JP2020164795A - 寸法安定性に優れるポリエステルフィルムおよび塗布型磁気記録テープ - Google Patents
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Abstract
【課題】例えば20TB以上の超高密度記録媒体に用いるベースフィルムなど、極めて平坦な表面を有し、かつ寸法安定性と加工性、工程安定性に優れた二軸配向ポリエステルフィルムを得ること。【解決手段】フィルム厚みが5.0μm未満であり、TD方向(フィルム幅方向)の湿度膨張係数CHEが5.5ppm/%RH未満であり、微小融解ピーク温度T−metaが210℃以上であり、その組成の95質量%以上がポリエチレンテレフタレートである二軸配向ポリエステルフィルムとする。【選択図】図3
Description
本発明は、例えば容量20TB以上のトラックピッチがきわめて小さい超高密度記録媒体に用いるベースフィルムなど、環境変化や長期保存による寸法安変化が小さく、かつ薄膜でありながらもフィルムのハンドリングが良好で、加工時において走行面から磁性面への転写が少ない二軸配向ポリエステルフィルム、およびそれを用いた塗布型磁気記録テープに関する。
記録容量が極めて高いデータストレージなどの塗布型磁気記録テープは、容量が大きくなるほど、その記録トラックピッチは小さいものとり、記録されたデータが正しく再生されるためには、そのテープの環境変化や長期保存による寸法変化が小さいことが要求される。またこのベースフィルムは磁性面側となる平滑面と、走行面となる粗面のそれぞれを構成する2層以上の構造を持つことが一般的であるが、表面特性の課題の一つは、走行面に関して、走行面の突起や表面欠点がテープ加工時に磁性面に転写するなどして、磁性面側に欠点を作らないことが挙げられる。
同時に、記録容量が大きいデータストレージは、磁性体成分や、加工費が高額となることからベースフィルムに対する価格要求も今まで以上に厳しいものとなってきている。
これらの課題に応えるため、特許文献1〜4に示されるような表面性を規定したり湿度膨張係数の小さいフィルムが提案されている。しかしながら、近年要求されている記録容量が1巻当たり20.0TBを超えるようなデータストレージにおいて、特許文献1に示されるフィルムでは、必要とされる湿度膨張係数を達成できず、特許文献2〜4に示される手法で、要求される湿度膨張係数を達成しようとすると、製膜性や工程適性が低下したり、ポリエステルにナフタレンジカルボン酸成分等を含有することから高額になり、その要求に十分に応えられなくなってきた。
本発明の目的は、特にデータストレージのベースフィルムに用いたとき、環境変化や長期保存による寸法変化が小さく、エラーレートの少ない、生産性にも優れた二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、目標とする湿度膨張係数のポリエステルフィルムのその後の工程適性に関して、微小融解ピーク温度T−metaが密接に関わっていることと、製膜性を犠牲にせずに、目標の湿度膨張係数と微小融解ピーク温度を同時に達成可能な条件を見いだし本発明に到達した。
すなわち、本発明の特徴は以下の通りである。
フィルム厚みが5.0μm未満であり、TD方向(フィルム幅方向)の湿度膨張係数CHEが5.5ppm/%RH未満であり、微小融解ピーク温度T−metaが210℃以上であり、その組成の95質量%以上がポリエチレンテレフタレートである二軸配向ポリエステルフィルム。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを用いれば、例えば記憶容量が20.0TB以上であるデータストレージのベースフィルムに用いたときに、環境影響による寸法変化が少なく、幅寸法安定性に優れたデータストレージを量産することができる。
本発明で用いるポリエステルとしては特に、結晶子サイズや結晶配向度を高めるプロセスが適用しやすいことから主成分がポリエチレンテレフタレートであることがより好ましい。ここで、主成分とはフィルム組成中95質量%以上を占める成分のことをいう。
本発明で用いるポリエチレンテレフタレートをポリマーアロイとする場合、他の熱可塑性樹脂は、ポリエステルと相溶するポリマーが好ましく、ポリエーテルイミド樹脂などがより好ましい。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの厚みは磁気テープの小型化、高容量に対応するため5.0μm未満であることが好ましい。5.0μmを超えるとテープ1巻あたりのテープ長さが短くなるため、磁気テープの小型化、高容量に対応し難い場合がある。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、TD方向(フィルム幅方向)の湿度膨張係数(CHE)が5.5ppm/%RH未満であることが好ましい。湿度膨張係数が5.5ppm/%RH以上であると磁気記録媒体用に用いた場合、湿度変化による変形が大きくなり、寸法安定性が十分でない場合がある。より好ましくは、5.0ppm/%RH以下である。湿度膨張係数は分子鎖の緊張度合いが影響する物性であり、後述するTD延伸1とTD延伸2の倍率比によって制御することができ、また、TD延伸のトータル倍率や、TD延伸のトータル倍率とMD延伸倍率との比によっても制御できる。TD延伸1とTD延伸2の倍率比(TD延伸1倍率/TD延伸2倍率)が大きいほど湿度膨張係数は小さくなる。また、トータルのTD延伸倍率(TD延伸1倍率×TD延伸2倍率)が高いほど湿度膨張係数は小さくなる。また、TD延伸のトータル倍率とMD延伸倍率との比((TD延伸1倍率×TD延伸2倍率)/MD延伸倍率)が大きいほど湿度膨張係数は小さくなる傾向がある。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの微小融解ピーク温度T−metaは210℃以上であることが好ましく、より好ましくは215℃以上、235℃以下であり、更に好ましくは220℃以上、230℃以下である。210℃より小さい場合、熱量不足による構造固定が不十分であり、熱収縮率が増大するため工程適性や保存安定性が十分でない場合がある。これまで、T−metaが190℃より大きい場合、過度の熱量により配向緩和が起こり寸法安定性が十分でない場合があるとされてきたが、今回後述の手法を採用することで、T−metaが210℃以上であっても、要求される寸法安定性を達成することに成功した。T−metaは熱固定温度で制御することができる。熱固定温度が高いとT−metaが高くなる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、TD方向(フィルム幅方向)のヤング率が8,000MPa以上であることが好ましい。幅方向のヤング率が8,000MPa以上であると、磁気記録媒体用に用いた場合に磁気記録媒体の記録再生時の環境変化による寸法安定性が良好となる。幅方向のヤング率は、より好ましくは8,500MPa以上、さらに好ましくは9,000MPa以上である。幅方向のヤング率は、後述するTD延伸1、2の温度や倍率によって制御することができる。特にTD延伸のトータル倍率が影響し、TD延伸のトータル倍率(TD延伸1倍率×TD延伸2倍率)が高いほどTD(幅方向)のヤング率が高くできる。しかしながら倍率をあまり高くした場合、TD熱収も上昇するため、工程適性が悪化したり、製膜性が悪化してしまうため、TD方向のヤング率の上限は10,000MPaが好ましい。
TD方向のヤング率の好ましい範囲は、8,000〜10,000MPaであり、より好ましくは8,500〜10,000MPaであり、さらに好ましくは9,000〜10,000MPaである。
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、MD方向(フィルム長手方向)のヤング率が3,600MPa以上であることが好ましい。長手方向のヤング率が3,600MPa以上であると、磁気記録媒体用に用いた場合に磁気記録媒体の保管時の張力による保存安定性が良好となる。長手方向のヤング率は、より好ましくは4,000MPa以上である。長手方向のヤング率はMD延伸の倍率で制御することができる。MD延伸倍率が高いほどMDヤング率が高くなる。しかしながら倍率をあまり高くした場合、MD熱収も上昇するため、製膜性が悪化することから、MD方向のヤング率の上限は5,400MPaが好ましい。
MD方向のヤング率の好ましい範囲は、3,600〜5,400MPaであり、より好ましくは4,000〜5,400MPaである。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、100℃で30分間の熱処理後のTD方向(フィルム幅方向)の熱収縮率が0.7〜1.3%であることが好ましい。TD方向の熱収縮率が1.3%よりも大きいと磁気記録媒体の製造工程における工程適性が低下する。また、熱収縮率の下限値は小さいほど好ましいが、湿度膨張係数との両立を達成するには、0.7%が製法上の下限値と考える。上記の熱収縮率を得るためには、二軸配向ポリエステルフィルムの微小融解ピーク温度T−metaが210℃以上になるよう延伸工程後の熱固定処理温度を210〜230℃として処理した後、60〜90℃の温度差でフィルム幅方向に0.5〜3.0%弛緩することが好ましい。熱固定処理時間は、2〜6秒の範囲で行うのが好ましく、弛緩時間は、1〜3秒の範囲で行うのが好ましい。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、少なくとも2層から構成されていることが好ましく、表面(表層)を構成する少なくともA層とB層の2層を含んでいることが好ましいが、A層とB層の間に他の層(X)が存在しても構わない。なお、A層、B層、他の層(X)はいずれも、いわゆる共押出により構成される層である。好ましい態様としては、A層|B層の2層構成である。もうひとつの好ましい態様としては、A層とB層の間に中間層(C層)を設け、C層には実質的に粒子を含有しない層構成が例示される。また、少なくともいずれか片面あるいは両面にコーティング層を設けても構わないが、その場合においても、A層やB層が「表面(表層)を構成する」ものとする。
