JP2006092278A - 障害復旧支援システム、障害復旧支援装置および管理装置 - Google Patents

障害復旧支援システム、障害復旧支援装置および管理装置 Download PDF

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洋 大平
Kiyohide Ishiwatari
清英 石渡
Hiroyuki Sakakibara
弘之 榊原
Kiichi Yamada
紀一 山田
Kaoru Yasukawa
薫 安川
Koki Uetoko
弘毅 上床
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Abstract

【課題】 複数の情報機器が管理装置に接続されたシステムにおいて、情報機器に障害が発生した場合に、ユーザの利用を妨げることなく情報機器のプログラムを適切に更新する。
【解決手段】 管理装置200には、複数の画像形成装置100(障害復旧支援装置110)がネットワーク300を介して接続されている。画像形成装置100は複数のプログラムを記憶しており、それぞれのプログラムに応じた画像処理等を行う。画像形成装置100は、これらのプログラムの更新情報を管理装置200から取得し、更新の必要なプログラムがあるか否かを判断する。更新の必要なプログラムがある場合には、画像形成装置100は自装置の利用頻度を管理装置200に送信する。管理装置200は、複数の画像形成装置100から送信されてきた利用頻度を参照し、この利用頻度に応じた順番で更新データを送信する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、コピー機やスキャナ等の情報機器に障害が発生した場合に、その障害からの復旧を支援するための技術に関する。
企業のオフィス等においては、インターネット等のネットワークに接続されたコピー機やスキャナ、プリンタおよびこれらの機能を兼ね備えた複合機等の情報機器が用いられている。このような情報機器は、継続的・反復的に使用されることで障害が発生することがあるが、ソフトウェアやファームウェア等のプログラムに起因する障害(以下「ソフトウェア障害」という)は、プログラムの書き換え(更新)によって解決される場合も多い。このようなソフトウェア障害からの迅速な復旧を実現するために、情報機器メーカーにおいては、ネットワーク接続された情報機器を集中管理する管理装置を設置し、必要に応じてプログラムを新たなバージョンへと自動的に更新するシステムを提供している。
ところで、情報機器の多機能化・高機能化に伴い、情報機器のプログラムの容量は増加傾向にある。そのため、プログラムの更新時にはネットワークへの負荷が生じることがある。このような場合には、例えば特許文献1に記載されているように、管理装置が分割されたプログラムと、この分割されたプログラムの書き換え順序に関する情報とを送信し、情報機器側ではこの書き換え順序に関する情報にしたがってプログラムを書き換えることによって、ネットワークへの負荷を軽減させることができる。
また、プログラムの更新はいかなる時間に行われてもよいものではない。例えば、ユーザが情報機器を利用している最中にプログラムの更新が行われると、更新の前後で得られる画像の品質が異なる可能性があり、さらにプログラムの種類によっては、更新が完了するまでは情報機器が操作を受け付けなくなることもあり得る。このような不都合を回避するために、特許文献2に記載の技術においては、情報機器の稼働状態を考慮してあらかじめプログラムを更新する時間を指定しておき、この時間に達したらプログラムの更新を行っている。
しかし、上述の対策を行ってもなお、ユーザに不都合を生じさせることがある。例えば、1台の管理装置に多数の情報機器が接続されているような状況では、複数の情報機器からプログラムの更新の要求がほぼ同時に送信されてくることがある。このような場合には、複数の要求を同時並行的に処理していたのでは、更新の開始から終了までにかなりの時間を要してしまうこととなる。また、複数の要求を受信順に逐次的に処理していたのでは、最後に処理が行われた情報機器においては、要求を送信してから更新の終了までにかなりの時間を要してしまうこととなる。このような事態が生じてしまうと、たとえ特許文献2のように決められた時間に更新を行うように設定を行っても、結局更新が終了するまでに多大な時間を要してしまい、ユーザによる情報機器の利用を妨げてしまうことが考えられる。
特開2002−297409号公報 特開2002−297525号公報
本発明は上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の情報機器が管理装置に接続されたシステムにおいて、情報機器に障害が発生した場合に、ユーザの利用を妨げることなく情報機器のプログラムを適切に更新する技術を提供することにある。
上述の目的を達成するために、本発明は、複数の情報機器のそれぞれに内蔵あるいは接続された複数の障害復旧支援装置と、前記複数の障害復旧支援装置にネットワークを介して接続された管理装置とを備え、各々の前記障害復旧支援装置は、前記情報機器において実行されるプログラムの新旧を判断するための更新情報を、前記管理装置から前記ネットワークを介して受信する更新情報受信手段と、前記更新情報を参照することによって、自装置を内蔵するあるいは自装置に接続された情報機器においてプログラムの更新が必要か否かを判断する更新判断手段と、前記情報機器の利用頻度を算出する利用頻度算出手段と、前記更新判断手段によって更新が必要と判断された場合、前記利用頻度算出手段が算出した利用頻度を前記管理装置に送信する利用頻度送信手段と、前記管理装置から送信されてくる前記プログラムの更新に必要なデータを受信し、該データを用いて前記情報機器に前記プログラムを更新させるプログラム更新手段とを備え、前記管理装置は、各々のプログラムについての前記更新情報を記憶した更新情報記憶手段と、各々のプログラムの更新に必要なデータを記憶する更新データ記憶手段と、複数の前記障害復旧支援装置に前記更新情報をそれぞれ送信する更新情報送信手段と、複数の前記障害復旧支援装置から送信されてくる前記情報機器の利用頻度をそれぞれ比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果にしたがって、複数の前記情報機器のそれぞれに順位付けを行う序列手段と、前記序列手段により行われた順位付けにしたがって、各々の前記情報機器を内蔵するあるいは各々の前記情報機器に接続された前記障害復旧支援装置のそれぞれに対し、前記プログラムの更新に必要な前記データを順次送信する更新データ送信手段とを備える障害復旧支援システムを提供する。
この障害復旧支援システムによれば、管理装置は、複数の情報機器に対してその利用頻度に応じた順位付けを行って、情報機器が実行するプログラムの更新に必要な更新データを送信する。このため、情報機器のユーザの利用を妨げることなく、情報機器を障害から復旧させることが可能となる。
また、本発明の障害復旧支援システムは、より好適な態様として、前記管理装置は、前記障害復旧支援装置において前記データの全体が受信されなかった場合に、受信されなかった部分の前記データを送信するレジューム送信手段を備え、前記障害復旧支援装置は、既に受信した部分の前記データと前記レジューム送信手段によって送信された部分の前記データとを結合するデータ結合手段を備える。
このようにすれば、ネットワーク等のトラブルによってネットワーク接続が切断され、更新データの全体が受信されなかった場合においても、更新データをはじめから再度受信する必要がなく、より迅速に障害から復旧させることが可能となる。
また、本発明の障害復旧支援システムは、より好適な態様として、前記情報機器は、記録材に画像を形成する画像形成手段または原稿表面の画像を光学的に読み取る画像読取手段の少なくとも一方を有し、前記利用頻度算出手段は、決められた期間内における前記画像形成手段の画像形成回数または前記画像読取手段の画像読取回数によって前記利用頻度を算出する。
あるいは、前記情報機器は、記録材に画像を形成する画像形成手段を少なくとも有し、前記利用頻度算出手段は、前記画像形成手段において用いられる消耗品の交換回数によって前記利用頻度を算出する。
このようにすれば、情報機器の利用頻度を正確に知ることができる。
また、本発明は、情報機器に内蔵あるいは接続され、前記情報機器において実行されるプログラムの新旧を判断するための更新情報を、前記管理装置から前記ネットワークを介して受信する更新情報受信手段と、前記更新情報を参照することによって、自装置を内蔵するあるいは自装置に接続された情報機器においてプログラムの更新が必要か否かを判断する更新判断手段と、前記情報機器の利用頻度を算出する利用頻度算出手段と、前記更新判断手段によって更新が必要と判断された場合、前記利用頻度算出手段が算出した利用頻度を送信する利用頻度送信手段と、送信した前記利用頻度に応じて供給される前記プログラムの更新に必要なデータを受信し、該データを用いて前記情報機器に前記プログラムを更新させるプログラム更新手段とを備える障害復旧支援装置として提供されることも可能である。
