JP2005190872A - 燃料電池用触媒組成物、膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池 - Google Patents

燃料電池用触媒組成物、膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 発電性能に優れる固体高分子形燃料電池を提供すること。
【解決手段】 第一の触媒層を有するアノード電極と、第二の触媒層を有するカソード電極と、前記アノード電極と前記カソード電極とで挟持された電解質膜とを備えた膜電極接合体及び、前記膜電極接合体を狭持するとともに、前記アノード電極との間に燃料が通過する燃料流路と前記カソード電極との間に酸化ガスが通過する酸化ガス流路とを形成する一対のセパレータを備えた固体高分子形燃料電池であって、前記第一の触媒層及び前記第二の触媒層の少なくとも一方は、触媒担持カーボンと、疎水化繊維状カーボンと、高分子電解質とを含む固体高分子形燃料電池。
【選択図】 なし

Description

本発明は、燃料電池用触媒組成物、膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池に関し、詳しくは、固体高分子形燃料電池における電極の触媒層を形成する燃料電池用触媒組成物、固体高分子形燃料電池を構成する膜電極接合体及びそれを用いた固体高分子形燃料電池に関する。なお、本発明において、固体高分子形燃料電池にはメタノール直接型燃料電池が含まれる。
固体高分子形燃料電池は、高い出力密度が得られ、作動温度域が低いなどの利点から自動車搭載用や家庭用、可搬用など利用分野の拡大が期待されている。
固体高分子形燃料電池は、一般に、水素イオンを透過するイオン交換性の高分子膜(電解質膜)を電解質とし、この電解質を二枚の電極(カソード、アノード)で狭持した膜電極接合体を備えており、膜電極接合体を更に狭持するセパレータと各電極との間に形成された流路に燃料としての水素ガス(燃料)と酸化剤としての空気(酸化ガス)とを供給することで、100℃以下の低温域で作動するものである。
燃料電池の反応は、電解質膜を挟持する電極に備えられた触媒層中の触媒と燃料又は酸化ガスと電解質との3相界面近傍で起こるため、燃料電池の高性能化には触媒層中の多孔質構造の設計がきわめて重要である。触媒層が多孔質構造を有することにより、燃料、酸化ガス及び燃料電池の反応により生ずる水の流通性が向上する。そのため、燃料電池の発電性能を向上させることができる。
燃料、酸化ガス及び水の流通性の向上を目的として、気相成長炭素繊維を含む触媒層を有する膜電極接合体及びそれを用いた燃料電池の発明が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−115302号公報
しかしながら、気相成長炭素繊維は疎水性が低いため、電解質が該炭素繊維の周りに付着し、触媒層中の多孔質構造における空隙を埋めてしまい、燃料、酸化ガス及び水の流通性が低下し、燃料電池の発電性能が低下することがあった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、発電性能に優れる触媒層を形成可能な燃料電池用触媒組成物、前記燃料電池用触媒組成物を用いて形成された触媒層を備えた膜電極接合体及び前記膜電極接合体を備えた発電性能に優れる固体高分子形燃料電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の燃料電池用触媒組成物は、触媒担持カーボンと、疎水化繊維状カーボンと、高分子電解質とを含有する。
本発明の燃料電池用触媒組成物により構成された燃料電池の触媒層は、空隙に富む多孔質構造を有するものと考えられる。その理由としては、本発明の燃料電池用触媒組成物は疎水化繊維状カーボンを含むため、疎水化繊維状カーボン同士や疎水化繊維状カーボンと触媒担持カーボンとの絡みつきにより空隙ができると考えられるためである。
この空隙の一部は、高分子電解質によって埋められることがあるが、疎水化繊維状カーボンの近傍には親水性である高分子電解質が存在せず、空隙は十分に確保されることとなる。この空隙の存在により、燃料、酸化ガス及び水の流通性が向上して濃度過電圧を低減することができる。
なお、高分子電解質は親水性であるため、疎水化繊維状カーボンよりも親水性である触媒担持カーボンの近傍に高分子電解質は存在すると考えられる。そのため、3相界面を形成しやすくなり、触媒利用率を向上させることができる。
また、本発明の燃料電池用触媒組成物により構成された燃料電池の触媒層は、疎水化繊維状カーボンを含むため、触媒層作製時の乾燥工程の際に生ずる触媒層のひび割れを押さえることができる。そのため、触媒層の面内方向の電気抵抗を低下させることができ、その結果として抵抗過電圧を低減することができる。
本発明の膜電極接合体は、第一の触媒層を有するアノード電極と、第二の触媒層を有するカソード電極と、前記アノード電極と前記カソード電極とで挟持された電解質膜とを備えた膜電極接合体であって、前記第一の触媒層及び前記第二の触媒層の少なくとも一方は、触媒担持カーボンと、疎水化繊維状カーボンと、高分子電解質とを含む。
本発明の膜電極接合体に係る触媒層の少なくとも一方は、触媒担持カーボンと疎水化繊維状カーボンと高分子電解質とを含むため空隙に富む多孔質構造を有するものと考えられる。その理由は本発明の燃料電池用触媒組成物の場合と同様である。そのため、燃料、酸化ガス及び水の流通性が向上による濃度過電圧の低減、3相界面の形成による触媒利用率の向上及び触媒層作製時の乾燥工程の際に生ずる触媒層のひび割れの防止による抵抗過電圧の低減等を実現できる。
本発明の膜電極接合体において、触媒担持カーボンと、疎水化繊維状カーボンと、高分子電解質とを含む触媒層は、アノード電極側であってもカソード電極側であってもよいが、カソード電極側の触媒層であると、電極反応により生成する水の排出を効率よく行うことができるため好ましい。なお、アノード電極側及びカソード電極側の双方の触媒層が触媒担持カーボンと、疎水化繊維状カーボンと、高分子電解質とを含んでいる態様であってもよい。
本発明の固体高分子形燃料電池は、第一の触媒層を有するアノード電極と第二の触媒層を有するカソード電極と前記アノード電極と前記カソード電極とで挟持された電解質膜とを備えた膜電極接合体及び前記膜電極接合体を狭持するとともに前記アノード電極との間に燃料が通過する燃料流路と前記カソード電極との間に酸化ガスが通過する酸化ガス流路とを形成する一対のセパレータを備えた固体高分子形燃料電池であって、前記第一の触媒層及び前記第二の触媒層の少なくとも一方は、触媒担持カーボンと、疎水化繊維状カーボンと、高分子電解質とを含む。
本発明の固体高分子形燃料電池は本発明の膜電極接合体を備えるため、燃料、酸化ガス及び水の流通性が向上による濃度過電圧の低減、3相界面の形成による触媒利用率の向上及び触媒層作製時の乾燥工程の際に生ずる触媒層のひび割れの防止による抵抗過電圧の低減等を実現できる。
本発明の燃料電池用触媒組成物は、発電性能に優れる触媒層を形成可能である。また、本発明の膜電極接合体により、発電性能に優れる固体高分子形燃料電池を形成可能である。さらに、本発明の固体高分子形燃料電池は、発電性能に優れる。
以下、本発明の燃料電池用触媒組成物、膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池について詳細に説明する。
<燃料電池用触媒組成物>
本発明の燃料電池用触媒組成物は、触媒担持カーボンと、疎水化繊維状カーボンと、高分子電解質とを含有する。
−触媒担持カーボン−
触媒担持カーボンは、触媒成分と前記触媒成分を担持する担持体とを含有する。
触媒担持カーボンにおける触媒成分としては、例えば、白金、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ルテニウム、ロジウム及びこれらの合金などの、燃料電池において電極反応を促進する公知の触媒が用いられる。これらの中でも、白金又は白金と他の金属とからなる合金が好ましい。
触媒担持カーボンにおける担持体としては、特に限定されるものではないが、例えば、カーボンブラックを挙げることができる。カーボンブラックの平均一次粒径は、10〜100μmが好ましく、20〜50μmがさらに好ましい。
触媒担持カーボンに含まれる触媒成分は、触媒担持カーボンの質量に対して10〜90質量%が好ましく、30〜70質量%がさらに好ましい。なお、触媒担持カーボンとして市販のものを用いることもできる。
−疎水化繊維状カーボン−
本発明において疎水化繊維状カーボンとは、疎水化処理が施された炭素繊維(繊維状カーボン)をいう。炭素繊維の具体例としては、例えば、カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等が挙げられる。
カーボンナノチューブの具体例としては、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ等を用いることができ、これらを併用することもできる。
気相成長炭素繊維は、炭化水素等のガスを触媒存在下において気相熱分解させることにより製造される炭素繊維である。気相成長炭素繊維は、ホウ素を含有していてもよい。
気相成長炭素繊維の繊維径は、0.01〜0.5μmが好ましく、0.01〜0.3μmがさらに好ましい。触媒担持カーボンの粒径に対して炭素繊維の繊維径が0.5μm以下であれば、炭素繊維の絡みつきによる空隙が十分に確保できる。