また、A層に粒子を含有せしめる場合、好ましく適用できる粒子としては、単一分散する球形の粒子が例示できる。
さらに、B層に粒子を含有せしめる場合、好ましく適用できる粒子としては、単一分散する球形の粒子と、その球状粒子に対し一次粒径が20nm未満の凝集粒子の2成分以上からなることが例示できる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを上記した2層構成とする場合、A層表面の中心線平均粗さRaAは2.0nm以下であることが好ましい。より好ましくはRaAが0.1〜2nmである。中心線平均粗さRaAが上記の下限値未満であると走行性や巻き取り性が不良となりやすく、上記の上限値を超えると該表面にバックコート層を設け磁気記録媒体とした場合に、転写痕による電磁変換特性が低下しやすく、エラーレートが増加しやすい。また、離型・工程用として使用することも可能であり、その場合もRaAが2.0nm以下であることが好ましいが、2.0nmを超えるとピンホールなどの欠陥の発生が起こりやすい。
さらにまた、テープとしての走行性や巻き取り性の向上のためには、B層表面の中心線平均粗さRaBは3〜5nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは3〜4nmである。RaBが5nmを超えると、走行性や巻き取り性は良好であっても、走行面の突起を原因とする磁性面への転写が発生することがあり、RaBが3nm未満の場合は、フィルムの走行性や巻き取り性が損なわれる場合がある。なお、RaBの値が上記の範囲内であるとは、幅方向に等間隔で3箇所の測定を行ったときに、その全てが上記範囲内であることをいう。
このRaBとB層の表面の10点平均粗さRzBについては、その積の範囲(RaB×RzB)が250nm2以下であることが、テープ加工時における、走行面の突起や表面欠点が磁性面に転写する欠点を抑制できることから好ましい。(RaB×RzB)が250nm2を超えると走行面の突起を原因とする磁性面への転写が発生しやすくなる。
なお、RaB×RzBの値が250nm2以下であるとは、幅方向に等間隔で3箇所の測定を行ったときに、それぞれの位置における(RaB×RzB)の全てが250nm2以下であることをいう。
また、本発明においてB層表面のRaBは、A層表面のRaAよりも大きく、その差は1nm以上であることが重要である。差が1nm未満の場合、フィルムの走行性が損なわれたり、テープの巻き取り性が損なわれる場合がある。この場合、差が1nm以上であるとは、幅方向に等間隔で3箇所の測定を行ったときに、それぞれの位置におけるRaAとRaBの差全てが、1nm以上であることをいう。
また、A層の表面の中心線平均粗さ(RaA)のバラツキは1nm未満であることが望ましく、特に0.2nm未満であることが、テープ加工時に、部分的な電磁変換特性の低下が起こりにくいことからより好ましい。さらに、B層の表面の中心線平均粗さ(RaB)のバラツキについても、1nm未満であることが好ましい。なお、特にB層表面については、テープ加工時における走行面の突起や表面欠点が磁性面に転写する欠点の発生を抑えるために、突起の高さは低く抑えつつ、テープとしての走行性や巻き取り性を維持しなければならないことから、突起個数は多く、かつ均一に分散している必要がある。
なお、上記したバラツキとは、幅方向に等間隔で3箇所の測定を行ったときに、その最大値と最小値の差をいう。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムのB層には、不活性粒子を含有せしめることが好ましく、その場合、不活性粒子の合計含有量は0.5wt%以上1.0wt%以下であることが好ましい。0.5wt%未満の場合フィルムのハンドリング性が低下しやすく、1.0wt%を超えると、不活性粒子に起因する突起が、テープ加工時に磁性面に転写して欠点となる場合がある。なお、この欠点は、突起の大きさと個数に影響を受けるため、B層における不活性粒子の最大平均粒径(dBMAX)は400nm未満であることが望ましい。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムのB層には、平均粒径400nm未満の不活性粒子を含有せしめることが好ましい。この場合、含有せしめる粒子としては特に限定されないが、無機粒子、有機粒子、いずれも用いることができる。2種類以上の粒子を併用することがフィルム表面の形状を制御するためには好ましい。具体的な種類としては、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ珪酸塩、カオリン、タルク、モンモリロナイト、アルミナ、ジルコニア等の無機粒子、アクリル酸類、スチレン系樹脂、シリコーン、イミド等を構成成分とする有機粒子、コアシェル型有機粒子、シリカ−アクリル複合粒子などが例示できるが、球状シリカ粒子、球状シリコーン粒子、球状架橋ポリスチレン粒子およびシリカ−アクリル複合粒子からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、単一分散する球形の粒子である有機粒子やコロイダルシリカが特に好ましい。
つぎに、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法について、ポリエチレンテレフタレート(PET)をポリエステルとして用いた例を代表例として説明する。まず、ポリエチレンテレフタレートは、次のいずれかのプロセスで製造される。すなわち、(1)テレフタル酸とエチレングリコールを原料とし、直接エステル化反応によって低分子量のポリエチレンテレフタレートまたはオリゴマーを得、さらにその後の三酸化アンチモン等を触媒に用いた重縮合反応によってポリマーを得るプロセス、(2)ジメチルテレフタレートとエチレングリコールを原料とし、エステル交換反応によって低分子量体を得、さらにその後の三酸化アンチモン等を触媒に用いた重縮合反応によってポリマーを得るプロセスである。ここで、エステル化は無触媒でも反応は進行するが、エステル交換反応においては、通常、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、リチウム等の化合物を触媒に用いて進行させ、またエステル交換反応が実質的に完結した後に、該反応に用いた触媒を不活性化する目的で、リン化合物を添加する場合もある。
フィルムを構成するポリエステルに不活性粒子を含有させる場合には、エチレングリコールに不活性粒子を所定割合にてスラリーの形で分散させ、このエチレングリコールを重合時に添加する方法が好ましい。不活性粒子を添加する際には、例えば、不活性粒子の合成時に得られる水ゾルやアルコールゾル状態の粒子を一旦乾燥させることなく添加すると粒子の分散性がよい。また、不活性粒子の水スラリーを直接ポリエステルと混合し、ベント式二軸混練押出機を用いて、ポリエステルに練り込む方法も有効である。不活性粒子の含有量を調節する方法としては、上記方法で高濃度に不活性粒子を含有させたポリエステルを作っておき、それを製膜時に不活性粒子を実質的に含有しないポリエステルで希釈して不活性粒子の含有量を調節する方法が有効である。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、逐次二軸延伸機ではなく、同時二軸延伸機を用いることで、目標とする湿度膨張係数とT−metaの両立を図ることができる。
通常、同時二軸延伸機を用いて、高倍率の延伸を行う場合、延伸温度と延伸倍率を2段階に分けて行うが、この際、クリップ把持によるMD/TD方向の同時延伸の際の製膜安定性には、特にクリップ近傍におけるフィルムエッジの成形性が大きく関わってくる。本願のような高倍率のフィルムにおいては、そのエッジ幅は延伸前の未延伸フィルムの片側100mm程であり、延伸、熱処理完了後のフィルムにおいては片側300mm程に及ぶ。このエッジの成形が不安定であったり、エッジ部分と製品部分との境界に急峻な厚みのへこみや膨らみがある場合、特に本願のように厚みを5.0μm未満に成形するような場合においては延伸張力のわずかな変動でクリップが外れたり、加工速度や加工温度や加工方向といった工程が変わるタイミングで、フィルムに局部的な応力集中が発生し破れ等のトラブルが発生する。
これまで、同時二軸延伸において1段目延伸におけるMD倍率とTD倍率は、このエッジ成形性の観点から、ほぼ同じ倍率か、MD倍率がTD倍率よりわずかに大きいことが好ましいとされていた。TD倍率がMD倍率より大きい場合、図1の<1>に示すような、クリップ把持箇所で面方向に急峻なエッジが成形され、その後の2段目延伸が不安定になるためである。MD倍率がTD倍率とほぼ同じ倍率の場合は図1の<2>に示すようななだらかなエッジが成形される。図1はフィルムのエッジ形状のパターンを示す概略図である。
本願発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、目標とする湿度膨張係数を達成するために1段目延伸のTD倍率をMD倍率より大きくする必要があり、当初、本願発明者らはこのエッジの成形性を改善するために、エッジ近傍を局部加熱するなど行ったが、僅かに改善はするものの、ある一定範囲を超えるとかえって工程張力の変動が大きくなったり、湾曲の周期が不規則になる等で、2段目延伸でクリップ外れや破れが発生することとなり、目標とする製膜性との両立を達成することができなかった。
そこで発想の転換を図ることとなった。
