JP2019172485A - 繊維状炭素ナノ構造体分散液の製造方法 - Google Patents

繊維状炭素ナノ構造体分散液の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019172485A
JP2019172485A JP2018060432A JP2018060432A JP2019172485A JP 2019172485 A JP2019172485 A JP 2019172485A JP 2018060432 A JP2018060432 A JP 2018060432A JP 2018060432 A JP2018060432 A JP 2018060432A JP 2019172485 A JP2019172485 A JP 2019172485A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fibrous carbon
carbon nanostructure
dispersion
rotor
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018060432A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7077706B2 (ja
Inventor
智子 山岸
Tomoko Yamagishi
智子 山岸
貢 上島
Mitsugi Uejima
貢 上島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP2018060432A priority Critical patent/JP7077706B2/ja
Publication of JP2019172485A publication Critical patent/JP2019172485A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7077706B2 publication Critical patent/JP7077706B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Abstract

【課題】分散処理の際の泡立ちを抑制しつつ、長期安定性に優れる繊維状炭素ナノ構造体分散液の効率的製造方法の提供。【解決手段】繊維状炭素ナノ構造体と、溶媒とを含有する組成物に分散処理を施す工程を含む、繊維状炭素ナノ構造体分散液の製造方法であって、組成物中の分散剤の含有量を繊維状炭素ナノ構造体100質量部当たり0質量部以上60質量部未満とし、分散処理を、ステーター3とローター2を備えるメディアレス分散機1を用いて行い、分散処理の際のローター2の周速S(m/s)と、スリット4の幅の最小値W2(m)に対する最大値W1(m)の比Wとの積S×Wの値が、10以上200以下である製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、繊維状炭素ナノ構造体分散液の製造方法に関するものである。
従来、導電性、熱伝導性および機械的特性などの諸特性に優れる物質として、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」と称することがある。)等の繊維状炭素ナノ構造体が知られている。そして、近年では、繊維状炭素ナノ構造体を使用することによりフィルムや繊維などの各種製品の諸特性を向上させる技術が提案されている。具体的には、溶媒と繊維状炭素ナノ構造体とを含む繊維状炭素ナノ構造体分散液(以下、「繊維状炭素ナノ構造体分散液」と称することがある。)を材料として使用し、CNTを含有する製品を製造することにより、製品の諸特性を向上させる技術が提案されている。
ここで、上記技術を用いて製品の諸特性を効果的に向上させるためには、繊維状炭素ナノ構造体が良好に分散した繊維状炭素ナノ構造体分散液を使用することが有用である。しかし、繊維状炭素ナノ構造体は、凝集し易く、分散させ難い。そのため、分散剤を用いることで、繊維状炭素ナノ構造体を溶媒中に分散させる試みが従来からなされている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、水性媒体中で、CNT100質量部に対し、60質量部以上190質量部以下の量で所定の分散剤を接触させ、得られた混合物をステーターおよびローターを備える装置を用いて処理する方法が提案されている。
特表2010−524818号公報
しかし、上記特許文献1に記載の製造方法では、ステーターおよびローターを備える装置を用いてCNTを含む混合物にせん断を付与する際に、混合物が泡立つ場合があった。このように、混合物が泡立ちCNTに十分なせん断を付与することができないと、分散液の生産効率が低下する。また、得られた分散液を長時間放置した際に、CNTの凝集物が沈殿する虞もあった。
即ち、上記特許文献1に記載の製造方法には、分散処理の際の泡立ちを抑制すると共に、得られる分散液の長期安定性を確保するという点において、改善の余地があった。
