-correcting, or safety devices in elevators
    • B66B5/0087Devices facilitating maintenance, repair or inspection tasks
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66BELEVATORS; ESCALATORS OR MOVING WALKWAYS
    • B66B3/00Applications of devices for indicating or signalling operating conditions of elevators
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66BELEVATORS; ESCALATORS OR MOVING WALKWAYS
    • B66B5/00Applications of checking, fault-correcting, or safety devices in elevators

Landscapes

  • Maintenance And Inspection Apparatuses For Elevators (AREA)
  • Indicating And Signalling Devices For Elevators (AREA)

Description

本発明は、エレベーターで故障が発生した際に遠隔復旧を行うシステムに関する。
従来から、エレベーターの駆動制御を行う制御盤に接続され、エレベーターが故障した際にエラーコードを含む故障信号を発信する通信端末と、通信端末から発信された故障信号を受信してエラーコードに該当する故障履歴データを検索して保守員の持つ携帯端末に送信する監視センターとを備え、保守員の持つ携帯端末が監視センターから受信したエラーコードを解析して故障原因毎の復旧内容として表示するエレベーターの故障復旧支援システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された故障復旧支援システムは、保守員が故障の発生したエレベーターに到着する前に、エレベーターの故障内容を知ることができ、建物に到着後すぐに復旧作業を進めることができ復旧作業を効率的に行うことを可能とする。
また、サーバーが予めトラブル種別情報と復旧情報とを対応づけたデータベースを検索し、画像形成装置から受信したトラブル種別情報によるトラブルが自動復旧可能かどうかを判断し、自動復旧可能なトラブルと判断した場合にその画像形成装置に自動復旧処理を行わせ、画像形成装置は自動復旧処理の後に自動復旧処理が適切であったかどうかを判断してサーバーに送信し、サーバーがデータベースを更新する管理システムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−104644号公報 特開2002−230195号公報
しかし、特許文献1に記載されたシステムでは、エレベーターが故障した場合には、保守員あるいは技術者が現場に出動してエレベーターを復旧する必要があるため復旧までに時間がかかり、エレベーターの運行サービスが低下してしまうという問題がある。
また、特許文献2に記載されたシステムでは、装置の保守、点検、修理等の履歴を考慮せず、装置から送信されたトラブル種別情報によって自動復旧可能かどうかを判断している。このため、装置の保守、点検、修理等の履歴から技術者を派遣した方が適切な場合であっても自動復旧を実行してしまい、結果として装置の復旧が遅れてしまい、顧客へのサービス品質が低下してしまうという問題がある。このため、特許文献2に記載さたれシステムをエレベーターに適用するとエレベーターの運行サービスが低下してしまう場合がある。一方で、近年、エレベーターの運行サービス向上の要求は益々高くなってきている。
そこで、本発明は、エレベーターの運行サービス向上を図ることを目的とする。
本発明のエレベーター故障の遠隔復旧システムは、エレベーターの駆動制御を行うエレベーター制御装置と、前記エレベーター制御装置と通信し、前記エレベーターに故障の復旧動作を行わせる遠隔復旧装置と、を備え、前記遠隔復旧装置は、少なくとも前記エレベーターの仕様と前記エレベーターが設置されている建物の特性と前記エレベーターの保守点検履歴と前記エレベーターの修理履歴と前記エレベーターの故障履歴とを格納した保守データベースを含み、前記エレベーター制御装置は、前記エレベーターの故障を検出した際に故障信号を発信し、前記遠隔復旧装置は、前記故障信号を受信した際に、前記保守データベースを参照し、前記エレベーターまたは前記建物が予め定めた特定の要件に該当する場合には、前記エレベーターの復旧動作を禁止し、前記特定の要件は、前記エレベーターが遠隔復旧可能な仕様でないこと、前記エレベーターが直近に保守点検または修理を行っていること、前記エレベーター制御装置が直近に同様の故障コードを含む他の故障信号を発信していること、前記建物が、前記建物に設置されている前記エレベーターからの故障信号の誤発信が多い特性を有すること、の少なくとも1つまたはいずれかの組み合わせであることを特徴とする。
本発明のエレベーター故障の遠隔復旧システムにおいて、前記遠隔復旧装置は、前記エレベーターの故障状況を表示するディスプレイを備える遠隔監視センターを含み、前記遠隔復旧装置は、前記エレベーターの復旧動作を禁止した場合には、前記ディスプレイに前記エレベーターの点検または修理を行う技術者の派遣指示を表示してもよい。
本発明のエレベーター故障の遠隔復旧システムにおいて、前記故障信号は、前記エレベーターの故障コードを含み、前記遠隔復旧装置は、前記故障信号を受信した際に、前記保守データベースを参照し、前記エレベーターまたは前記建物が予め定めた特定の要件に該当しない場合には、前記故障信号に含まれる故障コードに対応する復旧指令と復旧診断指令とを前記エレベーター制御装置に発信し、前記エレベーター制御装置に前記エレベーターの復旧動作と復旧診断動作とを実行させてもよい。
本発明のエレベーター故障の遠隔復旧システムにおいて、前記復旧指令は、前記故障コードに対応する複数の故障要因の内で件数が多い故障要因に応じた指令、または、前記故障コードに対応する複数の復旧指令の内で、その復旧指令によって前記エレベーターが復旧した割合である復旧率が高い指令としてもよい。
本発明のエレベーター故障の遠隔復旧システムにおいて、前記エレベーター制御装置は、前記復旧指令に応じて実行した復旧動作の後、前記復旧診断動作によって前記エレベーターが復旧したかどうかを判定し、判定結果を前記遠隔復旧装置に送信し、前記遠隔復旧装置は、前記故障コードと、前記故障コードに対応する前記故障要因の件数と、前記復旧指令と、前記復旧診断指令と、前記復旧率とを対応づけた復旧診断データベースを備え、前記エレベーター制御装置が送信した前記エレベーターが復旧したかどうかの前記判定結果に基づいて、前記故障コードに対応する前記故障要因の件数および前記復旧率を更新してもよい。
本発明は、エレベーターの運行サービス向上を図ることができる。
