JP2012224784A - 粉末漂白剤および漂白処理方法 - Google Patents

粉末漂白剤および漂白処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】浸け置き洗浄だけでも、高い洗浄性能が得られる粉末漂白剤を提供する。
【解決手段】(A)過炭酸ナトリウム30質量%以上、(B)漂白活性化剤2.0質量%以上、(C)プロテアーゼおよび/またはリパーゼ、(D)配位座が5以下のキレート剤1〜5質量%、(E)カルボキシメチルセルロースまたはその塩0.1〜3.0質量%、および(F)界面活性剤0.01〜3.0質量%を含有し、(C)/(D)の質量比が0.1〜2であり、(E)/(F)の質量比が1〜10である粉末漂白剤。
【選択図】なし

Description

本発明は粉末漂白剤、および該粉末漂白剤を用いて繊維製品を漂白処理する方法に関する。
衣類等の繊維製品の洗濯において、例えば黄ばみ汚れやエリソデ汚れといった、界面活性剤による洗濯では落ち難い汚れは、漂白処理を行って洗浄することが有効である。
界面活性剤による洗濯は、界面活性剤の作用により汚れ成分を繊維から引き離しやすくするとともに、機械力を加えることよって汚れを除去する物理的除去であるのに対して、漂白処理は、汚れ成分を化学反応により分解する化学的除去である。したがって、漂白処理にあっては、漂白成分を含有する液に繊維製品を比較的長時間浸漬させる浸け置き洗浄を行うことが好ましい。
漂白成分としては、一般的に、過酸化水素、水に溶解して過酸化水素を発生する過酸化物などの過酸化水素系化合物が用いられる。
また界面活性剤および漂白成分を含有する洗剤組成物も知られている。
例えば特許文献1には、食品および化粧品しみに対して優れたクリーニング効果および白さ性能効果を発揮させることを目的として、過酸化水素源、疎水性ブリーチアクチベーター、マンナナーゼ酵素、および界面活性剤を含有させた洗剤組成物が提案されている。
また特許文献2には、水に溶解して過酸化水素を発生する過酸化物(A)と、配位座が5以下のキレート剤(B)と、銅化合物(C)と、プロテアーゼ(D)と、アニオン界面活性剤(F)を含有する粉末漂白性組成物が提案されている。
特表2001−515131号公報 特開2009−149739号公報
特許文献1に記載の組成物は、漂白成分である過酸化水素源の含有量が少なく(例えば実施例では18.5%)、界面活性剤を比較的多く含むため、漂白効果が充分でない。また本発明者等の知見によれば、浸け置き洗浄で使用した場合、界面活性剤を多く含んでいると、ブリーチアクチベーターがミセルに取り込まれてしまい、漂白効果を充分に発揮できない。
特許文献2には、カレー染みの漂白試験において、粉末漂白性組成物の水溶液に試験布を1時間浸け置きした後、衣料用洗剤を使用して機械的外力を加える方法で洗濯を行うことが記載されている。特許文献2に記載の粉末漂白性組成物は、カルボキシメチルセルロースを含んでおらず、本発明者等の知見によれば、浸け置き洗浄だけでは洗浄性能が不十分となることがある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、浸け置き洗浄だけでも、高い洗浄性能が得られる粉末漂白剤、および該粉末漂白剤を用いた漂白処理方法を提供する。
本発明者等は、鋭意研究を行った結果、比較的多量の過炭酸ナトリウムのほかに、漂白活性化剤、酵素、カルボキシメチルセルロース、キレート剤および少量の界面活性剤を、特定の比率で含有させることにより、機械力がかからない浸け置き洗浄だけでも、黄ばみ汚れやエリソデ汚れといった、通常の洗濯では落ち難い汚れに対して、高い洗浄性能が発揮されることを見出して本発明に至った。
本発明の粉末漂白剤は、(A)過炭酸ナトリウム30質量%以上、(B)漂白活性化剤2.0質量%以上、(C)プロテアーゼおよび/またはリパーゼ、(D)配位座が5以下のキレート剤1〜5質量%、(E)カルボキシメチルセルロースまたはその塩0.1〜3.0質量%、および(F)界面活性剤0.01〜3.0質量%を含有し、(C)/(D)の質量比が0.1〜2であり、(E)/(F)の質量比が1〜10である。
本発明の漂白処理方法は、(A)過炭酸ナトリウム30質量%以上、(B)漂白活性化剤2.0質量%以上、(C)プロテアーゼおよび/またはリパーゼ、(D)配位座が5以下のキレート剤1〜5質量%、(E)カルボキシメチルセルロースまたはその塩0.1〜3.0質量%、および(F)界面活性剤0.01〜3.0質量%を含有し、(C)/(D)の質量比が0.1〜2であり、(E)/(F)の質量比が1〜10である粉末漂白剤を、2500質量ppm以上の濃度となるように、水に溶解した処理液に、繊維製品を2〜24時間浸け置きする工程を有する。
本発明の粉末漂白剤によれば、浸け置き洗浄だけでも高い洗浄性能が得られる。
本発明の漂白処理方法によれば、浸け置き洗浄だけでも高い洗浄性能が得られる。
<(A)過炭酸ナトリウム>
過炭酸ナトリウム(以下、(A)成分ということもある。)は、漂白性能に寄与する。すなわち、(A)成分から発生する過酸化水素によって汚れ成分が酸化され、分解される。過炭酸ナトリウムは、貯蔵時の安定性を向上するために、粒子状の被覆過炭酸ナトリウムとすることがより好ましい。なかでも、ケイ酸および/又はケイ酸塩と、ホウ酸および/又はホウ酸塩とにより被覆したもの;直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)などの界面活性剤と無機化合物とを組み合わせて被覆したものが特に好ましい。
具体的には、ケイ酸および/又はケイ酸アルカリ金属塩の水溶液と、ホウ酸および/又はホウ酸アルカリ金属塩の水溶液等を噴霧して被覆したもの(特許第2918991号公報等参照);特許第2871298号公報などに記載の芳香族炭化水素スルホン酸および/又は平均粒子径が10〜500μmである珪酸アルカリ塩、炭酸塩、重炭酸塩および硫酸塩により被覆したもの;パラフィンやワックス等の水不溶性有機化合物により被覆したもの等が好ましい。また、炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウム等種々の無機化合物等と粉体ブレンドして用いると、取り扱い易さの点で好ましい。
粒子状の被覆過炭酸ナトリウムを製造する方法は公知の方法を用いることができる。例えば特開昭59−196399号公報、USP4526698号公報(いずれも過炭酸ナトリウムをホウ酸塩で被覆する方法)の他に、特開平4−31498号公報、特開平6−40709号公報、特開平7−118003号公報、特許第2871298号公報に記載されている方法も挙げることができる。
(A)成分として粒子状の被覆過炭酸ナトリウムを用いる場合、その平均粒子径は200〜1000μmが好ましく、500〜1000μmがより好ましい。溶解性および安定性の両方を良好に満たすことから、粒子径125μm未満の粒子および粒子径1400μmを超える粒子が(A)成分中に10質量%以下であることが好ましい。
(A)成分において、過酸化物の安定性を考慮すると、(A)成分中の水分の割合は2質量%以下であることが好ましい。
ここで、本明細書における平均粒子径は、以下に示すように、篩いを用いて粒度分布を求め、その粒度分布から算出する方法によって得られる値である。
[平均粒子径の測定方法]
まず、測定対象物(サンプル)について、目開き1680μm、1410μm、1190μm、1000μm、710μm、500μm、350μm、250μm、149μmの9段の篩と受け皿を用いて分級操作を行う。分級操作は、まず受け皿の上方に該9段の篩を、上に向かって目開きが次第に大きくなるように積み重ね、最上部の目開き1680μmの篩の上から100g/回のサンプルを入れる。次いで、蓋をしてロータップ型ふるい振盪機(飯田製作所社製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させた後、それぞれの篩および受け皿上に残留したサンプルを篩目ごとに回収して、サンプルの質量を測定する。
受け皿と各篩との質量頻度を積算していくと、積算の質量頻度が、50%以上となる最初の篩の目開きをaμmとし、aμmよりも一段大きい篩の目開きをbμmとし、受け皿からaμmの篩までの質量頻度の積算をc%、またaμmの篩上の質量頻度をd%として、下記数式(1)より平均粒子径(質量50%)を求める。
Figure 2012224784
(A)成分は1種単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
粉末漂白剤における(A)成分の含有量は30質量%以上であり、50質量%以上が好ましい。30質量%以上であると、浸け置き洗浄において、酸化力を長時間持続して働かせることができ、黄ばみ汚れ等に対して高い漂白性能を発揮して、良好な洗浄効果を得ることができる。該(A)成分の含有量の上限は、他の成分とのバランスの点で70質量%以下が好ましい。
<(B)漂白活性化剤>
漂白活性化剤(以下、(B)成分ということもある。)は、漂白性能の向上に寄与する。漂白活性化剤としては、オクタノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、デカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ウンデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタノイルオキシ安息香酸、ノナノイルオキシ安息香酸、デカノイルオキシ安息香酸、ウンデカノイルオキシ安息香酸、ドデカノイルオキシ安息香酸等の有機過酸前駆体等が挙げられる。
これらのうちで、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、デカノイルオキシ安息香酸が好ましい。
(B)成分は1種単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
(B)成分は、漂白活性化剤を含む粒子状で用いられる。その平均粒子径は400〜1400μmが好ましく、500〜1000μmがより好ましい。漂白活性化剤を含む粒子の製造方法は公知の方法を用いることができる。
粉末漂白剤における(B)成分の含有量は2.0質量%以上であり、3.0質量%以上が好ましい。2.0質量%以上であると、浸け置き洗浄において、高い漂白性能を発揮して、良好な洗浄効果を得ることができる。
該(B)成分の含有量の上限は、洗浄による繊維製品のダメージ(劣化)が充分に抑えられやすい点で、6.0質量%以下が好ましい。
<(C)プロテアーゼおよび/またはリパーゼ>
プロテアーゼおよび/またはリパーゼ(以下、(C)成分ということもある。)は、酵素である。(C)成分は黄ばみ汚れ等の汚れ成分を分解して、漂白性能の向上に寄与する。
プロテアーゼとしては、例えば、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、コラーゲナーゼ、ケラチナーゼ、エラスターゼ、スプチリシン、パパイン、プロメリン、カルボキシペプチターゼA又はB、アミノペプチターゼ、アスパーギロペプチターゼA又はB等が挙げられる。
酵素は、一般に、酵素を製剤化した粒子の形態で用いられる。かかる製剤化された酵素粒子は市販品から入手できる。製剤化された酵素粒子には、通常、塩化カルシウムなどの金属含有化合物が酵素安定剤として含まれている。
本発明において、(C)成分は、実質的に、プロテアーゼを製剤化した粒子および/またはリパーゼを製剤化した粒子である。
プロテアーゼを製剤化した粒子の市販品としては、サビナーゼ、アルカラーゼ、ポーラザイム、カンナーゼ、エバラーゼ、デオザイム(以上、商品名、ノボザイムズ社製);API21(商品名、昭和電工株式会社製);マクサカル、マクサペム(以上、商品名、ジェネンコア社製);プロテアーゼK−14又はK−16(特開平5−25492号公報に記載のプロテアーゼ)等を挙げられる。
リパーゼを製剤化した粒子としては、例えば、リポラーゼ、ライペックス(以上、商品名、ノボザイムズ社製)、リポサム(商品名、昭和電工株式会社製)等の市販のリパーゼ等を挙げられる。
(C)成分は1種単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。本発明では、プロテアーゼとリパーゼを併用して用いることがより好ましい。
粉末漂白剤における(C)成分の含有量は、製剤化した粒子の質量で、0.1〜5.0質量%が好ましく、0.5〜5.0質量%がより好ましく、0.8〜5.0質量%がさらに好ましく、1.0〜5.0質量%が特に好ましく、2.0〜5.0質量%が最も好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、浸け置き洗浄において、良好な洗浄効果が得られやすい。上限値を超えて多く配合しても漂白効果の向上は期待できず、コスト面で好ましくない。
<(D)キレート剤>
本発明において、配位座が5以下のキレート剤(以下、(D)成分ということもある。)とは、金属イオンに配位してキレート化合物(金属錯体)をつくる、配位座5以下の配位子をいう。「配位子」とは、錯体において、中心原子に配位結合している原子あるいは原子団をいう。(D)成分は、当該配位子がもつ、配位し得る配位原子(錯体の中心原子に直接結合している原子)の数が5以下の配位子である。
(D)成分は漂白性能の向上に寄与する。(D)成分は、黄ばみ汚れの表面に付着している金属石けん等の無機成分を除去して、(C)成分による黄ばみ汚れ成分の分解を促進すると考えられる。
(D)成分としては、配位座5以下の配位子であればよく、トリポリリン酸塩等の無機ポリリン酸塩化合物;1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1−ジホスホン酸又はそれらの塩等のホスホン酸類;シュウ酸、コハク酸又はそれらの塩等のポリカルボン酸類;クエン酸、リンゴ酸又はそれらの塩等のヒドロキシカルボン酸類;イソセリンジ酢酸又はその塩等のアミノポリカルボン酸類;下記一般式(I)〜(III)で表される化合物などが挙げられる。
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等が挙げられ、ナトリウム塩、カリウム塩が特に好ましい。
Figure 2012224784
前記一般式(I)中、Xは、水素原子、アルカリ金属原子又はアルカリ土類金属原子を表す。
アルカリ金属原子としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。たとえばカルシウム(Ca)の場合、式(I)中の「−(COOX)」は「−(COOCa1/2」と表される。
なかでも、Xは、水素原子であることが好ましい。
pは、1又は2の整数を表し、1であることが好ましい。
pが2の場合、複数のXは、互いに、同一のものであっても、異なっていてもよい。
pが1のとき、「−COOX」基のピリジン環への結合位置は、窒素原子に対してα位であることが好ましい。pが2のときも、少なくとも1つの「−COOX」基はα位に結合していることが好ましい。残りの「−COOX」基は、β位又はγ位のいずれに結合していてもよい。
前記一般式(I)で表される化合物を、水等の溶媒中に投入すると、当該化合物の一部又は全部が「−COO」となり、金属イオンとの錯体の形成が可能となる。
前記一般式(I)で表される化合物の具体例としては、下記化学式(1)もしくは(2)で表される化合物、又はそれらの塩が挙げられる。
Figure 2012224784
前記一般式(II)中、X〜Xは、それぞれ独立して水素原子、アルカリ金属原子、又はアルカリ土類金属原子を表す。
〜Xにおいて、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子としては、前記式(I)中のXにおけるアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子と同じものが挙げられる。
なお、X〜Xのいずれかがアルカリ土類金属原子である場合、たとえばXがカルシウム(Ca)の場合、式(II)中の「−COOX」は「−COOCa1/2」となる。
上記のなかでも、X〜Xは、いずれもナトリウム又はカリウムであることが好ましい。
〜Xは、互いに、同一のものであっても、異なっていてもよい。
Rは、水素原子又は水酸基を表し、水酸基であることが好ましい。
Qは、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、水素原子が好ましい。
は、0又は1の整数を表し、1であることが好ましい。
前記一般式(II)で表される化合物を、水等の溶媒中に投入すると、−COOX、−COOX、−COOXおよび−COOXの一部又は全部が「−COO」となり、金属イオンとの錯体の形成が可能となる。
前記一般式(II)で表される化合物の具体例としては、下記化学式(18)で表される化合物(2,2’−イミノジコハク酸)、下記化学式(19)で表される化合物(3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸)、又はそれらの塩が挙げられる。
Figure 2012224784
前記一般式(III)中、Aは、アルキル基、カルボキシ基、スルホン酸基(−SOH)、アミノ基(−NH)、水酸基又は水素原子を表す。
において、アルキル基としては、炭素数1〜3であることが好ましく、炭素数1であることがより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
〜Xは、それぞれ独立して水素原子、アルカリ金属原子、又はアルカリ土類金属原子を表す。
〜Xにおいて、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子としては、前記式(II)中のX〜Xにおけるアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子とそれぞれ同じものが挙げられる。
なお、X〜Xのいずれかがアルカリ土類金属原子である場合、たとえばX5がカルシウム(Ca)の場合、式(III)中の「−COOX」は「−COOCa1/2」となる。
上記のなかでも、X〜Xは、いずれもナトリウム又はカリウムであることが好ましい。
〜Xは、互いに、同一のものであっても、異なっていてもよい。
は、0〜5の整数を表し、1であることが好ましい。
前記一般式(III)で表される化合物を、水等の溶媒中に投入すると、−COOX、−COOX、−COOXの一部又は全部が「−COO」となり、金属イオンとの錯体の形成が可能となる。
前記一般式(III)で表される化合物の具体例としては、ニトリロトリ酢酸、メチルグリシンジ酢酸、セリン二酢酸、下記化学式(22)〜(24)で表される化合物、又はそれらの塩が挙げられる。
Figure 2012224784
また、(D)成分としては、以下に示す化合物なども用いることができる。
前記一般式(I)において、「−COOX」基が、スルホン酸基(−SOH)、アミノ基(−NH)、水酸基(−OH)、ニトロ基(−NO)もしくは置換基を有していてもよいアルキル基、又はその塩型である化合物(I’)であってもよい。
当該アルキル基としては、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。アルキル基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜18がより好ましい。アルキル基は、その水素原子の一部が置換基により置換されていてもよい。この置換基としては、スルホン酸基、アミノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシ基等が挙げられる。
前記一般式(I)における「−COOX」基が置換された化合物(I’)の具体例としては、下記化学式(5)〜(16)で表されるものが挙げられる。なお、代表的な例としてXが水素原子であるものを例示した。
Figure 2012224784
(D)成分としては、前記一般式(II)において、「イミノ基(−NH−)」が、酸素原子(O)などに置換された構造を有する化合物(II’)であってもよい。
なお、より高い洗浄性能が得られやすい点では、イミノ基であることが好ましい。
前記一般式(II)におけるイミノ基が置換された化合物(II’)の具体例としては、下記化学式(20)、(21)で表されるものが挙げられる。なお、代表的な例としてX〜Xがナトリウムであるものを例示した。
Figure 2012224784
また、前記一般式(II)において、−COOX、−COOX、−COOX、−COOXが、アルキル基、スルホン酸基又はアミノ基などに置換された構造を有する化合物であってもよい。
当該アルキル基は、直鎖状もしくは分岐鎖状のいずれであってもよく、置換基を有するアルキル基であってもよい。アルキル基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜18がより好ましい。アルキル基は、その水素原子の一部が置換基により置換されていてもよい。この置換基としては、スルホン酸基、アミノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシ基等が挙げられ、金属原子への配位が安定して漂白力が向上する点から、カルボキシ基であることが特に好ましい。
前記一般式(III)において、「窒素原子(N)」が、酸素原子(O)に置換された構造を有する化合物(III’)であってもよい。
なお、より高い洗浄力(酸化促進効果)が得られる点では、窒素原子であることが好ましい。
また、前記一般式(III)において、−COOX、−COOX、−COOXが、アルキル基、スルホン酸基又はアミノ基などに置換された構造を有する化合物であってもよい。
当該アルキル基は、直鎖状もしくは分岐鎖状のいずれであってもよく、置換基を有するアルキル基であってもよい。アルキル基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜18がより好ましい。アルキル基は、その水素原子の一部が置換基により置換されていてもよい。この置換基としては、スルホン酸基、アミノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシ基等が挙げられ、金属原子への配位が安定して漂白力が向上する点から、カルボキシ基であることが特に好ましい。
上記の中でも、(D)成分としては、前記一般式(I)で表される化合物、前記一般式(II)で表される化合物、前記一般式(III)で表される化合物がより好ましく、ジピコリン酸又はその塩、イミノジコハク酸又はその塩、3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸又はその塩、メチルグリシンジ酢酸又はその塩が特に好ましい。
本発明の粉末漂白剤において、(D)成分は、1種単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
粉末漂白剤における(D)成分の含有量は1〜5質量%であり、2〜4質量%が好ましい。上記範囲の下限値以上であると、黄ばみ汚れ表面の無機成分の金属が(D)成分によって補足されることによる、洗浄性能の向上効果が充分に得られやすい。上限値以下であると、酵素を安定化している成分のカルシウムイオンが(D)成分に捕捉されて減少するのが抑えられる。これにより浸け置き洗浄中において、(C)成分の酵素活性が維持されやすい。
<(E)カルボキシメチルセルロースまたはその塩>
カルボキシメチルセルロースまたはその塩(以下、(E)成分ということもある。)は、漂白性能の向上に寄与する。(E)成分は、水道水に由来するカルシウムイオンなど、処理液中のカルシウムイオンと結合して、酸化力低下の原因となる遊離のカルシウムイオンを低減すると考えられる。(E)成分は粒子状で用いられる。
カルボキシメチルセルロースとしては、たとえば、セルロースの原料としてパルプを用い、これを苛性ソーダで処理した後、モノクロール酢酸を反応させて得られるアニオン性の水溶性・水不溶性セルロースエーテルが好適に挙げられる。
粒子状のカルボキシメチルセルロースまたはその塩として、具体的には、ダイセル化学工業(株)から商品名「CMCダイセル」で販売されている、1110、1120、1130、1140、1160、1170、1180、1190、1220、1240、1260、1280、1290、1380、2200、2260、2280、2450、2340等が挙げられ、日本製紙ケミカル(株)から商品名「サンローズ」で販売されているF10LC、F600LC、F1400LC、F10MC、F150MC、F350HC、F1400MC、F1400MGなどのサンローズFシリーズ、SLD−F1(以上商品名)が挙げられ、第一工業製薬(株)から商品名「セロゲン」で販売されているF−BSH−6、F−6HS9などが挙げられる。上記の中でも、CMCダイセル1130、1140、1180、1190、1280、サンローズF1400LC、F1400MC、サンローズSLD−F1、セロゲンF−6HS9が特に好ましい。
(E)成分は1種単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
粉末漂白剤における(E)成分の含有量は0.1〜3.0質量%であり、1.0〜2.0質量%が好ましい。上記範囲の下限値以上であると、漂白性能向上効果が充分に得られるとともに、洗浄による繊維製品のダメージ(劣化)が充分に抑えられやすい。上記範囲の上限値以下であると、粉末漂白剤を高濃度で使用した場合でも、凝集が生じ難い。
<(F)界面活性剤>
粉末漂白剤に界面活性剤(以下、(F)成分ということもある。)を含有させることにより、漂白性能が向上する。(F)成分を含有させると、液中のカルシウムイオンと結合した(E)成分が洗浄液中に分散されやすくなり、また(C)成分によって分解された黄ばみ汚れ成分が洗浄液中に分散されやすくなると考えられる。
(F)成分は、界面活性剤を含む粒子状で用いられる。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤を適宜組み合わせて使用できる。
特に、黄ばみ汚れに対する漂白性能向上という点からは、アニオン界面活性、またはノニオン界面活性剤が好ましく、ノニオン界面活性剤がより好ましい。
界面活性剤は1種単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
アニオン性界面活性剤としては例えば直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、アルキル硫酸塩(AS)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(AES)、α−オレフィンスルホン酸塩(AOS)、アルカンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩(α−SF)、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩等が挙げられる。
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩などが挙げられる。なかでも、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキル(ポリ)グリコシド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルオキシエチレンプロピレンブロック重合体、脂肪酸モノグリセライド等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型又はリン酸型の両性界面活性剤等が挙げられる。
アミドアミン塩型界面活性剤としては、カプリル酸ジメチルアミノプロピルアミド、カプリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、オレイン酸ジメチルアミノプロピルアミド等の長鎖脂肪族アミドアルキル3級アミンの塩;パルミチン酸ジエタノールアミノプロピルアミド塩、ステアリン酸ジエタノールアミノプロピルアミド塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、従来、洗剤等に使用されているものであれば、特に制限されることなく、各種のカチオン界面活性剤を使用することができる。カチオン界面活性剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。
1)ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
2)モノ長鎖アルキルトリ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
3)トリ長鎖アルキルモノ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
粉末漂白剤における(F)成分の含有量は0.01〜3.0質量%であり、0.1〜2.5質量%が好ましく、0.5〜1.5質量%がより好ましい。上記範囲の下限値以上であると、カルシウムイオンと結合した(E)成分や、分解された黄ばみ汚れ成分を洗浄液中に分散させる効果が充分に得られやすい。上限値以下であると、(B)漂白活性化剤の性能が界面活性剤によって損なわれ難く、良好な漂白効果が効率良く得られやすい。
<(C)成分と(D)成分の配合比率>
本発明において(C)成分と(D)成分の配合比率は、(C)/(D)の質量比が0.1〜2であり、0.5〜1.0が好ましい。
上記範囲内であると、良好な漂白効果が得られやすい。本発明において、(D)成分が黄ばみ汚れの表面に付着している金属石けん等の無機汚れを除去し、その奥に存在しているタンパク、脂質を(C)成分が分解すると考えられる。一方で、(D)成分は、(C)成分の酵素の高次構造を維持している酵素安定剤中の金属イオン(カルシウムイオン等)も捕捉する。かかる金属イオンが少なすぎると、酵素活性の低下が生じやすい。
(C)/(D)の質量比が上記範囲の下限値以上であると、酵素を安定化している金属イオンの減少が抑えられ、浸け置き洗浄においても(C)成分の高次構造が長時間維持されやすい。
(C)/(D)の質量比が上記範囲を超えると、すなわち(C)成分が上記範囲を超えて多すぎると、酵素安定剤由来の金属イオンが過剰となるため、該金属イオンと(D)成分との反応が進んで(D)成分が消費されやすくなり、その結果、(D)成分の黄ばみ汚れに対する作用が不充分になりやすい。
<(E)成分と(F)成分の配合比率>
本発明において、(E)/(F)の質量比は1〜10であり、1〜6が好ましい。
上記範囲内であると、良好な漂白効果が得られやすい。本発明において、(E)成分が存在しない状況では、処理液中のカルシウムイオンは酸化力低下を招きやすい。(E)成分は液中のカルシウムイオンと結合し、さらに、そこに(F)成分が存在することで、カルシウムイオンと結合した(E)成分を洗浄液中に分散させ、結合を離れにくくする。
(E)/(F)の質量比が上記範囲の上限値以下であると、(F)成分の添加効果が充分に得られやすい。下限値以上であると、(F)成分が多すぎることによる(B)成分の酸化力低下が生じにくい。
<その他の成分>
粉末漂白剤には、上記の成分以外に、粉末漂白剤において公知の成分を適宜含有させることができる。例えば、香料、無機塩類等を配合することが好ましい。
(香料)
香料としては、特開2003−268398号公報、特開2002−146399号公報、特開2003−89800号公報等に記載の香料成分が挙げられる。香料の含有量は、粉末漂白剤100質量%中、0.01〜5質量%であることが好ましい。
(無機塩類)
無機塩類としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、塩化マグネシウムなどが使用できる。
<粉末漂白剤の製造方法>
粉末漂白剤を製造する方法は特に限定されない。公知の方法で、粒子状の各成分を調製し、これらを混合することによって製造できる。
<漂白処理方法>
本発明の粉末漂白剤は、浸け置き洗浄に好適である。本発明の漂白処理方法は、本発明の粉末漂白剤を、2500質量ppm以上の濃度となるように、水に溶解した処理液に、繊維製品を2〜24時間浸け置きする工程を有する。
処理液の濃度が2500質量ppm以上であると、高い漂白性能が発揮されやすい。該濃度の上限は、粉末漂白剤の溶解のしやすさの点からは10000ppm以下が好ましい。
処理液の温度は、5〜50℃が好ましく、より好ましくは15〜30℃である。この温度範囲であると、高い漂白性能が発揮されやすい。
浸け置きは、任意の容器(例えば、洗面器や衣類用洗濯機(乾燥機付きを含む)の洗濯槽、浴槽等)内で行うことができる。浸け置きする処理液と繊維製品との質量比(処理液の質量/繊維製品の質量)は、5〜100が好ましく、10〜80がより好ましい。
浸け置き時間は、2時間以上24時間以内であり、好ましくは8時間以上24時間以内である。2時間以上であると良好な漂白効果が得られやすい。特に8時間以上浸け置きすると、主に漂白効果を担う(A)成分及び(B)成分の配合量を少なくしても高い漂白効果が得られやすくなる。
処理液に繊維製品を浸漬した後は、撹拌力などの機械的外力を加えなくてよい。任意に撹拌等を行ってもよいが、本発明の粉末漂白剤は、浸け置き洗浄だけでも、黄ばみ汚れやエリソデ汚れの充分な洗浄性能を得ることができる。
浸け置き洗浄を行なった後の繊維製品は、水道水ですすぎ洗いをすることが好ましい。すすぎ洗い後は脱水し、自然乾燥あるいは乾燥機を使用して乾燥する。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
表1〜3に示す各成分の原料は以下のものを用いた。
<(A)成分>
・PC:過炭酸ナトリウム(日本パーオキサイド株式会社製、商品名「PC−A」、平均粒子径350μmの被覆過炭酸ナトリウム粒子)。
<(B)成分>
・OBS:製造例1の方法で製造した、4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム含有粒子(表に示す配合量は、純分の量である)。
・OBC:製造例2の方法で製造した、デカノイルオキシ安息香酸含有粒子(表に示す配合量は、純分の量である)。
<(C)成分>
・プロテアーゼ:ノボザイムス社製、商品名「エバラーゼ6.0T」、製剤化された酵素粒子。
・リパーゼ:ノボザイムス社製、商品名「ライペックス100T」、製剤化された酵素粒子。
<(D)成分>
・MGDA:メチルグリシンジ酢酸3ナトリウム(BASFジャパン社製、商品名「トリロン M」、配位座4)。
・IDS:2,2’−イミノジコハク酸4ナトリウム(ランクセス社製、商品名「IDS」、配位座5)。
<(E)成分>
・CMC1:カルボキシメチルセルロース(ダイセル化学工業製、商品名「CMCダイセル1170」)。
・CMC2:カルボキシメチルセルロース(第一工業製薬製、商品名「セロゲンF−6HS9」)。
<(F)成分>
・界面活性剤1:製造例11の方法で製造した、ポリオキシエチレン(EO8)アルキル(C12/14=75/25)エーテル粒子(表に示す配合量は、純分の含有量である)。
*「EO8」はエチレンオキシドの平均付加モル数が8であることを示し、*(C12/14=75/25)は、アルキル基の炭素数が12であるもの:炭素数が14であるものとの質量比が75:25であることを示す。(以下、同様。)
・界面活性剤2:製造例12の方法で製造した、ポリオキシエチレン(EO15*)アルキル(C12/14=75/25)エーテル粒子(表に示す配合量は、純分の含有量である)。
・界面活性剤3:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ライオン株式会社製、商品名「ライポンPS−860」)。
<任意成分>
・香料A:特開2003−268398号公報の表7〜14に記載の香料組成物A。
・香料B:特開2003−268398号公報の表7〜14に記載の香料組成物B。
・香料C:特開2003−268398号公報の表7〜14に記載の香料組成物C。
・炭酸ナトリウム:トクヤマ製、商品名「ソーダ灰デンス」。
[製造例1:OBSの製造]
まず、漂白活性化剤として4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムを合成した。
原料としてp−フェノールスルホン酸ナトリウム(関東化学(株)製、試薬)と、N,N−ジメチルホルムアミド(関東化学(株)製、試薬)と、ラウリン酸クロライド(東京化成工業(株)製、試薬)と、アセトン(関東化学(株)製、試薬)とを用い、以下の方法により合成を行った。
予め脱水処理したp−フェノールスルホン酸ナトリウム100g(0.51mol)をN,N−ジメチルホルムアミド300g中に分散させ、マグネチックスターラーで撹拌しながら、ラウリン酸クロライド111g(0.51mol)を50℃で30分かけて滴下した。滴下終了後、3時間反応を行い、N,N−ジメチルホルムアミドを減圧下(0.5〜1mmHg)、100℃で留去し、アセトンにより洗浄後、水/アセトン(=1/1mol)溶媒中にて再結晶させて4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムを得た。収率は90%であった。
こうして得られた4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム70質量部と、PEG[商品名:ポリエチレングリコール♯6000M、ライオン(株)製]20質量部と、炭素数14〜18のアルキル硫酸ナトリウム[商品名:サンデットLNM、三洋化成工業(株)製]5質量部との割合になるように、連続式プロシェアミキサー(WA型、太平洋機工(株)製)により混合して混合粉体を得た。該混合粉体を連続ニーダー(KRS−S1型、(株)クリモト鉄工所製)に投入し、60℃で混練後、0.8mmの多孔性スクリーンを通して押し出し、ヌードル状の混合物を得た。得られた混合物に粉砕助剤としてA型ゼオライトを5質量部となるように混合しながら、粉砕機(NEW SPEED MILL、岡田精工(株)製)を用いて粉砕し、粉砕物を得た。該粉砕物を篩分けし、粒子径300〜700μmの造粒物(OBS12の純分70質量%)粒子を得た。
[製造例2:OBCの製造]
漂白活性化剤として4−デカノイルオキシ安息香酸(三井化学(株)製)70質量部と、PEG[商品名:ポリエチレングリコール♯6000M、ライオン(株)製]20質量部と、炭素数14のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム粉末品[商品名:リポランPJ−400、ライオン(株)製]5質量部との割合になるように、ホソカワミクロン社製のエクストルード・オーミックスEM−6型(製品名)に供給し、混練押し出し(混練温度60℃)することにより、径が0.8mmφのヌードル状の押し出し品を得た。
この押し出し品(冷風により20℃に冷却)を、ホソカワミクロン社製のフィッツミルDKA−3型(製品名)に導入し、また、助剤としてA型ゼオライト粉末5質量部を同様に供給し、粉砕して平均粒径が約700μmの漂白活性化剤(OBC純分70質量%)粒子を得た。
[製造例11:界面活性剤1の製造]
水平円筒型転動混合機(ドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)を用いて、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件下、炭酸ナトリウム(商品名:ソーダ灰ライト)87質量部に対して、60℃で保温したポリオキシエチレンアルキルエーテル(C12/14、8EO、ライオン株式会社製、商品名「レオックスCC−80H−90」)を13質量部になるように噴霧し、自然冷却を行い純分13質量%界面活性剤1粒子を作製した。
[製造例12:界面活性剤2の製造]
60℃で保温したポリオキシエチレンアルキルエーテル(C12/14、15EO、日本触媒株式会社製)を使用した以外は、製造例11と同じ製造方法で純分13%の界面活性剤2粒子を作製した。
<実施例1〜29、比較例1〜12:粉末漂白剤の製造>
表1〜3に示す配合組成に従って、各成分を混合することによって粉末漂白剤を製造した。表には(C)/(D)の質量比および(E)/(F)の質量比も示す。なお(B)成分の粒子中には、(F)成分に該当するアルキル硫酸ナトリウムまたはα−オレフィンスルホン酸ナトリウムが5質量%含まれるため、(E)/(F)の質量比は、これも(F)成分に含めて算出した。
具体的には、表に示す各成分の原料を、水平円筒型転動混合機(ドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)を用いて、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件下、1分間転動させて粉末漂白剤を得た。
<洗浄性能の評価方法>
[黄ばみ評価布の作成]
半年間着用と洗濯を繰り返した綿肌シャツ(B.V.D社製)を押入れケースに半年間保管し、黄ばみ汚れを作成した。この肌シャツを3cm×3cmに裁断し、測色色差計(日本電色社製、「SE2000」)を用いてb値を測定し、b値=8±0.5のものを黄ばみ評価布として用いた。
[評価方法]
表に示す組成の粉末漂白剤5gを、1Lの3°DH硬水中に投入し、撹拌(回転速度:5000ppm)して溶解させ、濃度5000質量ppmの処理液(漂白剤水溶液)を調製した。
200mLビーカーに、この処理液100mLと黄ばみ評価布3枚を浸漬させ、2時間または8時間浸け置きした。この後、2槽式洗濯機(製品名:CW−C30A1−H 三菱電機(株)製)で3分間流水すすぎを行い、1分間脱水した後、試験片をアイロンにて乾燥させ、測色差計を用いてb値を測定し、洗浄前のb値の差(△b値)を計算した。
結果を表に示す。3枚の評価布の平均△b値≧2のものは合格である。
Figure 2012224784
Figure 2012224784
Figure 2012224784
表1〜3の結果に示されるように、本発明にかかる実施例1〜29では、機械力がかからない浸け置き洗浄だけで、黄ばみ汚れに対して良好な洗浄性能が得られた。
これに対して、(A)成分の含有量が少ない比較例1、(B)成分の含有量が少ない比較例2、(C)成分を含まない比較例3、(D)成分の含有量が少ない比較例4は、洗浄性能が不十分であった。(D)成分が多すぎる比較例5も良好な洗浄性能が得られなかった。
(E)成分の含有量が少ない比較例6、(F)成分の含有量が少ない比較例7は、洗浄性能が不十分であった。(F)成分が多すぎる比較例8も良好な洗浄性能が得られなかった。
・比較例9は(C)/(D)の質量比が小さい例であり、洗浄性能が不十分であった。
・比較例10は(D)の含有量が少なく、(C)/(D)の質量比が大きい例であり、洗浄性能が不十分であった。
・比較例11は(E)/(F)の質量比が大きい例であり、洗浄性能が不十分であった。
・比較例12は(E)/(F)の質量比が小さい例であり、洗浄性能が不十分であった。
また、実施例9と実施例11とを比べると、(C)成分および(D)成分の含有量が多いと、浸け置き時間が短い場合でも高い洗浄性能が得られ、また浸漬時間を長くすることによる、洗浄性能の向上効果が大きいことがわかる。
実施例19と実施例22とを比べると、(E)成分および(F)成分の含有量を多くすると、浸け置き時間が短い場合でも高い洗浄性能が得られることがわかる。

Claims (2)

  1. (A)過炭酸ナトリウム30質量%以上、
    (B)漂白活性化剤2.0質量%以上、
    (C)プロテアーゼおよび/またはリパーゼ、
    (D)配位座が5以下のキレート剤1〜5質量%、
    (E)カルボキシメチルセルロースまたはその塩0.1〜3.0質量%、および
    (F)界面活性剤0.01〜3.0質量%を含有し、
    (C)/(D)の質量比が0.1〜2であり、(E)/(F)の質量比が1〜10である、粉末漂白剤。
  2. (A)過炭酸ナトリウム30質量%以上、
    (B)漂白活性化剤2.0質量%以上、
    (C)プロテアーゼおよび/またはリパーゼ、
    (D)配位座が5以下のキレート剤1〜5質量%、
    (E)カルボキシメチルセルロースまたはその塩0.1〜3.0質量%、および
    (F)界面活性剤0.01〜3.0質量%を含有し、
    (C)/(D)の質量比が0.1〜2であり、(E)/(F)の質量比が1〜10である粉末漂白剤を、2500質量ppm以上の濃度となるように、水に溶解した処理液に、繊維製品を2〜24時間浸け置きする工程を有する、漂白処理方法。
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