そこで、本発明は、分散処理の際の泡立ちを抑制しつつ、長期安定性に優れる繊維状炭素ナノ構造体分散液を効率的に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決することを目的として、鋭意検討を行った。本発明者は、繊維状炭素ナノ構造体の良好な分散に寄与すべく用いられる分散剤が、せん断付与の際の泡立ちの原因となることに着目した。そして、分散剤の繊維状炭素ナノ構造体に対する使用量を所定の値未満とした上で、ステーターおよびローターを備えるメディアレス分散機を用いて所定の条件下で分散処理を行えば、分散処理の際の泡立ちを抑制しつつ、得られる繊維状炭素ナノ構造体分散液の長期安定性を確保可能であることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の繊維状炭素ナノ構造体分散液の製造方法は、繊維状炭素ナノ構造体と、溶媒とを含有する組成物に分散処理を施す工程を含む、繊維状炭素ナノ構造体分散液の製造方法であって、前記組成物中の分散剤の含有量が、前記繊維状炭素ナノ構造体100質量部当たり0質量部以上60質量部未満であり、前記分散処理を施す工程では、ステーターと、ローターとを備えるメディアレス分散機を用いて、前記ステーターと前記ローターの間のスリットにおいて、前記ローターの回転により前記組成物にせん断を付与し、そして、前記ローターの周速S(m/s)と、前記スリットの幅の最小値W2(m)に対する最大値W1(m)の比Wが、下記式(I)の条件を満たすことを特徴とする。
10≦S×W≦200・・・(I)
このように、分散処理の対象である組成物中の分散剤の含有量を60質量部未満にすると共に、上記式(I)を満たす条件にて分散処理を行えば、分散処理の際の泡立ちを抑制しつつ、長期安定性に優れる繊維状炭素ナノ構造体分散液を効率的に製造することができる。
なお、本発明において、ローターの「周速S(m/s)」は、ローターの外周上の一点が一秒間に移動する距離(m)を意味し、ローターの平均直径(m)とローター速度(s−1)から算出される。
ここで、本発明の繊維状炭素ナノ構造体分散液の製造方法では、前記組成物中の前記繊維状炭素ナノ構造体の濃度を、0.6質量%以上10質量%以下とすることができる。本発明の繊維状炭素ナノ構造体の製造方法を用いれば、分散処理の対象である組成物中の繊維状炭素ナノ構造体の濃度が上述のように比較的高い場合であっても、得られる繊維状炭素ナノ構造体分散液の長期安定性を十分に確保することができる。
また、本発明の繊維状炭素ナノ構造体分散液の製造方法では、前記繊維状炭素ナノ構造体の平均直径が0.1nm以上10nm以下とすることができる。本発明の繊維状炭素ナノ構造体の製造方法を用いれば、上述のように平均直径が比較的小さい繊維状炭素ナノ構造体を使用した場合であっても、得られる繊維状炭素ナノ構造体分散液の長期安定性を十分に確保することができる。
なお、本発明において、「繊維状炭素ナノ構造体の平均直径」は、TEM(透過型電子顕微鏡)を用いて無作為に選択した繊維状炭素ナノ構造体100本の直径(外径)を測定して求めることができる。
本発明の繊維状炭素ナノ構造体分散液の製造方法によれば、分散処理の際の泡立ちを抑制しつつ、長期安定性に優れる繊維状炭素ナノ構造体分散液を効率的に製造することができる。
本発明の製造方法で用いるメディアレス分散機の断面の一例を、模式的に示す図である。 本発明の製造方法で用いるメディアレス分散機のローターとステーターの断面の一例を、模式的に示す図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の繊維状炭素ナノ構造体分散液の製造方法は、溶媒中に繊維状炭素ナノ構造体を分散させてなる繊維状炭素ナノ構造体分散液を製造する際に用いることができる。
本発明の製造方法に従い製造した繊維状炭素ナノ構造体分散液は、特に限定されることなく、フィルムや繊維などの各種製品を製造する際に用いることができる。具体的には、繊維状炭素ナノ構造体分散液は、例えば、繊維状炭素ナノ構造体分散液を基材上に塗布し、乾燥して繊維状炭素ナノ構造体からなる膜を製造する際や、樹脂やゴム等の高分子材料と混合して複合材料を製造する際に用いることができる。
ここで、本発明の繊維状炭素ナノ構造体分散液の製造方法では、繊維状炭素ナノ構造体および溶媒を含むと共に、分散剤の含有量が繊維状炭素ナノ構造体100質量部当たり0質量部以上60質量部未満である組成物に対し分散処理を施す。この分散処理は、ステーターと、ローターとを備えるメディアレス分散機により行う。このメディアレス分散機を用いて組成物に分散処理を施す際、ローターの周速S(m/s)と、ステーターおよびローター間の間隙であるスリットの幅の最小値W2(m)に対する最大値W1(m)の比W(=W1/W2)が、下記式(I):
10≦S×W≦200・・・(I)
の条件を満たす。
そして、本発明に係る繊維状炭素ナノ構造体分散液の製造方法によれば、分散剤の量を低減しているため、メディアレス分散機による分散処理の際の泡立ちを抑制することができる。加えて、上述した式(I)を満たす条件で分散処理を行うため、分散剤の量が低減されていても、長期安定性に優れる繊維状炭素ナノ構造体分散液を効率的に製造することができる。
