JP2019194977A - 燃料電池用触媒、その製造方法、燃料電池用膜電極接合体及びそれを備えた燃料電池 - Google Patents

燃料電池用触媒、その製造方法、燃料電池用膜電極接合体及びそれを備えた燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】電力の出力特性が高く、起動、停止又は負荷変動による発電性能の低下を抑制した燃料電池用触媒、その製造方法、燃料電池用膜電極接合体及びそれを備えた燃料電池を提供する。【解決手段】本発明に係る燃料電池用触媒は、触媒活性種と、前記触媒活性種を担持する担体とを少なくとも有する燃料電池用触媒であって、前記触媒活性種が白金、白金合金、及び白金と異なる金属のコアを、白金を含むシェルで被覆したコアシェル触媒からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記担体が炭素材料であり、前記触媒活性種及び前記担体の少なくとも何れか一方はフッ素原子を含む。【選択図】 図1

Description

本発明は燃料電池用触媒、その製造方法、燃料電池用膜電極接合体及びそれを備えた燃料電池に関し、より詳細には、電力の出力特性が高く、起動、停止又は負荷変動による発電性能の低下を抑制した燃料電池用触媒、その製造方法、燃料電池用膜電極接合体及びそれを備えた燃料電池に関する。
燃料電池は、化学エネルギーを電気エネルギーに直接に変換するものであり、その変換時に水のみを排出することから、クリーンな発電システムとして注目されている。燃料電池は使用する電解質や電極の種類によって分類される。代表的な燃料電池としては、例えば、固体高分子型、固体酸化物型、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体電解質型、アルカリ型等が挙げられる。これらの燃料電池のうち、固体高分子型の燃料電池は、運転温度が低く(通常100℃以下)、小型化が可能であることから、家庭用コージェネレーションシステムや電気自動車用電源、可搬電源、情報機器用電源として使用されている。
固体高分子型燃料電池は、一般的には、膜電極接合体(MEA: Membrane Electrode Assembly)の両面に、一対のガス拡散層及び金属セパレータがそれぞれ順次積層した基本構造を有している。この基本構造は「セル」と呼ばれている。膜電極接合体は、プロトン伝導性を有する固体電解質膜が、一対の電極触媒層、即ちアノード側電極触媒層及びカソード側電極触媒層により挟持された構造を有している。電極触媒層は、一般に、導電性を有する担体に燃料電池反応を促進させる触媒活性種が担持された担持触媒と、プロトン伝導性を有するアイオノマーとにより構成されている。
固体高分子型燃料電池の発電は、アノード側で水素ガスを含む燃料ガスが供給され、カソード側で酸素ガスを含む酸化剤ガスが供給され、それぞれの電極触媒層に於ける触媒活性種上で形成される三相界面に於いて、下記化学反応式で示す反応が進行することにより生じる。
Figure 2019194977
この様な固体高分子型燃料電池として、例えば、特許文献1には、炭素質材料と、固体高分子電解質である陽イオン交換樹脂と、触媒金属粒子とを含み、触媒金属粒子が炭素質材料と陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路との接触面に主として担持された燃料電池用触媒が開示されている。そして、陽イオン交換樹脂の厚さ(A)及び触媒金属粒子の粒子径(B)がB≦A≦B×1.2の関係を満たすことにより、触媒金属の利用率を高くし、かつ、高い出力及び優れた耐久性能が得られるとされている。しかし、特許文献1に開示の燃料電池用触媒に於いても電力の出力は不十分であり、さらなる改善が求められている。
また、特許文献2には、0.8≦(F/C)/(F/C)≦1.2(但し、(F/C)は、含フッ素カーボン粒子の外表面における炭素原子の原子数に対するフッ素原子の原子数の比であり、(F/C)は、含フッ素カーボン粒子の全体における炭素原子の原子数に対するフッ素原子の原子数の比である。)の関係を満足する含フッ素カーボン粒子が開示されている。この特許文献2によれば、含フッ素カーボン粒子からなる担体に白金を担持し、これにより得られる燃料電池用触媒を用いることで、発電性能が高く、燃料電池の起動および停止を繰り返しても発電性能が低下しにくい燃料電池が得られるとされている。しかし、特許文献2に開示の含フッ素カーボン粒子を用いた燃料電池用触媒においても、発電性能は不十分であり、さらなる改善が求められている。
特開2012−79489号公報 国際公開WO2016/190248号
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、電力の出力特性が高く、起動、停止又は負荷変動による発電性能の低下を抑制した燃料電池用触媒、その製造方法、燃料電池用膜電極接合体及びそれを備えた燃料電池を提供することにある。
本発明に係る燃料電池用触媒は、前記の課題を解決するために、触媒活性種と、前記触媒活性種を担持する担体とを少なくとも有する燃料電池用触媒であって、前記触媒活性種が白金、白金合金、及び白金と異なる金属のコアを、白金を含むシェルで被覆したコアシェル触媒からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記担体が炭素材料であり、前記触媒活性種及び前記担体の少なくとも何れか一方はフッ素原子を含む。
前記構成に於いては、前記担体に含まれる炭素原子の原子数に対する、前記触媒活性種及び前記担体の少なくとも何れか一方に含まれる前記フッ素原子の原子数の比が、次式(1)に示す関係を満たすことが好ましい。
(F/C)/(F/C)<0.8 ・・・(1)
(但し、(F/C)は、燃料電池用触媒の表面における炭素原子の原子数に対するフッ素原子の原子数の比を表し、(F/C)は、燃料電池用触媒の全体における炭素原子の原子数に対するフッ素原子の原子数の比を表す。)
前記構成に於いては、前記(F/C)が0.4未満であることが好ましい。
前記構成に於いては、前記炭素材料が、グラファイト、酸化グラファイト、カーボンブラック、黒鉛化カーボンブラック、ダイアモンドライクカーボン、フラーレン、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノウォール、カーボンナノファイバー、カーボンナノブラシ、単層グラフェン、多層グラフェン、及び酸化グラフェンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明に係る燃料電池用膜電極接合体は、前記の課題を解決するために、固体高分子電解質膜と、当該固体高分子電解質膜の両表面に配置された電極触媒層とを少なくとも有する燃料電池用膜電極接合体であって、前記電極触媒層が、前記に記載の燃料電池用触媒と、当該燃料電池用触媒を被覆するアイオノマーとを少なくとも有する。
前記構成に於いては、前記アイオノマーがフッ素系樹脂であってもよい。
また、前記構成に於いては、前記アイオノマーが芳香族系炭化水素樹脂であってもよい。
また、前記構成に於いては、前記アイオノマーがイオン液体であってもよい。
本発明に係る燃料電池は、前記の課題を解決するために、前記燃料電池用膜電極接合体を備える。
本発明によれば、触媒活性が高く酸素還元反応の向上により電力の出力特性を高くすることができ、また起動、停止及び負荷(変動)応答による発電性能の劣化を抑制することが可能な燃料電池用触媒、その製造方法、燃料電池用膜電極接合体及び燃料電池を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る単一セル構造の燃料電池を表す概略断面図である。
(燃料電池用触媒)
本実施の形態に係る燃料電池用触媒は、触媒活性種と、当該触媒活性種を担持する担体とを少なくとも有する担持体の構造を有している。また、触媒活性種及び担体の少なくとも何れか一方には、フッ素原子が含まれる。本実施の形態の燃料電池用触媒は、固体高分子型燃料電池等に好適に用いることができる。
<担体>
先ず、燃料電池用触媒を構成する担体について説明する。
