JP2019119879A - 起泡性洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】水に投入した際に高い初期起泡力を維持し、ミキサーで混合しても初期の起泡量が低下せず、温度が低い水に投入しても高い起泡性を維持する起泡性洗浄剤組成物を提供する。【解決手段】ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム及び過炭酸ナトリウムを含有し、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムは目開き355μmの篩を通過しない粒子が50〜80重量%かつ355μmの篩を通過し150μmの篩を通過しない粒子が20〜50重量%の範囲、過炭酸ナトリウムは目開き355μmの篩を通過しない粒子が3〜15重量%かつ355μmの篩を通過し150μmの篩を通過しない粒子が85〜97重量%の範囲、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの配合割合X重量%と過炭酸ナトリウムの配合割合Y重量%が、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと過炭酸ナトリウムのモル当量係数がMの場合、X−Y×M>0かつX+Y>50とした起泡性洗浄剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、台所、浴室、洗面所、トイレ等の排水口や喫水面及び洗濯槽、台所ストレーナー等の洗浄に用いる起泡性洗浄剤組成物であって、水溶解時に高い起泡性を有する起泡性洗浄剤組成物に関する。
従来、台所、浴室、洗面所、トイレ等の排水口や喫水面及び洗濯槽、台所ストレーナー等の硬質表面の汚れを洗浄除去するために、粉末の起泡性洗浄剤組成物が広く使用されている。
特許文献1には、固体で水に溶解して過酸化水素を遊離する化合物100重量部に対し、固体で水に溶解して次亜塩素酸を遊離する化合物を5〜500重量部と、アルカリビルダーを10〜1000重量部並びに前記過酸化水素を遊離する化合物と次亜塩素酸を遊離する化合物の合計量に対して酸化硼素を0.1〜10重量%量含有する起泡性組成物とした全自動洗濯機の洗浄剤が開示されている。
このような起泡性組成物は、水に溶解して遊離した次亜塩素酸が水に溶解して遊離した過酸化水素と反応して酸素ガスを放出し、気泡を生起させる。この起泡力により、水の動きの少ない洗濯槽の外壁や、水受け槽の内壁に付着したスライムや黴等に対して剥離効果を示すことが記載されている。
この際、固体で水に溶解して過酸化水素を遊離する化合物と、固体で水に溶解して次亜塩素酸を遊離する化合物の混合割合は、過酸化水素を遊離する化合物100重量部に対して次亜塩素酸を遊離する化合物5〜500重量部が好ましい旨記載されている。
更に、特許文献2には、ジクロロイソシアヌル酸のアルカリ金属塩100重量部に対し、炭素数10〜22のα−オレフィンスルホン酸塩を0.05〜1重量部及び過酸化水素付加物を10〜500重量部含有する台所、洗面所及び風呂の排水口用洗浄製剤が記載されている。
このような排水口洗浄製剤は、ミクロで均一な持続性のある泡を洗浄液の液面より上部に生成させるために、活性剤として知られているα−オレフィンスルホン酸塩又は高級アルコールの硫酸エステル塩を極少量配合することが記載されている。
また、最適な起泡量を確保するための過酸化水素付加物の単独又は2種以上の併用の配合率は、ジクロロイソシアヌル酸アルカリ金属塩100重量部に対して10〜500重量部であることが記載されている。
これらの先行技術文献からも明らかな通り、ジクロロイソシアヌル酸のアルカリ金属塩等の水に溶解して次亜塩素酸を遊離する化合物と、過炭酸ナトリウム等の水に溶解して過酸化水素を遊離する化合物の混合物は、次亜塩素酸と過酸化水素の反応により発生する酸素ガスの放出による起泡現象を利用するものである。
従来技術では充分な起泡量を維持することや、起泡量を増大することが重要であると認識され、起泡量を増大する要因となるジクロロイソシアヌル酸アルカリ金属塩や過酸化水素付加物の配合比率や、界面活性剤の配合比率の検討が進められているものの、起泡性洗浄剤組成物の起泡量を減少させる要因として、起泡性洗浄剤組成物をミキサー等で撹拌混合することにより、初期の起泡量が低下するという課題は認識されていなかった。
即ち、本発明者らによって、ジクロロイソシアヌル酸のアルカリ金属塩等の水に溶解して次亜塩素酸を遊離する化合物(以下、固形塩素剤という)と、過炭酸ナトリウム等の水に溶解して過酸化水素を遊離する化合物(以下、過酸化水素付加物という)の混合物を配合することにより、起泡性洗浄剤組成物を工業的に大量生産すべくミキサーで撹拌混合した場合、起泡性洗浄剤組成物を水に投入した際の初期の起泡量が低下するという、従来知られていない課題が明らかになった。また、起泡量の低下は温度の低い水に溶解する場合に顕著であり、起泡性洗浄剤組成物が溶解しない場合には固形塩素剤や過酸化水素付加物の漂白、殺菌、洗浄等の効果が充分に発揮されないという課題もあった。
特開平7−292396号公報 特開2004−256770号公報
本発明は、固形塩素剤と過酸化水素付加物を配合する起泡性洗浄剤をミキサーで混合撹拌した後に、水に投入した際の初期起泡力が低下することを防ぎ、ミキサーで混合しても初期の起泡量が低下しない起泡性洗浄剤組成物を提供することを目的とする。更に、水温の低い水に投入した場合にも起泡力が低下せず、漂白力に優れた起泡性洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決するために鋭意研究を重ねたところ、固形塩素剤と過酸化水素付加物の混合物を配合して起泡する起泡性洗浄剤組成物において、固形塩素剤と過酸化水素付加物の粒度をそれぞれ所定の範囲とすることにより、起泡性洗浄剤組成物をミキサーで撹拌混合しても、起泡性洗浄剤組成物を水に投入した際の初期の起泡量が低下しないことを見出し、本発明を完遂するに至ったものである。
また、このような起泡性洗浄剤を温度の低い水に投入した場合には、固形塩素剤と過酸化水素付加物が速やかに反応し起泡することに伴い、起泡時の水温が上昇し、低温の水に投入した際にも起泡力が低下せず、漂白力が優れることを見出した。
即ち、前記課題を解決するための手段は以下のとおりである。
第1の発明は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム及び過炭酸ナトリウムを含有する起泡性洗浄剤組成物であって、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムは目開き355μmの篩を通過しない粒子が50〜80重量%かつ355μmの篩を通過し150μmの篩を通過しない粒子が20〜50重量%の範囲であり、過炭酸ナトリウムは目開き355μmの篩を通過しない粒子が3〜85重量%かつ355μmの篩を通過し150μmの篩を通過しない粒子が15〜97重量%の範囲であり、起泡性洗浄剤組成物におけるジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの配合割合X重量%と過炭酸ナトリウムの配合割合Y重量%が、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと過炭酸ナトリウムのモル当量係数をMとした場合に、X−Y×M>0かつX+Y>50であることを特徴とする起泡性洗浄剤組成物である。
第2の発明は、更に0.5≦X/Y≦2.0であることを特徴とする第1の発明に記載の起泡性洗浄剤組成物である。
第3の発明は固形の陰イオン界面活性剤を更に含有することを特徴とする第1の発明又は第2の発明に記載の起泡性洗浄剤組成物である。
本発明によれば、起泡する起泡性洗浄剤組成物をミキサーで撹拌混合しても、起泡性の洗浄剤組成物を水に投入した際の初期の起泡量が低下せず、更に温度が低い水に起泡性洗浄剤組成物を投入しても高い起泡性を維持する洗浄剤組成物を提供することができる。
本発明で使用するジクロロイソシアヌル酸ナトリウム及び過炭酸ナトリウムの粒度分布の測定は次のようにして行うことができる。目開き45μm、63μm、75μm、106μm、125μm、150μm、180μm、250μm、355μm、500μmの篩と受け皿を用いて、受け皿の上に目開きの大きい篩が上段になるように積み重ねる。最上部の目開き500μmの篩の上から試料を入れ、重ねた篩を篩振とう機にセットし、10分間振とうし、篩分けを行う。篩振とう機は振動数3600回/分で振幅1mmの条件で使用してよい。篩振とう機としては例えば株式会社レッチェ製「AS200CONTROL」を使用することができるがこれに限定されるものではない。篩振とう機を使用できない場合は、重ねた篩を片手で支え、1分間に約120回の割合で篩の枠をたたく。時折、篩を水平に置き、篩枠を数回強くたたく。この操作を繰り返し、篩分けを十分に行なう。
それぞれの篩及び受け皿上に残留した粒子の重量を測定し、各篩上の粒子の比率(重量%)を算出する。目開き355μmの篩を通過しない粒子の重量%は、目開き355μmの篩上に残留した粒子の重量%と500μmの篩上に残留した粒子の重量%を足し合わせることにより求めることができる。同様に355μmの篩を通過し150μmの篩を通過しない粒子の重量%は、目開き355μmの篩を通過した粒子であって250μm、180μm及び150μmの篩に残留した粒子の重量%を足し合わせることにより求めることができる。
本発明の起泡性洗浄剤組成物において使用する固形漂白剤としてのジクロロイソシアヌル酸ナトリウムは、目開き355μmの篩を通過しない粒子が50〜80重量%かつ目開きが355μmの篩を通過し150μmの篩を通過しない粒子が20〜50重量%の範囲である。当然ながら、ここでの重量%は、起泡性洗浄剤組成物中のジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの配合量全量を100重量%とした場合に各粒度のジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの重量%を意味する。例えば、起泡性洗浄剤組成物中に40重量%のジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを含有している場合には、本発明で使用する固形漂白剤としてのジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの目開き355μmの篩を通過しない粒子が50重量%の場合には、起泡性洗浄剤組成物中における目開き355μmの篩を通過しないジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの含有量は、20重量%となる。
目開き355μmの篩を通過しない粒子が80重量%を超えると、ミキサーで撹拌混合した後に水に投入した際の初期に充分な泡量が得られず、50重量%を下回った場合は粒径の小さい粒子が多くなるため、流動性や保存安定性の観点から取扱いが困難となる。
150μmの篩を通過しない粒子が20重量%を下回り、150μmを通過する粒子が相対的に増えると、静電気や僅かな空気の流れの影響で飛散しやすくなり、取扱いが困難となる。一方、50重量%を上回った場合は、355μmの篩を通過しない粒子が50重量%を下回ることを意味し、流動性や保存安定性から取扱いが困難となる。
なお、ミキサーとしては、特に限定されないが、例えばSVミキサー(神鋼環境ソリューション社製)、ナウタミキサー(ホソカワミクロン社製)、ヘンシェルミキサー(FMミキサ)(日本コークス工業社製)、ロッキングミキサー(愛知電機社製)、ポットミキサー(光洋機械産業社製やアズワン社製等)、リボンブレンダー(ダルトン社製)、レーディゲミキサー(中央機工社製)等が使用できる。
本発明において使用する過酸化水素付加物としての過炭酸ナトリウムは、目開き355μmの篩を通過しない粒子が3〜85重量%かつ355μmの篩を通過し150μmの篩を通過しない粒子が15〜97重量%の範囲が好ましく、目開き355μmの篩を通過しない粒子が3〜15重量%かつ355μmの篩を通過し150μmの篩を通過しない粒子が85〜97重量%の範囲が更に好ましい。当然ながら、ここでの重量%は、起泡性洗浄剤組成物中の過炭酸ナトリウムの配合量全量を100重量%とした場合に各粒度の過炭酸ナトリウムの重量%を意味する。例えば、起泡性洗浄剤組成物中に40重量%の過炭酸ナトリウムを含有している場合には、本発明で使用する過酸化水素付加物としての過炭酸酸ナトリウムの目開き355μmの篩を通過しない粒子が3重量%の場合には、起泡性洗浄剤組成物中における目開き355μmの篩を通過しない過炭酸ナトリウムの含有量は、1.2重量%となる。
目開き355μmの篩を通過しない粒子が3〜85重量%である場合には、ミキサーで撹拌混合した後に水に投入した際の初期の泡量がほとんど低下しないため好ましく、3〜15重量%の範囲であればより水に投入した際の初期の泡量が低下しないため更に好ましい。目開き355μmの篩を通過しない粒子が3重量%を下回った場合には粒径の小さい粒子が多くなるため、流動性や保存安定性の観点から取扱いが困難となる。
一方、150μmの篩を通過しない粒子が15重量%を下回り、150μmを通過する粒子が相対的に増えると、静電気や僅かな空気の流れの影響で飛散しやすくなり、取扱いが困難となるため好ましくない。一方、150μmの篩を通過しない粒子が97重量%を上回った場合は、355μmの篩を通過しない粒子が3重量%を下回ることを意味し、流動性や保存安定性から取扱いが困難となる。
固形漂白剤が塩素系の漂白剤である場合は、固形漂白剤含有物中の有効塩素含有量(Cl換算値)は、よう素滴定法を用いて、数式1により算出することができる。すなわち、活性塩素とよう化カリウムとが反応して遊離するよう素をチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し、次の数式1により有効塩素含有量を算出する。
<数式1>
有効塩素含有量(%)=a×f×0.35452/b
a:滴定に要した0.1Nチオ硫酸ナトリウム溶液(ml)
b:試料(g)
f:0.1Nチオ硫酸ナトリウム溶液のファクター
なお、トリクロロイソシアヌル酸の理論上の有効塩素含有量は91.5%であり、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムでは64.5%であり、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム2水和物では55.4%である。
過酸化水素付加物等酸素系漂白剤の有効酸素含有量(O換算値)を、よう素滴定法を用いて算出することができる。すなわち、活性酸素とよう化カリウムとが反応して遊離するよう素をチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し、次の数式2により有効酸素含有量を算出する。活性酸素とよう化カリウムとの反応を速めるために、1質量%に調整したモリブデン酸アンモニウム水溶液を少量加えてもよい。
<数式2>
有効酸素含有量(%)=a×f×0.08000/b
a:滴定に要した0.1Nチオ硫酸ナトリウム溶液(ml)
b:試料(g)
f:0.1Nチオ硫酸ナトリウム溶液のファクター
なお、炭酸ナトリウム1分子に1.5分子の過酸化水素が付加している過炭酸ナトリウムの理論上の有項酸素含有量は15.3%である。
本発明において、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム1molは水に溶解した際に2molの次亜塩素酸を発生する。一方、炭酸ナトリウム1分子に1.5分子の過酸化水素が付加している過炭酸ナトリウム1molが水に溶解した際に1.5molの過酸化水素を発生する。水中で次亜塩素酸と過酸化水素は下記(I)に従って塩酸と水と酸素を生じる。即ち、3molのジクロロイソシアヌル酸ナトリウムから生じる6molの次亜塩素酸と当量の過酸化水素6molを得るためには4molの過炭酸ナトリウムが必要になる。
HClO+H → HCl+HO+O ・・・(I)
ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの分子量は220.0であり、過炭酸ナトリウムの分子量が157.0であるため、3mol(660g)のジクロロイソシアヌル酸ナトリウムから生じる次亜塩素酸と過不足無く反応するように過酸化水素を放出するために必要な過炭酸ナトリウムは4mol(628g)となる。このような場合には、当量モルの次亜塩素酸と過酸化水素を得るためのジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと過炭酸ナトリムの重量比は1.051:1と考えることができる。
通常入手可能な過炭酸ナトリウムは炭酸ナトリウム1分子に1.5分子の過酸化水素が付加しているものが多いが、一方で安全上の理由等から炭酸ナトリウムの含有比率が高い(相対的に過酸化水素の付加数が少ない)過炭酸ナトリウムが存在している。またジクロロイソシアヌル酸ナトリウムも吸湿等の影響で、有効塩素含有量が理論量より少ない場合がある。このような炭酸ナトリウムの含有比率が高い(有効酸素含有量が低い)過炭酸ナトリウムや有効塩素含有量が理論量より少ないジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを用いる場合に、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと当量モルとなる過炭酸ナトリウムの重量比を、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと過炭酸ナトリウムのモル当量係数(M)として、次の数式3により算出する。
<数式3>
M=1.051×s/15.3×64.5/t
M:ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと過炭酸ナトリウムのモル当量係数
s:過炭酸ナトリウムの実際の有効酸素含有量(%)
t:ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの実際の有効塩素含有量(%)
例えば、実際の有効塩素含有量が64.0%のジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと実際の有効酸素含有量が11.8(%)の過炭酸ナトリウムを用いる場合のジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと過炭酸ナトリウムのモル当量係数Mは0.817と算出される。即ち、Xgのジクロロイソシアヌル酸ナトリウムから生じる次亜塩素酸と有効酸素含有量が11.8%の過炭酸ナトリウムYgから生じる過酸化水素が当量モルであるときX−Y×M(0.817)=0となる。なお、X及びYが起泡性洗浄剤組成物中の配合割合重量%で表示された場合も同様の関係が成り立つ。
本発明の実施に際しては、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの起泡性洗浄剤組成物中での配合割合X重量%と過炭酸ナトリウムの起泡性洗浄剤組成物中での配合割合Y重量%が、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと過炭酸ナトリウムのモル当量係数をMとした場合に、X−Y×M>0かつX+Y>50である。
X−Y×Mの値が0以下になると、起泡性洗浄剤組成物の水溶液には次亜塩素酸が存在しないこととなり、充分な殺菌・漂白作用が得られない。X−Y×Mの値が0より大きければ次亜塩素酸が存在するため好ましいが、X−Y×Mの値が1より大きければより高濃度の次亜塩素酸が残存するためより好ましく、X-Y×Mの値が10より大きければ更に高濃度の次亜塩素酸が残留するため更に好ましい。
またX+Yの値が50以下となると、固形塩素剤と過酸化水素付加物の反応により生じる酸素ガス量が不十分となり、十分な起泡量を得られない。また、固形塩素剤と過酸化水素付加物が反応して酸素ガスを生じる反応が発熱反応であるために、X+Yが50以下となると、起泡時の水温が上昇して低温の水に投入した際の起泡力が低下しないという本発明の効果が充分に得られない。従ってX+Yの値は50より大きいことが好ましく、60より大きいことがより好ましく、70より大きいことが更に好ましく、80より大きいことがより更に好ましい。
また、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと過炭酸ナトリウムの配合比(X/Y)は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム及び過炭酸ナトリウムの反応性の観点からジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと過炭酸ナトリウムの配合比が0.5以上2.0以下の範囲であれば好ましく、0.8以上1.3以下の範囲であることがより好ましく、1.0以上1.2未満の範囲であることが更に好ましい。X/Yが大きすぎる場合はジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの配合量に対する過炭酸ナトリウムの配合量が少なくなるために、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと過炭酸ナトリウムの配合量の合計が同じ場合であっても、水に溶解した後の有効塩素濃度は高くなる一方で発泡が相対的に少なくなり好ましくない。また、X/Yが小さすぎる場合はジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの配合量に対する過炭酸酸ナトリウムの配合量が多くなるために水に溶解した後の有効塩素濃度が消失することに加えて発泡が相対的に少なくなるため好ましくない。
本発明の起泡性洗浄剤組成物には陰イオン界面活性剤を配合することができる。本発明の起泡性洗浄剤組成物において使用する陰イオン界面活性剤は、ドデカン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、オレイン酸カリウム石ケン、ヒマシ油カリウム石ケン、半硬化牛脂脂肪酸ナトリウム石ケン、半硬化牛脂脂肪酸カリウム石ケン等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、高級アルコール硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等のジアルキルスルホコハク酸塩、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のアルキルジアリルエーテルスルホン酸塩、アルキルリン酸カリウム等のアルキルリン酸塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩等のナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩等の芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。これらの群から選択される陰イオン界面活性剤を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。なお、常温常圧で液体の界面活性剤は予め固形の洗浄剤成分に含侵させてから起泡性洗浄剤組成物に配合することにより用いることもできるし、起泡性洗浄剤組成物を水に投入する際に別途添加しても良い。
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の常温常圧下で固体の陰イオン界面活性剤が配合し易さや取扱い性の観点から好ましく、これらを組み合わせて用いても良い。泡のきめ細かさや泡もちの良さからアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが更に好ましい。なお、固形の陰イオン界面活性剤としてはこれらの常温常圧下で固体の陰イオン界面活性剤であることが好ましい。
また、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムとしては、アルキル基が直鎖でも分枝を有していても良く、アルキル基の炭素数は陰イオン界面活性剤として機能を損なわない範囲であれば特に限定されないが、入手のし易さや環境負荷が少ないという観点からアルキル基の炭素数が10〜14である直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが特に好ましい。
陰イオン界面活性剤の起泡性洗浄剤組成物中の配合量(配合割合)重量%は特に限定されないが、1〜15重量%の範囲であることが好ましく、2〜10重量%の範囲であることがより好ましく、2〜8重量%の範囲であることが更に好ましい。陰イオン界面活性剤の配合量が少なすぎる場合には充分な発泡を得られず、配合量が多すぎても効果の向上が見込めないため好ましくない。
本発明の起泡性洗浄剤組成物には、起泡性洗浄剤組成物に配合することにより、起泡性洗浄剤組成物を水に投入した後に発生する泡の持続性が向上するという効果があるので、カラギーナン、グアガム(グアーガムということがある)、ローカストビーンガム、アルギン酸、アルギン酸のアルカリ金属塩、デキストリン、キサンタンガム、ペクチン、デンプンあるいはこれらの誘導体等の多糖類、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、その他のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、オレフィン−無水マレイン酸ナトリウム塩共重合体、アクリル酸−マレイン酸ナトリウム塩共重合体、ジアリルジメチルアンモニウム−アクリル酸ナトリウム塩共重合体、ジアリルメチルアミンとマレイン酸ナトリウム塩共重合体等の合成高分子化合物、ヘクトライト等の粘土状鉱物等の化合物を配合することができる。これらの群から選択される化合物を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
泡の持続性に優れるという観点から、カラギーナン、グアガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、アルギン酸のアルカリ金属塩、デキストリン、キサンタンガム、ペクチン、デンプンあるいはこれらの誘導体等の多糖類や、ヘクトライト等の粘土状鉱物を配合することが好ましく、入手のし易さや取扱いの容易さの観点から、カラギーナン、グアガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ヘクトライトが更に好ましい。
多糖類、セルロース誘導体、合成高分子化合物、粘土状鉱物の起泡性洗浄剤組成物中での配合量(配合割合)重量%は特に限定されないが、0.01〜5重量%の範囲であることが好ましく、0.1〜5重量%の範囲であることがより好ましく、0.2〜3重量%の範囲であることが更に好ましい。多糖類、セルロース誘導体、合成高分子化合物、粘土状鉱物の配合量が少なすぎる場合には充分な効果を得られず、配合量が多すぎても溶け残り等が発生し効果の向上が見込めないため好ましくない。
本発明の起泡性洗浄剤組成物には、取扱い性や配合安定性を向上させるために、更に無機物を配合することが出来る。無機物としては、ホウ素化合物、ケイ酸塩、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の塩化物、硫酸アルミニウム塩、シロキサン類等が挙げられる。入手のし易さや、配合安定性や取り扱い性の向上効果の観点から、ホウ素化合物、ケイ酸塩、炭酸塩、リン酸塩、アルカリ金属の水酸化物がより好ましい。ホウ素化合物としては、ホウ酸、酸化ホウ素及びこれらの水和物並びにこれらの混合物が挙げられ、ケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、オルソケイ酸ナトリウム及びこれらの水和物並びにこれらの混合物等のアルカリ金属ケイ酸塩等が挙げられる。炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、セスキ炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩や、炭酸アンモニウム等が挙げられる。硫酸塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等のアルカリ金属硫酸塩や、硫酸マグネシウム等のアルカリ土類金属硫酸塩等が挙げられる。リン酸塩としては、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、トリポリリン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩や、リン酸二水素アンモニウム等が挙げられる。アルカリ金属の水酸化物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が挙げられる。アルカリ金属の塩化物としては塩化ナトリウム、塩化カリウム等が挙げられる。シロキサン類としてはジメチルポリシロキサン等が挙げられる。中でも、入手容易性、配合安定性や取り扱い性の向上効果の観点から、ホウ素化合物としては酸化ホウ素、アルカリ金属水酸化物としては水酸化ナトリウム、アルカリ金属ケイ酸塩としてはケイ酸ナトリウム、アルカリ金属炭酸塩としては炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウム、アルカリ金属リン酸塩としてはトリポリリン酸ナトリウム及びこれらの混合物からなる群より選択される1以上の無機物を用いることが好ましい。
また、本発明の起泡性洗浄剤組成物は粉末であることが好ましい。粉末であるとは、起泡性洗浄剤組成物としての平均粒子径が所定の範囲内であることを意味し、起泡性洗浄剤組成物の平均粒子径は10μm〜2000μmの範囲であることが好ましく、100μm〜1000μmがより好ましく、100μm〜600μmがさらに好ましい。平均粒子径が2000μm以下の場合は、粒子として大きすぎず取り扱い性がよく、1000μm以下ではより取り扱い性がよく、600μm以下では更に取り扱い性がよい。また、平均粒子径が2000μm以下の場合は、直接洗浄や漂白に使用する場合においても開口部の小さい排水口等に直接入れることができるため使用し易く、1000μm以下ではより使用し易く、600μm以下では更に使用し易い。一方、平均粒子径が10μm以上であれば、取り扱い時に僅かな風や静電気で飛散することが少ないため使用し易く、100μm以上ではより使用し易い。
平均粒子径の測定は次のようにして行うことができる。目開き75μm、106μm、150μm、250μm、425μm、600μm、710μm、850μm、1000μm、1180μm、1400μm、1700μm、2000μmの13段の篩と受け皿を用いて、受け皿の上に目開きの大きい篩が上段になるように積み重ねる。最上部の目開き2000μmの篩の上から試料を入れ、重ねた篩を片手で支え、1分間に約120回の割合で篩枠をたたく。時折、篩を水平に置き、篩枠を数回強くたたく。この操作を繰り返し、篩分けを十分に行なう。試料が凝集している場合や、篩の内側や裏面に微粉が付着している場合には、ブラシで静かに試料をほぐし、篩分け操作を再度行ない、篩網を通過したものは篩下とする。なお、篩下とは、篩分け終了までに、篩網を通過した試験試料のことをいう。試料に粒径2000μmを超える粒子が含まれる場合は、目開き2360μm、2800μm、3350μm、4000μm、4750μm、5600μm又はそれ以上の目開きの篩を追加してもよく、粒径75μm以下の粒子が多い場合には、目開き63μm、53μm、45μm、38μm又はそれ以下の目開きの篩を追加してもよい。
それぞれの篩及び受け皿上に残留した粒子の質量を測定し、各篩上の粒子の質量割合(%)を算出する。受け皿から順に目開きの小さな篩上の粒子の質量割合を積算していく。積算した質量割合が50%以上となる最初の篩の目開きをaμmとし、aμmよりも一段大きい篩の目開きをbμmとし、受け皿からaμmの篩までの積算した質量割合をc%、またaμmの篩上の質量割合をd%とした場合、平均粒子径は次の数式4から求められる
Figure 2019119879
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例において使用した原材料と評価試験方法は次のとおりである。
[原材料]
・ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム:四国化成工業社製、商品名「ネオクロール60G」(有効塩素含有量64.0%)
・ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム:四国化成工業社製、商品名「ネオクロール60MG」(有効塩素含有量64.0%)
・過炭酸ナトリウム:ADEKA社製、商品名「PC‐2」(有効酸素含有量11.8%)
・過炭酸ナトリウム:保土谷化学社製、商品名「PC‐F」(有効酸素含有量11.8%)
・過炭酸ナトリウム:保土谷化学社製、商品名「PC‐A」(有効塩素含有量11.8%)
・過炭酸ナトリウム:ADEKA社製、商品名「PC‐1」(有効酸素含有量11.8%)
・過炭酸ナトリウム:ADEKA社製、商品名「CPC‐A」(有効酸素含有量11.8%)
・酸化ホウ素:新日本電工社製
・アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム:ライオンスペシャリティケミカルスLSC社製、商品名「ライポンPS−260」
・グアガム:三晶社製、商品名「ネオビスコG」
・ヘクトライト:BYK Additives(ビックケミー・ジャパン)社製、商品名「ラポナイトRDS」
・炭酸ナトリウム:トクヤマ社製
・重炭酸ナトリウム:トクヤマ社製
・過炭酸ナトリウム:日本パーオキサイド社製
・コハク酸:日本触媒社製
・フマル酸:三井化学社製
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル:ADEKA社製、商品名「アデカトールLA50」
・ラウリル硫酸ナトリウム:新日本理化社製、商品名「シノリン90TK−N」
[ポットミキサー]
・アズワン社製 型番PM−01
[篩振とう機]
・レッチェ社製「AS200CONTROL」
本発明の実施において使用するジクロロイソシアヌル酸ナトリウムである「ネオクロール60G」及び「ネオクロール60MG」の粒度分布及び過炭酸ナトリウムである「CPC‐A」、「PC‐2」、「PC‐1」、「PC‐F」、「PC‐A」の粒度分布(単位は重量%)は表1に示した通りである。また、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムである「ネオクロール60G」と「ネオクロール60MG」の実際の有効塩素含有量はいずれも64.0%であり、過炭酸ナトリウムである「CPC‐A」、「PC‐2」、「PC‐1」、「PC‐F」、「PC‐A」の実際の有効酸素含有量(%)はいずれも11.8%であった。
Figure 2019119879
[泡量の測定試験]
粒度が異なるジクロロイソシアヌル酸ナトリウム(ネオクロール60G、ネオクロール60MG)と、粒度違いの過炭酸ナトリウム(CPC‐A、PC‐2、PC‐1、PC‐F、PC‐A)の組み合わせを変えて、表2に記載した通りの配合組成及び配合率(配合割合)(重量%)で起泡性洗浄剤組成物を調製した。
各配合物200gを、2L容量のポット(容器)を装着したポットミキサーで、回転数56rpmで180分撹拌混合した。なお、比較試験として袋に同配合組成同配合率の起泡性洗浄剤組成物を入れて、手で1〜2分良く振ってブレンドしたサンプルについても同様の試験を実施した。
メスシリンダーに25℃の水400mlを入れ、その中にポットミキサーで180分混合した後の組成物20gを投入した。
同様に比較試験として、手で1〜2分良く振ってブレンドしたサンプルを用いてメスシリンダーに25℃の水道水400mlを入れ、起泡性洗浄剤組成物20gを投入した。
起泡量をメスシリンダーのメモリから、目視で読みとった。(例;メモリ1800mlまで泡が到達した場合、水400mlを差引いた1600mlが泡量となる)。
薬剤投入後、2分、5分、10分、20分、30分経過後の泡量(ml)を記録した。また、記録した泡量の中で最大泡量を100%とした場合の各測定時間の泡量の割合%を算出した。薬剤投入後2分後の泡量の割合%を初期起泡量とした。
[泡量の測定試験の判定基準]
ポットミキサーで180分間ブレンドした組成物の起泡量の推移を30分間観察し、30分間の泡量の推移の中で最大泡量を100%とした場合、薬剤投入2分後の泡量の割合%(初期起泡量)が90%以上の場合でかつ、組成物を手で1〜2分良く振ってブレンドした場合の初期発泡量に対してポットミキサーで180分間ブレンドした場合の初期発泡量の比率(初期発泡比率)が90%以上の場合を合格とした。ポットミキサーで180分間ブレンドした組成物の起泡量の推移を30分間観察し、30分間の泡量の推移の中で最大泡量を100%とした場合、薬剤投入2分後の泡量の割合%(初期起泡量)が90%以上であれば、組成物をミキサーで撹拌混合した場合であっても、初期発泡量が最大泡量に近い量まで迅速に到達することを意味するので好ましい。また、手で1〜2分良く振ってブレンドした組成物の初期発泡量に対してポットミキサーで180分間ブレンドした組成物の初期発泡量が90%以上であれば、組成物をミキサーで撹拌混合した場合であっても、手で1〜2分良く振ってブレンドした場合と比べて初期発泡量が劣化しないことを意味するので好ましい。また、本試験において、組成物を手で1〜2分良く振ってブレンドした場合の初期発泡量(ml)とポットミキサーで180分間ブレンドした場合の初期発泡量(ml)がいずれも1000mlを超えている場合は発泡量が多く洗浄対象物の隅々まで泡がいきわたるため好ましく、いずれも1400mlを超えている場合は更に発泡量が多いため更に好ましい。
〔実施例1〕
ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムとしてネオクロール60MG、過炭酸ナトリウムとしてPC−F、酸化ほう素、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、グアガム、ヘクトライトを表2に示した配合組成及び配合率(重量%)となるように混合し、各配合物200gを、2L容量のポット(容器)を装着したポットミキサーで、回転数56rpmで180分混合した。なお、比較試験として実施例1と同じ配合組成の起泡性洗浄剤組成物を、ミキサーを使用せずに手で1〜2分良く振ってブレンドしたサンプルを調製した。ネオクロール60MGの有効塩素含有量は64.0%であり、PC−Fの有効酸素含有量(%)は11.8%であり、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと過炭酸ナトリウムのモル当量係数(M)はM=0.817であった。これらの起泡性洗浄剤組成物のX−Y×M及びX+Yは表2に示した通りであった。
続いて、この起泡性洗浄剤組成物の泡量の測定試験を行ったところ、起泡量(ml)の結果は表3に示したとおりであった。また、起泡量の推移を30分間観察し、30分間の泡量の推移の中で最大泡量を100%とした場合の各測定時間の泡量の割合%は表4の通りであった。ポットミキサーで180分混合した場合も、ミキサーを使用せずに手で1〜2分良く振ってブレンドした場合も、初期起泡量が90%以上であり、かつ、ミキサーを使用せずに手で1〜2分良く振った場合の初期発泡量に対してポットミキサーで180分混合した場合の初期発泡量(初期発泡比率)が90%以上であった。従って泡量測定試験は合格と判定した。
〔実施例2〜10〕
実施例1と同様にして、表2に記載の配合組成及び配合率(重量%)を有する起泡性洗浄剤組成物を調製した。これらの起泡性洗浄剤組成物のX−Y×M及びX+Yは、表2に示した通りであった。また、代表値として実施例5の起泡性洗浄剤組成物の平均粒子径は309μmであり、実施例7の起泡性洗浄剤組成物の平均粒子径は387μmであった。実施例1〜10のいずれの起泡性洗浄剤組成物の平均粒子径も100μm〜600μmの範囲内であった。泡量の測定試験の結果は表3及び表4記載の通りであった。いずれの実施例においても、ポットミキサーで180分混合した場合も、ミキサーを使用せずに手で1〜2分良く振ってブレンドした場合も、初期起泡量が90%以上であり、かつ、ミキサーを使用せずに手で1〜2分良く振った場合の初期発泡量に対してポットミキサーで180分混合した場合の初期発泡量(初期発泡比率)が90%以上であった。従って、泡量判定試験は合格と判定した。
Figure 2019119879
Figure 2019119879
Figure 2019119879
〔比較例1〜10〕
実施例1の場合と同様にして、表5に記載の組成を有する起泡性洗浄剤組成物を調製した。ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと過炭酸ナトリウムのモル当量係数MはM=0.817であり、これらの起泡性洗浄剤組成物のX−Y×M及びX+Yは表5に示した通りであった。泡量の測定試験の結果は表6及び表7記載の通りであった。いずれの比較例においても、ポットミキサーで180分混合した場合の初期起泡量はいずれも90%未満であった。そのため、ポットミキサーで180分混合した場合の初期起泡量が90%以上であることとミキサーを使用せずに手で1〜2分良く振った場合の初期発泡量に対してポットミキサーで180分混合した場合の初期発泡量(初期発泡比率)が90%以上であること、の両方を満たす事は出来なかった。従って、泡量判定試験は不合格と判定した。
Figure 2019119879
Figure 2019119879
Figure 2019119879
[温度変化による泡温度及び泡量の測定試験]
1Lビーカーに200mLの予め所定の温度(0℃、5℃、15℃、25℃、40℃)に調整した水を入れ、水に浸る位置に温度計を設置し、実施例5で、ポットミキサーで180分混合して調製した起泡性洗浄剤組成物20gを投入し、投入してからの経過時間が1分後、2分後、5分後、10分後、20分後、30分後の泡の温度を測定した結果は、表9に示した通りであった。なお、ここでの泡の温度とは、発泡している状態の水と起泡性洗浄剤組成物の混合物の温度を意味する。また、起泡性洗浄剤組成物を投入してからの経過時間が1分後、2分後、5分後、10分後、20分後、30分後の泡量(ml)は表10の通りであった。なお、実験時の室温は24℃であった。いずれの水温の試験でも起泡性洗浄剤組成物を投入してから1分後に温度上昇が観察された。更に、いずれの水温の試験でも泡量に大きな差がなく、いずれの水温でも起泡性洗浄剤組成物投入後1分後の泡量が1000mlを越えており、水温に依存することなく泡量を維持した。
比較として、比較例11及び比較例12の起泡性洗浄剤組成物を実施例1と同様の方法で調製した。比較例11及び比較例12の配合組成比率(配合割合)(重量%)は、表8に示したとおりである。比較例11及び比較例12で調製した起泡性洗浄剤組成物も同様に、温度変化による泡温度及び泡量の測定試験を行った。結果は表9及び表10に記載した通りであった。比較例11を用いた試験では、水温が0℃、5℃の場合に殆ど泡温度の上昇が認められず、15℃の場合は温度変化が無く、25℃、40℃の場合は、起泡性洗浄剤組成物投入後1分後から泡温度が低下した。また、泡量については、水温が0℃、5℃の場合は起泡量が100ml又は200ml程度であり、殆ど起泡が認められず、一方40℃では起泡量が900mlを越えているものの30分後には泡量が0mlとなっており、水温に依存して泡量が大きく変動した。一方、比較例12を用いた試験では、水温が0℃及び25℃の場合のみ試験を実施した。いずれの水温の場合でも、比較例11の場合と比べると僅かに泡温度の上昇が認められるものの、泡量は400ml〜700mlの範囲であり、実施例1〜10と比べると泡量が明らかに少ない結果となった。これは、例えば実施例5の起泡性洗浄剤組成物のX+Yが81.0であるのに対し、比較例10の起泡性洗浄剤組成物のX+Yが37.0であり、X+Y>50を満たしていないためと考えられた。
Figure 2019119879
Figure 2019119879
Figure 2019119879
[漂白試験]
実施例5、実施例6、実施例10で調製した起泡性洗浄剤組成物(ポットミキサーで180分混合撹拌したもの)及び比較例8で調製した起泡製洗浄剤組成物(ポットミキサーで180分混合撹拌したもの)を用いて、前記の[泡量の測定試験]において30分経過後の起泡性洗浄剤組成物の水溶液をそれぞれ200ml容量のガラスビーカーに50mlを入れ、5cm×5cmの紅茶で染色した綿布(STC EMPA 167 日本資材(株)製)を全体が浸かるように浸漬し、室温で5分間静置した。コントロール試験として起泡性洗浄剤組成物を含まない水道水50mlを用いて同様の試験を実施した。静置後に綿布を水道水ですすいだ後、50℃のオーブン内で1時間乾燥させた。
[漂白試験の判定基準]
コントロール試験の紅茶で汚染した綿布と、起泡性洗浄剤組成物の水溶液に浸漬した紅茶で汚染した綿布を目視により比較し、コントロール試験の場合よりも明らかに漂白されていると判断される場合を合格と判定し、色調に変化が無く漂白効果が認められない場合を不合格と判定したところ、結果は表11の通りであった。実施例5、実施例6、実施例10で調製した起泡性洗浄剤組成物の水溶液は高い漂白効果を有していた。一方、比較例8で調製した起泡性洗浄剤組成物の水溶液は、漂白効果が認められなかった。これは、実施例5の起泡性洗浄剤組成物のX−Y×Mが12.0であり、0より大きい値であるのに対し、比較例8の起泡性洗浄剤組成物が0以下の値であることによると考えられた。
Figure 2019119879
本発明によって、固形塩素剤と過酸化水素付加物を配合する起泡性洗浄剤をミキサーで混合撹拌した後においても、水に投入した際の初期起泡力が低下することを防ぎ、起泡性洗浄剤組成物を工業的に大量生産する場合に必要なミキサーでの混合撹拌が可能になる。また、このような起泡性洗浄剤を温度の低い水に投入した場合には、固形塩素剤と過酸化水素付加物が速やかに反応し起泡することに伴い、起泡時の水温が上昇し、低温の水に投入した際にも起泡力が低下しないという顕著な効果を有する。更に、このような起泡性洗浄剤の水溶液は高い漂白効果を有するために、台所、浴室、洗面所の排水口、トイレ等の喫水面、洗濯槽及び台所ストレーナー等の硬質表面の汚れを洗浄除去するために好適に使用できる。
本発明によれば、起泡性洗浄剤組成物をミキサーで撹拌混合しても、起泡性洗浄剤組成物を水に投入した際の初期の起泡量が低下せず、温度が低い水に起泡性洗浄剤組成物を投入しても高い起泡性を維持し、漂白力に優れた起泡性洗浄剤組成物を提供することができる。このような起泡性洗浄剤組成物は、台所のシンクやストレーナー、風呂の排水口や浴槽、トイレや洗濯機の貯水部分、その他の水まわりの器材等の洗浄に用いる事ができ、産業上の利用可能性は多大である。

Claims (3)

  1. ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム及び過炭酸ナトリウムを含有する起泡性洗浄剤組成物であって、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムは目開き355μmの篩を通過しない粒子が50〜80重量%かつ355μmの篩を通過し150μmの篩を通過しない粒子が20〜50重量%の範囲であり、過炭酸ナトリウムは目開き355μmの篩を通過しない粒子が3〜85重量%かつ355μmの篩を通過し150μmの篩を通過しない粒子が15〜97重量%の範囲であり、起泡性洗浄剤組成物におけるジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの配合割合X重量%と過炭酸ナトリウムの配合割合Y重量%が、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと過炭酸ナトリウムのモル当量係数をMとした場合に、X−Y×M>0かつX+Y>50であることを特徴とする起泡性洗浄剤組成物。
  2. 更に、0.5≦X/Y≦2.0であることを特徴とする請求項1記載の起泡性洗浄剤組成物。
  3. 固形の陰イオン界面活性剤を更に含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の起泡性洗浄剤組成物。
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