(繊維状炭素ナノ構造体と溶媒とを含有する組成物)
後述する分散処理を施す対象である組成物は、少なくとも繊維状炭素ナノ構造体および溶媒を含む。そして、組成物は、任意に分散剤やその他の成分を含むことができるが、組成物中の分散剤の含有量は、繊維状炭素ナノ構造体100質量部当たり0質量部以上60質量部未満であることが必要である。
<繊維状炭素ナノ構造体>
繊維状炭素ナノ構造体としては、特に限定されることなく、例えば、CNT、気相成長炭素繊維、有機繊維を炭化して得られる炭素繊維、およびそれらの切断物などを用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。そしてこれらの中でも、得られる分散液を用いて形成される各種製品の導電性、熱伝導性および機械的特性などの諸特性を向上させる観点から、繊維状炭素ナノ構造体として、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体を用いることが好ましい。
<<CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体>>
繊維状炭素ナノ構造体として好適に使用し得る、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、CNTのみからなるものであってもよいし、CNTと、CNT以外の繊維状炭素ナノ構造体との混合物であってもよい。
なお、繊維状炭素ナノ構造体中のCNTとしては、特に限定されることなく、単層カーボンナノチューブ(単層CNT)および/または多層カーボンナノチューブ(多層CNT)を用いることができるが、CNTは、単層から5層までのカーボンナノチューブであることが好ましく、単層カーボンナノチューブであることがより好ましい。単層カーボンナノチューブを使用すれば、多層カーボンナノチューブを使用した場合と比較して、得られる分散液を用いて形成される各種製品の導電性、熱伝導性および機械的特性などの諸特性を向上させることができる。
上記の点において、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、ラマン分光法を用いて評価した際に、Radial Breathing Mode(RBM)のピークを有することが好ましい。三層以上の多層カーボンナノチューブのみからなる繊維状炭素ナノ構造体のラマンスペクトルには、RBMが存在しない。
<<平均直径>>
繊維状炭素ナノ構造体の平均直径は、特に限定されず、例えば、0.1nm以上とすることができ、0.5nm以上とすることができ、1nm以上とすることができ、1000nm以下とすることができ、100nm以下とすることができ、50nm以下とすることができ、10nm以下とすることができる。ここで、繊維状炭素ナノ構造体は、その平均直径が小さい程、凝集し易い。しかしながら、本発明の製造方法を用いれば、繊維状炭素ナノ構造体の平均直径が比較的小さい場合(例えば、0.1nm以上10nm以下の範囲内)であっても、得られる分散液の長期安定性を十分に確保することができる。
なお、繊維状炭素ナノ構造体の平均直径は、繊維状炭素ナノ構造体の製造方法や製造条件を変更することにより調整してもよいし、異なる製法で得られた繊維状炭素ナノ構造体を複数種類組み合わせることにより調整してもよい。
<<比表面積>>
ここで、繊維状炭素ナノ構造体の比表面積は、300m/g以上であることが好ましく、400m/g以上であることがより好ましく、600m/g以上であることが更に好ましく、2500m/g以下であることが好ましい。繊維状炭素ナノ構造体の比表面積が上述の範囲内であれば、得られる分散液を用いて形成される各種製品の導電性、熱伝導性および機械的特性などの諸特性を向上させることができる。
なお、本発明において、「比表面積」とは、BET法を用いて測定した窒素吸着比表面積を指す。
<<調製方法>>
繊維状炭素ナノ構造体としては、市販品を用いてもよいし、例えば、CNT製造用の触媒層を表面に有する基材上に、原料化合物およびキャリアガスを供給して、化学的気相成長法(CVD法)によりCNTを合成する際に、系内に微量の酸化剤(触媒賦活物質)を存在させることで、触媒層の触媒活性を飛躍的に向上させるという方法(スーパーグロース法;国際公開第2006/011655号参照)に準じて、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体を効率的に製造してもよい。なお、以下では、スーパーグロース法により得られるカーボンナノチューブを「SGCNT」と称することがある。
ここで、スーパーグロース法により製造したSGCNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、SGCNTのみから構成されていてもよいし、SGCNTに加え、例えば、非円筒形状の炭素ナノ構造体等の他の炭素ナノ構造体が含まれていてもよい。
<<組成物中の含有割合>>
