JP2019155592A - 二軸配向ポリエステルフィルムおよび塗布型磁気記録テープ - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルムおよび塗布型磁気記録テープ Download PDF

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Abstract

【課題】例えば12TB以上の超高密度記録媒体に用いるベースフィルムなど、極めて平坦な表面を有し、かつ薄膜でありながらもフィルムのハンドリングが良好で加工性に優れた二軸配向ポリエステルフィルムを得ること。【解決手段】幅が1m以上である二軸配向ポリエステルフィルムであって、一方の表面を形成するA層と、他方の表面を形成するB層の少なくとも2層から構成され、各層表面の中心線平均粗さRaのバラツキがいずれも1nm未満であり、A層とB層の表面のRaの差が1nm以上であり、B層の表面のRaがA層の表面のRaよりも大きく、B層の表面のRa(RaB)が3〜7nmの範囲であり、RaBとB層の表面の10点平均粗さRz(RzB)との積が500nm2以下であり、幅方向の三次元10点平均粗さSRz(スタイラス)の標準偏差がSRz平均値の10.0%以下であり、かつB層には平均粒径500nm未満の不活性粒子を含有し、B層厚み(tB)に対する前記添加粒子の最大平均粒子径(dB)の比が0.9≦tB/dB≦2.0を満たす二軸配向ポリエステルフィルムとする。【選択図】なし

Description

本発明は、例えば12TB以上の超高密度記録媒体に用いるベースフィルムなど、極めて平坦な表面を有し、かつ薄膜でありながらもフィルムのハンドリングが良好で加工性に優れた二軸配向ポリエステルフィルムに関する。
記録容量が極めて高いデータストレージなどの塗布型磁気記録テープに用いるベースフィルムは、磁性面側となる平滑面と、走行面となる粗面のそれぞれを構成する2層以上の構造を持つことが一般的であるが、このベースフィルムにおける表面特性の主な課題は、磁性面側の平滑面については、粒子の凝集などの表面欠点がなく電特に優れることと、走行面に関しては、走行面の突起や表面欠点がテープ加工時に磁性面に転写するなどして、磁性面側に欠点を作らないことの2点である。
これらの課題に応えるため、これまで特許文献1〜4に示されるように、添加粒子の分散性を向上させたフィルムや、粒子の凝集を減らしたフィルムが提案されている。しかしながら、近年の高密度記録の要求はすさまじく、記録容量が1巻当たり6.0TBを超えるようなデータストレージでは、そのトラックサイズの小ささから、粗面側の層の添加粒子による突起が、テープ加工時の平滑面側(磁性面側)に転写する欠点に関して、今までは問題とされていなかった大きさのものが、磁気記録テープの品質に影響を与えるようになり、前述の特許文献1〜4でエラーが少ないとされたフィルムでも十分に応えられなくなってきた。
また同時に、高密度記録が進むことで、ベースフィルムそのものも薄くしなければならず、磁性面側と走行面側のそれぞれを構成する層の厚みを均一とすることが以前よりも困難となり、添加粒子の分散性も更に厳しいものとなってきた。
特開2015−202602号公報 特開2015−74104号公報 特開2014−022027号公報 特開2012−153100号公報
本発明の目的は、例えばフィルムを幅方向に大きく延伸・成形する工程を持つ大型マシンにおいても、粗面側を構成する層(B層)積層厚みのばらつきを原因とする、B層突起のA層(平滑面を構成する層)への転写が少ない、電磁変換特性および良好なエラーレート性能を発現できる二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。
上記目的を達成するためには、幅方向においてB層のRzやRaの分布幅の小さいフィルムとすることが求められるが、これを実現するためには幅方向のB層厚みが均一であることが重要である。
しかしながら、現実の製造工程においては、大型マシンであればある程、要求の高度化(高容量化)によりテープの薄膜化が進んでいった場合、A層は薄くできてもB層は積層厚みの精度不足や押出機の下限吐出量を下回ってしまい実現できないケースが多く存在した。具体的には、当初の設計よりA層とB層の吐出量バランスを崩して吐出・製膜を行うことで、B層の幅方向の厚み分布が均一でなくなり、添加粒子を減らしたり、粒径を小さくしても、B層の添加粒子による突起がA層に転写する欠点の部分的な増加が起こることがあった。
本発明者らは上記目的を解決するために鋭意検討を重ねた結果、そのB層厚みに対し適切な粒子径および粒子量を添加することと併せ、フィルム成形時におけるダイス出口から引取(冷却)ロールにポリマーが接するまでの距離やドラフト比、ポリマーの熱や圧力によって起こるダイスの出口形状の変形量などを適宜制御することにより、たとえば大型マシンにおいても、B層積層厚みのバラツキを小さくできることを見いだし本発明に到達した。
すなわち、本発明の特徴は以下の通りである。