当初、2段目延伸区間はMD/TDのいずれも延伸を行うこととしていたが、1段目延伸のMD倍率を高め、2段目延伸区間ではMD延伸を行わずTD延伸のみを行った状態で製膜性を高めることを検討した。具体的には前述の手法で、ある程度エッジの整形性を改善した後、2段目延伸区間での工程張力の変動の大きさと周期性を押さえ込むために、通常であればMD延伸の際に倍率を付与させるために使用している速度制御点をそれまでの6点から12点へ増設し、2段目延伸区間の製膜状態を安定させた。
また同時に、エッジ部と製品部との境界の厚み改善を行った。具体的には、整形後のフィルム厚みをインライン厚さ計によって全幅測定するが、その際TD方向に厚さ計が走行する際のMD方向の距離を50〜75mの範囲になるように厚さ計のスキャン速度を設定する。そして図2に示すような(20回測定した際の平均値の)TD方向厚みパターンを求める。図2はフィルムの厚みパターンを示す概略図である。この図2の両端の厚みパターンに関して、エッジと製品部の境界から外側に向けてTD方向150mm幅の範囲内における、隣り合うピーク間の凹の厚みパターンとの差(R)を0.06μm未満の大きさとし、それを維持することとした。この凹のRが大きくなると、厚みの薄い部分に加工応力が集中しやすく、製膜中に破れが起こりやすくなる。破れの観点からは、Rは小さい方が好ましいが、エッジ厚みの制御性という観点からは、Rがある値以下になると、エッジ部の厚み全体が変化しやすく、エッジが薄くなった際や、変動した際にクリップ把持部からフィルムが外れ、結果的に製膜性には好ましくない方向となる。
このRの好ましい範囲は0.01〜0.06μmである。
この面方向と厚み方向のエッジ整形性を改善することで、目標とする湿度膨張係数と製膜性の両立を達成することに成功した。
また、未延伸フィルムを同時二軸式延伸機で延伸する際の1段目延伸温度は95〜100℃の温度範囲で、5〜7秒間の間に、MD倍率3.3〜3.6倍、TD倍率3.8〜4.0倍で延伸することが好ましく、2段目延伸温度は190〜200℃の範囲で、5〜7秒間の間に、MD倍率は前述の通り1.0倍、TD倍率は1.4〜5.0倍で実施することが好ましい。前述の温度で、延伸にかける時間がこの範囲より速い場合、製膜安定性が好ましくない。逆に1段目延伸速度がこの範囲未満の場合、目標とする湿度膨張係数を得ることができず、2段目延伸速度がこの範囲未満の場合、湿度膨張係数は低くなるもののTD熱収が大きくなり、磁気記録媒体とする際の加工特性が低いものとなる。
また、1段目延伸温度がこの範囲の下限を切る場合、延伸倍率に対し低い温度となることから製膜安定性に対して好ましくなく、また、2段目延伸温度がこの範囲の上限を超える場合、湿度膨張係数は低くなるもののTD熱収が大きくなり磁気記録媒体として加工する際の加工特性が低いものとなる。
また、熱固定処理温度を高くしつつ配向緩和が起こらないようにするために、2段目延伸と熱固定処理の工程の間に、加熱機構を持たないゾーンを設け、隣り合うゾーン間で、熱量の流入・流出が起こらないようにするとともに、熱固定処理温度は一度に温度を上げるのではなく段階的に温度を上げていくことが望ましい。
この際の熱固定処理温度は、湿度膨張係数とT−metaの両立のために、一旦208℃とした後、218℃とする事が望ましく、また目標とするTD熱収を得るために、この工程の後に130℃の温度下でTD方向に1.0〜2.0%フィルムを弛緩させることが望ましい。熱固定処理温度がこの温度未満の場合、T−metaは低い値となり、磁気記録媒体として加工する際の加工特性が低いものとなる。反対にこの温度を超える場合は、製膜性が低いものとなる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムはデータストレージのベースフィルムとして加工される際、1m以上の幅で加工開始されることが多いことから、少なくとも1m以上の幅において均一な表面性を持っていることが好ましい。すなわち、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは幅が1m以上であることが好ましい。また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの製造工程においてフィルムをスリットする工程を持つ大型マシンの場合、3m以上の幅において均一な表面性を持っていることが、生産性を向上させることができることから、幅は3m以上であることがより好ましい。
上記した本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、塗布型磁気記録テープのベースフィルムとして好適に用いることができる。また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムのA層の表面に磁性層を塗設して塗布型磁気記録テープとすることも好ましい。
以下、本発明に使用した物性値の評価法を記載する。
(1)フィルム厚み
フィルム幅方向に等間隔で3箇所からサンプリングを行い、各位置のサンプルについて以下の条件にて断面観察を場所を変えてそれぞれ10視野行い、得られた厚み[μm]の各平均値をフィルム厚み[μm]とした。
フィルム幅方向に等間隔で3箇所からサンプリングを行い、各位置のサンプルについて以下の条件にて断面観察を場所を変えてそれぞれ10視野行い、得られた厚み[μm]の各平均値をフィルム厚み[μm]とした。
測定装置:透過型電子顕微鏡(TEM) 日立製H−7100FA型
測定条件:加速電圧 100kV
測定倍率:1万倍
試料調整:超薄膜切片法(RuO4染色)
観察面 :TD−ZD断面(TD:幅方向、ZD:厚み方向)
測定回数:1視野につき3点、10視野を測定する。
測定条件:加速電圧 100kV
測定倍率:1万倍
試料調整:超薄膜切片法(RuO4染色)
観察面 :TD−ZD断面(TD:幅方向、ZD:厚み方向)
測定回数:1視野につき3点、10視野を測定する。
(2)B層厚み(tB)
フィルム幅方向に等間隔で3箇所からサンプリングを行い、各位置のサンプルについて以下の条件にて断面観察を場所を変えてそれぞれ3視野行い、含有粒子径および粒子濃度をもとに界面の観察結果からB層の厚みを評価し、得られた厚み[μm]の各平均値をB層厚み[μm]とした。
フィルム幅方向に等間隔で3箇所からサンプリングを行い、各位置のサンプルについて以下の条件にて断面観察を場所を変えてそれぞれ3視野行い、含有粒子径および粒子濃度をもとに界面の観察結果からB層の厚みを評価し、得られた厚み[μm]の各平均値をB層厚み[μm]とした。
測定装置:透過型電子顕微鏡(TEM) 日立製H−7100FA型
測定条件:加速電圧 100kV
測定倍率:測定する層厚み全体が顕微鏡視野中に入る最大倍率を20万倍、2万倍、1万倍、5千倍から選択
試料調整:超薄膜切片法(RuO4染色)
観察面 :TD−ZD断面(TD:幅方向、ZD:厚み方向)
測定回数:1視野につき3点、3視野を測定する。
測定条件:加速電圧 100kV
測定倍率:測定する層厚み全体が顕微鏡視野中に入る最大倍率を20万倍、2万倍、1万倍、5千倍から選択
試料調整:超薄膜切片法(RuO4染色)
観察面 :TD−ZD断面(TD:幅方向、ZD:厚み方向)
測定回数:1視野につき3点、3視野を測定する。
(3)添加粒子の平均粒子径(dB)
使用する各ポリエステルチップ断面、あるいはフィルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、2万倍以上の倍率で観察する。TEMの切片厚さは約100nmとし、場所を変えて100視野以上測定する。測定した等価円相当径の平均を不活性粒子の平均粒径とした。
使用する各ポリエステルチップ断面、あるいはフィルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、2万倍以上の倍率で観察する。TEMの切片厚さは約100nmとし、場所を変えて100視野以上測定する。測定した等価円相当径の平均を不活性粒子の平均粒径とした。
なお、フィルム中に粒径の異なる2種類以上の粒子が存在する場合、上記の等価円相当径の個数分布が2種類以上のピークを有する分布となるため、そのそれぞれについて、別個に平均粒径(dA、dB、dC、・・・)を算出し、B層において平均粒径が最も大きいものを最大平均粒径(dBMAX)とした。
(4)ポリマー、粒子の含有量
使用する各ポリエステルチップを溶解する適切な溶媒に溶解し、1H核のNMR(核磁気共鳴)スペクトルを測定する。適切な溶媒は、ポリマーの種類によって異なるが、例えば、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)/重クロロホルムが用いられる。
使用する各ポリエステルチップを溶解する適切な溶媒に溶解し、1H核のNMR(核磁気共鳴)スペクトルを測定する。適切な溶媒は、ポリマーの種類によって異なるが、例えば、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)/重クロロホルムが用いられる。
得られたスペクトルにおいて、ポリマーに特有の吸収(例えばPETであればテレフタル酸の芳香族プロトンの吸収)のピーク面積強度をもとめ、その比率とプロトン数よりポリマーのモル比を算出する。さらに各々のポリマーの単位ユニットに相当する式量より質量比を算出する。測定条件は、例えば、以下のような条件であるが、ポリマーの種類によって異なるため、この限りではない。
装置 : ブルカー社製BRUKER DRX−500
溶媒 : HFIP/重クロロホルム
観測周波数 : 499.8MHz
基準 : TMS(テトラメチルシラン) (0ppm)
測定温度 : 30℃
観測幅 : 10KHz
データ点 : 64K
acquisiton time : 4.952秒
pulse delay time:3.048秒
積算回数 : 256 回