本発明の実施形態におけるエレベーター故障の遠隔復旧システムの構成を示す系統図である。 本発明の実施形態におけるエレベーター故障の遠隔復旧システムの機能ブロック図である。 図2に示す保守データベースの構成を示す図である。 図2に示す復旧診断データベースの構成を示す図である。 本発明の実施形態におけるエレベーター故障の遠隔復旧システムの動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態におけるエレベーター故障の遠隔復旧システムの動作を示すフローチャートである。 図5に示すステップS104の詳細を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら本実施形態のエレベーター故障の遠隔復旧システム100について説明する。図1に示すように、遠隔復旧システム100は、ビル10の昇降路11の中に配置されたエレベーター20の駆動制御を行うエレベーター制御装置200と、エレベーター制御装置200と通信し、エレベーター20に故障の復旧動作を行わせる遠隔復旧装置300とを備えている。遠隔復旧装置300が復旧動作を行わせるエレベーター20は、1台でもよいし複数台であってもよい。また、エレベーター20が複数の場合には、各エレベーター20は同一のビル10に設置されていてもよいし、異なるビル10に設置されていてもよい。
エレベーター制御装置200は、エレベーター20の駆動制御を行う制御盤210と通信装置250とを含んでいる。制御盤210は内部にCPUとメモリとを含むコンピュータである。また、遠隔復旧装置300は、通信装置320と監視盤330を含む遠隔監視センター310と、情報処理装置360と、保守データベース370と、復旧診断データベース380とを含んでいる。遠隔監視センター310と情報処理装置360と保守データベース370と復旧診断データベース380とは同じ場所に設置されていてもよいし、別々の場所に設置されてお互いをインターネット回線等によって接続するようにしてもよい。
通信装置250は、制御盤210に接続され、制御盤210からの出力を通信ネットワーク30に発信する。また、通信装置250は、情報処理装置360が復旧診断データベース380を参照して選択した制御盤210に対する指令を通信装置320、通信ネットワーク30を介して受信し、制御盤210に出力する。通信装置320は、制御盤210からの信号を通信装置250、通信ネットワーク30を介して受信し、情報処理装置360に出力する。また、通信装置320は、情報処理装置360が選択した制御盤210に対する指令を通信ネットワーク30に発信する。通信装置250、320は無線通信を行う機器であってもよいし有線通信を行う機器であってもよい。また、通信ネットワーク30は、インターネット通信網であってもよいし、電話回線網であってもよい。
遠隔監視センター310は、情報処理装置360とデータの授受を行い、エレベーター20の運行状況、故障状況を監視する監視盤330が配置されている。監視盤330には、エレベーター20の運行状況、故障状況、情報処理装置360からの通知等が表示されるディスプレイ331と、ディスプレイ331の表示を操作するスイッチ332が設けられている。また、監視盤330には、通信ネットワーク35を介してサービスセンター340との通信を行う電話333が備えられている。
保守データベース370は、エレベーター20の仕様や検査、保守、修理等の履歴データが格納されている。復旧診断データベース380は、エレベーター20の制御盤210から出力された故障コードに対応する複数の故障要因とその件数および復旧率等のデータが格納されている。
情報処理装置360は、内部にCPUとメモリとを含むコンピュータである。情報処理装置360は、エレベーター20に故障が発生した際に制御盤210が出力する故障信号が通信装置250、320、通信ネットワーク30を介して入力された際に、復旧診断データベース380のデータを参照して故障信号に含まれる故障コードに対応する復旧指令と復旧診断指令を選択する。選択された復旧指令と復旧診断指令とは、通信装置250、320と通信ネットワーク30を介して制御盤210に入力され、エレベーター20に復旧動作、復旧診断動作を実行させる。
図2に示すように、保守データベース370には、エレベーター仕様データ371、検査履歴データ372、保守作業履歴データ373、遠隔点検履歴データ374、変調履歴データ375、修理工事履歴データ376、故障履歴データ377、故障要因別データ378が格納されている。
以下、図3を参照しながら、エレベーター仕様データ371、検査履歴データ372、保守作業履歴データ373、遠隔点検履歴データ374、変調履歴データ375、修理工事履歴データ376、故障履歴データ377、故障要因別データ378のデータ構造について説明する。
エレベーター仕様データ371は、エレベーター20の管理番号、機種、製造日、製造番号、設置ビルの名称、設置ビルの用途のデータを格納するデータ構造を有している。設置ビルの用途とは、例えば、事務所、一般居住用、飲食店、学校等である。
検査履歴データ372は、エレベーター20の管理番号、技術者350が現地で行った検査の日時、検査項目、検査結果のデータを格納するデータ構造を有している。検査とは、例えば、図1に示すエレベーター20のドア13、26の開閉状態の検査、各階の停止位置の検査(階床12とカゴ22の床27との高さずれ量の点検)、ワイヤ23の検査、走行速度の検査等である。また、検査結果には、検査の結果、異常が発見されたかどうかや、異常は発見されなかったが清掃等の保守作業が必要、あるいは、近々部品交換が必要である等が入力されている。なお、図1において符号25は錘を示す。
保守作業履歴データ373は、エレベーター20の管理番号、技術者350が現場で行ったエレベーター20の保守作業日時、保守作業項目、保守作業結果を格納するデータベース構造を有している。保守作業項目とは、例えば、エレベーター20の運転状態の点検、エレベーター20のドアレールの清掃、図1に示す駆動装置24への給油、エレベーター20のブレーキの調整等である。保守作業結果には、点検、清掃、給油、調整等を実施した実績が入力されている。
遠隔点検履歴データ374は、エレベーター20の管理番号、遠隔点検日時、遠隔点検項目、遠隔点検結果を格納するデータ構造を有している。エレベーター20の遠隔点検は、例えば、一か月に1回等予め設定されたスケジュールに従って、エレベーター20の制御盤210によって実施される。エレベーター20の制御盤210は、図1に示すエレベーター20のカゴ22を所定の階に移動させる。この移動の際にエレベーター20に取り付けられた各種のセンサによって運転性能(加速度、異常音の有無)、ドア開閉、ブレーキ、非常用バッテリ、外部連絡装置等に異常がないかを点検する。その点検結果を通信装置250、320、通信ネットワーク30を介して情報処理装置360から遠隔点検履歴データ374に格納するものである。なお、遠隔点検は、遠隔監視センター310からの指示によって行うようにしてもよい。
変調履歴データ375は、エレベーター20の管理番号、変調発生日時、変調項目、変調対応結果を格納するデータ構造を有している。エレベーター20の変調とは、技術者350による検査、点検、保守作業、あるいは遠隔点検の結果が異常値には達しないが、そのエレベーター20の通常の値よりも変化しているような場合をいう。例えば、走行速度の検査を行った結果、許容値内に入っているが、前回点検の際、あるいはそのエレベーター20の今までの検査結果の値からのずれが大きいような場合に、変調項目の中に「走行速度」と記録される。
修理工事履歴データ376は、エレベーター20の管理番号、修理工事日時、修理工事項目、修理工事結果を格納するデータ構造を有している。修理工事とは、ワイヤ23の交換、ハンガローラ交換、ブレーキパッド交換、制御基板交換、リレー交換等の部品交換による復旧工事である。従って、修理工事項目には、「ワイヤ交換」、「ハンガローラ交換」、「ブレーキパッド交換」等の交換部品の名称が入力され、修理工事結果の欄には、「修理工事終了」、「再修理必要」等の事項が入力される。
故障履歴データ377は、エレベーター20の管理番号、故障発生日時、故障コード、復旧方法、復旧判定結果を格納するデータ構造を有している。故障コードとは、エレベーター20に故障が発生した際に制御盤210から出力される数字あるいは数字と英文字とを組み合わせたコードである。故障コードの種類は、例えば、1000種類程度である。復旧方法の項目には、例えば、技術者350が出動して検査、点検、復旧を行った場合には「技術者出動」のように入力される。また、復旧方法の項目には、例えば、遠隔復旧システム100によって復旧した場合には「遠隔復旧」のように入力される。復旧判定結果の項目には、エレベーター20が復旧して運行再開した場合には、「復旧」のように入力される。また、復旧判定結果の項目には、エレベーター20が復旧に失敗した場合には、「失敗」のように入力される。
故障要因別データ378は、ある故障コードが制御盤210から出力された際に、技術者350が現場に出動して検査、点検した結果によるその故障コードに対応する故障要因の件数、および、遠隔復旧システム100で復旧した場合のその故障コードに対応する故障要因の件数の合計件数が格納されている。例えば、故障コードがドア13、26に関する故障を示す0001の場合、技術者350が現地で点検した結果、その故障コード「0001」の出力された要因がドア敷居のゴミ詰まり(故障要因1)であったり、ドア開閉装置のスイッチの接触不良(故障要因2)であったり、その他の故障要因3であったりする。そこで、故障要因別データは、故障コード「0001」が出力された場合、ドア敷居のゴミ詰まり要因(故障要因1)の場合が100件、ドア開閉装置のスイッチの接触不良が要因(故障要因2)の場合が50件、その他の故障要因3の場合が10件というようなデータ構造で、その件数が多い順にデータが並べられるように構成されている。遠隔復旧システム100による復旧の場合、復旧指令によってエレベーター20の復旧に成功した場合にその復旧指令の基礎となった故障コードに対応する故障要因の件数が全体の故障要因の件数に追加される。
図4に示すように、復旧診断データベース380は、故障要因別データ378の故障要因の件数の多い順に、復旧指令と復旧診断指令のセットである復旧診断指令セットと、その復旧指令の実行によってエレベーター20の故障が復旧した割合である復旧率(%)が格納されている。復旧診断データベース380は、先に説明した故障要因別データ378に復旧診断指令セットと復旧率とをリンクさせたデータベースである。
以下、故障コードがドア13、26に関する故障を示す「0001」の場合の復旧診断データベース380のデータ構成について説明する。ドア敷居のゴミ詰まりが要因(故障要因1)の場合、復旧診断データは、故障要因1の件数データに復旧指令として「ドア回路リセット+ドア高トルク開閉」、復旧診断指令として「ドア開閉診断」、の2つの指令のセットである復旧診断指令セットAと、この復旧指令による復旧動作による復旧率x%とをリンクさせたデータ構成となっている。ドア開閉装置のスイッチの接触不良が要因(故障要因2)の場合、復旧診断データは、故障要因2の件数データに復旧指令として「ドア回路リセット+ドア開閉リトライ」、復旧診断指令として「ドア開閉診断」の2つの指令のセットである復旧診断指令セットBと、この復旧指令による復旧動作の復旧率y%とをリンクさせたデータ構成となっている。同様に、故障要因3の場合には、復旧診断データは、故障要因3の件数データに復旧診断指令セットCと復旧率z%とをリンクさせたデータ構成となっている。このように、復旧診断データベース380は、故障コードと、その故障コードに対応する故障要因と、その故障要因の件数と、復旧指令と復旧診断のセットである復旧診断指令セットと、復旧率とを対応づけてデータベースに格納したものである。なお、本実施形態では、復旧率y%は復旧率x%、z%よりも大きな数値であり、復旧診断指令セットBは復旧診断指令セットA、復旧診断指令セットCよりも復旧率が高くなっている。
以下、図2および図5から図7を参照して、エレベーター20から故障信号が発信された場合の遠隔復旧システム100の動作について説明する。以下の説明では、ドア13、26に関する故障コード信号「0001」が発信された場合の遠隔復旧動作について説明するが、遠隔復旧システム100は、他の部分に関する故障コードが発信された場合にも対応可能である。
図2および図5のステップS101に示すように、エレベーター20の制御盤210は、エレベーター20に故障が発生したか否かの判断を行う。エレベーター20のドア13、26に関する故障、例えば、ドア開閉不良等の故障が発生した場合、制御盤210は、故障発生日時と故障がドアに関する故障であることを示す故障コード「0001」を通信装置250に出力する。エレベーター20に故障が発生しない場合には、制御盤210は、ステップS101の最初に戻ってエレベーター20の監視を継続する。
通信装置250は制御盤210から故障コード「0001」が入力されると、図2および図5のステップS102に示すように、故障コード「0001」およびエレベーター20の管理番号および故障発生日時を含む故障信号を通信ネットワーク30に発信する。図2および図5のステップS103に示すように、遠隔監視センター310の通信装置320は、通信ネットワーク30を介して通信装置250が発信した故障信号を受信する。通信装置320は、故障信号を受信すると、故障信号に含まれる故障コード「0001」とエレベーター20の管理番号、および、故障発生日時を情報処理装置360に出力する。情報処理装置360は、入力された故障コード「0001」とエレベーター20の管理番号、故障発生日時を保守データベース370の故障履歴データ377に格納する。
そして、情報処理装置360は、図5のステップS104に示すように、エレベーター20またはビル10が特定の要件に該当しているかどうかを判断する。この判断は、図7に示すように、エレベーター20またはビル10が、以下の(a)から(d)のうちの少なくとも1つまたはいずれかの組み合わせに該当するかどうかで判断する。このような場合は遠隔復旧動作を禁止して技術者350を現地に出動させた方が良い場合が多いからである。
(a) エレベーター20は遠隔復旧可能な仕様ではない。
(b) エレベーター20が直近に保守点検または修理を行っている。
(c) エレベーター20が直近に同様の故障コードを含む故障信号を発信している。
(d) ビル10がエレベーター20からの故障信号の誤発信が多い建物である。
情報処理装置360は、故障の発生したエレベーター20が遠隔復旧可能かどうか(要件(a)〜(d))について次のように判断する。図2および図3に示すように、情報処理装置360は、エレベーター20の管理番号を用いてエレベーター仕様データ371からエレベーター20の機種、製造日、製造番号を取得し、そのエレベーター20が遠隔復旧装置300からの復旧指令、復旧診断指令によって復旧動作、復旧診断動作が可能な仕様であるかどうか確認する。そして、エレベーター20が遠隔復旧可能な仕様でない場合、要件(a)に該当すると判断する。
