JP2019182766A - ペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b]フラン−2(3H)−オンおよび該化合物を含有する香料組成物 - Google Patents

ペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b]フラン−2(3H)−オンおよび該化合物を含有する香料組成物 Download PDF

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敦嗣 重藤
篤史 和田
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篤史 和田
慎吾 眞田
Shingo Sanada
慎吾 眞田
熊沢 賢二
Kenji Kumazawa
賢二 熊沢
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Abstract

【課題】甘さや、ミルキーでスイートな香調が強調された、より天然感を有する香料組成物、飲食品・香粧品などの香料含有製品を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の乳脂様を想起させる等の香気香味特性を有するペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b] フラン−2(3H)−オンを含有する香料組成物は菓子類、ジュース、冷菓のような飲食品あるいは香粧品に使用すると、甘さやミルキーまたはスイートな香調が強調され、天然感のある香りや風味を感じることができ、かつ残香性の向上が期待できる。【選択図】なし

Description

本発明は、新規なエポキシ化合物であるペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b] フラン−2(3H)−オンおよびその化合物を有効成分として含有する香料組成物、飲食品、香粧品類等の香料含有製品に関する。
近年、消費者の嗜好性が多様化してきていることに伴い、各種各様の商品の開発が望まれている。特に、飲食品・香粧品業界はこの傾向が強く、消費者の嗜好性に合うバラエティーに富んだ飲食品、香粧品の開発が強く要求されている。
これらの要求に対して、飲食品や香粧品のひとつの原料素材である香料においても、従来から知られている香料物質だけでは充分に対応しきれていない場合も多くなりつつある。
香料業界としては、それぞれの消費者ニーズに対応できるようなバラエティーに富んだ香料物質を提供することが要求されるようになった。具体的には、消費者の天然志向にマッチした、自然で天然感のある香気香味を賦与することができる香料組成物が求められており、さらには新しい香気を有する飲食品や香粧品が求められている。
こうした状況下で、新たな香料物質が模索されている。
例えばジヒドロベンゾフラノン誘導体やテトラヒドロベンゾフラノン誘導体が甘いラクトン様、クマリン、ココナッツ香気を有し香料として使用できることが見出されている(特許文献1)。
また、ペルヒドロベンゾフラノン誘導体の各種立体異性体等の香料としての使用(特許文献2)や、3−アルコキシミントラクトン類が甘い香気を有し香料として使用できること(特許文献3)が見出され、(6R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3,6−ジメチル−3H−ベンゾ[b]フラン−2−オンがフェノール系/クマリン様の香りを生じ、クマリンの代替として有用であることが示されている(特許文献4)。
特開昭56−169621号公報 特表平07−503281号公報 特開平07−101952号公報 特表2003−505556号公報
本発明が解決しようとする課題は、消費者の幅広いニーズに対応できる、自然でかつ天然感あふれる新たな香料物質(素材)を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために、数多くの天然素材の香気成分を精査した結果、強いインパクトを与える成分が含まれている可能性を見出した。
さらに精査を進め、選択的有機合成法を用いての誘導体の検索等の探求の結果、4,5,6,7−テトラヒドロ−3,6−ジメチル−3H−ベンゾ[b] フラン−2−オンのエポキシ化体、すなわちペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b]
フラン−2(3H)−オンが香気的に非常に優れていることを見いだし、本発明を完成させた。
本発明の化合物であるペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b] フラン−2(3H)−オンは、文献未記載の化合物であり、香調確認等がなされた事はもちろん、香料としての用途も知られていない。
本発明者らは、該化合物の香気香味特徴を調べた結果、乳脂様、スイート、アニス様、ミント様を想起させる等の特性を有していることが判明した。
また、ペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b] フラン−2(3H)−オンを調合香料中に含有させることにより、自然で天然感のある香気香味を賦与することができる香料組成物を提供できるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕任意の立体異性体形態の式(1)の化合物であるペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b] フラン−2(3H)−オン、もしくは立体異性体形態の任意の比率の混合物。
Figure 2019182766
〔2〕香料と、上記の任意の立体異性体形態の式(1)の化合物もしくは立体異性体形態の任意の比率の混合物とを含有することを特徴とする香料組成物。
〔3〕任意の立体異性体形態の式(1)の化合物もしくは立体異性体形態の任意の比率の混合物を0.00000001〜10質量%含有することを特徴とする上記の香料組成物。
〔4〕上記の香料組成物によって香気付けされた製品。
〔5〕上記の香料組成物を含有することを特徴とする飲食品。
〔6〕上記の香料組成物を含有することを特徴とする香粧品。
〔7〕香料または香料組成物に、上記の任意の立体異性体形態の式(1)の化合物もしくは立体異性体形態の任意の比率の混合物を添加することを特徴とする香料または香料組成物の香気を増強又は変調する方法。
〔8〕上記の任意の立体異性体形態の式(1)の化合物もしくは立体異性体形態の任意の比率の混合物の香料としての使用。
〔9〕ペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b] フラン−2(3H)−オンの製造方法であって、
4,5,6,7−テトラヒドロ−3,6−ジメチル−3H−ベンゾ[b] フラン−2−オンを含む任意の溶液に、メタクロロ過安息香酸の溶液を滴下して撹拌する工程1、
工程1の撹拌溶液から、チオ硫酸ナトリウム水溶液にてメタクロロ過安息香酸を除去し
た後、任意の有機溶剤で抽出する工程2、
次いで、該抽出液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して、任意の立体異性体形態のペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b] フラン−2(3H)−オンもしくは立体異性体形態の任意の比率の混合物を得る工程3、
を含むことを特徴とする、上記の製造方法。
本発明の化合物、または香料と該化合物を含有する香料組成物を飲食品、香粧品等に配合することにより、ミルキー・スイートな香調、天然感を付与することができる。また、既存の香料または香料組成物の香気を増強又は変調することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、ペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b] フラン−2(3H)−オンおよび該化合物を含有することを特徴とする香料組成物及びそれらを配合した飲食品、香粧品等である。
〔1〕ペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b] フラン−2(3H)−オン
本発明で使用されるペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b]
フラン−2(3H)−オンは、下記反応式に示すように、4,5,6,7−テトラヒドロ−3,6−ジメチル−3H−ベンゾ[b] フラン−2−オンをメタクロロ過安息香酸によってエポキシ化して得ることができる。
Figure 2019182766
但し、ペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b] フラン−2−オンの合成法は、上記の方法に限定されるものではない。
また、式(1)で表される化合物には分子に立体構造の相違に基づく複数の立体異性体が存在するが、一つの立体異性体またはそれらの混合物であってもよい。
〔2〕香料組成物
本発明の有効成分であるペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b] フラン−2(3H)−オンは、乳脂様、スイート、アニス様、ミント様を想起させる等の特性を有していることから、単独で香料として用いることもできるが、適切な溶剤で希釈するか、あるいは他の香料と任意の割合で混合して、香料組成物として用いることが好適である。
ペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b] フラン−2(3H
)−オンを香料組成物に用いる場合、その添加量は、その目的あるいは香料組成物の種類によって異なるものの、一般的には、香料組成物全体量の0.00000001質量%〜10質量%、好ましくは0.0000001質量%〜1質量%の範囲内を例示することができる。
使用量が0.00000001質量%より少ない場合は、その添加効果は得られ難く、また、10質量%よりも多い場合は、この物質の持つ個性が強く出すぎて、香料組成物全体の香りのバランスを崩してしまうなど、結果として目的とする香りが得られなくなるおそれがある。
本発明の香料組成物に配合される他の香料としては、特に制限はなく、用途や目的に応じて従来より使用されていた種々の香料が使用可能である。
例えば、「特許庁公報 周知慣用技術集(香料) 第II部 食品用香料」(平成12(2000)年1月14日発行、日本国特許庁)や、「特許庁公報 周知慣用技術集(香料) 第III部
香粧品用香料」(平成13(2001)年6月15日発行、日本国特許庁)等に記載された香料(精油、エッセンス、コンクリート、アブソリュート、エキストラクト、オレオレジン、レジノイド、回収フレーバー、炭酸ガス抽出精油、単離香料、合成香料などが挙げられる。
〔3〕香料組成物の剤形
上記の香料組成物は、必要に応じて溶剤を含有させた液状香料として飲食品や香粧品等に使用する態様が好適である。ここで、溶剤としては、ジエチルフタレート、トリエチルシトレート等のエステル類;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチルジグリコール、1,3-ブチレングリコール等のグリコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、3-メチル-3-メトキシブタノール等のアルコールエーテル類;エタノール等のアルコール類を例示することができる。
なお、香料組成物を界面活性剤ともに乳化した乳化香料として使用する態様、さらには賦形剤(加工デンプン、サイクロデキストン等)と混合した後、乾燥(噴霧乾燥、凍結乾燥等)することにより粉末香料として使用する態様も好適である。
〔4〕香料組成物の適用対象
本発明の香料組成物によって香気付けされる製品は、飲食品や香粧品類等が一般的であるが、香料を含有させることが可能な製品全般に適用される。以下、詳しく説明する。
本発明の香料組成物は、果汁飲料類、果実酒類、乳飲料類、炭酸飲料類のごとき飲料類;アイスクリーム類、シャーベット類、アイスキャンディー類のごとき冷菓類;ヨーグルト類、チーズ類のごとき発酵乳製品;和洋菓子類、焼菓子類、ジャム類、チューインガム類、パン類、コーヒー、ココア、紅茶、お茶、タバコのごとき嗜好品類;プリン類、ゼリー類、ババロア類、ムース類のごときデザート類;和風スープ類、洋風スープ類のごときスープ類;風味調味料;各種インスタント飲料乃至食品類、各種スナック食品類などに添加することにより、そのユニークな香気香味が付与された飲食品類を提供することができる。
本発明の香料組成物は、飲食品に添加する場合は通常0.0001質量%〜2.0質量%の添加率で用いられ、好ましくは0.001質量%〜1.0質量%の添加率で用いられ、より好ましくは0.01質量%〜0.5質量%の添加率で用いられる。添加率が0.0001質量%未満の場合は添加効果が十分でない場合があり、添加率が2.0質量%を超えた場合は、香味の自然さがやや欠ける可能性がある。
また、本発明の香料組成物は、化粧品、トイレタリー製品、ハウスホールド、雑貨などの多くの香粧品に適用可能である。具体的には、シャンプー類、ヘアクリーム類、ポマード類、その他の毛髪用化粧料、白粉、口紅、その他の化粧料、洗濯用洗剤類、消毒用洗剤
類、室内芳香剤その他各種の保健・衛生材料類、医薬品の服用を容易にするための矯味、付香剤などの保健・衛生・医薬品類などに広く使用することができる。
本発明の香料組成物を、上記目的で添加する場合は通常0.0001質量%〜2.0質量%の添加率で用いられ、好ましくは0.001質量%〜1.0質量%の添加率で用いられ、より好ましくは0.01質量%〜0.5質量%の添加率で用いられる。添加率が0.0001質量%未満の場合は添加効果が十分でない場合があり、添加率が2.0質量%を超えた場合は、香気の自然さがやや欠ける可能性がある。
次に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
なお、使用した原料である4,5,6,7−テトラヒドロ−3,6−ジメチル−3H−ベンゾ[b] フラン−2−オンは、前記特許文献4の実施例1に記載された方法に準じて合成した。
[製造例1]
市販のメントフラン(豊玉香料社製)、オクタン酸および固定化リパーゼをトルエン中で分散させ、35%の過酸化水素を45℃で滴加し反応させた。反応終了後、洗浄、乾燥、トルエン留去後蒸留を行い、原料となる4,5,6,7−テトラヒドロ−3,6−ジメチル−3H−ベンゾ[b] フラン−2−オンを得た。
[実施例1]ペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b] フラン−2(3H)−オンの合成
製造例1で得られた4,5,6,7−テトラヒドロ−3,6−ジメチル−3H−ベンゾ[b] フラン−2−オン3.00gをジクロロメタン70mLに溶解させ、これに対して、メタクロロ過安息香酸ジクロロメタン溶液を滴下した後、1時間撹拌した。
チオ硫酸ナトリウム水溶液にてメタクロロ過安息香酸を除去した後、ジエチルエーテルにて抽出し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することで、ペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b] フラン−2(3H)−オン0.49gを得た(収率15%、無色オイル)。
この化合物は、乳脂様、ミルキー・スイートな香調を有し、甘さなどの呈味のボリューム感を付与する効果を有していた。
赤外スペクトル(IR)およびNMRスペクトルによって当該化合物が、ペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b] フラン−2(3H)−オンであることを同定した。
IR(4種の立体異性体の混合スペクトル,ATR法):2927,1797,1177,1456,992,993,853cm-1
1H-NMR(4種の立体異性体の混合スペクトル,400MHz,CDCl3,δppm):2.88(1H×2,dq),2.73(1H×2,dq),2.50(1H×2,ddd),2.37(1H×2,ddd),2.23(1H×2,ddd),2.10(1H×2,m),2.01〜1.41(16H,m),1.34(3H×4,m),1.12〜1.00(1H×4,m),0.97(3H×4,m)
13C-NMR(4種の立体異性体の混合スペクトル,400MHz,CDCl3,δppm):177.9,177.9,176.8,176.6,89.4,88.8,88.2,88.0,64.2,63.9,63.7,63.6,43.1,42.3,42.1,41.8,31.6,31.5,31.5,31.5,29.5,28.9,28.3
,28.2,27.2,26.8,26.4,26.3,24.6,23.1,22.2,21.5,21.4,21.2,21.1,20.1,12.9,12.8,10.5,10.3
[実施例2]
実施例1で得た、ペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b] フラン−2(3H)−オンの立体異性体の混合物1gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することで、(3S, 3aS, 6R)-ペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b] フラン−2(3H)−オン100mgを単離した(収率10%、白色固体)。
この単一の立体異性体は、実施例1で得た立体異性体の混合物よりも力価が強く、よりフレッシュで甘い香調を有していた。
赤外スペクトル(IR)およびNMRスペクトルによって当該化合物が、(3S, 3aS, 6R)-ペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b] フラン−2(3H)−オンであることを同定した。
IR(ATR法):2932,1791,1183,995,960,852,cm-1
1H-NMR(400MHz,CDCl3,δppm):2.73(1H,q),2.37(1H,ddd),2.23(1H,ddd),1.83(1H,dd),1.71(1H,ddd),1.60(1H,m),1.47(1H,d),1.34(3H,d),1.15(1H,m),0.97(3H,d)
13C-NMR(400MHz,CDCl3,δppm):176.8,88.0,63.9,42.3,31.5,28.3,27.2,24.6,21.5,10.5
[実施例3]
実施例1で得た、ペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b] フラン−2(3H)−オンを、0.01質量%になるようにトリアセチンで希釈し、本発明の香料組成物1を得た。
[実施例4]
表1の処方により実施例4の果汁飲料1を得た。
Figure 2019182766
[比較例1]
表1の処方中、香料組成物1の代わりにトリアセチンを配合して、比較例1の果汁飲料2を得た。
[実施例5]
表2の処方により本発明の香料組成物2を得た。
Figure 2019182766
[比較例2]
表2の処方中、ペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b] フラン−2(3H)−オンの代わりに95%エチルアルコールを配合して、比較例2の香料組成物3を得た。
[実施例6]
表3の処方により香料組成物2を含む実施例6のバニラアイスクリーム1を得た。
Figure 2019182766
[比較例3]
表3の処方中、香料組成物2の代わりに香料組成物3を配合して、比較例3のバニラアイスクリーム2を得た。
[実施例7]
表4の処方により本発明の香料組成物4を得た。
Figure 2019182766
[比較例4]
表4の処方中、ペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b] フラン−2(3H)−オンの代わりに95%エチルアルコールを配合して、比較例4の香料組成物5を得た。
[実施例8]
表5の処方により本発明の水あめ1を得た。
Figure 2019182766
[比較例5]
表5の処方中、香料組成物4の代わりに香料組成物5を配合して、比較例5の水あめ2を得た。
[実施例9]
表6の処方に従い実施例9のシャンプー1を得た。
Figure 2019182766
[比較例6]
表6の処方中、香料組成物4の代わりに香料組成物5を配合して、比較例6のシャンプー2を得た。
[試験例1]
実施例4の果汁飲料1及び、比較例1の果汁飲料2の2種のジュースについて10名の専門パネラーにより香気香味を比較評価した。
その結果、専門パネラーの全員が本発明品である実施例4の果汁飲料1の方が、スイートな香調、甘さなどを強く感じ、更に酸味が抑えられると評価した。
[試験例2]
実施例6のバニラアイスクリーム1、及び比較例3バニラアイスクリーム2の2種のアイスクリームについて10名の専門パネラーにより香気香味を比較評価した。
その結果、専門パネラーの全員が本発明品である実施例6のバニラアイスクリーム1の方が、スイートな香調、乳脂感や甘さを強く感じられると評価した。
[試験例3]
実施例7の香料組成物4及び、比較例4の香料組成物5を匂い紙に浸した際の香りについて、10名の専門パネラーにより比較評価した。
その結果、専門パネラーの全員が本発明品である実施例7の香料組成物4の方が、ミルキーでスイートな香調を強く感じ、より嗜好性が高いと評価した。
[試験例4]
実施例8の水あめ1及び、比較例5の水あめ2の2種の水あめについて10名の専門パネラーにより香気香味を比較評価した。
その結果、専門パネラーの全員が本発明品である実施例8の水あめ1の方が、甘さや、ミルキーでスイートな香調を強く感じ、より嗜好性が高いと評価した。
[試験例5]
実施例9のシャンプー1及び、比較例6のシャンプー2の2種のシャンプーについて6名の専門パネラーによりビン香及び湯立ち時の香りの評価を行った。
その結果、ビン香、湯立ち時共に専門パネラー全員が本発明品である実施例9のシャンプー1の方が、甘さやスイートな香調、および残香性を強く感じられると評価した。
本発明の乳脂様を想起させる等の香気香味特性を有する、ペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b] フラン−2(3H)−オンを含有する香料組成物は、菓子類、ジュース、冷菓のような飲食品あるいは香粧品に使用すると、甘さやミルキーまたはスイートな香調が強調され、天然感のある香りや風味を感じることができ、かつ残香性の向上が期待できる。

Claims (9)

  1. 任意の立体異性体形態の式(1)の化合物であるペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b] フラン−2(3H)−オン、もしくは立体異性体形態の任意の比率の混合物。
    Figure 2019182766
  2. 香料と、請求項1に記載の任意の立体異性体形態の式(1)の化合物もしくは立体異性体形態の任意の比率の混合物とを含有することを特徴とする香料組成物。
  3. 請求項1に記載の任意の立体異性体形態の式(1)の化合物もしくは立体異性体形態の任意の比率の混合物を0.00000001〜10質量%含有することを特徴とする請求項2に記載の香料組成物。
  4. 請求項2または請求項3に記載の香料組成物によって香気付けされた製品。
  5. 請求項2または請求項3に記載の香料組成物を含有することを特徴とする飲食品。
  6. 請求項2または請求項3に記載の香料組成物を含有することを特徴とする香粧品。
  7. 香料または香料組成物に、請求項1に記載の任意の立体異性体形態の式(1)の化合物もしくは立体異性体形態の任意の比率の混合物を添加することを特徴とする香料または香料組成物の香気を増強又は変調する方法。
  8. 請求項1に記載の任意の立体異性体形態の式(1)の化合物もしくは立体異性体形態の任意の比率の混合物の香料としての使用。
  9. ペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b] フラン−2(3H)−オンの製造方法であって、
    4,5,6,7−テトラヒドロ−3,6−ジメチル−3H−ベンゾ[b] フラン−2−オンを含む任意の溶液に、メタクロロ過安息香酸の溶液を滴下して撹拌する工程1、
    工程1の撹拌溶液から、チオ硫酸ナトリウム水溶液にてメタクロロ過安息香酸を除去した後、任意の有機溶剤で抽出する工程2、
    次いで、該抽出液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して、任意の立体異性体形態のペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b] フラン−2(3H)−オンもしくは立体異性体形態の任意の比率の混合物を得る工程3、
    を含むことを特徴とする、上記の製造方法。
JP2018073538A 2018-04-06 2018-04-06 ペルヒドロ−3,6−ジメチル−3a,7a−エポキシベンゾ[b]フラン−2(3H)−オンおよび該化合物を含有する香料組成物 Pending JP2019182766A (ja)

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