幅が1m以上である二軸配向ポリエステルフィルムであって、一方の表面を形成するA層と、他方の表面を形成するB層の少なくとも2層から構成され、各層表面の中心線平均粗さRaのバラツキがいずれも1nm未満であり、A層とB層の表面のRaの差が1nm以上であり、B層の表面のRaがA層の表面のRaよりも大きく、B層の表面のRa(RaB)が3〜7nmの範囲であり、RaBとB層の表面の10点平均粗さRz(RzB)との積が500nm以下であり、幅方向の三次元10点平均粗さSRz(スタイラス)の標準偏差がSRz平均値の10.0%以下であり、かつB層には平均粒径500nm未満の不活性粒子を含有し、B層厚み(tB)に対する前記添加粒子の最大平均粒子径(dB)の比が0.9≦tB/dB≦2.0を満たす二軸配向ポリエステルフィルム。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを用いれば、例えば記憶容量が12.0TB以上であるデータストレージのベースフィルムに用いたときに、磁気記録エラーとなるような微小な表面欠点が低減されていることから、電磁変換特性に優れたデータストレージを量産することができる。
本発明において用いるポリエステルとしては、例えば、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸などの酸成分やジオール成分を構成単位(重合単位)とするポリマーで構成されたものを用いることができる。
芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸等を用いることができ、なかでも好ましくは、テレフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸を用いることができる。脂環族ジカルボン酸成分としては、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸等を用いることができる。脂肪族ジカルボン酸成分としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等を用いることができる。これらの酸成分は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2’−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等を用いることができ、なかでも、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール等を好ましく用いることができ、特に好ましくは、エチレングリコール等を用いることができる。これらのジオール成分は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
ポリエステルには、ラウリルアルコール、イソシアン酸フェニル等の単官能化合物が共重合されていてもよいし、トリメリット酸、ピロメリット酸、グリセロール、ペンタエリスリトール、2,4−ジオキシ安息香酸、等の3官能化合物などが、過度に分枝や架橋を
せずポリマーが実質的に線状である範囲内で共重合されていてもよい。さらに酸成分、ジオール成分以外に、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸などを本発明の効果が損なわれない程度の少量であればさらに共重合せしめることができる。
ポリマーの共重合割合はNMR法(核磁気共鳴法)や顕微FT−IR法(フーリエ変換顕微赤外分光法)を用いて調べることができる。
ポリエステルは、二軸延伸を施せること、および、寸法安定性などの本発明の効果を発現するために、ガラス転移温度が150℃未満のものを好適に使用できる。本発明において用いるポリエステルとしては、エチレンテレフタレートまたはエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とするポリマーを用いることが好ましく、また、これらの共重合体や変性体でもよく、他の熱可塑性樹脂とのポリマーアロイでもよい。ここでいうポリマーアロイとは高分子多成分系のことであり、共重合によるブロックコポリマーであってもよいし、混合などによるポリマーブレンドでもよい。
本発明で用いるポリエステルとしては特に、結晶子サイズや結晶配向度を高めるプロセスが適用しやすいことから主成分がポリエチレンテレフタレートであることがより好ましい。ここで、主成分とはフィルム組成中80質量%以上を占める成分のことをいう。
本発明で用いるポリエチレンテレフタレートをポリマーアロイとする場合、他の熱可塑性樹脂は、ポリエステルと相溶するポリマーが好ましく、ポリエーテルイミド樹脂などがより好ましい。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、少なくとも2層からなる二軸配向積層ポリエステルフィルムであり、表層を構成する少なくともA層とB層の2層を含んでいるが、A層とB層の間に他の層(X)が存在しても構わない。なお、A層、B層、他の層(X)はいずれも、いわゆる共押出により構成される層である。好ましい態様としては、A層|B層の2層構成である。もうひとつの好ましい態様としては、A層とB層の間に中間層(C層)を設け、C層には実質的に粒子を含有しない層構成が例示される。また、少なくともいずれか片面あるいは両面にコーティング層を設けても構わないが、その場合においても、A層やB層が「表層を構成する」ものとする。さらに、A層厚みがB層厚みより大きいことが好ましい。A層厚みがB層厚みより大きい場合、後述するB層の厚み(tB(μm))と該層に添加される粒子の最大粒子径(dB(μm))の比(tB/dB)を好ましい範囲に設定しやすい。
