JP2019174655A - 感光性樹脂積層体、ドライフィルム、硬化物、電子部品、および、電子部品の製造方法 - Google Patents

感光性樹脂積層体、ドライフィルム、硬化物、電子部品、および、電子部品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】磁性体粒子を配合しているにもかかわらず、フォトリソグラフィによってパターン形成が可能な感光性樹脂積層体、該積層体がフィルムで支持または保護されたドライフィルム、該積層体または該ドライフィルムの積層体の硬化物、該硬化物を有する電子部品、および、該積層体を用いた電子部品の製造方法等を提供する。【解決手段】アルカリ可溶性樹脂および磁性体粒子を含む樹脂層(A)と、アルカリ可溶性樹脂および光重合開始剤を含む感光性樹脂層(B)が積層されたことを特徴とする感光性樹脂積層体等である。【選択図】図1

Description

本発明は、感光性樹脂積層体、ドライフィルム、硬化物、電子部品、および、電子部品の製造方法に関する。
電気エネルギーを磁気の形で蓄えることができる受動電子部品であるインダクタを、例えば電源系インダクタとして用いるためには、インダクタンスを向上させる必要がある。インダクタンスを向上させる手段の1つとして、磁性体粒子を有機材料に配合して、高透磁率のコアを形成することが知られている(例えば、特許文献1、2)。
一方で、近年の電子機器の軽薄短小化によるプリント配線板の高精度、高密度化に伴い、プリント配線板に実装するインダクタ等のような電子部品の小型化も求められている。そのような電子部品の小型化の方策の一つが積層構造化であり、近年では積層セラミック技術に代えて、有機絶縁層を用いた工法も提案されている(特許文献3参照)。
上述したような磁性体粒子を有機材料に配合して高透磁率のコアを形成する電源系インダクタについても、近年、小型化が求められ、小型化に伴いファインパターンの形成が求められている。このファインパターンを一括形成できる方法としては、従来から、フォトリソグラフィが印刷業界やエレクトロニクス業界で幅広く用いられている。
しかしながら、電源系インダクタに用いられる磁性体粒子は一般的に光を透過しないため、小型化およびファインパターンの形成のために、磁性体粒子を配合した有機材料をフォトリソグラフィでパターン形成し、積層構造化することは困難であった。
特開2002−121381号公報 特開2009−263645号公報 特開2016−225611号公報
そこで本発明の目的は、磁性体粒子を配合しているにもかかわらず、フォトリソグラフィによってパターン形成が可能な感光性樹脂積層体、該積層体がフィルムで支持または保護されたドライフィルム、該積層体または該ドライフィルムの積層体の硬化物、該硬化物を有する電子部品、および、該積層体を用いた電子部品の製造方法を提供することにある。
本発明者等は上記を鑑み鋭意検討した結果、アルカリ可溶性樹脂および磁性体粒子を含む樹脂層の上に、アルカリ可溶性樹脂と光重合開始剤を含む感光性樹脂層を積層した樹脂積層体に、前記感光性樹脂層側からパターン露光することによって、磁性体粒子を配合した樹脂層までもアルカリ現像でパターンを形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の感光性樹脂積層体は、アルカリ可溶性樹脂および磁性体粒子を含む樹脂層(A)と、アルカリ可溶性樹脂および光重合開始剤を含む感光性樹脂層(B)が積層されたことを特徴とするものである。
本発明の感光性樹脂積層体は、前記樹脂層(A)が、さらに熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。
本発明の感光性樹脂積層体は、前記磁性体粒子の平均粒子径(D50)が、0.01〜50μmであることが好ましい。
本発明の感光性樹脂積層体は、前記樹脂層(A)の、周波数100MHzにおける比透磁率(μ’)が、1超〜100以下であることが好ましい。
本発明のドライフィルムは、前記感光性樹脂積層体の少なくとも片面が、フィルムで支持または保護されていることを特徴とするものである。
本発明の硬化物は、前記感光性樹脂積層体、または、前記ドライフィルムの感光性樹脂積層体を、硬化して得られることを特徴とするものである。
本発明の電子部品は、前記硬化物を有することを特徴とするものである。
本発明の電子部品は、インダクタであることが好ましい。
本発明の電子部品の製造方法は、前記感光性樹脂積層体に、前記感光性樹脂層(B)側から露光した後、アルカリ現像することによって、前記樹脂層(A)と前記感光性樹脂層(B)とをパターニングする工程を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、磁性体粒子を配合しているにもかかわらず、フォトリソグラフィによってパターン形成が可能な感光性樹脂積層体、該積層体がフィルムで支持または保護されたドライフィルム、該積層体または該ドライフィルムの積層体の硬化物、該硬化物を有する電子部品、および、該積層体を用いた電子部品の製造方法を提供することができる。
本発明の感光性樹脂積層体の一実施態様を模式的に示す概略断面図である。 本発明の感光性樹脂積層体を、電極が形成された基材上に形成した一実施態様を模式的に示す概略断面図である。 図2に示す本発明の感光性樹脂構造体の一実施態様にパターニングおよび現像処理を施した後の概略断面図である。
本発明の感光性樹脂積層体は、アルカリ可溶性樹脂および磁性体粒子を含む樹脂層(A)と、アルカリ可溶性樹脂および光重合開始剤を含む感光性樹脂層(B)が積層されたことを特徴とするものである。
図1に示すように、本発明の感光性樹脂積層体1は、樹脂層(A)と感光性樹脂層(B)が積層している。例えば図2に示すように、導体パターン3が形成された基材2上に本発明の感光性樹脂積層体1を形成した後、フォトリソグラフィによって、図3に示すように、磁性体粒子を含む樹脂層(A)までもパターニングすることが可能となる。
本発明においては、樹脂層(A)に含まれる磁性体粒子の配合量が多くても、フォトリソグラフィによるパターン形成が可能であることから、高い比透磁率(μ’)の硬化物を形成することができる。例えば、周波数100MHzにおける比透磁率(μ’)が、好ましくは1超〜100以下、より好ましくは2超〜100以下、さらに好ましくは4超〜100以下の硬化物の形成に好適に用いることができる。
以下、本発明の感光性樹脂積層体の樹脂層(A)および感光性樹脂層(B)が含有する成分について詳述する。
[磁性体粒子]
磁性体粒子は特に限定されないが、保磁力が小さく比透磁率μ’が大きい特徴を有する軟磁性体粒子であることが好ましい。具体的には、鉄(Fe)、ケイ素鋼(Fe−Si)、パーマロイ(Fe−Ni)、センダスト(Fe−Si−Al)、パーメンジュール(Fe−Co)、ソフトフェライト(Mnフェライト、Mn−Mg−Srフェライト、Ni−Zn−Cuフェライト、Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライト等)、アモルファス磁性合金(Fe−Si−B、Fe−Si−B−C、Fe−Co−Si−B、Fe−Ni−Mo−B)、ナノクリスタル磁性合金(Fe−Si−B−Nb−Cu、Fe−Zr−B−Cu、Fe−Co−Zr−B−Cu)等の粒子表面にSiO、Al、TiO、ZrO、各種樹脂等の絶縁コートが施されている磁性体粒子が挙げられる。
一般的に磁性体粒子は黒色や、灰色や、褐色であるため、従来は光を透過せずパターンニングが難しいが、本発明では、磁性体粒子が黒色や、灰色や、褐色であっても好適にパターニングできる。
磁性体粒子は、フッ素系バインダー樹脂10重量部に対し磁性体粒子90重量部の割合で混ぜて、周波数100MHzにおける比透磁率(μ’)を測定した場合に、比透磁率(μ’)が1超〜2000以下の範囲になるものが好適に用いられる。比透磁率(μ’)は、ベクトル・ネットワーク・アナライザ(キーサイトテクノロジー社製)を用いて測定した値である。
磁性体粒子の平均粒子径(D50)は、0.01〜50μmであることが好ましく、0.05〜20μmであることがより好ましく、0.1〜10μmであることがさらに好ましい。0.01μm以上であると、製造時における取り扱いが容易になる。50μm以下であると、形成したパターン壁面の形状が滑らかになることから、良好なパターン形状が得られる。磁性体粒子の平均粒子径(D50)は、マイクロトラック・ベル社製マイクロトラック粒度分析計を用いて測定したD50の値であり、1次粒径だけではなく二次粒子(凝集体)の粒径も含まれる。
磁性体粒子は、スラリー化してから配合してもよい。
磁性体粒子は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、樹脂層(A)に含まれる磁性体粒子の配合量が多くても、フォトリソグラフィによるパターン形成が可能であることから、樹脂層(A)に含まれる磁性体粒子の配合量が、例えば、固形分換算で15質量%以上、さらには25質量%以上、またさらには固形分換算で50質量%以上であってもよい。
