JP6380687B2 - カーボンナノチューブ分散液の製造方法 - Google Patents

カーボンナノチューブ分散液の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6380687B2
JP6380687B2 JP2017548085A JP2017548085A JP6380687B2 JP 6380687 B2 JP6380687 B2 JP 6380687B2 JP 2017548085 A JP2017548085 A JP 2017548085A JP 2017548085 A JP2017548085 A JP 2017548085A JP 6380687 B2 JP6380687 B2 JP 6380687B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon nanotube
containing composition
carbon
dispersion
carbon nanotubes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2017548085A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2018043487A1 (ja
Inventor
孝佳 平井
孝佳 平井
秀和 西野
秀和 西野
直樹 今津
直樹 今津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Application granted granted Critical
Publication of JP6380687B2 publication Critical patent/JP6380687B2/ja
Publication of JPWO2018043487A1 publication Critical patent/JPWO2018043487A1/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/15Nano-sized carbon materials
    • C01B32/158Carbon nanotubes
    • C01B32/168After-treatment
    • C01B32/17Purification
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/15Nano-sized carbon materials
    • C01B32/158Carbon nanotubes
    • C01B32/168After-treatment
    • C01B32/174Derivatisation; Solubilisation; Dispersion in solvents

Description

本発明はカーボンナノチューブ含有組成物およびその製造方法に関する。
カーボンナノチューブ(以下、CNTと呼ぶこともある)は化学的に極めて安定な高分子材料であり、導電性、熱伝導性および耐熱性にも優れ、さらに高い力学特性や生体適合性を有しており、様々な用途への展開が期待されている物質である。事実、複合材料分野に始まり、エレクトロニクス分野、エネルギー分野、医療分野など多岐分野での検討が進んでいる。
カーボンナノチューブの製造方法としてレーザーアブレーション法、アーク放電法、化学気相成長法(CVD法)が知られている。中でもCVD法はカーボンナノチューブを大量に合成することが可能である。金属触媒微粒子を担持させた担体からカーボンナノチューブを成長させる担持触媒CVD法(以下「担持触媒法」と略す場合もある)や担体を必要しないCVD法として触媒(またはその前駆体)を炭素源およびキャリアガスとともに直接反応管に導入してカーボンナノチューブを成長させる気相流動CVD法(以下「気相流動法」と略す場合もある)が知られている。いずれの製造方法も製造時のCNT組成物中に炭素副生物や触媒残渣が含まれており、それらの不純物を除去し、CNT組成物を精製するための方法もいくつか知られている。例えば、担持触媒法で製造した直後のカーボンナノチューブは炭素副生物を多く含んでいるため、濃硝酸で精製する方法が知られている(特許文献1)。一方で、気相流動法を用いると、ラマンG/D比の高い高品質なカーボンナノチューブを効率よくかつ安価に得ることが可能であるが、少量の炭素副生物や触媒残渣が含まれている(特許文献2)。また炭素不純物を除去する精製方法として酸化ガス中での加熱処理が知られている(特許文献3)。
また、用途によっては、前記のようにして生成したCNTを分散媒に分散させて使用することもあるが、分散ナノ物質は一般的に表面積が大きいいため凝集性が高いことが知られている。結晶性が高く、純度の高いカーボンナノチューブほど凝集しやすくなるため、分散させるために種々の工夫がなされている。例えば特許文献4では、超音波ホモジナイザーを用いてカーボンナノチューブを分散させた場合、十分に分散するまで超音波照射を続けるとカーボンナノチューブに欠損が導入されて導電性が低下してしまうため、あらかじめ分散媒とカーボンナノチューブを高速攪拌することによって分散媒中にカーボンナノチューブをほぐした状態にし、その後、超音波ホモジナイザーによって分散することによって分散液を調製する方法が記載されている。
特許文献5では、気相流動法の一種であるeDIPS法で製造された単層カーボンナノチューブを濃硝酸によって精製した後、分散媒および分散剤とともに薄膜旋回型高速ミキサーによる撹拌処理によって、分散液を調製している。
特開2012−116667号公報 WO2017/010523 特開2005−60170号公報 特開2008−195563号公報 特開2016−126847号公報
特許文献1に担持触媒法で製造したカーボンナノチューブは、ラマンG/D比が小さく炭素副生物を多く含んでおり、触媒を除去するためには濃硝酸で精製する必要がある。しかしながら濃硝酸は、カーボンナノチューブにも損傷を与えるため、精製後のカーボンナノチューブは十分に高品質にはならない。一方で、カーボンナノチューブへの損傷を減らすため、希薄な硝酸を使用した処理の場合には、触媒の除去が不十分であり、触媒がカーボンナノチューブ中に残留している。
特許文献2に記載されているような気相流動法で製造されたカーボンナノチューブは高品質であるが、少量の炭素副生物や触媒が残っており、純度の点で不十分である。
特許文献3に記載されている精製方法では、炭素不純物は除去可能だが、触媒(触媒源に含まれる金属や未分解の触媒源等)は除去することはできない。触媒がカーボンナノチューブ中に残存すると、カーボンナノチューブの様々な特性を阻害する原因となりうる。
また、カーボンナノチューブを分散して使用する場合は、分散方法を工夫することによってカーボンナノチューブ分散液の性能を引き出すことが求められる。特許文献4に記載の方法では、比較的マイルドな分散方法である撹拌処理によって、カーボンナノチューブをほぐしても、最終的に超音波ホモジナイザーなど、大きなエネルギーや力のかかる分散法を使用しているため、カーボンナノチューブがダメージを受けてしまい、導電性向上に余り大きな効果が得られない。
特許文献5の方法では、結晶性および純度の高い単層カーボンナノチューブを使用しているが、濃硝酸による処理で、カーボンナノチューブの欠損が多くなり、その結果、導電性が低下し、導電性を補うためにドーピングあるいはフィルムへのカーボンナノチューブ圧着などの追加工程が必要になる。
本発明の目的は、触媒が残っていない、耐熱性の高い、炭素副生物の少ないより高品質なカーボンナノチューブ含有組成物を高収率で得ることである。
また、本発明の他の目的は、高度にカーボンナノチューブが分散した分散液を製造し、その分散液を用いることによって高い導電性と高い透明性とを両立した透明導電膜および透明導電性積層体を得ることである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行なった結果、ラマンG/D比が50以上の高品質なカーボンナノチューブに対して、希薄硝酸で液相酸化を行うと、より高品質で、触媒残渣が残っておらず、耐熱性が高く、炭素副生物が少ないカーボンナノチューブが得られることを見出し、下記の発明に至った。
また、アモルファスカーボンの様な炭素不純物がほとんど含まれず、結晶性や純度が高い、気相流動法で合成したカーボンナノチューブを、比較的マイルドな条件下で液相酸化処理した後、撹拌処理によって分散液を調製することによって、高度にカーボンナノチューブが分散した分散液を製造することができ、その分散液を用いることによって高い導電性と高い透明性とを両立した透明導電膜および透明導電性積層体を得ることができることを見出し、下記の発明に至った。