繊維状炭素ナノ構造体と溶媒とを含有する組成物中における、繊維状炭素ナノ構造体の濃度は、特に限定されず、例えば0.1質量%以上とすることができ、0.3質量%以上とすることができ、0.5質量%以上とすることができ、0.6質量%以上とすることができ、0.7質量%以上とすることができ、10質量%以下とすることができ、5質量%以下とすることができる。ここで、繊維状炭素ナノ構造体は、組成物中における濃度が高い程凝集し易い。しかしながら、本発明の製造方法を用いれば、組成物中の繊維状炭素ナノ構造体の濃度が比較的高い場合(例えば、0.6質量%以上10質量%以下の範囲内)であっても、得られる分散液の長期安定性を十分に確保することができる。
<溶媒>
上述した繊維状炭素ナノ構造体を分散させる溶媒としては、特に限定されることなく、例えば、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、アミルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系極性有機溶媒、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、パラジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類などが挙げられる。これらは1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。そして上述した中でも、溶媒としては水が好ましい。
<分散剤>
組成物に含まれ得る分散剤としては、例えば、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤などの界面活性剤や、ポリペプチド、多糖類、核酸、共役系ポリマーなどのポリマーが挙げられる。なお、分散剤としてのポリマーの一例としては、特表2010−524818号公報に記載された分散剤(アニオン性親水性モノマーと、所定の芳香族基をモノマーとから得られるコポリマー)を挙げることもできる。組成物に分散剤を含める場合、上述した分散剤は1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
そして、組成物中の分散剤の含有量は、繊維状炭素ナノ構造体100質量部当たり0質量部以上60質量部未満であることが必要であり、30質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましく、1質量部以下であることが更に好ましく、0.1質量部以下であることが特に好ましく、0質量部であること(即ち、組成物が分散剤を含まないこと)が最も好ましい。組成物中の分散剤の含有量が、繊維状炭素ナノ構造体100質量部当たり60質量部以上であると、分散処理の際の組成物の泡立ちを抑制することができない。
<その他の成分>
なお、上述した成分以外にも、組成物は、必要に応じて、有機もしくは無機バインダー、カップリング剤、架橋剤、安定化剤、着色剤、電荷調整剤、滑剤などの添加物を含有していてもよい。従って、上記溶媒は、上述した添加物を含有するものであってもよい。なお、これらその他の成分は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
(分散処理)
上述した組成物に分散処理を施すことで、繊維状炭素ナノ構造体が溶媒中に分散した分散液を得る。ここで、分散処理には、分散メディア(例えば、ビーズ、サンド、ボール)を用いずせん断力を利用して分散処理を行うメディアレス分散機を使用する。より具体的には、本発明の製造方法で用いるメディアレス分散機は、ステーターおよびローターを備え、ローターが回転することによりステーターおよびローター間の間隙(スリット)に存在する組成物にせん断を付与する。そして、スリットを通過しせん断が付与された組成物を、繊維状炭素ナノ構造体分散液として回収することができる。
ここで、図1を用いて分散処理を更に説明する。図1にその断面の一部が示されるメディアレス分散機1は、略円錐台状のローター2と、ローター2の外側に、ローター2を取り囲むよう配置されたステーター3を備え、ローター2とステーター3の間にはスリット4が形成されている。ローター2は、駆動シャフト5の回転により回転可能である。ここで、組成物は、流入口6からメディアレス分散機1に流入し、スリット4を通過して、排出口7から排出される。組成物は、スリット4を通過する際に、ローター2の回転によりせん断を受ける。そして、排出口7から排出された組成物を、繊維状炭素ナノ構造体分散液として回収することができる。
更に、図2に、ローター2とステーター3の断面を模式的に示す。図2において、ローター2とステーター3は上方(図示はしないが、流入口6側)から下方(図示はしないが、排出口7側)に向けて異なる傾斜角度のテーパとなっており、ローター2とステーター3の間に形成されたスリット4は、上方から下方に向けて、その幅が、最大値W1(図2中の8の箇所)から最小値W2(図中の9の箇所)まで連続的に狭くなっている。