また、感光性樹脂層(B)は、フォトリソグラフィによるパターン形成の観点から、磁性体粒子を含有しないことが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲で磁性体粒子を含有してもよい。感光性樹脂層(B)に含まれる磁性体粒子の配合量は、固形分換算で、0〜5質量%が好ましく、0〜3質量%がより好ましく、0〜1質量%がさらに好ましく、0質量%であることが特に好ましい。
[アルカリ可溶性樹脂]
樹脂層(A)および感光性樹脂層(B)が含有するアルカリ可溶性樹脂は同じであっても異なっていてもよい。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、フェノール性水酸基を2個以上有する化合物、カルボキシル基含有樹脂、フェノール性水酸基およびカルボキシル基を有する化合物、チオール基を2個以上有する化合物が挙げられる。中でも、アルカリ可溶性樹脂がカルボキシル基含有樹脂またはフェノール樹脂であると、下地との密着性が向上するため好ましい。特に、現像性に優れるため、アルカリ可溶性樹脂はカルボキシル基含有樹脂であることがより好ましい。アルカリ可溶性樹脂は、エチレン性不飽和基を有するアルカリ可溶性樹脂でも、エチレン性不飽和基を有さないアルカリ可溶性樹脂でもよい。
カルボキシル基含有樹脂の具体例としては、以下に列挙するような化合物(オリゴマーおよびポリマーのいずれでもよい)が挙げられる。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物を総称する用語であり、他の類似の表現についても同様である。
(1)(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレン、低級アルキル(メタ)アクリレート、イソブチレン等の不飽和基含有化合物との共重合により得られるカルボキシル基含有樹脂。
(2)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネートと、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のカルボキシル基含有ジアルコール化合物およびポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基およびアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(3)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネート化合物と、ポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基およびアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるウレタン樹脂の末端に酸無水物を反応させてなる末端カルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(4)ジイソシアネートと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂等の2官能エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートもしくはその部分酸無水物変性物、カルボキシル基含有ジアルコール化合物およびジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(5)上記(2)または(4)の樹脂の合成中に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の分子中に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(6)上記(2)または(4)の樹脂の合成中に、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの等モル反応物等、分子中に1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(7)多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、側鎖に存在する水酸基に無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有樹脂。
(8)2官能エポキシ樹脂の水酸基をさらにエピクロロヒドリンでエポキシ化した多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、生じた水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有樹脂。
(9)多官能オキセタン樹脂にジカルボン酸を反応させ、生じた1級の水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有ポリエステル樹脂。
(10)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドとを反応させて得られる反応生成物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(11)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート化合物とを反応させて得られる反応生成物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(12)1分子中に複数のエポキシ基を有するエポキシ化合物に、p−ヒドロキシフェネチルアルコール等の1分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と1個のフェノール性水酸基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸等の不飽和基含有モノカルボン酸とを反応させ、得られた反応生成物のアルコール性水酸基に対して、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水アジピン酸等の多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(13)上記(1)〜(12)等に記載のカルボキシル基含有樹脂にさらにグリシジル(メタ)アクリレート、α−メチルグリシジル(メタ)アクリレート等の分子中に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加してなるカルボキシル基含有樹脂。
上記カルボキシル基含有樹脂のうち、上記(7)、(8)、(10)、(11)、(13)に記載のカルボキシル基含有樹脂の少なくともいずれか1種を含むことが好ましい。更なる絶縁信頼性を向上させる観点からは上記(10)、(11)に記載のカルボキシル基含有樹脂を含むことが好ましい。
フェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、ビフェニル骨格若しくはフェニレン骨格またはその両方の骨格を有する化合物や、フェノール、オルソクレゾール、パラクレゾール、メタクレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジメチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、ピロガロール、フロログルシノール等を用いて合成した、様々な骨格を有するフェノール樹脂が挙げられる。
また、フェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、Xylok型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ポリビニルフェノール類、ビスフェノールF、ビスフェノールS型フェノール樹脂、ポリ−p−ヒドロキシスチレン、ナフトールとアルデヒド類の縮合物、ジヒドロキシナフタレンとアルデヒド類との縮合物などの公知慣用のフェノール樹脂が挙げられる。
フェノール樹脂の市販品としては、例えば、HF1H60(明和化成社製)、フェノライトTD−2090、フェノライトTD−2131(大日本印刷社製)、ベスモールCZ−256−A(DIC社製)、シヨウノールBRG−555、シヨウノールBRG−556(昭和電工社製)、CGR−951(丸善石油社製)、ポリビニルフェノールのCST70、CST90、S−1P、S−2P(丸善石油社製)が挙げられる。