[1]気相流動法でラマン分光分析におけるGバンドとDバンドの強度比(G/D比)が50以上である精製前カーボンナノチューブ含有組成物を製造し、次いで該精製前カーボンナノチューブ含有組成物を、1重量%以上、30重量%未満の濃度の硝酸を用い、加熱還流することにより液相酸化を行う液相酸化工程を含むカーボンナノチューブ含有組成物の製造方法により得られたカーボンナノチューブ含有組成物を、分散媒と共に撹拌処理を施すことにより、分散媒にカーボンナノチューブ含有組成物を分散させる工程を含むカーボンナノチューブ分散液の製造方法。
本発明によれば、触媒が残っていない、耐熱性の高い、炭素副生物の少ないより高品質なカーボンナノチューブ含有組成物を高収率で得ることができる。
また、本発明によれば、高度にカーボンナノチューブが分散した分散液を製造することができ、その分散液を用いることによって高い導電性と高い透明性とを両立した透明導電膜および透明導電性積層体を得ることができる。
実施例で用いたカーボンナノチューブ集合体を合成するための装置概略図である。
本発明のコンセプトについて説明する。合成後、精製される前のカーボンナノチューブ含有組成物には、アモルファスカーボン等の炭素不純物および触媒が含まれている。カーボンナノチューブ含有組成物の導電性向上のためには、精製前のカーボンナノチューブ含有組成物から炭素不純物および触媒を除去することが重要である。従来技術においては、濃硝酸(60重量%)による液相酸化によって炭素不純物および触媒が除去可能であることが、例えば特開2011−148674等にて報告されていた。しかし、この方法では、酸処理による過剰な酸化反応によって、カーボンナノチューブにダメージが加わり、分解することで、アモルファスカーボン等の炭素不純物が増加し、その結果カーボンナノチューブの収量が減少するという課題があった。本発明では、精製前のカーボンナノチューブ含有組成物としてグラファイト化度の高い高品質なカーボンナノチューブ含有組成物を用い、硝酸濃度が1重量%以上30重量%未満のマイルドな条件で加熱還流することにより液相酸化を行うことで、カーボンナノチューブに対するダメージを最小限に抑制しつつ、炭素不純物と触媒を除去でき、高品質なカーボンナノチューブ含有組成物を高収率で得ることができることを見出した。
本発明においてカーボンナノチューブ含有組成物とは、複数のカーボンナノチューブが存在している総体を意味する。カーボンナノチューブの存在形態は特に限定されず、それぞれが独立の形態、束状になった形態、絡まり合った形態、あるいはこれらの混合形態が存在していてもよい。また、種々の層数、直径のカーボンナノチューブが含まれていてもよい。また、カーボンナノチューブ製造法由来の不純物、例えば未分解の炭素源やタール、炭素源が分解することで生成した炭素不純物、および触媒源に含まれる金属や未分解の触媒源が含まれていてもよい。
本発明において、精製前のカーボンナノチューブ含有組成物は、波長532nmのラマン分光分析によるGバンドとDバンドの高さ比(G/D比)が50以上である必要がある。より好ましくはG/D比が50以上、200以下である。G/D比とはカーボンナノチューブ含有組成物をラマン分光分析法により評価した時の値である。ラマン分光分析法で使用するレーザー波長は532nmとする。ラマン分光分析法により得られるラマンスペクトルにおいて1590cm−1付近に見られるラマンシフトは、グラファイト由来のGバンドと呼ばれ、1350cm−1付近に見られるラマンシフトはアモルファスカーボンやグラファイトの欠陥に由来のDバンドと呼ばれる。このGバンドとDバンドのピーク高さの比がG/D比である。G/D比が高いカーボンナノチューブ含有組成物ほど、グラファイト化度が高く、高品質であることを示している。またカーボンナノチューブ含有組成物のような固体のラマン分光分析法は、サンプリングによってばらつくことがある。そこで少なくとも3カ所、別の場所をラマン分光分析し、その相加平均をとるものとする。精製前のカーボンナノチューブ含有組成物のG/D比が50以上とは相当な高品質カーボンナノチューブ含有組成物であることを示している。
精製前のカーボンナノチューブ含有組成物は、空気中で10℃/分で昇温した時の熱重量分析において、200〜950℃の重量減少率が60%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上である。熱重量分析は、約1mgの試料を熱重量分析装置(例えば島津製作所 TGA−60)に設置し、空気中、10℃/分の昇温速度にて室温から1000℃まで昇温し、その際の試料の重量減少率を測定する。
G/D比が50以上である精製前カーボンナノチューブ含有組成物を製造するためには、気相流動法を用いることが好ましい。また気相流動法としては、触媒、炭素源およびキャリアガスを縦型反応管に上部から導入し、カーボンナノチューブ含有組成物を製造することが好ましい。このような気相流動法は、例えば特開2013−18673に開示されているが、この方法に限定するものではなく、他の公知の気相流動法を採用することもできる。
触媒としては、特に制限されるものではないが、遷移金属化合物または遷移金属超微粒子が好ましく用いられる。遷移金属化合物としては例えば、有機遷移金属化合物、無機遷移金属化合物等を挙げることができる。有機遷移金属化合物として例えば、フェロセン、コバルトセン、ニッケロセン、アセチルアセトナート鉄等を挙げることができる。無機遷移金属化合物としては塩化鉄等を挙げることができる。
なお、触媒を前記縦型反応管に導入する際、該触媒によるカーボンナノチューブ含有組成物の生成反応を促進する助触媒を共に導入することが好ましい。助触媒として硫黄化合物を用いることが好ましく、例えば、チオフェン、ベンゾチオフェン、チアナフテン等が挙げられる。
炭素源としては、液状またはガス状のものを用いることができる。炭素源としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素や;メタン、エタン、エチレン等のガス状炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;さらにヘキサン、シクロヘキサン、デカリン等の脂肪族炭化水素を挙げることができる。
キャリアガスとしては窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスや、水素または、不活性ガスと水素の混合ガスを用いることができる。
本発明においては、G/D比が50以上である精製前のカーボンナノチューブ含有組成物を、1重量%以上、30重量%未満の濃度の硝酸を用い、加熱還流することにより液相酸化を行う。硝酸濃度は、より好ましくは1重量%以上であり、さらに好ましくは2重量%以上である。また硝酸濃度は、0重量%未満がさらに好ましい。硝酸濃度が30重量%以上の濃度で液相酸化を行なうと、カーボンナノチューブ自体にダメージを与えてしまい、カーボンナノチューブの品質を損ねる可能性がある。また、カーボンナノチューブの収量減少の問題を生じる。硝酸濃度が1重量%未満の場合、炭素不純物および触媒の酸化が不十分となり、炭素不純物および触媒の除去が難しくなる。高品質カーボンナノチューブ含有組成物を用いて精製処理を行うことにより、カーボンナノチューブ含有組成物から簡便に炭素不純物と触媒を除去でき、高品質なカーボンナノチューブ含有組成物を高収率で得ることができる。
液相酸化工程においては、100℃以上、110℃以下の温度範囲で加熱還流を行なうことが好ましく、より好ましくは100℃以上、106℃未満の温度範囲である。110℃を超える温度で液相酸化を行なうと、カーボンナノチューブ自体にダメージを与えてしまい、カーボンナノチューブの品質を損ねる可能性がある。また、カーボンナノチューブの収量が減少する。温度が100℃未満の場合、炭素不純物および触媒の酸化が低くなり、炭素不純物および触媒の除去が不十分となる可能性がある。
液相酸化を行なう時間は、1時間以上、24時間以下の範囲が好ましく、より好ましくは1時間以上、12時間以下の範囲である。24時間より長い時間液相酸化を行なうと、カーボンナノチューブ自体にダメージを与えてしまい、カーボンナノチューブの品質を損ねる可能性がある。また、カーボンナノチューブの収量が減少する。液相酸化が1時間未満の場合、炭素不純物および触媒の酸化が低くなり、炭素不純物および触媒の除去が不十分となる可能性がある。
