JP5839794B2 - カーボンナノチューブ含有組成物の製造方法。 - Google Patents
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[3]前記、酸化反応が12時間以上である[1]または[2]記載のカーボンナノチューブ含有組成物の製造方法。
[5]前記、酸化反応が硝酸による液相酸化であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ含有組成物の製造方法。
約24.6gのクエン酸鉄(III)アンモニウム(和光純薬工業社製)をイオン交換水6.2kgに溶解した。この溶液に、酸化マグネシウム(岩谷社製 MJ−30)を約1000g加え、撹拌機で60分間激しく撹拌処理した後に、懸濁液を10Lのオートクレーブ容器中に導入した。この時、洗い込み液としてイオン交換水0.5kgを使用した。密閉した状態で160℃に加熱し6時間保持した。その後オートクレーブ容器を放冷し、容器からスラリー状の白濁物質を取り出し、過剰の水分を吸引濾過により濾別し、濾取物中に少量含まれる水分は120℃の乾燥機中で加熱乾燥した。得られた固形分は篩い上で、乳鉢で細粒化しながら、20〜32メッシュ(0.5〜0.85mm)の範囲の粒径を回収した。左記の顆粒状の触媒体を電気炉中に導入し、大気下600℃で3時間加熱した。かさ密度は0.32g/mLであった。また、濾液をエネルギー分散型X線分析装置(EDX)により分析したところ鉄は検出されなかった。このことから、添加したクエン酸鉄(III)アンモニウムは全量酸化マグネシウムに担持されたことが確認できた。さらに触媒体のEDX分析結果から、触媒体に含まれる鉄含有量は0.39wt%であった。
図6に示した装置を用いてカーボンナノチューブの合成を行った。反応器603は内径75mm、長さは1100mmの円筒形石英管である。中央部に石英焼結板602を具備し、石英管下方部には、不活性ガスおよび原料ガス供給ラインである混合ガス導入管608、上部には廃ガス管606を具備する。さらに、反応器を任意温度に保持できるように、反応器の円周を取り囲む加熱器として3台の電気炉601を具備する。また反応管内の温度を検知するために温度計605を具備する。
共鳴ラマン分光計(ホリバ ジョバンイボン製 INF−300)に粉末試料を設置し、633nmのレーザー波長を用いて測定を行った。測定に際しては3箇所、別の場所にて分析を行い、G/D比はその相加平均で表した。
カーボンナノチューブ組成物約0.5mgをエタノール約2mLに入れて、約15分間超音波バスを用いて分散処理を行った。分散した試料をグリッド上に滴下して乾燥した。この様に試料の塗布されたグリッドを透過型電子顕微鏡(日本電子製 JEM−2100)に設置し、測定を行った。測定倍率はそれぞれ5万倍から50万倍で行い、カーボンナノチューブの外径分布および層数分布の観察は40万倍で行った。加速電圧は120kVである。
カーボンナノチューブ含有組成物製造例1で得られたウェット状態のカーボンナノチューブ含有組成物の乾燥重量分に対して、約300倍の重量の濃硝酸(和光純薬工業社製 1級 Assay60〜61%)を添加した。その後、約140℃±4℃に加熱したオイルバスで25時間攪拌しながら加熱還流した。加熱還流後、室温まで放冷し、カーボンナノチューブ含有組成物を含む硝酸溶液をイオン交換水で3倍に希釈して、ミリポア社製オムニポアメンブレンフィルター(フィルタータイプ:1.0μmJA)をしいた内径90mmろか器を用いて吸引濾過した。イオン交換水で濾取物の懸濁液が中性となるまで水洗後、水を含んだウェット状態のままカーボンナノチューブ組成物を得た。得られたカーボンナノチューブ含有組成物の含むウェットケークを28%アンモニア水溶液(和光純薬)300mLに添加し、室温下で1時間撹拌した。その後、該溶液をミリポア社製オムニポアメンブレンフィルター(フィルタータイプ:1.0μmJA)をしいた内径90mmろか器を用いて吸引濾過した。その後メンブレンフィルター上のウェットケークが中性付近になるまでイオン交換水で洗浄した。水を含んだウェット状態のままカーボンナノチューブ含有組成物を保存した。このとき水を含んだウェット状態のカーボンナノチューブ含有組成物全体の重量は10.6gあった(カーボンナノチューブ含有組成物濃度:3.2wt%)。回収率は13.4%であった。
実施例1と同様の操作でアンモニア処理まで行って得られた、水を含んだウェット状態のままのカーボンナノチューブ含有組成物を乾燥重量として0.34g取り出し、60%硝酸水溶液(和光純薬工業社製 1級 Assay60〜61%)0.3L中に添加した。室温で24時間撹拌した後にミリポア社製オムニポアメンブレンフィルター(フィルタータイプ:1.0μmJA)をしいた内径90mmろか器を用いて吸引濾過した。その後メンブレンフィルター上のウェットケークが中性付近になるまでイオン交換水で洗浄した。水を含んだウェット状態のままカーボンナノチューブ含有組成物を保存した。このとき水を含んだウェット状態のカーボンナノチューブ含有組成物全体の重量は10.9gあった(カーボンナノチューブ含有組成物濃度:3.0wt%)。硝酸水溶液に添加する前、すなわちアンモニア水溶液によるアルカリ処理後からの回収率は96.2%であった。
実施例1と同様の操作で硝酸処理時間を12時間として反応を行った。その結果、水を含んだウェット状態のカーボンナノチューブ含有組成物全体の重量は14.1gあった(カーボンナノチューブ含有組成物濃度:2.9wt%)。回収率は15.9%であった。
実施例1と同様の操作で硝酸濃度を50%となるようにイオン交換水で希釈し、反応時間50時間で加熱還流を行った。その結果、水を含んだウェット状態のカーボンナノチューブ含有組成物全体の重量は8.0gあった(カーボンナノチューブ含有組成物濃度:3.6wt%)。回収率は10%であった。
カーボンナノチューブ含有組成物製造例1で得られたウェット状態のカーボンナノチューブ含有組成物の乾燥重量分に対して、約300倍の重量の濃硝酸(和光純薬工業社製 1級 Assay60〜61%)を添加した。その後、約140℃±4℃に加熱したオイルバスで25時間攪拌しながら加熱還流した。加熱還流後、室温まで放冷し、カーボンナノチューブ含有組成物を含む硝酸溶液をイオン交換水で3倍に希釈して、ミリポア社製オムニポアメンブレンフィルター(フィルタータイプ:1.0μmJA)をしいた内径90mmろか器を用いて吸引濾過した。イオン交換水で濾取物の懸濁液が中性となるまで水洗後、水を含んだウェット状態のままカーボンナノチューブ組成物を保存した。このとき水を含んだウェット状態のカーボンナノチューブ組成物全体の重量は3.351gあった(カーボンナノチューブ含有組成物濃度:5.29wt%)。回収率は13.1%であった。
比較例1と同様の操作で硝酸濃度を50%となるようにイオン交換水で希釈し、反応時間50時間で加熱還流を行った。その結果、水を含んだウェット状態のカーボンナノチューブ含有組成物全体の重量は3.3gあった(カーボンナノチューブ含有組成物濃度:7.4wt%)。回収率は10%であった。
カーボンナノチューブ含有組成物製造例1で得られたウェットケーク32.5g(固形濃度3.1wt%)と60%硝酸水溶液(和光純薬工業社製 1級 Assay60〜61%)1Lを2Lナス型フラスコに添加し、85±4℃に加熱したオイルバス中で加熱還流を48時間行った。該反応液を室温まで放冷後、遠心分離機(トミー工業株式会社製 微量高速冷却遠心機 MX−300)で遠心分離(10,000G,30分)を行い、沈殿物を回収した後に0.1Mの水酸化ナトリウム水溶液に添加し、室温下で1時間撹拌した。該溶液をミリポア社製オムニポアメンブレンフィルター(フィルタータイプ:1.0μmJA)をしいた内径90mmろか器を用いて吸引濾過した。その後メンブレンフィルター上のウェットケークが中性付近になるまでイオン交換水で洗浄した。水を含んだウェット状態のままカーボンナノチューブ含有組成物を保存した。このとき水を含んだウェット状態のカーボンナノチューブ含有組成物全体の重量は9.6gあった(カーボンナノチューブ含有組成物濃度:9.2wt%)。回収率は88%であった。
実施例1と同様の操作でアンモニア水溶液の代わりに0.1Mの水酸化ナトリウム水溶液を用いた。その結果、水を含んだウェット状態のカーボンナノチューブ含有組成物全体の重量は3.7gあった(カーボンナノチューブ含有組成物濃度:3.3wt%)。回収率は13.5%であった。
602 石英焼結板
603 反応器
604 触媒層
605 温度計
606 廃ガス管
607 マスフローコントローラー
608 混合ガス導入管
Claims (6)
- カーボンナノチューブ含有組成物を酸化反応した後に、アンモニア溶液で処理することで、空気中で10℃/分で昇温したときの熱重量分析で、高温側の燃焼ピークが700〜850℃にあり、かつ低温側の重量減量分(TG(L))と高温側の重量減量分(TG(H))が、TG(H)/(TG(L)+TG(H))=0.83以上とすることを特徴とするカーボンナノチューブ含有組成物の製造方法であって、酸化反応が25時間以下である製造方法。
- 前記、酸化反応後、アンモニア溶液で処理する前のカーボンナノチューブ含有組成物が、空気中で10℃/分で昇温したときの熱重量分析で、高温側の燃焼ピークが700〜850℃にあり、かつ低温側の重量減量分(TG(L))と高温側の重量減量分(TG(H))が、TG(H)/(TG(L)+TG(H))=0.5以上であることを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブ含有組成物の製造方法。
- 前記、酸化反応が12時間以上である請求項1または2記載のカーボンナノチューブ含有組成物の製造方法。
- 前記、酸化反応が液相酸化で100℃より高い温度で行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカーボンナノチューブ含有組成物の製造方法。
- 前記、酸化反応が硝酸による液相酸化であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカーボンナノチューブ含有組成物の製造方法。
- 前記、酸化反応に供するカーボンナノチューブ含有組成物が外径1〜3nmの範囲の二層カーボンナノチューブを含んでいることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のカーボンナノチューブ含有組成物の製造方法。
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