JP2019186373A - 電子装置 - Google Patents

Abstract

【課題】筐体のスロットに挿入される基板を安定に固定して、耐振動性を確保する。【解決手段】電子装置１０は、一対のガイドレール４８および弾性部材１００を備える。一対のガイドレール４８は、基板４４のスロット３８への挿入をガイドするために、挿入方向と交差する方向の基板４４の両端部側の各々について、スロット３８に挿入される基板４４の両面側で挿入方向に沿って延びるようにスロット３８内に設けられる。弾性部材１００は、スロット３８に基板４４が挿入されたときに基板４４を一対のガイドレール４８の一方側または他方側のいずれかに付勢する。【選択図】図２

Description

本発明は、筐体のスロットに基板を挿入することで、基板側の第１コネクタと筐体内の第２コネクタとを嵌合させる電子装置に関する。

この種の電子装置として、例えば、下記の特許文献１に開示された電子装置がある。下記の特許文献１の電子装置は、筐体内のスロットが設けられた筐体と、スロットに挿入される基板とを有する。

この電子装置では、基板の挿入方向側の端部に第１コネクタが設けられ、筐体のスロットに基板が挿入されたときに第１コネクタに嵌合する第２コネクタが筐体内に設けられている。また、筐体には、筐体内で挿入方向側に延び、基板のスロットへの挿入をガイドする一対のガイドレールが設けられている。

特開２００２−２４６７７２号公報

上記の特許文献１では、第１コネクタと第２コネクタとが嵌合され、その嵌合によって基板がスロット内で固定されている。そのため、筐体または基板が振動した場合、第１コネクタと第２コネクタとの嵌合部分（接点部分）や、第１コネクタと基板とのはんだ接合部分に負荷がかかり易い。

そこで、筐体以外の部材を用いてスロット内の基板を固定すると、電子装置の部品点数や組立工数が増加し、電子装置のコストが高くなる。一方、ガイドレールで挟むなどといったように筐体で基板を固定する場合、筐体と基板との接触部分が擦れて、基板に傷が生じ易くなる。

そこで、本発明は、筐体のスロットに挿入された基板を安定に固定して、耐振動性を確保することができる電子装置を提供することを目的とする。

本発明の態様は、電子装置であって、スロットが設けられた筐体と、前記スロットに挿入される基板と、前記基板の挿入方向側の端部に設けられた第１コネクタと、前記筐体内に設けられ、前記スロットに前記基板が挿入されたときに前記第１コネクタと嵌合する第２コネクタと、前記基板の前記スロットへの挿入をガイドするために、前記挿入方向と交差する方向の前記基板の両端部側の各々について、前記スロットに挿入される前記基板の両面側で前記挿入方向に沿って延びるように前記スロット内に設けられた一対のガイドレールと、前記スロットに前記基板が挿入されたときに前記基板を前記一対のガイドレールの一方側または他方側のいずれかに付勢する弾性部材と、を備える。

本発明によれば、スロットに挿入された状態において、弾性部材の付勢力によって、一対のガイドレールのいずれかに基板を抑え付ける。この結果、筐体のスロットに挿入された基板を安定に固定して、耐振動性を確保することができる。

本実施の形態の電子装置の全体の構成を示す斜視図である。 図１の電子装置の一部の構成を示す分解斜視図である。 基板とフェイスプレートが接続された状態を示す斜視図である。 スロットに対して基板を挿入し始めたときの様子を示す概略図である。 スロットに基板を挿入している途中の様子を示す概略図である。 スロットに基板が挿入されたときの様子を示す概略図である。 変形例１の電子装置の一部の構成を示す断面図である。 弾性部材の配置位置が実施の形態と異なる例（１）を示す概略図である。 弾性部材の配置位置が実施の形態と異なる例（２）を示す概略図である。