情報処理装置360は、図2に示す検査履歴データ372、保守作業履歴データ373、遠隔点検履歴データ374、変調履歴データ375、修理工事履歴データ376を参照して、直近にエレベーター20の保守点検または修理を行っている場合には要件(b)に該当すると判断する。
また、情報処理装置360は、図2に示す検査履歴データ372をより詳細に参照し、エレベーター20の直近の検査で調整等の指示があり、その処理が終了しているかどうかを確認し、調整が終了していない場合にエレベーター20が要件(b)に該当すると判断してもよい。
また、情報処理装置360は、図2に示す保守作業履歴データ373をより詳細に参照し、以下の(e)〜(h)のうちの少なくとも1つまたはいずれかの組み合わせに該当する場合にエレベーター20が要件(b)に該当すると判断してもよい。
(e)当日に保守作業計画されており、エレベーター20が保守中の可能性がある場合。
(f)直近、あるいは、当日にエレベーター20の保守計画があり保守作業結果の内容から保守作業での調整ミスの可能性が予測される場合。
(g)エレベーター20の保守作業計画が大幅に遅れている場合。
(h)エレベーター20の部品交換の要求が出されていて取替未完了の場合。
また、情報処理装置360は、図2に示す遠隔点検履歴データ374をより詳細に参照し、直近の遠隔点検でブレーキの不具合等の異常の診断結果がある場合にエレベーター20が要件(b)に該当すると判断してもよい。
また、情報処理装置360は、図2に示す変調履歴データ375をより詳細に参照し、直近に、エレベーター20の床27とビル10の階床12との高さの差異に変調が発生していたり、音に変調が発生していたりした場合にエレベーター20が要件(b)に該当すると判断してもよい。
また、情報処理装置360は、修理工事履歴データ376をより詳細に参照し、直近の修理工事において部品交換が実施されている場合にエレベーター20が要件(b)に該当すると判断してもよい。この場合、修理工事による施工不具合の可能性が考えられるためである。
また、情報処理装置360は、図2に示す故障履歴データ377を参照し、直近、エレベーター20から同様の故障コードを含む故障信号が発信されている場合には、エレベーター20は要件(c)に該当すると判断する。
更に、情報処理装置360は、エレベーター20の管理番号を用いてエレベーター仕様データ371と故障履歴データ377から、ビル10が故障信号の誤発信の多い建物である場合には、ビル10は要件(d)に該当すると判断する。この場合、いたずら等による故障信号の誤発信の可能性が大きいためである。
情報処理装置360は、図5のステップS104でエレベーター20またはビル10が要件(a)から(d)の内のいずれか1つまたはいずれか要件の組み合わせに該当する場合には図5のステップS104でYESと判断する。そして、図2および図5のステップS124に示すように、情報処理装置360は、遠隔監視センター310に遠隔復旧不可を通知する信号を出力する。図2に示すように、この出力は、遠隔監視センター310のディスプレイ331に表示される。監視者334は、この表示を確認したら、図2および図6のステップS125に示すように、エレベーター20の運行休止の指示、および、アナウンス動作を行わせる。また、監視者334は、電話333によって図2および図6のステップS126に示すように、ビル10近隣のサービスセンター340に技術者350をビル10に派遣するように指示する。
また、情報処理装置360は、エレベーター20またはビル10が要件(a)から(d)のいずれにも該当しない場合には、図5のステップS104でNOと判断する。そして、図2および図5のステップS105に示すように、情報処理装置360は、遠隔監視センター310に遠隔復旧開始を通知する信号を出力する。この信号は、遠隔監視センター310のディスプレイ331に表示される。これにより遠隔監視センター310の監視者334にエレベーター20の遠隔復旧が開始されることが通知される。
なお、情報処理装置360は、図5のステップS104でYESと判断をした場合、図5のステップS103において、入力された故障コード「0001」とエレベーター20の管理番号、故障発生日時を保守データベース370の故障履歴データ377に格納する。そして、情報処理装置360は、保守データベース370の他のデータの更新、並びに、復旧診断データベース380の更新は行わずに遠隔復旧動作を終了する。
情報処理装置360は、図5に示すステップS104でNOと判断し、ステップS105で遠隔監視センター310に遠隔復旧開始を通知したら、図5に示すステップS106に進む。図5のステップS106において、情報処理装置360は、故障コード「0001」に対応する復旧指令と復旧診断指令とを選択する。先に、図4を参照して説明したように、復旧診断データベース380は、故障要因別データ378に復旧診断指令セットと復旧率とをリンクさせたデータベースである。以下、故障コードがドア13、26に関する故障を示す「0001」の場合の復旧診断データベース380のデータ構成について再度簡単に説明しておく。ドア敷居のゴミ詰まりが要因(故障要因1)の場合には、復旧診断データは、故障要因1の件数データに復旧指令として「ドア回路リセット+ドア高トルク開閉」、復旧診断指令として「ドア開閉診断」、の2つの指令のセットである復旧診断指令セットAと、この復旧指令による復旧動作による復旧率x%とをリンクさせたデータ構成となっている。ドア開閉装置のスイッチの接触不良が要因(故障要因2)の場合には、復旧診断データは、故障要因2の件数データに復旧指令として「ドア回路リセット+ドア開閉リトライ」、復旧診断指令として「ドア開閉診断」の2つの指令のセットである復旧診断指令セットBと、この復旧指令による復旧動作の復旧率y%とをリンクさせたデータ構成となっている。同様に故障要因3の場合には、復旧診断データは、故障要因3の件数データに復旧診断指令セットCと復旧率z%とをリンクさせてデータベースとしたものである。また、先に説明したように、復旧率y%は復旧率x%、z%よりも大きな数値であり、復旧診断指令セットBは復旧診断指令セットA、復旧診断指令セットCよりも復旧率が高くなっている。
情報処理装置360は、故障コード「0001」に対応する複数の故障要因の内の件数が最も多い故障要因に応じた指令を復旧指令として選択してもよい。また、情報処理装置360は、故障コード「0001」に対応する複数の指令の内の復旧率が最も高い指令を復旧指令として選択してもよい。そして情報処理装置360は、選択した復旧指令に対応する復旧診断指令が選択した復旧指令とセットとなっている復旧診断指令セットを選択する。
まず、情報処理装置360が、故障コード「0001」に対応する複数の故障要因の内で件数が最も多い故障要因に応じた指令を復旧指令として選択する場合について説明する。情報処理装置360は、復旧診断データベース380を参照して、復旧指令として故障コード「0001」の場合に最も件数の多い故障要因であるドア敷居のゴミ詰まり(故障要因1)に対応する復旧動作を実行させる復旧指令である「ドア回路リセット+ドア開閉リトライ」と、この復旧動作の結果に対応する復旧診断動作を実行させる復旧診断指令である「ドア開閉診断」の2つからなる復旧診断指令セットAを選択する。
次に、情報処理装置360が、故障コード「0001」に対応する複数の指令の内の復旧率が最も高い指令を復旧指令として選択する場合について説明する。情報処理装置360は、復旧診断データベース380を参照して、復旧指令として故障コード「0001」に対応する復旧率が最も高い復旧率を確認する。そして、情報処理装置360は、最も高い復旧率y%であるスイッチの接触不良が要因(故障要因2)に対応する復旧動作を実行させる復旧指令である「ドア回路リセット+ドア開閉リトライ」と、この復旧動作の結果に対応する復旧診断動作を実行させる復旧診断指令である「ドア開閉診断」の2つからなる復旧診断指令セットB選択する。
復旧診断指令セットを選択する場合、故障コード「0001」に対応する最も件数の多い故障要因に基づくか、故障コード「0001」に対応する復旧診断指令セットの復旧率に基づくかの選択は、次のように行ってもよい。例えば、最大件数と次の件数との比率(件数比率)と最大復旧率と次の復旧率の比率(復旧率比率)のうち、比率が大きくなっている方、つまり、次の数値に対して最大値が突出している方を選択してもよい。また、例えば、前回の遠隔復旧で失敗した場合には、前回と異なる選択方法をとるようにしてもよい。また、復旧診断指令セットの選択は、例えば、エレベーター20の機種、仕様等によって決定してもよい。
以下の説明では、情報処理装置360が故障コード「0001」に対応する最も件数の多い故障要因1に基づいて復旧診断指令セットAを選択した場合について説明する。
図5のステップS106で復旧診断指令セットAを選択したら、情報処理装置360は、図2および図5のステップS107に示すように、選択した復旧診断指令セットAを通信装置320から発信する。図2および図5のステップS108に示すように、通信装置250は、通信装置320から復旧診断指令セットAを受信したら、復旧指令と復旧診断指令とを制御盤210に出力する。
制御盤210は、まず、図5のステップS109に示すように、エレベーター20が停止していること、カゴ22の重量センサ、カゴ22内のカメラ、カゴ22内の人物センサ等の出力からカゴ22の中に乗客がいないことを確認する。そして、制御盤210は、エレベーター20が停止していること、カゴ22の中に乗客がいないことを確認したら、カゴ22の中に設置された通話装置のスピーカーから「これから遠隔復旧を開始します。エレベーターのドアが開閉します。」等のアナウンスを行う。
制御盤210は、アナウンスが終了したら、図5のステップS110に進み、復旧指令に従って復旧動作を実行する。いま、受信している復旧指令は、ドア敷居のゴミ詰まり(故障要因1)に対応する復旧動作を実行させる復旧指令である「ドア回路リセット+ドア高トルク開閉」であるから、制御盤210は、まず、制御盤210のドア回路をリセットする。この動作は、ドア回路がドア13またはドア26が開閉不能で、開(または閉)状態、あるいは半開(または半閉)状態を検知している状態をリセットし、ドア13またはドア26を開閉動作可能とする動作である。次に、制御盤210は、ドア13およびドア26の駆動モータのトルクを通常よりも20〜30%高くして通常よりも大きな力でドア13およびドア26を開閉動作させる。この動作は、ドアの敷居に詰まっていたゴミを敷居から移動させ、ドア13、26の開閉動作を通常状態に復旧する動作である。上記動作によってドア13、26の敷居に詰まっていたゴミが移動し、ドア13、26の開閉が復旧したかどうかを確認するため、制御盤210は、図5のステップS111に示すように、復旧診断指令である「ドア開閉診断」を実行する。制御盤210は、通常のトルクでドア13およびドア26の開閉を行い、所定の開閉時間で開閉動作ができているか、ドア13およびドア26の駆動モータの電流が通常よりも大きくなっていないかを確認する。次に制御盤210は、駆動モータのトルクを通常よりも20%程度低くしてドア13および26を開閉し、開閉時間に異常がないかを確認する。
そして、制御盤210は、図5のステップS112に示すように、復旧診断動作によってドア13、26が通常状態に復旧したと判断した場合には、図5のステップS113に進む。そして、ステップS113において、制御盤210は、エレベーター20が復旧したという判定結果信号を出力する。この信号は、通信装置250から通信ネットワーク30に発信される。発信された判定結果信号は、図6のステップS114に示すように通信装置320で受信され、判定結果は情報処理装置360に入力される。また、判定結果は、図6のステップS115に示すように、情報処理装置360から遠隔監視センター310に通知され、その結果が遠隔監視センター310のディスプレイ331に表示される。遠隔監視センター310の監視者334は、この表示を確認したら、図6のステップS116に示すように、エレベーター20の運行再開、および、アナウンス動作を行わせる。また、情報処理装置360は、図6のステップS117、ステップS118に示すように、保守データベース370と、復旧診断データベース380とを更新する。
一方、制御盤210は、復旧診断動作の結果、図5のステップS112でNOと判断した場合には、図5のステップS119に進む。ステップS119において、制御盤210は、エレベーター20の復旧に失敗したという判定結果信号を出力する。この信号は、通信装置250から通信ネットワーク30に発信される。発信された判定結果信号は、図6のステップS120に示すように通信装置320で受信され、判定結果は情報処理装置360に入力される。また、判定結果は、図6のステップS121に示すように、情報処理装置360から遠隔監視センター310に通知され、その結果が遠隔監視センター310のディスプレイ331に表示される。監視者334は、この表示を確認したら、図6のステップS122に示すように、エレベーター20の運行休止の指示、および、アナウンス動作を行う。また、監視者334は、電話333によって図2および図6のステップS123に示すように、ビル10近隣のサービスセンター340に技術者350をビル10に派遣するように指示する。また、情報処理装置360は、図6のステップS117、ステップS118に示すように、保守データベース370と、復旧診断データベース380とを更新する。
情報処理装置360は、図5のステップS113に示すようなエレベーター20が復旧したという判定信号が入力された場合、次のように、保守データベース370を更新する。
図5のステップS113に示すようなエレベーター20が復旧したという判定信号が入力された場合には、情報処理装置360は、故障履歴データ377の復旧方法の項目に「遠隔復旧」、復旧判定結果の項目に「復旧」を格納する。先に、説明したように、通信装置320が故障信号を受信した際に、情報処理装置360は、通信装置320から入力された故障コード「0001」とエレベーター20の管理番号、故障発生日時を保守データベース370の故障履歴データ377に格納している。従って、今回の復旧方法、復旧判定結果の格納により、故障履歴データ377の全ての項目が更新されることになる。
また、今回の遠隔復旧において情報処理装置360は、復旧診断データベース380を参照して、復旧指令として故障コード「0001」の場合に最も件数の多い故障要因であるドア敷居のゴミ詰まり(故障要因1)に対応する復旧動作を実行させる復旧指令である「ドア回路リセット+ドア開閉リトライ」と、この復旧動作の結果に対応する復旧診断動作を実行させる復旧診断指令である「ドア開閉診断」の2つからなる復旧診断指令セットAを選択して復旧動作および復旧診断動作を実行させている。従って、エレベーター20の復旧に成功した場合には、復旧診断データベース380の故障コード「0001」、故障要因1(ドア敷居のゴミ詰まり)の件数を1件多くし、復旧に成功した分だけ復旧率を高くする。また、情報処理装置360は、故障要因別データ378の故障コード「0001」の故障要因1の件数を1件多くする。
一方、情報処理装置360は、図5のステップS119に示すようなエレベーター20の復旧に失敗したという判定信号が入力された場合、次のように、保守データベース370と復旧診断データベース380を更新する。図5のステップS119に示すようなエレベーター20の復旧に失敗したという判定信号が入力された場合には、情報処理装置360は、故障履歴データ377の復旧方法の項目に「遠隔復旧」、復旧判定結果の項目に「失敗」を格納する。また、復旧診断データベース380の故障コード「0001」、故障要因1(ドア敷居のゴミ詰まり)の件数はそのままとし、復旧に失敗した分だけ復旧率を低下させる。なお、復旧に失敗した場合には、故障要因別データ378の故障コード「0001」の故障要因1の件数は変更されない。
以上の説明では、情報処理装置360が故障コード「0001」に対応する最も件数の多い故障要因に基づいて復旧診断指令セットAを選択した場合について説明した。情報処理装置360が故障コード「0001」に対応する復旧診断指令セットの復旧率に基づいて復旧診断指令セットBを選択した場合には、「ドア高トルク開閉」の復旧動作に代えて、通常のトルクでドア13、26の開閉動作を再度行う「ドア開閉リトライ」の復旧動作を行う点が異なる。その他の動作は復旧診断指令セットAを選択した場合と同様である。
エレベーター20の遠隔復旧に成功すると、それまで、故障コード「0001」の場合に最も件数の多い故障要因であったドア敷居のゴミ詰まり(故障要因1)の件数が多くなる。このため、遠隔復旧システム100が故障コード「0001」に対応する最も件数の多い故障要因に基づいて復旧診断指令セットを選択する場合、次の遠隔復旧の際に故障コード「0001」が入力された際に、情報処理装置360は、再度、復旧診断指令セットAを選択する。また、復旧診断指令セットAの復旧率が復旧診断指令セットBの復旧率よりも高くなった場合には、情報処理装置360が故障コード「0001」に対応する複数の指令の内で復旧率が最も高い指令を復旧指令として選択する場合でも、復旧診断指令セットAを選択する。
一方、エレベーター20の遠隔復旧に失敗すると、故障要因別データ378の故障コード「0001」の故障要因1の件数は変更されないが、復旧診断指令セットAの復旧率が低下する。これにより、復旧診断指令セットBの復旧率が相対的に高くなる。つまり、復旧診断指令セットBの復旧診断指令セットAに対する復旧率比率が高くなる。この復旧率比率が故障要因2の件数に対する故障要因1の件数の比率として計算される件数比率よりも大きくなると、情報処理装置360は、故障コード「0001」に対応する複数の指令の内で復旧率が最も高い指令を復帰指令として選択するようになる。このため、情報処理装置360は、次の遠隔復旧の際に故障コード「0001」が入力された場合には、復旧率が最も高い復旧診断指令セットBを選択する。また、情報処理装置360が前回の遠隔復旧で復旧に失敗した復旧診断指令セットAを選択しない場合には、故障要因1の次に故障コード「0001」に対応する件数の多い故障要因2にリンクした復旧診断指令セットBを選択する。
また、情報処理装置360が故障コード「0001」に対応する複数の指令の内で復旧率が最も高い復旧診断指令セットBを選択してエレベーター20の復旧に成功した場合には、復旧診断指令セットBの復旧率が高くなる。従って、情報処理装置360は、次の遠隔復旧では、前回と同様、復旧診断指令セットBを選択する。一方、復旧診断指令セットBでエレベーター20の復旧に失敗した場合には復旧診断指令セットBの復旧率が低くなる。そして、復旧診断指令セットBの復旧率が復旧診断指令セットAの復旧率よりも低くなったら、情報処理装置360は、復旧診断指令セットAを選択する。なお、情報処理装置360が前回の遠隔復旧で復旧に失敗した復旧診断指令セットBを選択しない場合には、復旧診断指令セットBの次に故障コード「0001」に対応する復旧率の高い復旧診断指令セットAを選択する。
このように、遠隔復旧システム100は、遠隔復旧に成功すると故障要因の件数、選択した復旧診断指令セットの復旧率を増加させる。また、遠隔復旧システム100は、遠隔復旧に失敗すると故障要因の件数はそのままで、選択した復旧診断指令セットの復旧率を低下させる。このため、遠隔復旧に成功すると、その遠隔復旧で選択した復旧診断指令セットが次の遠隔復旧の際に選択される可能性が高くなる。また、遠隔復旧に失敗するとその遠隔復旧で選択した復旧診断指令セットが次の遠隔復旧の際に選択される可能性が低くなる。このため、遠隔復旧の回数が多くなるに従って、情報処理装置360は、復旧診断データベース380から故障コードに対応した復旧可能性の高い復旧診断指令セットを選択できるようになり、エレベーター20の復旧の確実性を向上させていくことができる。
以上説明したように、遠隔復旧システム100は、エレベーター20で故障が発生した場合に、エレベーター20またはビル10が図7に示す特定の要件(a)から(d)のいずれか1つまたはいずれかの組み合わせに該当する場合には、遠隔復旧動作を禁止して技術者350を現地に派遣してエレベーター20を復旧する。これにより、技術者350を現地に派遣することが適切な場合に遠隔復旧動作を行ってしまい、かえって復旧までに時間がかかることを抑制できるのでエレベーター20の運行サービス向上を図ることができる。
また、エレベーター20またはビル10が図7に示す特定の要件(a)から(d)に該当しない場合に、エレベーター20から離れた場所に配置された遠隔復旧装置300からの指令でエレベーター20に復旧動作、復旧診断動作を実行させてエレベーター20の復旧を行う。これにより、遠隔復旧動作での復旧率を向上させることができ、エレベーター20の運行サービス向上を図ることができる。
また、遠隔復旧システム100は、復旧判定結果に基づいて次回の遠隔復旧の際により復旧可能性が高い復旧診断指令セットを選択することができるように、故障履歴データ377、故障要因別データ378、復旧診断データベース380を更新する。これにより、遠隔復旧の回数が多くなるに従って、情報処理装置360は、復旧診断データベース380から故障コードに対応したより適切な復旧診断指令セットを選択できるようになる。これにより、更に、エレベーター20の復旧を確実に行うことができ、復旧にかかる時間を短縮してエレベーター20の運行サービス向上を図ることができる。
なお、本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲により規定されている本発明の技術的範囲ないし本質から逸脱することない全ての変更および修正を包含するものである。
10 ビル、11 昇降路、12 階床、13、26 ドア、20 エレベーター、22 カゴ、23 ワイヤ、24 駆動装置、27 床、30、35 通信ネットワーク、100 遠隔復旧システム、200 エレベーター制御装置、210 制御盤、250、320 通信装置、300 遠隔復旧装置、310 遠隔監視センター、330 監視盤、331 ディスプレイ、332 スイッチ、333 電話、334 監視者、340 サービスセンター、350 技術者、360 情報処理装置、370 保守データベース、371 エレベーター仕様データ、372 検査履歴データ、373 保守作業履歴データ、374 遠隔点検履歴データ、375 変調履歴データ、376 修理工事履歴データ、377 故障履歴データ、378 故障要因別データ、380 復旧診断データベース。

Claims (5)

  1. エレベーター故障の遠隔復旧システムであって、
    エレベーターの駆動制御を行うエレベーター制御装置と、
    前記エレベーター制御装置と通信し、前記エレベーターに故障の復旧動作を行わせる遠隔復旧装置と、を備え、
    前記遠隔復旧装置は、少なくとも前記エレベーターの仕様と前記エレベーターが設置されている建物の特性と前記エレベーターの保守点検履歴と前記エレベーターの修理履歴と前記エレベーターの故障履歴とを格納した保守データベースを含み、
    前記エレベーター制御装置は、前記エレベーターの故障を検出した際に故障信号を発信し、
    前記遠隔復旧装置は、前記故障信号を受信した際に、前記保守データベースを参照し、前記エレベーターまたは前記建物が予め定めた特定の要件に該当する場合には、前記エレベーターの復旧動作を禁止し、
    前記特定の要件は、
    前記エレベーターが遠隔復旧可能な仕様でないこと、
    前記エレベーターが直近に保守点検または修理を行っていること、
    前記エレベーター制御装置が直近に同様の故障コードを含む他の故障信号を発信していること、
    前記建物が、前記建物に設置されている前記エレベーターからの故障信号の誤発信が多い特性を有すること、
    の少なくとも1つまたはいずれかの組み合わせであるエレベーター故障の遠隔復旧システム。
  2. 請求項に記載のエレベーター故障の遠隔復旧システムであって、
    前記遠隔復旧装置は、前記エレベーターの故障状況を表示するディスプレイを備える遠隔監視センターを含み、
    前記遠隔復旧装置は、前記エレベーターの復旧動作を禁止した場合には、前記ディスプレイに前記エレベーターの点検または修理を行う技術者の派遣指示を表示するエレベーター故障の遠隔復旧システム。
  3. 請求項に記載のエレベーター故障の遠隔復旧システムであって、
    前記故障信号は、前記エレベーターの故障コードを含み、
    前記遠隔復旧装置は、前記故障信号を受信した際に、前記保守データベースを参照し、前記エレベーターまたは前記建物が予め定めた前記特定の要件に該当しない場合には、前記故障信号に含まれる故障コードに対応する復旧指令と復旧診断指令とを前記エレベーター制御装置に発信し、前記エレベーター制御装置に前記エレベーターの復旧動作と復旧診断動作とを実行させるエレベーター故障の遠隔復旧システム。
  4. 請求項に記載のエレベーター故障の遠隔復旧システムであって、
    前記復旧指令は、前記故障コードに対応する複数の故障要因の内で件数が多い故障要因に応じた指令、または、前記故障コードに対応する複数の復旧指令の内で、その復旧指令によって前記エレベーターが復旧した割合である復旧率が高い指令であるエレベーター故障の遠隔復旧システム。
  5. 請求項に記載のエレベーター故障の遠隔復旧システムであって、
    前記エレベーター制御装置は、前記復旧指令に応じて実行した復旧動作の後、前記復旧診断動作によって前記エレベーターが復旧したかどうかを判定し、判定結果を前記遠隔復旧装置に送信し、
    前記遠隔復旧装置は、前記故障コードと、前記故障コードに対応する前記故障要因の件数と、前記復旧指令と、前記復旧診断指令と、前記復旧率とを対応づけた復旧診断データベースを備え、前記エレベーター制御装置が送信した前記エレベーターが復旧したかどうかの前記判定結果に基づいて、前記故障コードに対応する前記故障要因の件数および前記復旧率を更新するエレベーター故障の遠隔復旧システム。
JP2018545507A 2016-11-29 2016-11-29 エレベーター故障の遠隔復旧システム Active JP6437176B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2016/085316 WO2018100609A1 (ja) 2016-11-29 2016-11-29 エレベーター故障の遠隔復旧システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2018100609A1 JPWO2018100609A1 (ja) 2018-12-06
JP6437176B2 true JP6437176B2 (ja) 2018-12-12

Family

ID=62242483

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018545507A Active JP6437176B2 (ja) 2016-11-29 2016-11-29 エレベーター故障の遠隔復旧システム

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP6437176B2 (ja)
KR (1) KR102138357B1 (ja)
CN (1) CN110023224B (ja)
WO (1) WO2018100609A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109835789A (zh) * 2019-03-26 2019-06-04 通力电梯有限公司 实时监控系统和包括其的电梯或扶梯以及方法
CN112249826A (zh) * 2020-10-16 2021-01-22 怀化新大地电脑有限公司 电梯监控系统
CN114476888A (zh) * 2022-01-13 2022-05-13 永大电梯设备(中国)有限公司 电梯参数备份及应用方法与系统

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3494501B2 (ja) * 1995-05-10 2004-02-09 株式会社日立ビルシステム 保守用携帯端末装置
JP2002230195A (ja) 2001-01-30 2002-08-16 Konica Corp 管理システム、管理装置、中継サーバー、被管理装置及び管理方法
JP2002316780A (ja) * 2001-04-24 2002-10-31 Hitachi Building Systems Co Ltd 地震発生時の作業報告システム
JP2003020174A (ja) * 2001-07-10 2003-01-21 Mitsubishi Electric Corp 昇降機の運行保証システム
JP2003104644A (ja) 2001-10-01 2003-04-09 Toshiba Elevator Co Ltd エレベーター故障復旧支援システム及び監視センター
JP2003256367A (ja) * 2002-03-06 2003-09-12 Seiko Epson Corp 電子機器のエラーに関する情報提供システムおよび電気機器のエラー実績を管理するサーバ
JP3960983B2 (ja) * 2004-03-23 2007-08-15 三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社 監視センターサーバ
EP1981794A4 (en) * 2005-07-18 2011-09-28 Otis Elevator Co FOLLOW-UP AND / OR SUPPORTED RESTORATION OF THE OPERATION OF AN ELEVATOR
JP2008019040A (ja) * 2006-07-12 2008-01-31 Hitachi Building Systems Co Ltd エレベーターの地震管制運転装置
JP2009107814A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Toshiba Elevator Co Ltd 昇降機の遠隔監視システム
JP5224933B2 (ja) * 2008-06-25 2013-07-03 株式会社日立製作所 エレベーターの復旧運転方法および装置

Also Published As

Publication number Publication date
KR20190062597A (ko) 2019-06-05
CN110023224B (zh) 2020-09-01
CN110023224A (zh) 2019-07-16
JPWO2018100609A1 (ja) 2018-12-06
KR102138357B1 (ko) 2020-07-28
WO2018100609A1 (ja) 2018-06-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6615386B2 (ja) エレベーターの遠隔監視装置
JP6437176B2 (ja) エレベーター故障の遠隔復旧システム
WO2018100606A1 (ja) エレベーター故障の遠隔復旧システム
JP6678771B2 (ja) エレベーターの遠隔運行再開システム
JP6479284B2 (ja) エレベーター故障の遠隔復旧システム
JP6605758B2 (ja) エレベーター故障の遠隔復旧システム
JP6479285B2 (ja) エレベーター故障の遠隔復旧システム
JP6580276B2 (ja) エレベーター故障の遠隔復旧システム
JP6419360B1 (ja) エレベーターシステム
WO2018100604A1 (ja) エレベーター故障の遠隔復旧システム
JP6537745B2 (ja) エレベーターの遠隔監視システム

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180829

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180829

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20180829

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20180919

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181016

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181113

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6437176

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250