本明細書に於いて「担体」とは、アノード側電極触媒層及び/又はカソード側電極触媒層(以下、単に「電極触媒層」ということがある。)に於いて、触媒活性種の過度な凝集を抑制すること等を目的として用いられる電子伝導性物質を意味する。
本実施の形態の担体は、炭素材料からなる。炭素材料としては特に限定されず、例えば、活性炭、カーボンブラック、黒鉛化カーボンブラック、ハードカーボン、ソフトカーボン、メソポーラスカーボン、天然黒鉛、人造黒鉛、ダイアモンドライクカーボン、フラーレン、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノウォール、カーボンナノファイバー、カーボンナノブラシ、単層グラフェン、多層グラフェン、酸化グラフェン等が挙げられる。これらは、1種単独で、又は、2種以上を併用することができる。導電性、化学的安定性、入手しやすさの観点から、カーボンブラック、黒鉛化カーボンブラック、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、単層グラフェン、多層グラフェンが好ましい。
前記炭素材料の比表面積は、前記触媒活性種を高分散担持させるのに十分な比表面積であればよく、具体的には10〜1500m/gが好ましく、30〜1200m/gがより好ましく、50〜1000m/gが特に好ましい。前記比表面積を10m/g以上にすることで、触媒活性種が担体に多く担持され、燃料電池の性能が向上する。その一方、前記比表面積を1500m/g以下にすることにより、担持される触媒活性種の利用率の低下を抑制することができる。尚、前記炭素材料の比表面積の測定方法としては、例えば、日本工業規格JIS Z8830:2013のBET法に基づき、測定することができる。
前記担体がフッ素原子を含有する場合、例えば、アイオノマー(詳細については後述する。)がフッ素原子を含有するときは、当該担体とアイオノマーとの親和性を向上させることができる。アイオノマーとの親和性の向上は、例えば、電極触媒層に於ける三相界面(燃料電池用触媒、固体高分子電解質、及び酸素(酸化剤)又は水素(還元剤)からなる反応ガスの三相が接触する界面)に於いて、律速要因として挙げられる酸素拡散及びプロトン拡散を促進させる状態となる。従来の燃料電池に於いては、高電流密度領域に於ける物質移動過程での酸素及びプロトンの移動律速が生じ、これにより電池性能の低下を招いていた。しかし、酸素及びプロトンの拡散が促進されることにより、これらの移動律速を低減することができ、その結果、酸素還元反応を向上させて、高電流密度域での高出力を可能にする。
また、フッ素原子は炭素材料の外表面及び/又は細孔の内部表面に存在することにより、当該炭素材料の腐食を低減又は抑制することができる。これにより、燃料電池の起動及び停止の際に、炭素材料の腐食に起因した触媒活性種の脱離を低減することができ、燃料電池の起動及び停止を繰り返すことによる発電性能の低下を抑制することができる。
前記フッ素原子の含有量は、燃料電池用触媒の全質量に対して0.1〜30質量%であることが好ましく、0.25〜20質量%であることがより好ましく、0.5〜15質量%であることが特に好ましい。フッ素原子の含有量を0.1質量%以上にすることにより、前述の通り、燃料電池の起動及び停止を繰り返すことによる発電性能の低下を抑制することができる。また、高電流密度域での電力の高出力を可能にする燃料電池が得られる。その一方、フッ素原子の含有量を30質量%以下にすることにより、導電性の低下を抑制することができる。
フッ素原子は炭素材料の外表面又は細孔の内部表面に、例えば、化学吸着及び/又は物理吸着により吸着した状態で存在する。
また、フッ素原子は、炭素材料の外表面に均一に存在するのが好ましい。更に、フッ素原子は、炭素材料の細孔の内部にも均一に存在するのが好ましい。これにより、炭素材料の外表面や細孔の内部表面に於いて、フッ素原子が存在しない領域で炭素材料の腐食が生じるのを抑制することができる。
<触媒活性種>
次に、本実施の形態に係る触媒活性種について以下に説明する。
本明細書に於いて「触媒活性種」とは、燃料電池内に於ける電気化学反応に於いて、触媒機能を発揮し得る物質を意味する。本実施の形態の触媒活性種は、具体的には、白金、白金合金、及びコアシェル触媒からなる群より選ばれる少なくとも1種の活性種からなる。
前記白金合金に於いて、白金と合金を構成する金属としては特に限定されず、例えば、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、スズ、アンチモン、バリウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、金、鉛、ビスマス、ランタン、セリウム等が挙げられる。これらの金属は1種単独で、又は2種以上を組み合わせて、白金合金を構成してもよい。尚、白金と合金を構成する金属としては、触媒性能の観点からは、ルテニウム、モリブデン、オスニウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、ニッケル、チタン、タングステン、パラジウム、レニウム、クロム、マンガン、タンタル及び金が好ましい。
白金合金に於ける白金の含有量は、当該白金合金の全質量に対し、1〜99質量%の範囲内であることが好ましく、3〜75質量%の範囲内であることがより好ましく、5〜50質量%の範囲内であることが特に好ましい。白金の含有量が1質量%以上であると、燃料電池反応における触媒機能を良好なものにすることができる。その一方、白金の含有量が99質量%以下であると、白金以外の金属と合金を形成することができる。
前記コアシェル触媒は白金以外の金属からなるコアを、白金を含むシェルで被覆する触媒である。前記コアを構成する金属としては白金以外であれば特に限定されず、例えば、ニッケル、銅、パラジウム、銀、金、イリジウム、チタン、鉄、コバルト、ルテニウム、オスミウム、クロム、モリブデン、タングステンが挙げられる。これらの金属のうち、触媒性能の観点からは、ニッケル、銅、パラジウム、銀、金、イリジウム、チタン、鉄、コバルト、ルテニウムが好ましい。また、これらの金属は、1種類のみを用いてもよく、あるいは、2種類以上を併用してもよい。
また、前記シェルは少なくとも白金を含むものであれば特に限定されない。例えば、白金のみからなる場合の他、当該白金と、ニッケル、銅、パラジウム、銀又は金の少なくとも何れかとを含む場合でもあってもよい。
前記触媒活性種が他のフッ素原子を含有する場合、他のフッ素原子は触媒活性種の表面に、化学吸着及び/又は物理吸着により吸着した状態で存在する。
触媒活性種が他のフッ素原子を含有することにより、例えば、フッ素原子を含有する炭素材料及び/又はアイオノマーを用いた場合には、当該炭素材料等との親和性を向上させることができる。これにより、例えば、電極触媒層に於ける前記三相界面に於いて、律速要因として挙げられる酸素拡散、プロトン拡散を促進させる状態となる。その結果、前述の場合と同様、酸素及びプロトンの移動律速を一層低減することができ、酸素還元反応を向上させて、高電流密度域での高出力を可能にする。
触媒活性種が他のフッ素原子を含有する場合、当該他のフッ素原子の含有量は、担体である炭素材料が含有するフッ素原子との合計量で、燃料電池用触媒の全質量に対して0.1〜30質量%であることが好ましく、0.25〜20質量%であることがより好ましく、0.5〜10質量%であることが特に好ましい。前記他のフッ素原子及びフッ素原子の合計の含有量を0.1質量%以上にすることにより、前述の通り、燃料電池の起動及び停止を繰り返すことによる発電性能の低下を抑制することができる。また、高電流密度域での高出力を可能にする燃料電池が得られる。その一方、前記他のフッ素原子及びフッ素原子の合計の含有量を30質量%以下にすることにより、導電性の低下を抑制することができる。
炭素材料に担持されている触媒活性種の平均粒子径は特に限定されないが、通常は0.1〜50nmであり、好ましくは0.5〜30nm、より好ましくは1〜20nmである。前記触媒活性種の平均粒子径を0.1nm以上にすることにより、触媒活性を高くすることができる。その一方、前記触媒活性種の平均粒子径を50nm以下にすることにより、触媒活性種の比表面積の減少に伴う活性点の減少を抑制することができる。尚、触媒活性種の平均粒子径とは、触媒活性種の外接円の直径を測定して平均したものを表す。具体的には、透過型電子顕微鏡もしくは走査型電子顕微鏡の観察像において、500nm×500nmの視野中に分散した少なくとも500個の触媒活性種の粒子径の平均値により算出した値である。
また、炭素材料に担持されている触媒活性種の最大粒子径は特に限定されないが、通常は0.1〜60nmであり、好ましくは0.5〜30nm、より好ましくは1〜20nmである。前記触媒活性種の最大粒子径を0.1nm以上にすることにより、反応表面積の増大により、単位触媒質量当たりの触媒活性を高くすることができる。その一方、前記触媒活性種の最大粒子径を60nm以下にすることにより、触媒活性種の比表面積の減少に伴う活性点の減少を抑制することができる。最大粒子径は、より具体的には、500nm×500nmの視野中に於いて視認できる最大の粒子径を有する粒子の粒子径を意味する。
尚、触媒活性種の平均粒子径及び最大粒子径は、その形状が球状以外の形状である場合、例えば楕円形である場合には長軸の値を粒子径とし、また、その他の形状である場合には円相当径を粒子径として測定した値である。
また、触媒活性種の含有量は特に限定されないが、通常は、燃料電池用触媒の全質量に対し5〜80質量%であり、好ましくは10〜75質量%、より好ましくは15〜70質量%である。触媒活性種の含有量を5質量%以上にすることで、高い触媒活性を維持することができる。その一方、触媒活性種の含有量を80質量%以下にすることで、有効に利用される触媒活性種の割合が低下するのを抑制することができる。また、担体に担持される触媒活性種が凝集し、これによる触媒活性の低下も抑制することができる。
<燃料電池用触媒におけるフッ素原子数と炭素原子数の比>
本実施の形態において、担体である炭素原子の原子数に対する、触媒活性種及び担体の少なくとも何れか一方に含まれるフッ素原子の原子数の比は、次式(1)の関係を満たすことが好ましい。
(F/C)/(F/C)<0.8・・・(1)
(但し、(F/C)は、燃料電池用触媒の表面における炭素原子の原子数に対するフッ素原子の原子数の比を表し、(F/C)は、燃料電池用触媒の全体における炭素原子の原子数に対するフッ素原子の原子数の比を表す。)
炭素原子の原子数とフッ素原子の原子数の比を、式(1)で表す関係を満たす様にすることで、燃料電池用触媒の導電性の低下を抑制し、優れた触媒活性を可能にする。また、(F/C)/(F/C)の値は、0.1以上0.8未満であることが好ましく、0.3以上0.8未満であることがより好ましい。
尚、前記(F/C)の値は、X線光電子分光法(XPS)を用いて算出することができる。また、前記(F/C)は、燃焼フラスコ法により算出することができる。すなわち、酸素を満たしたフラスコ内で燃料電池用触媒を燃焼させ、発生したガスを、フラスコ内の試料液に吸収させる。さらに、ガスの吸収により溶解した試料液中のフッ素イオンをイオンクロマトグラフィーで測定する。これにより、前記(F/C)の値を算出することができる。
前記(F/C)の上限値は0.4未満が好ましく、0.3未満がより好ましく、0.2未満がさらに好ましく、0.1未満が特に好ましい。(F/C)の上限値を0.3未満にすることで、導電性低下を抑制するとともに、耐酸化性を有する表面を形成することができる。尚、前記(F/C)の下限値としては、0.001以上が好ましい。
<燃料電池用触媒の仕事関数>
本実施の形態に係る燃料電池用触媒の仕事関数は4〜7.5eVであることが好ましく、4〜7eVであることがより好ましく、5〜6.5eVであることが特に好ましい。燃料電池用触媒の仕事関数が4eV以上であると、電子伝導性を良好に維持することができる。その一方、燃料電池用触媒の仕事関数が7.5eV以下であると、電子伝導性を損なわずに、耐酸化性の向上を図ることができる。尚、燃料電池用触媒の仕事関数は、紫外線光電子分光法等によって測定可能である。
(燃料電池用触媒の製造方法)
次に、本実施の形態に係る燃料電池用触媒の製造方法について、以下に説明する。
本実施の形態に係る燃料電池用触媒の製造方法としては、担体をフッ素化処理した後に触媒活性種を担持する方法A、担体に触媒活性種を担持した後にフッ素化処理を行う方法B、フッ素化処理した触媒活性種を担体に担持する方法Cが挙げられる。さらに、本実施の形態に於いては、前記方法A及び方法Bに対し、再フッ素化処理を行ってもよい。
<触媒活性種の担持>
触媒活性種を担体に担持させる方法としては特に限定されず、公知の方法を採用することができる。例えば、触媒活性種の前駆体を溶解させた反応液に、担体としての炭素材料を分散させる。分散方法については特に限定されず、公知の方法を採用することができる。次に、この反応液に適切な還元剤を投入し、溶存している前駆体の金属イオン種を還元することにより触媒活性種を担体表面に担持させる。続いて、この反応液を固液分離した後、固形分を乾燥させる。これにより、触媒活性種の担持体が得られる。尚、触媒活性種の炭素材料への担持は、当該触媒活性種及び炭素材料にフッ素原子が導入されているか否かに関わらず可能である。
例えば、触媒活性種が単一金属の白金であり、炭素材料がカーボンブラックである場合、白金の前駆体として、塩化白金酸及びその塩等を水に溶解させ反応液を作製する。続いて、この反応液に前記カーボンブラックを添加して分散させ、更に還元剤を加える。還元剤としては特に限定されず、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、アルコール等が挙げられる。還元剤の添加により、カーボンブラックの表面に微粒子状の白金を還元析出させる。続いて、この反応液を固液分離し、固形分を乾燥することにより、微粒子状の白金がカーボンブラックの表面や細孔内部に担持された触媒活性種の担持体を作製することができる。
<フッ素原子の導入>
触媒活性種、炭素材料、又は触媒活性種を担持した炭素材料へのフッ素原子の導入は、フッ素化処理を行うことにより可能である。フッ素化処理を行うことにより、炭素材料の表面や細孔内部に、炭素−フッ素結合によるフッ素基が導入される。従って、例えば、炭素六角網面のエッジ部分に水酸基、カルボニル基又はカルボキシル基等の含酸素官能基を付与する酸化処理とは異なり、炭素材料にダメージを与えたり分解させる等の構造欠陥が生じることなく、その表面をフッ素化することができる。
フッ素化処理の方法としては特に限定されず、フッ素原子含有ガスを含む処理ガスを触媒活性種等の処理対象に接触させる方法、フッ素原子含有ガスを溶媒に溶解させた処理液を処理対象に接触させる方法、フッ素化剤を溶媒に溶解した処理液を処理対象に接触させる方法等が挙げられる。
前記処理ガスとしては、全体積に対し0.1〜100vol%、好ましくは0.2〜80vol%、より好ましくは0.3〜50vol%のフッ素原子含有ガスを含むものが用いられる。フッ素原子含有ガスの濃度を0.1vol%以上にすることにより、触媒活性種等の処理対象に対するフッ素原子の導入が不十分となるのを防止することができる。
フッ素原子含有ガスとはフッ素原子を含む気体を意味し、本実施の形態に於いてはフッ素原子を含むものであれば特に限定されない。フッ素原子含有ガスとしては、例えば、フッ素(F)、フッ化水素(HF)、三フッ化塩素(ClF)、三フッ化臭素(BrF)、五フッ化臭素(BrF)、五フッ化ヨウ素(IF)、五フッ化リン(PF)、四フッ化硫黄(SF)、三フッ化ホウ素(BF)、三フッ化窒素(NF)、フッ化カルボニル(COF)等が挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上を混合して用いてもよい。
前記処理ガスには不活性ガスが含まれていてもよい。不活性ガスとしては特に限定されないが、フッ素原子含有ガスと反応して炭素材料のフッ素化処理に悪影響を与えるもの、炭素材料と反応して悪影響を与えるもの、及び当該悪影響を与える不純物を含むものは好ましくない。具体的には、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン等が挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。また、不活性ガスの純度としては特に限定されないが、当該悪影響を与える不純物については100ppm以下であることが好ましく、10ppm以下であることがより好ましく、1ppm以下であることが特に好ましい。