そして、本発明においては、メディアレス分散機のローターの周速をS(m/s)とし、ローターとステーターの間のスリットの最大幅をW1とし、最小幅をW2とした場合、Sと、W2に対するW1の比W(=W1/W2)とを乗じて得られる積の値(S×W)が10以上200以下であることが必要である。本発明者の検討によれば、S×Wの値が、組成物中の繊維状炭素ナノ構造体の分散性に関連し、S×Wの値を上述の範囲内とすることで、組成物中の分散剤の量を低減しても、得られる分散液の長期安定性を確保可能であることが明らかとなった。このような効果が得られる理由は定かではないが、以下の通りであると推察される。まず、ローターの周速Sは、ローターの回転によるせん断力に大きく影響する因子である。周速Sが過度に低い値であると組成物に十分なせん断力を付与できない一方、周速Sが過度に高い値であっても、組成物がローターの回転に十分に追従できず、せん断力の付与が不十分となる場合がある。また、スリットの最大幅W1は、ある程度大きな値に設定することで、組成物中で繊維状炭素ナノ構造体が分散する空間が十分に確保される。一方のスリットの最小幅W2については、過度に小さい値となると繊維状炭素ナノ構造体の通過を阻害してしまう一方、過度に大きい値となると、スリットの最小幅部分を通過させる際に繊維状炭素ナノ構造体へ十分な負荷を与えることができず、スリットの最小幅部分の通過による繊維状炭素ナノ構造体の凝集物解離の効果を十分に得ることができない。
すなわち、S×Wは、上述したS、W1、およびW2という繊維状炭素ナノ構造体の分散に寄与する因子によって構成されている。そして、S×Wの値を上述した所定の範囲内とすることで、これらの因子の良好なバランスが達成され、組成物中の繊維状炭素ナノ構造体の凝集物を良好に解離しつつ、分散後に長期間放置した場合であっても繊維状炭素ナノ構造体が再凝集を抑制しうると考えられる。
なお、S×Wの値は、長期安定性に優れる繊維状炭素ナノ構造体分散液を得る観点から、上述した通り10以上200以下であることが必要であり、12.5以上であることが好ましく、180以下であることが好ましく、170以下であることがより好ましく、150以下であることが更に好ましく、120以下であることがより一層好ましく、75以下であることが特に好ましい。
ここで、ローターの周速Sは、長期安定性に優れる繊維状炭素ナノ構造体分散液を得る観点から、1m/s以上であることが好ましく、3m/s以上であることがより好ましく、5m/s以上であることが更に好ましく、70m/s以下であることが好ましく、60m/s以下であることがより好ましく、50m/s以下であることが更に好ましく、40m/s以下であることがより一層好ましく、30m/s以下であることが特に好ましい。
また、長期安定性に優れる繊維状炭素ナノ構造体分散液を得る観点から、スリットの最小幅W2に対するスリットの最大幅W1の比W(=W1/W2)は、1.0超であり、1.3以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましく、2.0以上であることが更に好ましく、2.3以上であることが特に好ましく、8.0以下であることが好ましく、4.0以下であることがより好ましく、3.5以下であることが更に好ましく、3.0以下であることがより一層好ましく、2.8以下であることが特に好ましい。
なお、スリットの最大幅W1は、例えば、1mm以上10mm以下とすることができる。また、スリットの最小幅W2は、例えば、0.1mm以上5mm以下とすることができる。
また、分散処理に用いるメディアレス分散機は、連続式であってもバッチ式であってもよい。バッチ式のメディアレス分散機を用いた場合、パス回数(循環回数)は、1回以上20回以下が好ましい。また、連続式のメディアレス分散機を用いた場合、分散時間は30分以上90分以下が好ましい。分散処理の終点は、例えば、実施例1のように分散液を拡大観察して繊維状炭素ナノ構造体の解れ具合を確認することで決定することができる。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(長期安定性の評価)
実施例および比較例において、得られたCNT分散液を1週間静置し、静置後のCNT分散液を目視で確認し、長期安定性を以下の基準で評価した。
A:CNTの凝集物が沈殿しておらず、分散性は良好であった。
B:CNTの凝集物の沈殿が僅かに確認されたが、分散性は概ね良好であった。
C:CNTの凝集物が多量に沈殿した。
(実施例1)
ローターおよびステーターを備える連続式のメディアレス分散機(マウンテック社製、「PUCコロイドミル」)のローターとステーターの間のスリットを、W(W1/W2)の値が2.5になるように調整した。そして、このメディアレス分散機に、純水5kgと、繊維状炭素ナノ構造体としての単層カーボンナノチューブ(ゼオンナノテクノロジー社製「ZEONANO SG101」、平均直径:3nm、比表面積:1050m/g)35gを投入し、ローターの周速Sを30m/sとして分散処理(パス回数:5回)を行い、CNT分散液を得た。なお、目視により、このCNT分散液には泡立ちが十分少ないことを確認した。また、デジタルマイクロスコープ(キーエンス社製)を用いて、50倍の倍率でスライドガラス上のCNT分散液を観察したところ、CNTが良好に解れていることを確認した。さらには、CNT分散液の長期安定性を上述した手法で評価した。結果を表1に示す。