液相酸化処理する際の、酸化性液体とカーボンナノチューブの混合比は、カーボンナノチューブが浸りきる程度あれば特に問題ないが、比重が1〜1.5程度の液体を使用する場合は、カーボンナノチューブ組成物100重量部に対して酸化性液体100000〜150000重量部使用することが好ましい。酸化性液体の量がこれ以上少ないと、カーボンナノチューブ全体が酸化性液体に浸りきらなくなる場合があるため、酸化性液体の下限は上記の量が目安となる。酸化性液体の上限は、取り扱いの点で問題なければ特に制限は無い。酸化性液体の比重が上記の範囲外である場合は、前記好ましい量に比重を乗じた量を使用すると良い。
精製前のカーボンナノチューブの結晶性が低い(G/D比が50未満)と、液相酸化処理工程における硝酸濃度が低くても、非結晶部分が基点となって過剰の官能基が導入されてカーボンナノチューブそのものが破壊されてしまい易くなる。また、G/D比が50未満の精製前カーボンナノチューブを濃度30重量%未満の硝酸で液相酸化処理しても、元々のカーボンナノチューブ結晶性の低さの影響で、導電性や熱伝導性などの特性が低いカーボンナノチューブしか得られない。
前記の液相酸化工程の後に、アルカリ水溶液で処理する工程を行ってもよい。アルカリとしては、アルカリ水溶液のpHがpH8以上であれば特に制限されないが、アンモニアや有機アミンを用いることが好ましい。有機アミンとしては、エタノールアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン、ピリジン、ピペリジン、ヒドロキシピペリジンなどの窒素を含む有機化合物が好ましい。これらアンモニア、有機アミンの中で最も好ましいのは、揮発して後に悪影響が少ないことからアンモニアである。
またアルカリ水溶液の濃度は10容量%以上、30容量%未満の範囲が好ましい。また処理の時間は特に制限はなく、10分から2時間程度、室温下で撹拌することが好ましい。より好ましくは30分から1時間である。
以下、精製後に得られる本発明のカーボンナノチューブ含有組成物について述べる。本発明のカーボンナノチューブ含有組成物は、波長532nmのラマン分光分析によるGバンドとDバンドの高さ比(G/D比)が90以上である。より好ましくはG/D比が90以上、200以下である。精製後のカーボンナノチューブ含有組成物のG/D比が90以上とは非常に高品質なカーボンナノチューブ含有組成物であることを示している。
本発明のカーボンナノチューブ含有組成物は、空気中で10℃/分で昇温したときの熱重量分析で、200〜950℃の重量減少率が95%以上である。重量減少率は、より好ましくは97%以上、さらに好ましくは99%以上である。前記重量減少率が95%より小さい場合は、触媒が十分に除去されずにカーボンナノチューブ含有組成物中に含まれていたことを意味し、カーボンナノチューブ含有組成物の電気的特性、力学特性、生体適合性等を損なう。
熱重量分析においては、熱重量分析装置を用いて、試料を空気中、10℃/分の昇温速度で室温から1000℃まで昇温する。そのときの200〜950℃の重量減少率を測定する。得られた重量減少量の曲線を時間で微分することにより、x軸を温度(℃)、y軸をDTG(mg/min)とする微分熱重量曲線(DTG)を得る。その際のピーク温度を燃焼ピーク温度とする。精製をしたカーボンナノチューブ含有組成物は、DTG曲線において高温側と低温側に二つの燃焼ピークが現れることが多い。
本発明においては、700℃以上、950℃未満に存在する燃焼ピークを高温側の燃焼ピークとする。耐熱性の観点から、より好ましくは高温側の燃焼ピーク温度は770℃以上、900℃未満であり、さらに好ましくは780℃以上、850℃未満である。このピークのピーク面積に相当する範囲の重量減量分をTG(H)とする。低温側の燃焼ピークとは350℃〜高温側の燃焼ピークへと変化する変曲点までに存在する燃焼ピークである。このピークのピーク面積に相当する範囲の重量減量分をTG(L)とする。なお、変曲点が存在しない場合には350℃〜600℃の範囲の重量減量分をTG(L)とする。TG(L)はアモルファスカーボンなどのカーボンナノチューブ以外の炭素不純物がカーボンナノチューブに付着したものと考えられる。
一般に炭素不純物は400℃以下で燃焼するが、カーボンナノチューブに付着した場合は燃焼温度が高温側にずれる傾向があるため、上記の低温側の温度範囲で燃焼するものと考えられる。一方で炭素不純物が付着したカーボンナノチューブはそれに応じて、本来のカーボンナノチューブの燃焼ピーク温度に比して燃焼ピーク温度が低温側にずれる。これは炭素不純物の燃焼温度が低いため、炭素不純物が先に燃焼を開始し、その際に生じた発熱エネルギーがカーボンナノチューブに移動するため、本来の燃焼温度より低い温度でカーボンナノチューブが燃焼するためである。したがって炭素不純物が少ないほど燃焼ピーク温度は高温側に現れるため、燃焼ピーク温度は高い方が、耐久性が高く、純度の高いカーボンナノチューブである。炭素不純物の割合が大きいほどTG(L)が大きくなり、カーボンナノチューブの割合が大きいほどTG(H)が大きくなる。TG(H)を(TG(H)+TG(L))で割ることでカーボンナノチューブ含有組成物の純度として表現することができる。TG(H)/(TG(L)+TG(H))の値を0.8以上とすることにより、炭素不純物の割合が小さく、高耐熱性かつ高導電性のカーボンナノチューブ含有組成物が得られるので好ましい。低温側の燃焼ピークが消失し、高温側の燃焼ピークのみが現れる場合にはTG(H)/(TG(L)+TG(H))の値が1となる。
カーボンナノチューブの層数は、特に限定されないが、単層または2層であることが好ましく、中でも2層カーボンナノチューブが最も好ましい。その理由は、単層カーボンナノチューブはグラファイト層が1層しかないため、酸化性液体で処理した際や、撹拌処理の際に、欠損が導入されると、1層しかない導電パスが破壊され、欠損が増えるほど導電層の破壊が進み、導電性が低下しやすい。そのため、酸化性液体で処理する際の温度と時間のコントロールを厳密に行う必要が出てくる。カーボンナノチューブが2層カーボンナノチューブである場合は、導電パスを担う層が2重になっているため、外層に欠損や官能基の導入による導電パスの破壊が起きても、内層の導電パスが利用できるため、導電性が下がりにくい。また、理由は定かではないが、単層カーボンナノチューブよりも、2層カーボンナノチューブの方が、酸化処理などを行っても、劣化しにくいため好ましい。
精製後の本発明のカーボンナノチューブ含有組成物に含まれるカーボンナノチューブの層数は、全てのカーボンナノチューブに対する2層カーボンナノチューブの数の割合が60%以上であることが好ましい。より好ましくは全てのカーボンナノチューブに対する2層カーボンナノチューブの数の割合が70%以上である。上記カーボンナノチューブの層数の測定は、例えば、次のようにして行う。透過型電子顕微鏡を用いて倍率40万倍で観察し、75nm四方の視野の中で、視野面積の10%以上がカーボンナノチューブである視野中から任意に抽出した100本のカーボンナノチューブについて層数を測定する。一つの視野中で100本のカーボンナノチューブの測定ができない場合は、100本になるまで複数の視野から測定する。このとき、カーボンナノチューブ1本とは、視野中で一部カーボンナノチューブが見えていれば1本と計上し、必ずしも両端が見えている必要はない。また視野中で2本と認識されても視野外でつながって1本となっていることもあり得るが、その場合は2本と計上する。
カーボンナノチューブの直径は、特に限定されないが、上記好ましい範囲の層数のカーボンナノチューブの直径は1nm〜10nmであり、特に1〜3nmの範囲内であるものが好ましく用いられる。
液相酸化後のカーボンナノチューブ含有組成物にドーピングを行ってもよい。ドーピング手法としては特に限定されないが、液相でのドーピングが好ましい。ドーパントとしては硝酸、塩酸、硫酸等が挙げられ、酸性溶液であれば特に限定されない。
また、本発明のカーボンナノチューブ分散液の製造方法によると、前記液相酸化処理による製造方法によって得られたカーボンナノチューブ含有組成物を分散媒と共に、攪拌処理を施すことによって、分散媒にカーボンナノチューブ含有組成物を分散させ、カーボンナノチューブ分散液を得ることができる。
撹拌処理によってカーボンナノチューブ含有組成物を分散させる理由は、カーボンナノチューブのグラファイト層にダメージを与えて特性を低下させることが無いよう、弱い力でカーボンナノチューブ含有組成物を分散させたいからである。一般にカーボンナノチューブ含有組成物の分散に広く使われている分散法、例えば、超音波ホモジナイザーやロールミル、ボールミルなど、を用いてカーボンナノチューブ含有組成物を分散すると、カーボンナノチューブのグラファイト層に欠損が生じたり、カーボンナノチューブが強い応力で切断されてしまったりするため、カーボンナノチューブの導電性や熱伝導性といった特性が低下してしまう。一方、撹拌による分散では、応力が弱すぎて、一般的には、撹拌処理のみでは十分にカーボンナノチューブ含有組成物が分散した分散液は得られない。