また、前記処理ガスには、ハロゲン原子含有ガス(但し、フッ素原子含有ガスを除く。)が含まれていてもよい。前記ハロゲン原子含有ガスとしては、塩素ガス、臭素ガス等が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
触媒活性種等の処理対象に対する処理ガスの接触方法としては特に限定されず、当該処理ガスのフロー下、または、当該処理ガスを密閉状態の下で接触させることができる。
フッ素原子含有ガスを溶媒に溶解させた処理液を炭素材料に接触させる方法の場合、当該溶媒としては特に限定されず、非プロトン性極性溶媒、プロトン性極性溶媒を用いることができる。
前記非プトロン性極性溶媒としては特に限定されず、例えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジメチルスホキシド、ジメチルスルホン、スルホラン、1,3−プロパンスルトン、ジメチルサルフェート、トリメチルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等が挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
また、前記プロトン性極性溶媒としては特に限定されず、水、酢酸、ギ酸、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ニトロメタン、ニトロエタン等が挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
フッ素原子含有ガスの処理液中における濃度としては特に限定されないが、通常は、処理液の全質量に対し0.1〜100質量%であり、好ましくは0.2〜80質量%、より好ましくは0.3〜50質量%である。フッ素原子含有ガスの濃度を0.1wt%以上にすることにより、触媒活性種等の処理対象に対するフッ素原子の導入が不十分となるのを防止することができる。
フッ素化剤を溶媒に溶解した処理液を触媒活性種等の処理対象に接触させる方法の場合、当該フッ素化剤としては特に限定されず、例えば、フッ化カリウム、酸性フッ化カリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド水和物、テトラブチルアンモニウムビフルオリド、テトラブチルアンモニウム三フッ化二水素、テトラメチルアンモニウムフルオリド四水和物、1−フルオロピリジニウムテトラフルオロボレート、1−フルオロピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート、1−フルオロ−2,4,6−トリメチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート、フッ素化剤F−51等が挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
フッ素化剤を溶解させる溶媒としては特に限定されず、前述の非プロトン性極性溶媒、及びプロトン性極性溶媒を用いることができる。従って、それらの詳細な説明については省略する。
フッ素化剤の処理液中における濃度としては特に限定されないが、通常は、処理液の全質量に対し0.1〜100質量%であり、好ましくは0.2〜80質量%、より好ましくは0.3〜50質量%である。フッ素化剤の濃度を、0.1質量%以上にすることにより、触媒活性種等の処理対象に対するフッ素原子の導入が不十分となるのを防止することができる。
フッ素化処理を行う際の処理温度は、−50℃〜600℃が好ましく、−20℃〜350℃がより好ましく、−10℃〜250℃が更に好ましく、−10℃〜100℃が特に好ましい。処理温度を−50℃以上にすることにより、触媒活性種等の処理対象に対するフッ素原子の導入を進行させることができる。その一方、処理温度を600℃以下にすることにより、炭素材料のフッ素化によりCFの形成よる炭素の消耗を防ぐことができる。また、燃料電池用触媒の導電性の低下、及び触媒活性種の焼結による肥大化を防ぐことができる。
フッ素化処理の処理時間(反応時間)としては特に限定されず、触媒活性種等の処理対象に対して、均一にフッ素原子を導入できればよい。処理時間は、通常は0.5分〜12時間が好ましい。処理時間を0.5分以上にすることにより、炭素材料の表面や細孔内部のフッ素化を十分なものにすることができる。その一方、処理時間を12時間以下にすることにより、製造時間の長期化による製造効率の低下を防止することができる。
フッ素化処理を行う際の圧力条件としては特に限定されず、常圧下、加圧下又は減圧下で行うことができる。経済上・安全上の観点からは、常圧下で行うのが好ましい。フッ素化処理を行うための反応容器としては特に限定されず、固定床、流動床等の従来公知のものを採用することができる。
また、触媒活性種等の処理対象に対しては、フッ素化処理の直前及び/又は直後において減圧処理を行うのが好ましい。減圧処理の方法としては、例えば、処理対象を反応容器内で真空引きする方法等が挙げられる。これにより、担体である炭素材料の表面等に付着した水分、未反応の処理ガス(未反応のフッ素原子含有ガス等を含む。)、及びフッ素化処理により副生した反応副生物等を取り除くことができる。
減圧処理を行う場合の圧力条件としては、0Pa〜100Paの範囲が好ましく、0Pa〜50Paの範囲がより好ましく、0Pa〜10Paの範囲が特に好ましい。100Pa以下にすることにより、前述の通り、担体表面等に付着した水分、未反応の処理ガス、及びフッ素化処理により副生した反応副生物等の除去を可能にする。
また、減圧処理の処理時間は特に限定されないが、通常は10分〜2時間の範囲であり、好ましくは10分〜1.5時間、より好ましくは10分〜1時間である。
<再フッ素化処理>
前記再フッ素化処理は、フッ素化処理された触媒活性種を、フッ素化処理されていない炭素材料に担持したもの、又はフッ素化処理されていない触媒活性種を、フッ素化処理された炭素材料に担持したものに対し、フッ素原子を導入することを目的として行われる工程である。
再フッ素化処理においては、前述のフッ素化処理と同様の方法を採用することができる。また、再フッ素化処理に於ける処理条件、具体的には、処理ガス又は処理液の種類、処理ガス及び処理液中のフッ素原子の濃度、処理温度、処理時間及び処理圧力についても、前述のフッ素化処理に於いて説明した処理条件の範囲内で、必要に応じて適宜変更可能である。
さらに、再フッ素化処理を行う場合にも、その直前及び/又は直後において、処理対象に対し減圧処理を行うのが好ましい。減圧処理の方法については、前述の場合と同様である。これにより、炭素材料の表面等に付着した水分、未反応の処理ガス(未反応のフッ素原子含有ガス等を含む。)、及びフッ素化処理により副生した反応副生物等を取り除くことができる。
(燃料電池)
次に、本実施の形態の燃料電池用触媒を用いた燃料電池について、図1に基づき以下に説明する。図1は、本実施の形態に係る単一セル構造の燃料電池を表す概略断面図である。
図1に示すように、本実施の形態の燃料電池セル1は、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)10と、一対のガス拡散層13と、一対のセパレータ14と、ガスケット15とを少なくとも備える。一対のガス拡散層13は、それぞれアノード側ガス拡散層13aと、カソード側ガス拡散層13bからなり、これらは膜電極接合体10の両面に、当該膜電極接合体10を挟持する様に積層されている。更に、一対のセパレータ14が、アノード側ガス拡散層13aとカソード側ガス拡散層13bを挟持する様に積層されている。ガスケット15は、膜電極接合体10の外周部にある高分子電解質膜(詳細については後述する。)を覆う様に配置されている。
尚、燃料電池セル1は、例えば、当該燃料電池セル1を、接続部材を介して直列に複数積層したセルスタック構造として用いることができる。これにより、高出力の燃料電池を実現することができる。
<燃料電池用膜電極接合体>
本実施の形態の膜電極接合体10は、固体高分子電解質膜11と、当該固体高分子電解質膜11の両面に設けられた一対の電極触媒層12、より具体的にはアノード側電極触媒層(燃料極)12a及びカソード側電極触媒層(空気極)12bとを少なくとも備える。