また、必要に応じて、顕微FT−IR法(フーリエ変換顕微赤外分光法)で組成分析を行ってもよい。その場合、ポリエステルのカルボニル基に起因するピークとそれ以外の物質に起因するピークの比から求める。なお、ピーク高さ比を質量比に換算するために、あらかじめ質量比既知のサンプルで検量線を作成してポリエステルとそれ以外の物質の合計量に対するポリエステル比率を求める。また、必要に応じてX線マイクロアナライザーを併用してもよい。また、不活性粒子の含有量については、ポリマーは溶解するが不活性粒子は溶解させない溶媒を選んで、ポリマーを溶解し、粒子を遠心分離して質量百分率を求めた。
装置 : ブルカー社製BRUKER DRX−500
溶媒 : HFIP/重クロロホルム
観測周波数 : 499.8MHz
基準 : TMS(テトラメチルシラン) (0ppm)
測定温度 : 30℃
観測幅 : 10KHz
データ点 : 64K
acquisiton time : 4.952秒
pulse delay time:3.048秒
積算回数 : 256 回
また、必要に応じて、顕微FT−IR法(フーリエ変換顕微赤外分光法)で組成分析を行ってもよい。その場合、ポリエステルのカルボニル基に起因するピークとそれ以外の物質に起因するピークの比から求める。なお、ピーク高さ比を質量比に換算するために、あらかじめ質量比既知のサンプルで検量線を作成してポリエステルとそれ以外の物質の合計量に対するポリエステル比率を求める。また、必要に応じてX線マイクロアナライザーを併用してもよい。また、不活性粒子の含有量については、ポリマーは溶解するが不活性粒子は溶解させない溶媒を選んで、ポリマーを溶解し、粒子を遠心分離して質量百分率を求めた。
(5)ポリマーの触媒残渣の金属元素量
触媒残渣としての金属元素の濃度は、蛍光X線装置(理学電機工業3270E型)にて、使用する各ポリエステルチップを定量分析した。
触媒残渣としての金属元素の濃度は、蛍光X線装置(理学電機工業3270E型)にて、使用する各ポリエステルチップを定量分析した。
(6)幅方向の湿度膨張係数
フィルム幅方向に等間隔で3箇所からサンプリングを行い、各位置のサンプルについて、フィルムの幅方向(TD方向)に対して、下記条件にて測定を行った。それぞれの位置における、3回の測定結果の各平均値を本発明における湿度膨張係数とした。
・測定装置:島津製作所製熱機械分析装置TMA−50(湿度発生器:アルバック理工製湿度雰囲気調節装置HC−1)
・試料サイズ:フィルム長手方向10mm×フィルム幅方向12.6mm
・荷重:0.5g
・測定回数:3回
・測定温度:30℃
・測定湿度:40%RHで6時間保持しフィルム幅方向の寸法L(mm)を測定した。次いで、40分かけて80%RHまで昇湿し、80%RHで6時間保持したあとフィルムL’(mm)を測定した。フィルム幅方向の寸法変化量ΔL(mm)=L’−Lを求め、次式から湿度膨張係数(ppm/%RH)を算出する。
・湿度膨張係数(ppm/%RH)=106×{(ΔL/12.6)/(80−40)}
(7)微小溶解ピーク温度(T−meta)
フィルム幅方向に等間隔で3箇所からサンプリングを行い、それぞれをJIS−K7121(1987年)に従って測定した。示差走査熱量計として、セイコーインスツルメンツ社製DSC(RDC220)、データ解析装置として同社製ディスクステーション(SSC/5200)を用いた。試料5mgをアルミニウム製の受皿の上に置き、25℃から300℃まで、昇温速度20℃/分で昇温した。その際観測された、融解の吸熱ピークのピーク温度を融点(Tm)、Tmの少し低温側に現れる微小吸熱ピーク温度を、T−metaとした。Tmのピーク面積から算出される熱量を融解熱量ΔHmとする。
フィルム幅方向に等間隔で3箇所からサンプリングを行い、各位置のサンプルについて、フィルムの幅方向(TD方向)に対して、下記条件にて測定を行った。それぞれの位置における、3回の測定結果の各平均値を本発明における湿度膨張係数とした。
・測定装置:島津製作所製熱機械分析装置TMA−50(湿度発生器:アルバック理工製湿度雰囲気調節装置HC−1)
・試料サイズ:フィルム長手方向10mm×フィルム幅方向12.6mm
・荷重:0.5g
・測定回数:3回
・測定温度:30℃
・測定湿度:40%RHで6時間保持しフィルム幅方向の寸法L(mm)を測定した。次いで、40分かけて80%RHまで昇湿し、80%RHで6時間保持したあとフィルムL’(mm)を測定した。フィルム幅方向の寸法変化量ΔL(mm)=L’−Lを求め、次式から湿度膨張係数(ppm/%RH)を算出する。
・湿度膨張係数(ppm/%RH)=106×{(ΔL/12.6)/(80−40)}
(7)微小溶解ピーク温度(T−meta)
フィルム幅方向に等間隔で3箇所からサンプリングを行い、それぞれをJIS−K7121(1987年)に従って測定した。示差走査熱量計として、セイコーインスツルメンツ社製DSC(RDC220)、データ解析装置として同社製ディスクステーション(SSC/5200)を用いた。試料5mgをアルミニウム製の受皿の上に置き、25℃から300℃まで、昇温速度20℃/分で昇温した。その際観測された、融解の吸熱ピークのピーク温度を融点(Tm)、Tmの少し低温側に現れる微小吸熱ピーク温度を、T−metaとした。Tmのピーク面積から算出される熱量を融解熱量ΔHmとする。
(8)ヤング率
フィルム幅方向に等間隔で3箇所からサンプリングを行い、それぞれをASTM−D882(1997年)に準拠してフィルムのヤング率を測定する。フィルムを試料幅10mm、長さ150mmで切り取り、チャック間100mm、引張速度200mm/分、チャート速度500mm/分の条件で万能引張試験装置(エーアンドディ製、商品名:テンシロン)にて引っ張る。得られた荷重−伸び曲線の立ち上がり部の接線よりヤング率を計算する。なお、測定はそれぞれの位置について5回行い、その各平均値をヤング率とした。
フィルム幅方向に等間隔で3箇所からサンプリングを行い、それぞれをASTM−D882(1997年)に準拠してフィルムのヤング率を測定する。フィルムを試料幅10mm、長さ150mmで切り取り、チャック間100mm、引張速度200mm/分、チャート速度500mm/分の条件で万能引張試験装置(エーアンドディ製、商品名:テンシロン)にて引っ張る。得られた荷重−伸び曲線の立ち上がり部の接線よりヤング率を計算する。なお、測定はそれぞれの位置について5回行い、その各平均値をヤング率とした。
(9)幅方向の熱収縮率
フィルム幅方向に等間隔で3箇所からサンプリングを行い、それぞれをフィルムTD方向に試料幅10mm、長さ200mmで切り取り、100mm間隔にマーキングし、荷重(1.5g)を取り付け、試料を吊り下げた状態で、カセトメーターにてマーキング間隔の原長a(mm)を正確に測定する。その後、100℃の熱風循環オーブン中で30分間処理後、試料を取り出し、10分間放冷した後、原長測定と同様にしてマーキング間隔b(mm)を測定し、下記の式により熱収縮率を求める。なお、測定はそれぞれの位置について5本行い、その各平均値を幅方向の熱収縮率とした。
フィルム幅方向に等間隔で3箇所からサンプリングを行い、それぞれをフィルムTD方向に試料幅10mm、長さ200mmで切り取り、100mm間隔にマーキングし、荷重(1.5g)を取り付け、試料を吊り下げた状態で、カセトメーターにてマーキング間隔の原長a(mm)を正確に測定する。その後、100℃の熱風循環オーブン中で30分間処理後、試料を取り出し、10分間放冷した後、原長測定と同様にしてマーキング間隔b(mm)を測定し、下記の式により熱収縮率を求める。なお、測定はそれぞれの位置について5本行い、その各平均値を幅方向の熱収縮率とした。
熱収縮率(%)=(a−b)/a×100
(10)中心線平均粗さ(Ra)・10点平均粗さ(Rz)
フィルム幅方向に等間隔で3箇所から、それぞれ10cm×10cmのサンプリングを行い、各位置について非接触光学式粗さ測定器(装置:Zygo社製NewView7300)を用い、50倍対物レンズを使用して測定面積139μm×104μmで、場所をランダムに変えて40視野測定を行った。サンプルセットは、測定Y軸がサンプルフィルムのMD方向となるようにサンプルをステージにセットして測定する。該粗さ計に内蔵された表面解析ソフトMetroProにより波長1.65〜50μmの帯域通過フィルターを用いて算術平均粗さ(Ra)と算術10点平均粗さ(Rz)を視野ごとに求め、各位置における平均値を中心線平均粗さ(Ra)と10点平均粗さ(Rz)とし、A面(A層の表面)のRaAおよび、B面(B層の表面)のRaBとRzBを測定し、各位置におけるRaB×RzBが250nm2以下の範囲であるか判定した。
(10)中心線平均粗さ(Ra)・10点平均粗さ(Rz)
フィルム幅方向に等間隔で3箇所から、それぞれ10cm×10cmのサンプリングを行い、各位置について非接触光学式粗さ測定器(装置:Zygo社製NewView7300)を用い、50倍対物レンズを使用して測定面積139μm×104μmで、場所をランダムに変えて40視野測定を行った。サンプルセットは、測定Y軸がサンプルフィルムのMD方向となるようにサンプルをステージにセットして測定する。該粗さ計に内蔵された表面解析ソフトMetroProにより波長1.65〜50μmの帯域通過フィルターを用いて算術平均粗さ(Ra)と算術10点平均粗さ(Rz)を視野ごとに求め、各位置における平均値を中心線平均粗さ(Ra)と10点平均粗さ(Rz)とし、A面(A層の表面)のRaAおよび、B面(B層の表面)のRaBとRzBを測定し、各位置におけるRaB×RzBが250nm2以下の範囲であるか判定した。
(11)エラーレート
1m幅にスリットしたフィルムを、張力200Nで搬送させ、支持体の一方の表面に下記に従って磁性塗料および非磁性塗料を塗布し、さらに12.65mm(1/2インチ)幅にスリットし、パンケーキを作成する。
1m幅にスリットしたフィルムを、張力200Nで搬送させ、支持体の一方の表面に下記に従って磁性塗料および非磁性塗料を塗布し、さらに12.65mm(1/2インチ)幅にスリットし、パンケーキを作成する。
(以下、「部」とあるのは「質量部」を意味する。)
磁性層形成用塗布液
バリウムフェライト磁性粉末 100部
(板径:20.5nm、板厚:7.6nm、
板状比:2.7、Hc:191kA/m(≒2400Oe)
飽和磁化:44Am2/kg、BET比表面積:60m2/g)
ポリウレタン樹脂 12部
質量平均分子量 10,000
スルホン酸官能基 0.5meq/g
α−アルミナ HIT60(住友化学社製) 8部
カーボンブラック #55(旭カーボン社製)
粒子サイズ0.015μm 0.5部
ステアリン酸 0.5部
ブチルステアレート 2部
メチルエチルケトン 180部
シクロヘキサノン 100部
非磁性層形成用塗布液
非磁性粉体 α酸化鉄 85部
平均長軸長0.09μm、BET法による比表面積 50m2/g
pH 7
DBP吸油量 27〜38ml/100g
表面処理層Al2O3 8質量%
カーボンブラック 15部
“コンダクテックス”(登録商標)SC−U(コロンビアンカーボン社製)
ポリウレタン樹脂 UR8200(東洋紡社製) 22部
フェニルホスホン酸 3部
シクロヘキサノン 140部
メチルエチルケトン 170部
ブチルステアレート 1部
ステアリン酸 2部
メチルエチルケトン 205部
シクロヘキサノン 135部
上記の塗布液のそれぞれについて、各成分をニ−ダで混練した。1.0mmφのジルコニアビーズを分散部の容積に対し65%充填する量を入れた横型サンドミルに、塗布液をポンプで通液し、2,000rpmで120分間(実質的に分散部に滞留した時間)、分散させた。得られた分散液にポリイソシアネ−トを非磁性層の塗料には5.0部、磁性層の塗料には2.5部を加え、さらにメチルエチルケトン3部を加え、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性層形成用および磁性層形成用の塗布液をそれぞれ調製した。
磁性層形成用塗布液
バリウムフェライト磁性粉末 100部
(板径:20.5nm、板厚:7.6nm、
板状比:2.7、Hc:191kA/m(≒2400Oe)
飽和磁化:44Am2/kg、BET比表面積:60m2/g)
ポリウレタン樹脂 12部
質量平均分子量 10,000
スルホン酸官能基 0.5meq/g
α−アルミナ HIT60(住友化学社製) 8部
カーボンブラック #55(旭カーボン社製)
粒子サイズ0.015μm 0.5部
ステアリン酸 0.5部
ブチルステアレート 2部
メチルエチルケトン 180部
シクロヘキサノン 100部
非磁性層形成用塗布液
非磁性粉体 α酸化鉄 85部
平均長軸長0.09μm、BET法による比表面積 50m2/g
pH 7
DBP吸油量 27〜38ml/100g
表面処理層Al2O3 8質量%
カーボンブラック 15部
“コンダクテックス”(登録商標)SC−U(コロンビアンカーボン社製)
ポリウレタン樹脂 UR8200(東洋紡社製) 22部
フェニルホスホン酸 3部
シクロヘキサノン 140部
メチルエチルケトン 170部
ブチルステアレート 1部
ステアリン酸 2部
メチルエチルケトン 205部
シクロヘキサノン 135部
上記の塗布液のそれぞれについて、各成分をニ−ダで混練した。1.0mmφのジルコニアビーズを分散部の容積に対し65%充填する量を入れた横型サンドミルに、塗布液をポンプで通液し、2,000rpmで120分間(実質的に分散部に滞留した時間)、分散させた。得られた分散液にポリイソシアネ−トを非磁性層の塗料には5.0部、磁性層の塗料には2.5部を加え、さらにメチルエチルケトン3部を加え、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性層形成用および磁性層形成用の塗布液をそれぞれ調製した。
得られた非磁性層形成用塗布液を、ポリエステルフィルム上に乾燥後の厚さが0.8μmになるように塗布乾燥させた後、磁性層形成用塗布液を乾燥後の磁性層の厚さが0.07μmになるように塗布を行い、磁性層がまだ湿潤状態にあるうちに6,000G(600mT)の磁力を持つコバルト磁石と6,000G(600mT)の磁力を持つソレノイドにより配向させ乾燥させた。その後、カレンダー後の厚みが0.5μmとなるようにバックコート層(カーボンブラック 平均粒子サイズ:17nm 100部、炭酸カルシウム平均粒子サイズ:40nm 80部、αアルミナ 平均粒子サイズ:200nm 5部をポリウレタン樹脂、ポリイソシアネートに分散)を塗布した。次いでカレンダーで温度90℃、線圧300kg/cm(294kN/m)にてカレンダー処理を行った後、65℃で、72時間キュアリングした。さらに、スリット品の送り出し、巻き取り装置を持った装置に不織布とカミソリブレードが磁性面に押し当たるように取り付け、テープクリーニング装置で磁性層の表面のクリーニングを行い、磁気テープを得た。
得られたテープ原反を12.65mm(1/2インチ)幅にスリットし、それをLTO用のケースに組み込み、磁気記録テープの長さが960mのデータストレージカートリッジを作成した。このデータストレージを、IBM社製LTO7ドライブを用いて23℃50%RHの環境で記録し(記録波長0.55μm)、次に、カートリッジを50℃、80%RH環境下に7日間保存した。カートリッジを1日常温に保存した後、全長の再生を行い、再生時の信号のエラーレートを測定した。エラーレートはドライブから出力されるエラー情報(エラービット数)から次式にて算出する。×を不合格とする。
エラーレート=(エラービット数)/(書き込みビット数)
◎:エラーレートが1.0×10−6未満
○:エラーレートが1.0×10−6以上、1.0×10−5未満
×:エラーレートが1.0×10−5以上
(12)幅寸法安定性
上記(10)と同様に、作製したカセットテープを、下記恒温恒湿槽内へ図3のように作製したシート幅測定装置へ入れ、幅寸法測定を行った。なお、図3に示すシート幅測定装置は、レーザーを使って幅方向の寸法を測定する装置で、磁気テープ9をフリーロール5〜8上にセットしつつ荷重検出器3に固定し、端部に荷重となる分銅4を吊す。この磁気テープ9にレーザー光10を照射すると、レーザー発振器1から幅方向に線状に発振されたレーザー光10が磁気テープ9の部分だけ遮られ、受光部2に入り、その遮られたレーザーの幅が磁気テープの幅として測定される。3回の測定結果の平均値を本発明における幅とする。
◎:エラーレートが1.0×10−6未満
○:エラーレートが1.0×10−6以上、1.0×10−5未満
×:エラーレートが1.0×10−5以上
(12)幅寸法安定性
上記(10)と同様に、作製したカセットテープを、下記恒温恒湿槽内へ図3のように作製したシート幅測定装置へ入れ、幅寸法測定を行った。なお、図3に示すシート幅測定装置は、レーザーを使って幅方向の寸法を測定する装置で、磁気テープ9をフリーロール5〜8上にセットしつつ荷重検出器3に固定し、端部に荷重となる分銅4を吊す。この磁気テープ9にレーザー光10を照射すると、レーザー発振器1から幅方向に線状に発振されたレーザー光10が磁気テープ9の部分だけ遮られ、受光部2に入り、その遮られたレーザーの幅が磁気テープの幅として測定される。3回の測定結果の平均値を本発明における幅とする。
・測定装置:(株)アヤハエンジニアリング社製シート幅測定装置
・レーザー発振器1、受光部2:レーザー寸法測定機 キーエンス社製LS−5040
・荷重検出器3:ロードセル NMB社製CBE1−10K
・恒温恒湿槽:(株)カトー社製SE−25VL−A
・荷重4:分銅(長手方向)
・試料サイズ:幅1/2inch×長さ250mm
・保持時間:5時間
・測定回数:3回測定。
・レーザー発振器1、受光部2:レーザー寸法測定機 キーエンス社製LS−5040
・荷重検出器3:ロードセル NMB社製CBE1−10K
・恒温恒湿槽:(株)カトー社製SE−25VL−A
・荷重4:分銅(長手方向)
・試料サイズ:幅1/2inch×長さ250mm
・保持時間:5時間
・測定回数:3回測定。
(幅寸法変化率:寸法安定性)
2つの条件でそれぞれ幅寸法(lA、lB)を測定し、次式にて寸法変化率を算出する。
具体的には、次の基準で寸法安定性を評価する。
2つの条件でそれぞれ幅寸法(lA、lB)を測定し、次式にて寸法変化率を算出する。
具体的には、次の基準で寸法安定性を評価する。
A条件で24時間経過後lAを測定して、その後B条件で24時間経過後にlBを測定する。テープカートリッジのはじめから30m地点から切り出したサンプル、100m地点から切り出したサンプル、170m地点から切り出したサンプルの3点を測定した。×を不合格とする。
A条件:10℃10%RH 張力0.8N
B条件:29℃80%RH 張力0.5N
幅寸法変化率(ppm)=106×((lB−lA)/lA)
◎:幅寸法変化率の最大値が450(ppm)未満
○:幅寸法変化率の最大値が450(ppm)以上500(ppm)未満
△:幅寸法変化率の最大値が500(ppm)以上600(ppm)未満
×:幅寸法変化率の最大値が600(ppm)以上
(13)製膜性
フィルムの製膜性について、下記の基準で評価した。
◎:フィルム破れの発生がほとんどなく、安定して製膜できる。
○:フィルム破れが時々発生し、製膜安定性が若干低い。
△:フィルム破が頻繁に発生し製膜安定性は低いが、フィルムサンプルを得ることはできた。
×:フィルム破れがかなり多数発生するためフィルムサンプルを得ることもできず、製膜安定性が極めて低い。
B条件:29℃80%RH 張力0.5N
幅寸法変化率(ppm)=106×((lB−lA)/lA)
◎:幅寸法変化率の最大値が450(ppm)未満
○:幅寸法変化率の最大値が450(ppm)以上500(ppm)未満
△:幅寸法変化率の最大値が500(ppm)以上600(ppm)未満
×:幅寸法変化率の最大値が600(ppm)以上
(13)製膜性
フィルムの製膜性について、下記の基準で評価した。
◎:フィルム破れの発生がほとんどなく、安定して製膜できる。
○:フィルム破れが時々発生し、製膜安定性が若干低い。
△:フィルム破が頻繁に発生し製膜安定性は低いが、フィルムサンプルを得ることはできた。
×:フィルム破れがかなり多数発生するためフィルムサンプルを得ることもできず、製膜安定性が極めて低い。
(14)工程適性
上記(11)にて記載した磁気記録媒体製造工程において幅方向の収縮量や塗布の状態から工程適性を下記の基準で評価した。
上記(11)にて記載した磁気記録媒体製造工程において幅方向の収縮量や塗布の状態から工程適性を下記の基準で評価した。
◎:幅方向の収縮量が5mm未満で問題なく磁性層、下層、バックコート層が形成された。
○:幅方向の収縮量が5mm以上、8mm未満で磁性層、下層、バックコート層が形成された。
△:幅方向の収縮量が8mm以上、10mm未満またはシワが発生し磁性層、下層、バックコート層の一部に塗布ムラが見られた。
×:幅方向の収縮量が10mm以上、またはシワが激しく発生し磁性層、下層、バックコート層の塗布が行えなかった。
以下、本発明に使用したポリエステルの製造方法について記載する。なお、「部」は質量部を意味する。
(1)ポリエステルA
テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールのエステル交換反応によって、低分子量のポリエチレンテレフタレートを得、さらにその後に三酸化アンチモン、酢酸マグネシウム、トリメチルフォスフェートを主な触媒に用い、重縮合反応を行った後、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングして、その99質量%以上がポリエチレンテレフタレートであるペレット(ポリエステルA)を得た。
テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールのエステル交換反応によって、低分子量のポリエチレンテレフタレートを得、さらにその後に三酸化アンチモン、酢酸マグネシウム、トリメチルフォスフェートを主な触媒に用い、重縮合反応を行った後、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングして、その99質量%以上がポリエチレンテレフタレートであるペレット(ポリエステルA)を得た。
(2)ポリエステルB
触媒残渣としての金属元素量が表1の数値になるよう調整した以外はポリエステルAと同様の手法で、ポリエステル98.5部製造する。その重縮合反応の際、一次粒径φ13nmのδーアルミナ粒子の10質量%エチレングリコールスラリーを15部(δーアルミナ粒子として1.5部)を添加、分散させることで、ポリエチレンテレフタレートを98質量%以上、δーアルミナ粒子を1.5質量%含有するペレット(ポリエステルB)を得た。
触媒残渣としての金属元素量が表1の数値になるよう調整した以外はポリエステルAと同様の手法で、ポリエステル98.5部製造する。その重縮合反応の際、一次粒径φ13nmのδーアルミナ粒子の10質量%エチレングリコールスラリーを15部(δーアルミナ粒子として1.5部)を添加、分散させることで、ポリエチレンテレフタレートを98質量%以上、δーアルミナ粒子を1.5質量%含有するペレット(ポリエステルB)を得た。
(3)ポリエステルC
触媒残渣としての金属元素量が表1の数値になるよう調整した以外はポリエステルAと同様の手法で、ポリエステル99部を製造する。その重縮合反応の際、平均粒径φ100nmのコロイダルシリカ粒子の5質量%エチレングリコールスラリーを20部(コロイダルシリカ粒子として1部)を添加、分散させることで、ポリエチレンテレフタレートを98質量%以上、コロイダルシリカ粒子を1質量%含有するペレット(ポリエステルC)を得た。
触媒残渣としての金属元素量が表1の数値になるよう調整した以外はポリエステルAと同様の手法で、ポリエステル99部を製造する。その重縮合反応の際、平均粒径φ100nmのコロイダルシリカ粒子の5質量%エチレングリコールスラリーを20部(コロイダルシリカ粒子として1部)を添加、分散させることで、ポリエチレンテレフタレートを98質量%以上、コロイダルシリカ粒子を1質量%含有するペレット(ポリエステルC)を得た。
(4)ポリエステルD
触媒残渣としての金属元素量が表1の数値になるよう調整した以外はポリエステルAと同様の手法で、ポリエステル98部を製造する。その重縮合反応の際、平均粒径φ200nmのコロイダルシリカ粒子の10質量%エチレングリコールスラリーを20部(コロイダルシリカ粒子として2部)添加、分散させることで、ポリエチレンテレフタレートを97質量%以上、コロイダルシリカ粒子を2質量%含有するペレット(ポリエステルD)を得た。
触媒残渣としての金属元素量が表1の数値になるよう調整した以外はポリエステルAと同様の手法で、ポリエステル98部を製造する。その重縮合反応の際、平均粒径φ200nmのコロイダルシリカ粒子の10質量%エチレングリコールスラリーを20部(コロイダルシリカ粒子として2部)添加、分散させることで、ポリエチレンテレフタレートを97質量%以上、コロイダルシリカ粒子を2質量%含有するペレット(ポリエステルD)を得た。
(5)ポリエステルE
触媒残渣としての金属元素量が表1の数値になるよう調整した以外はポリエステルAと同様の手法で、ポリエステル98部を製造する。280℃に加熱された同方向回転タイプのベント式2軸混練押出機に、前述のポリエステルを98部と平均粒径300nmの架橋ポリスチレン粒子の10質量%水スラリーを20部(架橋ポリスチレン粒子として2部)供給し、ベント孔を1kPa以下の減圧度に保持し水分を除去し、ポリエチレンテレフタレートを97質量%以上、架橋ポリスチレン粒子を2質量%含有する粒子含有ペレット(ポリエステルE)を得た。
触媒残渣としての金属元素量が表1の数値になるよう調整した以外はポリエステルAと同様の手法で、ポリエステル98部を製造する。280℃に加熱された同方向回転タイプのベント式2軸混練押出機に、前述のポリエステルを98部と平均粒径300nmの架橋ポリスチレン粒子の10質量%水スラリーを20部(架橋ポリスチレン粒子として2部)供給し、ベント孔を1kPa以下の減圧度に保持し水分を除去し、ポリエチレンテレフタレートを97質量%以上、架橋ポリスチレン粒子を2質量%含有する粒子含有ペレット(ポリエステルE)を得た。
(6)ポリエステルF
触媒残渣としての金属元素量が表1の数値になるよう調整した以外はポリエステルAと同様の手法で、ポリエステル99部を製造する。280℃に加熱された同方向回転タイプのベント式2軸混練押出機に、前述のポリエステルを99部と平均粒径450nmmの架橋ポリスチレン粒子の10質量%水スラリーを10部(架橋ポリスチレン粒子として1部)供給し、ベント孔を1kPa以下の減圧度に保持し水分を除去し、ポリエチレンテレフタレートを98質量%以上、架橋ポリスチレン粒子を1質量%含有するペレット(ポリエステルF)を得た。
触媒残渣としての金属元素量が表1の数値になるよう調整した以外はポリエステルAと同様の手法で、ポリエステル99部を製造する。280℃に加熱された同方向回転タイプのベント式2軸混練押出機に、前述のポリエステルを99部と平均粒径450nmmの架橋ポリスチレン粒子の10質量%水スラリーを10部(架橋ポリスチレン粒子として1部)供給し、ベント孔を1kPa以下の減圧度に保持し水分を除去し、ポリエチレンテレフタレートを98質量%以上、架橋ポリスチレン粒子を1質量%含有するペレット(ポリエステルF)を得た。
(実施例1)
押出機E1、E2の2台を用い、280℃に加熱された押出機E1には、磁性面となる平滑面用のA層原料として、コロイダルシリカからなる1種類の添加粒子を0.20wt%を含有させた乾燥状態のポリエステルチップを、同じく280℃に加熱された押出機E2には、走行面となる粗面用のB層原料として、表1にあるポリエステルA/B/Dについて、各66/18/16質量部混連・乾燥させた状態のポリエステルチップをそれぞれ供給した。これらをダイス中でB層側がキャストドラム面側になるように合流させ、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィルムを作製した。この積層未延伸フィルムを同時二軸式延伸機にて、100℃で予熱した後、延伸温度100℃、延伸時間6秒の間に、それぞれ同時に長手方向に3.30倍(MD延伸1)、幅方向に3.90倍(TD延伸1)延伸した。さらに続いて温度190℃、延伸時間6秒の間に、幅方向に1.50倍延伸した(TD延伸2)。この時、延伸2段目区間における同時二軸延伸機の速度制御点数は12点とした。引き続いて、0.5秒間加熱を止めた後、テンター内の熱処理ゾーンで、208℃の温度で2秒間熱処理した後、218℃の温度で熱処理を4秒間施し、さらに130℃の温度で2.0%幅方向に弛緩処理を行った。次いで、25℃に均一冷却後、フィルムエッジを除去し、幅5m、フィルム全厚み4.6μm、フィルム幅方向中央のtBについて0.5μmの二軸配向ポリエステルフィルムとし、その後、コア上に巻き取った。この際、TD方向に厚さ計が走行する際のMD方向の距離を50mになるように厚さ計のスキャン速度を設定した。そして20回測定した際の平均値のTD方向厚みパターンにおいてフィルム両端における隣り合うピーク間の凹の厚みパターンとの差(R)の最大値を0.05μm未満となるよう調整した。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの製膜安定性は良好であり、物性評価したところ、表2に示すように、磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
押出機E1、E2の2台を用い、280℃に加熱された押出機E1には、磁性面となる平滑面用のA層原料として、コロイダルシリカからなる1種類の添加粒子を0.20wt%を含有させた乾燥状態のポリエステルチップを、同じく280℃に加熱された押出機E2には、走行面となる粗面用のB層原料として、表1にあるポリエステルA/B/Dについて、各66/18/16質量部混連・乾燥させた状態のポリエステルチップをそれぞれ供給した。これらをダイス中でB層側がキャストドラム面側になるように合流させ、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィルムを作製した。この積層未延伸フィルムを同時二軸式延伸機にて、100℃で予熱した後、延伸温度100℃、延伸時間6秒の間に、それぞれ同時に長手方向に3.30倍(MD延伸1)、幅方向に3.90倍(TD延伸1)延伸した。さらに続いて温度190℃、延伸時間6秒の間に、幅方向に1.50倍延伸した(TD延伸2)。この時、延伸2段目区間における同時二軸延伸機の速度制御点数は12点とした。引き続いて、0.5秒間加熱を止めた後、テンター内の熱処理ゾーンで、208℃の温度で2秒間熱処理した後、218℃の温度で熱処理を4秒間施し、さらに130℃の温度で2.0%幅方向に弛緩処理を行った。次いで、25℃に均一冷却後、フィルムエッジを除去し、幅5m、フィルム全厚み4.6μm、フィルム幅方向中央のtBについて0.5μmの二軸配向ポリエステルフィルムとし、その後、コア上に巻き取った。この際、TD方向に厚さ計が走行する際のMD方向の距離を50mになるように厚さ計のスキャン速度を設定した。そして20回測定した際の平均値のTD方向厚みパターンにおいてフィルム両端における隣り合うピーク間の凹の厚みパターンとの差(R)の最大値を0.05μm未満となるよう調整した。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの製膜安定性は良好であり、物性評価したところ、表2に示すように、磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
(実施例2)
延伸倍率について、MD延伸1を3.50倍とした以外は実施例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
延伸倍率について、MD延伸1を3.50倍とした以外は実施例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例3)
延伸倍率について、MD延伸1を3.45倍、TD延伸1を3.85倍とした以外は実施例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
延伸倍率について、MD延伸1を3.45倍、TD延伸1を3.85倍とした以外は実施例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例4)
積層未延伸フィルムについて、同時二軸式延伸機にて、100℃で予熱した後、延伸温度100℃、延伸時間6秒の間に、それぞれ同時に長手方向に3.30倍(MD延伸1)、幅方向に3.90倍(TD延伸1)延伸した。さらに続いて温度190℃、延伸時間6秒の間に、幅方向に1.50倍延伸した(TD延伸2)。引き続いて、0.5秒間加熱を止めた後、テンター内の熱処理ゾーンで、213℃の温度で2秒間熱処理した後、223℃の温度で熱処理を4秒間施し、さらに140℃の温度で2.0%幅方向に弛緩処理を行った以外は実施例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
積層未延伸フィルムについて、同時二軸式延伸機にて、100℃で予熱した後、延伸温度100℃、延伸時間6秒の間に、それぞれ同時に長手方向に3.30倍(MD延伸1)、幅方向に3.90倍(TD延伸1)延伸した。さらに続いて温度190℃、延伸時間6秒の間に、幅方向に1.50倍延伸した(TD延伸2)。引き続いて、0.5秒間加熱を止めた後、テンター内の熱処理ゾーンで、213℃の温度で2秒間熱処理した後、223℃の温度で熱処理を4秒間施し、さらに140℃の温度で2.0%幅方向に弛緩処理を行った以外は実施例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例5)
延伸2段目速度制御点数を6点とした以外は実施例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
延伸2段目速度制御点数を6点とした以外は実施例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例6)
20回測定した際の平均値のTD方向厚みパターンにおいてフィルム両端における隣り合うピーク間の凹の厚みパターンとの差(R)の最大値を0.08μm未満となるよう調整した以外は実施例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
20回測定した際の平均値のTD方向厚みパターンにおいてフィルム両端における隣り合うピーク間の凹の厚みパターンとの差(R)の最大値を0.08μm未満となるよう調整した以外は実施例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例7)
テンター内の熱処理ゾーンで、215℃の温度で2秒間熱処理した後、225℃の温度で熱処理を4秒間施した以外は実施例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
テンター内の熱処理ゾーンで、215℃の温度で2秒間熱処理した後、225℃の温度で熱処理を4秒間施した以外は実施例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(比較例1)
実施例1の積層未延伸フィルムを同時二軸式延伸機にて、97℃で予熱した後、延伸温度97℃、延伸時間6秒の間に、それぞれ同時に長手方向に3.30倍(MD延伸1)、幅方向に3.60倍(TD延伸1)延伸し、さらに続いて温度190℃、延伸時間6秒の間に、それぞれ同時に長手方向に1.10倍(MD延伸2)、幅方向に1.35倍(TD延伸2)延伸した。この時、延伸2段目区間における同時二軸延伸機の速度制御点数を6点とし、TD方向に厚さ計が走行する際のMD方向の距離を65mになるように厚さ計のスキャン速度を設定した。そして20回測定した際の平均値のTD方向厚みパターンにおいてフィルム両端における隣り合うピーク間の凹の厚みパターンとの差(R)の最大値を0.08μm未満となるよう調整した以外は、実施例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
実施例1の積層未延伸フィルムを同時二軸式延伸機にて、97℃で予熱した後、延伸温度97℃、延伸時間6秒の間に、それぞれ同時に長手方向に3.30倍(MD延伸1)、幅方向に3.60倍(TD延伸1)延伸し、さらに続いて温度190℃、延伸時間6秒の間に、それぞれ同時に長手方向に1.10倍(MD延伸2)、幅方向に1.35倍(TD延伸2)延伸した。この時、延伸2段目区間における同時二軸延伸機の速度制御点数を6点とし、TD方向に厚さ計が走行する際のMD方向の距離を65mになるように厚さ計のスキャン速度を設定した。そして20回測定した際の平均値のTD方向厚みパターンにおいてフィルム両端における隣り合うピーク間の凹の厚みパターンとの差(R)の最大値を0.08μm未満となるよう調整した以外は、実施例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(比較例2)
実施例1の積層未延伸フィルムを同時二軸式延伸機にて、97℃で予熱した後、延伸温度97℃、延伸時間6秒の間に、それぞれ同時に長手方向に3.50倍(MD延伸1)、幅方向に3.60倍(TD延伸1)延伸し、さらに続いて温度190℃、延伸時間6秒の間に、それぞれ同時に長手方向に1.15倍(MD延伸2)、幅方向に1.35倍(TD延伸2)延伸した。この時、延伸2段目区間における同時二軸延伸機の速度制御点数を6点とし、TD方向に厚さ計が走行する際のMD方向の距離を65mになるように厚さ計のスキャン速度を設定した。そして20回測定した際の平均値のTD方向厚みパターンにおいてフィルム両端における隣り合うピーク間の凹の厚みパターンとの差(R)の最大値を0.08μm未満となるよう調整した以外は、実施例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
実施例1の積層未延伸フィルムを同時二軸式延伸機にて、97℃で予熱した後、延伸温度97℃、延伸時間6秒の間に、それぞれ同時に長手方向に3.50倍(MD延伸1)、幅方向に3.60倍(TD延伸1)延伸し、さらに続いて温度190℃、延伸時間6秒の間に、それぞれ同時に長手方向に1.15倍(MD延伸2)、幅方向に1.35倍(TD延伸2)延伸した。この時、延伸2段目区間における同時二軸延伸機の速度制御点数を6点とし、TD方向に厚さ計が走行する際のMD方向の距離を65mになるように厚さ計のスキャン速度を設定した。そして20回測定した際の平均値のTD方向厚みパターンにおいてフィルム両端における隣り合うピーク間の凹の厚みパターンとの差(R)の最大値を0.08μm未満となるよう調整した以外は、実施例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(比較例3)
実施例1の積層未延伸フィルムを同時二軸式延伸機にて、97℃で予熱した後、延伸温度97℃、延伸時間6秒の間に、それぞれ同時に長手方向に3.50倍(MD延伸1)、幅方向に3.60倍(TD延伸1)延伸し、さらに続いて温度190℃、延伸時間6秒の間に、それぞれ同時に長手方向に1.25倍(MD延伸2)、幅方向に1.35倍(TD延伸2)延伸した。この時、延伸2段目区間における同時二軸延伸機の速度制御点数を6点とし、TD方向に厚さ計が走行する際のMD方向の距離を65mになるように厚さ計のスキャン速度を設定した。そして20回測定した際の平均値のTD方向厚みパターンにおいてフィルム両端における隣り合うピーク間の凹の厚みパターンとの差(R)の最大値を0.08μm未満となるよう調整した以外は、実施例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