また、アルカリ可溶性樹脂として、下記式(1)または(2)、
で表される少なくとも一方の構造と、アルカリ可溶性官能基と、を有するアミドイミド樹脂も好適に用いることができる。シクロヘキサン環またはベンゼン環に直結したイミド結合を有する樹脂を含むことにより、強靭性および耐熱性に優れた硬化物を得ることができる。特に、(1)で表される構造を有するアミドイミド樹脂は、光の透過性に優れるため、解像性を向上させることができる。前記アミドイミド樹脂は、透明性を有することが好ましく、例えば、前記アミドイミド樹脂の乾燥塗膜25μmにおいて、波長365nmの光の透過率は70%以上であることが好ましい。
前記アミドイミド樹脂における、式(1)および(2)の構造の含有量は、10〜70質量%が好ましい。かかる樹脂を用いることで、溶剤溶解性に優れ、かつ、耐熱性、引張強度や伸度等の物性および寸法安定性に優れる硬化物が得られることになる。好ましくは10〜60質量%であり、より好ましくは20〜50質量%である。
式(1)で表される構造を有するアミドイミド樹脂としては、特に、式(3A)、または、(3B)
(式(3A)および(3B)中、それぞれ、Rは1価の有機基であり、H、CFまたはCHであることが好ましく、Xは直接結合または2価の有機基であり、直接結合、CHまたはC(CH等のアルキレン基であることが好ましい。)で表される構造を有する樹脂が、引張強度や伸度等の物性および寸法安定性に優れるため好ましい。溶解性や機械物性の観点から、前記アミドイミド樹脂として、式(3A)および(3B)の構造を10〜100質量%有する樹脂を好適に用いることができる。より好ましくは20〜80質量%である。
前記アミドイミド樹脂としては、式(3A)および(3B)の構造を、5〜100モル%含有するアミドイミド樹脂を、溶解性や機械物性の観点から好ましく用いることができる。より好ましくは5〜98モル%であり、さらに好ましくは10〜98モル%であり、特に好ましくは20〜80モル%である。
また、式(2)で表される構造を有するアミドイミド樹脂としては、特に、式(4A)、または(4B)
(式(4A)および(4B)中、それぞれ、Rは1価の有機基であり、H、CFまたはCHであることが好ましく、Xは直接結合または2価の有機基であり、直接結合、CHまたはC(CHなどのアルキレン基であることが好ましい。)で表される構造を有する樹脂が、引張強度や伸度等の機械的物性に優れる硬化物が得られることから好ましい。溶解性や機械物性の観点から、前記アミドイミド樹脂として、式(4A)および(4B)の構造を10〜100質量%有する樹脂を好適に用いることができる。より好ましくは20〜80質量%である。
前記アミドイミド樹脂として、式(4A)および(4B)の構造を2〜95モル%含有するアミドイミド樹脂も、良好な機械物性を発現する理由から好ましく用いることができる。より好ましくは10〜80モル%である。
前記アミドイミド樹脂は、公知の方法により得ることができる。(1)の構造を有するアミドイミド樹脂は、例えば、ビフェニル骨格を有するジイソシアネート化合物と、シクロヘキサンポリカルボン酸無水物と用いて得ることができる。
ビフェニル骨格を有するジイソシアネート化合物としては、4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジメチル−1,1’−ビフェニル、4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジエチル−1,1’−ビフェニル、4,4’−ジイソシアネート−2,2’−ジメチル−1,1’−ビフェニル、4,4’−ジイソシアネート−2,2’−ジエチル−1,1’−ビフェニル、4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジトリフロロメチル−1,1’−ビフェニル、4,4’−ジイソシアネート−2,2’−ジトリフロロメチル−1,1’−ビフェニルなどが挙げられる。その他、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート化合物などを使用してもよい。
シクロヘキサンポリカルボン酸無水物としては、シクロヘキサントリカルボン酸無水物、シクロヘキサンテトラカルボン酸無水物などが挙げられる。
また、(2)の構造を有するアミドイミド樹脂は、例えば、上記ビフェニル骨格を有するジイソシアネート化合物と、2個の酸無水物基を有するポリカルボン酸水物と用いて得ることができる。
2個の酸無水物基を有するポリカルボン酸水物としては、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−2,2’,3,3’−テトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート等のアルキレングリコールビスアンヒドロキシトリメリテート等が挙げられる。
前記アミドイミド樹脂は、上記式(1)、(2)の構造の他に、さらに、アルカリ可溶性の官能基を有している。アルカリ可溶性の官能基を有することで、アルカリ現像が可能な樹脂組成物となる。アルカリ可溶性の官能基としては、カルボキシル基、フェノール系水酸基、スルホ基等を含有するものであり、好ましくはカルボキシル基を含有するものである。
なお、前記アミドイミド樹脂の具体例としては、DIC社製ユニディックV−8000シリーズ、ニッポン高度紙工業社製SOXR−Uが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂の酸価は、固形分換算で、20〜200mgKOH/gの範囲にあることが好ましく、より好ましくは30〜150mgKOH/gの範囲である。アルカリ可溶性樹脂の酸価を上記範囲とすることで、良好にアルカリ現像が可能となり、正常な硬化物のパターンを形成することができる。アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、樹脂骨格により異なるが、一般的に2,000〜150,000であることが好ましい。重量平均分子量が2,000以上の場合、乾燥塗膜のタックフリー性、露光後の塗膜の耐湿性、解像性が良好である。一方、重量平均分子量が150,000以下の場合、現像性と、貯蔵安定性が良好である。より好ましくは5,000〜100,000である。
アルカリ可溶性樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。アルカリ可溶性樹脂として前記アミドイミド樹脂を用いる場合は、樹脂層と基材との密着性が良好なドライフィルムが得られることによって、ドライフィルムの作業性が優れることから、他のアルカリ可溶性樹脂(即ち、式(1)および(2)の構造を含まないアルカリ可溶性樹脂)を併用することが好ましく、他のアルカリ可溶性樹脂としては、エポキシ樹脂を出発原料とするカルボキシル基含有樹脂、ウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂(カルボキシル基含有ウレタン樹脂とも称す。)、不飽和カルボン酸の共重合構造を有するカルボキシル基含有樹脂、フェノール化合物を出発原料とするカルボキシル基含有樹脂、およびそれらカルボキシル基含有樹脂に分子中に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加してなるカルボキシル基含有樹脂の少なくともいずれかであることが好ましい。
樹脂層(A)および感光性樹脂層(B)に含まれるアルカリ可溶性樹脂の配合量はそれぞれ、樹脂層(A)は固形分換算で、10〜50質量%、感光性樹脂層(B)は固形分換算で、10〜90質量%である。アルカリ可溶性樹脂の配合量を上記範囲にすることで、高い比透磁率(μ’)を有しかつ、良好なフォトリソグラフィによるパターン形成が可能となる。
[光重合開始剤]
本発明において、感光性樹脂層(B)は光重合開始剤を含有する。また、樹脂層(A)も光重合開始剤を含有してもよい。光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
光重合開始剤としては、一般式(I)で表される構造を含むオキシムエステル系、一般式(II)で表される構造を含むα−アミノアセトフェノン系、一般式(III)で表される構造を含むアシルホスフィンオキサイド系、および一般式(IV)で表される構造のチタノセン系からなる群から選択される1種または2種以上を含有することが好ましい。
一般式(I)中、Rは、水素原子、フェニル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルカノイル基またはベンゾイル基を表わす。Rは、フェニル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルカノイル基またはベンゾイル基を表わす。