発明者らは、本発明の製造方法によって得られたカーボンナノチューブ含有組成物を用いて、分散媒と共に撹拌処理を行うことによって、カーボンナノチューブが導電性や熱伝導性などの特性を失うことなく、高度に分散した分散液を製造することに成功した。ここで、高度に分散しているとは、当該分散液を1万Gにて10分間遠心処理をした後、90vol%を上清として回収したとき、上清部分のカーボンナノチューブ分散液の濃度が、遠心処理前のカーボンナノチューブ分散液の濃度の80重量%以上となることを言う。
本発明において攪拌処理のみで十分に分散した分散液が得られる理由は明確になっているわけでは無いが、以下の様に考えている。一般に、カーボンナノチューブは硝酸などの液相酸化処理工程を経ると、カーボンナノチューブ表面にカルボキシル基、水酸基、エポキシ基等の官能基が微少量導入される。本発明の製造方法によって得られたカーボンナノチューブ含有組成物は適度に官能基が導入さていることから、酸化処理工程における溶液中において、官能基によるカーボンナノチューブ間の静電反発がおこり、バンドルがほぐれやすくなる。その結果、次の工程である分散工程において分散しやすいカーボンナノチューブが得られると推測している。
撹拌分散によって分散する場合にカーボンナノチューブがダメージを受けにくい理由は定かではないが、一般的には、撹拌によって分散媒、およびカーボンナノチューブにかかるせん断応力による分散は、超音波の振動(およびキャビテーション)や機械的にすり潰したりする応力と比べて力の弱いマイルドな分散になっていると考えられる。
撹拌処理は、容器内で撹拌ブレードを回転させることによって行われる。撹拌ブレードの形状は、固体粉砕用のブレードが好ましい。撹拌機としては、撹拌による固体粉砕用ミル、ジューサーミキサー、フードプロセッサーなどが特に好ましく使用できる。より具体的には、商品名「ミルサー」シリーズ(岩谷産業株式会社製品)などが使用できる。
撹拌処理において、撹拌ブレードを3000回転/分以上の回転数で撹拌することが好ましい。撹拌ブレードの回転数は、高ければ高いほどカーボンナノチューブに強くせん断応力等のシェアが掛かかり、早く分散するため好ましい。より好ましい回転数としては10000回転/分以上であり、20000回転/分以上であるとさらに好ましい。しかし、余り回転数が高いと、発熱が激しく、現実的に分散操作を行えなくなるため、上限はせいぜい50000回転/分である。また、余りに回転数が高い場合は、カーボンナノチューブが撹拌翼によって物理的にダメージを受けやすくなる。撹拌分散処理の温度は、分散によって余計な副反応が起こるのを抑えるため、冷却しながら行うのが好ましいが、カーボンナノチューブや分散媒およびその他添加剤に特に反応するものがなければ、冷却する必要は必ずしも無い。具体的な温度条件は分散媒によって異なるが、分散媒が液状の形態を維持でき撹拌処理可能である温度であれば特に制限は無い。
攪拌処理における攪拌時間は、カーボンナノチューブ含有組成物のグラファイト構造を可能な限り破壊せずに高度に分散させるように、時間を調整することが好ましい。具体的な攪拌時間は、10秒以上2時間以下であることが分散性と導電性の観点より好ましい。より好ましくは30秒以上30分以下であり、さらに好ましくは1分以上5分以下である。攪拌処理の時間が10秒未満の場合は、せん断力が不足し、得られる分散液の分散性が低くなる。また攪拌処理の時間が2時間を越える場合は、得られる分散液に含まれるカーボンナノチューブが攪拌によりダメージを受け、導電性が低下する場合があり好ましくない。
分散に使用する分散媒は、特に制限は無いが、酸化処理によって導入される、水酸基、カルキシル基、エポキシ基などの官能基と親和性の高い極性溶媒を使用することが好ましい。極性溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、アミルアルコール、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、メントールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチルなどのエステル類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のエーテル類;エトキシエタノール、メトキシエトキシエタノール等のエーテルアルコール類;ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等のアミド系化合物;その他、水、モルホリン、アセトニトリルなどがあげられる。これらのなかでも、特に、水、アルコール、エーテルおよびそれらを組み合わせた溶媒がカーボンナノチューブの分散性から好ましい。中でも水を使用すると、カーボンナノチューブの表面官能基との水素結合によって分散性を向上する効果を得やすいため特に好ましい。
攪拌処理の際、分散剤をさらに加えて、カーボンナノチューブと伴に攪拌することが好ましい。本発明のカーボンナノチューブ含有組成物の製造方法によって得られたカーボンナノチューブ含有組成物は、カーボンナノチューブの特性を低下させない程度の官能基しか導入されていないため、カーボンナノチューブのみを分散媒と攪拌処理した場合、分散性はそれほど高くない。分散液を基材に塗布した場合に、高い導電性や熱伝導性を引き出せるほど分散させるため、分散剤を同時に投入して攪拌処理することが好ましい。
分散剤としては、分散媒が水以外の極性有機溶媒である場合は、ポリビニルアセタール誘導体またはセルロース誘導体が好ましく使用できる。具体的には、ポリビニルアセタール誘導体としては、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラールなどである。セルロース誘導体としては、セルロース誘導体がセルロースエーテルである場合は、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、メチルエチルセルロース、メチルプロピルセルロース、エチルプロピルセルロースなどが挙げられる。またセルロース誘導体がセルロースエステルである場合は、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースバレレート、セルロースステアレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートバレレート、セルロースアセテートカプロエート、セルロースプロピオネートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレートなどが挙げられる。また、セルロース誘導体がセルロースエーテルエステルである場合は、メチルセルロースアセテート、メチルセルロースプロピオネート、エチルセルロースアセテート、エチルセルロースプロピオネート、プロピルセルロースアセテート、プロピルセルロースプロピオネートなどが挙げられるがこれらに限定されない。
分散媒が水である場合は、イオン性の分散剤が使用可能で、コール酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム等剤のほか、コール酸、デオキシコール酸などのカルボン酸誘導体も使用可能である。また、水溶性のセルロース誘導体やポリエチレングリコール誘導体も使用可能である。中でもカルボキシメチルセルロース誘導体は、分散液中でカーボンナノチューブに付着した状態で、カルボキシラートの電気的な反発を利用してカーボンナノチューブの凝集が防がれるため、分散液の安定性が良く、導電性フィルムとした際の導電性が特に良好となる。カルボキシメチルセルロース誘導体は、水を分散媒として使用する場合に特に好ましく用いられ、特にエーテル化度が0.4〜1のものが好ましい。
カーボンナノチューブ分散液に含まれる分散剤の量は、カーボンナノチューブに吸着される量より多く、かつ、導電性を阻害しない量であることが好ましい。本発明により得られるカーボンナノチューブ分散液は、用いる分散剤が比較的少量であっても、分散媒中でカーボンナノチューブが高度に分散していることも特徴である。