本発明に係る電子装置について、好適な実施の形態を掲げ、添付の図面を参照しながら、以下詳細に説明する。

［本実施の形態の概略構成］
図１に示すように、本実施の形態の電子装置１０は、例えば、表示器１２および不図示の産業機械（工作機械、ロボット、射出成形機、ワイヤ放電加工機など）を制御するための制御装置に適用される。表示器１２は、前面１４に配置される不図示の表示画面を有する液晶の表示ユニットである。表示器１２は、液晶以外の表示ユニットであってもよい。なお、電子装置１０が工作機械の数値制御装置に適用される場合、表示器１２は、工作機械の操作盤に設けられる。以下の説明では、表示器１２の表示画面を正面から見た方向にしたがって、上下、左右および前後の方向を説明する。

表示器１２の前面１４とは反対の背面１６には、電子装置１０と、不図示の外部装置に接続可能なユーザ・インターフェース・ユニット１８とが着脱可能に取り付けられている。図１に示す例では、表示器１２の背面１６の上側に電子装置１０が着脱可能に取り付けられ、表示器１２の背面１６の下側の隅部にユーザ・インターフェース・ユニット１８が着脱可能に取り付けられている。

電子装置１０は、表示器１２の背面１６に着脱可能に取り付けられる箱型の筐体２０を有する。筐体２０の底面２２は、表示器１２の背面１６に対向している。筐体２０の底面２２に隣接する側面のうち、ユーザ・インターフェース・ユニット１８寄りの上下方向に沿った側面２４には、筐体２０内を冷却するための２つのファン２６を収納するファンユニット２８が筐体２０に着脱可能に取り付けられている。なお、ファンユニット２８には、少なくとも１つのファン２６が収納されていればよい。

電子装置１０は、筐体２０と、筐体２０内に収納され、表示器１２および産業機械を制御する制御部３０と、筐体２０内に収納され、制御部３０に接続されるバックプレート３２とを有する。筐体２０において、底面２２に隣接する側面のうち、ファンユニット２８が取り付けられる側面２４に隣接する下側の側面（下面３４）には、形状または大きさが異なる複数の開口３６が形成されている。

筐体２０には、各々の開口３６から、ファンユニット２８が取り付けられる側面２４に平行な上下方向に沿って延びる複数のスロット３８が設けられている。すなわち、筐体２０内には、表示器１２の背面１６とは反対の天板４０から底面２２に向かって、複数の仕切り板４２が延びている。これにより、筐体２０内は、複数の空間に分割される。分割された複数の空間の各々がスロット３８として形成され、各スロット３８の下面３４側が開口３６として形成される。なお、本実施の形態では、左右方向に延びる複数の仕切り板をさらに設けて、筐体２０内の空間を前後方向に分割することで、複数のスロット３８を形成することも可能である。

バックプレート３２は、制御部３０を構成する複数の基板４４に接続される接続基板である。バックプレート３２は、筐体２０内の上方向の奥側、すなわち、複数のスロット３８の上方向の奥側において、筐体２０の上側の側面（上面４６）と平行に、かつ、底面２２と垂直に配置される。バックプレート３２は、不図示のコネクタを介して表示器１２と接続されている。

制御部３０は、複数のスロット３８の各々に挿抜可能に収納される複数の基板４４を有する。複数の基板４４の実装面４４ａには、不図示の表面実装部品が実装される。なお、複数のスロット３８は、形状または大きさが互いに異なるため、複数の基板４４の各々は、該当するスロット３８に挿入されるように、開口３６の形状または大きさに応じた形状または大きさを有する。なお、図１では、１つのスロット３８について、基板４４を挿抜する場合のスロット３８内の構成を破線などで図示している。また、図１は、基板４４の挿入方向を上方向とし、基板４４の挿入方向とは反対側である抜出方向を下方向としている。

基板４４のスロット３８への挿入をガイドするため、各々のスロット３８内には一対のガイドレール４８が設けられている。一対のガイドレール４８は、基板４４における挿入方向と交差する方向側の両端部の各々に対応するように、仕切り板４２、または、筐体２０の側面を形成する内壁に設けられる。一対のガイドレール４８の各々は、スロット３８に挿入される基板４４の両面側に配置されるように上下方向に沿って延びている。これにより、一対のガイドレール４８は、スロット３８に挿入される基板４４の両端部が一対のガイドレール４８の間の溝に嵌まり込んでいる状態で、基板４４を挿入方向に沿ってバックプレート３２までガイドすることができる。また、一対のガイドレール４８を用いることで、基板４４をスロット３８に挿入する際の基板４４の前後方向および左右方向への位置決めが不要となる。