およびRにより表されるフェニル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子等が挙げられる。
およびRにより表されるアルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、アルキル鎖中に1個以上の酸素原子を含んでいてもよい。また、1個以上の水酸基で置換されていてもよい。RおよびRにより表されるシクロアルキル基としては、炭素数5〜8のシクロアルキル基が好ましい。RおよびRにより表されるアルカノイル基としては、炭素数2〜20のアルカノイル基が好ましい。RおよびRにより表されるベンゾイル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、炭素数が1〜6のアルキル基、フェニル基等が挙げられる。
一般式(II)中、RおよびRは、各々独立に、炭素数1〜12のアルキル基またはアリールアルキル基を表わし、RおよびRは、各々独立に、水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基を表わし、あるいは2つが結合して環状アルキルエーテル基を形成してもよい。
一般式(III)中、RおよびRは、各々独立に、炭素数1〜10のアルキル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、アリール基、またはハロゲン原子、アルキル基もしくはアルコキシ基で置換されたアリール基、または炭素数1〜20のカルボニル基(但し、双方が炭素数1〜20のカルボニル基である場合を除く。)を表わす。
一般式(IV)中、RおよびR10は、各々独立に、ハロゲン原子、アリール基、ハロゲン化アリール基、複素環含有ハロゲン化アリール基を表わす。
オキシムエステル系光重合開始剤の具体例としては、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)などが挙げられる。市販品として、BASFジャパン社製のCGI−325、イルガキュアOXE01、イルガキュアOXE02、ADEKA社製N−1919、NCI−831等が挙げられる。分子内に2個のオキシムエステル基を有する光重合開始剤やカルバゾール構造を有する光重合開始剤も好適に用いることができる。具体的には、下記一般式(V)で表されるオキシムエステル化合物が挙げられる。
(一般式(V)中、Xは、水素原子、炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、フェニル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基により置換されている)、ナフチル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基により置換されている)を表し、Y、Zはそれぞれ、水素原子、炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン基、フェニル基、フェニル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基により置換されている)、ナフチル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基により置換されている)、アンスリル基、ピリジル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基を表し、Arは、結合か、炭素数1〜10のアルキレン、ビニレン、フェニレン、ビフェニレン、ピリジレン、ナフチレン、チオフェン、アントリレン、チエニレン、フリレン、2,5−ピロール−ジイル、4,4’−スチルベン−ジイル、4,2’−スチレン−ジイルで表し、nは0か1の整数である。)
特に、一般式(V)中、X、Yが、それぞれメチル基またはエチル基であり、Zはメチル基またはフェニル基であり、nは0であり、Arは、結合か、フェニレン、ナフチレン、チオフェンまたはチエニレンであることが好ましい。
また、好ましいカルバゾールオキシムエステル化合物として、下記一般式(VI)で表すことができる化合物を挙げることもできる。
(一般式(VI)中、Rは、炭素原子数1〜4のアルキル基、または、ニトロ基、ハロゲン原子もしくは炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を表す。Rは、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、または、炭素原子数1〜4のアルキル基もしくはアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表す。Rは、酸素原子または硫黄原子で連結されていてもよく、フェニル基で置換されていてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよいベンジル基を表す。Rは、ニトロ基、または、X−C(=O)−で表されるアシル基を表す。Xは、炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいアリール基、チエニル基、モルホリノ基、チオフェニル基、または、下記式(VII)で示される構造を表す。)
α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤の具体例としては、(4−モルホリノベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン(Omnirad(オムニラッド)369、IGM Resins社製)、4−(メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノエタン(Omnirad(オムニラッド)907、IGM Resins社製)、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(Omnirad(オムニラッド)379、IGM Resins社製)等の市販の化合物またはその溶液を用いることができる。
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の具体例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。市販品としては、IGM Resins社製のOmnirad(オムニラッド)TPO、Omnirad(オムニラッド)819などが挙げられる。
チタノセン系光重合開始剤としては、ビス(η5−2、4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2、6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムが挙げられる。市販品としては、IGM Resins社製のOmnirad(オムニラッド)784などが挙げられる。
他の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;キサントン類;3,3’4,4’−テトラ−(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等各種パーオキサイド類;1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン等が挙げられる。
上記光重合開始剤以外にも、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類のような公知慣用の光増感剤の1種または2種以上と組み合わせて用いることができる。さらに、より深い光硬化深度を要求される場合、必要に応じて、3−置換クマリン色素、ロイコ染料等を硬化助剤として組み合わせて用いることができる。
感光性樹脂層(B)に含まれる光重合開始剤の配合量は、固形分換算で、0.1〜20質量%である。光重合開始剤の配合量が0.1質量%以上の場合、表面硬化性が良好となり、光重合開始剤の配合量が20質量%以下の場合、ハレーションが生じにくく良好な解像性が得られる。
また、樹脂層(A)は光重合開始剤を必ずしも必要としないが、配合する場合、樹脂層(A)に含まれる光重合開始剤の配合量は、固形分換算で、0〜20質量%配合してもよい。
(熱硬化性樹脂)