さらに、本発明は、複数の情報機器のそれぞれに内蔵あるいは接続された複数の障害復旧支援装置にネットワークを介して接続され、複数のプログラムについての前記更新情報を記憶した更新情報記憶手段と、前記複数のプログラムの更新に必要なデータを記憶する更新データ記憶手段と、複数の前記障害復旧支援装置に前記更新情報をそれぞれ送信する更新情報送信手段と、複数の前記障害復旧支援装置から送信されてくる前記情報機器の利用頻度をそれぞれ比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果にしたがって、複数の前記情報機器のそれぞれに順位付けを行う序列手段と、前記序列手段により行われた順位付けにしたがって、各々の前記情報機器を内蔵するあるいは各々の前記情報機器に接続された前記障害復旧支援装置のそれぞれに対し、前記プログラムの更新に必要な前記データを順次送信する更新データ送信手段とを備える管理装置として提供されることも可能である。
(1)構成
図1は、本発明の一実施形態に係る障害復旧支援システム1の構成を示した図である。同図に示されているように、本実施形態の障害復旧支援システム1は、複数の情報機器100,100a,100bと、管理装置200と、ネットワーク300とを備える。
なお、図1には複数の情報機器を代表した情報機器100,100a,100bのみを示しているが、本実施形態の障害復旧支援システム1は、実際にはさらに多くの情報機器を含んでいる。
また、本実施形態においては、情報機器とは、コピー機やプリンタ、あるいは複合機等の画像形成装置のことや、スキャナ等の画像読取装置のことを意味している。図1においては、100を複合機(画像形成装置)、100aをコピー機(画像形成装置)、100bをスキャナ(画像読取装置)とするが、これらのハードウェア上の違いは後述する画像形成部または画像読取部の有無のみであり、本発明においてはいずれも実質的に同等と見なせる。よって、以下では画像形成部と画像読取部の両方を備えた画像形成装置100について説明し、この説明を以て画像形成装置100a,100bの説明に代えることとする。
図2は、画像形成装置100のハードウェア構成を示したブロック図である。同図に示されているように、本実施形態の画像形成装置100は、制御部101と、記憶部102と、画像読取部103と、画像形成部104と、画像処理部105と、通信部106と、操作部107と、表示部108とを備える。
制御部101はCPU(Central Processing Unit)等の演算装置と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の各種メモリとを備えており、記憶部102に記憶された各種プログラムを実行することにより画像形成装置100各部の動作を制御する。ここで「プログラム」とは、画像形成装置100の基本的な制御を行うファームウェアと、後述する画像処理部105において実行される各種の画像処理のためのソフトウェアとを含んでいる。記憶部102は例えばHDD(Hard Disk Drive)等の主記憶装置であり、後述する障害復旧支援処理を実行するための障害復旧支援プログラムPRG1に加え、上述の各種プログラムと、これらのプログラムのそれぞれに対応するバージョン情報とを記憶している。
ここで、「バージョン情報」とは、それぞれのプログラムの新旧を示す情報であり、本実施形態においては「m.n」の形式で表される(ただし、mは1以上、nは0以上の整数とする)。この形式において、ピリオドの前の「m」はメジャーバージョン番号であり、ピリオドの後の「n」はマイナーバージョン番号である。バージョン情報は「1.0」を初期値とし、プログラムに大規模な改訂(メジャーバージョンアップ)が行われたときにはメジャーバージョン番号が「1」だけ増加し、プログラムに小規模な改訂(マイナーバージョンアップ)が行われたときにはマイナーバージョン番号が「1」だけ増加する。つまり、同種のプログラムを比較したとき、メジャーバージョン番号が大きいほど新しいプログラムであることを示し、メジャーバージョン番号が等しい場合には、マイナーバージョン番号が大きいほどより新しいプログラムであることを示している。
画像読取部103は、図示せぬプラテン、光源、ミラー、レンズおよび受光素子等を備えており、プラテン上に載置された原稿を光学的に読み取ることで画像信号を生成する。生成された画像信号は、画像処理部105において各種の画像処理が施されて画像データへと変換される。画像形成部104は、図示せぬ感光体、帯電装置、露光装置、現像装置および転写ベルト等を備え、この画像データに基づく画像を用紙等の記録材表面に形成する。
画像処理部105は複数のLSI(Large Scale Integration)を備え、種々の画像処理を行う。この画像処理には、例えば画像信号から画像データを生成するためのAD変換、γ変換、シェーディング補正に加え、ユーザの指示によって行われる画像回転、濃度変換、画像形成モード変換等が含まれる。これらの画像処理にはそれぞれの処理に対応したLSIがあり、画像処理部105においては、画像処理の種類に応じたLSIに画像信号ないし画像データが供給されるようになっている。
通信部106はネットワーク300に接続するためのインターフェースであり、ネットワーク300を介して管理装置200とデータの授受を行う。操作部107は種々のボタン等を備えており、ユーザからの指示を受け付ける。表示部108は例えば液晶ディスプレイを備え、各種画面を表示してユーザに通知を行う。
このような構成のもと、本実施形態の画像形成装置100は、画像読取部103において読み取られた原稿に基づいて生成された画像信号に対して種々の画像処理を行い、生成された画像データに応じた画像を用紙に形成する。
また、この画像形成装置100は、制御部101が記憶部102に記憶された障害復旧支援プログラムPRG1を実行することによって、後述する障害復旧支援処理を行う機能を有する。そこで、以下においては、画像形成装置100が障害復旧支援処理を行う機能について説明を行う場合に、これを機能的に区別する便宜上「障害復旧支援装置110」という。このとき、障害復旧支援装置110は、画像形成装置100の制御部101,記憶部102,画像読取部103,画像形成部104,通信部106およびUI部107の各部を代用することが可能である。そこで、上述の各部が障害復旧支援プログラムPRG1を実行することによって動作する場合には、これらを特に障害復旧支援装置110の制御部111,記憶部112,画像読取部113,画像形成部114,通信部116およびUI部117と表記する。
ここで再び図1を参照し、障害復旧支援システム1における画像形成装置100以外の構成要素についての説明を行う。
ネットワーク300は、例えばインターネット等のコンピュータネットワークであり、画像形成装置100と管理装置200とを電気的に接続する。管理装置200は管理センタに備えられたコンピュータであり、複数の障害復旧支援装置110とネットワーク200を介して接続している。
図3は、管理装置200のハードウェア構成を示したブロック図である。同図に示されているように、本実施形態の管理装置200は、制御部201と、主記憶部202と、メディアドライブ部203と、通信部204と、操作部205と、表示部206とを備える。
制御部201はCPU等の演算装置と、ROMやRAM等の各種メモリとを備え、管理装置200の各部を制御する。また、制御部201は、主記憶部202に記憶された障害復旧支援プログラムPRG2を実行することによって、後述する障害復旧支援処理を行う。主記憶部202は例えばHDD等の主記憶装置であり、上述の障害復旧支援プログラムPRG2に加え、複数の画像形成装置100において実行される複数のプログラムの更新情報と、それぞれのプログラムを更新する場合に必要なデータとを記憶している。
ここで、「更新情報」とは、画像形成装置100が自装置の記憶しているプログラムの新旧を判断するための情報であり、例えばそれぞれのプログラムの最新バージョンのバージョン情報である。また、上述の「プログラムを更新する場合に必要なデータ」とは、それぞれのプログラムの差分データや最新バージョンのプログラムデータそのもののことである。一般に、マイナーバージョンアップ程度の更新であれば、必要なデータは容量の小さい差分データであることが多く、メジャーバージョンアップのようにプログラムが大幅に変更される場合には、プログラムデータそのものを最新バージョンのものに書き換えることが多い。以下においては、この「プログラムを更新する場合に必要なデータ」のことを「更新データ」ともいう。
メディアドライブ部203は、例えばCD(Compact Disk)−ROM等のリムーバブルメディアを読み取るための装置である。画像形成装置100において実行されるプログラムが更新された場合には、更新データ、すなわちプログラムの差分データや最新バージョンのプログラムデータおよび更新情報を記録したリムーバブルメディアがメディアドライブ部203によって読み取られ、これらの更新データおよび更新情報が主記憶部202に書き込まれる。なお、メディアドライブ部203によって読み取られるリムーバブルメディアはCD−ROMに限定されず、例えばMO(Magneto Optical)ディスクやDVD(Digital Versatile Disk)−ROM、あるいはフラッシュメモリを用いたメモリカードであってもよい。
通信部204はネットワーク200に接続するためのインターフェースであり、ネットワーク200を介して複数の画像形成装置100とデータの授受を行う。操作部205は種々のボタン等を備えており、管理装置200を操作する管理者からの指示を受け付ける。表示部206は例えば液晶ディスプレイを備え、各種画面を表示して管理者に通知を行う。
このような構成のもと、本実施形態の管理装置200は複数の画像形成装置100にプログラムの更新情報を送信し、プログラムの更新が必要な画像形成装置100に対して更新データを送信する。また、プログラムの修正等により新たなバージョンのプログラムが提供された場合には、メディアドライブ部203を介して更新データと更新情報とが管理装置200に供給される。
(2)動作
続いて、上述した障害復旧支援システム1において実行される障害復旧支援処理について説明する。本処理は、障害復旧支援装置110において障害復旧支援プログラムPRG1が実行され、管理装置200において障害復旧支援プログラムPRG2が実行されることによって実現される処理である。以下においては、この障害復旧支援処理が実行されるときの障害復旧支援装置110および管理装置200の具体的な動作について説明する。
図4は、本実施形態の障害復旧支援処理を説明するためのシーケンスチャートである。同図においては、管理装置200に対して障害復旧支援装置110と障害復旧支援装置110’がほぼ同時にアクセスする状況を想定している。しかし実際には、管理装置にはさらに多数の障害復旧支援装置がアクセスするものと考えられるが、本処理の動作は実質的にはほぼ同様であるため、ここでは説明の便宜上、2台の障害復旧支援装置のみを示している。障害復旧支援装置110’のハードウェア構成は障害復旧支援装置110とほぼ同様であると見なし、各構成要素は障害復旧支援装置110において対応する構成要素の符号に「’(アポストロフィ)」を付した符号で表記する。
また、図5は、以下の説明に用いられる各プログラムのバージョン情報と、それぞれのプログラムの更新情報(各プログラムの最新のバージョン情報)とを示した図である。ここでは、障害復旧支援装置110には3種類のプログラムA,B,Cが記憶されており、障害復旧支援装置110’には2種類のプログラムA,Bが記憶されている場合を想定して説明を行う。
図4のシーケンスチャートに沿って説明すると、はじめに障害復旧支援装置110の制御部111は、画像形成装置100において実行される複数のプログラムの更新情報を送信する旨の要求を管理装置200に送信する(ステップS101)。管理装置200の制御部201は、この要求に応じた更新情報を主記憶部202から選択し、画像形成装置100に送信する(ステップS102)。これとほぼ同じタイミングで、障害復旧支援装置110’からも同様の要求が送信され(ステップS101’)、管理装置200は要求に応じた更新情報を障害復旧支援装置110’へと送信する(ステップS102’)。
このとき送信される更新情報は、図5に示された通りである。すなわち、障害復旧支援装置110にはプログラムA,B,Cの更新情報「1.5」、「2.0」、「1.3」が送信される。一方、障害復旧支援装置110’にはプログラムCが記憶されていないので、障害復旧支援装置110’に対してはプログラムA,Bの更新情報「1.5」、「2.0」が送信される。
更新情報を取得したら、制御部111はこの更新情報を参照することによって更新の必要なプログラムがあるか否かを判断する(ステップS103)。図5の例を参照すると、プログラムBが「1.3」から「2.0」へ、プログラムCが「1.2」から「1.3」へとなっているので、ここで制御部111は更新の必要なプログラムが存在すると判断する。なお、更新の必要なプログラムが存在しない場合には、制御部101はこの時点で本処理を終了させる。