基板４４のバックプレート３２側の端部（基板４４の挿入方向側の端部）には、第１コネクタ５０が設けられている。バックプレート３２には、複数のスロット３８の各々に基板４４が挿入されたときに、第１コネクタ５０と嵌合する複数の第２コネクタ５２が設けられている。これにより、スロット３８に挿入された（収納された）基板４４は、嵌合状態の第１コネクタ５０および第２コネクタ５２と、バックプレート３２とを介して、表示器１２を制御することができる。

基板４４において挿入方向とは反対側である抜出方向（下方向）側の端部には、基板４４を支持するフェイスプレート５４が設けられている。すなわち、図２および図３に示すように、基板４４の両端部側の各々には２つの嵌合孔４４ｈが設けられ、それら２つの嵌合孔４４ｈに対応してフェイスプレート５４の挿入方向側の面（上面）５４ａには２つの嵌合爪５４ｂが設けられる。また、上面５４ａにおける２つの嵌合爪５４ｂの間には、挿入方向側に突出する支持部５４ｃが設けられている。基板４４の抜出方向側の端部がフェイスプレート５４の上面５４ａに接触し、かつ、支持部５４ｃで基板４４が支持されるとともに、２つの嵌合孔４４ｈに対して２つの嵌合爪５４ｂが嵌合することで、フェイスプレート５４が基板４４を支持している。フェイスプレート５４は、スロット３８に基板４４が挿入された状態では、筐体２０の下面３４に当接して開口３６を塞ぐ。

また、基板４４の抜出方向（下方向）の端部には、フェイスプレート５４に形成された開口部５６を貫通して外部に露出する第３コネクタ５８が設けられている。第３コネクタ５８は、外部のコネクタに接続可能である。これにより、外部から第３コネクタ５８を介して基板４４に信号を供給し、または、基板４４から第３コネクタ５８を介して外部に信号を出力することができる。

このように、基板４４がユニット化されることで、基板４４の梱包や持ち運びが容易になるとともに、基板４４に対する静電気対策も容易に行うことができる。

［本実施の形態の特徴的な構成］
次に、本実施の形態の電子装置１０の特徴的な構成について、図１〜図３を参照しながら説明する。本実施の形態の電子装置１０では、筐体２０のスロット３８に挿入された基板４４を安定に固定して耐振動性を確保するため、下記の構成をさらに備える。

フェイスプレート５４の挿入方向側の面（上面）５４ａにおいて、基板４４の両端部側の各々には、一対の係止部６０が設けられている。一対の係止部６０は、スロット３８に基板４４が挿入されたときにフェイスプレート５４を筐体２０に固定するためのものであり、基板４４の実装面４４ａ側に間隔をあけて設けられている。なお、一対の係止部６０のうち基板４４の実装面４４ａに近い側（前方側）の係止部６０は前側係止部６０ａとし、一対の係止部６０のうち基板４４の実装面４４ａに遠い側（後方側）の係止部６０は後側係止部６０ｂとする。

前側係止部６０ａおよび後側係止部６０ｂは、弾性変形可能であり、挿入方向側に沿って互いに略平行に延びている。前側係止部６０ａには、後側係止部６０ｂに向かって突出する係止爪６２が設けられ、後側係止部６０ｂには、前側係止部６０ａに向かって突出する係止爪６２が設けられている。

一対の係止部６０（前側係止部６０ａおよび後側係止部６０ｂ）は、スロット３８に基板４４が挿入されたときに、スロット３８内の筐体２０に設けられた一対の係合部７０に係合することで、フェイスプレート５４を筐体２０に固定する。なお、一対の係合部７０のうち前側係止部６０ａが係合する係合部７０は前側係合部７０ａとし、一対の係合部７０のうち後側係止部６０ｂが係合する係合部７０は後側係合部７０ｂとする。

一対の係合部７０（前側係合部７０ａおよび後側係合部７０ｂ）は、基板４４における挿入方向と交差する方向側の両端部の各々に対応するように、仕切り板４２、または、筐体２０の側面を形成する内壁に設けられる。

後側係合部７０ｂは、挿入方向に沿って延びており、前側係合部７０ａは、挿入方向側に向かうほど後側係合部７０ｂから離れるように後側係合部７０ｂに対して斜めに傾斜して延びている。前側係合部７０ａおよび後側係合部７０ｂにおける抜出方向側の端部は連結され、挿入方向側の端部は開放端になっている。

この前側係合部７０ａの開放端には、スロット３８に基板４４が挿入されたときに前側係止部６０ａの係止爪６２が係合する。一方、後側係合部７０ｂの開放端には、スロット３８に基板４４が挿入されたときに後側係止部６０ｂの係止爪６２が係合する。つまり、一対の係止部６０（前側係止部６０ａおよび後側係止部６０ｂ）は、スロット３８に基板４４が挿入されたときには、係合部７０（前側係合部７０ａおよび後側係合部７０ｂ）を挟み込むように係合する。これにより一対の係止部６０は、スロット３８に基板４４が挿入されたときに、フェイスプレート５４を筐体２０に固定することができる。

本実施の形態の場合、係合部７０（前側係合部７０ａ）の前面側には、レール延長部７４が設けられている。レール延長部７４は、一対のガイドレール４８の一方側を、一対のガイドレール４８の他方側よりも抜出方向側に延長するものであり、当該一対のガイドレール４８の一方側に連結される。なお、本実施の形態の場合において、ガイドレール４８の一方側は、スロット３８に挿入される基板４４の実装面４４ａと反対の面側と対向する側である。

レール延長部７４は、基板４４における挿入方向と交差する方向側の両端部の各々に対応するように、仕切り板４２、または、筐体２０の側面を形成する内壁に設けられる。このレール延長部７４から離間して上記の前側係合部７０ａが配置されており、当該レール延長部７４と前側係合部７０ａとの間を基板４４および前側係止部６０ａが通る。

またレール延長部７４は、前側係合部７０ａに向かって突出する突出部７６を有している。レール延長部７４は、この突出部７６を有していることで、スロット３８内に挿入される基板４４がガイドレール４８と面接触することを回避しており、この結果、スロット３８内に基板４４が挿入し易くなる。

フェイスプレート５４の上面５４ａにおいて、基板４４の両端部側に設けられた前側係止部６０ａおよび後側係止部６０ｂの各々の基端側には、開口部８０が設けられている。４つの開口部８０の各々には支持部８２が設けられている。

支持部８２は、係止部６０と操作部９０とを支持するものであり、当該支持部８２によって、前側係止部６０ａと操作部９０とが連結され、後側係止部６０ｂと操作部９０とが連結される。なお、前側係止部６０ａに連結されている操作部９０は前側操作部９０ａとし、後側係止部６０ｂに連結されている操作部９０は後側操作部９０ｂとする。

操作部９０（前側操作部９０ａおよび後側操作部９０ｂ）は、係止部６０と係合部７０との係合状態を解除するものである。すなわち、前側操作部９０ａおよび後側操作部９０ｂが互いに近づくように操作されると、支持部８２が撓んで、前側操作部９０ａおよび後側操作部９０ｂに連結された前側係止部６０ａおよび後側係止部６０ｂが互いに離れるように動く。これにより、係合部７０（前側係合部７０ａおよび後側係合部７０ｂ）を挟み込むように係合していた一対の係止部６０（前側係止部６０ａおよび後側係止部６０ｂ）の係合が解除される。

フェイスプレート５４の上面５４ａにおいて、基板４４の両端部側に設けられた前側係止部６０ａと、フェイスプレート５４に支持された基板４４との間には、弾性部材１００が設けられている。

弾性部材１００は、基板４４の厚み方向（前後方向）に伸縮可能であり、圧縮した状態で基板４４と係止部６０（前側係止部６０ａ）との間に配置されている。弾性部材１００の基板４４側は、基板４４の実装面４４ａに実装されることで基板４４に固定される。一方、弾性部材１００の前側係止部６０ａ側は、前側係止部６０ａに接触している。なお、弾性部材１００の前側係止部６０ａ側は、前側係止部６０ａに固定されていてもよく、前側係止部６０ａに固定されていなくてもよい。