(実施例2)
ローターの周速Sを5m/sに変更した以外は、実施例1と同様にしてCNT分散液を得た。目視により、このCNT分散液には泡立ちが十分少ないことを確認した。また、デジタルマイクロスコープ(キーエンス社製)を用いて、50倍の倍率でスライドガラス上のCNT分散液を観察したところ、CNTが良好に解れていることを確認した。さらには、CNT分散液の長期安定性を上述した手法で評価した。結果を表1に示す。
(実施例3)
ローターとステーターの間のスリットを、W(W1/W2)の値が4になるように調整し、更には、ローターの周速Sを5m/sに変更した以外は、実施例1と同様にしてCNT分散液を得た。目視により、このCNT分散液には泡立ちが十分少ないことを確認した。また、デジタルマイクロスコープ(キーエンス社製)を用いて、50倍の倍率でスライドガラス上のCNT分散液を観察したところ、CNTが良好に解れていることを確認した。さらには、CNT分散液の長期安定性を上述した手法で評価した。結果を表1に示す。
(実施例4)
ローターとステーターの間のスリットを、W(W1/W2)の値が4になるように調整した以外は、実施例1と同様にしてCNT分散液を得た。目視により、このCNT分散液には泡立ちが十分少ないことを確認した。また、デジタルマイクロスコープ(キーエンス社製)を用いて、50倍の倍率でスライドガラス上のCNT分散液を観察したところ、CNTが良好に解れていることを確認した。さらには、CNT分散液の長期安定性を上述した手法で評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
ローターとステーターの間のスリットを、W(W1/W2)の値が1(すなわち、スリットの幅が一様)になるように調整した以外は、実施例1と同様にしてCNT分散液を得た。目視により、このCNT分散液には泡立ちが十分少ないことを確認した。また、デジタルマイクロスコープ(キーエンス社製)を用いて、50倍の倍率でスライドガラス上のCNT分散液を観察したところ、CNTが十分に解れていなかった。これは、スリットの幅の最大値W1と最小値W2が同一となることにより、スリットを通過する際に、CNTに対し十分なせん断力および負荷がかかり難くなったためと考えられる。さらには、CNT分散液の長期安定性を上述した手法で評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
ローターとステーターの間のスリットを、W(W1/W2)の値が8になるように調整した以外は、実施例1と同様にしてCNT分散液を得た。目視により、このCNT分散液には泡立ちが十分少ないことを確認した。また、デジタルマイクロスコープ(キーエンス社製)を用いて、50倍の倍率でスライドガラス上のCNT分散液を観察したところ、CNTが十分に解れていなかった。これは、スリットの幅の最小値W2が相対的に小さくなることによりローターとステーターの間にCNTの詰まりが発生するためと考えられる。さらには、CNT分散液の長期安定性を上述した手法で評価した。結果を表1に示す。
(比較例3)
ローターとステーターの間のスリットを、W(W1/W2)の値が1(すなわち、スリットの幅が一様)になるように調整し、更には、ローターの周速Sを5m/sに変更した以外は、実施例1と同様にしてCNT分散液を得た。目視により、このCNT分散液には泡立ちが十分少ないことを確認した。また、デジタルマイクロスコープ(キーエンス社製)を用いて、50倍の倍率でスライドガラス上のCNT分散液を観察したところ、CNTが十分に解れていなかった。これは、スリットの幅の最大値W1と最小値W2が同一となることにより、スリットを通過する際に、CNTに対し十分なせん断力および負荷がかかり難くなったためと考えられる。さらには、CNT分散液の長期安定性を上述した手法で評価した。結果を表1に示す。
Figure 2019172485
上述した実施例および比較例の結果から、CNTを含む組成物に所定の分散処理を施した実施例1〜4では、比較例1〜3に比して、長期安定性に優れるCNT分散液を得られることがわかる。
本発明の繊維状炭素ナノ構造体分散液の製造方法によれば、分散処理の際の泡立ちを抑制しつつ、長期安定性に優れる繊維状炭素ナノ構造体分散液を効率的に製造することができる。
1 メディアレス分散機
2 ローター
3 ステーター
4 スリット
5 駆動シャフト
6 流入口
7 排出口
8 スリットの最大幅(W1)
9 スリットの最小幅(W2)

Claims (3)

  1. 繊維状炭素ナノ構造体と、溶媒とを含有する組成物に分散処理を施す工程を含む、繊維状炭素ナノ構造体分散液の製造方法であって、
    前記組成物中の分散剤の含有量が、前記繊維状炭素ナノ構造体100質量部当たり0質量部以上60質量部未満であり、
    前記分散処理を施す工程では、ステーターと、ローターとを備えるメディアレス分散機を用いて、前記ステーターと前記ローターの間のスリットにおいて、前記ローターの回転により前記組成物にせん断を付与し、