固体高分子電解質膜11は、プロトン伝導性及び電子絶縁性を有するものが好ましい。固体高分子電解質膜11としては、高いプロトン伝導性を有し、イオン交換基を有する重合体又は共重合体等の公知の材料からなる膜を用いることができる。具体的には、例えば、ポリマー骨格の一部又は全部がフッ素化されたフッ素系樹脂又はポリマー骨格にフッ素原子を含まない芳香族系炭化水素樹脂が挙げられる。
前記フッ素系樹脂としては特に限定されず、例えば、ナフィオン(登録商標、デュポン株式会社)、アシプレックス(登録商標、旭化成株式会社)、フレミオン(登録商標、旭硝子株式会社)、ゴアセレクト(登録商標、ゴア株式会社)等のパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー、ポリトリフルオロスチレンスルホン酸系ポリマー、パーフルオロカーボンホスホン酸系ポリマー、トリフルオロスチレンスルホン酸系ポリマー、エチレンテトラフルオロエチレン−g−スチレンスルホン酸系ポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン−g−ポリスチレンスルホン酸系ポリマー、ポリフッ化ビニリデン−g−ポリスチレンスルホン酸系ポリマーなどが挙げられる。
前記芳香族系炭化水素樹脂としては特に限定されず、例えば、ポリサルホンスルホン酸系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトンスルホン酸系ポリマー、ポリベンズイミダゾールアルキルスルホン酸系ポリマー、ポリベンズイミダゾールアルキルホスホン酸系ポリマー、架橋ポリスチレンスルホン酸系ポリマー、ポリエーテルサルホンスルホン酸系ポリマーなどが挙げられる。
固体高分子電解質膜11の厚さは特に限定されないが、通常は5〜300μmであり、好ましくは10〜200μmである。固体高分子電解質膜11の厚さが5μm以上であると、膜電極接合体10を形成する際に十分な機械的強度を確保することができる。その一方、固体高分子電解質膜11の厚さが300μm以下であると、固体高分子電解質膜11の膜抵抗を低減することができ、発電性能の向上が図れる。
電極触媒層12としてのアノード側電極触媒層12a及びカソード側電極触媒層12bは、それぞれ本実施の形態の燃料電池用触媒と、当該燃料電池用触媒を被覆し、プロトン伝導性を有するアイオノマー(電解質層)とを少なくとも備える。アノード側電極触媒層12a及びカソード側電極触媒層12bはそれぞれ細孔を有しているため、例えば、アノード側電極触媒層12aでは、その内部で水素ガスを拡散させることができる。また、カソード側電極触媒層12bではその内部で酸素ガスを拡散させ、あるいは酸素分子の還元反応により生成する水を透過させることができる。
アイオノマーは、アノード側電極触媒層12aに於いては、水素分子の酸化反応によって生成するプロトンが固体高分子電解質膜11に移動するためのパス(通り道)として機能する。その一方、カソード側電極触媒層12bに於いては、固体高分子電解質膜11を透過した前記プロトンが、担持された触媒活性種の近傍まで移動するためのパスとして機能する。
アイオノマーとしては、例えば、フッ素系樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、イオン液体等が挙げられる。フッ素系樹脂及び芳香族系炭化水素樹脂としては、上述の固体高分子電解質11で用いられるフッ素系樹脂及び芳香族系炭化水素樹脂と同じものを使用することができる。アイオノマーとしてフッ素系樹脂からなるものを用いる場合、本実施の形態の燃料電池用触媒に於ける担体(炭素材料)がフッ素原子を含有するときは、アイオノマーと燃料電池用触媒との親和性を向上させることができる。これにより、例えば、電極触媒層に於ける三相界面に於いて、律速要因として挙げられる酸素拡散、プロトン拡散が促進される状態となる。その結果、酸素還元反応を向上させて、高電流密度域での高出力を可能にする。
イオン液体としては特に限定されないが、高いプロトン導電性を有する、−30℃〜200℃の温度域で液体状を維持する、400℃以上の高温でも物性変化が少なく耐熱性が高い、蒸気圧が低い等の特性を有するものが好ましい。イオン液体は、具体的には、カチオン成分とアニオン成分から構成される。
前記カチオン成分としては、四級アンモニウムカチオン、三級アンモニウムカチオン、二級アンモニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、ピラゾリウムチオン、ピリジニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、スルホニウムカチオン等が挙げられる。
前記四級アンモニウムカチオンとしては、例えば、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトライソプロピルアンモニウム、トリメチルエチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、トリメチルプロピルアンモニウム、トリメチルイソプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチルブチルアンモニウム、トリメチルペンチルアンモニウム、トリメチルヘキシルアンモニウム、ブチルトリエチルアンモニウム、トリエチルペンチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリブチルメチルアンモニウム、エチルジメチルプロピルアンモニウム、メチルトリオクチルアンモニウム、ジエチル−2−メトキシエチルメチルアンモニウム、エチル−2−メトキシエチルジメチルアンモニウム、エチル−3−メトキシプロピルジメチルアンモニウム、ベンジルエチルジメチルアンモニウム、エチルジメチル−2−フェニルエチルアンモニウム、1−メチル−1−プロピルピロリジニウム、1−ブチル−1−メチルピロリジニウム、1−メトキシメチル−1−メチルピロリジニウム、1−(2−メトキシエチル)−1−メチルピロリジニウム、1−アリル−1−メチルピロリジニウム、1−メチル−1−プロピルピペリジニウム、1−ブチル−1−メチルピペリジニウム等が挙げられる。
前記三級アンモニウムカチオンとしては、例えば、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、ジメチルエチルアンモニウム、メチルジエチルアンモニウム、トリイソプロピルアンモニウム、ジメチルイソプロピルアンモニウム、ジエチルイソプロピルアンモニウム、ジメチルプロピルアンモニウム、ジメチルブチルアンモニウム、1−メチルピロリジニウム、1−エチルピロリジニウム、1−プロピルピロリジニウム、1−ブチルピロリジニウム、1−メチルピぺリジニウム、1−エチルピぺリジニウム、1−プロピルピぺリジニウム、1−ブチルピぺリジニウム等があげられる。
前記二級アンモニウムカチオンとしては、例えば、ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ジプロピルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、ジブチルアンモニウム、エチルメチルアンモニウム、メチルイソプロピルアンモニウム、エチルイソプロピルアンモニウム、ブチルメチルアンモニウム、ピロリジニウム、ピぺリジニウム等が挙げられる。
前記イミダゾリウムカチオンとしては、例えば、1,3−ジメチル−イミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウム、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−アリル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチルイミダゾリウム、1−エチルイミダゾリウム、1−ビニルイミダゾリウム、1−アリルイミダゾール、2−メチルイミダゾリウム、イミダゾリウム等が挙げられる。
前記ピラゾリウムカチオンとしては、例えば、1,2−ジメチルピラゾリウム、1−メチル−2−エチルピラゾリウム、1−プロピル−2−メチルピラゾリウム、1−メチル−2−ブチルピラゾリウム、1,3−ジメチルピラゾリウム、1,5−ジメチルピラゾリウム、1−メチルピラゾリウム、1−エチルピラゾリウム、3−メチルピラゾリウム、4−メチルピラゾリウム、3,5−ジメチルピラゾリウム、ピラゾリウム、4−ヨードピラゾリウム、4−ブロモピラゾリウム、4−ヨード−1−メチルピラゾリウム、4−ブロモ−1−メチルピラゾリウム、5−ヨード−1−メチルピラゾリウム、5−ブロモ−1−メチルピラゾリウム、3−ヨードピラゾリウム、3−ブロモピラゾリウム、3−トリフルオロメチルピラゾリウム、3−メチル−5−トリフルオロメチルピラゾリウム等が挙げられる。
前記ピリジニウムカチオンとしては、例えば、1−メチルピリジニウム、1−エチルピリジニウム、1−プロピルピリジニウム、1−ブチルピリジニウム、1−エチル−3−メチルピリジニウム、ピリジニウム等が挙げられる。
前記ホスホニウムカチオンとしては、例えば、ブチルトリエチルホスホニウム、トリエチルペンチルホスホニウム、トリエチルオクチルホスホニウム、トリエチルメトキシメチルホスホニウム、トリエチル(2−メトキシエチル)ホスホニウム、トリブチルメチルホスホニウム、トリブチルエチルホスホニウム、トリブチルオクチルホスホニウム、トリブチルメトキシメチルホスホニウム、トリブチル(2−メトキシエチル)ホスホニウム等が挙げられる。
前記スルホニウムカチオンとしては、例えば、トリメチルスルホニウム、トリフェニルスルホニウム、トリエチルスルホニウム等が挙げられる。
以上に例示したカチオン成分は1種単独で、又は2種以上を併用することができる。
前記アニオン成分としては、ハロゲンアニオン、フッ素含有アニオン、シアノ基含有アニオン、フッ素を含まないリン酸誘導体アニオン、フッ素を含まない硫酸誘導体アニオン等が挙げられる。
前記ハロゲンアニオンとしては、例えば、Cl、Br、I等が挙げられる。
前記フッ素含有アニオンとしては、例えば、BF 、BFCF 、BF 、PF 、PO 、PO(CFCHO) 、CFSO 、CSO 、CSO 、CSO 、N(SOF) 、N(CFSO 、N(CSO 、N(CFSO)(CFCO)、N(CFSO)(CSO、C(CFSO 、(HF)(Xは1.0〜2.3)、SbF 、AsF 、CFCOO等が挙げられる。
前記シアノ基含有アニオンとしては、例えば、SCN、B(CN) 、N(CN) 、C(CN) 等が挙げられる。
前記フッ素を含まないリン酸誘導体アニオンとしては、例えば、PO(OCH 、PO(OC 、PO[OCH(CH 、PO(OC 、HPO(OCH、HPO(OC、HPO[OCH(CH、HPO(OCが挙げられる。
前記フッ素を含まない硫酸酸誘導体アニオンとしては、例えば、CHSO 、CSO 、SO(OCH、SO(OC、SO[OCH(CH)]、SO(OC等が挙げられる。
以上に例示したアニオン成分は、1種単独で、又は2種以上を併用することができる。
また、アイオノマーがイオン液体である場合、電極触媒層12は、固定化剤を含んでいてもよい。固定化剤を含むことにより、イオン液体が、電極触媒層12内で固定され、その形状及び位置が保持される。これにより、イオン液体による空隙の閉塞を抑制することができ、電極触媒層12内を流体が良好に流通することが可能になる。その結果、電極触媒層12内に於いて三相界面を良好に形成することが可能になる。
電極触媒層12の厚さは特に限定されないが、通常は0.1〜100μmであり、好ましくは1〜50μmである。電極触媒層12の厚さを0.1μm以上にすることにより、燃料電池の所望の発電量を得ることができる。その一方、電極触媒層12の厚さを100μm以下とすることで、電極触媒層12内の水素ガス又は酸素ガスのガス拡散の抵抗を抑制し、また副生する水の排出も良好にすることができる。その結果、更に燃料電池の発電性能を向上させることができる。
電極触媒層12の作製方法は特に限定されず、公知の作製方法を用いることができる。例えば、本実施の形態の燃料電池用触媒及びアイオノマー(プロトン伝導性を有する電解質)を水又は有機溶媒等に分散させた触媒インクを、固体高分子電解質膜11に直接塗布し、乾燥させて形成する方法が挙げられる。あるいは、触媒インクをポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のシートに塗布し、当該触媒インクを乾燥させた後、固体高分子電解質膜11にホットプレスによって転写することで形成する方法も挙げられる。
本実施の燃料電池用触媒とアイオノマーを分散させる有機溶媒としては、特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ペンタノール、アセトン、メチルエチルケトン、ペンタノン、メチルイソブチルケトン、へプタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトニルアセトン、ジイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、メトキシトルエン、ジブチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジアセトンアルコール、1−メトキシ−2−プロパノールなどが挙げられる。
前記触媒インクにおける燃料電池用触媒とアイオノマーの混合割合は特に限定されない。通常は、燃料電池用触媒の担体(担体がフッ素化処理されている場合は、フッ素原子を含む。)に対するアイオノマーの質量割合が、30〜200重量%であり、好ましくは40〜150重量%であり、より好ましくは50〜120重量%である。前記燃料電池用触媒の担体に対するアイオノマーの質量割合を30質量%以上にすることにより、形成されるアノード側電極触媒層12a及びカソード側電極触媒層12bの構造が安定し、電極触媒層12内のイオン伝導性を良好にすることができる。また、前記燃料電池用触媒の担体に対するアイオノマーの質量割合を200質量%以下にすることにより、触媒活性種の表面がアイオノマーにより過剰に被覆されるのを抑制することができる。その結果、良好な三相界面を形成することができる。
また、前記燃料電池用触媒及び前記電解質の溶媒への分散方法は特に限定されず、例えば、ボールミル、ディゾルバー、超音波式ホモジナイザー、高圧式ホモジナイザー等の公知の分散用装置を用いて分散させることができる。また、触媒インクの乾燥方法としては特に限定されず、自然乾燥、熱風乾燥、赤外線乾燥等により乾燥を行うことができる。更に、乾燥時間や乾燥温度等の乾燥条件についても特に限定されず、触媒インクの濃度、塗布量等に応じて適宜設定することができる。
<ガス拡散層>
ガス拡散層13は、電子伝導性を有する多孔質体からなる。電子伝導性を有することにより、燃料電池の反応に由来する電子の移動を可能にしている。また、多孔質体からなることにより、アノード側ガス拡散層13aでは燃料ガスに含まれる水素ガスの良好な拡散を可能にし、カソード側ガス拡散層13bでは酸化剤ガスに含まれる空気の良好な拡散を可能にする。更に、カソード側電極触媒層12bでは、副生する水を排出するための排出路としての機能も果たす。
ガス拡散層13の材料としては特に限定されないが、燃料ガスに含まれる水素ガス及び酸化剤ガスに含まれる空気に対して不活性であり、流体の拡散性が高く、耐食性を備え、電子伝導性の高い材料が好ましい。そのような材料としては、例えば、トレカ(登録商標、東レ株式会社)又はパイロフィル(登録商標、三菱レイヨン株式会社)等のカーボンペーパー、カーボンクロス、多孔質基材等が挙げられる。
本発明に於けるガス拡散層13の厚さは特に限定されないが、通常は50〜500μmであり、好ましくは100〜300μmである。ガス拡散層13の厚さを50μm以上にすることにより、ガス拡散層13の機械的強度の維持が図られる。また、ガス拡散層13を500μm以下とすることにより、ガス拡散層13内のガス拡散の抵抗を抑えることができ、かつ、副生する水を良好に排出することができる。その結果、燃料電池の発電性能の向上が図れる。
<セパレータ>