実施例1の積層未延伸フィルムを同時二軸式延伸機にて、97℃で予熱した後、延伸温度97℃、延伸時間6秒の間に、それぞれ同時に長手方向に3.50倍(MD延伸1)、幅方向に3.60倍(TD延伸1)延伸し、さらに続いて温度190℃、延伸時間6秒の間に、それぞれ同時に長手方向に1.25倍(MD延伸2)、幅方向に1.35倍(TD延伸2)延伸した。この時、延伸2段目区間における同時二軸延伸機の速度制御点数を6点とし、TD方向に厚さ計が走行する際のMD方向の距離を65mになるように厚さ計のスキャン速度を設定した。そして20回測定した際の平均値のTD方向厚みパターンにおいてフィルム両端における隣り合うピーク間の凹の厚みパターンとの差(R)の最大値を0.08μm未満となるよう調整した以外は、実施例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(比較例4)
実施例1の積層未延伸フィルムを同時二軸式延伸機にて、97℃で予熱した後、延伸温度97℃、延伸時間6秒の間に、それぞれ同時に長手方向に3.50倍(MD延伸1)、幅方向に3.60倍(TD延伸1)延伸し、さらに続いて温度208℃、延伸時間6秒の間に、それぞれ同時に長手方向に1.15倍(MD延伸2)、幅方向に1.35倍(TD延伸2)延伸した。この時、延伸2段目区間における同時二軸延伸機の速度制御点数を6点とし、TD方向に厚さ計が走行する際のMD方向の距離を65mになるように厚さ計のスキャン速度を設定した。そして20回測定した際の平均値のTD方向厚みパターンにおいてフィルム両端における隣り合うピーク間の凹の厚みパターンとの差(R)の最大値を0.08μm未満となるよう調整した以外は、実施例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
実施例1の積層未延伸フィルムを同時二軸式延伸機にて、97℃で予熱した後、延伸温度97℃、延伸時間6秒の間に、それぞれ同時に長手方向に3.50倍(MD延伸1)、幅方向に3.60倍(TD延伸1)延伸し、さらに続いて温度208℃、延伸時間6秒の間に、それぞれ同時に長手方向に1.15倍(MD延伸2)、幅方向に1.35倍(TD延伸2)延伸した。この時、延伸2段目区間における同時二軸延伸機の速度制御点数を6点とし、TD方向に厚さ計が走行する際のMD方向の距離を65mになるように厚さ計のスキャン速度を設定した。そして20回測定した際の平均値のTD方向厚みパターンにおいてフィルム両端における隣り合うピーク間の凹の厚みパターンとの差(R)の最大値を0.08μm未満となるよう調整した以外は、実施例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(比較例5)
B層のポリエステル構成について、ポリエステルA/C/E/F=74/15/10/1質量部とし、フィルム幅方向中央のtBについて0.6μmとした以外は比較例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
B層のポリエステル構成について、ポリエステルA/C/E/F=74/15/10/1質量部とし、フィルム幅方向中央のtBについて0.6μmとした以外は比較例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(比較例6)
B層のポリエステル構成について、ポリエステルA/C/E/F=74/15/10/1質量部とし、フィルム幅方向中央のtBについて0.6μmとした以外は比較例2と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
B層のポリエステル構成について、ポリエステルA/C/E/F=74/15/10/1質量部とし、フィルム幅方向中央のtBについて0.6μmとした以外は比較例2と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(比較例7)
B層のポリエステル構成について、ポリエステルA/C/E/F=74/15/10/1質量部とし、フィルム幅方向中央のtBについて0.6μmとした以外は比較例3と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
B層のポリエステル構成について、ポリエステルA/C/E/F=74/15/10/1質量部とし、フィルム幅方向中央のtBについて0.6μmとした以外は比較例3と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(比較例8)
B層のポリエステル構成について、ポリエステルA/C/E/F=74/15/10/1質量部とし、フィルム幅方向中央のtBについて0.6μmとした以外は比較例4と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
B層のポリエステル構成について、ポリエステルA/C/E/F=74/15/10/1質量部とし、フィルム幅方向中央のtBについて0.6μmとした以外は比較例4と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(比較例9)
テンター内の熱処理ゾーンで、208℃の温度で2秒間熱処理した後、208℃の温度で熱処理を4秒間施した以外は実施例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
テンター内の熱処理ゾーンで、208℃の温度で2秒間熱処理した後、208℃の温度で熱処理を4秒間施した以外は実施例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
なお、表中における「部」は「質量部」を意味する。
本発明のポリエステルフィルムは、温度や湿度等の環境変化に対する高度の寸法安定性を有し、かつ、優れた電磁変換特性と、エラーレートやドロップアウトを低減した塗布型磁気記録テープ、特にデータストレージのベースフィルムに好適に用いることができる。
A フィルム製品部
B 境界
C フィルムエッジ部
D クリップ把持部
E 凹の厚みパターン
1 レーザー発振器
2 受光部
3 荷重検出器
4 分銅
5 フリーロール
6 フリーロール
7 フリーロール
8 フリーロール
9 磁気テープ
10 レーザー光
B 境界
C フィルムエッジ部
D クリップ把持部
E 凹の厚みパターン
1 レーザー発振器
2 受光部
3 荷重検出器
4 分銅
5 フリーロール
6 フリーロール
7 フリーロール
8 フリーロール
9 磁気テープ
10 レーザー光
Claims (5)
- フィルム厚みが5.0μm未満であり、TD方向(フィルム幅方向)の湿度膨張係数CHEが5.5ppm/%RH未満であり、微小融解ピーク温度T−metaが210℃以上であり、その組成の95質量%以上がポリエチレンテレフタレートである二軸配向ポリエステルフィルム。
- TD方向(フィルム幅方向)のヤング率が8,000MPa以上であり、MD方向(フィルム長手方向)のヤング率が3,600MPa以上であり、100℃で30分間熱処理を行った後のTD方向(フィルム幅方向)の熱収率が0.7〜1.3%である、請求項1記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- 一方の表面を形成するA層と、他方の表面を形成するB層の少なくとも2層から構成され、A層の表面のRa(RaA)が2.0nm以下であり、B層の表面のRa(RaB)が3〜5nmの範囲であり、A層とB層の表面のRaの差が1nm以上であり、B層の表面のRaがA層の表面のRaよりも大きく、RaBとB層の表面の10点平均粗さRz(RzB)との積が250nm2以下である、請求項1または2に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- 塗布型磁気記録テープのベースフィルムとして用いられる、請求項1〜3のいずれにかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルムと、A層の表面に塗設により形成された磁性層とからなる塗布型磁気記録テープ。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019063211 | 2019-03-28 | ||
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Publication Number | Publication Date |
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JP2020026886A Pending JP2020164795A (ja) | 2019-03-28 | 2020-02-20 | 寸法安定性に優れるポリエステルフィルムおよび塗布型磁気記録テープ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2020164795A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022211020A1 (ja) * | 2021-03-31 | 2022-10-06 | ソニーグループ株式会社 | 磁気記録媒体およびカートリッジ |
WO2024070719A1 (ja) * | 2022-09-29 | 2024-04-04 | ソニーグループ株式会社 | 磁気記録媒体およびカートリッジ |
-
2020
- 2020-02-20 JP JP2020026886A patent/JP2020164795A/ja active Pending
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