耐熱性および強靭性を向上させるために、樹脂層(A)は、熱硬化性樹脂を含有することが好ましい。また、感光性樹脂層(B)も熱硬化性樹脂を含有してもよい。熱硬化性樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、多官能エポキシ化合物、多官能オキセタン化合物、エピスルフィド樹脂等の分子中に2個以上の環状エーテル基および/または環状チオエーテル基を有する化合物、ポリイソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物等1分子内に2個以上のイソシアネート基、またはブロック化イソシアネート基を有する化合物、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のアミン樹脂とその誘導体、ビスマレイミド、オキサジン、シクロカーボネート化合物、カルボジイミド樹脂等の公知の熱硬化性樹脂が挙げられる。
多官能エポキシ化合物としては、1分子中に少なくとも2つのエポキシ基を有する公知慣用の多官能エポキシ樹脂が使用できる。エポキシ樹脂は、液状であってもよく、固形ないし半固形であってもよい。多官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ブロム化エポキシ樹脂;ノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノールF型エポキシ樹脂;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;グリシジルアミン型エポキシ樹脂;ヒダントイン型エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂;ビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂またはそれらの混合物;ビスフェノールS型エポキシ樹脂;ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂;テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂;複素環式エポキシ樹脂;ジグリシジルフタレート樹脂;テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂;ナフタレン基含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂;グリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂;シクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートの共重合エポキシ樹脂;エポキシ変性のポリブタジエンゴム誘導体;CTBN変性エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限られるものではない。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型またはビスフェノールF型のノボラック型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビフェノールノボラック型(ビフェニルアラルキル型)エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂またはそれらの混合物が好ましい。
樹脂層(A)に含まれる熱硬化性樹脂の配合量は、固形分換算で、0.1〜50質量%である。熱硬化性樹脂の配合量がこの範囲であると、硬化性が向上し、はんだ耐熱性といった一般の諸特性が良好となる。また、十分な強靭性が得られ、保存安定性も低下しない。
感光性樹脂層(B)は、熱硬化性樹脂を必ずしも必要としないが、配合する場合では、感光性樹脂層(B)に含まれる熱硬化性樹脂の配合量は、固形分換算で、0〜50質量%配合しても差し支えない。
(エチレン性不飽和基を有する化合物)
樹脂層(A)および感光性樹脂層(B)は、エチレン性不飽和基を有する化合物を含有してもよい。エチレン性不飽和基を有する化合物は、活性エネルギー線の照射により光硬化して、樹脂層の照射部をアルカリ水溶液に不溶化し、または不溶化を助けることができる。エチレン性不飽和基を有する化合物としては、公知慣用の感光性モノマーである光重合性オリゴマー、光重合性ビニルモノマー等を用いることができる。エチレン性不飽和基を有する化合物として、感光性(メタ)アクリレート化合物を用いることができる。エチレン性不飽基を有する化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。尚、本願明細書において、「エチレン性不飽和基を有する化合物」には、エチレン性不飽和基を有するアルカリ可溶性樹脂を含まないものとする。
エチレン性不飽和基を有する化合物としては、慣用公知のポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カーボネート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートが使用でき、具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート類;エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのジアクリレート類;N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどのアクリルアミド類;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレートなどのアミノアルキルアクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどの多価アルコールまたはこれらのエチレオキサイド付加体、プロピレンオキサイド付加体、もしくはε−カプロラクトン付加体などの多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、およびこれらのフェノール類のエチレンオキサイド付加体もしくはプロピレンオキサイド付加体などの多価アクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルの多価アクリレート類;上記に限らず、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオール、水酸基末端ポリブタジエン、ポリエステルポリオールなどのポリオールを直接アクリレート化、もしくは、ジイソシアネートを介してウレタンアクリレート化したアクリレート類およびメラミンアクリレート、および上記アクリレートに対応する各メタクリレート類の少なくとも何れか1種などを挙げることができる。
さらに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂に、アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート樹脂や、さらにそのエポキシアクリレート樹脂の水酸基に、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のヒドロキシアクリレートとイソホロンジイソシアネート等のジイソシアネートのハーフウレタン化合物を反応させたエポキシウレタンアクリレート化合物等を挙げることができる。このようなエポキシアクリレート系樹脂は、指触乾燥性を低下させることなく、光硬化性を向上させることができる。
樹脂層(A)は、エチレン性不飽和基を有する化合物を必ずしも必要としないが、配合する場合、樹脂層(A)に含まれるエチレン性不飽和基を有する化合物の配合量は、固形分換算で、0〜20質量%配合してもよい。
感光性樹脂層(B)に含まれるエチレン性不飽和基を有する化合物の配合量は、0.1〜20質量%である。この範囲であると、光硬化性が向上し、活性エネルギー線照射後のアルカリ現像により、パターン形成が容易となる。
(熱硬化触媒)
樹脂層(A)および感光性樹脂層(B)は、熱硬化性樹脂を含有する場合は、さらに熱硬化触媒を含有させてもよい。熱硬化触媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱硬化触媒としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物等が挙げられる。また、これら以外にも、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS−トリアジン誘導体を用いることもできる。
市販されている熱硬化触媒としては、例えば四国化成工業社製の2MZ−A、2MZ−OK、2PHZ、2P4BHZ、2P4MHZ(いずれもイミダゾール系化合物の商品名)、サンアプロ社製のU−CAT3503N、U−CAT3502T(いずれもジメチルアミンのブロックイソシアネート化合物の商品名)、DBU、DBN、U−CATSA102、U−CAT5002(いずれも二環式アミジン化合物およびその塩)等が挙げられる。
熱硬化触媒の配合量は、固形分換算で、0.01〜10質量%である。熱硬化触媒の配合量がこの範囲であると、熱硬化反応に必要な温度を下げることができる。