セパレータ14の材料としては特に限定されないが、燃料ガスに含まれる水素ガス及び酸化剤ガスに含まれる空気に対して不活性であり、ガスシール性が高く、耐食性を付与するものが好ましい。また、電子伝導性が高く、機械的強度に優れたものが好ましい。そのような材料としては、例えば、等方性カーボンや炭素板等からなるカーボン製のものが挙げられる。また、ステンレス等の金属製からなるものも挙げられる。更に、ステンレス、チタン又はアルミニウム等の金属製の部材の表面に、カーボン材料がコーティングされたものを用いてもよい。尚、セパレータ14は燃料である水素と空気を分離する機能を有するものが好ましく、これにより表面にガスの流路を成形することができる。また、セパレータ14の厚さとしては特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
<ガスケット>
ガスケット15は、電極触媒層12及びガス拡散層13の端部に隣接する位置であって、固体高分子電解質膜11とセパレータ14との間に備えられる。燃料電池1がガスケット15を備えることにより、電極触媒層12及びガス拡散層13の端部がシールされ、供給されるガスが、電極触媒層12及びガス拡散層13の端部から漏洩するのを防止することができる。
また、燃料電池1の作成の際に、両側のセパレータ14から中心方向(固体高分子電解質膜11方向)への圧力が生じるが、ガスケット15を備えることにより、当該圧力による電極触媒層12及びガス拡散層13の空隙の圧潰を防止することができる。
ガスケット15としては、燃料ガスに含まれる水素ガスや酸化剤ガスに含まれる空気に対して不活性であり、ガスシール性が高く、セル組立の際の圧力に対して伸縮変位が少なく、寸法安定性の良好な公知の材料を用いることができる。例えば、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリイソブチレンゴム等のゴム材料、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系の高分子材料、ポリオレフィンやポリエステル等の熱可逆性樹脂等が挙げられる。
ガスケット15の厚さとしては特に限定されず、電極触媒層12の厚み及びガス拡散層13の厚みに応じて適宜設定することができる。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例に記載されている材料や配合量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
<担体のフッ素化処理>
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製容器(容量5mL)に、担体として、比表面積が800m/gのカーボンブラック(商品名;ケッチェンブラックEC300J、ライオン・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社)0.300gを添加し、本容器を電解研磨されたSUS316L製チャンバー(容量30mL)内に設置した。次に、チャンバー内を真空にした後に、窒素ガスを導入した(真空置換)。さらに、窒素気流(20mL/min)下、昇温速度4℃/minでチャンバー内の温度を250℃に昇温させ、1時間の恒温処理を行った。その後、チャンバー内の温度を50℃まで冷却し、1時間の恒温処理を行った。
次に、チャンバー内の温度を50℃に維持したまま真空引きを行って窒素ガスを除去した後、チャンバー内に、フッ素(F)ガスを窒素ガスで濃度10vol%に希釈した混合ガス(処理ガス)を導入した(真空置換)。これにより、カーボンブラックをフッ素化処理した。フッ素化処理の処理条件は、処理時間4時間、処理温度50℃、処理圧力を常圧下とした。その後、前記チャンバー内を真空(10Pa)にして混合ガスを除去した後、窒素ガスを導入した(真空置換)。さらに、窒素気流(20mL/min)の下、室温まで放冷した。これにより、フッ素化されたカーボンブラック(すなわち、フッ素原子が導入されたカーボンブラック)を作製した。
<燃料電池用触媒の作製>
塩化白金酸六水和物(HPtCl・6HO)0.797gを溶解させた水溶液100mLに対し、フッ素化処理されたカーボンブラック0.300gを添加し、超音波ホモジナイザーを用いて担体を水溶液中に分散させた。この分散液に、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを11〜12の範囲に調節した。
続いて、この分散液をN雰囲気下で90℃に加熱し、NaBH溶液を添加して白金を還元させた。還元後の分散液を固液分離し、得られた結晶を洗浄後、90℃の温度条件下にて真空乾燥して、白金を担持した燃料電池用触媒を作製した。
(実施例2)
本実施例においては、フッ素化処理を行う際の処理ガスにおけるフッ素ガスの濃度を5vol%に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る燃料電池用触媒を作製した。
(実施例3)
本実施例においては、フッ素化処理を行う際の処理ガスにおけるフッ素ガスの濃度を20vol%に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る燃料電池用触媒を作製した。
(比較例1)
本比較例においては、フッ素化処理がされていないケッチェンブラック(担体)に白金が担持された白金担持触媒(品番:TEC10E50E、田中貴金属株式会社製)を、燃料電池用触媒に用いた。
(実施例4)
本実施例においては、フッ素化処理を行う際の処理ガスにおけるフッ素ガスの濃度を80vol%に変更し、処理温度を80℃に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る燃料電池用触媒を作製した。
(実施例5)
本実施例においては、フッ素化処理がされていない前記ケッチェンブラック(担体)に白金が担持された白金担持触媒(品番:TEC10E50E、田中貴金属株式会社製)をフッ素化処理した。また、フッ素化処理を行う際の処理ガスにおけるフッ素ガスの濃度を10vol%に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係る燃料電池用触媒を作製した。
(実施例6)
本実施例においては、実施例2で得られた燃料電池用触媒を、再度フッ素化処理した。再度フッ素化処理する条件は、実施例1と同様にして、本実施例に係る燃料電池用触媒を作製した。
(燃料電池用触媒中の白金含有率)
実施例1〜6及び比較例1で得られた燃料電池用触媒において、それぞれの燃料電池用触媒の全質量に対する白金含有率を求めた。すなわち、電気炉を用い、800℃の酸素雰囲気下で各燃料電池用触媒を燃焼させた。燃焼後の残分量を白金量として、燃焼前の重量から白金含量を算出した。結果を表1に示す。
(燃料電池用触媒表面の元素分析)
実施例1〜6で得られた燃料電池用触媒について、それらの表面のフッ素原子と炭素原子の定量分析を行った。定量分析は、多機能走査型X線光電子分光分析装置(アルバック・ファイ株式会社製、Versa ProbeIII)を用いて、X線光電子分光法により行った。測定条件としては、X線源:AlKα線、パスエネルギー:112eV、ステップエネルギー:0.05eV、検出角度:45°とした。さらに、C1s、F1sの光電子分光スペクトルのピーク強度から、各燃料電池用触媒の表面のフッ素原子と炭素原子の原子数の比(F/C)を算出した。結果を表1に示す。
(燃料電池用触媒全体の元素分析)
実施例1〜6で得られた燃料電池用触媒について、当該燃料電池用触媒全体のフッ素原子と炭素原子の定量分析を行った。定量分析は、燃焼フラスコ法により行った。
すなわち、酸素ガスを充填して密閉した容積500mLのフラスコ容器内で、各燃料電池用触媒をそれぞれ燃焼させた。続いて、燃焼により発生したガスを、フラスコ内の試料液(1.7mmol/L炭酸水素ナトリム、1.8mmol/L炭酸ナトリムの混合水溶液)に吸収させ、当該試験液中に含まれるフッ素イオンの含有量を、イオンクロマトグラフィー(ダイオネクス社 ICS―1000、カラムAS−23)で定量した。
続いて、定量したフッ素イオンの含有量から、各燃料電池用触媒全体におけるフッ素原子の含有量を算出した。さらに、燃料電池用触媒の質量から、前述の白金含有率を基に換算される白金含量と、燃料電池用触媒全体におけるフッ素原子の含有量とを除いた量を、燃料電池用触媒全体における炭素原子の含有量として算出した。これにより、各燃料電池用触媒の全体における炭素原子の原子数に対するフッ素原子の原子数の比(F/C)を求め、さらに(F/C)/(F/C)を算出した。結果を表1に示す。