また、気相成長炭素繊維の繊維長及びアスペクト比(繊維径/繊維長)は各々0.1〜100μ及び10〜5000が好ましく、0.1〜50μm及び50〜1000がさらに好ましい。繊維長が100μm、アスペクト比が5000を超えると、触媒ペーストの粘度が増加し、触媒担持カーボンとの均一分散が困難となり得られるべき効果が低下する。また、アスペクト比が10未満では、気相成長炭素繊維の絡みつきによる空隙形成が不十分となるため得られるべき効果が低下する。
本発明においては、炭素の結晶性が高く導電性が高いという理由から、カーボンナノチューブ及び気相成長炭素繊維を用いることが好ましい。
炭素繊維の疎水化処理方法の具体例としては、カップリング剤、界面活性剤若しくはフッ素系改質剤の添加、フッ素ガス処理又はプラズマ処理等が挙げられるが、これらの中でもフッ素ガス処理が好ましい。
炭素繊維をフッ素ガス処理する場合の処理条件としては、処理温度が300〜600℃であり、フッ素ガス圧が1気圧以下であり、処理時間としてはフッ素量に合わせて数十分から数十時間である。ここで、フッ素量とは、フッ素化処理によって増加した炭素繊維の質量をいい、フッ素化処理前の炭素繊維の質量をA、フッ素化処理により増加した炭素繊維の増加分の質量(炭素繊維に付加されたフッ素の量)をBとするとフッ素量は下記式で表される。
フッ素量(質量%) = B/A × 100
前記フッ素量は、1〜100質量%が好ましく、5〜50質量%がさらに好ましく、特に5〜30質量%が好ましい。フッ素量が1〜100質量%であると、疎水化にともなう繊維状カーボンの電気抵抗の増加を低く抑えることができ、触媒層の面内方向の電気抵抗を下げることができる。その結果として抵抗過電圧を低減することができるため好ましい。
−高分子電解質−
高分子電解質は、プロトン伝導性の材料であればよく、例えば、デュポン社のNafion、旭化成社のAciplex等を用いることができる。
本発明の燃料電池用触媒組成物は、ペースト状又は液体状であることがその取り扱いの容易性の観点から好ましい。ペースト状又は液体状の燃料電池用触媒組成物を得るためには、触媒担持カーボンと、疎水化繊維状カーボンと、高分子電解質とを溶剤(水、有機溶剤又はこれらの混合物)に混合することにより調製される。これらを混合するには、例えば、スクリューフィーダー等の連続式混合機やミキシングロール等の回分式混合機、ボールミル、超音波分散機又は遠心分散機等を使用することができる。
溶剤として用いることのできる有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等公知のものが挙げられる。さらに、これらを混合して用いてもよい。
本発明の燃料電池用触媒組成物における各構成成分の含有比率は以下の通りである。触媒担持カーボンと疎水化繊維状カーボンとの含有比率は、触媒担持カーボンにおける担持体の質量と疎水化繊維状カーボンの質量とで規定され、担持体の質量と疎水化繊維状カーボンの質量との合計に対して疎水化繊維状カーボンの含有量は0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜20質量%が更に好ましく、1〜15質量%が特に好ましい。疎水化繊維状カーボンの含有量が0.1質量%未満では添加効果が得られず、30質量%を超えると触媒の比率が下がり、電池性能が低下することがある。
高分子電解質の含有量は、触媒担持カーボンと疎水化繊維状カーボンとの合計量に対して30〜200質量%が好ましく、40〜150質量%が更に好ましく、50〜120質量%が特に好ましい。高分子電解質の含有量が30質量%未満であると3相界面の形成が不十分のため電池性能が低下することがある。また、200質量%を超えると、空隙の減少によるガス拡散性が低下するため電池性能が低下することがある。
本発明の燃料電池用触媒組成物に含有される溶剤の量は特に限定されるものではないが、燃料電池用触媒組成物の総質量に対して70〜98質量%が好ましく、80〜95質量%が更に好ましい。
なお、本発明の燃料電池用触媒組成物には、必要に応じてその他公知の添加剤を含有させることもできる。
<膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池>
本発明の膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の固体高分子形燃料電池の一例を示す概略構成図である。固体高分子形燃料電池10は、触媒層12と拡散層14とで構成されるアノード電極16と、触媒層13と拡散層15とで構成されるカソード電極17と、アノード電極16とカソード電極17とで挟持された電解質膜11とで構成される本発明の膜電極接合体20並びに、膜電極接合体20を挟持するとともに、アノード電極16との間に燃料が通過する燃料流路23と、カソード電極17との間に酸化ガスが通過する酸化ガス流路24とを形成する一対のセパレータ21及び22とを備える。固体高分子形燃料電池10においては、燃料として水素ガスを、酸化ガスとして空気(酸素)を使用するが、燃料として、メタノールを用いることもできる。
触媒層13は、触媒担持カーボンと、疎水化繊維状カーボンと、高分子電解質とを含む。触媒層13は、本発明の燃料電池用触媒組成物を電解質膜11にスクリーン印刷する方法等により形成できる。また、本発明の燃料電池用触媒組成物を用いてシートを形成し、このシートを電解質膜11上にプレスすることにより触媒層13を形成してもよいがこれらに限定されるものではない。
触媒層12の構成は特に限定されるものではないが、触媒担持カーボンと疎水化繊維状カーボンと高分子電解質とを含む態様であっても、触媒担持カーボンと高分子電解質とを含む態様であってもよい。触媒担持カーボンと高分子電解質とを含む態様の触媒層12の形成方法は、触媒担持カーボンと高分子電解質とを含む触媒組成物を用いて触媒層13と同様にして形成できるがこれらに限定されるものではない。
電解質膜11は、イオン伝導性を有する電解質で構成することができ、一般にパーフルオロスルホン酸膜等が用いられる。固体高分子形燃料電池10においては、ナフィオン膜(デュポン社製)により構成される。この膜は、通常イオン伝導性を高める点から湿潤状態とされ、水素ガスが供給されて得たアノード側の水素イオンは該膜を良好にイオン伝導してカソード側に移動することができる。この湿潤状態は、燃料である水素ガスに加水(加湿)することによって形成できる。
アノード電極16およびカソード電極17は、電気化学反応を担う触媒層と集電体として機能する拡散層とで構成される。アノード電極16は、電解質膜11側から順に触媒層12と拡散層14とが積層されて構成されており、カソード電極17は、電解質膜11側から順に触媒層13と拡散層15とが積層されて構成されている。
拡散層14、15は、ともに炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロスにより形成されている。なお、拡散層は、カーボンクロスのほか、炭素繊維からなるカーボンペーパーやカーボンフェルトなどで構成した形態も好適である。
セパレータ21、22は、ガス不透過の導電性部材、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密質カーボンによって構成することができる。
セパレータ21および22は、図1に示す固体高分子形燃料電池10(単セル)のときにはそれぞれ片側の面にのみ流路が形成されているが、単セルを複数積層してスタック構造とするときには、一つのセパレータが二つの膜電極接合体の間で共有され、セパレータの各々の両側の面において流路が形成される。すなわち、一つのセパレータの両側の面に凹部(リブ)が形成され、一方の側ではアノード電極16との間で燃料流路23が形成され、他方の側では隣接する膜電極接合体のカソード電極との間で酸化ガス流路24が形成される。このように、セパレータ21、22は、流路を形成すると共に、隣接する単セル間における燃料の流れと酸化ガスの流れとを分離する機能を担っている。
固体高分子形燃料電池10は、燃料流路23に水素(H2)密度の高い水素ガスが供給され、酸化ガス流路24に酸素(O2)を含む空気が供給され、下記式(1)〜(3)で表される電気化学反応(以下、「電池反応」ともいう。)によって外部に電力を供給する。なお、式(1)はアノード側における反応を示し、式(2)はカソード側での反応を示し、式(3)は燃料電池における全反応を示す。
2 → 2H++2e- …(1)
(1/2)O2+2H++2e- → H2O …(2)
2+(1/2)O2 → H2O …(3)
図2は、触媒層13(カソード側)の概念図を示す図である。電解質膜11と拡散層15との間に構成される触媒層13は、触媒成分31と触媒成分31を担持する担持体32とを含有する触媒担持カーボン33と、疎水化繊維状カーボン34と、高分子電解質35とを含む。疎水化繊維状カーボン34よりも親水性である触媒担持カーボン33の近傍に高分子電解質35が存在するため、疎水化繊維状カーボン33の周囲は空隙36が形成されるものと考えられる。空隙36の存在により、反応により生成した水は効率よく触媒層13から排出されるため、固体高分子形燃料電池10は発電性能に優れる。
以下、本発明を実施例を用いて説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
疎水化繊維状カーボンとして、繊維状炭素(昭和電工製、商品名VGCF;繊維径0.15μm、繊維長10〜20μm)をフッ素量が20質量%となるように処理した、フッ素化繊維状カーボンを用いた。
フッ素化繊維状カーボン5質量部と、触媒担持カーボンとして白金担持炭素微粒子(白金担持量は45質量%、担持体の素材はKetjen−ECであり、その平均一次粒径は0.027μmであった。)95質量部との混合粉末に、水500質量部と、エタノール600質量部と、高分子電解質としてナフィオン溶液(デュポン製、SE20092、20質量%)225質量部とを、超音波ホモジナイザーで十分に分散して燃料電池用触媒組成物1を調製した。
燃料電池用触媒組成物1を、テフロン(R)フィルム上にドクターブレイドを用いて塗布した後、温風乾燥し、空気(酸化ガス)極材(カソード電極側触媒層)を作製した。燃料極材(アノード電極側触媒層)は、フッ素化繊維状カーボンを用いず、触媒担持カーボンとして白金担持炭素微粒子(白金担持量は30質量%、担持体の素材はVulcan−XC72Rであり、その平均一次粒径は0.03μmであった。)を用いた以外は燃料電池用触媒組成物1と同様にして燃料電池用触媒組成物2を調製し、燃料電池用触媒組成物2を用いて空気極材の場合と同様にして作製した。
空気極剤及び燃料極材を電解質膜(デュポン製、Nafion112)に熱プレス(120℃×8MPa×1分)して触媒層を電解質膜上に形成し、膜電極接合体を作製した。
膜電極接合体と、膜電極接合体を挟み込むようにして一対の拡散層(ジャパンゴアテックス製、CARBEL−CL)とを配置し、これらを溝付きのカーボンセパレータに挟み込み、固体高分子形燃料電池(単セル)を作製した。
単セルに、燃料として水素ガスを、酸化ガスとして空気を導入し、両ガス圧をゲージ圧で0.1MPaの加圧下、セル温度80℃、水素加湿露点80℃、空気加湿露点80℃の条件で発電を行い、電子負荷装置を用いて電流−電圧特性を測定した。測定結果を図3に示す。
[実施例2]
疎水化繊維状カーボンとして、繊維状炭素(昭和電工製、商品名VGCF、繊維径0.15μm、繊維長10〜20μm)をフッ素量が10質量%となるように処理した、フッ素化繊維状カーボンを10質量部、触媒担持カーボンとして白金担持炭素微粒子(白金担持量は45質量%、担持体の素材はKetjen−ECであり、その平均一次粒径は0.027μmであった。)90質量部を用いた以外は実施例1と同様にして固体高分子形燃料電池を作製し、電流−電圧特性を測定した。測定結果を図3に示す。
[比較例1]
疎水化繊維状カーボンの代わりに、フッ素化処理をしていないVGCF(繊維径0.15μm、繊維長10〜20μm)を使用した以外は実施例1と同様にして固体高分子形燃料電池を作製し、電流−電圧特性を測定した。測定結果を図3に示す。
図3から明らかなように、本発明の固体高分子形燃料電池は発電特性に優れる。
固体高分子形燃料電池の一例を示す概略構成図である。 触媒層13(カソード側)の概念図を示す図である。 電流−電圧特性の測定結果を示す図である。
符号の説明
10 固体高分子形燃料電池
11 電解質膜
12、13 触媒層
14、15 拡散層
16 アノード電極
17 カソード電極
20 膜電極接合体
21、22 セパレータ
23 燃料流路
24 酸化ガス流路
31 触媒成分
32 担持体
33 触媒担持カーボン
34 疎水化繊維状カーボン
35 高分子電解質
36 空隙

Claims (3)

  1. 触媒担持カーボンと、疎水化繊維状カーボンと、高分子電解質とを含有する燃料電池用触媒組成物。
  2. 第一の触媒層を有するアノード電極と、第二の触媒層を有するカソード電極と、前記アノード電極と前記カソード電極とで挟持された電解質膜とを備えた膜電極接合体であって、
    前記第一の触媒層及び前記第二の触媒層の少なくとも一方は、触媒担持カーボンと、疎水化繊維状カーボンと、高分子電解質とを含む膜電極接合体。
  3. 第一の触媒層を有するアノード電極と、第二の触媒層を有するカソード電極と、前記アノード電極と前記カソード電極とで挟持された電解質膜とを備えた膜電極接合体及び、
    前記膜電極接合体を狭持するとともに、前記アノード電極との間に燃料が通過する燃料流路と前記カソード電極との間に酸化ガスが通過する酸化ガス流路とを形成する一対のセパレータを備えた固体高分子形燃料電池であって、
    前記第一の触媒層及び前記第二の触媒層の少なくとも一方は、触媒担持カーボンと、疎水化繊維状カーボンと、高分子電解質とを含む固体高分子形燃料電池。
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