(有機溶剤)
樹脂層(A)および感光性樹脂層(B)には、これらを形成するための樹脂組成物の調製のため、または基板やキャリアフィルムに塗布するための粘度調整のために、有機溶剤を使用することができる。このような有機溶剤としては、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤等を挙げることができる。より具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテート等のエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等である。有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(その他の任意成分)
電子材料の分野において公知慣用の他の添加剤を配合してもよい。他の添加剤としては、熱重合禁止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、老化防止剤、抗菌・防黴剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、密着性付与剤、チキソ性付与剤、着色剤、光開始助剤、増感剤、熱可塑性樹脂、無機フィラー、有機フィラー、離型剤、表面処理剤、分散剤、分散助剤、表面改質剤、安定剤、蛍光体等が挙げられる。
本発明において、感光性樹脂層(B)は、磁性体粒子を含有する樹脂層(A)をフォトリソグラフィによるパターン形成を可能とする目的で積層される。従って、樹脂層(A)のパターン形成後に、感光性樹脂層(B)を剥離してもよい。感光性樹脂層(B)を剥離する場合は、感光性樹脂層(B)は、熱硬化性樹脂を含まない方が好ましい。また、感光性樹脂層(B)を剥離せず、感光性樹脂層(B)の永久塗膜を形成する場合は、感光性樹脂層(B)は、熱硬化性樹脂を含む方が好ましい。
また、感光性樹脂層(B)は、アルカリ現像性であることが好ましく、光硬化性であることが好ましい。光硬化性を付与するためには、上記エチレン性不飽和基を有する化合物を含有するか、アルカリ可溶性樹脂がエチレン性不飽和基を有すればよい。
本発明において、樹脂層(A)および感光性樹脂層(B)の膜厚は特に限定されないが、一般に、乾燥後の膜厚で、1〜150μm、好ましくは5〜60μmの範囲で適宜選択される。
本発明の感光性樹脂積層体は、ネガ型であることが好ましい。
本発明の感光性樹脂積層体は、電子部品の製造に好適に用いることができ、デジタル機器やAV機器、情報通信端末等の各種電子機器の中で使用される電子部品等において有用である。電子部品は受動部品でも能動部品でもよく、インダクタであることが好ましい。特に、本発明の感光性樹脂積層体は、磁性体粒子を含有しつつも、フォトリソグラフィ特性に優れることから、フォトリソグラフィによるビア(層間接続)の形成が容易であるため、積層型電子部品、特には積層型のインダクタの製造に好適に用いることができる。インダクタのサイズは特に限定されないが、フォトリソグラフィ特性に優れることから、1辺が10mm以下の、小型のインダクタの製造に好適に用いることができる。
本発明の感光性樹脂積層体を形成する基材は特に限定されないが、あらかじめ銅等により回路形成されたプリント配線板やフレキシブルプリント配線板の他、紙フェノール、紙エポキシ、ガラス布エポキシ、ガラスポリイミド、ガラス布/不繊布エポキシ、ガラス布/紙エポキシ、合成繊維エポキシ、フッ素樹脂・ポリエチレン・ポリフェニレンエーテル,ポリフェニレンオキシド・シアネート等を用いた高周波回路用銅張積層板等の材質を用いたもので、全てのグレード(FR−4等)の銅張積層板、その他、金属基板、ポリイミドフィルム、PETフィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ガラス基板、フェライトシート、誘電体セラミック基板、ウエハ板等を挙げることができる。
電子部品を製造するにあたって、本発明の感光性樹脂積層体を2つ以上積層してもよく、その場合、他の層(例えば電極層や易接着層、絶縁層)を間に介してもよい。また、2つ以上を積層するにあたり、感光性樹脂層(B)を剥離して、樹脂層(A)のみを積層してもよい。
本発明において、樹脂層(A)は、アルカリ可溶性樹脂および磁性体粒子を含む樹脂組成物(a)を用いて形成することができる。また、感光性樹脂層(B)は、アルカリ可溶性樹脂および光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物(b)を用いて形成することができる。上記樹脂組成物(a)および感光性樹脂組成物(b)が含有する成分は、樹脂層(A)および感光性樹脂層(B)について上記で説明したとおりである。
以下、樹脂層(A)の形成方法、感光性樹脂層(B)の形成方法、および、本発明の感光性樹脂積層体のフォトリソグラフィによるパターン形成方法について説明する。
[樹脂層(A)の形成工程]
この工程では、アルカリ可溶性樹脂および磁性体粒子を含む樹脂組成物(a)からなる樹脂層(A)を少なくとも一層形成する。樹脂層(A)の形成方法としては、塗布法と、ラミネート方が挙げられる。
塗布法の場合、スクリーン印刷法、カーテンコート法、スプレーコート法、ロールコート法等の方法により、前記樹脂組成物を基材上に塗布し、50〜130℃程度の温度で5〜60分間程度加熱することにより樹脂層(A)を形成する。
ラミネート法の場合、まずは、前記樹脂組成物を有機溶剤で希釈して適切な粘度に調整し、キャリアフィルム上に塗布、乾燥して樹脂層(A)を有するドライフィルムを作成する。次に、ラミネーター等により樹脂層(A)が、基材と接触するように貼り合わせた後、キャリアフィルムを剥離する。
[感光性樹脂層(B)の形成方法]
この工程では、樹脂層(A)上に、アルカリ可溶性樹脂および光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物(b)からなる感光性樹脂層(B)を少なくとも一層形成する。また、感光性樹脂層(B)と樹脂層(A)との間には、更なる層を介在させてもよい。感光性樹脂層(B)は、樹脂層(A)の形成方法と同様の方法で形成できる。
なお、樹脂層(A)と感光性樹脂層(B)は、これらを1つの積層型ドライフィルムとした後、その積層型ドライフィルムを基材にラミネートすることにより形成してもよい。
[フォトリソグラフィによるパターンの形成方法]
本発明の感光性樹脂積層体は、露光(光照射)を行うことにより、露光部(光照射された部分)が硬化する。具体的には、接触式または非接触方式により、パターンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線により露光、もしくは、レーザーダイレクト露光機により直接パターン露光する。未露光部を希アルカリ水溶液(例えば、0.3〜3質量%炭酸ソーダ水溶液)により現像することにより、フォトリソグラフィによるパターンを形成できる。
上記活性エネルギー線照射に用いられる露光機としては、高圧水銀灯ランプ、超高圧水銀灯ランプ、メタルハライドランプ、水銀ショートアークランプ等を搭載し、350〜450nmの範囲で紫外線を照射する装置であればよく、さらに、直接描画装置(例えば、コンピューターからのCADデータにより直接レーザーで画像を描くレーザーダイレクトイメージング装置)も用いることができる。直描機のランプ光源またはレーザー光源としては、最大波長が350〜410nmの範囲にあるものでよい。パターン形成のための露光量は膜厚等によって異なるが、一般には10〜1000mJ/cm、好ましくは20〜800mJ/cmの範囲内とすることができる。
上記現像方法としては、ディッピング法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法等によることができ、現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類等のアルカリ水溶液が使用できる。
[ドライフィルム]
本発明のドライフィルムは、本発明の感光性樹脂積層体の少なくとも片面が、フィルムで支持または保護されている。ドライフィルムの製造は、例えば、上記感光性樹脂組成物(b)を有機溶剤で希釈して適切な粘度に調整し、コンマコーター、ブレードコーター、リップコーター、ロッドコーター、スクイズコーター、リバースコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、スプレーコーター等でキャリアフィルム上に均一な厚さに塗布する。その塗布層を乾燥し、キャリアフィルム上に感光性樹脂層(B)を形成する。同様にして、該感光性樹脂層(B)上に、樹脂組成物(a)により樹脂層(A)を形成し、本発明のドライフィルムを得ることができる。尚、キャリアフィルムに限らず、カバーフィルム上に形成してもよい。