    そして、前記ローターの周速S(m/s)と、前記スリットの幅の最小値W2(m)に対する最大値W1(m)の比Wが、下記式(I)の条件を満たす、繊維状炭素ナノ構造体分散液の製造方法。
    10≦S×W≦200・・・(I)
  2. 前記組成物中の前記繊維状炭素ナノ構造体の濃度が、0.6質量%以上10質量%以下である、請求項1に記載の繊維状炭素ナノ構造体分散液の製造方法。
  3. 前記繊維状炭素ナノ構造体の平均直径が0.1nm以上10nm以下である、請求項1または2に記載の繊維状炭素ナノ構造体分散液の製造方法。
JP2018060432A 2018-03-27 2018-03-27 繊維状炭素ナノ構造体分散液の製造方法 Active JP7077706B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018060432A JP7077706B2 (ja) 2018-03-27 2018-03-27 繊維状炭素ナノ構造体分散液の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018060432A JP7077706B2 (ja) 2018-03-27 2018-03-27 繊維状炭素ナノ構造体分散液の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019172485A true JP2019172485A (ja) 2019-10-10
JP7077706B2 JP7077706B2 (ja) 2022-05-31

Family

ID=68169259

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018060432A Active JP7077706B2 (ja) 2018-03-27 2018-03-27 繊維状炭素ナノ構造体分散液の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7077706B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022118562A1 (ja) 2020-12-04 2022-06-09 山陽色素株式会社 導電性ペーストの製造方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5415567A (en) * 1977-07-06 1979-02-05 Sumitomo Electric Ind Ltd Powder producing apparatus
JP2005133135A (ja) * 2003-10-29 2005-05-26 Fuji Photo Film Co Ltd 金属微粒子の連続製造方法及び装置
JP2007204857A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Bussan Nanotech Research Institute Inc 微細炭素繊維集合体の製造方法
JP2010524818A (ja) * 2007-04-20 2010-07-22 アルケマ フランス カーボンナノチューブの水性懸濁液の製造方法と、得られた懸濁液
JP2012240875A (ja) * 2011-05-18 2012-12-10 Asahi Glass Co Ltd カーボンナノ材料分散液
JP2013082610A (ja) * 2011-09-29 2013-05-09 Kj Specialty Paper Co Ltd カーボンナノチューブ水分散液及びそれを用いて得られる複合シート
WO2014033810A1 (ja) * 2012-08-27 2014-03-06 株式会社名城ナノカーボン カーボンナノチューブ分散液及び当該分散液の製造方法
WO2017104772A1 (ja) * 2015-12-17 2017-06-22 日本ゼオン株式会社 繊維状炭素ナノ構造体分散液

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5415567A (en) * 1977-07-06 1979-02-05 Sumitomo Electric Ind Ltd Powder producing apparatus
JP2005133135A (ja) * 2003-10-29 2005-05-26 Fuji Photo Film Co Ltd 金属微粒子の連続製造方法及び装置
JP2007204857A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Bussan Nanotech Research Institute Inc 微細炭素繊維集合体の製造方法
JP2010524818A (ja) * 2007-04-20 2010-07-22 アルケマ フランス カーボンナノチューブの水性懸濁液の製造方法と、得られた懸濁液
JP2012240875A (ja) * 2011-05-18 2012-12-10 Asahi Glass Co Ltd カーボンナノ材料分散液
JP2013082610A (ja) * 2011-09-29 2013-05-09 Kj Specialty Paper Co Ltd カーボンナノチューブ水分散液及びそれを用いて得られる複合シート
WO2014033810A1 (ja) * 2012-08-27 2014-03-06 株式会社名城ナノカーボン カーボンナノチューブ分散液及び当該分散液の製造方法
WO2017104772A1 (ja) * 2015-12-17 2017-06-22 日本ゼオン株式会社 繊維状炭素ナノ構造体分散液

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022118562A1 (ja) 2020-12-04 2022-06-09 山陽色素株式会社 導電性ペーストの製造方法
KR20230117395A (ko) 2020-12-04 2023-08-08 산요 시키소 가부시키가이샤 도전성 페이스트의 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP7077706B2 (ja) 2022-05-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10414896B2 (en) Composite resin material, slurry, shaped composite resin material product, and slurry production process
EP2949624A1 (en) Carbon nanotube dispersion, method for manufacturing same, carbon nanotube composition, and method for manufacturing same
EP1623437B1 (en) Conductive carbon nanotube-polymer composite
JP6380687B2 (ja) カーボンナノチューブ分散液の製造方法
CN109803996B (zh) 复合树脂材料的制造方法和成型体的制造方法
WO2017175807A1 (ja) 含フッ素エラストマー組成物および成形体
US10995223B2 (en) Fibrous carbon nanostructure dispersion liquid
US20190276610A1 (en) Slurry, method of producing composite resin material, and method of producing shaped product
JP6606076B2 (ja) めっき液およびその製造方法、並びに、複合材料、銅複合材料およびその製造方法
JP2010216018A (ja) ポリビニルアルコール系コンポジット繊維およびその製造方法
JP2019172485A (ja) 繊維状炭素ナノ構造体分散液の製造方法
WO2017104772A1 (ja) 繊維状炭素ナノ構造体分散液
JP7151760B2 (ja) ゴム組成物の製造方法
EP3705454A1 (en) Carbon nanotube liquid dispersion, and method for producing same
JP2021147474A (ja) ゴム組成物の製造方法
JP7173023B2 (ja) ゴム組成物
JP2015074855A (ja) ポリビニルアルコール系コンポジット繊維およびその製造方法
JPWO2016143299A1 (ja) 複合材料の製造方法および複合材料
WO2019188050A1 (ja) 複合材料の製造方法
WO2017038413A1 (ja) 複合材料の製造方法および複合材料
JP5400284B2 (ja) 微細炭素繊維分散液の製造方法
WO2023162899A1 (ja) 複合樹脂粒子の製造方法、帯電防止用組成物、及び成形体
JP7243710B2 (ja) 繊維状炭素ナノ構造体分散液の製造方法および複合材料の製造方法
KR20210037125A (ko) 탄소나노튜브 번들 집합체의 제조방법
JP2007231471A (ja) 微細炭素繊維集合体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211102

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211223

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220419

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220502

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7077706

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150