なお、障害復旧支援装置110’においても、これとほぼ同様の判断が行われている(ステップS103’)。図5に示されているように、障害復旧支援装置110’においては記憶されているプログラムAのバージョン情報が「1.4」であり、更新情報が「1.5」を示しているので、障害復旧支援装置110’の制御部111’は更新の必要なプログラムが存在すると判断する。
更新の必要なプログラムがある場合には、制御部111は画像形成装置100の利用頻度を算出する(ステップS104)。利用頻度としていかなる値を用いるかは任意であるが、管理装置200において複数の画像形成装置100の利用頻度を比較できるような基準によって算出されることが望ましい。ここでは、画像形成装置100の利用頻度は、「決められた期間(例えば直前の24時間)に画像形成部104が画像形成を行った回数」であるとする。
障害復旧支援装置110’の制御部111’も同様の処理を行い、利用頻度を算出する(ステップS104’)。ここでは、算出された画像形成装置100と画像形成装置100’の利用頻度をそれぞれ「x」、「y」であるとする(ただし、x>yとする)。
上述の利用頻度を算出したら、障害復旧支援装置110および110’はそれぞれ、この利用頻度を管理装置200に対して送信する(ステップS105,S105’)。このとき障害復旧支援装置110および110’は、画像形成装置を特定するための識別情報と更新すべきプログラムの識別情報とを利用頻度と共に送信する。画像形成装置を特定するための識別情報には、それぞれの画像形成装置に割り当てられた製造番号や機種名が記述されており、プログラムの識別情報には、それぞれのプログラムのプログラム名(ファイル名)が記述されている。
複数の障害復旧支援装置110,110’から利用頻度を送信された管理装置200は、制御部201においてこれらの利用頻度の大小を比較し(ステップS106)、利用頻度の大小に応じて複数の障害復旧支援装置110,110’に順位付けを行う(ステップS107)。ここでは、障害復旧支援装置110から送信された利用頻度の値が「x」、障害復旧支援装置110’から送信された利用頻度の値が「y(<x)」であるから、制御部201は障害復旧支援装置110を「第1位」、障害復旧支援装置110’を「第2位」というように順位付けを行う。
続いて管理装置200の制御部201は、障害復旧支援装置110および110’のそれぞれに対して対応する更新データを順次送信するが、このときの送信順序は上述の順位付けにしたがって決められる。上述したように、障害復旧支援装置110は「第1位」、障害復旧支援装置110’は「第2位」というように順位付けが行われたので、はじめに制御部201は上位の障害復旧支援装置110に対して更新データを送信し(ステップS108)、この送信が完了してから下位の障害復旧支援装置110’に対して更新データを送信する(ステップS108’)。更新データを受信した障害復旧支援装置110および110’は、更新の必要なプログラムを順次更新する(ステップS109,S109’)。これにより、障害復旧支援装置110はプログラムBおよびCをそれぞれ最新のバージョン(2.0および1.3)に更新し、障害復旧支援装置110’は、プログラムAを最新のバージョン(1.5)に更新する。
このような処理を行うことで、障害復旧支援装置システム1の管理装置200は、複数の障害復旧支援装置からほぼ同時にアクセスが行われた場合であっても、それぞれの利用頻度を判断し、適切な順序で更新データを送信することが可能となる。更新データを送信する際に利用頻度を参照することで、利用頻度の高い画像形成装置の更新を優先的に行うことができる。このようにすると、利用頻度の高い画像形成装置の更新は比較的早く終了することとなり、ユーザによる画像形成装置の利用を妨げるおそれを低減させることが可能となる。本発明の効果は、同じ管理装置に接続される画像形成装置の数が多くなるほど顕著となる。よって、本発明は、より多数の画像形成装置が存在するシステムにおける適用がより好適であると言える。
(3)変形例
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その適用に際しては種々の変形が可能である。以下にその例をいくつか示す。
上述の実施形態においては、本発明の障害復旧支援装置は画像形成装置と一体となっているものとして説明された。しかし、本発明の障害復旧支援装置は画像形成装置とは異なる外部装置として提供されることももちろん可能である。このような場合は、画像形成装置の記憶部を障害復旧支援装置が読み出し、この読み出し結果を障害復旧支援装置内部に一時的に保持した上で、上述した障害復旧支援処理を行えばよい。
また、上述の実施形態においては、バージョン情報が「m.n」という形式で表されると説明したが、もちろんこのような形式に限定されるものではない。バージョン情報は、障害復旧支援装置がプログラムの新旧を判断し、更新の必要なプログラムを特定することができるような形式であれば、いかなる値であってもよい。
なお、上述の実施形態においては、バージョン情報はそれぞれのプログラムとは別個に記憶されているように示したが、それぞれのプログラムのバイナリデータに直接埋め込まれているような態様であってもよい。
また、上述の実施形態においては、画像形成装置の利用頻度が「決められた期間(例えば直前の24時間)に画像形成部が画像形成を行った回数」であると説明されたが、利用頻度の算出においては種々の方法が考えられる。例えば、利用頻度は「決められた期間に画像読取部が画像読取を行った回数」であってもよいし、「1日あたりに画像形成部が画像形成を行った回数の直近の決められた日数における平均値」でもよい。あるいは、画像形成部の消耗品、例えばトナー等の色材のカートリッジの交換回数や、最後に消耗品が交換されてからの時間や画像形成の回数によって利用頻度を算出してもよい。また、画像形成や画像読取に関わる処理に限らず、例えば画像形成装置の稼働時間や画像形成装置が備えるCPUの累積使用率によって利用頻度を算出してもよい。
本発明を実施する際には、上述のいずれの方法を用いて利用頻度を算出してもよい。しかし、最適な算出方法はそれぞれのシステムによって異なるため、その選択は実験的ないし経験的に行われることが望ましい。
なお、本発明に係る管理装置は、例えばネットワークや障害復旧支援装置のトラブルによってネットワーク接続が切断され、更新データの全体が受信されなかった場合に、ネットワークが再度接続された後に受信されなかった部分の更新データを送信する、いわゆるレジュームの機能を備えてもよい。この機能を実現するためには、障害復旧支援装置は切断前後の更新データを結合する機能が必要である。具体的には、例えば切断前後の部分的な更新データのバイト数を完全な更新データのバイト数と比較し、これらが過不足なく一致するようにして1つのファイルに結合するような機能である。
なお、本発明における「情報機器」とは、画像形成装置等に限定されるものではない。ネットワークに接続され、プログラムを実行することにより各種処理を行っている情報機器であれば、上述の実施形態と同様の要領で本発明を適用可能である。このような情報機器の例としては、例えばパソコンやサーバ等のコンピュータ、ゲーム機、あるいはネットワーク通信機能を備えた家電製品(いわゆる情報家電)が挙げられる。なお、このような情報機器に対して本発明を適用する場合には、本実施形態における画像形成回数や画像読取回数に代わるものとして、情報機器の稼働時間や情報機器が備えるCPUの累積使用率を利用頻度の基準として用いればよい。
本発明の一実施形態に係る障害復旧支援システムの構成を示した図である。 同実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成を示したブロック図である。 同実施形態に係る管理装置のハードウェア構成を示したブロック図である。 同実施形態における障害復旧支援処理を説明するためのシーケンスチャートである。 同実施形態における各プログラムのバージョン情報と、それぞれのプログラムの更新情報とを示した図である。
符号の説明
1…障害復旧支援システム、100,100’…画像形成装置、101…制御部、102…記憶部、103…画像読取部、104…画像形成部、105…画像処理部、106…通信部、107…操作部、108…通知部、110,110’…障害復旧支援装置、200…管理装置、201…制御部、202…主記憶部、203…、通信部204…メディアドライブ部、205…操作部、206…表示部、300…ネットワーク。

Claims (6)

  1. 複数の情報機器のそれぞれに内蔵あるいは接続された複数の障害復旧支援装置と、
    前記複数の障害復旧支援装置にネットワークを介して接続された管理装置とを備え、
    各々の前記障害復旧支援装置は、
    前記情報機器において実行されるプログラムの新旧を判断するための更新情報を、前記管理装置から前記ネットワークを介して受信する更新情報受信手段と、
    前記更新情報を参照することによって、自装置を内蔵するあるいは自装置に接続された情報機器においてプログラムの更新が必要か否かを判断する更新判断手段と、
    前記情報機器の利用頻度を算出する利用頻度算出手段と、
    前記更新判断手段によって更新が必要と判断された場合、前記利用頻度算出手段が算出した利用頻度を前記管理装置に送信する利用頻度送信手段と、
    前記管理装置から送信されてくる前記プログラムの更新に必要なデータを受信し、該データを用いて前記情報機器に前記プログラムを更新させるプログラム更新手段とを備え、
    前記管理装置は、
    各々のプログラムについての前記更新情報を記憶した更新情報記憶手段と、
    各々のプログラムの更新に必要なデータを記憶する更新データ記憶手段と、
    複数の前記障害復旧支援装置に前記更新情報をそれぞれ送信する更新情報送信手段と、
    複数の前記障害復旧支援装置から送信されてくる前記情報機器の利用頻度をそれぞれ比較する比較手段と、
    前記比較手段の比較結果にしたがって、複数の前記情報機器のそれぞれに順位付けを行う序列手段と、
    前記序列手段により行われた順位付けにしたがって、各々の前記情報機器を内蔵するあるいは各々の前記情報機器に接続された前記障害復旧支援装置のそれぞれに対し、前記プログラムの更新に必要な前記データを順次送信する更新データ送信手段と
    を備える障害復旧支援システム。
  2. 前記管理装置は、前記障害復旧支援装置において前記データの全体が受信されなかった場合に、受信されなかった部分の前記データを送信するレジューム送信手段を備え、
    前記障害復旧支援装置は、既に受信した部分の前記データと前記レジューム送信手段によって送信された部分の前記データとを結合するデータ結合手段を備える
    請求項1記載の障害復旧支援システム。
  3. 前記情報機器は、記録材に画像を形成する画像形成手段または原稿表面の画像を光学的に読み取る画像読取手段の少なくとも一方を有し、
    前記利用頻度算出手段は、決められた期間内における前記画像形成手段の画像形成回数または前記画像読取手段の画像読取回数によって前記利用頻度を算出する
    請求項1記載の障害復旧支援システム。
  4. 前記情報機器は、記録材に画像を形成する画像形成手段を少なくとも有し、
    前記利用頻度算出手段は、前記画像形成手段において用いられる消耗品の交換回数によって前記利用頻度を算出する
    請求項1記載の障害復旧支援システム。
  5. 情報機器に内蔵あるいは接続され、
    前記情報機器において実行されるプログラムの新旧を判断するための更新情報を、前記管理装置から前記ネットワークを介して受信する更新情報受信手段と、
    前記更新情報を参照することによって、自装置を内蔵するあるいは自装置に接続された情報機器においてプログラムの更新が必要か否かを判断する更新判断手段と、
    前記情報機器の利用頻度を算出する利用頻度算出手段と、
    前記更新判断手段によって更新が必要と判断された場合、前記利用頻度算出手段が算出した利用頻度を送信する利用頻度送信手段と、
    送信した前記利用頻度に応じて供給される前記プログラムの更新に必要なデータを受信し、該データを用いて前記情報機器に前記プログラムを更新させるプログラム更新手段と
    を備える障害復旧支援装置。
  6. 複数の情報機器のそれぞれに内蔵あるいは接続された複数の障害復旧支援装置にネットワークを介して接続され、
    複数のプログラムについての前記更新情報を記憶した更新情報記憶手段と、
    前記複数のプログラムの更新に必要なデータを記憶する更新データ記憶手段と、
    複数の前記障害復旧支援装置に前記更新情報をそれぞれ送信する更新情報送信手段と、
    複数の前記障害復旧支援装置から送信されてくる前記情報機器の利用頻度をそれぞれ比較する比較手段と、
    前記比較手段の比較結果にしたがって、複数の前記情報機器のそれぞれに順位付けを行う序列手段と、
    前記序列手段により行われた順位付けにしたがって、各々の前記情報機器を内蔵するあるいは各々の前記情報機器に接続された前記障害復旧支援装置のそれぞれに対し、前記プログラムの更新に必要な前記データを順次送信する更新データ送信手段と
    を備える管理装置。
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