乾燥は、通常、50〜130℃の温度で1〜30分間行い、乾燥した樹脂層を得ることができる。塗布膜厚については特に制限はないが、一般に、乾燥後の膜厚で1〜150μm、好ましくは5〜60μmの範囲で適宜設定すればよい。
キャリアフィルムとしては、プラスチックフィルムを好適に用いることができ、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等のプラスチックフィルムを用いることが好ましい。キャリアフィルムの厚さについては特に制限はないが、一般に、1〜150μmの範囲で適宜選択される。
さらに、塗膜の表面に塵が付着するのを防ぐ等の目的で、膜の表面に剥離可能なカバーフィルムを積層してもよい。剥離可能なカバーフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、表面処理した紙等を用いることができ、カバーフィルムを剥離するときに膜とキャリアフィルムとの接着力よりも膜とカバーフィルムとの接着力がより小さいものであればよい。
樹脂組成物を塗布した後に行う揮発乾燥は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブン等(蒸気による空気加熱方式の熱源を備えたものを用い乾燥機内の熱風を向流接触せしめる方法およびノズルより支持体に吹き付ける方式)を用いて行うことができる。
[電子部品の製造方法]
本発明の電子部品の製造方法は、本発明の感光性樹脂積層体に、前記感光性樹脂層(B)側から露光した後、アルカリ現像することによって、前記樹脂層(A)と前記感光性樹脂層(B)とをパターニングする工程を含むことを特徴とするものである。パターンの形成方法については、上記のフォトリソグラフィによるパターンの形成方法に記載のとおりである。
以下、本発明の実施例および比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりである。なお、以下において「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り全て質量基準である。
<アルカリ可溶性樹脂1の合成例(合成例1)>
温度計、窒素導入装置兼アルキレンオキシド導入装置および撹拌装置を備えたオートクレーブに、ノボラック型クレゾール樹脂(昭和電工社製、ショーノールCRG951、OH当量:119.4)119.4g、水酸化カリウム1.19gおよびトルエン119.4gを仕込み、撹拌しつつ系内を窒素置換し、加熱昇温した。次に、プロピレンオキシド63.8gを徐々に滴下し、125〜132℃、0〜4.8kg/cmで16時間反応させた。その後、室温まで冷却し、この反応溶液に89%リン酸1.56gを添加混合して水酸化カリウムを中和し、固形分62.1%、水酸基価が182.2g/eq.であるノボラック型クレゾール樹脂のプロピレンオキシド反応溶液を得た。これは、フェノール性水酸基1当量当りアルキレンオキシドが平均1.08モル付加しているものであった。
次いで、得られたノボラック型クレゾール樹脂のアルキレンオキシド反応溶液293.0g、アクリル酸43.2g、メタンスルホン酸11.53g、メチルハイドロキノン0.18gおよびトルエン252.9gを、撹拌機、温度計および空気吹き込み管を備えた反応器に仕込み、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、110℃で12時間反応させた。反応により生成した水は、トルエンとの共沸混合物として、12.6gの水が留出した。その後、室温まで冷却し、得られた反応溶液を15%水酸化ナトリウム水溶液35.35gで中和し、次いで水洗した。その後、エバポレーターにてトルエンをジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート118.1gで置換しつつ留去し、ノボラック型アクリレート樹脂溶液を得た。次に、得られたノボラック型アクリレート樹脂溶液332.5gおよびトリフェニルホスフィン1.22gを、撹拌器、温度計および空気吹き込み管を備えた反応器に仕込み、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、テトラヒドロフタル酸無水物60.8gを徐々に加え、95〜101℃で6時間反応させた。このようにして得られたエチレン性不飽和結合およびカルボキシル基を併せ持つアルカリ可溶性樹脂1は、固形物の酸価88mgKOH/g、固形分71%であった。
<アルカリ可溶性樹脂2の合成例(合成例2)>
温度計、攪拌機、滴下ロートおよび還流冷却器を備えたフラスコに、ベンジルメタクリレート、およびメタクリル酸をモル比で3:7となるように仕込み、溶媒としてジプロピレングリコールモノメチルエーテル、触媒としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を入れ、窒素雰囲気下、80℃で4時間攪拌し、樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を冷却し、重合禁止剤としてメチルハイドロキノン、触媒としてテトラブチルホスホニウムブロミドを用い、グリシジルメタクリレートを、95〜105℃で16時間の条件で、上記樹脂のカルボキシル基に対し50モル%付加反応させ、冷却後、取り出した。このようにして得られたエチレン性不飽和結合およびカルボキシル基を併せ持つアルカリ可溶性樹脂2は、固形分酸価118mgKOH/g、カルボン酸当量(固形分)475、固形分50%、重量平均分子量が約20,000であった。
<アルカリ可溶性樹脂3の合成例(合成例3)>
攪拌装置、温度計およびコンデンサーを付けたフラスコに、GBL(γ−ブチロラクトン)848.8gとMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)57.5g(0.23モル)、DMBPDI(4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジメチル−1,1’−ビフェニル)59.4g(0.225モル)とTMA(無水トリメリット酸)67.2g(0.35モル)とTMA−H(シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物)29.7g(0.15モル)を仕込み、攪拌を行いながら発熱に注意して80℃に昇温し、この温度で1時間かけて溶解、反応させ、さらに2時間かけて160℃まで昇温した後、この温度で5時間反応させた。反応は炭酸ガスの発泡とともに進行し、系内は茶色の透明液体となった。25℃での粘度が7Pa・sの樹脂固形分17%で溶液酸価が5.3mgKOH/gのアルカリ可溶性樹脂3の溶液(樹脂がγ−ブチロラクトンに溶解した樹脂組成物)を得た。なお、樹脂の固形分酸価は31.2mgKOH/gであった。また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定の結果、重量平均分子量が約34,000であった。
(樹脂層(A))
下記の表1中に示す配合に従い、各成分を配合、攪拌して、3本ロールにて分散させて、それぞれ樹脂組成物を調製した。なお、表1中の配合量は、質量部を示す。
上記で得た樹脂組成物にメチルエチルケトンを加えて適宜希釈し、攪拌機で15分間撹拌して塗工液を得た。塗工液を、キャリアフィルムとして厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、80℃の温度で15分間乾燥し、厚み40μmの樹脂層(A)を形成した。
(感光性樹脂層(B))
下記の表2中に示す配合に従い、各成分を配合、攪拌して、3本ロールにて分散させて、それぞれ樹脂組成物を調製した。なお、表2中の配合量は、質量部を示す。
上記で得た樹脂組成物にメチルエチルケトンを加えて適宜希釈し、攪拌機で15分間撹拌して塗工液を得た。塗工液を、キャリアフィルムとして厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、80℃の温度で15分間乾燥し、厚み10μmの感光性樹脂層(B)を形成した。
(実施例1〜14)
(解像性)
前記樹脂層(A)を、回路形成した基板上に、真空ラミネーター(名機製作所社製MVLP−500)を用いて加圧度:0.8MPa、90℃、1分、真空度:133.3Paの条件で加熱ラミネートした。次いで前記感光性樹脂層(B)を、前記基板にラミネートされた樹脂層(A)上に、真空ラミネーター(名機製作所社製MVLP−500)を用いて加圧度:0.8MPa、90℃、1分、真空度:133.3Paの条件で加熱ラミネートし、基板上に、樹脂層(A)、感光性樹脂層(B)の順で積層された感光性樹脂積層体を形成させた。この基板上に形成された感光性樹脂積層体に対し、高圧水銀灯(ショートアークランプ)搭載の露光装置を用いて、最適露光量でパターン露光し、その後、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、スプレー圧0.2MPaの条件で240秒間現像を行い、感光性樹脂積層体のパターンを形成した。この基板上の感光性樹脂積層体に、UVコンベア炉にて積算露光量1000mJ/cmの条件で紫外線照射した後、180℃で60分加熱して感光性樹脂積層体を硬化した。感光性樹脂積層体のパターンは、評価基板の回路を形成する銅上に、開口径100μmの開口を有する形態で形成した。
