JP4186037B2 - 漂白性組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長時間浸け置きしても洗液中の過酸化水素の安定性が高く、優れた漂白力を有する酸素系漂白性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸素系漂白剤は、色柄物に使用できるといった特徴を有し、衣料用漂白剤の主流となってきているが、その一方で、漂白力の点で塩素系漂白剤に劣っているという問題があり、その改善が第一の課題といえる。
【0003】
これまでも酸素系漂白剤の漂白力を向上させるために、多くの研究がなされており、有機過酸前駆体を利用する方法やマンガンなどの金属原子を含有する錯体を利用する方法などがある。
【0004】
有機過酸前駆体が過酸化水素と反応することにより生成された有機過酸がシミ汚れに高い漂白力をもたらすことは公知であるが、過酸化水素と等モル量の有機過酸前駆体が必要であり、経済的、環境的にも極少量で有効に漂白性能を向上させる剤が望まれていた。
【0005】
一方、金属原子を含有する錯体を利用する方法は、Nature,VOL.369(1994)637〜639頁やJ.Am.Chem.Soc.,VOL.115(1993)1772〜1773頁に報告されている。有機過酸が化学当量的に汚れに作用するのに対し、金属錯体は洗浄液中で錯体が触媒的に過酸化水素を活性化し、シミ汚れに高い漂白効果をもたらすメカニズムが提唱されている。そのため、少量の錯体で高い漂白力を得ることができる。
【0006】
即ち、より効率的に過酸化水素を活性化できる特徴を持つ金属原子を含有する錯体を利用する方法は、低濃度で効果を示すことから、経済的にも環境的にも好ましい。
【0007】
金属錯体による漂白効果は、その中心金属と配位子との組み合わせによって異なるため、種々の配位子と遷移金属との組み合わせが研究されている。例えば米国特許第3,156,654号公報、米国特許第3,532,634号公報及び英国特許第984,459号公報には、EDTA、NTAやピリジンカルボン酸といった通常用いられるキレート剤とCo、Cu等の遷移金属との組み合わせが開示されている。しかし、この組み合わせでは、ペルオキシ化合物の分解を触媒するが、実質的な漂白の活性化にはあまり寄与しない。特公平6−33431号公報や特公平6−70240号公報には、ヒドロキシカルボン酸を配位子とするマンガン錯体が、特公平6−99719号公報にはポリヒドロキシ化合物を配位子とするマンガン錯体が、特開昭52−155279号公報、特開平1−97267号公報、特開平2−261547号公報、特表平8−503247号公報及び特表平8−503248号公報にはポルフィリン又はフタロシアニンを配位子とする鉄又はマンガン錯体が、特公平7−12437号公報、同7−65074号公報、同7−68543号公報、同7−122076号公報、特開平5−263098号公報及び同6−121933号公報等には環状ポリアミンを配位子とするマンガン錯体が、特開平10−140193号公報には配位性窒素原子を3個以上持つ配位子と遷移金属との錯体が、特開2000−54256号公報にはアミンとサリチルアルデヒドの縮合化合物を配位子とするマンガン錯体が、米国特許第5,021,187号公報には置換されたジアミンを配位子とする銅錯体が開示されており、これらは漂白性能の向上が確認されている。
【0008】
しかし、消費者の漂白処理方法はさまざまであり、特に浸け置き漂白は頑固なしみ汚れを除去する方法として一般的に用いられている。浸け置き漂白は、漂白剤の溶液に被洗物を数十分から数時間浸け置く方法で、長時間にわたり漂白液の活性を維持することが重要な課題となる。即ち、過酸化水素の分解を抑制する必要が生じる。この過酸化水素の分解の原因は、錯体自身に起因するものだけでなく、錯体の不純物として持ちこまれる遷移金属や多いときには数ppmレベルで存在する水道水中の微量の鉄、マンガン、銅、亜鉛等の金属も過酸化水素の異常分解を引き起こす原因として十分考慮する必要がある。
【0009】
このような微量金属による過酸化水素の分解を抑制するためには、一般的に金属捕捉剤を用いる事が知られている。しかし、日本国特許第3009471号公報中にも記載されているように、従来の技術では、金属捕捉剤の添加により過酸化水素の安定性は向上する一方で錯体の漂白活性が失われるといった問題があり、そのため、従来の技術では金属捕捉能の高い金属捕捉剤との併用が難しく、長時間の浸け置き漂白での漂白力は満足できるものではなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、長時間浸け置きしても過酸化水素の分解が少なく、高い漂白力を有する漂白性組成物を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を有する漂白活性化触媒とフェノール系ラジカルトラップ剤とホスホン酸系金属捕捉剤とを組み合わせることで、特定の構造を有する漂白活性化触媒、金属捕捉剤、ラジカルトラップ剤が過酸化水素の安定化と漂白力の向上に相乗的に効果を発現し、頑固なしみ汚れに対しても安定した高い漂白力を有することを見出し、本発明を完成させた。
【0012】
即ち、本発明は、(a)過酸化水素又は水に溶解して過酸化水素を発生する過酸化物、(b)フェノール系ラジカルトラップ剤、(c)ホスホン酸系金属捕捉剤及び(d)下記式(d−5)又は(d−18)で表される配位子と遷移金属とを含む漂白活性化触媒を含有することを特徴とする漂白性組成物を提供する。
【0013】
【化2】
Figure 0004186037
【0014】
以下、本発明をより詳細に説明する。本発明の漂白性組成物は、(a)過酸化水素又は水に溶解して過酸化水素を発生する過酸化物、(b)フェノール系ラジカルトラップ剤、(c)ホスホン酸系金属捕捉剤及び(d)特定構造の漂白活性化触媒を含有するものであり、液体漂白性組成物であっても、粉末、顆粒、タブレット、ブリケット、シート又はバー等の固体状漂白性組成物であってもよく、固体状漂白性組成物である場合、該組成物を脱イオン水中に1質量%となるように希釈した時の該希釈中の全無機イオン(上記(a)成分等も含めた組成中の全ての化合物の解離による無機イオン)のイオン強度の合計が所定範囲となるように、更に、(e)成分として上記成分以外の無機化合物を配合することにより、更に高い効果が得られる。
【0015】
ここで、本発明の漂白性組成物の(a)成分は、過酸化水素又は水に溶解して過酸化水素を発生する過酸化物であり、本発明の漂白性組成物が液体漂白性組成物であれば、上記(a)成分として過酸化水素が用いられ、本発明の漂白性組成物が粉末、顆粒、タブレット、ブリケット、シート又はバー等の固体状漂白性組成物であれば、上記(a)成分として水に溶解して過酸化水素を発生する過酸化物が用いられる。水に溶解して過酸化水素を発生する過酸化物の具体例としては、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム・3水和物などが挙げられ、使用時の溶解性を考慮すると、過炭酸ナトリウムを用いるのが好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0016】
本発明の漂白性組成物における上記(a)成分の含有量は、特に制限されるものではなく、組成物の形態などにより適宜選定することができ、例えば本発明の組成物が液体漂白性組成物であれば、組成物中に2質量%以上が好ましく、より好ましくは2〜5質量%、更に好ましくは4〜5質量%である。2質量%未満では十分な漂白効果が得られない場合がある。また、本発明の組成物が固体状漂白性組成物であれば、組成物全量に対して2質量%以上が好ましく、より好ましくは10〜90質量%、更に好ましくは20〜90質量%の範囲である。2質量%未満では十分な漂白効果が得られない場合がある。
【0017】
本発明の(b)成分は、フェノール系ラジカルトラップ剤である。フェノール系ラジカルトラップ剤としては、フェノール性水酸基を有する化合物又はフェノール性水酸基のエステル誘導体、エーテル誘導体等が挙げられる。このような化合物として、より具体的には、クレゾール、チモール、クロロフェノール、ブロモフェノール、メトキシフェノール、ニトロフェノール、ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、ジ−t−ブチル−ヒドロキシトルエン、ナフトール、ヒドロキノン、カテコール、ピロガロール、フェノキシエタノール、フェノールなどが挙げられる。
【0018】
これらの中で好ましい化合物は、G.E.Penketh,J.Appl.Chem,7,512(1957)に記載されている酸化還元電位(O.P.)0(25℃)が1.25V以下の化合物であり、より好ましくは0.75V以下の化合物である。なお、酸化電位(O.P.)0(25℃)の下限は、特に制限されるものではないが、漂白効果への影響を考慮すれば、通常、酸化電位(O.P.)0(25℃)の下限としては、0.60V程度が好適である。酸化還元電位が上記範囲を超えると、過酸化水素の安定効果が十分でない場合がある。なお、酸化還元電位が低すぎると、漂白力が低下する場合がある。
【0019】
更に、本発明の組成物が液体漂白性組成物であれば、配合のしやすさのために、一方、本発明の組成物が固体状漂白性組成物であれば、浸け置き漂白処理をする時のような小さい機械力でも速やかに溶解するために、いずれも上記フェノール系ラジカルトラップ剤の中でも溶解度の高いラジカルトラップ剤を使用すると、より効果的であり、具体的には、溶解性を示す疎水性パラメーターであるlogP値が3以下のものが好ましい。ここで、上記疎水性パラメーターとは、対象とする化合物の性質を示すパラメーターとして一般的に用いられているものである。logP値におけるP(分配係数)は、水とオクタノールとの間における平衡状態での物質の活動度の比としてP=Co/Cwとして表される(ここで、Coはオクタノール中の濃度、Cwは水中の濃度である)。疎水性パラメーターについての詳細は、例えば科学の領域増刊号122号(1979年)、第73頁に記載されている。分配係数の測定方法としては、Flask Shaking法や薄層クロマトグラフ法、HPLCによる測定法が知られているが、Ghose,Pritchett,Crippenらのパラメーターを用いて計算によって算出することもできる。(J.Comp.Chem.,9,80(1998))
【0020】
上述したような漂白力への影響及び溶解性を考慮すれば、上記化合物の中でも4−メトキシフェノール、4−ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキノン、カテコールがより好ましく、更に過酸化物と共存したときのラジカルトラップ剤の安定性を考慮すれば、これらの中でも4−メトキシフェノール、4−ヒドロキシ安息香酸が特に好ましい。
【0021】
なお、(b)成分については、これらは単独で用いても、2種以上を併用して用いてもよい。
【0022】
本発明の漂白性組成物における上記(b)成分の含有量は、特に制限されるものではないが、好ましい含有量は漂白性組成物中に0.001〜4質量%、より好ましくは0.05〜2質量%、更に好ましくは0.1〜0.5質量%の範囲であり、0.001質量%未満では過酸化水素の安定化が不十分となる場合があり、4質量%を超えるとラジカルと反応したラジカルトラップ剤が変色したり、被洗物を汚したりするといった問題が生じる場合があり、また、経済的にも好ましくない場合がある。
【0023】
ここで、本発明の漂白性組成物が固体状漂白性組成物である場合、上記(b)成分は、溶解性や保存安定性を向上させるために、界面活性剤やクエン酸などの有機酸を含む1種以上の造粒基剤との混合粒子として組成物に含まれることが好ましく、アルミノ珪酸塩やポリエチレングリコール、後述する(e)成分の無機化合物などと造粒して用いるのが好ましい。造粒方法の例としては、融解した造粒基材に(b)成分を溶解させ、粉砕造粒する方法や(b)成分を攪拌しながら造粒基材を噴霧し、コーティングする方法などが挙げられるが、用いる造粒基材により好適な造粒方法を選ぶことができる。ここで用いる造粒基材としては、高分子化合物であれば、ポリエチレングリコールやポリカルボン酸やその塩、界面活性剤であれば、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤のいずれも用いることができるが、好ましい界面活性剤としては、炭素数10〜15のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、炭素数10〜15のアルキルベンゼンスルホン酸カリウム、炭素数14のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム、炭素数14のα−オレフィンスルホン酸カリウム、炭素数12〜15でエチレンオキサイド平均付加モル数5〜20のポリオキシエチレンアルキルエーテル等であり、中でも炭素数14のα−オレフィンスルホン酸ナトリウムが特に好ましい。また、無機化合物としては、炭酸塩やアルミノ珪酸塩、硫酸塩などの無機塩である。また、(b)成分を混合粒子として用いる場合、(b)成分に対して上記造粒基材は同質量以上混合することが好ましい。同質量未満では造粒した効果が十分に得られない場合がある。
【0024】
本発明の(c)成分は、ホスホン酸系金属捕捉剤である。本発明で用いられるホスホン酸系金属捕捉剤としては、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)やエタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、ヒドロキシエタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、ヒドロキシメタンホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ニトリロトリ(メチレンホスホン酸)、2−ヒドロキシエチルイミノジ(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)等の有機ホスホン酸誘導体やその塩であり、本発明の組成物が液体漂白性組成物であれば、漂白力への影響や配合適性を考慮すると、これらの中でも1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)が好ましく、本発明の組成物が固体状漂白性組成物であれば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)3ナトリウム、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)4ナトリウムやエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)ナトリウムが好ましく、漂白力への影響や貯蔵安定性を考慮すれば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)4ナトリウムがより好ましい。
【0025】
本発明の漂白性組成物における上記(c)成分の含有量は、特に制限されるものではなく、その種類などによって適宜選定することができ、例えば1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)4ナトリウムの場合、0.05〜4質量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜2質量%の範囲であり、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)ナトリウムの場合、0.05〜2質量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜2質量%の範囲である。上記範囲未満では十分な過酸化水素の安定化効果が得られない場合があり、また、この範囲を超えて配合すると、漂白力が低下する場合がある。
【0026】
本発明の(d)成分は、下記式(d−5)又は(d−18)で表される配位子と遷移金属とを含む漂白活性化触媒である。
【0027】
【化3】
Figure 0004186037
【0033】
本発明の(d)成分である漂白活性化触媒に含まれる遷移金属には、上記式(d−5)又は(d−18)で表わされる配位子の他に、水、水酸基、フェノール性水酸基、アミノ基、カルボン酸基、チオール基、ハロゲン原子などが配位してもよい。
【0034】
上記(d)成分の遷移金属としては、銅、鉄、マンガン、ニッケル、コバルト、クロム、バナジウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、タングステン、モリブデンなどが挙げられ、これらの中でもコバルト、マンガンが好ましく、特にマンガンが好ましい。
【0035】
これら(d)成分の配位子は、単独で用いても、2種以上を併用して用いてもよい。本発明において好ましい(d)漂白活性化触媒として、より具体的には、(トリス(サリチリデンイミノエチル)アミン)−マンガン錯体、(N,N’−エチレンビス(4−ヒドロキシサリチリデンイミネート))−マンガン錯体等が挙げられ、これらの中でも、過酸化水素の安定性を考慮すると、(トリス(サリチリデンイミノエチル)アミン)−マンガン錯体がより好ましい。
【0036】
本発明の漂白性組成物における上記(d)成分の含有量は、特に制限されるものではなく、組成物の形態などによって適宜選定することができ、例えば本発明の組成物が液体漂白性組成物であれば、好ましい含有量は、組成物中に0.0001〜0.01質量%であり、より好ましくは0.0005〜0.005質量%、更に好ましくは0.0005〜0.002質量%である。一方、本発明の組成物が固体状漂白性組成物であれば、好ましい含有量は、組成物中に0.001〜1質量%であり、より好ましくは0.05〜1質量%であり、更に好ましくは0.1〜1質量%である。この範囲未満では漂白効果の向上が不十分となる場合があり、この範囲を超えてもそれ以上効果は高まらない場合がある。
【0037】
ここで、本発明の漂白性組成物が固体状組成物である場合、固体状漂白性組成物中における(d)成分による過酸化水素の分解や貯蔵時における過酸化物の分解をより効果的に抑制するために、(d)成分は、上記(b)成分と界面活性剤及び/又は融点37〜65℃、好ましくは50〜65℃のバインダー化合物と共に造粒した複合粒子として用いるのが好ましく、上記(b)成分の溶解性を向上させるためには、界面活性剤及び上記バインダー化合物を両方用いるのがより好ましい。
【0038】
上記バインダー化合物としては、ポリエチレングリコール#1500〜#20000(重量平均分子量500〜19000)や重量平均分子量1000〜100000のポリアクリル酸やその塩などが挙げられ、特に融点50〜65℃のポリエチレングリコール#4000〜#6000(重量平均分子量2600〜10000)が好ましい。
【0039】
複合粒子として用いた場合の(b)成分と(d)成分の質量比は、好ましくは10/1〜1/10、より好ましくは5/1〜1/5であり、複合粒子中の(d)成分の含有量は、好ましくは2〜30質量%、より好ましくは5〜20質量%である。また、複合粒子における(b)成分及び(d)成分の含有量の和と界面活性剤及び/又は融点37〜65℃のバインダー化合物の含有量の和の質量比は、7:3〜1:25が好ましく、1:1〜1:10がより好ましい。質量比が7:3より(b)成分及び(d)成分の含有量の和の割合が高すぎるとラジカルトラップ剤の溶解性や貯蔵時における過酸化物の分解抑制効果の向上が不十分となる場合があり、低すぎると(b)成分及び(d)成分が溶け出るまでに時間を要し、速やかな効果が期待できない場合がある。
【0040】
更に、過酸化水素の分解抑制効果をより向上させるためには、上記(c)成分も上記造粒物に含有することが好ましい。また、造粒物の溶解性を向上させる別の方法として、クエン酸やアジピン酸などの有機酸と共に造粒することも好ましい。なお、複合粒子(造粒物)の粒径は、特に制限されないが、溶解性などを考慮すれば、平均粒径が200〜1000μm、特に300〜700μmであると好適である。ここで、平均粒径は、ふるいを用いて粒度分布を求め、その粒度分布から算出するなどの方法によって確認することができる。
【0041】
本発明の組成物が固体状漂白性組成物である場合、通常、上記(a)〜(d)成分に加えて、更に、(e)成分として無機塩等の上記成分以外の無機化合物が配合されるが、本発明の場合、固体状漂白性組成物において、漂白処理液中の無機イオンのイオン強度を所定範囲となるように調整することで、更に過酸化水素の安定性を向上させることができるものであり、そのために本発明の固体状漂白性組成物における(e)成分の無機化合物の含有量を、該組成物を脱イオン水中に1質量%となるように希釈した時の希釈液中に存在する全ての無機イオンのイオン強度の合計が0.15〜0.27、好ましくは0.19〜0.23となるように調整することが望ましい。イオン強度がこの範囲以外では、イオン強度の調整による過酸化水素の安定性向上効果が十分ではなく、特に0.27を超えると漂白効果が低下する場合がある。なお、このような安定化現象の要因については、明らかではないが、無機イオンによる塩析効果と緩衝効果によるものと推測される。
【0042】
本発明におけるイオン強度(μ)とは、下記で示す式で与えられる。
【0043】
【数1】
Figure 0004186037
【0044】
ここで、上記式において、Ciはi番目のイオンのモル濃度、Ziはその電荷であり、総和は固体状漂白性組成物を脱イオン水中に1質量%となるように希釈した希釈溶液中のすべての無機イオンについて行う。
【0045】
上記希釈溶液中のイオン強度は、上記(a)成分等と(e)成分の上記(a)成分等以外の無機化合物、界面活性剤の対イオンなどの含有量や種類によって種々調整することができる。本発明の(e)成分の無機化合物としては、冬場に漂白処理を行った場合にも速やかに溶解できるために、約5℃の水に対する溶解度が十分に高いものが好ましい。また、より少ない含有量で高いイオン強度を有する点では、価数が高い又は分子量が小さい無機塩が有効であり、具体的には、炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、非晶質のアルカリ金属珪酸塩、アルカリ金属ホウ酸塩、アルカリ金属リン酸塩などが挙げられ、他に硫酸ナトリウムや亜硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの中性塩も挙げられる。また、イオン強度を高めると同時にpHを調整するためには、水に溶解してアルカリ性及び弱アルカリ性を示す無機塩を用いるのがより有効であり、具体的には、炭酸ナトリウムや炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、珪酸ナトリウム1号、珪酸ナトリウム2号、珪酸ナトリウム3号などが挙げられる。水への溶解性及びアルカリ度の点から珪酸ナトリウムと炭酸ナトリウム、水が55/29/16の比の混合物であるNABION(ローディア社製)を用いるのが好ましい。
なお、上記希釈溶液中の無機イオンのイオン強度の合計には、上述したように、(e)成分の無機化合物のみならず、(a)成分の過酸化水素や過酸化物の解離による無機イオン、更に、界面活性剤や金属捕捉剤の対イオンに用いられるナトリウムやカリウムイオンなどのイオン強度も含まれる。ここで、過酸化水素のように無機化合物でも完全解離しない化合物のイオン強度を求める場合には、25℃における解離定数と脱イオン水中で1質量%となるように希釈した時の25℃でのpHによりイオン強度を求める。また、後述するように、本発明の漂白性組成物は、漂白効果を高めるため必要に応じてさらに漂白活性化剤、ホウ素化合物なども含有することができ、この場合、漂白活性化剤の対イオンに用いられるナトリウムなどもイオン強度の合計に含められ、また、ホウ素化合物が無機塩である場合、本発明の(e)成分である無機化合物として使用される。
【0046】
本発明の固体状漂白性組成物に上記(e)成分が含有される場合、その好ましい含有量は、上記希釈液中のイオン強度の合計が上記特定範囲となる量であり、具体的には、上述したような他の成分の含有量などによって適宜選定されるが、通常、固体状漂白性組成物中に5〜60質量%が好ましく、より好ましくは10〜50質量%の範囲であり、更に好ましくは20〜50質量%である。上記範囲以外では、所望のイオン強度に調整することが困難となる場合がある。
【0047】
本発明の漂白性組成物は、液体漂白性組成物であっても、固体状漂白性組成物であっても、本発明の効果を損なわない範囲で、漂白性組成物の漂白効果を更に高めるために、必要に応じてさらに漂白活性化剤、ホウ素化合物、pH調整剤も含有することができる。
【0048】
漂白活性化剤としては、テトラアセチルエチレンジアミン、ペンタアセチルグルコース、オクタノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、デカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ウンデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタノイルオキシ安息香酸、ノナノイルオキシ安息香酸、デカノイルオキシ安息香酸、ウンデカノイルオキシ安息香酸、ドデカノイルオキシ安息香酸、オクタノイルオキシベンゼン、ノナノイルオキシベンゼン、デカノイルオキシベンゼン、ウンデカノイルオキシベンゼン、ドデカノイルオキシベンゼンなどを配合することができる。これらの中でも好ましい漂白活性化剤としては、デカノイルオキシ安息香酸、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられ、4−デカノイルオキシ安息香酸がより好ましい。
【0049】
本発明の漂白性組成物が上記漂白活性化剤を含有する場合、該組成物における漂白活性化剤の好ましい含有量は1〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%であり、1質量%未満では漂白効果が十分ではない場合があり、10質量%を超えてもそれ以上漂白効果が高まらない場合がある。これら漂白活性化剤は単独で用いても、2種以上を併用して用いてもよい。また、漂白活性化剤は、漂白剤中のアルカリ成分と水の存在により加水分解を起こしてその機能が失われることが知られている。従って、このような分解を防ぐために、上記漂白活性化剤を固体状漂白性組成物に配合する場合は、ノニオン界面活性剤や重量平均分子量1500〜20000のポリエチレングリコール、アニオン界面活性剤、フィルム形成性重合体、脂肪酸などと混合して造粒物として配合することが好ましい。
【0050】
本発明の漂白性組成物にホウ素化合物を添加すると、ホウ素化合物が過酸化水素及び遊離金属に作用し、漂白処理液中の過酸化水素の安定性を更に高めることができる。本発明の漂白性組成物に配合し得るホウ素化合物としては、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、4ホウ酸ナトリウム、4ホウ酸カリウム、4ホウ酸アンモニウムなど分子中にホウ素を含有する化合物が好適であり、これらの中でも特に4ホウ酸ナトリウムが好ましい。
【0051】
本発明の漂白性組成物は、そのpHが特に制限されるものではなく、組成物の形態などによって適宜選定することができ、例えば固体状漂白性組成物では、脱イオン水中1質量%希釈時の25℃におけるpHは9〜11が好ましく、より好ましくは10〜11である。一方、液体漂白性組成物では、25℃における組成物のpHは2〜8が好ましい。上記範囲以外では、本発明が目的とする漂白性能、安定性が得られ難くなる場合がある。pHを制御するための手段としては、通常、アルカリ剤によってpH調整が行われており、固体状漂白性組成物では、アルカリ剤としてデンス灰や軽灰と総称される炭酸ナトリウムのほか、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、メタ珪酸ナトリウム、珪酸ナトリウム1号、珪酸ナトリウム2号、珪酸ナトリウム3号などの非晶質のアルカリ金属珪酸塩、リン酸水素2ナトリウムなどのアルカリ金属リン酸塩などの上記(e)成分の無機化合物に含まれる無機塩を使用することができ、液体漂白性組成物では、アルカリ剤として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどを使用することができる。これらは単独で用いても2種類以上を併用して用いてもよい。また、pHが高くなりすぎることを防止するために、酸などを用いて上記pHの範囲に調整することもできる。酸としては、硫酸、塩酸などが挙げられ、本発明(c)成分に含まれる金属捕捉剤も用いることができる。その他、リン酸2水素カリウムなどのアルカリ金属リン酸2水素塩や脂肪酸、また、乳酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、グルコン酸、オレイン酸、デカン酸、又はそれらのポリカルボン酸などを使用することができる。なお、上記pHを制御するために用いられるアルカリ剤や酸などが無機化合物である場合には、上記(e)成分に含まれる。また、洗浄時に衣類の汚れに由来する酸成分によるpHの低下を防止するための緩衝剤の使用も可能である。
【0052】
更に、本発明の漂白性組成物には、本発明の効果を損なわない限り、上記成分に加えて、通常、漂白性組成物に配合する各種成分を配合することができ、例えば下記の補助成分を含有することができる。
【0053】
(1)界面活性剤
界面活性剤は、直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜24のアルキル基又はアルケニル基を少なくとも1個有する界面活性剤、又は、炭素数8〜24のアルキル基で置換されたアリール基を少なくとも1個有する界面活性剤であり、その例として、アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、石鹸、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、脂肪酸α−スルホメチルエステル、α−オレフィンスルホン酸塩等が挙げられる。ノニオン界面活性剤としては、アルキルグリコシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、脂肪酸モノグリセライド、アミンオキサイド等が挙げられる。両性界面活性剤としてカルボベタイン、スルホベタイン、ヒドロキシスルホベタイン等を挙げることができ、これらは単独で用いても、2種以上併用して用いてもよい。
【0054】
上記界面活性剤の中でもα−オレフィンスルホン酸ナトリウム及びノニオン界面活性剤が好ましく、ノニオン界面活性剤の中でも特公平6−15038号公報に記載の方法で得られるノニオン界面活性剤、即ち、エチレンオキサイド平均付加モル数nに対してエチレンオキサイド付加モル数の分布がn±2の範囲に80%以上含まれるものが好ましい。また、特に本発明における(b)成分のフェノール系ラジカルトラップ剤のlogP値が2以上の場合については、速やかにラジカルトラップ剤を水に溶解させるために、炭素数14のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム及び上記ノニオン界面活性剤の中でもアルキル鎖長12〜14、エチレンオキサイド平均付加モル数が3〜7のものを用いることがより好ましい。本発明における界面活性剤の含有量(合計量)としては、漂白剤組成物では、漂白力や水難溶性物質(香料など)の可溶化の点から、0.1〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜12質量%である。また、標白洗浄剤組成物では、漂白力及び洗浄力の点から、15〜50質量%が好ましく、より好ましくは20〜40質量%である。
【0055】
(2)香料
香料として使用される香料原料のリストは、様々な文献、例えば「Perfume and Flavor Chemicals」,Vol.I and II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)及び「合成香料 科学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)及び「Perfume and Flavor Materialsof Natural Origin」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)及び「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)及び「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)でみられ、それぞれを引用することにより本明細書の開示の一部とされる。代表的な香料としては、脂肪族炭化水素、テルペン炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素類、脂肪族アルコール、テルペンアルコール、芳香族アルコール等のアルコール類、脂肪族エーテル、芳香族エーテル等のエーテル類、脂肪族オキサイド、テルペン類のオキサイド等のオキサイド類、脂肪族アルデヒド、テルペン系アルデヒド、水素化芳香族アルデヒド等、チオアルデヒド、芳香族アルデヒド等のアルデヒド類、脂肪族ケトン、テルペンケトン、水素化芳香族ケトン、脂肪族環状ケトン、非ベンゼン系芳香族ケトン、芳香族ケトン等のケトン類、アセタール類、ケタール類、フェノール類、フェノールエーテル類、脂肪酸、テルペン系カルボン酸、水素化芳香族カルボン酸、芳香族カルボン酸等の酸類、酸アマイド類、脂肪族ラクトン、大環状ラクトン、テルペン系ラクトン、水素化芳香族ラクトン、芳香族ラクトン等のラクトン類、脂肪族エステル、フラン系カルボン酸族エステル、脂肪族環状カルボン酸エステル、シクロヘキシルカルボン酸族エステル、テルペン系カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステル等のエステル類、ニトロムスク類、ニトリル、アミン、ピリジン類、キノリン類、ピロール、インドール等の含窒素化合物等の合成香料及び動物、植物からの天然香料、天然香料及び/又は合成香料を含む調合香料の1種又は2種以上を混合して使用することができる。
【0056】
より具体的には、アルデヒドC6〜C12、アニスアルデヒド、アセタールR、アセトフェノン、アセチルセドレン、アドキサール、アリルアミルグリコレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、アルファダマスコン、ベータダマスコン、デルタダマスコン、アンブレットリッド、アンブロキサン、アミルシンナミックアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒドジメチルアセタール、アミルバレリアネート、アミルサリシレート、イソアミルアセテート、イソアミルサリシレート、オウランチオール、アセチルユゲノール、バクダノール、ベンジルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルサリシレート、ベルガミールアセテート、ボルニルアセテート、ブチルブチレート、パラターシャリーブチルシクロヘキサノール、パラターシャリーブチルシクロヘキシルアセテート、オルトターシャリーブチルシクロヘキサノール、ベンツアルデヒド、ベンジルフォーメート、カリオフィレン、カシュメラン、カルボン、セドロアンバー、セドリルアセテート、セドロール、セレストリッド、シンナミックアルコール、シンナミックアルデヒド、シスジャスモン、シトラール、シトラールジメチルアセタール、シトラサール、シトロネラール、シトロネロール、シトロネリルアセテート、シトロネリルフォーメート、シトロネリルニトリル、シクラセット、シクラメンアルデヒド、シクラプロップ、キャロン、クマリン、シンナミルアセテート、デルタC6〜C13ラクトン、ジメチルベンジルカービノール、ジヒドロジャスモン、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジメトール、ジミルセトール、ジフェニルオキサイド、エチルワニリン、ユゲノール、フルイテート、フェンチールアルコール、フェニルエチルフェニルアセテート、ガラキソリッド、ガンマーC6〜C13ラクトン、α−ピネン、β−ピネン、リモネン、ミルセン、β−カリオフィレン、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ゲラニルニトリル、ヘディオン、ヘリオナール、ヘリオトロピン、シス−3−ヘキセノール、シス−3−ヘキセニールアセテート、シス−3−ヘキセニールサリシレート、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘキシルサリシレート、ヒヤシンスジメチルアセタール、ハイドロトロピックアルコール、ヒドロキシシトロネラール、インドール、イオノン、イソボルニルアセテート、イソシクロシトラール、イソEスーパー、イソユゲノール、イソノニルアセテート、イソブチルキノリン、ジャスマール、ジャスモラクトン、ジャスモフィラン、コアボン、リグストラール、リリアール、ライムオキサイド、リナロール、リナロールオキサイド、リナリルアセテート、リラール、マンザネート、マイヨール、メンサニールアセテート、メンソネート、メチルアンスラニレート、メチルユゲノール、メントール、アルファメチルイオノン、ベータメチルイオノン、ガンマメチルイオノン、メチルイソユゲノール、メチルラベンダーケトン、メチルサリシレート、ミューゲアルデヒド、ムゴール、ムスクTM−II、ムスク781、ムスクC14、ムスコン、シベトン、シクロペンタデカノン、シクロヘキサデセノン、シクロペンタデカノリド、アンブレットリド、シクロヘキサデカノリド、10−オキサヘキサデカノリド、11−オキサヘキサデカノリド、12−オキサヘキサデカノリド、エチレンブラシレ−ト、エチレンドデカンジオエ−ト、オキサヘキサデセン−2−オン、14−メチル−ヘキサデセノリド、14−メチル−ヘキサデカノリド、ムスクケトン、ムスクチベチン、ノピルアルコ−ル、ノピルアセテ−ト、ネリルアセテ−ト、ネロ−ル、メチルフェニルアセテ−ト、ミラックアルデヒド、ネオベルガメート、オークモスNo.1、オリボン、オキシフェニロン、パラクレジールメチルエーテル、ペンタリッド、フェニルエチルアルコール、フェニルエチルアセテート、アルファピネン、ルバフラン、ローズフェノン、ローズオキサイド、サンダロア、サンデラ、サンタレックス、スチラリールアセテート、スチラリールプロピオネート、ターピネオール、ターピニルアセテート、テトラハイドロリナロール、テトラハイドロリナリールアセテート、テトラハイドロゲラニオール、テトラハイドロゲラニールアセテート、トナリッド、トラセオライド、トリプラール、チモール、ワニリン、ベルドックス、ヤラヤラ、アニス油、ベイ油、ボアドローズ油、カナンガ油、カルダモン油、カシア油、シダーウッド油、オレンジ油、マンダリン油、タンジェリン油、バジル油、ナツメグ油、シトロネラ油、クローブ油、コリアンダー油、エレミ油、ユーカリ油、フェンネル油、ガルバナム油、ゼラニウム油、ヒバ油、桧油、ジャスミン油、ラバンジン油、ラベンダー油、レモン油、レモングラス油、ライム油、ネロリ油、オークモス油、オコチア油、パチュリ油、ペパーミント油、ペリラ油、プチグレン油、パイン油、ローズ油、ローズマリー油、しょう脳油、芳油、クラリーセージ油、サンダルウッド油、スペアミント油、スパイクラベンダー油、スターアニス油、タイム油、トンカ豆チンキ、テレピン油、ワニラ豆チンキ、ベチバー油、イランイラン油、グレープフルーツ油、ゆず油、ベンゾイン、ペルーバルサム、トルーバルサム、チュベローズ油、ムスクチンキ、カストリウムチンキ、シベットチンキ、アンバーグリスチンキ等が挙げられる。
【0057】
更に、香料の溶剤又は保留剤としては、エタノール、アセチン(トリアセチン)、MMBアセテート(3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート)、エチレングリコールジブチレート、ヘキシレングリコール、ジブチルセバケート、デルチールエキストラ(イソプロピルミリステート)、メチルカルビトール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)、カルビトール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、TEG(トリエチレングリコール)、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、フタル酸ジエチル、トリプロピレングリコール、アボリン(ジメチルフタレート)、デルチルプライム(イソプロピルパルミテート)、ジプロピレングリコールDPG−FC(ジプロピレングリコール)、ファルネセン、ジオクチルアジペート、トリブチリン(グリセリルトリブタノエート)、ヒドロライト−5(1,2−ペンタンジオール)、プロピレングリコールジアセテート、セチルアセテート(ヘキサデシルアセテート)、エチルアビエテート、アバリン(メチルアビエテート)、シトロフレックスA−2(アセチルトリエチルシトレート)、シトロフレックスA−4(トリブチルアセチルシトレート)、シトロフレックスNo.2(トリエチルシトレート)、シトロフレックスNo.4(トリブチルシトレート)、ドゥラフィックス(メチルジヒドロアビエテート)、MITD(イソトリデシルミリステート)、ポリリモネン(リモネンポリマー)、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。漂白性組成物には、これら溶剤又は保留剤の配合量は、香料組成物中に0.1〜99質量%配合されるが、好ましくは、1〜50質量%配合される。
【0058】
また、香料安定化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンEとその誘導体、カテキン化合物、フラボノイド化合物、ポリフェノール化合物等が挙げられ、香料組成中に0.0001〜10質量%配合されるが、好ましくは、0.001〜5質量%配合される。これらの中で、好ましい安定化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエンである。香料組成物とは、前記の香料成分、溶剤、香料安定化剤等からなる混合物である。漂白性組成物には、香料組成物が0.001〜20質量%配合されるが、好ましくは、0.01〜10質量%配合される。
【0059】
(3)色素
組成物の外観を良好にするために、各種色素を用いる事ができる。漂白性組成物に用いられる色素としては、染料や顔料が挙げられるが、中でも顔料が好ましく、酸化物など耐酸化性を有するものが特に好ましい。好ましい化合物としては酸化チタン、酸化鉄、銅フタロシアニン、コバルトフタロシアニン、紺青、シアニンブルー、シアニングリーンなどが挙げられる。また、これら色素は錯体と一緒に造粒するのが好ましく、この場合、ポリエチレングリコール(PEG)などのバインダー成分に色素を溶解又は分散したものを用いるのが好ましい。更に、青み付剤として、群青などの青色顔料を上記(e)成分に含まれる硫酸ナトリウムや炭酸ナトリウム、粒状漂白剤組成物などに噴霧して造粒して用いることもできる。
【0060】
(4)蛍光剤
蛍光染料として、4,4’−ビス−(2−スルホスチリル)−ビフェニル塩、4,4’−ビス−(4−クロロ−3−スルホスチリル)−ビフェニル塩、2−(スチリルフェニル)ナフトチアゾール誘導体、4,4’−ビス(トリアゾール−2−イル)スチルベン誘導体、ビス(トリアジニルアミノ)スチルベンジルスルホン酸誘導体、ホワイテックスSA(住友化学社製)、チノパールCBS(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)等を含有することができる。これらの中でもチノパールCBS、ホワイテックスSAが好ましく、配合量としては、0.1〜1質量%が好ましい。これらは単独で用いても、2種以上併用して用いてもよい。
【0061】
(5)酵素
酵素(本来的に酵素作用を洗浄工程中になす酵素である)としては、酵素の反応性から分類すると、ハイドロラーゼ類、オキシドレダクターゼ類、リアーゼ類、トランスフェラーゼ類及びイソメラーゼ類を挙げることができるが、本発明にはいずれも適用できる。特に好ましいのはプロテアーゼ、エステラーゼ、リパーゼ、ヌクレアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ及びペクチナーゼである。プロテアーゼの具体例としては、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、コラーゲナーゼ、ケラチナーゼ、エラスターゼ、スプチリシン、BPN、パパイン、プロメリン、カルボキシペプチターゼA及びB、アミノペプチターゼ、アスパーギロペプチターゼA及びBであり、市販品として、サビナーