JP2015048263A - 単層カーボンナノチューブ及び二層カーボンナノチューブを含有しているカーボンナノチューブ集合体、並びにその合成方法 - Google Patents

単層カーボンナノチューブ及び二層カーボンナノチューブを含有しているカーボンナノチューブ集合体、並びにその合成方法 Download PDF

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維春 清宮
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Abstract

【課題】本発明では、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)と、二層CNT(DWCNT)とを含有しているカーボンナノチューブ(CNT)集合体であって、SWCNT及びDWCNTが小さい径を有し、それによって優れた電気伝導性を有する透明導電膜を形成できるCNT集合体の合成方法を提供する。
【解決手段】CNT集合体を合成する本発明の方法は、触媒金属及び/又はその前駆体、炭素源、及びキャリアガスを加熱炉に導入して、流動している気相中でCNTを合成するCNTの合成方法であって、炭素源が、常温及び常圧で液体の有機化合物である第1炭素源、メタンである第2炭素源、並びにエタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロピレン、プロピン及びそれらの組合せからなる群より選択される第3炭素源を含有し、かつキャリアガスが、水素及び不活性ガスの混合ガスである。
【選択図】図1

Description

本発明は、単層カーボンナノチューブ及び二層カーボンナノチューブを含有しているカーボンナノチューブ集合体、並びにその合成方法に関する。
カーボンナノチューブ(以下「CNT」と略す)は、優れた機械的特性(鋼鉄の20倍の機械強度)、優れた熱伝導特性(銅の10倍)、及び優れた電気伝導性(銅の1000倍以上の高電流密度耐性)から、ナノ材料の代表として注目を集めている。
CNTは、1層のグラファイト層が筒状になった構造である単層CNT(以下「SWCNT」(Single−Wall CNT)と略す)と、二層以上のグラファイト層が同心円状の筒状になった構造である多層CNT(以下「MWCNT」(Multi−Wall CNT)と略す)とに大きく分類される。MWCNTのうち、特に二層のグラファイト層が同心円状の筒状になった構造であるものは、二層CNTと呼ばれている(以下「DWCNT」(Double−Wall CNT)と略す)。
SWCNTが優れた特性、例えば電気伝導性を有することは多くの理論的研究で明らかにされている。
しかしながら、実際に合成されたSWCNTには多くの構造的欠陥が存在するため、その優れた特性が発現されにくい。これに対して、DWCNTは外層のCNTに欠陥がある場合にも、内層のCNTはほぼ完全な構造を有することができる。このため、DWCNTは、SWCNTの優れた電気伝導性と、MWCNTの優れた機械的強靭性とを併せ持つ材料として注目されている。
例えば、DWCNTは、SWCNTと同等の低い電圧で優れた電界電子放出(フィールドエミッション)特性を有し、しかもSWCNTより長寿命であり耐久性に優れるため、特に電界電子放出等のエレクトロニクス分野での用途に関して優れたCNT材料であるとされている。
したがって、DWCNTの効率的な合成方法、又はSWCNT及びDWCNTを含有しているCNT集合体の効率的な合成方法が、産業的に求められている。
CNTの合成には主に、アーク放電法、レーザーアブレーション法、CVD法(化学気相成長法、化学気相蒸着法、又は化学蒸着法とも言う)の3つの手法が用いられている。
これらのCNT合成方法のうちで、CVD法、特に気相流動CVD法は、スケールアップが容易であること、合成に使用する触媒の調製が容易であること、及び合成されたCNTに含有されている触媒量が少ないので触媒の除去が一般に不要又は容易であること等から、CNTを工業的に生産するのに最も適していると考えられている。ここで、この気相流動CVD法とは、ナノメートルサイズの触媒金属微粒子及び/又はその前駆体、炭素源、及びキャリアガスを加熱炉に導入して、流動している気相中でCNTを合成するCNT合成方法である。
気相流動CVD法によるCNT合成に関しては、デカリンやトルエン等の常温及び常圧で液体の有機化合物と、エチレン等の常温及び常圧で気体の不飽和脂肪族炭化水素との2種類の炭素源を用いて、SWCNTを合成すること(特許文献1)、トルエン等の常温及び常圧で液体の有機化合物と、メタンとの2種類の炭素源を用いて、SWCNT及びDWCNTを含有しているCNT集合体を合成すること(特許文献2)が提案されている。
なお、CVD法としては、担体に担持された金属触媒を用いる触媒担持CVD法も知られている。しかしながら、この方法において高温を使用すると、金属微粒子が担体から蒸発する虞がある。したがって、この方法は、反応温度を1,000℃以下に抑えて実施する必要がある。その結果、この方法で高品質なDWCNTを製造することは困難であった。また、この方法では、CNT中のDWCNT含有量及び直径の自由な制御が困難であること、得られたCNTを固体の触媒から分離する必要があること等の課題があった。
国際公開第2007/12592号 特開2013−018673号公報
上記のように、気相流動CVD法によって、SWCNT及びDWCNTを含有しているCNT集合体を製造する方法が提案されている(特許文献2)。
これに対して、本発明では、SWCNT及びDWCNTを含有しているCNT集合体であって、SWCNT及びDWCNTが小さい径を有し、それによって優れた電気伝導性を有する透明導電膜を形成できるCNT集合体を提供する。
また、本発明では、このようなCNT集合体の合成方法を提供する。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記の本発明に想到した。
〈1〉触媒金属及び/又はその前駆体、炭素源、及びキャリアガスを加熱炉に導入して、流動している気相中でカーボンナノチューブを合成する、カーボンナノチューブの合成方法であって、
上記炭素源が、常温及び常圧で液体の有機化合物である第1炭素源、メタンである第2炭素源、並びにエタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロピレン、プロピン及びそれらの組合せからなる群より選択される第3炭素源を含有し、かつ
上記キャリアガスが、水素及び不活性ガスの混合ガスである、
カーボンナノチューブ集合体の合成方法。
〈2〉上記第1炭素源が、芳香族化合物である、上記〈1〉項に記載の方法。
〈3〉上記第1炭素源が、ベンゼン、トルエン、キシレン及びそれらの組合せからなる群より選択される、上記〈2〉項に記載の方法。
〈4〉上記キャリアガスが、10〜90mol%の水素、及び90〜10mol%の不活性ガスを含有している、上記〈1〉〜〈3〉項のいずれか一項に記載の方法。
〈5〉上記カーボンナノチューブ集合体のラマン散乱分析におけるGバンドとDバンドのピーク強度比I/I比が、90以上である、上記〈1〉〜〈4〉項のいずれか一項に記載の方法。
〈6〉上記カーボンナノチューブ集合体が、単層カーボンナノチューブ及び二層カーボンナノチューブを含有し、かつ上記カーボンナノチューブ集合体における二層カーボンナノチューブの含有率が、カーボンナノチューブの本数に基づいて、20%以上である、上記〈1〉〜〈5〉項のいずれか一項に記載の方法。
〈7〉上記カーボンナノチューブ集合体が、単層カーボンナノチューブ及び二層カーボンナノチューブを含有し、かつ上記単層カーボンナノチューブの平均直径が2.0nm以下であり、かつ上記二層カーボンナノチューブの平均外層径が2.5nm以下である、上記〈1〉〜〈6〉項のいずれか一項に記載の方法。
〈8〉単層カーボンナノチューブ及び二層カーボンナノチューブを含有しているカーボンナノチューブ集合体であって、
上記単層カーボンナノチューブの平均直径が2.0nm以下であり、上記二層カーボンナノチューブの平均外層径が2.5nm以下であり、上記二層カーボンナノチューブの含有率が、カーボンナノチューブの本数に基づいて、20%以上であり、かつラマン散乱分析におけるGバンドとDバンドのピーク強度比I/I比が、90以上である、カーボンナノチューブ集合体。
〈9〉ラマン散乱分析における265cm−1付近のピークの強度が、185cm−1付近のピークの強度の1/50以上である、上記〈8〉項に記載のカーボンナノチューブ集合体。
〈10〉三層以上の多層カーボンナノチューブ含有率が、カーボンナノチューブの本数に基づいて、10%以下である、上記〈8〉又は〈9〉項に記載のカーボンナノチューブ集合体。
〈11〉金属含有率が、10質量%以下である、上記〈8〉〜〈10〉項のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ集合体。
〈12〉上記〈8〉〜〈11〉項のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ集合体を含有している、透明導電膜。
本発明のCNT集合体によれば、SWCNT及びDWCNTが小さい径を有し、それによって優れた透明導電性を提供することができる。また、CNT集合体を合成する本発明の方法によれば、優れた透明導電性有するCNT集合体、特に本発明のCNT集合体を効率的に合成することができる。
図1は、例において用いたCNT製造装置の概略図である。 図2は、例1−6で得られたCNT集合体のTEM写真であり、このCNT集合体は、SWCNTを主に含有しているSWCNT及びDWCNTの混合物である。 図3は、CNT集合体のラマンスペクトルを示す図であり、それぞれのスペクトルデータは下から順に、例1−1〜例1−5、及び例1−6〜例1−9で得られたCNT集合体についてのラマンスペクトルである。 図4は、例2−7で得られたCNT集合体のTEM写真であり、このCNT集合体は、DWCNTを主に含有しているSWCNT及びDWCNTの混合物である。 図5は、CNT集合体のラマンスペクトルを示す図であり、それぞれのラマンスペクトルは下から順に、例2−1〜例2−4、例2−5〜例2−8、及び例2−9〜例2−12で得られたCNT集合体についてのラマンスペクトルである。 図6は、例3−6で得られたCNT集合体のTEM写真であり、このCNT集合体は、DWCNTを主に含有しているSWCNT及びDWCNTの混合物である。 図7は、CNT集合体のラマンスペクトルを示す図であり、それぞれのラマンスペクトルは下から順に、例3−1、及び例3−3〜例3−7で得られたCNT集合体についてのラマンスペクトルである。 図8は、例6−1及び例6−2のCNT集合体を用いた透明導電膜の透過率と表面抵抗との関係を示す図である。
《カーボンナノチューブ(CNT)集合体の合成方法》
CNT集合体を合成する本発明の方法では、触媒金属及び/又はその前駆体、炭素源、及びキャリアガスを加熱炉に導入して、流動している気相中でCNTを合成する。ここで、この加熱炉としては電気炉を用いることが、加熱温度を制御するために一般に好ましい。加熱炉の反応領域の温度は例えば、800℃〜1,300℃の範囲の温度にすることができる。
〈炭素源〉
CNT集合体を合成する本発明の方法では、炭素源は、常温及び常圧で液体の有機化合物である第1炭素源、メタンである第2炭素源、並びにエチレン、エタン、アセチレン、プロピレン、プロパン及びそれらの組合せからなる群より選択される第3炭素源を含有する。本発明において、常温及び常圧は25℃及び1気圧を意味している。
本発明の方法によって得られるCNT集合体は、小さい径を有するSWCNT及びDWCNTを含有することができる。理論に限定されるものではないが、これは下記のような理由によると考えられる。
すなわち、本発明の方法では、第1〜第3炭素源を組み合わせて加熱炉に導入することによって、始めに、熱分解しやすいエチレン等の第3炭素源が熱分解し、そして初期の段階の触媒金属粒子、すなわち凝集が始まる前の比較的小さい触媒金属粒子上でSWCNTの生成が起こる。このようにして小さい触媒金属粒子上でSWCNTの生成が起こることによって、細いSWCNTが形成される。
その後、加熱炉中を触媒微粒子及びこのSWCNTが進んで行くにしたがって、エチレン等の第3炭素源に比べて熱分解しにくい第1及び第2炭素源、すなわち常温及び常圧で液体の有機化合物及びメタンも熱分解してCNTを形成するための炭素源を提供し、相対的に大きくなった触媒微粒子上でDWCNTを生成し、またSWCNT上でグラファイト構造を作ってDWCNTとなると考えられる。
この際に、第2炭素源であるメタンは特に熱分解しにくいので、エチレン等の第3の炭素源によるSWCNTの形成がほぼ完了した後で、熱分解させることができ、それによってDWCNTの形成を促進できると考えられる。
〈炭素源−第1炭素源〉
本発明の方法において、第1炭素源は、常温及び常圧で液体の有機化合物である。
この常温及び常圧で液体の有機化合物としては、気相流動CVD法によるCNTの合成において一般に用いられている有機化合物を挙げることができる。また、この有機化合物は、好ましくは芳香族化合物、例えば単環式、縮合環式、及びそれらの誘導体からなる群より選択される芳香族炭化水素である。具体的には、この炭化水素は、ベンゼン、トルエン、キシレン(オルト体、メタ体、パラ体及びこれらの混合物を含む)、トリメチルベンゼン(1,2,3−、1,2,4−、1,3,5−トリメチルベンゼン及びこれらの混合物を含む)等の単環式の芳香族炭化水素、特にベンゼン及び/又はトルエンである。
〈炭素源−第2炭素源〉
本発明の方法において、第2炭素源はメタンである。
〈炭素源−第3炭素源〉
本発明の方法において、第3炭素源は、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロピレン、プロピン及びそれらの組合せ、特にエタン、エチレン、アセチレン及びそれらの組合せからなる群より選択される。
〈キャリアガス〉
本発明の方法においてキャリアガスは、水素及び不活性ガスの混合ガスである。
このキャリアガスにおける水素の濃度は、例えば5mol%以上、10mol%以上、15mol%以上、20mol%以上、25mol%以上、30mol%以上、35mol%以上、又は40mol%以上であってよい。またこの水素濃度は、90mol%以下、80mol%以下、70mol%以下、60mol%以下、又は50mol%以下であってよい。
キャリアガスにおける不活性ガスは、希ガス、窒素、又はそれらの組合せであってよく、特にアルゴン、ヘリウム、窒素、又はそれらの組合せであってよい。
本発明の方法では、このようにキャリアガスが水素に加えて不活性ガスを含有することによって、下記の反応式で示されるメタン(第2炭素源)の熱分解反応の平衡を、キャリアガスが不活性ガスを含有しない場合に比較して右辺側に移動させて、メタンの熱分解を促進することができる:
CH ←→ C + 2H
〈触媒金属及び/又はその前駆体〉
本発明の方法において、触媒金属及び/又はその前駆体は、CNTの生成触媒として働くことができれば、金属の種類やその形態に特に制限されるものではなく、遷移金属化合物又は遷移金属超微粒子が好ましく用いられる。この遷移金属としては、鉄、コバルト、ニッケル、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、及びマンガンを挙げることができる。
遷移金属化合物を用いる場合、遷移金属化合物は、加熱炉内で熱分解することにより、触媒としての遷移金属微粒子を生成できるものである。このような遷移金属化合物としては、有機遷移金属化合物、無機遷移金属化合物等を挙げることができる。有機遷移金属化合物としては、フェロセン、コバルトセン、ニッケロセン、鉄カルボニル、アセチルアセトナート鉄、オレイン酸鉄等を挙げることができ、より好ましくはフェロセンである。無機遷移金属化合物としては塩化鉄等を挙げることができる。
触媒金属微粒子及び/又はその前駆体は、噴霧、蒸発、昇華等によって単独で加熱炉に供給することができるが、常温及び常圧で液体の有機化合物である第1炭素源に混合して触媒混合液を得、このようにして得た触媒混合液を、噴霧等によって加熱炉に供給することもできる。また、このような触媒混合液は、キャリアガスと共に二流体ノズルに供給して噴霧することができる。
〈反応促進剤〉
本発明の方法では、CNTの合成を促進する反応促進剤を用いることができ、このような反応促進剤としては、硫黄化合物が好ましく用いられる。この硫黄化合物は、硫黄原子を含有し、触媒としての遷移金属と相互作用して、CNTの生成を促進させることができるものである。
使用可能な硫黄化合物としては、有機硫黄化合物、及び無機硫黄化合物を挙げることができる。有機硫黄化合物としては、例えば、チアナフテン、ベンゾチオフェン、チオフェン等の含硫黄複素環式化合物を挙げることができ、より好ましくはチオフェンである。また、無機硫黄化合物としては、単体硫黄、二硫化炭素、硫化水素を挙げることができる。
〈炭素源−供給比〉
トルエン等の常温及び常圧で液体の有機化合物である第1炭素源、メタンである第2炭素源、エチレン等の第3炭素源、及びキャリアガスの供給比は、意図するDWCNT含有率、SWCNT及びDWCNTの径等に基づいて決定することができる。
キャリアガス中の第1炭素源のモル濃度は、例えば50ppm〜3000ppm、好ましくは150ppm〜1500ppm、より好ましくは300ppm〜600ppmにすることができる。
第1炭素源と第2炭素源とのモル比は、例えば1:0.5〜1:100、又は1:5〜1:50にすることができる。トルエン等の第1炭素源とエチレン等の第3炭素源とのモル比は、例えば1:0.3〜1:50、又は1:1〜1:20にすることができる。また、メタン等の第2炭素源とエチレン等の第3炭素源とのモル比は、例えば1:0.5〜1:50、又は1:1〜1:20にすることができる。
また、それぞれの炭素源に含有される炭素原子の比で表す場合、トルエン等の第1炭素源と、メタン等の第2炭素源と、エチレン等の第3炭素源との炭素原子モル比は、例えば0.01〜1:1:0.01〜1、0.05〜0.7:1:0.05〜0.6、又は0.1〜0.6:1:0.1〜0.4にすることができる。
メタンである第2炭素源の供給速度は、CNT集合体中のDWCNTの含有率に大きく関連しており、メタンの供給速度を増やすと、DWCNTの含有率が増加する傾向がある。
エチレン等の第3炭素源の供給速度は、CNT混合物の収量、及びCNTの直径に直接関連しており、エチレン等の第3炭素源の供給速度を増やすと、CNT収量は減少するものの、得られるCNT、特にDWCNTの径が細くなる傾向がある。
第1〜第3炭素源、及びキャリアガスの合計供給速度は、特に制限はなく、反応器の容量及び形状等に応じて適宜選択することができる。また、第1〜第3炭素源は、反応を迅速、かつ均一に行わせるために、キャリアガスと共に加熱炉に導入することが好ましい。
〈合成されるCNT集合体〉
本発明の方法によって合成されるCNT集合体に含有されるSWCNT及びDWCNTの平均径、DWCNTの含有率、I/I比等については、本発明のCNT集合体に関する下記の記載を参照することができる。特に、本発明の方法によって合成されるCNT集合体は、本発明のCNT集合体であってよい。
《カーボンナノチューブ(CNT)集合体》
本発明のCNT集合体は、SWCNT及びDWCNTを含有しているCNT集合体であって、SWCNTの平均直径が2.0nm以下であり、DWCNTの平均外層径が2.5nm以下であり、DWCNTの含有率が、CNTの本数に基づいて、20%以上であり、かつラマン散乱分析におけるGバンドとDバンドのピーク強度比I/I比が、90以上である。この本発明のCNT集合体は特に、気相流動CVD法CNT集合体、すなわち気相流動CVD法によって合成されたCNT集合体である。
このような本発明のCNT集合体は、細いCNT径、大きいDWCNT含有率、及び大きいI/I比の組合せによって、優れた透明導電性、及び強靱性等を提供することができる。このような本発明のCNT集合体は例えば、CNT集合体を合成する本発明の方法によって合成することができる。
〈SWCNTの平均直径、及びDWCNTの平均外層径〉
本発明のCNT集合体では、SWCNTの平均直径は、2.0nm、1.9nm以下、又は1.8nm以下であってよい。また、SWCNTの平均直径は、1.5nm以上、1.6nm以上、又は1.7nm以上であってよい。
本発明のCNT集合体では、DWCNTの平均外層径は、2.5nm、2.4nm以下、2.3nm以下、2.2nm以下、2.1nm以下、2.0nm以下であってよい。また、DWCNTの平均外層径は、1.5nm以上、1.6nm以上、1.7nm以上、1.8nm以上、又は1.9nm以上であってよい。
本発明のCNT集合体は、CNT集合体に含有されるSWCNT及びDWCNTがこのような小さい径を有していることによって、特に透明導電膜として用いたときに優れた透明導電性を提供できる。
なお、本発明において、SWCNTの平均直径、及びDWCNTの平均外層径はいずれも、透過型電子顕微鏡(TEM)でCNT集合体を観察し、無作為に100本のCNTを選択し、それぞれのCNTについて測定した直径を平均した値である。また、DWCNTの「外層径」は、DWCNTの外層の直径、すなわちDWCNTを構成する外側の筒状グラファイト層の直径を意味している。
〈DWCNTの含有率〉
本発明のCNT集合体では、DWCNTの含有率は、CNTの本数に基づいて、20%以上、30%以上、40%以上、又は50%以上であってよい。また、DWCNTの含有率は、CNTの本数に基づいて、90%以下、80%以下、70%以下、又は60%以下であってよい。
本発明のCNT集合体は、DWCNTの含有率が大きいことによって、DWCNTによる優れた性質、すなわち優れた電気伝導性及び強靱性の組合せを提供することができる。
なお、本発明において、DWCNTの含有率は、透過型電子顕微鏡(TEM)でCNT集合体を観察し、無作為に100本のCNTを選択し、それぞれのCNTをSWCNT、DWCNT、及び三層以上のMWCNTのいずれかに分類したときの、DWCNTの本数の割合を意味している。
〈I/I比〉
本発明のCNT集合体では、ラマン散乱分析におけるGバンドとDバンドの強度比であるI/I比は、100以上、110以上、120以上、130以上、140以上、150以上であってよい。また、I/I比は、250以下、240以下、230以下、220以下、210以下、200以下、190以下、又は180以下であってよい。
ここで、ラマン散乱分析におけるGバンドとは、1590cm−1付近に観測される振動モードであり、グラファイトのラマン活性モードと同種の振動モードであると考えられている。一方で、ラマン散乱分析におけるDバンドとは、1350cm−1付近に観測される振動モードであり、CNTの欠陥や不純物に由来する振動モードであるとされている。
したがって、GバンドとDバンドとのピーク強度比であるI/I比は、CNTの構造や純度の指標として客観性が高く、最も信頼できる純度評価法の1つであり、I/I比の値が高いほど、高純度で高品質なものであるということができる。
なお、一般に、気相流動CVD法以外の方法で製造されたCNTでは、I/I比は30程度であり、これは、得られたCNTが、構造欠陥や不純物を多く包含するものであって、高品質ではないことを意味している。特に、背景技術の欄で説明したように、担体に担持された金属触媒を用いる触媒担持CVD法では、反応温度を高めることができず、したがって高品質なCNT、すなわちI/I比が大きいCNTを合成することは困難であった。
〈RBMピーク強度比〉
本発明のCNT集合体では、ラマン散乱分析における265cm−1付近のRBM(Radial Breathing Mode)ピークの強度が、185cm−1のRBMピークの強度の、1/50以上、1/40以上、1/30以上、1/20以上、1/10以上、1/5以上、1/4以上、1/3以上、又は1/2以上であってよい。なお、このRBMピークの強度比の決定のためには、300cm−1〜350cm−1の強度の平均値をベースラインとし、このベースラインを基準とした265cm−1付近及び185cm−1のRBM付近のピークの高さをそれぞれのRBMピークの強度とする。
文献(Nano Letters,vol.9(10),3646,2009)によればRBMピークとCNT直径との間には以下の式で表される関係が存在する。
d(nm)=248/ω
(dはCNT直径であり、かつωはRBMピーク位置である)
したがって、ラマン散乱分析における265cm−1付近のピークは、直径約0.94nmのCNTに対応しており、また185cm−1付近のピークは、直径約1.34nmのCNTに対応しているので、265cm−1付近のピークが比較的に強いことは、直径約0.94nmのCNT、すなわち極めて細いCNTが比較的多量に含有されていることを意味している。
〈MWCNTの含有率〉
本発明のCNT集合体では、三層以上のMWCNTの含有率は、CNTの本数に基づいて、10%以下、8%以下、6%以下、4%以下、2%以下、又は1%以下であってよい。
このように三層以上のMWCNTの含有率が低いことは、本発明のCNT集合体がSWCNT及びDWCNTによる特性を十分に発揮するために好ましいことがある。
〈金属含有率〉
本発明のCNT集合体では、金属含有率は、10質量%以下、8質量%以下、6質量%以下、5質量%以下、4質量%以下、3質量%以下、2質量%以下、1質量%以下、又は0.5質量%以下であってよい。
ここで、この金属含有率は、流通空気雰囲気下において昇温速度5℃/分で20℃から900℃に加熱してCNTの炭素成分を酸化除去することによって残存質量を求め、この残存質量が全て触媒金属の酸化物に由来するものであると仮定して求めることができる。したがって例えば、触媒金属が鉄(Fe)である場合、残存質量に55.85/79.85(鉄(Fe)の分子量/酸化鉄(FeO1.5)分子量)をかけることによって、金属含有率を求めることができる。金属含有率が低いことは、金属が不純物として作用する用途で本発明のCNT集合体を用いる場合に好ましいことがある。
《透明導電膜》
本発明の透明導電膜は、本発明のCNT集合体を含有している。本発明の透明導電膜は、本発明のCNT集合体を含有していることによって、優れた透明導電性を有することができる。
本発明の透明導電膜は随意に、CNTを溶液法で成膜する際の分散剤及び/又は透明導電膜におけるバインダーとして機能する高分子化合物を含有していてもよい。また、このような高分子化合物としては、任意の高分子化合物、好ましくは透明性及び/又は導電性を有する高分子化合物を挙げることができる。例えば、透明性を有する高分子化合物としては、ポリビニールアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)等を挙げることができる。また導電性を有する高分子化合物としては、ポリスチレンスルフォネート(PSS)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルフェート)(PEDT/PSS、又はPEDOT/PSS)等を挙げることができる。
以下では、例に基づいて本発明を具体的に説明する。なお、以下の例は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。
〈I/I比〉
/I比は、レーザーラマン分光光度計(日本分光株式会社製NRS−2100)を使用し、波長532nmのレーザーを励起光源として用いて測定した。
〈SWCNT及びDWCNTの含有率及び直径〉
透過型電子顕微鏡(TEM)(Topcom社EM−002B/UHR、加速電圧120kV)でCNT集合体を観察し、無作為に選択した100本のCNTについて、それぞれのCNTの層の数及び直径を測定した。なお、CNTの直径としては、DWCNTの場合には内層の直径(内層径)と外層の直径(外層径)を評価した。
また、SWCNT、DWCNT、及び三層以上のMWCNTの「含有率」はそれぞれ、無作為に選択した100本のCNTのうちの、SWCNT、DWCNT、及び三層以上のMWCNTの本数の割合を示す。
〈金属含有率〉
示差熱天秤(株式会社リガク社製のTG8120)を用い、空気流量100cc/分及び昇温速度5℃/分で、約5mgのCNT集合体の質量減少曲線を、室温から900℃まで測定し、残存物の重量を求め、そこからCNT集合体の重量に対する金属の重量の割合、すなわち金属含有率を求めた。
《例1−1〜例1−12》
図1に示すような、縦型のCNT製造装置を使用してCNT集合体を製造した。
具体的には、このCNT製造装置は、電気炉1、ムライト製反応管2(内径52mm、外径60mm、長さ1,500mm(内、有効加熱長さ1,000mm))、液状原料スプレー3、スプレーガス流量計4、第1キャリアガス流量計5、第2キャリアガス流量計6、マイクロフィーダー7、回収フィルター8、第2炭素源流量計9、第3炭素源流量計10、及びガス混合器11で構成されている。
マイクロフィーダー7には、第1炭素源としてのトルエン:触媒金属前駆体としてのフェロセン:反応促進剤としてのチオフェンを100:4:1の質量比で含有している原料液を貯留した。第2炭素源としてのメタンは、第2炭素源流量計9及びガス混合器11を経由させて、供給速度を制御した。また、第3炭素源としてのエチレンは、第3炭素源流量計10、及びガス混合器11を経由させて、供給速度を制御した。
第1キャリアガス及びスプレーガスとしてのアルゴン、並びに第2キャリアガスとしての水素ガスを、スプレーガス流量計4、キャリアガス流量計5及び6を用いて、1,200℃に加熱された電気炉中の反応管2に供給した。なお、水素とアルゴンの混合キャリアガス中の水素濃度は30mol%又は50mol%とし、合計流量を7L/分とした。
例1−1〜例1−9では、第1炭素源としてのトルエン等を含有している原料液を、10μL/分の流速で噴霧し、第2炭素源としてのメタンを0〜150sccm(標準立方センチメートル)で供給し、第3炭素源としてのエチレンを5sccmで供給して、1時間にわたって気相流動CVD法によってCNT集合体を合成した。合成されたCNT集合体は回収フィルター8で捕集した。
また、例1−10は、第3炭素源としてのエチレンを用いなかったことを除いて例1−4と同様にして実施した。
例1−11は、キャリアガスとして水素のみを用い、かつ第2炭素源としてのメタンを用いないことを除いて例1−1〜例1−9と同様にして実施した。また、例1−12は、キャリアガスとして水素のみを用いたことを除いて例1−3及び例1−7と同様にして実施した。
例1−1〜例1−12の合成条件の概要を、下記の表1−1に示している。また、CNT収量、I/I比、金属含有率、並びにSWCNT、DWCNT及び三層以上のMWCNTの含有率及び直径を、下記の表1−2に示している。
〈キャリアガス中の水素濃度の影響〉
下記の表1−1及び表1−2から理解されるように、キャリアガスの水素濃度が30mol%から50mol%に増加すると、CNT集合体の収量は増加したが、DWCNTの径は大きくなった。
キャリアガスの水素濃度が100mol%である場合には、第1及び第3炭素源を用い、かつ第2炭素源(メタン)を用いなかった例1−11、及び第1〜第3炭素源を用いた例1−12のいずれにおいても、DWCNTが合成されなかった。
〈第2炭素源としてのメタンの影響〉
第2炭素源としてのメタンを用いない例(例1−1及び例1−6)で得られたCNT集合体と比較して、第2炭素源としてのメタンを用いた例で得られたCNT集合体では、DWCNTの含有率が高かった。また、DWCNTの含有率は、第2炭素源としてのメタンの供給速度の増加とともに高くなる傾向があった。
第2炭素源としてのメタンの供給速度に対するSWCNT及びDWCNTの径の依存性は、比較的小さかった。
〈第3炭素源としてのエチレンの影響〉
第3炭素源としてのエチレンを用いない例1−10では、DWCNTの含有率が高かったが、得られたSWCNT及びDWCNTの径は、エチレンを用いたことを除いて同様である例1−4と比較して大きかった。すなわち、エチレンの使用は、SWCNT及びDWCNTの径を小さくするために有効であった。
〈TEM写真〉
図2は、例1−6で得られたCNT集合体のTEM写真であり、このCNT集合体は、SWCNTを主に含有しているSWCNT及びDWCNTの混合物である。このCNT集合体では、三層以上のMWCNTが実質的に観察されなかった。
〈ラマン分析〉
例1−1〜例1−9で得られたCNT集合体のラマンスペクトルを図3に示す。ここでは、それぞれのラマンスペクトルは下から順に、例1−1〜例1−5、及び例1−6〜例1−9で得られたCNT集合体についてのラマンスペクトルである。
図3(a)は、キャリアガスの水素濃度30mol%(例1−1〜例1−5)で得られたCNT集合体が、267cm−1、185cm−1、及び152cm−1付近にRBMピークを有することを示している。これらのピークはそれぞれ、直径約0.93nm、約1.34nm、及び約1.63nmのCNTに対応している。ここでは、直径約1.34nmのCNTが主としてSWCNTに対応すること、及び直径約0.93nmのCNTがDWCNTの内層に対応することが、TEMの観察結果から理解される。
また、図3(a)は、キャリアガスの水素濃度50mol%(例1−6〜例1−9)で得られたCNT集合体が、185cm−1、及び152cm−1付近にピークを有することを示している。これらのピークはそれぞれ、約1.34nm、及び約1.63nmのCNTに対応している。ここでは、直径約1.34nmのCNTが、SWCNT、及びDWCNTの内層に対応することが、TEMの観察結果から理解される。
すなわち、直径約0.93nmのCNTに対応する267cm−1付近のピークは、キャリアガスの水素濃度が30mol%であり、かつ第2炭素源としてのメタンを添加した例1−2〜例1−5で観察された。一方で、水素濃度50mol%の例1−6〜例1−9では、直径約0.93nmのCNTに対応する267cm−1付近のピークは実質的に観察されないか、又はわずかにのみ観察された。これは、キャリアガスの水素濃度が増加するにつれて、DWCNTの内層径が大きくなったことを示している。このことは、上述のTEM観察の結果と一致している。
また、図3(b)で示されているように、いずれの例においても、1590cm−1付近における強いGバンドに比べ、1350cm−1付近におけるDバンドのピークは非常に弱く、得られたCNT集合体のI/I比は90以上であった。
〈金属含有率〉
900℃までの加熱の際の質量減少曲線から求められた金属含有率は、いずれの例においても、5質量%以下であった。
《例2−1〜例2−13》
キャリアガスにおける水素濃度を、30mol%(例2−1〜2−4)、50mol%(例2−5〜例2−8、及び例2−13)、及び70mol%(例2−9〜例2−12)とし、かつ第1炭素源としてのトルエンの供給速度を17.5μL/分にした以外は、例1−1〜例1−12と同様にして、例2−1〜例2−13を実施した。
例2−1〜例2−13の合成条件の概要を、下記の表2−1に示している。また、CNT収量、I/I比、金属含有率、並びにSWCNT、DWCNT及び三層以上のMWCNTの含有率及び直径を、下記の表2−2に示している。
〈キャリアガス中の水素濃度の影響〉
下記の表2−1及び表2−2から理解されるように、キャリアガスの水素濃度が30mol%、50mol%、そして70mol%に増加するにつれて、CNT集合体の収量は増加した。ただし、キャリアガスの水素濃度が70mol%のときは、DWCNTの含有率が最も低かった。
また、キャリアガスの水素濃度が30mol%、50mol%、そして70mol%に増加するにつれて、SWCNT及びDWCNTの径は大きくなった。
〈第2炭素源としてのメタンの影響〉
第2炭素源としてのメタンを用いない例(例2−1、例2−5及び例2−9)で得られたCNT集合体と比較して、第2炭素源としてのメタンを用いた例で得られたCNT集合体では、DWCNTの含有率が高かった。DWCNTの含有率は、第2炭素源としてのメタンの供給速度の増加とともに高くなる傾向があった。
第2炭素源としてのメタンの供給速度に対するSWCNT及びDWCNTの径の依存性は、比較的小さかった。
〈第3炭素源としてのエチレンの影響〉
第3炭素源としてのエチレンを用いない例2−13では、DWCNTの含有率が高かったが、得られたSWCNT及びDWCNTの径は、エチレンを用いたことを除いて同様である例2−7と比較して大きかった。すなわち、エチレンの使用によって、SWCNT及びDWCNTの径が小さくなることが分かった。
〈TEM写真〉
図4は、例2−7で得られたCNT集合体のTEM写真であり、このCNT集合体は、DWCNTを主に含有しているSWCNT及びDWCNTの混合物である。
〈ラマン分析〉
例2−1〜例2−12で得られたCNT集合体のラマンスペクトルを図5に示す。ここでは、それぞれのラマンスペクトルは下から順に、例2−1〜例2−4、例2−5〜例2−8、及び例2−9〜例2−12で得られたCNT集合体についてのラマンスペクトルである。
図5(a)は、約265cm−1付近におけるピーク(直径0.94nmのDWCNT内層径に対応)は、キャリアガス中の水素濃度が30mol%の場合に大きく、水素濃度が50mol%になると小さくなり、更に水素濃度が70mol%になると実質的に観察されなくなることを示している。これは、キャリアガスの水素濃度が増加するにつれて、DWCNTの内層径が大きくなったことを示している。このことは、上述のTEM観察の結果と一致している。
また、図5(b)で示されているように、いずれ例においても、1590cm−1付近における強いGバンドに比べ、1350cm−1付近におけるDバンドのピークは非常に弱く、得られたCNT集合体のI/I比は100以上であった。
〈金属含有率〉
900℃までの加熱の際の質量減少曲線から求められた金属含有率は、いずれの例においても、5質量%以下であった。
《例3−1〜例3−8》
キャリアガスにおける水素濃度を50mol%にし、第1炭素源としてのトルエンの供給速度を17.5μL/分にし、第2炭素源としてのメタンの供給速度を100sccmにし、第3炭素源としてのエチレンの供給速度を0sccm〜30sccmの範囲で変化させたこと以外は、例1−1〜例1−12と同様にして、例3−1〜例3−8を実施した。
例3−1〜例3−8の合成条件の概要を、下記の表3−1に示している。また、CNT収量、I/I比、金属含有率、並びにSWCNT、DWCNT及び三層以上のMWCNTの含有率及び直径を、下記の表3−2に示している。
〈第3炭素源としてのエチレンの影響〉
第3炭素源としてのエチレンの供給速度が大きくなるにつれてCNT収量は減少したが、得られるSWCNT及びDWCNTの径は小さくなった。また、第3炭素源としてのエチレンの供給速度が大きくなるにつれて、三層以上のMWCNT含有率が増加する傾向があったが、いずれも10質量%以下であった。
エチレンの供給速度に対するDWCNTの含有率の依存性は小さかった。
〈TEM写真〉
図6は、例3−6で得られたCNT集合体のTEM写真であり、このCNT集合体は、DWCNTを主に含有しているSWCNT及びDWCNTの混合物である。
〈ラマン分析〉
例3−1、及び例3−3〜例3−7で得られたCNT集合体のラマンスペクトルを図7に示す。ここでは、それぞれのラマンスペクトルは下から順に、例3−1、及び例3−3〜例3−7で得られたCNT集合体についてのラマンスペクトルである。
図7(a)は、例3−1、及び例3−3〜例3−7のいずれにおいても、約265cm−1付近(主に0.94nmのDWCNT内層径に対応)にピークが存在することを示している。これは、これらの例で得られたCNT集合体ではいずれも、内層径0.94nmのDWCNTが存在していることを意味している。これらの例では、第3炭素源としてのエチレンの供給速度の増加に伴って、TEMで観察されるDWCNTの平均内層径が小さくなっていることから明らかなように、エチレンの供給速度の増加と共に、内層径0.94nmのDWCNTの割合が増加している。
また、図7(b)で示されているように、いずれ例においても、1590cm−1付近における強いGバンドに比べ、1350cm−1付近におけるDバンドのピークは非常に弱く、得られたCNT集合体のI/I比は100以上であった。
〈金属含有率〉
900℃までの加熱の際の質量減少曲線から計算される金属含有率は、第3炭素源としてのエチレンの供給速度が大きくなるにつれて増加した。これは、エチレンの供給速度の増加に伴ってCNT収量が減少したことによって、得られるCNT集合体における金属の割合が相対的に大きくなったことによる。
《例4−1〜例4−5》
キャリアガスにおける水素濃度を30mol%にし、第1炭素源としてのトルエンの供給速度を17.5μL/分にし、第2炭素源としてのメタンの供給速度を50sccmにし、第3炭素源としてのエチレンの供給速度を2sccm〜30sccmの範囲で変化させたこと以外は、例1−1〜例1−12と同様にして、例4−1〜例4−5を実施した。
例4−1〜例4−5の合成条件の概要を、下記の表4−1に示している。また、CNT収量、I/I比、金属含有率、並びにSWCNT、DWCNT及び三層以上のMWCNTの含有率及び直径を、下記の表4−2に示している。
〈第3炭素源としてのエチレンの影響〉
第3炭素源としてのエチレンの供給速度が大きくなるにつれてCNT収量は減少したが、得られるSWCNT及びDWCNTの径は小さくなった。また、第3炭素源としてのエチレンの供給速度が大きくなるにつれて、三層以上のMWCNT含有率が増加する傾向があったが、いずれも10質量%以下であった。
エチレンの供給速度に対するDWCNTの含有率の依存性は小さかった。
〈金属含有率〉
900℃までの加熱の際の質量減少曲線から計算される金属含有率は、第3炭素源としてのエチレンの供給速度が大きくなるにつれて増加した。これは、エチレンの供給速度の増加に伴ってCNT収量が減少したことによって、得られるCNT集合体における金属の割合が相対的に大きくなったことによる。
《例5−1〜例5−5》
キャリアガスにおける水素濃度を70mol%にし、第1炭素源としてのトルエンの供給速度を17.5μL/分にし、第2炭素源としてのメタンの供給速度を100sccmにし、第3炭素源としてのエチレンの供給速度を2sccm〜30sccmの範囲で変化させたこと以外は、例1−1〜例1−12と同様にして、例5−1〜例5−5を実施した。
例5−1〜例5−5の合成条件の概要を、下記の表5−1に示している。また、CNT収量、I/I比、金属含有率、並びにSWCNT、DWCNT及び三層以上のMWCNTの含有率及び直径を、下記の表5−2に示している。
〈第3炭素源としてのエチレンの影響〉
第3炭素源としてのエチレンの供給速度が大きくなるにつれてCNT収量は減少したが、得られるSWCNT及びDWCNTの径は小さくなった。また、第3炭素源としてのエチレンの供給速度が大きくなるにつれて、三層以上のMWCNT含有率が増加したが、いずれも5質量%以下であった。
エチレンの供給速度に対するDWCNTの含有率の依存性は小さかった。
〈金属含有率〉
900℃までの加熱の際の質量減少曲線から計算される金属含有率は、第3炭素源としてのエチレンの供給速度が大きくなるにつれて増加した。これは、エチレンの供給速度の増加に伴ってCNT収量が減少したことによって、得られるCNT集合体における金属の割合が相対的に大きくなったことによる。
《例6》
第3炭素源としてのエチレンを供給しなかったことを除いて、例2−3と同様にして、例6−1のCNT集合体を得た。また、例2−3と同様にして、例6−2のCNT集合体を得た。これらのCNT集合体の物性は、下記の表6に記載のとおりである。
上記の例6−1及び例6−2のCNT集合体をそれぞれ、チップ型超音波分散装置及び分散剤としてのポリビニルピロリドン(PVP)を用いて、CNT集合体濃度0.05質量%のCNT分散水溶液にした。このCNT分散水溶液を、光学用PETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、厚み100μm)上に、バーコーターを用いて異なる厚さに塗布して成膜した。得られた膜を溶液で洗浄することによって膜中の分散剤を部分的に除去し、さらに100℃で乾燥させて、CNT含有透明導電膜を得た。
この透明導電膜の表面抵抗値を、抵抗率計(三菱化学アナテック社製のロレスタGP MCP−T610)を用いて測定した。また、この透明導電膜の透過率を、ヘイズメーター(日本電色工業株式会社製のNDH4000)を使用して、JIS K7105に従って測定した。なお、透過率は、基材による透過率の低減を考慮して較正した。
表面抵抗値及び透過率についての評価結果を、図8に示す。図8から明らかなように、SWCNT及びDWCNTの径が小さい例6−2のCNT集合体を用いたCNT含有透明導電膜では、これらの径が大きい例6−1のCNT集合体を用いたCNT含有透明導電膜と比較して、優れた透明導電性を示す。
1 電気炉
2 反応管
3 液状原料スプレー
4 スプレーガス流量計
5 第1キャリアガス流量計
6 第2キャリアガス流量計
7 マイクロフィーダー
8 回収フィルター
9 第2炭素源流量計
10 第3炭素源流量計
11 ガス混合器

Claims (12)

  1. 触媒金属及び/又はその前駆体、炭素源、及びキャリアガスを加熱炉に導入して、流動している気相中でカーボンナノチューブを合成する、カーボンナノチューブの合成方法であって、
    前記炭素源が、常温及び常圧で液体の有機化合物である第1炭素源、メタンである第2炭素源、並びにエタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロピレン、プロピン及びそれらの組合せからなる群より選択される第3炭素源を含有し、かつ
    前記キャリアガスが、水素及び不活性ガスの混合ガスである、
    カーボンナノチューブ集合体の合成方法。
  2. 前記第1炭素源が、芳香族化合物である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1炭素源が、ベンゼン、トルエン、キシレン及びそれらの組合せからなる群より選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記キャリアガスが、10〜90mol%の水素、及び90〜10mol%の不活性ガスを含有している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記カーボンナノチューブ集合体のラマン散乱分析におけるGバンドとDバンドのピーク強度比I/I比が、90以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記カーボンナノチューブ集合体が、単層カーボンナノチューブ及び二層カーボンナノチューブを含有し、かつ前記カーボンナノチューブ集合体における二層カーボンナノチューブの含有率が、カーボンナノチューブの本数に基づいて、20%以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記カーボンナノチューブ集合体が、単層カーボンナノチューブ及び二層カーボンナノチューブを含有し、かつ前記単層カーボンナノチューブの平均直径が2.0nm以下であり、かつ前記二層カーボンナノチューブの平均外層径が2.5nm以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 単層カーボンナノチューブ及び二層カーボンナノチューブを含有しているカーボンナノチューブ集合体であって、
    前記単層カーボンナノチューブの平均直径が2.0nm以下であり、前記二層カーボンナノチューブの平均外層径が2.5nm以下であり、前記二層カーボンナノチューブの含有率が、カーボンナノチューブの本数に基づいて、20%以上であり、かつラマン散乱分析におけるGバンドとDバンドのピーク強度比I/I比が、90以上である、カーボンナノチューブ集合体。
  9. ラマン散乱分析における265cm−1付近のピークの強度が、185cm−1付近のピークの強度の1/50以上である、請求項8に記載のカーボンナノチューブ集合体。
  10. 三層以上の多層カーボンナノチューブ含有率が、カーボンナノチューブの本数に基づいて、10%以下である、請求項8又は9に記載のカーボンナノチューブ集合体。
  11. 金属含有率が、10質量%以下である、請求項8〜10のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ集合体。
  12. 請求項8〜11のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ集合体を含有している、透明導電膜。
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