ここで、最適露光量とは以下の露光量を意味する。
すなわち、上記で得られた評価基板について、高圧水銀灯(ショートアークランプ)搭載の露光装置を用いてステップタブレット(Kodak No.2)を介して露光し、現像(30℃,0.2MPa,1質量%炭酸ナトリウム水溶液)を240秒で行った際に残存するステップタブレットのパターンが7段のときの露光量を意味する。
解像性の評価は、開口径100μmの開口部をSEM(走査型電子顕微鏡)により観察し、以下の基準にて評価した。評価結果を表3、4に示す。
○:開口底部の銅表面が確認される良好な形状である場合。
×:開口底部の銅表面が確認されない開口形状不良の場合。
(比透磁率μ’)
前記樹脂層(A)を、厚さ9μmの電解銅箔(古河電工社製)上に、真空ラミネーター(名機製作所社製MVLP−500)を用いて加圧度:0.8MPa、90℃、1分、真空度:133.3Paの条件で加熱ラミネートした。次いで前記感光性樹脂層(B)を、前記電解銅箔にラミネートされた樹脂層(A)上に、真空ラミネーター(名機製作所社製MVLP−500)を用いて加圧度:0.8MPa、90℃、1分、真空度:133.3Paの条件で加熱ラミネートし、電解銅箔上に、樹脂層(A)、感光性樹脂層(B)の順で積層された感光性樹脂積層体を形成させた。この銅箔上に形成された感光性樹脂積層体に対し、高圧水銀灯(ショートアークランプ)搭載の露光装置を用いて、最適露光量でベタ露光した。この銅箔上の感光性樹脂積層体に、UVコンベア炉にて積算露光量1000mJ/cmの条件で紫外線照射した後、180℃で60分加熱して感光性樹脂積層体を硬化した。
次いで、この感光性樹脂積層体付銅箔に対し、塩化第二銅340g/l、遊離塩酸濃度51.3g/lの組成のエッチング液を用いて銅箔をエッチング除去し、十分に水洗、乾燥して、厚さ50μmの硬化物からなる試験片を作製した。
このようにして作製した試験片について、E5071C ENAベクトル・ネットワーク・アナライザ(キーサイトテクノロジー社製)を用いて、周波数100MHzにおける比透磁率μ’を測定した。評価結果を表3、4に示す。
(層間密着性)
前記樹脂層(A)を、回路形成した基板上に、真空ラミネーター(名機製作所社製MVLP−500)を用いて加圧度:0.8MPa、90℃、1分、真空度:133.3Paの条件で加熱ラミネートした。次いで前記樹感光性脂層(B)を、前記基板にラミネートされた樹脂層(A)上に、真空ラミネーター(名機製作所社製MVLP−500)を用いて加圧度:0.8MPa、90℃、1分、真空度:133.3Paの条件で加熱ラミネートし、基板上に、樹脂層(A)、感光性樹脂層(B)の順で積層された感光性樹脂積層体を形成させた。この基板上に形成された感光性樹脂積層体に対し、高圧水銀灯(ショートアークランプ)搭載の露光装置を用いて、最適露光量でベタ露光した。この基板上の感光性樹脂積層体に、UVコンベア炉にて積算露光量1000mJ/cmの条件で紫外線照射した後、180℃で60分加熱して感光性樹脂積層体の硬化物を得た。このようにして得た硬化物上に、前記樹脂層(A)を、真空ラミネーター(名機製作所社製MVLP−500)を用いて加圧度:0.8MPa、90℃、1分、真空度:133.3Paの条件で加熱ラミネートした。次いで前記感光性樹脂層(B)を、前記基板にラミネートされた樹脂層(A)上に、真空ラミネーター(名機製作所社製MVLP−500)を用いて加圧度:0.8MPa、90℃、1分、真空度:133.3Paの条件で加熱ラミネートし、基板上に、樹脂層(A)、感光性樹脂層(B)の順で積層された感光性樹脂積層体を形成させた。この基板上に形成された感光性樹脂積層体に対し、高圧水銀灯(ショートアークランプ)搭載の露光装置を用いて、最適露光量でベタ露光した。この基板上の感光性樹脂積層体に、UVコンベア炉にて積算露光量1000mJ/cmの条件で紫外線照射した後、180℃で60分加熱し、回路基板上に樹脂層(A)、感光性樹脂層(B)、樹脂層(A)、感光性樹脂層(B)の順に積層された評価基板を得た。
評価基板に対し、カッターナイフを用い、樹脂層が積層された側から回路基板に達するように縦11本、横11本の切り傷をつけ、100個の碁盤目を作製した。
次いで、碁盤目部分にセロハンテープを強く圧着させ、テープの端を45°の角度で一気に引き剥がし、碁盤目の状態を目視にて観察し、以下の基準にて評価した。評価結果を表3、4に示す。
○:100マスすべてで剥がれ無し
×:碁盤目で1箇所以上剥がれが確認された
(比較例1)
実施例1〜14において、樹脂層(A)として樹脂層A1をラミネートした後に、感光性樹脂層(B)をラミネートしない以外は、実施例1〜14と同様にして評価を行った。評価結果を表3、4に示す。
(比較例2)
実施例1〜14において、樹脂層(A)をラミネートせずに、感光性樹脂層(B)として樹脂層B1をラミネートした以外は、実施例1〜14と同様にして評価を行った。評価結果を表3、4に示す。
*1:上記で合成したアルカリ可溶性樹脂1(PO変性フェノール樹脂/アクリル酸/テトラヒドロフタル酸)
*2:上記で合成したアルカリ可溶性樹脂2(ベンジルメタクリレート+メタクリル酸共重合物のグリシジルメタクリレート付加物)
*3:上記で合成したアルカリ可溶性樹脂3(カルボキシル基含有アミドイミド樹脂)
*4:IGM Resins社製Omnirad(オムニラッド)TPO
*5:IGM Resins社製イOmnirad(オムニラッド)784
*6:BASF社製イルガキュアOXE02
*7:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
*8:ビスフェノールA型エポキシ樹脂
*9:ジシアンジアミド
*10:パウダーテック社製M001 Mnフェライト D50:1.2μm
*11:パウダーテック社製E001 Mn−Mg−Srフェライト D50:0.2μm
*12:エプソンアトミックス社製 AW2−08PF3FG アモルファス磁性合金 D50:3.2μm
*13:メチルエチルケトン
上記表に示す結果から、実施例の樹脂積層体は、樹脂層(A)が磁性体粒子を配合しているにもかかわらず、フォトリソグラフィによってパターン形成が可能であることが分かる。
(A) 樹脂層(A)
(B) 感光性樹脂層(B)
1 感光性樹脂積層構造体
2 基材
3 導体パターン

Claims (9)

  1. アルカリ可溶性樹脂および磁性体粒子を含む樹脂層(A)と、アルカリ可溶性樹脂および光重合開始剤を含む感光性樹脂層(B)が積層されたことを特徴とする感光性樹脂積層体。
  2. 前記樹脂層(A)が、さらに熱硬化性樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂積層体。
  3. 前記磁性体粒子の平均粒子径(D50)が、0.01〜50μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性樹脂積層体。
  4. 前記樹脂層(A)の、周波数100MHzにおける比透磁率(μ’)が、1超〜100以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂積層体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂積層体の少なくとも片面が、フィルムで支持または保護されていることを特徴とするドライフィルム。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂積層体、または、請求項5に記載のドライフィルムの感光性樹脂積層体を、硬化して得られることを特徴とする硬化物。
  7. 請求項6に記載の硬化物を有することを特徴とする電子部品。
  8. インダクタであることを特徴とする請求項7に記載の電子部品。
  9. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂積層体に、前記感光性樹脂層(B)側から露光した後、アルカリ現像することによって、前記樹脂層(A)と前記感光性樹脂層(B)とをパターニングする工程を含むことを特徴とする電子部品の製造方法。

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