この弾性部材１００は、スロット３８に基板４４が挿入されたときに基板４４を一対のガイドレール４８の一方側（前方側）に付勢するものである。すなわち、スロット３８に基板４４が挿入されたときには、係止部６０（前側係止部６０ａ）が係合部７０（前側係合部７０ａ）に係合して固定される。このため、この係止部６０（前側係止部６０ａ）と基板４４との間に圧縮した状態で配置される弾性部材１００は、スロット３８に基板４４が挿入されたときには、基板４４を一対のガイドレール４８の一方側（前方側）に付勢することになる。

このように弾性部材１００は、スロット３８に基板４４が挿入されたときに基板４４を一対のガイドレール４８の一方側（前方側）に付勢することで、スロット３８に挿入された基板４４を一対のガイドレール４８の一方側（前方側）に固定することができる。

なお、弾性部材１００として、具体的には、例えば、表面実装用のスプリング（ＳＭＤスプリング）、表面実装用のクリップ（ＳＭＤクリップ）、あるいは、板ばねなどが挙げられる。

［スロット３８に対する基板４４の挿抜］
次に、スロット３８に対して基板４４を挿抜する手順について説明する。まず、スロット３８に基板４４を挿入する場合について、図４〜図６を参照しながら説明する。

基板４４がフェイスプレート５４に支持されている場合に、第１コネクタ５０を挿入方向側に向けた状態で、基板４４をスロット３８内に挿入する（図４参照）。これにより、基板４４の両端部の挿入方向側が一対のガイドレール４８に挿入される。この結果、基板４４の両端部を一対のガイドレール４８でガイドしつつ、基板４４をバックプレート３２側に移動させることができる。つまり、基板４４は、一対のガイドレール４８によって、左右方向および前後方向に位置決めされた状態で、スロット３８に挿入される。

基板４４をさらに挿入すると、係止部６０が係合部７０に当接し、係合部７０の前側係合部７０ａおよび後側係合部７０ｂに沿って、係止部６０の前側係止部６０ａと後側係止部６０ｂとが広がるように弾性変形する（図５参照）。

その後、基板４４をさらに挿入すると、前側係合部７０ａの開放端に前側係止部６０ａの係止爪６２が係合する一方、後側係合部７０ｂの開放端に後側係止部６０ｂの係止爪６２が係合することで、係止部６０が係合部７０を挟み込む（図６参照）。この結果、フェイスプレート５４が固定される。

係止部６０が係合部７０に係合すると、基板４４の挿入方向側の端部がバックプレート３２の近傍に至ることで、スロット３８に基板４４が挿入された状態となる。この状態では、第１コネクタ５０と第２コネクタ５２とが嵌合するとともに、フェイスプレート５４が筐体２０の下面３４に当接して開口３６を塞ぐ。

また、この状態では、基板４４と係止部６０との間において圧縮している弾性部材１００が、基板４４を一対のガイドレール４８の一方側（前方側）に付勢し、当該弾性部材１００の付勢によって基板４４が一対のガイドレール４８の一方側（前方側）に抑え付けられる。

これにより、第１コネクタ５０と第２コネクタ５２との嵌合部分（接点部分）や、第２コネクタ５２と基板４４とのはんだ接合部分に負荷がかかることを防止することができる。

次に、スロット３８から基板４４を抜き出す場合について説明する。まず、オペレータは、フェイスプレート５４から外側に露出する２つの操作部９０における前側操作部９０ａおよび後側操作部９０ｂの各々が互いに近づくように操作する。これにより、支持部８２が撓み、前側操作部９０ａおよび後側操作部９０ｂに連結された前側係止部６０ａおよび後側係止部６０ｂが互いに離れるように動く。この結果、係合部７０（前側係合部７０ａおよび後側係合部７０ｂ）に係合していた係止部６０（前側係止部６０ａおよび後側係止部６０ｂ）の係合が解除される。

次に、オペレータは、２つの操作部９０における前側操作部９０ａおよび後側操作部９０ｂの各々が互いに近づくように操作している状態で、フェイスプレート５４を抜出方向に引く。これにより、第１コネクタ５０と第２コネクタ５２との嵌合状態が解除される。オペレータがフェイスプレート５４をさらに引くと、基板４４の両端部を一対のガイドレール４８でガイドしつつ、基板４４をスロット３８から引き抜くことができる。

〔変形例〕
以上、本発明の一例として上記実施の形態が説明されたが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることはもちろんである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。

（変形例１）
図７は、変形例１の電子装置の一部の構成を示す断面図である。なお、上記実施の形態において説明した構成と同様の構成については同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。

変形例１の電子装置では、スロット３８内の電磁波ノイズを吸収するための金属部材１１０が基板４４に設けられる。金属部材１１０は、図７に示す例では、基板４４の実装面４４ａ上に配置されているが、基板４４のうち表面実装部品ＳＣが実装される実装領域以外の少なくとも一部に設けられていればよい。金属部材１１０として、具体的には、例えばプリント配線パターンなどが挙げられる。

金属部材１１０は、基板４４の実装面４４ａに設けられる弾性部材１００と接触しており、当該弾性部材１００と電気的および機械的に接続されている。変形例１の電子装置では、この弾性部材１００と、弾性部材１００が当接している係止部６０（前側係止部６０ａ）と、係止部６０（前側係止部６０ａ）と連結される操作部９０（前側操作部９０ａ）とは金属である。

したがって、金属部材１１０で電磁波ノイズが吸収された場合、その電磁波ノイズは、金属部材１１０から弾性部材１００に伝わり、弾性部材１００、係止部６０および操作部９０を通じて外部に放射される。

このように変形例１の電子装置によれば、スロット３８内の電磁波ノイズを金属部材１１０で吸収し、金属部材１１０が吸収した電磁波ノイズを弾性部材１００、係止部６０および操作部９０を通じて外部に放射させ易くなる。

（変形例２）
上記実施の形態では、弾性部材１００が基板４４と係止部６０（前側係止部６０ａ）との間に設けられたが、当該基板４４と係止部６０との間以外に設けられてもよい。例えば、図８に示すように、一対のガイドレール４８の間に弾性部材１００Ａを設けることができる。

この弾性部材１００Ａは、一対のガイドレール４８によりガイドされる基板４４の厚み方向（前後方向）に伸縮可能であり、伸縮方向の一端部が一対のガイドレール４８の他方側（後方側）に固定され、伸縮方向の他端部が自由端とされる。また、弾性部材１００Ａは、挿入方向側に向かうほどガイドレール４８の他方側（後方側）からの高さが大きくなるように固定端から自由端までが斜めに傾斜する部位を有する。

この弾性部材１００Ａは、スロット３８に基板４４が挿入された状態では、その基板４４によりガイドレール４８の他方側（後方側）に押されて圧縮することで、基板４４を一対のガイドレール４８の一方側（前方側）に付勢する。

このように、一対のガイドレール４８の間に弾性部材１００Ａが設けられても、上記実施の形態と同様に、第１コネクタ５０と第２コネクタ５２との嵌合部分（接点部分）や、第２コネクタ５２と基板４４とのはんだ接合部分に負荷がかかることを防止できる。

また、図９に示すように、一対のガイドレール４８の間に弾性部材１００Ｂを設けることもできる。図９に示す例では、レール延長部７４に設けられた突出部７６に代えて、ガイドレール４８の他方側（後方側）に突出部７６Ａが設けられる。

弾性部材１００Ｂは、一対のガイドレール４８によりガイドされる基板４４の厚み方向（前後方向）に伸縮可能であり、伸縮方向の一端部が一対のガイドレール４８の一方側（前方側）に固定され、伸縮方向の他端部が自由端とされる。また、弾性部材１００Ｂは、挿入方向側に向かうほどガイドレール４８の一方側（前方側）からの高さが大きくなるように固定端から自由端までが斜めに傾斜する傾斜部位を有する。

弾性部材１００Ｂは、スロット３８に基板４４が挿入されていない状態では、一対のガイドレール４８の間において自然長である。これに対し、弾性部材１００Ｂは、スロット３８に基板４４が挿入された状態では、その基板４４によりガイドレール４８の一方側（前方側）に押されて圧縮することで、基板４４を一対のガイドレール４８の他方側（後方側）に付勢する。

このように、一対のガイドレール４８の間に弾性部材１００Ｂが設けられても、上記実施の形態と同様に、第１コネクタ５０と第２コネクタ５２との嵌合部分（接点部分）や、第２コネクタ５２と基板４４とのはんだ接合部分に負荷がかかることを防止できる。

なお、スロット３８に基板４４を挿入しているときに、当該基板４４と、上記の弾性部材１００Ａまたは１００Ｂとで接触する部分がある。この部分は、弾性部材１００Ａまたは１００Ｂの弾性により緩和されるものの擦れる。したがって、基板４４をスロット３８に挿入する際の基板４４と弾性部材１００Ａまたは１００Ｂとの擦れを回避する観点では、上記実施の形態のように、基板４４と係止部６０（前側係止部６０ａ）との間に弾性部材１００を設けることが好ましい。

（変形例３）
上記実施の形態の係止部６０は、前側係止部６０ａおよび後側係止部６０ｂにより構成された。しかし、後側係止部６０ｂはなくすことができる。後側係止部６０ｂをなくす場合、操作部９０の後側操作部９０ｂもなくすることができる。またこの場合、係合部７０の後側係合部７０ｂはなくてもよい。このように、後側係止部６０ｂをなくす場合には、部品点数を抑え、省スペース化を図ることができる。なお、後側係止部６０ｂをなくす場合、前側係止部６０ａと前側操作部９０ａとが一対の支持部８２を介して上下方向に連結される。

（変形例４）
上記実施の形態および上記変形例１〜３は、矛盾の生じない範囲で任意に組み合わされてもよい。

［実施の形態から得られる技術的思想］
上記実施の形態および変形例から把握しうる技術的思想について、以下に記載する。

電子装置（１０）は、筐体（２０）、基板（４４）、第１コネクタ（５０）、第２コネクタ（５２）、一対のガイドレール（４８）、および、弾性部材（１００、１００Ａ、１００Ｂ）を備える。
筐体（２０）にはスロット（３８）が設けられ、スロット（３８）に基板（４４）が挿入される。第１コネクタ（５０）は、基板（４４）の挿入方向側の端部に設けられる。第２コネクタ（５２）は、筐体（２０）内に設けられ、基板（４４）がスロット（３８）に挿入されたときに第１コネクタ（５０）と嵌合する。
一対のガイドレール（４８）は、基板（４４）のスロット（３８）への挿入をガイドするために、挿入方向と交差する方向の基板（４４）の両端部側の各々について設けられる。また、一対のガイドレール（４８）は、スロット（３８）に挿入される基板（４４）の両面側で挿入方向に沿って延びるようにスロット（３８）内に設けられる。
弾性部材（１００、１００Ａ、１００Ｂ）は、スロット（３８）に基板（４４）が挿入されたときに基板（４４）を一対のガイドレール（４８）の一方側または他方側のいずれかに付勢する。

これにより、基板（４４）は、スロット（３８）に挿入された状態では、弾性部材（１００、１００Ａ、１００Ｂ）の付勢力によって、一対のガイドレール（４８）のいずれかに抑え付けられる。この結果、筐体（２０）のスロット（３８）に挿入された基板（４４）を安定に固定して、耐振動性を確保することができる。

電子装置（１０）は、挿入方向とは反対の基板（４４）の抜出方向側の端部に設けられ、基板（４４）を支持するフェイスプレート（５４）と、フェイスプレート（５４）に設けられ、スロット（３８）に基板（４４）が挿入されたときにフェイスプレート（５４）を筐体（２０）に固定するために、基板（４４）の両端部側の各々において、フェイスプレート（５４）から挿入方向側に延びる係止部（６０）と、スロット（３８）内の筐体（２０）に設けられ、スロット（３８）に基板（４４）が挿入されたときに係止部（６０）が係合する係合部（７０）と、を備え、弾性部材（１００）は、基板（４４）と係止部（６０）との間に配置されるようにしてもよい。
このようにすれば、一対のガイドレール（４８）の間に弾性部材（１００Ａ、１００Ｂ）が配置される場合などに比べると、基板（４４）をスロット（３８）に挿入する際に、基板（４４）と弾性部材（１００）とが擦れることを抑制することができる。

電子装置（１０）は、一対のガイドレール（４８）の一方側に連結され、一対のガイドレール（４８）の他方側よりも抜出方向側に延びるレール延長部（７４）を備え、弾性部材（１００）は、レール延長部（７４）と係合部（７０）との間で圧縮した状態で配置されるようにしてもよい。
このようにすれば、ガイドレール（４８）による基板（４４）のガイドを妨げることなく、スロット（３８）に基板（４４）が挿入されたときに基板（４４）を付勢することができる。

電子装置（１０）は、基板（４４）のうち表面実装部品が実装される実装領域以外の少なくとも一部に設けられ、弾性部材（１００）と接触する金属部材（１１０）と、係止部（６０）に連結され、フェイスプレート（５４）から筐体（２０）の外部側に突出するように延び、係止部（６０）と係合部（７０）との係合状態を解除する操作部（９０）と、を備え、弾性部材（１００）、係止部（６０）および操作部（９０）は金属であってもよい。
このようにすれば、筐体（２０）内の電磁波ノイズを金属部材（１１０）で吸収し、金属部材（１１０）から弾性部材（１００）、係止部（６０）および操作部（９０）を通じて外部に放射させ易くなる。

１０…電子装置 ２０…筐体
３８…スロット ４４…基板
４８…ガイドレール ５０…第１コネクタ
５２…第２コネクタ ５４…フェイスプレート
６０…係止部 ７０…係合部
７４…レール延長部 ９０…操作部
１００、１００Ａ、１００Ｂ…弾性部材 １１０…金属部材

Claims (4)

1. スロットが設けられた筐体と、
   前記スロットに挿入される基板と、
   前記基板の挿入方向側の端部に設けられた第１コネクタと、
   前記筐体内に設けられ、前記スロットに前記基板が挿入されたときに前記第１コネクタと嵌合する第２コネクタと、
   前記基板の前記スロットへの挿入をガイドするために、前記挿入方向と交差する方向の前記基板の両端部側の各々について、前記スロットに挿入される前記基板の両面側で前記挿入方向に沿って延びるように前記スロット内に設けられた一対のガイドレールと、
   前記スロットに前記基板が挿入されたときに前記基板を前記一対のガイドレールの一方側または他方側のいずれかに付勢する弾性部材と、
   を備える、電子装置。
2. 請求項１に記載の電子装置であって、
   前記挿入方向とは反対の前記基板の抜出方向側の端部に設けられ、前記基板を支持するフェイスプレートと、
   前記フェイスプレートに設けられ、前記スロットに前記基板が挿入されたときに前記フェイスプレートを前記筐体に固定するために、前記基板の前記両端部側の各々において、前記フェイスプレートから前記挿入方向側に延びる係止部と、
   前記スロット内の前記筐体に設けられ、前記スロットに前記基板が挿入されたときに前記係止部が係合する係合部と、
   を備え、
   前記弾性部材は、前記基板と前記係止部との間に配置される、電子装置。
3. 請求項２に記載の電子装置であって、
   前記一対のガイドレールの一方側に連結され、前記一対のガイドレールの他方側よりも前記抜出方向側に延びるレール延長部を備え、
   前記弾性部材は、前記レール延長部と前記係合部との間で圧縮した状態で配置される、電子装置。
4. 請求項２または３に記載の電子装置であって、
   前記基板のうち表面実装部品が実装される実装領域以外の少なくとも一部に設けられ、前記弾性部材と接触する金属部材と、
   前記係止部に連結され、前記フェイスプレートから前記筐体の外部側に突出するように延び、前記係止部と前記係合部との係合状態を解除する操作部と、
   を備え、
   前記弾性部材、前記係止部および前記操作部は金属である、電子装置。

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