(燃料電池用触媒の仕事関数)
実施例1〜6及び比較例1の燃料電池用触媒について、それぞれの仕事関数を求めた。仕事関数は、多機能走査型X線光電子分光分析装置(アルバック・ファイ株式会社製、Versa Probe III)を用いて、紫外線光電子分光法により求めた。また、測定条件は、紫外線源:HeI線、パスエネルギー:1.3eV、ステップエネルギー:0.005eV、検出角度:90°とした。そして、結合エネルギーと真空準位のエネルギー差を求めることで、各燃料電池用触媒の仕事関数を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2019194977
(燃料電池の作製)
<カソード側電極触媒層の作製>
実施例1〜6又は比較例1の燃料電池用触媒における白金含有率をもとに、白金の含有量が16mgになる様に燃料電池用触媒をそれぞれ秤量した。次に、アイオノマーとしてのナフィオン(登録商標)溶液(デュポン製、DE520CS Type)をそれぞれ添加した。アイオノマーの添加は、燃料電池用触媒における白金とフッ素原子を除く担体の質量に対して、70質量%になるようにした。
続いて、超純水と2−プロパノールの体積比率が1:1の混合溶媒を、燃料電池用触媒及びアイオノマーの混合物にそれぞれ添加した。このとき、混合溶媒の添加は、燃料電池用触媒及びアイオノマーの固形分含量が5%質量%となるように行った。その後、超音波ホモジナイザーにて30分間、燃料電池用触媒及びアイオノマーを分散させ、各実施例1〜6及び比較例1に係る触媒インクを作製した。
次に、作製した触媒インクをそれぞれPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)シートに塗布して乾燥させた。これにより、各実施例1〜6及び比較例1に係るカソード側電極触媒層をPTFEシート上に形成した。尚、触媒インクの塗布量は、形成される電極触媒層の白金目付量が0.25mg/cmとなるように設定した。
<アノード側電極触媒層の作製>
市販の白金担持触媒(品番:TEC10E50E、田中貴金属株式会社)を用い、白金の含有量が16mgになる様に白金担持触媒を秤量した。次に、アイオノマーとしてのナフィオン(登録商標)溶液(デュポン製、DE520CS Type)を添加した。アイオノマーの添加は、燃料電池用触媒における白金を除く担体の質量に対して、100質量%になるようにした。
続いて、超純水と2−プロパノールの体積比率が1:1の混合溶媒を、燃料電池用触媒及びアイオノマーの混合物に添加した。このとき、混合溶媒の添加は、白金担持触媒及びアイオノマーの固形分含量が5%質量%となるように行った。その後、超音波ホモジナイザーにて30分間、白金担持触媒及びアイオノマーを分散させ、触媒インクを作製した。
次に、作製した触媒インクをPTFEシートに塗布して乾燥させた。これにより、アノード側電極触媒層をPTFEシート上に形成した。尚、触媒インクの塗布量は、形成される電極触媒層の白金目付量が0.25mg/cmとなるように設定した。
<燃料電池の組立>
PTFEシート上に形成されたアノード側電極触媒層、及びPTFEシート上に形成されたカソード側電極触媒層をそれぞれ1cm角に切り出し、それぞれを固体高分子電解質膜(NR−211、デュポン株式会社)の両面に積層して積層体を作製した。
次いで、この積層体を150℃で3分間、1.2MPaの圧力でプレスし、PTFEシート上に形成されていたアノード側電極触媒層及びカソード側電極触媒層を、固体高分子電解質膜に転写した。その後、PTFEシートを剥離した。この方法により、実施例1〜6及び比較例1に係る燃料電池用触媒を用いた膜電極接合体をそれぞれ作製した。このときのアノード側電極触媒層及びカソード側電極触媒層の厚さはそれぞれ7μmであり、固体高分子電解質膜の厚さは25μmであった。
さらに、各膜電極接合体を挟持する様に一対のガス拡散層(TGP−H−060、東レ株式会社製)を配置し、ガス拡散層(厚さ190μm)を積層した。
続いて、一対のガス拡散層の両面に、ガスの流路となる溝が形成されたセパレータを配置して挟持させ、これにより、実施例1〜6及び比較例1に係る燃料電池セルをそれぞれ作製した。
(出力電圧の評価)
実施例1〜6及び比較例1に係る燃料電池セルについて、初期の出力電圧の評価を行った。
すなわち、得られた燃料電池セルに、常圧にてアノード側に水素ガス(利用率5%)を供給し、カソード側に空気を供給することで酸素(利用率5%)を供給した。セル内の相対湿度は60%RHであった。セル温度80℃において、運転時の電流密度が1.0A/cm−2における運転初期の出力電圧(初期セル電圧)を測定した。結果を表2に示す。
(燃料電池の起動停止)
燃料電池セルの温度を80℃にし、セル内の相対湿度が100%RHになるように加湿制御して、アノード側及びカソード側にそれぞれ窒素ガスを供給した。
続いて、0.5V/秒の電位走査速度にて、1.0〜1.5Vの電位範囲で電位走査を繰り返し、これを各燃料電池セルの起動及び停止を模した電位走査のサイクルとした。1500サイクル後に各燃料電池セルの出力電圧を測定した。測定方法は前述の場合と同様にした。結果を表2に示す。
Figure 2019194977
1 燃料電池
10 膜電極接合体
11 固体高分子電解質膜
12 電極触媒層
12a アノード側電極触媒層
12b カソード側電極触媒層
13 ガス拡散層
13a アノード側ガス拡散層
13b カソード側ガス拡散層
14 セパレータ
15 ガスケット

Claims (9)

  1. 触媒活性種と、前記触媒活性種を担持する担体とを少なくとも有する燃料電池用触媒であって、
    前記触媒活性種が白金、白金合金、及び白金と異なる金属のコアを、白金を含むシェルで被覆したコアシェル触媒からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
    前記担体が炭素材料であり、
    前記触媒活性種及び前記担体の少なくとも何れか一方はフッ素原子を含む燃料電池用触媒。
  2. 前記担体に含まれる炭素原子の原子数に対する、前記触媒活性種及び前記担体の少なくとも何れか一方に含まれる前記フッ素原子の原子数の比が、次式(1)に示す関係を満たす請求項1に記載の燃料電池用触媒。
    (F/C)/(F/C)<0.8 ・・・(1)
    (但し、(F/C)は、燃料電池用触媒の表面における炭素原子の原子数に対するフッ素原子の原子数の比を表し、(F/C)は、燃料電池用触媒の全体における炭素原子の原子数に対するフッ素原子の原子数の比を表す。)
  3. 前記(F/C)が0.4未満である請求項2に記載の燃料電池用触媒。
  4. 前記炭素材料が、グラファイト、酸化グラファイト、カーボンブラック、黒鉛化カーボンブラック、ダイアモンドライクカーボン、フラーレン、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノウォール、カーボンナノファイバー、カーボンナノブラシ、単層グラフェン、多層グラフェン、及び酸化グラフェンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3の何れか1項に記載の燃料電池用触媒。
  5. 固体高分子電解質膜と、当該固体高分子電解質膜の両表面に配置された電極触媒層とを少なくとも有する燃料電池用膜電極接合体であって、
    前記電極触媒層が、請求項1〜4の何れか1項に記載の燃料電池用触媒と、当該燃料電池用触媒を被覆するアイオノマーとを少なくとも有する燃料電池用膜電極接合体。
  6. 前記アイオノマーがフッ素系樹脂である請求項5に記載の燃料電池用膜電極接合体。
  7. 前記アイオノマーが芳香族系炭化水素樹脂である請求項5に記載の燃料電池用膜電極接合体。
  8. 前記アイオノマーがイオン液体である請求項5に記載の燃料電池用膜電極接合体。
  9. 請求項5〜8の何れか1項に記載の燃料電池用膜電極接合体を備える燃料電池。
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