カーボンナノチューブ分散液に含まれる分散剤の含有量としては、具体的にはカーボンナノチューブ含有組成物100重量部に対して分散剤が10重量部以上500重量部以下であることが好ましい。分散剤の含有量は、カーボンナノチューブ含有組成物100重量部に対して30重量部以上であることがより好ましい。また、含有量は、200重量部以下であることがより好ましい。分散剤の含有量が10重量部よりも少ない場合は、カーボンナノチューブの束が十分に解れないために分散性が低くなりやすい。含有量が、500重量部よりも多いと、過剰な分散剤によって導電パスが阻害されるために、分散液を基材に塗布した場合に、導電性が悪化する。また、分散剤に親水性官能基が存在する場合は、高温・高湿度といった環境変化に対して分散剤の吸湿などによる導電性の変化が起こりやすくなる。
また、分散液全体に対するカーボンナノチューブ含有組成物の含有量は0.01重量%以上、20重量%以下であることが好ましい。含有量は、0.05重量%以上であることがより好ましい。また含有量は、10重量%以下であることがさらに好ましい。カーボンナノチューブ含有組成物の含有量が0.01質量%より小さいと、カーボンナノチューブに付着した分散剤同士のイオン反発やカーボンナノチューブ表面官能基の電子反発を有効に利用できなくなるため好ましくない。
また、分散剤の重量平均分子量は、1万以上40万以下が好ましく、3万以上25万以下であることがより好ましく、さらに好ましくは、6万を超え、25万以下である。分散剤の重量平均分子量がこの範囲であると、分散時にカーボンナノチューブ間の隙間に分散剤が入りやすくなり、カーボンナノチューブの分散性が向上する。さらに基材上に分散液を塗布したとき、カーボンナノチューブの基材上での凝集も抑制されるため、得られる導電性成形体の導電性と透明性が両立できる。本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(装置:株式会社島津製作所製 LC−10Aシリーズ、カラム:昭和電工株式会社製 GF−7M HQ、移動相:10mmol/L 臭化リチウム水溶液、流速:1.0ml/min、カラム温度:25℃、検出:示差屈折率計)を用い、ポリエチレングリコールによる校正曲線と対比させて算出した値である。
重量平均分子量が上記範囲の分散剤は、重量平均分子量の範囲が上記の範囲になるように合成しても良いし、より高分子量の分散剤を加水分解などの方法で低分子量化することで得ても良い。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例5および7は、現在は参考例であり、実施例1〜4および6が本発明の実施例である。
(熱重量分析)
熱重量分析装置(島津製作所TGA−60)を用いて、試料を空気中、10℃/分の昇温速度で室温から1000℃まで昇温した。得られた重量減少曲線を時間で微分することにより、x軸を温度(℃)、y軸をDTG(mg/min)とする微分熱重量曲線(DTG)を得た。そのときの200〜950℃の温度範囲の重量減少率を測定した。
(ラマン分光分析)
共鳴ラマン分光計(ホリバ ジョバンイボン性 INF−300)に粉末試料を設置し、532nmのレーザー波長を用いて測定を行った。
(カーボンナノチューブの外径分布および層数分布の観察)
カーボンナノチューブ含有組成物1mgをエタノール1mLに入れて、15分間、超音波バスを用いて分散処理を行った。分散した試料をグリッド上に数滴滴下し、乾燥した。このように試料の塗布されたグリッドを透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製 JEM−2100)に設置し、測定を行った。カーボンナノチューブの外径分布および層数分布の観察は、倍率40万倍で行った。
(カーボンナノチューブの合成とその物性)
[参考例1]
図1に示す縦型の製造装置を使用して、カーボンナノチューブ含有組成物を製造した。
図1に示す合成装置は、カーボンナノチューブ含有組成物を合成する反応容器となる縦型反応管22、縦型反応管22の外周に設けられ、縦型反応管22内を加熱する加熱炉21、縦型反応管22内に触媒炭素源溶液を霧状に噴出する液体噴霧ノズル19、液体噴霧用キャリアガス流量計14、液体噴霧用キャリアガスを貯蔵するタンク16、キャリアガス導入口18、キャリアガスの流量を調整するキャリアガス流量計15、キャリアガスを貯蔵するタンク17、縦型反応管22内に触媒炭素源溶液を導入する送液ポンプ13、合成されたカーボンナノチューブ含有組成物を回収する回収ボックス24および回収ボックス24内に設置された回収フィルター25によって構成される。また、縦型反応管22は、上部フランジ20と下部フランジ23によって接続部からガスが漏れないように他の部材と接続されている。
シリンジ11には、炭素源として、常温常圧で液体状態の芳香族化合物と有機遷移金属化合物であるフェロセンと有機硫黄化合物であるチオフェンを混合した触媒炭素源溶液12が貯留されていて、送液ポンプ13にて導入量を調整できる。
触媒炭素源溶液12を、液体噴霧ノズル19から噴霧することによって縦型反応管22内に導入し、過熱炉21に囲まれた縦型反応管22中で気相流動CVD法を行なうことによって、精製前のカーボンナノチューブ含有組成物を合成した。得られた精製前カーボンナノチューブ含有組成物は、フィルター25によって回収した。フィルター25によってカーボンナノチューブ含有組成物が除去されたキャリアガスは、排気口26から系外へ排出される。
回収した精製前のカーボンナノチューブ含有組成物を約1mg熱重量分析装置に設置し、空気中、10℃/分の昇温速度で室温から1000℃まで昇温した。そのときの200〜950℃の重量減少率は89%であり、TG(H)/(TG(L)+TG(H))は0.81であった。また、波長532nmによるラマン分光分析の結果、G/D比は83であった。
[参考例2]
特開2011−148674の実施例1の方法(担持触媒CVD法)を用いてカーボンナノチューブ含有組成物を製造し、回収した。
回収した精製前のカーボンナノチューブ含有組成物を約1mg熱重量分析装置に設置し、空気中、10℃/分の昇温速度で室温から1000℃まで昇温した。そのときの200〜950℃の重量減少率は95%であり、TG(H)/(TG(L)+TG(H))は0であった。また、波長532nmによるラマン分光分析の結果、G/D比は13であった。
[実施例1]
参考例1で得られた精製前のカーボンナノチューブ含有組成物を、7.5重量%硝酸中で、還流温度103℃、2時間撹拌しながら液相酸化することにより、精製されたカーボンナノチューブ含有組成物を得た。精製されたカーボンナノチューブ含有組成物を熱重量分析した結果、200〜950℃の重量減少率は100%であり、TG(H)/(TG(L)+TG(H))は0.83であり、またTG(H)のピーク温度は835℃であった。また、波長532nmによるラマン分光分析の結果、G/D比は124であった。回収率は89重量%であった。ここで、回収率とは、精製前のカーボンナノチューブ含有組成物の重量を100重量%としたときの、得られた精製後カーボンナノチューブ含有組成物の重量比率のことである。
[実施例2]
参考例1で得られた精製前のカーボンナノチューブ含有組成物を7.5重量%硝酸中で、還流温度103℃、6時間撹拌しながら液相酸化することにより、精製されたカーボンナノチューブ含有組成物を得た。精製されたカーボンナノチューブ含有組成物を熱重量分析した結果、200〜950℃の重量減少率は100%であり、TG(H)/(TG(L)+TG(H))は0.81であり、またTG(H)のピーク温度は829℃であった。また、波長532nmによるラマン分光分析の結果、G/D比は121であった。回収率は89重量%であった。
[実施例3]
参考例1で得られた精製前のカーボンナノチューブ含有組成物を15重量%硝酸中で、還流温度105℃、6時間撹拌しながら液相酸化することにより、精製されたカーボンナノチューブ含有組成物を得た。精製されたカーボンナノチューブ含有組成物を熱重量分析した結果、200〜950℃の重量減少率は100%であり、TG(H)/(TG(L)+TG(H))は0.81であり、またTG(H)のピーク温度は784℃であった。また、波長532nmによるラマン分光分析の結果、G/D比は110であった。2層カーボンナノチューブの割合は74%であった。回収率は88重量%であった。
[実施例4]
参考例1で得られた精製前のカーボンナノチューブ含有組成物を3.8重量%の硝酸中で、還流温度101℃、2時間撹拌しながら液相酸化することにより、精製されたカーボンナノチューブ含有組成物を得た。精製されたカーボンナノチューブ含有組成物を熱重量分析した結果、200〜950℃の重量減少率は99%であり、TG(H)/(TG(L)+TG(H))は0.83であり、またTG(H)のピーク温度は832℃であった。また、波長532nmによるラマン分光分析の結果、G/D比は122であった。回収率は90重量%であった。


[実施例5](現在は参考例である)
参考例1で得られた精製前のカーボンナノチューブ含有組成物を30重量%の硝酸中で、還流温度110℃、6時間撹拌しながら液相酸化することにより、精製されたカーボンナノチューブ含有組成物を得た。精製されたカーボンナノチューブ含有組成物を熱重量分析した結果、200〜950℃の重量減少率は99%であり、TG(H)/(TG(L)+TG(H))は0.8であり、またTG(H)のピーク温度は770℃であった。また、波長532nmによるラマン分光分析の結果、G/D比は95であった。回収率は85重量%であった。
[比較例1]
参考例1で得られた精製前のカーボンナノチューブ含有組成物を60重量%硝酸中で、還流温度121℃、2時間撹拌しながら液相酸化することにより、精製されたカーボンナノチューブ含有組成物を得た。精製されたカーボンナノチューブ含有組成物を熱重量分析した結果、200〜950℃の重量減少率は100%であり、TG(H)/(TG(L)+TG(H))は0.79であり、またTG(H)のピーク温度は760℃であった。また、波長532nmによるラマン分光分析の結果、G/D比は103であった。2層カーボンナノチューブの割合は74%であった。回収率は85重量%であった。
[比較例2]
参考例2で得られた精製前のカーボンナノチューブ含有組成物を60重量%硝酸中で還流温度121℃、25時間撹拌しながら液相酸化することにより、精製されたカーボンナノチューブ含有組成物を得た。精製されたカーボンナノチューブ含有組成物を熱重量分析した結果、200〜950℃の重量減少率は100%であり、TG(H)/(TG(L)+TG(H))は0.79であり、またTG(H)のピーク温度は725℃であった。また、波長532nmによるラマン分光分析の結果、G/D比は70であった。回収率は13重量%であった。
[比較例3]
参考例2で得られた精製前のカーボンナノチューブ含有組成物を50重量%硝酸中で還流温度117℃、50時間撹拌しながら液相酸化することにより、精製されたカーボンナノチューブ含有組成物を得た。精製されたカーボンナノチューブ含有組成物を熱重量分析した結果、200〜950℃の重量減少率は100%であり、TG(H)/(TG(L)+TG(H))は0.84であり、またTG(H)のピーク温度は757℃であった。また、波長532nmによるラマン分光分析の結果、G/D比は41であった。回収率は10重量%であった。
[比較例4]
参考例2で得られた精製前のカーボンナノチューブ含有組成物を60重量%硝酸中で還流温度121℃、5時間撹拌しながら液相酸化することにより、精製されたカーボンナノチューブ含有組成物を得た。精製されたカーボンナノチューブ含有組成物を熱重量分析した結果、200〜950℃の重量減少率は99%であり、TG(H)/(TG(L)+TG(H))は0.9であり、またTG(H)のピーク温度は725℃であった。また、波長532nmによるラマン分光分析の結果、G/D比は80であった。回収率は80重量%であった。
以上の結果より、精製前のカーボンナノチューブ含有組成物のラマン分光分析におけるGバンドとDバンドの強度比(G/D比)が50以上であるカーボンナノチューブ含有組成物に対して、1重量%以上、30重量%未満の硝酸を用い加熱還流による液相酸化を行うことで簡便に炭素不純物と触媒を除去でき、高品質なカーボンナノチューブ含有組成物を高収率で得ることができた。
[実施例6]
実施例3で得られたカーボンナノチューブ含有組成物56.25mg、カルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬(株)社製、セロゲン5Aの加水分解物、重量平均分子量35000)10wt%水溶液843.85mg、および炭酸アンモニウム(和光純薬製)112.5mgを混合し、さらに蒸留水を加えることによって37.5gにし、撹拌機としてIMF−800DG(岩谷産業株式会社製)を用いて、撹拌ブレードの回転数20000rpmで3分間撹拌処理を行うことによってカーボンナノチューブ分散液を調製した。
<分散液の評価>
得られたカーボンナノチューブ分散液は、カーボンナノチューブが高度に分散し、カーボンナノチューブの特徴である高い導電性を維持しているということを示すため、東レ株式会社製PETフィルム(U46、厚み100μm)に、得られたカーボンナノチューブ分散液を塗布し、透明導電性を評価した。
測定用のフィルムは、上記のようにして得られたカーボンナノチューブ分散液を、水で約3倍に希釈し、ワイヤーバーコーターを用いて塗液膜厚4μ〜150μの範囲で塗布量を調整して塗布した後、フィルムを乾燥することによって、カーボンナノチューブ塗布フィルムを得た。透過率は、日本電色工業株式会社製ヘイズメーターNDH4000を使用して、JIS K7105に準じて基材ごと測定した。表面抵抗値は、JISK7194(1994年12月制定)準処の4端子4探針法に従って、ロレスタ(登録商標)EP MCP−T360((株)ダイアインスツルメンツ社製)を用いて測定した。
塗液膜厚を変えて、評価を行ったところ、カーボンナノチューブ塗布フィルムの全光線透過率88.5%における表面抵抗値が320Ω/□と、良好な透明導電性を示すことが分かった。
また、カーボンナノチューブ分散液の分散性を評価するため、得られたカーボンナノチューブ分散液を1万Gにて10分間遠心処理をした後、90vol%を上清として回収したとき、上清部分のカーボンナノチューブ分散液の濃度が、遠心処理前のカーボンナノチューブ分散液の濃度の90重量%であった。結果を表2に示す。カーボンナノチューブ分散液の濃度は、分散液10gを120℃に加熱して溶媒を蒸発させ、得られた残渣をさらに24時間乾燥させた後、乾燥した残渣の重量から、分散処理時に混合した分散剤の量から計算した分散剤の重量を差し引くことによって、分散液中に含まれるカーボンナノチューブの重量を算出し、カーボンナノチューブ分散液の濃度を計算した。
[実施例7](現在は参考例である)
実施例5で得られたカーボンナノチューブ含有組成物を用いて、実施例6と同様にカーボンナノチューブ分散液を調製し、実施例6と同様に透明導電性および遠心処理後の上清部分のCNT分散液の濃度を測定した。
カーボンナノチューブ塗布フィルムの全光線透過率88.5%における表面抵抗値は300Ω/□であり、良好な透明導電性を示すことが分かった。
また、カーボンナノチューブ分散液の分散性を評価するため、得られたカーボンナノチューブ分散液を1万Gにて10分間遠心処理をした後、90vol%を上清として回収したときの上清部分のカーボンナノチューブ分散液濃度が、遠心処理前のカーボンナノチューブ分散液の濃度の90重量%であった。結果を表2に示す。
カーボンナノチューブ塗布フィルムの全光線透過率88.5%における表面抵抗値は300Ω/□であり、良好な透明導電性を示すことが分かった。
また、カーボンナノチューブ分散液の分散性を評価するため、得られたカーボンナノチューブ分散液を1万Gにて10分間遠心処理をした後、90vol%を上清として回収したときの上清部分のカーボンナノチューブ分散液濃度が、遠心処理前のカーボンナノチューブ分散液の濃度の90重量%であった。結果を表2に示す。
[比較例5]
比較例4で得られたカーボンナノチューブ含有組成物を用いて実施例6と同様にカーボンナノチューブ分散液を調製し、実施例6と同様に透明導電性および遠心処理後の上清部分のCNT分散液の濃度を測定した。
カーボンナノチューブ塗布フィルムの全光線透過率88.5%における表面抵抗値は450Ω/□であり、実施例6と比較して透明導電性が悪かった。
また、カーボンナノチューブ分散液の分散性を評価するため、得られたカーボンナノチューブ分散液を1万Gにて10分間遠心処理をした後、90vol%を上清として回収したときの上清部分のカーボンナノチューブ分散液濃度が、遠心処理前のカーボンナノチューブ分散液の濃度の75重量%であった。結果を表2に示す。
[比較例6]
参考例1に示すカーボンナノチューブ含有組成物(硝酸による液相酸化処理をしていないサンプル)を用いて実施例6と同様にカーボンナノチューブ分散液を調製し、実施例6と同様に評価を行った。結果は表2に示す。実施例6と比較して、透明導電性および分散性が共に悪かった。
[比較例7]
攪拌による分散を行わなかった以外は実施例6と同様にカーボンナノチューブ分散液を調製し、実施例6と同様に評価を行った。結果は表2に示す。カーボンナノチューブ含有組成物は分散せず、透明導電性も評価できなかった。
[比較例8]
攪拌の代わりに超音波ホモジナイザーを用いてカーボンナノチューブ含有組成物を分散した以外は実施例6と同様にカーボンナノチューブ分散液を調製し、実施例6と同様に評価を行った。結果は表2に示す。カーボンナノチューブ含有組成物の分散性は良好であったが、表面抵抗値は500Ω/□であり、実施例6と比べて悪かった。
Figure 0006380687
Figure 0006380687
本発明によれば、高結晶性、純度が高いカーボンナノチューブが高度に分散した分散液を製造することができる。そのようなカーボンナノチューブ分散液を用いることによって高い導電性と高い透明性とを両立した透明導電膜や透明導電性積層体を得ることができる。
11シリンジ
12触媒炭素源溶液
13送液ポンプ
14液体噴霧用キャリアガス流量計
15キャリアガス流量計
16液体噴霧用キャリアガスタンク
17キャリアガスタンク
18キャリアガス導入口
19液体噴霧ノズル
20上部フランジ
21加熱炉
22縦型反応管
23下部フランジ
24回収ボックス
25回収フィルター
26排気ガス

Claims (8)

  1. 気相流動法でラマン分光分析におけるGバンドとDバンドの強度比(G/D比)が50以上である精製前カーボンナノチューブ含有組成物を製造し、次いで該精製前カーボンナノチューブ含有組成物を、1重量%以上、30重量%未満の濃度の硝酸を用い、加熱還流することにより液相酸化を行う液相酸化工程を含むカーボンナノチューブ含有組成物の製造方法により得られたカーボンナノチューブ含有組成物を、分散媒と共に撹拌処理を施すことにより、分散媒にカーボンナノチューブ含有組成物を分散させる工程を含むカーボンナノチューブ分散液の製造方法
  2. 前記気相流動法において、触媒、炭素源およびキャリアガスを縦型反応管に上部から導入し、精製前カーボンナノチューブ含有組成物を製造する請求項1に記載のカーボンナノチューブ分散液の製造方法。
  3. 前記加熱還流温度を100℃以上、110℃以下の温度範囲で行う請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ分散液の製造方法。
  4. 前記液相酸化工程における硝酸濃度が1重量%以上、20重量%未満である請求項1〜3のいずれかに記載のカーボンナノチューブ分散液の製造方法。
  5. 前記液相酸化工程を1時間以上、24時間以下行う請求項1〜4のいずれかに記載のカーボンナノチューブ分散液の製造方法。
  6. 得られたカーボンナノチューブ含有組成物において、全てのカーボンナノチューブに対する2層カーボンナノチューブの数の割合が60%以上である請求項1〜5のいずれかに記載のカーボンナノチューブ分散液の製造方法。
  7. 前記撹拌処理を施す工程において、分散剤をさらに加えて、撹拌処理を施す請求項に記載のカーボンナノチューブ分散液の製造方法。
  8. 前記撹拌処理が、容器内で撹拌ブレードを3000回転/分以上50000回転/分以下の回転数で回転させる処理である請求項記載のカーボンナノチューブ分散液の製造方法。
JP2017548085A 2016-08-31 2017-08-29 カーボンナノチューブ分散液の製造方法 Expired - Fee Related JP6380687B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016169145 2016-08-31
JP2016169145 2016-08-31
JP2017113360 2017-06-08
JP2017113360 2017-06-08
PCT/JP2017/030939 WO2018043487A1 (ja) 2016-08-31 2017-08-29 カーボンナノチューブ含有組成物の製造方法、カーボンナノチューブ分散液の製造方法およびカーボンナノチューブ含有組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6380687B2 true JP6380687B2 (ja) 2018-08-29
JPWO2018043487A1 JPWO2018043487A1 (ja) 2018-09-06

Family

ID=61300983

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017548085A Expired - Fee Related JP6380687B2 (ja) 2016-08-31 2017-08-29 カーボンナノチューブ分散液の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6380687B2 (ja)
WO (1) WO2018043487A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116022775A (zh) * 2022-12-29 2023-04-28 蜂巢能源科技(上饶)有限公司 一种碳纳米管提纯方法及应用

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112203979A (zh) * 2018-04-12 2021-01-08 新加坡科技研究局 碳净化方法和碳产品
CN112299394A (zh) * 2019-07-31 2021-02-02 东华理工大学 一种高性能碳纳米管及其制备方法
JPWO2021095600A1 (ja) * 2019-11-14 2021-05-20
WO2021131920A1 (ja) 2019-12-27 2021-07-01 日本ゼオン株式会社 繊維状炭素ナノ構造体、および表面改質繊維状炭素ナノ構造体の製造方法
JP7359037B2 (ja) 2020-02-27 2023-10-11 日本ゼオン株式会社 カーボンナノチューブ分散液の製造方法
JP6870771B1 (ja) * 2020-08-31 2021-05-12 日本ゼオン株式会社 電気化学素子用導電材分散液、電気化学素子電極用スラリー、電気化学素子用電極及び電気化学素子

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005007622A (ja) * 2003-06-17 2005-01-13 Takenaka Seisakusho:Kk 機能性被膜が形成された被覆物及び機能性被覆剤並びに機能性被覆剤の製造方法
ATE376571T1 (de) * 2004-03-20 2007-11-15 Teijin Twaron Bv Verbundwerkstoffe, enthaltend ppta und nanoröhren
JP2009149503A (ja) * 2007-11-30 2009-07-09 Toray Ind Inc カーボンナノチューブ組成物の製造方法
JP5839794B2 (ja) * 2010-11-29 2016-01-06 東レ株式会社 カーボンナノチューブ含有組成物の製造方法。
JP5831966B2 (ja) * 2011-07-08 2015-12-16 国立研究開発法人産業技術総合研究所 単層カーボンナノチューブと二層カーボンナノチューブが任意比率で混合してなるカーボンナノチューブ集合体の製造方法
US9156698B2 (en) * 2012-02-29 2015-10-13 Yazaki Corporation Method of purifying carbon nanotubes and applications thereof
US20150093322A1 (en) * 2012-04-27 2015-04-02 Showa Denko K.K. Method for purifying multi-walled carbon nanotubes
JP2015048263A (ja) * 2013-08-30 2015-03-16 帝人株式会社 単層カーボンナノチューブ及び二層カーボンナノチューブを含有しているカーボンナノチューブ集合体、並びにその合成方法
CN104760946B (zh) * 2015-03-20 2016-08-17 中国科学院金属研究所 一种混合气态碳源制备单壁碳纳米管纤维的方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116022775A (zh) * 2022-12-29 2023-04-28 蜂巢能源科技(上饶)有限公司 一种碳纳米管提纯方法及应用
CN116022775B (zh) * 2022-12-29 2024-02-09 蜂巢能源科技(上饶)有限公司 一种碳纳米管提纯方法及应用

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2018043487A1 (ja) 2018-09-06
WO2018043487A1 (ja) 2018-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6380687B2 (ja) カーボンナノチューブ分散液の製造方法
JP7193212B2 (ja) カーボンナノチューブとその製造方法、及びカーボンナノチューブ分散体
Shirazi et al. Effects of different carbon precursors on synthesis of multiwall carbon nanotubes: Purification and Functionalization
US9802823B2 (en) Carbon nanotube fiber and method for producing same
WO2012070537A1 (ja) 凝集紡糸構造体およびその製造方法ならびにそれを用いた電線
KR101748894B1 (ko) 제거가능한 첨가제를 지닌 용매계 및 수계 탄소 나노튜브 잉크
KR102512338B1 (ko) 카본 나노튜브막 및 그 제조 방법
JP2008100895A (ja) 単層カーボンナノチューブの製造方法、単層カーボンナノチューブおよび単層カーボンナノチューブ応用装置の製造方法
JP2009242145A (ja) カーボンナノチューブ膜の製造方法
JP5585325B2 (ja) カーボンナノチューブ水分散液
JP5347301B2 (ja) カーボンナノチューブ膜の製造方法
US10995223B2 (en) Fibrous carbon nanostructure dispersion liquid
US10392254B2 (en) Carbon film and method for producing the same
CN113905976A (zh) 碳-碳纳米管杂化材料及其生产方法
JP2010024127A (ja) ニトロ化カーボンナノチューブおよび表面修飾カーボンナノチューブの製造方法
JP6275743B2 (ja) 除去可能な添加剤を用いた溶媒系および水系カーボンナノチューブインク
JP2016190772A (ja) 炭素膜およびその製造方法
JPWO2017104772A1 (ja) 繊維状炭素ナノ構造体分散液
Zhang et al. Controlled synthesis of single-walled carbon nanotubes by floating catalyst CVD for transparent conducting films: A critical role of loops
US20170240426A1 (en) Method of functionalizing surfaces of carbon nanomaterials
Ozarkar et al. Improved dispersion of carbon nanotubes in chitosan
JP2020055747A (ja) 炭素膜およびその製造方法
KR20180044252A (ko) 금속나노와이어 및 이의 제조방법
JP7276625B2 (ja) 窒化ホウ素ナノチューブの製造方法
Shen et al. Effect of organic additives in catalyst preparation on the growth of single-wall carbon nanotubes prepared by catalyst-assisted chemical vapour deposition

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180306

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180306

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20180306

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20180322

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180410

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180529

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180703

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180716

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6380687

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees