JP6275743B2 - 除去可能な添加剤を用いた溶媒系および水系カーボンナノチューブインク - Google Patents

除去可能な添加剤を用いた溶媒系および水系カーボンナノチューブインク Download PDF

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Description

本開示の対象物は、カーボンナノチューブの分散体またはインクの形成に関する。特に、本開示の対象物は、除去可能な添加剤を用いて得た水および溶媒中の界面活性剤を含まないカーボンナノチューブインクの形成に関する。
背景
単層カーボンナノチューブ(SWCNT)、二層カーボンナノチューブ(DWCNT)、および多層カーボンナノチューブ(MWCNT)のほとんどの適用では、多くの場合、それらが適切な溶媒系において精製された形態の分散体の形態で利用できる必要がある。これらの型のカーボンナノチューブは、特に記載がないかぎり、総称してカーボンナノチューブ(CNT)と記載される。
生産したままの未処理カーボンナノチューブのすすは一般に、所望のカーボンナノチューブ生成物に加えて、遷移金属触媒、黒鉛状炭素、無定形炭素ナノ粒子、フラーレン、カーボンオニオン、および多環式芳香族炭化水素などの、材料不純物(外来不純物)を含む。所与の未処理材料中の電子不純物の性質および程度は、例えば、レーザー、アーク、高圧一酸化炭素変換(HiPco)、化学蒸着(CVD)、または燃焼などの、合成の方法に依存しうる。
公知の精製プロトコルは一般には、予備酸化、酸還流、機械的混合、超音波処理、ろ過、中和、および遠心分離のような一般的単位操作の段階を含む。適切な組み合わせの選択は、カーボンナノチューブの生産法および標的とする具体的な不純物に依存する。以下に示すとおり、表1は異なるナノチューブ試料中の主な不純物およびそれらの精製において用いられる単位操作の例示的リストを提供する。
Figure 0006275743
A. G. Rinzler et al., "Large-scale purification of single-walled carbon nanotubes: process, product, and characterization," Appl. Phys. A 67, 29-37 (1998)(非特許文献1)は、単層カーボンナノチューブを精製するために必須の段階として、例えば、硝酸還流、中和、遠心分離、およびクロスフローろ過を含む、一連の段階を用いてカーボンナノチューブを精製するための大規模精製アプローチを記載している。
触媒金属粒子、フラーレン炭素、無定形炭素、黒鉛状炭素、およびカーボンオニオンなどの外来不純物は、調製したままの未処理カーボンナノチューブ試料中に異なる程度で存在する。精製プロトコルの一部としての酸化的化学処理および典型的精製工程の一部としての複数の酸処理により、妥当な純度のカーボンナノチューブ(<0.5重量%の不純物)が得られる。しかし、所与の長さおよび直径のSWCNTに対して固有の導電性がSWCNTの非局在化π電子から生じるため、徹底的な化学的精製または精製工程中の側壁誘導体化は個々のSWCNTのπ電子を流出させる。そのような導電型電子の減少は、単一のチューブの導電性の劇的な低下ならびにファンホーブ特異点に起因するバンド間光学遷移の消失を引き起こす。したがって、多くの用途、特に光学的および電気的特性の組み合わせを必要とする用途のために、CNTの電子構造を実質的に完全なまま保持することがSWCNTインクの形成において重要な局面である。
アニオン性、カチオン性、または非イオン性界面活性剤を用いて、水中でカーボンナノチューブの安定な分散体を形成させる、多くのアプローチがある。これらの界面活性剤は、個別または細い束のいずれかとしての分散型で、CNTの表面上に単層コーティングを形成する。水媒質中にカーボンナノチューブを可溶化するための、イオン性または中性ポリマー分子を用いる、広く報告されたアプローチもある。特に、公知の例は、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、およびPEO-PPO-PEOのトリブロックコポリマーである。しかし、そのような分散体から固体基板上にCNTネットワークの薄膜が形成されると、界面活性剤またはポリマーのほとんどはカーボンナノチューブ上のコーティングとしてのカーボンナノチューブフィルム/ネットワークの一部として残り、高温処理後でさえそこに残る。そのような表面不純物の存在は、カーボンナノチューブネットワークの電子的特性に影響をおよぼし、例えば、ネットワークの導電性を低下させる。
有機溶媒中でカーボンナノチューブ分散体またはインクを形成させるための別のアプローチは、それらを化学的に誘導体化することである。例えば、Haddonら、米国特許第6,331,262号(特許文献1)は、カルボキシル化と、続く酸塩化物形成と、続く長鎖アミンと反応させることによるアミド連結の形成を用いての末端官能基化を含むアプローチを記載している。しかし、得られた有機溶媒中の溶液はUV-可視領域で特徴的な吸収特性を示さず、それにより非局在化π電子が完全に、または著しく消失したことを示唆していた。加えて、官能基化されたカーボンナノチューブの電子的特性は報告されていないことが留意されるべきである。
Huangら、米国特許公報第2006/0124028 A1号(特許文献2)は、インクジェット印刷のために設計された水性媒質中のカーボンナノチューブインク組成物を記載しており、これらはアゾ化合物およびカルボキシル化単層カーボンナノチューブを含む化学反応によって得られた。このアプローチは、アゾ官能基化によって変化したCNTの固有の特性ではなく、分散体またはインクのインクジェット印刷適性に焦点をあわせている。
これらの先行技術のアプローチにもかかわらず、特にSWCNTのために調製されたカーボンナノチューブには、以下の制限のうちの1つまたは複数がある:
a)単層カーボンナノチューブの電子構造の著しい改変または電子的欠陥を示すバンド間光学遷移の消失;および/または
b)そのようなインクを用いてカーボンナノチューブネットワークまたはフィルムを形成させた場合の、固体フィルムから除去不可能な界面活性剤またはポリマー分散補助剤残留物。
(a)SWCNTが、完全なままの電子構造を示すそのバンド間光学遷移を失っておらず、かつ(b)SWCNTを安定化させるために用いる分散補助剤が、そのようなインクから形成されたフィルムなどの固体生成物中に不揮発性残留物を残さない、水または有機溶媒中の安定なカーボンナノチューブインクの形成を提供するアプローチが、当技術分野において必要とされている。したがって、先行技術のこれら、および他の欠点を克服する、溶媒系および水系カーボンナノチューブを提供することが望ましい。
例えば、いくつかの態様において、本来非イオン性、分子性である分散補助系は、バンド間光学遷移によって証明されるとおり、SWCNTの電子構造を保存し、CNTインクを用いて形成されるカーボンナノチューブネットワークまたはフィルムから完全に除去しうる分散補助剤を用いること。
米国特許第6,331,262号 米国特許公報第2006/0124028 A1号
概要
単層カーボンナノチューブ(SWCNT)、二層カーボンナノチューブ(DWCNT)、および多層カーボンナノチューブ(MWCNT)の適用は一般に、適切な溶媒系中の分散体の形態のカーボンナノチューブを必要とする。未処理カーボンナノチューブのすすは一般に、所望のカーボンナノチューブ生成物に加えて、遷移金属触媒、黒鉛状炭素、無定形炭素ナノ粒子、フラーレン、カーボンオニオン、多環式芳香族化合物などの、材料不純物を含む。
所与の未処理材料中の不純物の性質および程度は、例えば、レーザー、アーク、高圧一酸化炭素変換(HiPco)、化学蒸着(CVD)、または燃焼法などの、合成の方法に依存する。現在利用可能な精製工程およびシステムは一般には、予備酸化、酸還流、機械的混合、超音波処理、ろ過、中和、および遠心分離などの一般的単位操作を含む。
例えば、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)は、金属触媒前駆体(鉄ペンタカルボニル、フェロセン、または金属塩溶液などの)を新鮮ガス混合物に持続的に加えながら、メタン、天然ガス、またはアルコールを含む炭化水素などの、炭素含有燃料の予混合燃焼を用いて生産することができる。形成されたSWCNTの、長さなどの特徴は、工程パラメーター(例えば、圧、不活性ガス希釈、温度、新鮮ガス流速、滞留時間など)によって制御することができる。副産物は触媒前駆体、例えば、鉄または酸化鉄(特にFe2O3)と多環式芳香族炭化水素(PAH)などの、SWCNT以外の炭素材料との反応生成物である。
本発明を一般には燃焼合成したカーボンナノチューブの精製および分散に関連して記載するが、これは例示にすぎないことが留意されるべきである。本開示の対象物は、他の可能性のある利点および有益な特徴に加えて、すべての型のカーボンナノチューブの水系または溶媒系懸濁液の精製および形成のために用いうる、方法、技術、器具、システム、および/または製造法を提供することができる。
いくつかの態様において、ジエチレントリアミン(DETA)およびジイソプロピルエチルアミン(DIPEAまたはヒューニッヒ塩基)などの小分子添加剤を、バンド間光学遷移を消失させずに単層カーボンナノチューブを分散させる安定化添加剤または粘性調節剤として用いることができる。
ヒューニッヒ塩基(DIPEA)は水溶性ではないことが留意されるべきである。いくつかの態様において、本発明は、必ずしも水溶性ではないアミンを用いて、単層カーボンナノチューブの水系分散体を作製する方法を記載する。
いくつかの態様において、本発明は、溶媒系CNTインクの形成を記載する。例えば、溶媒系CNTインクは、溶媒としてN-メチルピロリジノン(NMP)および完全に除去しうる添加剤としてポリプロピレンカーボネートオリゴマーを用いて形成させることができる。添加剤は安定剤、粘性調節剤、またはその任意の適切な組み合わせで作用しうることが留意されるべきである。
または、いくつかの態様において、トリアゾール系化合物などの、小分子添加剤を、バンド間光学遷移を消失させずに単層カーボンナノチューブを分散させる安定化添加剤または粘性調節剤として用いることができる。特定の態様において、トリアゾール系化合物は1,2,4-トリアゾールである。
いくつかの態様において、トリアゾール系添加剤は無置換1,2,4-トリアゾールでありうることが留意されるべきである。例えば、以下の化学式に示すとおり、R1、R2、およびR3はそれぞれ水素でありうる。
Figure 0006275743
または、トリアゾール系添加剤は置換1,2,4-トリアゾールでありうる。置換1,2,4-トリアゾールを、選択した置換基に基づき、水系溶媒中および同様に非水性溶媒中で添加剤として用いることができる。すなわち、R1、R2、およびR3は、標的とする溶媒中で溶解性を得るために選択することができる。例えば、2つまたは3つの置換基は同じでありうる。別の例において、1つまたは2つの基は水素でありうる。さらに別の例において、R1、R2、およびR3(本明細書において「R」と呼ぶこともある)は、無置換、一置換、または多置換でありうる、直鎖または分枝または環式アルキル鎖(C1〜C20)でありうる。置換基は下記のうちの少なくとも1つから選択することができる:OH、OR、CO2R、OOCR、SO3H、X(ここでXはF、Cl、Br、NO2および/またはCNである)、SO2X、COX、NH2、NR2、NR3 +、置換または無置換ベンジル(CH2C6H5)、置換または無置換フェニル、チオフェン基、H2PO4、およびそれらの混合物。いくつかの態様において、1つまたは複数のCH2基(トリアゾールに隣接して連結を確立するものを含む)は以下の単位のうちの1つで置き換えうることが留意されるべきである:O、CO、NH、NHR+、SO2、環式アルキル、炭素のみまたは炭素およびヘテロ原子を含み、後者は窒素、硫黄、または酸素を含む、置換または無置換芳香環。
本明細書において用いられる「置換されていてもよい」基は一般には、さらなる官能基による一置換、多置換、または無置換でありうる官能基を意味する。基がさらなる基により置換されていない場合、これは基の名称、例えば、アルキルと呼ぶことができる。基がさらなる官能基により置換されている場合、これは一般には置換アルキルと呼ぶことができる。同様に本明細書において用いられる「アルキル」は一般には、1〜20個の炭素原子(C1〜C20)(または1〜15個の炭素原子など)を有する直鎖または分枝または環式アルキル基を意味する。
いくつかの態様において、本明細書において記載する添加剤(例えば、安定剤、分散補助剤、または粘性調節剤)を、例えば、グラフェン、C60およびC70のようなフラーレン、短尺化ナノチューブ(例えば、フラーレンパイプ)、およびこれらの化合物のいずれかのナノ繊維などの他の炭素ナノ構造の、水および/または有機溶媒中の分散のために用いることもできる。加えて、これらの添加剤を、例えば、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン、短尺化カーボンナノチューブ、およびナノ繊維を含む、すべての炭素ナノ構造の化学誘導体のために用いることができる。
本発明のいくつかの態様に従い、複数のカーボンナノチューブ;溶媒;および複数のカーボンナノチューブを溶媒中で安定化させるトリアゾール系の除去可能な添加剤を含む、インク組成物が提供される。
いくつかの態様において、複数のカーボンナノチューブは単層カーボンナノチューブである。
いくつかの態様において、複数のカーボンナノチューブは金属および半導体単層カーボンナノチューブの混合物である。
いくつかの態様において、複数のカーボンナノチューブは金属単層カーボンナノチューブを多く含む。
いくつかの態様において、複数のカーボンナノチューブは金属単層カーボンナノチューブである。
いくつかの態様において、複数のカーボンナノチューブは半導体単層カーボンナノチューブを多く含む。
いくつかの態様において、複数のカーボンナノチューブは特定のキラリティを有する単層カーボンナノチューブである。
いくつかの態様において、溶媒は水、N-メチルピロリジノン(NMP)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ−ト(PGMEA)、メチルエチルケトン(MEK)、およびメチルイソプロピルケトンのうちの1つである。
いくつかの態様において、トリアゾール系の除去可能な添加剤は、分散剤および安定剤として作用するように選択する。
いくつかの態様において、除去可能な添加剤は、少なくとも部分的に除去可能な添加剤の分子量に基づき、インクの粘性を調節するために選択する。
いくつかの態様において、トリアゾール系の除去可能な添加剤は、以下の化学式を有する1,2,4-トリアゾール化合物である:
Figure 0006275743

いくつかの態様において、R1、R2、およびR3はそれぞれ水素である。いくつかの態様において、R1、R2、およびR3のうちの少なくとも1つは水素である。いくつかの態様において、R1、R2、およびR3のうちの少なくとも1つはC1〜C20アルキル基である。
いくつかの態様において、C1〜C20アルキル基は下記のうちの1つから選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい:OH、OR、CO2R、OOCR、SO3H、X、SO2X、COX、NH2、NR2、NR3 +、置換されていてもよいベンジル、置換されていてもよいフェニル、チオフェン基、H2PO4、およびそれらの混合物、式中、RはC1〜C20アルキル基であり、かつXはF、Cl、Br、NO2、およびCNのうちの1つである。
いくつかの態様において、C1〜C20アルキル基における1つまたは複数のCH2基は下記のうちの1つから選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい:O、CO、NH、NHR+、環式アルキル、炭素を含む置換されていてもよい芳香環、炭素を含みかつ窒素、硫黄、および酸素のうちの少なくとも1つを含むヘテロ原子を含む置換されていてもよい芳香環。
いくつかの態様において、トリアゾール系の除去可能な添加剤は置換されていてもよい1,2,4-トリアゾールであり、当該1,2,4-トリアゾールにおける1つまたは複数の官能基は溶媒に基づいて選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい。
いくつかの態様において、トリアゾール系の除去可能な添加剤は、熱アニーリングによりインク組成物から除去される。
いくつかの態様に従い、インク組成物を調製する方法であって、複数のカーボンナノチューブ、トリアゾール系の除去可能な添加剤、および溶媒を反応させる段階を含み、ここで、複数のカーボンナノチューブは溶媒中に分散しており、かつトリアゾール系の除去可能な添加剤は溶媒中に分散している複数のカーボンナノチューブを安定化させる、方法が提供される。
いくつかの態様において、複数のカーボンナノチューブは単層カーボンナノチューブである。
いくつかの態様において、複数のカーボンナノチューブは金属および半導体単層カーボンナノチューブの混合物である。
いくつかの態様において、複数のカーボンナノチューブは金属単層カーボンナノチューブを多く含む。
いくつかの態様において、複数のカーボンナノチューブは金属単層カーボンナノチューブである。
いくつかの態様において、複数のカーボンナノチューブは半導体単層カーボンナノチューブを多く含む。
いくつかの態様において、複数のカーボンナノチューブは特定のキラリティを有する単層カーボンナノチューブである。
いくつかの態様において、溶媒は水、N-メチルピロリジノン(NMP)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ−ト(PGMEA)、メチルエチルケトン(MEK)、およびメチルイソプロピルケトンのうちの1つである。
いくつかの態様において、トリアゾール系の除去可能な添加剤は、以下の化学式を有する1,2,4-トリアゾール化合物である:
Figure 0006275743
いくつかの態様において、トリアゾール系の除去可能な添加剤は無置換1,2,4-トリアゾールである。または、トリアゾール系の除去可能な添加剤は置換1,2,4-トリアゾールであり、ここで1つまたは複数の置換基は溶媒に基づいて選択される。
いくつかの態様において、1,2,4-トリアゾール化合物におけるR1、R2、およびR3はそれぞれ水素である。いくつかの態様において、1,2,4-トリアゾール化合物におけるR1、R2、およびR3のうちの少なくとも1つは水素である。
いくつかの態様において、1,2,4-トリアゾール化合物におけるR1、R2、およびR3のうちの少なくとも1つはC1〜C20アルキル基である。いくつかの態様において、C1〜C20アルキル基は下記のうちの1つから選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい:OH、OR、CO2R、OOCR、SO3H、X、SO2X、COX、NH2、NR2、NR3 +、置換されていてもよいベンジル、置換されていてもよいフェニル、チオフェン基、H2PO4、およびそれらの混合物、式中、RはC1〜C20アルキル基であり、かつXはF、Cl、Br、NO2、およびCNのうちの1つである。いくつかの態様において、C1〜C20アルキル基における1つまたは複数のCH2基は下記のうちの1つから選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい:O、CO、NH、NHR+、環式アルキル、炭素を含む置換されていてもよい芳香環、炭素を含みかつ窒素、硫黄、および酸素のうちの少なくとも1つを含むヘテロ原子を含む置換されていてもよい芳香環。
いくつかの態様において、方法は、湿潤ペーストの形態の複数のカーボンナノチューブを、トリアゾール系の除去可能な添加剤および溶媒を含む溶液に供給する段階をさらに含む。
いくつかの態様において、方法は、トリアゾール系の除去可能な添加剤を、複数のカーボンナノチューブおよび溶媒を含む溶液に供給することにより、複数のカーボンナノチューブを安定化させる段階をさらに含む。
いくつかの態様において、方法は、複数のカーボンナノチューブを溶媒中に分散させる前にトリアゾール系の除去可能な添加剤を複数のカーボンナノチューブに適用することにより、複数のカーボンナノチューブを安定化させる段階、および溶媒を複数のカーボンナノチューブおよびトリアゾール系の除去可能な添加剤に供給する段階をさらに含む。
いくつかの態様において、方法は、インク組成物を基板に塗布する段階、および熱アニーリングによりトリアゾール系の除去可能な添加剤の実質的な部分を除去する段階をさらに含み、ここでトリアゾール系の除去可能な添加剤はインク組成物を基板に塗布した後に除去する。基板はガラス基板、プラスティック基板、および/またはサファイア基板でありうる。
いくつかの態様において、トリアゾール系の除去可能な添加剤を、インク組成物を基板に塗布した後に除去する。例えば、トリアゾール系の除去可能な添加剤の実質的な部分を、熱アニーリングによりインク組成物を基板に塗布した後に除去することができる。トリアゾール系の除去可能な添加剤は、約250℃よりも低い温度での熱アニーリングにより、トリアゾール系の除去可能な添加剤をインク組成物から少なくとも90%除去しうるように選択する。
いくつかの態様において、方法は、トリアゾール系の除去可能な添加剤および水系溶媒を加える前に、複数のカーボンナノチューブを精製する段階をさらに含む。いくつかの態様において、複数のカーボンナノチューブを水酸化アンモニウム溶液中で洗浄することによって精製する。
いくつかの態様において、方法は、遠心分離を用いて不純物を減らすことにより、複数のカーボンナノチューブ、トリアゾール系の除去可能な添加剤、および水系溶媒を含む混合物を精製する段階をさらに含む。いくつかの態様において、遠心分離は無定形炭素不純物を減らす。いくつかの態様において、遠心分離された混合物の第一の部分はインク組成物として保存し、遠心分離された混合物の第二の部分は廃棄する。
いくつかの態様において、方法は、遠心分離された混合物の少なくとも一部をフィルターに通過させて、所与のサイズよりも大きい直径を有する粒子不純物を除去する段階をさらに含む。
いくつかの態様に従い、以下の段階を含むインク組成物を調製する方法が提供される:複数の単層カーボンナノチューブを含むペーストを供給する段階;無定形炭素不純物を実質的に減らすために、該複数の単層カーボンナノチューブを含むペーストを水酸化アンモニウム溶液中で精製する段階;精製された該複数の単層カーボンナノチューブを含むペーストに1,2,4-トリアゾール化合物および水系溶媒を加えることによって混合物を形成させる段階であって、該複数の単層カーボンナノチューブが水系溶媒中に分散し、かつ、該水系溶媒中に分散している該複数の単層カーボンナノチューブが該1,2,4-トリアゾール化合物によって安定化する、段階;ならびに該混合物を遠心分離によって精製する段階であって、遠心分離された該混合物の第一の部分がインク組成物として保存され、遠心分離された該混合物の第二の部分が廃棄される、段階。
いくつかの態様において、溶媒中に分散している複数のカーボンナノチューブは、官能基化および非官能基化カーボンナノチューブの間で(例えば、密度勾配遠心法または電気泳動を用いて)分離することができる。加えて、いくつかの態様において、溶媒中に分散している複数のカーボンナノチューブは、事前に官能基化した、またはしていない、金属および半導体カーボンナノチューブの間で(例えば、化学的または電気泳動アプローチを用いて)分離することができる。例えば、いくつかの態様において、複数のカーボンナノチューブを、複数のカーボンナノチューブの少なくとも80%が半導体単層カーボンナノチューブであるように、分離することができる。いくつかの態様において、本明細書において記載するカーボンナノチューブインクは、生産したままの材料中のそれらの初期存在量(例えば、多くの場合、すべての理論的に存在するキラリティの集合に対応する半導体と金属カーボンナノチューブの比は約2:1)に比べて、半導体または金属単層カーボンナノチューブのいずれかを多く含みうる。
[本発明1001]
以下を含む、インク組成物:
複数のカーボンナノチューブ;
溶媒;および
該複数のカーボンナノチューブを該溶媒中で安定化させる、トリアゾール系の除去可能な添加剤。
[本発明1002]
前記複数のカーボンナノチューブが、単層カーボンナノチューブ、金属単層カーボンナノチューブ、半導体単層カーボンナノチューブ、およびそれらの混合物のうちの1つまたは複数を含む、本発明1001のインク組成物。
[本発明1003]
前記複数のカーボンナノチューブが、金属単層カーボンナノチューブおよび半導体単層カーボンナノチューブのうちの1つを多く含む、本発明1001のインク組成物。
[本発明1004]
前記溶媒が、水、N-メチルピロリジノン(NMP)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ−ト(PGMEA)、メチルエチルケトン(MEK)、およびメチルイソプロピルケトンのうちの1つである、本発明1001のインク組成物。
[本発明1005]
前記トリアゾール系の除去可能な添加剤が、分散剤および安定剤として作用するように選択されている、本発明1001のインク組成物。
[本発明1006]
前記トリアゾール系の除去可能な添加剤が、以下の化学式:
Figure 0006275743
を有する1,2,4-トリアゾール化合物である、本発明1001のインク組成物。
[本発明1007]
R 1 、R 2 、およびR 3 がそれぞれ水素である、本発明1006のインク組成物。
[本発明1008]
R 1 、R 2 、およびR 3 のうちの少なくとも1つが水素である、本発明1006のインク組成物。
[本発明1009]
R 1 、R 2 、およびR 3 のうちの少なくとも1つがC 1 〜C 20 アルキル基である、本発明1006のインク組成物。
[本発明1010]
前記C 1 〜C 20 アルキル基が、下記のうちの1つから選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい、本発明1009のインク組成物:
OH、OR、CO 2 R、OOCR、SO 3 H、X、SO 2 X、COX、NH 2 、NR 2 、NR 3 + 、置換されていてもよいベンジル、置換されていてもよいフェニル、チオフェン基、H 2 PO 4 、およびそれらの混合物、式中、Rは該C 1 〜C 20 アルキル基であり、かつ、XはF、Cl、Br、NO 2 、およびCNのうちの1つである。
[本発明1011]
前記C 1 〜C 20 アルキル基における1つまたは複数のCH 2 基が、下記のうちの1つから選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい、本発明1009のインク組成物:
O、CO、NH、NHR + 、環式アルキル、炭素を含む置換されていてもよい芳香環、炭素を含みかつ窒素、硫黄、および酸素のうちの少なくとも1つを含むヘテロ原子を含む置換されていてもよい芳香環。
[本発明1012]
前記トリアゾール系の除去可能な添加剤が、置換されていてもよい1,2,4-トリアゾールであり、かつ、該1,2,4-トリアゾールにおける1つまたは複数の官能基が、前記溶媒に基づいて選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい、本発明1006のインク組成物。
[本発明1013]
前記インク組成物が、基板上に堆積したフィルムの形態であり、かつ、前記トリアゾール系の除去可能な添加剤の実質的部分が熱アニーリングにより該フィルムから除去される、本発明1001のインク組成物。
[本発明1014]
以下の段階を含む、インク組成物を調製する方法:
複数のカーボンナノチューブ、トリアゾール系の除去可能な添加剤、および溶媒を反応させる段階であって、該複数のカーボンナノチューブが該溶媒中に分散し、かつ、該溶媒中に分散する該複数のカーボンナノチューブが該トリアゾール系の除去可能な添加剤によって安定化される、段階。
[本発明1015]
前記複数のカーボンナノチューブが、単層カーボンナノチューブ、金属単層カーボンナノチューブ、半導体単層カーボンナノチューブ、およびそれらの混合物のうちの1つまたは複数を含む、本発明1014の方法。
[本発明1016]
前記複数のカーボンナノチューブが、金属単層カーボンナノチューブおよび半導体単層カーボンナノチューブのうちの1つを多く含む、本発明1014の方法。
[本発明1017]
前記溶媒が、水、N-メチルピロリジノン(NMP)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ−ト(PGMEA)、メチルエチルケトン(MEK)、およびメチルイソプロピルケトンのうちの1つである、本発明1014の方法。
[本発明1018]
前記トリアゾール系の除去可能な添加剤が、以下の化学式:
Figure 0006275743
を有する1,2,4-トリアゾール化合物である、本発明1014の方法。
[本発明1019]
R 1 、R 2 、およびR 3 がそれぞれ水素である、本発明1018の方法。
[本発明1020]
R 1 、R 2 、およびR 3 のうちの少なくとも1つが水素である、本発明1018の方法。
[本発明1021]
R 1 、R 2 、およびR 3 のうちの少なくとも1つがC 1 〜C 20 アルキル基である、本発明1018の方法。
[本発明1022]
前記C 1 〜C 20 アルキル基が下記のうちの1つから選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい、本発明1021の方法:
OH、OR、CO 2 R、OOCR、SO 3 H、X、SO 2 X、COX、NH 2 、NR 2 、NR 3 + 、置換されていてもよいベンジル、置換されていてもよいフェニル、チオフェン基、H 2 PO 4 、およびそれらの混合物、式中、Rは該C 1 〜C 20 アルキル基であり、かつ、XはF、Cl、Br、NO 2 、およびCNのうちの1つである。
[本発明1023]
前記C 1 〜C 20 アルキル基における1つまたは複数のCH 2 基が、下記のうちの1つから選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい、本発明1021の方法:
O、CO、NH、NHR + 、環式アルキル、炭素を含む置換されていてもよい芳香環、炭素を含みかつ窒素、硫黄、および酸素のうちの少なくとも1つを含むヘテロ原子を含む置換されていてもよい芳香環。
[本発明1024]
前記トリアゾール系の除去可能な添加剤が、置換されていてもよい1,2,4-トリアゾールであり、かつ、該1,2,4-トリアゾールにおける1つまたは複数の官能基が、前記溶媒に基づいて選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい、本発明1014の方法。
[本発明1025]
前記複数のカーボンナノチューブを、湿潤ペーストの形態で、前記トリアゾール系の除去可能な添加剤および前記溶媒を含む溶液に供給する段階をさらに含む、本発明1014の方法。
[本発明1026]
前記トリアゾール系の除去可能な添加剤を、前記複数のカーボンナノチューブおよび前記溶媒を含む溶液に供給することにより、前記複数のカーボンナノチューブを安定化させる段階をさらに含む、本発明1014の方法。
[本発明1027]
前記複数のカーボンナノチューブを前記溶媒中に分散させる前に該複数のカーボンナノチューブに前記トリアゾール系の除去可能な添加剤を適用することにより、該複数のカーボンナノチューブを安定化させる段階;および
該複数のカーボンナノチューブおよび該トリアゾール系の除去可能な添加剤に該溶媒を供給する段階
をさらに含む、本発明1014の方法。
[本発明1028]
前記インク組成物を基板に塗布する段階;および
前記トリアゾール系の除去可能な添加剤の実質的な部分を熱アニーリングにより除去する段階であって、該インク組成物を基板に塗布した後に該トリアゾール系の除去可能な添加剤が除去される、段階
をさらに含む、本発明1014の方法。
[本発明1029]
前記トリアゾール系の除去可能な添加剤および水系溶媒を加える前に、前記複数のカーボンナノチューブを精製する段階をさらに含む、本発明1014の方法。
[本発明1030]
前記複数のカーボンナノチューブを水酸化アンモニウム溶液中で洗浄することによって、該複数のカーボンナノチューブを精製する、本発明1029の方法。
[本発明1031]
遠心分離を用いて不純物を減らすことにより、前記複数のカーボンナノチューブ、前記トリアゾール系の除去可能な添加剤、および水系溶媒を含む混合物を精製する段階をさらに含む、本発明1014の方法。
[本発明1032]
前記遠心分離が無定形炭素不純物を減らす、本発明1031の方法。
[本発明1033]
遠心分離された前記混合物の第一の部分がインク組成物として保存され、かつ、遠心分離された該混合物の第二の部分が廃棄される、本発明1031の方法。
[本発明1034]
所与のサイズよりも大きい直径を有する粒子不純物を除去するために、遠心分離された前記混合物の少なくとも一部をフィルターに通過させる段階をさらに含む、本発明1031の方法。
[本発明1035]
以下の段階を含む、インク組成物を調製する方法:
複数の単層カーボンナノチューブを含むペーストを供給する段階;
無定形炭素不純物を実質的に減らすために、該複数の単層カーボンナノチューブを含むペーストを水酸化アンモニウム溶液中で精製する段階;
精製された該複数の単層カーボンナノチューブを含むペーストに1,2,4-トリアゾール化合物および水系溶媒を加えることによって混合物を形成させる段階であって、該複数の単層カーボンナノチューブが該水系溶媒中に分散し、かつ、該水系溶媒中に分散する該複数の単層カーボンナノチューブが該1,2,4-トリアゾール化合物によって安定化される、段階;ならびに
該混合物を遠心分離によって精製する段階であって、遠心分離された該混合物の第一の部分がインク組成物として保存され、かつ、遠心分離された該混合物の第二の部分が廃棄される、段階。
本明細書において記載する対象物のうちの1つまたは複数の態様の詳細を、添付の図面および以下の説明において示す。本明細書において記載する対象物の他の特徴および利点は、説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかであろう。
本発明のいくつかの態様による、生産したままのカーボンナノチューブ材料のラマンスペクトルを示す図である。 本発明のいくつかの態様による、当初存在した鉄の酸化鉄への酸化が認められる、約50%の触媒金属不純物を含む未処理カーボンナノチューブ材料の熱重量分析の例を示す図である。 本発明のいくつかの態様による、精製したカーボンナノチューブ材料の熱重量分析の例を示す図である。 本発明のいくつかの態様による、水性系カーボンナノチューブインクを調製する方法を示す工程フローチャートである。 本発明のいくつかの態様による、安定剤としてDIPEAを用いての水系での最終生成物としてのカーボンナノチューブ系インクの紫外-可視吸収スペクトルを示す図であり、ここでSWCNTの完全なままの電子構造を示すバンド間光学遷移を黒矢印で示す。 本発明のいくつかの態様による、6"×4"ガラス基板上の水系インクから堆積したカーボンナノチューブフィルムの紫外-可視吸収スペクトルを示す図であり、第一のファンホーブ遷移から生じるバンド間光学遷移を白矢印で示し、第二のファンホーブ遷移を黒矢印で示す。 本発明のいくつかの態様による、サファイア基板上に堆積した高密度カーボンナノチューブネットワークの走査電子顕微鏡(SEM)画像である。 本発明のいくつかの態様による、分解可能なポリプロピレンカーボネート分子がカーボンナノチューブの周りに巻き付いて、それらを有機溶媒中に懸濁することを示す例示的概略図である。 本発明のいくつかの態様による、ポリマーの急激な分解を示すポリプロピレンカーボネート(PPC)の熱重量分析(TGA)プロットおよびその一次微分を示す。 本発明のいくつかの態様による、溶媒系カーボンナノチューブインクを調製する方法を示す工程フローチャートである。 本発明のいくつかの態様による、カーボンナノチューブでコーティングしたプラスティックビーズの走査電子顕微鏡写真(SEM)画像である。 本発明のいくつかの態様による、水系溶媒およびトリアゾール系の除去可能な添加剤を含む単層カーボンナノチューブインクの紫外-可視-近赤外(UV-Vis-NIR)吸収スペクトルを示す図である。 本発明のいくつかの態様による、精製して無定形炭素不純物を除去した図12からの単層カーボンナノチューブの透過電子顕微鏡写真(TEM)画像である。 本発明のいくつかの態様による、水系溶媒およびトリアゾール系の除去可能な添加剤を含む単層カーボンナノチューブインクの紫外-可視-近赤外(UV-Vis-NIR)吸収スペクトルを示す図である。
詳細な説明
生産したままのカーボンナノチューブの分析
本開示の対象物を用いて生産したものなどのカーボンナノチューブを、他の可能な選択肢の中でも特に、ラマン分光法および/または熱重量分析(TGA)を用いて分析および特徴付けすることができる。
共鳴ラマン分光法は、SWCNTの同定および第一の特徴付けのための迅速かつ選択的方法を提供する。主な同定可能な吸収特性には、ラジアルブリージングモード(RBM)、接線モード(G-バンド)、および無秩序誘起バンド(D-バンド)が含まれる。RBMは、通常は120cm-1<ωRBM<270cm-1の間で現れ、一般には半径方向の炭素原子の原子振動に対応する。SWCNTの直径との正の相関が一般に確立されている。接線モードまたはG-バンドは、典型的には1580cm-1付近に出現する特徴的な多ピーク特性で、チューブの軸ならびに円周方向に沿った原子転移に対応する。RBMおよびG-バンドが同時に観察されることは、SWCNTの存在の強力な証拠となる。1350cm-1付近に出現するD-バンドは、無定形炭素などの不純物または他の対称破壊性の欠陥の存在を反映する。
以下に記載する実施例のために、詳細に規定された条件下で合成し、回収した材料を、Dimension-P2 Ramanシステム(Lambda Solutions, Waltham, MA)により、784.87nmの励起波長および約10mWのパワーを用いて調査した。直径約200マイクロメートルのレーザービームを顕微鏡なしで試料に約1cmの距離から当てた。一般に、5秒の照射時間および5スペクトルの積算を適用した。RBMおよびG-バンドのピーク高さを、レーザープローブと試料との間の距離を微調整することにより最適化した。強いRBMおよび弱いD-バンドならびに高いG-バンドとD-バンドとの比を有する試料を、最適化条件であるか、それに近いと考え、走査電子顕微鏡法(SEM)およびTGAなどのさらなる分析にかけ、後者は所与の試料中のSWCNT存在量の定量的評価を可能にする。
図1のラマンスペクトルに示するとおり、D-バンドはほとんど検出できないことが判明した一方で、229.6cm-1および265.5cm-1のRBMピークが特定された。SWCNTの束について、Milnera et al, ''Periodic Resonance Excitation and Intertube Interaction from Quasicontinuous Distributed Helicities in Single-Wall Carbon Nanotubes,'' Phys. Rev. Lett. 84, 1324-1327 (2000)によって示唆されたとおり、ωRBM=234/di+10cm-1の関係式を用いて、これらのピークはそれぞれ約1.07および約0.92nmの直径に対応している。しかし、ラマン強度は存在するSWCNTの共鳴エネルギーに強く依存するため、そのような直径分布は一般には784.87nmで共鳴するSWCNTだけを反映し、調査試料の代表ではない可能性がある。例えば、647nmで測定した同様の材料のラマンスペクトルは、著しく異なる図を示す:1.30、0.98および0.87nmに対応するRBMピークも特定されている。
図1に示すとおり、1500〜1605cm-1範囲に見られるG-バンドの形状は接線振動に対応し、導電性SWCNTおよび半導体SWCNT両方の存在を示すことが留意されるべきである。同様に図1に示すとおり、1350cm-1付近の弱いピークは、わずかな低レベルの不純物または他の対称破壊性の欠陥が存在することを示すことがさらに留意されるべきである。
バルクSWCNT試料の純度は、大気下で熱重量分析(TGA)を用いて、例えば、TGA i 1000装置(Instrument Specialists, Twin Lakes, WIから入手可能)を用いて判定することができる。例えば、5または7.5K/分で室温から900℃までの加熱速度を適用した。未処理の未精製SWCNTの典型的TGAプロットを図2に示す。図2は、本発明のいくつかの態様により、約50%の触媒金属不純物を含む未処理カーボンナノチューブ材料の熱重量分析の例を示す図である。この図は、当初存在した鉄の酸化鉄への酸化が認められる。図3は、本発明のいくつかの態様により、精製したカーボンナノチューブ材料の熱重量分析の例を示す図である。
本開示の対象物を用いて同じ工程条件で生産した複数のバッチの分析から、非常に類似の、ほぼ重複するTGAプロットが得られ、純度評価の高い再現性が示された。炭素材料の組成の定量には、元素鉄の酸化による質量の増加を計算するため、初期試料における金属相の組成の知識が必要である。
金属相の定量的特徴付けを、広角X線回折(XRD)を用いて(例えば、Rigaku RU300 X線発生装置を用いて)行うことができる。ケイ素(Si)を内部標準として加えて、XRDパターンを測定することができる。生産したままの材料中ではマグヘマイト(Fe2O3)および元素鉄(Fe)両方を特定することができるが、本開示の対象物により精製したSWCNT中では、いくらかの元素鉄(Fe)だけが典型的に残留が認められる。内部標準を用いて、XRDスペクトルの分析によりFe対Fe2O3の重量比の定量的判定が可能である。TGA実施中の元素鉄のFe2O3への完全な酸化を仮定して、Fe、Fe2O3および炭素材料の重量分率を判定した。精製CNT材料中の痕跡金属含有量を、前述の同じ手順を用いてTGAにより分析した。
インク形成の一般的説明:水系インク
図4は、本発明のいくつかの態様により、水性系カーボンナノチューブインクの調製のための方法400を示す工程フローチャートである。詳細なフローチャートは、水系カーボンナノチューブインク形成の加工における一連の単位操作を示す。図4の工程フローチャートおよび本明細書に記載の他の工程フローチャートにおいて、いくつかの段階を加えることができ、いくつかの段階を省いてもよく、段階の順序を再配列してもよく、かつ/またはいくつかの段階を同時に実施してもよいことが留意されるべきである。
示したとおり、410で、生産したままのカーボンナノチューブ未処理材料を撹拌-加熱プレート上、塩酸(HCl)および過酸化水素(H2O2)のお混合物中で加熱した。塩酸の濃度は一般には約0.5N〜約10Nの間でありえ、過酸化水素の濃度は一般には約5%〜約30%の間でありうる。HClとH2O2との比は約3:1〜約1:1の間に維持しうる。撹拌を行う温度は一般には約50℃〜約80℃の間でありうることも留意されるべきである。
生産したままのカーボンナノチューブ未処理材料、精製したカーボンナノチューブ材料、フラーレン、および/または任意の他のフラーレン材料を、例えば、Howardらの1991年5月24日提出の米国特許第5,273,729号、Howardらの1996年9月11日提出の米国特許第5,985,232号、Heightらの2003年3月14日提出の米国特許第7,335,344号、Kronholmらの2003年7月3日提出の米国特許第7,435,403号、およびHowardらの2005年1月21日提出の米国特許第7,396,520号に記載のアプローチによって合成および/または加工しうることが留意されるべきであり、これらはその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
これらのカーボンナノチューブ系インク中のカーボンナノチューブを、特定の型のカーボンナノチューブが任意の適切なパーセンテージでカーボンナノチューブ系インク中に含まれるように合成しうることも留意されるべきである。例えば、いくつかの態様において、複数のカーボンナノチューブの少なくとも90%は単層カーボンナノチューブである。他の態様において、複数のカーボンナノチューブの少なくとも90%は二層カーボンナノチューブである。または、複数のカーボンナノチューブの少なくとも90%は多層カーボンナノチューブである。
1つの態様において、過酸化水素をカーボンナノチューブ酸混合物に、例えば、シリンジポンプを用いてゆっくり加えることができる。または、反応に必要な過酸化水素をインサイチュー反応で生成させることもできる。
撹拌/加熱の持続時間は、約1時間〜約48時間の範囲でありうる。加熱/撹拌後のCNT/酸/過酸化物混合物をろ過用漏斗または大規模操作のためにはヌッチェ型フィルター中、脱イオン(DI)水で繰り返し洗浄することができる(例えば、図4の415〜430参照)。CNT-酸スラリーを、pH紙で中性および無色になるまで洗浄する。
繰り返し洗浄後のHCl/H2O2スラリーは、435で完全に乾燥(例えば、1重量%未満の水)、部分的に乾燥(例えば、50重量%未満の水)することができ、または湿っていてもよい(例えば、CNTの重量が水の重量よりも少ない)。したがって、HCl/H2O2スラリーは、下流の適用において、粉末、部分乾燥ペースト、または湿潤ペーストの形態で使用することができる。
いくつかの態様において、440で前述のCNT粉末またはペーストを、ジエチレントリアミン(DETA)、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEAまたはヒューニッヒ塩基)、またはトリエタノールアミンなどの安定剤として作用する非イオン性添加剤と混合することができる。使用しうる他の可能性のあるアミンは、例えば、エチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、およびペンタエチレンヘキサミン(PEHA)である。バンド間光学遷移の消失なしに単層カーボンナノチューブを分散させる安定剤として、小分子添加剤を使用しうることが留意されるべきである。
いくつかの態様において、CNT粉末またはペーストを、異なる比率の以下のアミンのうちの1つまたは複数からなるアミンの組成物と混合することができる:ジエチレントリアミン(DETA)、ジイソプロピルアミン(DIPEAまたはヒューニッヒ塩基)、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、および/またはペンタエチレンヘキサミン(PEHA)。
または、CNT粉末またはペーストを、1,2,4-トリアゾールなどの、トリアゾール系添加剤と混合することもできる。例えば、生産したままの単層カーボンナノチューブを、水または塩酸と混合することができ、ここで塩酸の濃度は約37%であり得る。混合物を撹拌し、ろ過し、洗浄することができ、ここで水および硝酸を洗浄した混合物に加えることができる。次いで、混合物を加熱および撹拌することができ、ここで混合物を冷却後にろ過(例えば、桐山漏斗によりろ紙を通して減圧ろ過)することができる。精製した単層カーボンナノチューブを脱イオン水でpH紙によりpH中性になるまで洗浄することができる。湿潤ペーストの形態の精製した単層カーボンナノチューブを、脱イオン水中の1,2,4-トリアゾールの溶液に加えることができる。
いくつかの態様において、トリアゾール系添加剤は無置換1,2,4-トリアゾールでありうることが留意されるべきである。例えば、以下の化学式に示すとおり、R1、R2、およびR3はそれぞれ水素でありうる。
Figure 0006275743
または、いくつかの態様において、トリアゾール系添加剤は置換1,2,4-トリアゾールでありうる。置換1,2,4-トリアゾールを、選択した置換基に基づき、水系溶媒中および同様に非水性溶媒中で添加剤として用いることができる。すなわち、R1、R2、およびR3は、標的とする、または選択した溶媒中でより高い溶解性を得るために選択することができる。
例えば、2つまたは3つの置換基は同じでありうる。特定の例において、2つまたは3つの置換基は同じでありえ、かつ1つまたは2つの基は水素(-H)でありうる。さらに別の例において、R1、R2、およびR3(本明細書において「R」と呼ぶこともある)は、無置換、一置換、または多置換でありうる、直鎖または分枝または環式アルキル鎖(C1〜C20)でありうる。置換基は下記のうちの少なくとも1つから選択することができる:OH、OR、CO2R、OOCR、SO3H、X(ここでXはF、Cl、Br、NO2および/またはCNである)、SO2X、COX、NH2、NR2、NR3 +、置換または無置換ベンジル(CH2C6H5)、置換または無置換フェニル、チオフェン基、H2PO4、およびそれらの混合物。いくつかの態様において、1つまたは複数のCH2基(トリアゾールに隣接して連結を確立するものを含む)は以下の単位のうちの1つで置き換えうることが留意されるべきである:O、CO、NH、NHR+、SO2、環式アルキル、炭素のみまたは炭素およびヘテロ原子を含み、後者は窒素、硫黄、または酸素を含む、置換または無置換芳香環。
任意の適切なトリアゾール系添加剤を用いることができる。
前述の添加剤のうちの1つまたは複数を含む、CNT粉末またはペーストの混合物を、次いで、445および450で、脱イオン水中で撹拌し、脱イオン水中で超音波処理し、脱イオン水中で強力超音波処理し、または高せん断混合機を用いて水中で分散させることができる。
そのようにして得たCNT-水-安定剤懸濁液または分散液を、次いで、粗いフィルター(例えば、約10マイクロメートルよりも大きい開口を有するフィルター)を通してろ過し、大きい懸濁粒子を除去することができる。
455で、得られたろ過溶液を約5,000g〜約200,000gよりも大きい遠心力をかける超遠心機で遠心分離することができる。用いる遠心機は、例えば、静止バッチローター型遠心機、連続フロー型遠心機、または管状フロー型遠心機でありうる。バッチシステムで扱うCNT分散液の量は約数cc〜数百ccでありうることも留意されるべきである。フローシステムで扱う量は約数cc/分〜数ガロン/時間の範囲でありうる。
いくつかの態様において、遠心分離された混合物または溶液の一部をさらなる加工のために回収することができる一方で、遠心分離された混合物または溶液の残りの部分は処分または廃棄することができる。例えば、混合物の超音波処理および遠心分離後、遠心分離された混合物の上部3分の2を、ナノチューブインクを作製するためのさらなる加工のために回収し、遠心分離された混合物の残りの3分の1を処分することができる。
460で、得られた遠心分離溶液を接線流ろ過組立品でろ過して、一定のカットオフ限界未満の外来炭素ナノ粒子を除去することができる。ろ過組立品は約数cc/分〜数ガロン/時間の範囲の量を扱いうることが留意されるべきである。
単層カーボンナノチューブ(SWCNT)は、一定の許容されるキラリティー内で巻き上げたグラフェンシートとして見ることができる。この幾何学的制約に基づき、任意の方法によって生産したSWCNTは、統計学的に、金属様の導電性を有する約3分の1および半導体挙動を示す約3分の2からなる。様々な化学的および電気泳動的方法によって、カーボンナノチューブの型による分離が示されており、金属カーボンナノチューブと半導体カーボンナノチューブに分けられる。
いくつかの態様において、そのようにして様々な分離の程度または濃縮度で金属および半導体カーボンナノチューブに分離したカーボンナノチューブで、本明細書に記載の段階の組み合わせを用いてカーボンナノチューブインクを形成させることができる。例えば、いくつかの態様において、溶媒中に分散している複数のカーボンナノチューブを、複数のカーボンナノチューブの少なくとも80%が半導体単層カーボンナノチューブであるように分離することができる。いくつかの態様において、複数のカーボンナノチューブは、例えば、生産したままのカーボンナノチューブ材料中のそれらの初期存在量(例えば、多くの場合、すべての理論的に存在するキラリティの集合に対応する半導体と金属カーボンナノチューブの比は約2:1)に比べて、半導体または金属単層カーボンナノチューブのいずれかを多く含みうる。
図5は、安定剤としてDIPEAを用いての水系での最終生成物としてのカーボンナノチューブ系インクの紫外-可視吸収スペクトルを示す図である。SWCNTの完全なままの電子構造を示すバンド間光学遷移を黒矢印で示す。
図6は、6"×4"ガラス基板上の水系インクから堆積したカーボンナノチューブフィルムの紫外-可視吸収スペクトルを示す図である。第一のファンホーブ遷移から生じるバンド間光学遷移を白矢印で示し、第二のファンホーブ遷移を黒矢印で示す。
図7は、本発明のいくつかの態様により、サファイア基板上に堆積した高密度カーボンナノチューブネットワークの走査電子顕微鏡(SEM)画像である。
インク形成の一般的説明:溶媒系インク
図8は、溶媒系インクを作製するためのメカニズムを示す例示的概略図である。いくつかの態様において、図8に示すとおり、分解可能なポリプロピレンカーボネート分子がカーボンナノチューブの周りに巻き付いて、それらが選択した有機溶媒中で安定化するのを助ける。または、ポリマー分子は同時溶解し、粘性調節剤として機能して、それによりCNT-溶媒インクの流体力学的特性を制御するのを補助してもよい。いずれの態様においても、固体基板上に堆積したCNTフィルムはまだポリマー分子を有するであろう。ポリマー分子は大気中での熱アニーリング後に分解して、100%非毒性気体生成物となる。加えて、約90%を超えるポリマーの減少が200℃未満で起こるが、この温度でカーボンナノチューブは大気中でも非常に安定である。得られる最終生成物はニートのカーボンナノチューブフィルムである。
例えば、図9は、ポリプロピレンカーボネート(PPC)およびポリマーの急激な分解の熱重量分析(TGA)プロットを示す図である。示したとおり、95%を超えるポリマーの損失が200℃未満で起こるが、この温度でカーボンナノチューブは大気中でも非常に安定である。微分プロットは急激で速やかな分解を示す。図9に示す約0.5重量%の残分は外来不純物から生じることが留意されるべきである。
図10を参照して、図10は、本発明のいくつかの態様により、溶媒系カーボンナノチューブインクを調製するための方法1000のうちの1つを示す工程フローチャートである。詳細なフローチャートは、溶媒系カーボンナノチューブインク形成の加工における一連の単位操作を示す。図10の工程フローチャートおよび本明細書に記載の他の工程フローチャートにおいて、いくつかの段階を加えることができ、いくつかの段階を省いてもよく、段階の順序を再配列してもよく、かつ/またはいくつかの段階を同時に実施してもよいことが留意されるべきである。
図4と同様に、方法1000は、生産したままのカーボンナノチューブ未処理材料を撹拌-加熱プレート上、塩酸(HCl)および過酸化水素(H2O2)の混合物中で加熱することから始める。塩酸の濃度は一般には約0.5N〜約10Nの間でありえ、過酸化水素の濃度は一般には約5%〜約30%の間でありうる。HClとH2O2との比は約3:1〜約1:1の間に維持しうる。撹拌を行う温度は一般には約50℃〜約80℃の間でありうることも留意されるべきである。
前述のとおり、1つの態様において、過酸化水素をカーボンナノチューブ酸混合物に、例えば、シリンジポンプを用いてゆっくり加えることができる。または、反応に必要な過酸化水素をインサイチュー反応で生成させることもできる。
撹拌/加熱の持続時間は、約1時間〜約48時間の範囲でありうる。加熱/撹拌後のCNT/酸/過酸化物混合物をろ過用漏斗または大規模操作のためにはヌッチェ型フィルター中、脱イオン(DI)水で繰り返し洗浄することができる(例えば、115〜130参照)。CNT-酸スラリーを、pH紙で中性および無色になるまで洗浄する。
繰り返し洗浄後のHCl/H2O2スラリーは、完全に乾燥(例えば、1重量%未満の水)、部分的に乾燥(例えば、50重量%未満の水)することができ、または湿っていてもよい(例えば、CNTの重量が水の重量よりも少ない)。したがって、HCl/H2O2スラリーは、下流の適用において、粉末、部分乾燥ペースト、または湿潤ペーストの形態で使用することができる。
図10に示すとおり、1010で、有機溶媒を安定化添加剤と混合することによって溶媒混合物を調製する。例えば、適切な有機溶媒、好ましくはN-メチルピロリジノン(NMP)中で、約0.1〜約5重量%のポリプロピレンカーボネートの範囲の正確に秤量した安定剤を溶解することによって、溶媒混合物を調製することができる。
同様に使用しうる他の適切な溶媒には、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソプロピルケトンなどが含まれうる。
N-メチルピロリジノン(NMP)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソプロピルケトンなどの溶媒中で、安定化添加剤の代わりに、またはそれに加えて、粘性調節剤として異なる分子量のポリプロピレンカーボネートも使用しうることが留意されるべきである。
図10にもどって参照して、1020で、前述の調製したままの未処理カーボンナノチューブ、半精製カーボンナノチューブ、精製カーボンナノチューブ粉末、または精製カーボンナノチューブペーストを溶媒混合物と、約0.1〜約5重量%の濃度で混合し、次いで撹拌し、超音波処理し、強力超音波処理し、または高せん断混合機を用いて分散させることができる。
CNT-ポリマー-溶媒懸濁液または分散液を、粗いフィルター(例えば、約10マイクロメートルよりも大きい開口を有するフィルター)を通してろ過し、大きい懸濁粒子を除去することができる。
得られたろ過溶液/分散液を約5,000g〜約200,000gよりも大きい遠心力をかける超遠心機で遠心分離することができる。用いる遠心機は、例えば、静止バッチローター型遠心機、連続フロー型遠心機、または管状フロー型遠心機でありうる。バッチシステムで扱うCNT分散液の量は約数cc〜数百ccでありうることも留意されるべきである。フローシステムで扱う量は約数cc/分〜数ガロン/時間の範囲でありうる。
インクの分散および/または安定化を補助するために用いるトリアゾール系添加剤は、任意の適切なアプローチを用いて除去しうることが留意されるべきである。概して、フィルムは、独立型フィルムとして鋳造するか、またはスピンコーティング、噴霧コーティング、グラビアコーティング、インクジェット印刷などの、任意の適切なコーティングを用いて基板上に堆積させることができる。トリアゾール系の除去可能な添加剤の一部を、堆積の温度を選択することにより、蒸気または分解蒸気の形で除去することができ、温度は一般には約90℃〜約120℃の間である。さらに、トリアゾール系添加剤は、堆積したフィルムを減圧下、大気下または窒素雰囲気下で、例えば、適切な市販の乾燥器を用いてアニーリングすることにより除去することができる。大気下でのアニーリングの場合、温度は約200℃を超えなくてもよい。減圧または窒素気流乾燥器の場合、堆積した基板の安定性および反応性が許容することを条件として、温度は約400℃の高温でありうる。フィルム形成後にトリアゾール系添加剤を除去するこの能力は、ニートカーボンナノチューブネットワークの形成において多くの利点を提供し、透明、半透明、不透明の導体として、または薄膜トランジスタの一部として、強化された性能を可能にする。
以下の実施例は本発明のいくつかの態様をさらに例示するが、いかなる様式でも範囲を限定すると解釈されるべきではない。
実施例1
未処理カーボンナノチューブを、供給物としてのメタンおよびペンタカルボニル鉄の分解によりインサイチューで生成した鉄ナノ粒子を用いての燃焼法で生産した。メタンの燃焼により調製した約970mgの未処理カーボンナノチューブを、500ml丸底フラスコ中の200mlのDI水に加えた。この混合物に、75mlの36%塩酸を撹拌しながらゆっくり加え、続いて75mlの氷冷した30%過酸化水素をゆっくり滴加した。この混合物を磁気ホットプレート撹拌機上、約60℃の温度で終夜撹拌した。次いで、混合物を撹拌せずに室温まで冷却した。カーボンナノチューブの黒色沈降物が底に溜まる一方、上清の液体は鉄イオンの存在により濃黄/褐色、透明であった。上清の液体をより大きいフラスコにデカンテーションした。約100mlのDI水を固形内容物に加え、これを手動で撹拌し、数分間沈降させた。新しい上清の液体は青白く変わり、前述のとおりにデカンテーションした。この手順を、上清の液体が無色澄明になるまで繰り返した。この時点で、デカンテーションした液体を、セラミックのブフナー漏斗で直径90mmのワットマンろ紙(#50、硬質)を通してろ過した。ろ紙上に回収したこの第一ステージ湿潤CNTスラリーを、洗液がpH紙で試験してDI水とpHに差がなくなるまで洗浄した。この湿潤CNTスラリーのわずかな部分をブフナー漏斗中で、フラスコに減圧をかけて、それを通して空気を吸引することにより乾燥した。減圧を単純なロータリーポンプ(水銀柱10mm)で粉末がろ紙からはがれるまでかけ、ボトルに回収した。
実施例2
実施例1に記載のとおりに調製した第一ステージ湿潤CNTスラリーを、ろ紙から清浄な500ml丸底(RB)フラスコへと約50mlのDI水で洗浄して戻した。このスラリーに100mlのDI水および50mlの6N硝酸を加えた。硝酸は滴加した。フラスコに冷水を流して冷却した還流冷却器を取り付け、RBフラスコ中の混合物をホットプレート上で還流するまで加熱撹拌した。約3時間還流させた後、この混合物を撹拌せずに室温まで冷却した。カーボンナノチューブの黒色沈降物がRBフラスコの底に溜まる一方、上清の液体は非常に薄い黄色であった。上清の液体をより大きいフラスコにデカンテーションした。約100mlのDI水をRBフラスコ中の固形内容物に加え、手動で撹拌した後、数分間沈降させた。RBフラスコ中の上清の液体は無色澄明に変わり、デカンテーションした。デカンテーションした液体を、セラミックのブフナー漏斗で直径90mmのワットマンろ紙(#50、硬質)を通してろ過した。湿潤カーボンナノチューブスラリーを、洗液がpH紙で試験してDI水とpHに差がなくなるまで洗浄した。この得られた第二ステージ湿潤CNTスラリーをブフナー漏斗中、減圧下、それを通して空気を吸引することにより乾燥した。減圧を単純なロータリーポンプ(水銀柱10mm)で粉末がろ紙からはがれるまでかけ、ボトルに回収した。第二ステージ湿潤スラリーの一部は部分乾燥しかせず、精製CNTペーストとして保存した。
実施例3
さらに別の精製法において、以下に記載するとおり、調製したままの未処理カーボンナノチューブ試料を酸処理前に中性DI水中で予備洗浄した。正確に秤量した未処理カーボンナノチューブ(例えば、約1グラム未満)を厚手のガラス管に入れ、超音波ホーン(power sonicator horn)で15分間超音波処理した。得られた暗色懸濁液をセルロースフィルター(2〜5ミクロン)を通してろ過し、微小粒子を除去した。ろ紙上に回収したCNT水ペーストを、調製したままのCNTの代わりにさらなる精製工程に用いた。
実施例4
さらに別の酸精製工程において、実施例3に記載のとおりに回収した約1グラムのCNT水ペーストを2L丸底フラスコに移し、DI水を加えて量を1000mlとした。この混合物に、100mlの36%HClおよび50mlの30%過酸化水素を加え、ホットプレート上、室温で終夜撹拌した。CNT酸スラリーを、実施例1および2に記載のとおりにDI水で洗浄した。精製した湿潤CNTスラリーを500ml丸底フラスコに移し、これに100mlの6N硝酸および250mlのDI水を加えた。CNT酸混合物を3時間還流させて冷却した。硝酸水スラリーをろ紙を通してろ過および洗浄し、部分的に乾燥させた。部分的に乾燥したCNTをさらに、本明細書に記載の水系CNTインクの調製において用いた。
実施例5
さらに別の実施例において、実施例4に記載の部分的に乾燥した約500mgのCNTペーストをセラミックカップに入れ、これに2mlのN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を加え、セラミックのヘラを用いて手動でよく混合した。混合物を終夜放置した。CNT-DIPEAペーストを1Lコニカルフラスコに移し、これに750mlのDI水を加えた。混合物を超音波処理器(Branson bath sonicator)中で約1時間超音波処理し、約1時間放置した。さらに1時間超音波処理して、得られた懸濁液を15,000RPM、10℃で1時間遠心分離した。上清の液体を安定した、水系CNTインクとして回収した。
実施例6
さらに別の未処理カーボンナノチューブの酸精製工程において、1L丸底フラスコ中の2グラムの未処理カーボンナノチューブに、500mlのDI水、100mlの36%HClおよび100mlの氷冷過酸化水素を加え、約60℃で終夜撹拌した。CNT酸スラリーを、実施例1および2に記載のとおりに、DI水で洗浄した。精製した湿潤CNTスラリーを500ml丸底フラスコに移し、これに100mlの6N硝酸および250mlのDI水を加えた。CNT酸混合物を3時間還流させて冷却した。硝酸水スラリーをブフナー漏斗中の#50ワットマンろ紙を通してろ過し、部分的に乾燥させた。部分的に乾燥したCNTをさらに、実施例7において後述するとおり、溶媒系CNTインクの調製において用いた。
実施例7
ポリプロピレンカーボネート(PPG)(Novomer Inc.の商品サンプル)の溶液を、20mlのN-メチルピロリジノン(NMP)中にPPGを2mg/mLの濃度まで溶解することにより調製した。この溶液に、実施例6に記載のとおりに調製した20mgの部分的に乾燥したCNTを加え、超音波処理器で1時間超音波処理した。試験管中の溶液をコニカルフラスコに移した。80mlのNMPを混合物に加えて、総量を100mlとした。溶液を90分間超音波処理し、10,000RPM、10℃で1時間遠心分離した。非常に安定な暗色溶媒系CNTインクを得、ボトル詰めした。
実施例8
いくつかの態様において、トリアゾール系の除去可能な添加剤を、界面活性剤を含まない単層カーボンナノチューブインクの調合において用いることができる。
本実施例において、生産したままの単層カーボンナノチューブを、丸底フラスコ中で250mLの脱イオン水および50mLの濃塩酸(HCl)(37%)と混合した。次いで、フラスコを空冷式冷却器/蒸留カラムに接続し、混合物を中速で終夜撹拌した。混合物を桐山漏斗においたワットマン50ろ紙を通して減圧ろ過した。ろ過した単層カーボンナノチューブを脱イオン水で洗浄し、丸底フラスコに戻し、これに250mLの脱イオン水および100mLの6N硝酸を加えた。次いで、フラスコに冷却水を循環させた還流冷却器を取り付け、ここで混合物をホットプレート上で沸騰するまで加熱し、中速で撹拌し、約3時間還流させた。混合物を冷却し、内容物を桐山漏斗によりワットマン50ろ紙を通して減圧ろ過した。得られた精製カーボンナノチューブを脱イオン水でpH中性まで洗浄した。精製単層カーボンナノチューブを湿潤ペーストとして回収した。精製単層カーボンナノチューブは、いくつかの態様において、直接光照射に対して保護するために褐色ガラスバイアル中で保存することができる。
実施例9
いくつかの態様において、実施例8で調製した精製単層カーボンナノチューブを用いて、トリアゾール系添加剤を含むナノチューブインクを調製することができる。
本実施例において、脱イオン水中の1,2,4-トリアゾールの0.1重量%溶液を調製した。上記実施例8に記載のとおりに調製した、湿潤ペーストの形態の精製単層カーボンナノチューブの特定の量を1,2,4-トリアゾールおよび脱イオン水の溶液に加えて、0.1重量%単層カーボンナノチューブを含む溶液を作製した。この混合物を、せん断ミルを用いて(例えば、IKA Ultra-Turrax T-25せん断ミルを用いて)、11,000RPMで約15分間せん断粉砕する。次いで、混合物を、例えば、5210 Branson超音波処理器およびThermo Scientific Jouan C3i Multifunction Centrifugeを用いて、超音波処理および遠心分離(例えば、5000RPMで約1時間)した。いくつかの態様において、遠心分離された混合物の一部をさらなる加工のために回収する一方、残りの部分は廃棄した。本実施例において、遠心分離された混合物の上部3分の2を、ナノチューブインクへのさらなる加工のために回収する一方、遠心分離された混合物の下部3分の1を処分した。回収した遠心分離混合物を超音波処理器で約1時間超音波処理し、次いで混合物を粗いフィルターを通してろ過して、残りの塊または凝集物を除去した。
次いで、得られた混合物をカーボンナノチューブインクとして保存した。
図12は、本発明のいくつかの態様により、実施例8に従って調製した精製単層カーボンナノチューブを含む、実施例9に従って調製した単層カーボンナノチューブインクの紫外-可視吸収スペクトルを示す図である。図12の例において、カーボンナノチューブインクの紫外-可視-近赤外吸収スペクトルを、Shimadzu V3101分光光度計を用いて300ナノメートルから1,100ナノメートルまで測定し、インク中の単層カーボンナノチューブの電子構造を調べた。図12はナノチューブインク中の単層カーボンナノチューブの存在を確認することが留意されるべきである。
実施例10
いくつかの態様において、任意の精製手順を実施することができる。
本実施例において、上記実施例8に記載のとおりに調製した、湿潤ペーストの形態の精製単層カーボンナノチューブの特定の量を脱イオン水中の0.5N水酸化アンモニウム(NH4OH)に加えた。この混合物を約30分間超音波処理し、続いて桐山漏斗によりワットマン50ろ紙を通して減圧ろ過した。次いで、単層カーボンナノチューブを水酸化アンモニウムと、続いて脱イオン水で、pH中性になるまで洗浄した。単層カーボンナノチューブをナノチューブインクを調製するために回収した。ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮し、濃縮分散液を分光法および電子顕微鏡で分析した。精製単層カーボンナノチューブの透過電子顕微鏡写真(TEM)画像を図13に示す。特に、図13のTEM画像は、前述の洗浄手順が無定形、非管状炭素不純物を除去したことを示している。
実施例11
いくつかの態様において、水系ナノチューブインクを、実施例10の任意の精製手順を用いて、記載のとおりに精製した、単層カーボンナノチューブで形成させることができる。
本実施例において、脱イオン水中の0.1重量%1,2,4-トリアゾール溶液を調製した。上記実施例9に記載の精製手順により調製した、湿潤ペーストの形態の精製単層カーボンナノチューブの特定の量を加えて、0.1重量%単層カーボンナノチューブを含む溶液を作製した。この混合物を、せん断ミルを用いて(例えば、IKA Ultra-Turrax T-25せん断ミルを用いて)、11,000RPMで約15分間せん断粉砕した。次いで、混合物を、例えば、5210 Branson超音波処理器およびThermo Scientific Jouan C3i Multifunction Centrifugeを用いて、超音波処理および遠心分離(例えば、5000RPMで約1時間)した。いくつかの態様において、遠心分離された混合物の上部3分の2をさらなる加工のために回収する一方、遠心分離された混合物の下部3分の1を処分した。回収した遠心分離混合物を超音波処理器で約1時間超音波処理し、次いで混合物を粗いフィルターを通してろ過して、残りの塊または凝集物を除去した。
次いで、得られた混合物をカーボンナノチューブインクとして保存した。
図14は、本発明のいくつかの態様により、実施例10に従って調製した精製単層カーボンナノチューブを含む、実施例11に従って調製した単層カーボンナノチューブインクの紫外-可視-近赤外吸収スペクトルを示す図である。図14の例において、カーボンナノチューブインクの紫外-可視-近赤外吸収スペクトルを、Shimadzu V3101分光光度計を用いて300ナノメートルから1,100ナノメートルまで測定し、インク中のSWCNTの電子構造を調べた。示されるとおり、精製手順を用いて無定形炭素不純物を除去または低減すると、単層カーボンナノチューブにおけるバンド間電子遷移から生じる光吸収が明らかに存在する。
用途
得られたインク組成物を任意の適切な基板(例えばガラス基板、プラスティック基板、サファイア基板など)上に、インクジェット印刷、スピンコーティング、噴霧コーティングなどのいくつかの技術を用いてコーティングすることができる。加えて、得られたインク組成物を、液晶ディスプレー(LCD)、帯電防止コーティング、電極、タッチスクリーン、および多くの他の用途などの、多くの用途で用いることができる。
例えば、1つの態様において、SWCNTの多数の束を含み、したがって懸濁性が制限されたインクを、電池電極またはキャパシタなどの用途に用いることができる。別の態様において、個別に懸濁したSWCNTを含むインクを、透明導電性コーティングなどの用途に用いることができる。
別の適切な態様において、本明細書に記載のとおりに製造したインクを、約10ナノメートルから数百マイクロメートル(μm)のサイズ範囲のプラスティックビーズ上にコーティングすることができる。代替的に、または加えて、インクを、10ナノメートルから数百マイクロメートル(μm)の範囲の直径を有し、10〜106の範囲のアスペクト比を有する、合成樹脂繊維、ガラス繊維またはセラミック繊維上にコーティングすることができる。特定の例において、前述のインクを用いてカーボンナノチューブでコーティングしたプラスティックビーズの走査電子顕微鏡(SEM)画像を図11に示す。
プラスティック、ガラス、セラミック、ならびに/または他の適切な基板および材料のコーティングを用いて、導電率および/または熱伝導率を向上させうることが留意されるべきである。したがって、これは導電性フィルムまたは静電気消失用途に使用することができる。
本明細書に記載のとおりに調製したインクを、例えば、ジアゾニウム塩との反応、ディールス・アルダー試薬、付加環化、ハロゲン化、求核またはラジカル付加によるが、それらに限定されるわけではない、カーボンナノチューブの化学的官能基化のための媒質として使用しうることがさらに留意されるべきである(例えば、Tasis et al., Chem. Rev. 2006, 106, 1105-1136;およびZhang et al., J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 8446-8454参照)。そのような官能基化は金属または半導体カーボンナノチューブに選択的に行いうる。
前述のインク中に分散させた官能基化および非官能基化カーボンナノチューブの混合物は、密度勾配遠心法または電気泳動によって分離することができる。
イオン性界面活性剤の存在下、または非存在下で、有機溶媒(例えば、o-ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン(THF)など)または水などの他の反応媒質中で官能基化したカーボンナノチューブを、前述のインク中に再溶解する。
したがって、除去可能な添加剤を含む溶媒系または水系カーボンナノチューブインクが提供される。
本発明を前述の例示的態様において記載し説明してきたが、本開示は例示のためにのみなされており、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の実施の詳細において多くの変更をなしうることが理解される。本開示の態様の特徴は、さまざまな様式で組み合わせ、再編成することができる。

Claims (27)

  1. 以下を含む、インク組成物:
    複数のカーボンナノチューブ;
    溶媒;および
    該複数のカーボンナノチューブを該溶媒中で安定化させる、トリアゾール系の除去可能な添加剤であって、該トリアゾール系の除去可能な添加剤が、以下の化学式:
    Figure 0006275743
    (式中、R 、R 、およびR は、Hまたは無置換のC −C 20 アルキル基を示す)を有する1,2,4−トリアゾール化合物である、添加剤
  2. 前記複数のカーボンナノチューブが、単層カーボンナノチューブ、金属単層カーボンナノチューブ、半導体単層カーボンナノチューブ、およびそれらの混合物のうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記複数のカーボンナノチューブが、金属単層カーボンナノチューブおよび半導体単層カーボンナノチューブのうちの1つを多く含む、請求項1に記載のインク組成物。
  4. 前記溶媒が、水、N−メチルピロリジノン(NMP)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ−ト(PGMEA)、メチルエチルケトン(MEK)、およびメチルイソプロピルケトンのうちの1つである、請求項1に記載のインク組成物。
  5. 前記トリアゾール系の除去可能な添加剤が、分散剤および安定剤として作用するように選択されている、請求項1に記載のインク組成物。
  6. 、R、およびRがそれぞれ水素である、請求項に記載のインク組成物。
  7. 、R、およびRのうちの少なくとも1つが水素である、請求項に記載のインク組成物。
  8. 、R、およびRのうちの少なくとも1つが無置換の〜C20アルキル基である、請求項に記載のインク組成物。
  9. フィルムを形成するために基板上に堆積されている、請求項1に記載のインク組成物。
  10. 以下の段階を含む、インク組成物を調製する方法:
    複数のカーボンナノチューブ、トリアゾール系の除去可能な添加剤、および溶媒を混合する段階であって、該複数のカーボンナノチューブが該溶媒中に分散し、かつ、該溶媒中に分散する該複数のカーボンナノチューブが該トリアゾール系の除去可能な添加剤によって安定化され、該トリアゾール系の除去可能な添加剤が、以下の化学式:
    Figure 0006275743
    (式中、R 、R 、およびR は、Hまたは無置換のC −C 20 アルキル基を示す)を有する1,2,4−トリアゾール化合物である、段階。
  11. 前記複数のカーボンナノチューブが、単層カーボンナノチューブ、金属単層カーボンナノチューブ、半導体単層カーボンナノチューブ、およびそれらの混合物のうちの1つまたは複数を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記複数のカーボンナノチューブが、金属単層カーボンナノチューブおよび半導体単層カーボンナノチューブのうちの1つを多く含む、請求項10に記載の方法。
  13. 前記溶媒が、水、N−メチルピロリジノン(NMP)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ−ト(PGMEA)、メチルエチルケトン(MEK)、およびメチルイソプロピルケトンのうちの1つである、請求項10に記載の方法。
  14. 、R、およびRがそれぞれ水素である、請求項10に記載の方法。
  15. 、R、およびRのうちの少なくとも1つが水素である、請求項10に記載の方法。
  16. 、R、およびRのうちの少なくとも1つが無置換の〜C20アルキル基である、請求項10に記載の方法。
  17. 前記複数のカーボンナノチューブを、湿潤ペーストの形態で、前記トリアゾール系の除去可能な添加剤および前記溶媒を含む溶液に供給する段階をさらに含む、請求項10に記載の方法。
  18. 前記トリアゾール系の除去可能な添加剤を、前記複数のカーボンナノチューブおよび前記溶媒を含む溶液に供給することにより、前記複数のカーボンナノチューブを安定化させる段階をさらに含む、請求項10に記載の方法。
  19. 前記複数のカーボンナノチューブを前記溶媒中に分散させる前に該複数のカーボンナノチューブに前記トリアゾール系の除去可能な添加剤を適用することにより、該複数のカーボンナノチューブを安定化させる段階;および
    該複数のカーボンナノチューブおよび該トリアゾール系の除去可能な添加剤に該溶媒を供給する段階
    をさらに含む、請求項10に記載の方法。
  20. 前記インク組成物を基板に塗布する段階;および
    前記トリアゾール系の除去可能な添加剤の実質的な部分を熱アニーリングにより除去する段階であって、該インク組成物を基板に塗布した後に該トリアゾール系の除去可能な添加剤が除去される、段階
    をさらに含む、請求項10に記載の方法。
  21. 前記トリアゾール系の除去可能な添加剤および水系溶媒を加える前に、前記複数のカーボンナノチューブを精製する段階をさらに含む、請求項10に記載の方法。
  22. 前記複数のカーボンナノチューブを水酸化アンモニウム溶液中で洗浄することによって、該複数のカーボンナノチューブを精製する、請求項21に記載の方法。
  23. 遠心分離を用いて不純物を減らすことにより、前記複数のカーボンナノチューブ、前記トリアゾール系の除去可能な添加剤、および水系溶媒を含む混合物を精製する段階をさらに含む、請求項10に記載の方法。
  24. 前記遠心分離が無定形炭素不純物を減らす、請求項23に記載の方法。
  25. 遠心分離された前記混合物の第一の部分がインク組成物として保存され、かつ、遠心分離された該混合物の第二の部分が廃棄される、請求項23に記載の方法。
  26. 所与のサイズよりも大きい直径を有する粒子不純物を除去するために、遠心分離された前記混合物の少なくとも一部をフィルターに通過させる段階をさらに含む、請求項23に記載の方法。
  27. 以下の段階を含む、インク組成物を調製する方法:
    複数の単層カーボンナノチューブを含むペーストを供給する段階;
    無定形炭素不純物を実質的に減らすために、該複数の単層カーボンナノチューブを含むペーストを水酸化アンモニウム溶液中で精製する段階;
    精製された該複数の単層カーボンナノチューブを含むペーストに1,2,4−トリアゾール化合物および水系溶媒を加えることによって混合物を形成させる段階であって、該複数の単層カーボンナノチューブが該水系溶媒中に分散し、かつ、該水系溶媒中に分散する該複数の単層カーボンナノチューブが該1,2,4−トリアゾール化合物によって安定化され、該1,2,4−トリアゾール化合物が、以下の化学式:
    Figure 0006275743
    (式中、R 、R 、およびR は、Hまたは無置換のC −C 20 アルキル基を示す)を有する、段階;ならびに
    該混合物を遠心分離によって精製する段階であって、遠心分離された該混合物の第一の部分がインク組成物として保存され、かつ、遠心分離された該混合物の第二の部分が廃棄される、段階。
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