また、本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムのA層に粒子を含有せしめる場合、好ましく適用できる粒子としては、単一分散する球形の粒子や一次径が10〜30nmの凝集粒子が例示できる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを塗布型磁気記録テープのベースフィルムに用いる場合、A層表面の中心線平均粗さRaAは2.0nm以下であることが好ましい。より好ましくはRaAが0.1〜2nmである。中心線平均粗さRaAが上記の下限値未満であると走行性や巻き取り性が不良となりやすく、上記の上限値を超えると該表面にバックコート層を設け磁気記録媒体とした場合に、転写痕による電磁変換特性が低下しやすく、エラーレートが増加しやすい。また、離型・工程用として使用することも可能であり、その場合もRaAが2.0nm以下であることが好ましいが、2.0nmを超えるとピンホールなどの欠陥の発生が起こりやすい。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムのB層には、不活性粒子を含有せしめることが好ましく、その場合、不活性粒子の合計含有量は1.0wt%以下であることが好ましい。1wt%を超えると、不活性粒子に起因する突起が、テープ加工時に磁性面に転写して欠点となる場合がある。なお、この欠点は、突起の大きさと個数に影響を受けるため、B層における不活性粒子の最大平均粒径(dB)が500nm未満の場合、合計含有量は0.50wt%以下がより好ましく、さらに好ましくは0.20wt%以下である。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムのB層には、平均粒径500nm未満の不活性粒子を含有せしめることが好ましい。この場合、含有せしめる粒子としては特に限定されないが、無機粒子、有機粒子、いずれも用いることができる。2種類以上の粒子を併用することがフィルム表面の形状を制御するためには好ましい。具体的な種類としては、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ珪酸塩、カオリン、タルク、モンモリロナイト、アルミナ、ジルコニア等の無機粒子、アクリル酸類、スチレン系樹脂、シリコーン、イミド等を構成成分とする有機粒子、コアシェル型有機粒子、シリカ−アクリル複合粒子などが例示できるが、球状シリカ粒子、球状シリコーン粒子、球状架橋ポリスチレン粒子およびシリカ−アクリル複合粒子からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、単一分散する球形の粒子である有機粒子やコロイダルシリカが特に好ましい。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムはデータストレージのベースフィルムとして加工される際、1m以上の幅で加工開始されることが多いことから、少なくとも1m以上の幅において均一な表面性を持っていることが好ましい。すなわち、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは幅が1m以上であることが好ましい。また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの製造工程においてフィルムをスリットする工程を持つ大型マシンの場合、3m以上の幅において均一な表面性を持っていることが、生産性を向上させることができることから、幅は3m以上であることがより好ましい。
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、一方の表面を形成するA層と、他方の表面を形成するB層の少なくとも2層から構成されるが、A層の表面の中心線平均粗さ(RaA)のバラツキは1nm未満であることが望ましく、特に0.2nm未満であることが、テープ加工時に、部分的な電磁変換特性の低下が起こりにくいことからより好ましい。さらに、B層の表面の中心線平均粗さ(RaB)のバラツキについても、後述するように1nm未満であることが好ましい。なお、B層表面については、テープ加工時における走行面の突起や表面欠点がに磁性面に転写する欠点の発生を抑えるために、突起の高さは低く抑えつつ、テープとしての走行性や巻き取り性を維持しなければならないことから、低い突起を多数存在させることが好ましい。
なお、上記したバラツキとは、後述するように幅方向に5箇所の測定を行ったときに、その最大値の最小値の差をいう。
さらにまた、テープとしての走行性や巻き取り性の向上のためには、B層表面のRaBは3〜7nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは3〜6nm、さらに好ましくは3〜5nmである。RaBが7nmを超えると、走行性や巻き取り性は良好であっても、走行面の突起を原因とする磁性面への転写が発生することがあり、RaBが3nm未満の場合は、フィルムの走行性や巻き取り性が損なわれる場合がある。なお、RaBの値が上記の範囲内であるとは、後述するように幅方向に5箇所の測定を行ったときに、その全てが上記範囲内であることをいう。
また、本発明においてB層表面のRaBは、A層表面のRaAよりも大きく、その差は1nm以上であることが重要である。差が1nm未満の場合、同様にフィルムの走行性が損なわれたり、テープの巻き取り性が損なわれる場合がある。この場合、差が1nm以上であるとは、後述するように幅方向に5箇所の測定を行ったときに、その全てについて差が1nm以上であることをいう。
また、テープ加工時における、走行面の突起や表面欠点が磁性面に転写して発生する欠点を抑制するために、突起高さを制御することが重要となる。これについては、B層に平均粒径500nm未満の不活性粒子を含有せしめると共に、B層厚み(tB)に対する添加粒子の最大平均粒子径(dB)の比が0.9≦tB/dB≦2.0であることが好ましい。tB/dBが0.9未満の場合、添加粒子が作る突起について面積あたりの個数が不均一になりやすく、逆にtB/dBが2.0を超えると、添加粒子が作る突起の高さが不均一になりやすい。この手法で突起個数と高さを制御することで、B層表面の粗さの指標である中心線平均粗さRaBと10点平均粗さRzBをコントロールできる。
なお、tB/dBの値が上記の範囲内であるとは、後述するように幅方向に5箇所の測定を行ったときに、その全てが上記範囲内であることをいう。
このRaBとRzBについては、その積の範囲(RaB×RzB)が500nm以下であることが、テープ加工時における、走行面の突起や表面欠点が磁性面に転写する欠点を抑制できることから好ましい。(RaB×RzB)が500nmを超えると走行面の突起を原因とする磁性面への転写が発生しやすくなる。
なお、RaB×RzBの値が500nm以下であるとは、後述するように幅方向に5箇所の測定を行ったときに、その全てが500nm以下であることをいう。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、B層についても均一な表面性を持っていることが、生産性を向上させることができることから好ましく、具体的には中心線表面粗さRaBのバラツキは1nm未満であることが望ましく、より好ましくはバラツキが0.5nm未満である。さらに、B層表面におけるフィルム幅方向の三次元10点平均粗さSRz(スタイラス)の標準偏差がSRz平均値の10.0%以下であることが、テープ加工時における、走行面の突起や表面欠点が磁性面に転写する欠点を抑制できることからより好ましい。この範囲を超えるとフィルム幅方向で部分的に転写による欠点が発生することがある。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの厚み(全フィルム厚み)は4.0〜4.6μmの範囲が好ましい。厚みが4.0μmより薄くなると、剛性や寸法安定性が低下しテープの腰が不十分となり磁気記録媒体としたときに電磁変換特性が低下する傾向がある。また、B層表面突起による平滑面(A面)側への突き上げを抑制しにくくなる。また、4.6μmより大きいとテープ1巻あたりのテープ長さが短くなるため、磁気テープの小型化、高容量に対応し難い。厚みの調整方法としては、二軸配向ポリエステルフィルムの製膜の際のポリマーの溶融押出時におけるスクリューの吐出量を調整し、口金(ダイ)から未延伸フィルムの厚みを制御することによって二軸延伸後のフィルム厚みを調節することが可能となる。
この際、B層の幅方向の厚みのバラツキを小さくするには、フィルム全体の幅方向(TD)厚みムラも小さい方が有利である。そのため、ドラフト比(=(フィルム引取速度/ダイス出口ポリマー速度)÷エアーギャップ(エアーギャップ:ダイス出口から引取(冷却)ロールにポリマーが接するまでの距離(cm)))は4.0/cm以上が好ましく、より好ましくは7.0/cm以上である。
また、幅方向のB層の厚みが均一であるためには、Tダイ吐出から引取(冷却)ロールまで接地する間のポリマー速度がTD方向で均一であることが望ましく、そのためには、エアーギャップの距離が狭い方が有利であり、具体的にはTダイリップ幅の3.5%以下の距離が好ましく、より好ましくは2.0%以下の距離である。
また、生産が長期間にわたった場合、Tダイのリップ間隙が製膜中にポリマーの圧力や熱により、中央と端部で変化しないことが望ましい態様であることから、予めポリマーの圧力と熱により起こるリップ間隙の変形を考慮したリップ調整をしておくことが好ましい。
以下、本発明に使用した物性値の評価法を記載する。
(物性値の評価法)
以下の各測定に際し、測定箇所は特記なき限り、幅方向の中央、両端部(端部1、端部2)、端部1と中央の中間、端部2と中央の中間、の計5箇所である。詳細については各項において詳述する。
(1)全フィルム厚み
長手方向における一つの任意の位置について、幅方向に5点をサンプリングした。サンプルは、幅方向の両端部をそれぞれ100mm除いた部分について幅方向に4等分し、等分点(5箇所)を中心として10cm四方のフィルムをそれぞれ採取した。
測定は、各サンプルについて、測定用の試料を任意に10点切り出し、各試料について3点測定を行い、計30点のデータの平均値を各位置(各サンプル)における全フィルム厚み[μm]とした。
測定条件等は以下の通りである。
測定装置:透過型電子顕微鏡(TEM) 日立製H−7100FA型
測定条件:加速電圧 100kV
測定倍率:1万倍
試料調整:超薄膜切片法(RuO染色)
観察面 :TD−ZD断面(TD:幅方向、ZD:厚み方向)
測定回数:<全厚み>1試料につき3点、10試料を測定する。
(2)B層厚み(tB)
上記した(1)と同様にサンプリングした。
測定は、各サンプルについて、測定用の試料を任意に3点切り出し、各試料について3点測定を行い、計9点のデータの平均値を各位置(各サンプル)におけるB層厚み[μm]とした。なお、境界は含有粒子や粒子濃度をもとにした界面の観察結果から判断した。
測定条件等は以下の通りである。
測定装置:透過型電子顕微鏡(TEM) 日立製H−7100FA型
測定条件:加速電圧 100kV
測定倍率:測定する層厚み全体が顕微鏡視野中に入る最大倍率を20万倍、2万倍、1万倍、5千倍から選択
試料調整:超薄膜切片法(RuO染色)
観察面 :TD−ZD断面(TD:幅方向、ZD:厚み方向)
測定回数:<B層厚み>1試料につき3点、3試料を測定する。
(3)添加粒子の最大平均粒子径(dB)、tB/dB
任意の位置のフィルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1万倍以上の倍率で観察する。TEMの切片厚さは約100nmとし、場所を変えて100視野以上測定する。測定した等価円相当径の平均を不活性粒子の平均粒径とした。
なお、フィルム中に粒径の異なる2種類以上の粒子が存在する場合、上記の等価円相当径の個数分布が2種類以上のピークを有する分布となるため、そのそれぞれについて、別個に平均粒径(dB、dB、dB、・・・)を算出し、最も大きい平均粒径の粒子径を最大平均粒子径(dB)とした。
また、この際求められたdBと、上記(2)で求めたtBよりtB/dBを幅方向の各位置について算出した。
(4)ポリマー、粒子の含有量
ポリマーを溶解する適切な溶媒に溶解し、H核のNMR(核磁気共鳴)スペクトルを測定する。適切な溶媒は、ポリマーの種類によって異なるが、例えば、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)/重クロロホルムが用いられる。
得られたスペクトルにおいて、ポリマーに特有の吸収(例えばPETであればテレフタル酸の芳香族プロトンの吸収)のピーク面積強度をもとめ、その比率とプロトン数よりポリマーのモル比を算出する。さらに各々のポリマーの単位ユニットに相当する式量より質量比を算出する。測定条件は、例えば、以下のような条件であるが、ポリマーの種類によって異なるため、この限りではない。
装置 : ブルカー社製BRUKER DRX−500
溶媒 : HFIP/重クロロホルム
観測周波数 : 499.8MHz
基準 : TMS(テトラメチルシラン) (0ppm)
測定温度 : 30℃
観測幅 : 10KHz
データ点 : 64K
acquisiton time : 4.952秒
pulse delay time:3.048秒
積算回数 : 256 回
また、必要に応じて、顕微FT−IR法(フーリエ変換顕微赤外分光法)で組成分析を行ってもよい。その場合、ポリエステルのカルボニル基に起因するピークとそれ以外の物質に起因するピークの比から求める。なお、ピーク高さ比を質量比に換算するために、あらかじめ質量比既知のサンプルで検量線を作成してポリエステルとそれ以外の物質の合計量に対するポリエステル比率を求める。また、必要に応じてX線マイクロアナライザーを併用してもよい。また、不活性粒子の含有量については、ポリマーは溶解するが不活性粒子は溶解させない溶媒を選んで、ポリマーを溶解し、粒子を遠心分離して質量百分率を求めた。
(5)中心線平均粗さ(Ra)・10点平均粗さ(Rz)
上記(1)と同様にしてサンプリングを行い、それぞれのサンプルについて、非接触光学式粗さ測定器(装置:Zygo社製NewView7300)を用い、50倍対物レンズを使用して測定面積139μm×104μmで、場所をランダムに変えて40視野測定を行った。サンプルセットは、測定Y軸がサンプルフィルムのMD方向となるようにサンプルをステージにセットして測定した。該粗さ計に内蔵された表面解析ソフトMetroProにより波長1.65〜50μmの帯域通過フィルタを用いて算術平均粗さ(Ra)と算術10点平均粗さ(Rz)を視野ごとに求め、それぞれの平均値を幅方向の各位置における中心線平均粗さ(Ra)と10点平均粗さ(Rz)とした。
また、中心線平均粗さRaのバラツキについては、各層表面毎の5点のRaについて、最大値−最小値 Ra(MAX)−Ra(min) を求め、これを中心線平均粗さRaのバラツキとして各表面毎に求めた。
また、A層表面とB層表面のRaの差については、幅方向毎に表裏のRa差を算出した。
さらに、B層表面については、幅方向毎にRaとRzの積を求めた。
(6)三次元10点平均粗さ(SRz)
幅方向のサンプリング位置については上記(1)と同様とし、長手方向について10cmに8点、計40点のサンプリングを行い、40点それぞれのサンプル毎に、三次元微細表面形状測定器(小坂製作所製ET−350K)を用いて測定し、得られたフィルム表面のプロファイル曲線により、JIS B0601−1994に準じ、三次元10点平均粗さ(SRz)データを求めた。
得られたn=40のSRzのデータについて、平均値と標準偏差を求め、この平均値と標準偏差を、幅方向の三次元10点平均粗さ(SRz)の平均値と標準偏差とした。
測定条件は下記の通り。
X方向測定長さ:0.5mm、X方向送り速度:0.1mm/秒
Y方向送りピッチ:5μm、Y方向ライン数:40本
カットオフ:0.25mm
触針圧:0.02N
A : SRz標準偏差/SRz平均値 が 7.5%未満
B : SRz標準偏差/SRz平均値 が 7.5%以上、10.0%未満
C : SRz標準偏差/SRz平均値 が 10.0%以上
(7)エラーレート
1m幅にスリットしたフィルムを、張力200Nで搬送させ、支持体の一方の表面に下記に従って磁性塗料および非磁性塗料を塗布し、さらに12.65mm(1/2インチ)幅にスリットし、パンケーキを作成する。
(以下、「部」とあるのは「質量部」を意味する。)
磁性層形成用塗布液
バリウムフェライト磁性粉末 100部
(板径:20.5nm、板厚:7.6nm、
板状比:2.7、Hc:191kA/m(≒2400Oe)
飽和磁化:44Am/kg、BET比表面積:60m/g)
ポリウレタン樹脂 12部
質量平均分子量 10,000
スルホン酸官能基 0.5meq/g
α−アルミナ HIT60(住友化学社製) 8部
カーボンブラック #55(旭カーボン社製)
粒子サイズ0.015μm 0.5部
ステアリン酸 0.5部
ブチルステアレート 2部
メチルエチルケトン 180部
シクロヘキサノン 100部
非磁性層形成用塗布液
非磁性粉体 α酸化鉄 85部
平均長軸長0.09μm、BET法による比表面積 50m/g
pH 7
DBP吸油量 27〜38ml/100g
表面処理層Al 8質量%
カーボンブラック 15部
“コンダクテックス”(登録商標)SC−U(コロンビアンカーボン社製)
ポリウレタン樹脂 UR8200(東洋紡社製) 22部
フェニルホスホン酸 3部
シクロヘキサノン 140部
メチルエチルケトン 170部
ブチルステアレート 1部
ステアリン酸 2部
メチルエチルケトン 205部
シクロヘキサノン 135部
上記の塗布液のそれぞれについて、各成分をニ−ダで混練した。1.0mmφのジルコニアビーズを分散部の容積に対し65%充填する量を入れた横型サンドミルに、塗布液をポンプで通液し、2,000rpmで120分間(実質的に分散部に滞留した時間)、分散させた。得られた分散液にポリイソシアネ−トを非磁性層の塗料には5.0部、磁性層の塗料には2.5部を加え、さらにメチルエチルケトン3部を加え、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性層形成用および磁性層形成用の塗布液をそれぞれ調製した。
得られた非磁性層形成用塗布液を、PETフィルム上に乾燥後の厚さが0.8μmになるように塗布乾燥させた後、磁性層形成用塗布液を乾燥後の磁性層の厚さが0.07μmになるように塗布を行い、磁性層がまだ湿潤状態にあるうちに6,000G(600mT)の磁力を持つコバルト磁石と6,000G(600mT)の磁力を持つソレノイドにより配向させ乾燥させた。その後、カレンダー後の厚みが0.5μmとなるようにバックコート層(カーボンブラック 平均粒子サイズ:17nm 100部、炭酸カルシウム平均
粒子サイズ:40nm 80部、αアルミナ 平均粒子サイズ:200nm 5部をポリウレタン樹脂、ポリイソシアネートに分散)を塗布した。次いでカレンダで温度90℃、線圧300kg/cm(294kN/m)にてカレンダ処理を行った後、65℃で、72時間キュアリングした。さらに、スリット品の送り出し、巻き取り装置を持った装置に不織布とカミソリブレードが磁性面に押し当たるように取り付け、テープクリーニング装置で磁性層の表面のクリーニングを行い、磁気テープを得た。
得られたテープ原反を12.65mm(1/2インチ)幅にスリットし、それをLTO用のケースに組み込み、磁気記録テープの長さが960mのデータストレージカートリッジを作成した。このデータストレージを、IBM社製LTO7ドライブを用いて23℃50%RHの環境で記録し(記録波長0.55μm)、次に、カートリッジを50℃、80%RH環境下に7日間保存した。カートリッジを1日常温に保存した後、全長の再生を行い、再生時の信号のエラーレートを測定した。エラーレートはドライブから出力されるエラー情報(エラービット数)から次式にて算出する。
エラーレート=(エラービット数)/(書き込みビット数)
◎:エラーレートが1.0×10−6未満
○:エラーレートが1.0×10−6以上、1.0×10−5未満
×:エラーレートが1.0×10−5以上
(実施例1)
押出機E1、E2の2台を用い、280℃に加熱された押出機E1には、磁性面となる平滑面用のA層原料として、コロイダルシリカからなる1種類の添加粒子を0.20wt%を含有させた乾燥状態のポリエステルチップを、同じく280℃に加熱された押出機E2には、走行面となる粗面用のB層原料として、架橋ポリスチレンからなる平均粒径の異なる2種類の粒子を0.35wt%(不活性粒子D+不活性粒子E=0.35wt%)含有させた乾燥状態のポリエステルチップをそれぞれ供給した。これらをダイス中でB層側がキャストドラム面側になるように合流させ、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィルムを作製した。
この際、ドラフト比(=(フィルム引取速度/ダイス出口ポリマー速度)÷エアーギャップ)は7.0/cmとし、エアーギャップの距離はTダイリップ幅の2.0%とした。
(エアーギャップとはダイス出口から引取(冷却)ロールにポリマーが接するまでの距離(cm))
また、この際リップ間隙は、ポリマーの圧力と熱により起こるリップ間隙の膨張を事前に検証し、Tダイリップ幅全体に対し、2.5mmに調整した後、A層側のみ中央部分のリップ間隙を予めA層側のみ10%放物線状に狭く再調整し実施した。
この積層未延伸フィルムを同時二軸式延伸機にて予熱し、2段階にて長手方向に4.0倍、2段階にて長手方向に直角な幅方向(TD方向)に5.0倍延伸した後、熱処理を行いTD方向に弛緩、冷却後、フィルムエッジを除去し、幅5m、フィルム全厚み4.6μm、フィルム幅方向中央のtBについて0.32μmの二軸配向ポリエステルフィルムとし。その後、コア上に巻き取った。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの製膜安定性は良好であり、物性をフィルム幅方向に均等割で5箇所評価したところ、表に示すように、磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
以下、表に各実施例、比較例の添加粒子、二軸配向ポリエステルフィルムの表面特性、磁気テープの特性等を示す。
(実施例2)
フィルム幅方向中央のtBについて、0.38μmとなるようE2の押出量を調整し、全体のフィルム厚みが4.6μmとなるようE1の押出量を調整した以外は実施例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例3)
B層添加粒子の、架橋ポリスチレンからなる平均粒径の異なる2種類の粒子について、不活性粒子C+不活性粒子D=0.43wt%とした以外は実施例1と同じ方法で厚さ4.6μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例4)
フィルム幅方向中央のtBについて、0.47μmとなるようE2の押出量を調整し、全体のフィルム厚みが4.6μmとなるようE1の押出量を調整した以外は実施例3と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例5)
A層添加粒子を実施例1のA層と同じ平均粒径の架橋ポリスチレン粒子とし、事前のリップ調整についてA層側のみ中央を予め7%狭くした以外は実施例4と同じ方法で厚さ4.6μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例6)
フィルム幅方向中央のtBについて、0.55μmとなるようE2の押出量を調整し、全体のフィルム厚みが4.6μmとなるようE1の押出量を調整した以外は実施例3と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例7)
B層添加粒子の、架橋ポリスチレンからなる平均粒径の異なる2種類の粒子について、不活性粒子B+不活性粒子C=0.22wt%とし、フィルム幅方向中央のtBについて、実施例1の156%となるようE2の押出量を調整し、全体のフィルム厚みが4.6μmとなるようE1の押出量を調整した以外は実施例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例8)
フィルム幅方向中央のtBについて、0.55μmとなるようE2の押出量を調整し、全体のフィルム厚みが4.6μmとなるようE1の押出量を調整した以外は実施例7と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
物性について評価したところ、目標を達成しているものの、フィルム幅方向で中央よりの3箇所が両端の2箇所に比べやや劣る結果となった
(実施例9)
フィルム巾方向中央のtBについて、0.47μmとなるようE2の押出量を調整し、全体のフィルム厚みが4.6μmとなるようE1の押出量を調整した以外は実施例7と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
物性について評価したところ、目標を達成しているものの両端部の2箇所が他の3箇所に比べやや劣る結果となった。
(比較例1)
フィルム幅方向中央のtBについて、1.00μmとなるようE2の押出量を調整し、全体のフィルム厚みが4.6μmとなるようE1の押出量を調整した以外は実施例7と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの製膜安定性は良好であったが、物性評価したところ、表に示すように、磁気テープとしては目標に達しない結果となった。物性について評価したが目標には達しなかった。
(比較例2)
B層添加粒子の、架橋ポリスチレンからなる平均粒径の異なる2種類の粒子について、不活性粒子A+不活性粒子B=0.28wt%とし、フィルム幅方向中央のtBについて、0.50μmとなるようE2の押出量を調整し、全体のフィルム厚みが5.0μmとなるようE1の押出量を調整した以外は実施例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(比較例3)
フィルム幅方向中央のtBについて、1.00μmとなるようE2の押出量を調整し、全体のフィルム厚みが5.0μmとなるようE1の押出量を調整した以外は比較例2と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(比較例4)
B層添加粒子の、架橋ポリスチレンからなる平均粒径の異なる2種類の粒子について、不活性粒子Aの添加量を比較例3の30%に、不活性粒子Bの添加量を比較例3の113%に調整し、不活性粒子A+不活性粒子B=0.29wt%とした以外は比較例3と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(比較例5)
フィルム幅方向中央のtBについて、0.71μmとなるようE2の押出量を調整し、全体のフィルム厚みが5.0μmとなるようE1の押出量を調整した以外は比較例4と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
なお、上記の実施例および比較例でB層に使用した架橋ポリスチレンからなる添加粒子について、各粒子の平均粒径は下記の通りである
dBA:φ800nm
dBB:φ450nm
dBC:φ300nm
dBD:φ200nm
dBE:φ150nm
Figure 2019155592
Figure 2019155592
Figure 2019155592
Figure 2019155592
Figure 2019155592
本発明の積層ポリエステルフィルムは、薄膜化時の加工特性や搬送性を有し、かつ、優れた電磁変換特性と、エラーレートやドロップアウトを低減した塗布型磁気記録テープ、特にデータストレージのベースフィルムに好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 幅が1m以上である二軸配向ポリエステルフィルムであって、一方の表面を形成するA層と、他方の表面を形成するB層の少なくとも2層から構成され、各層表面の中心線平均粗さRaのバラツキがいずれも1nm未満であり、A層とB層の表面のRaの差が1nm以上であり、B層の表面のRaがA層の表面のRaよりも大きく、B層の表面のRa(RaB)が3〜7nmの範囲であり、RaBとB層の表面の10点平均粗さRz(RzB)との積が500nm以下であり、幅方向の三次元10点平均粗さSRz(スタイラス)の標準偏差がSRz平均値の10.0%以下であり、かつB層には平均粒径500nm未満の不活性粒子を含有し、B層厚み(tB)に対する前記添加粒子の最大平均粒子径(dB)の比が0.9≦tB/dB≦2.0を満たす二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. 幅が3m以上である、請求項1記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. 塗布型磁気記録テープのベースフィルムに用いる二軸配向ポリエステルフィルムであって、B層における不活性粒子の合計含有量が1.0wt%以下である、請求項1または2に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. 塗布型磁気記録テープのベースフィルムに用いる二軸配向ポリエステルフィルムであって、磁性層を形成する平滑面側の表面は、その中心線平均粗さ(RaA)が2.0nm以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. 不活性粒子が、球状シリカ粒子、球状シリコーン粒子、球状架橋ポリスチレン粒子およびシリカ−アクリル複合粒子からなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1〜4のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  6. ポリエステルがエチレンテレフタレートまたはエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とするポリマーである、請求項1〜5のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルムと、その磁性層を形成する側の表面に塗設により形成された磁性層とからなる塗布型磁気記録テープ。
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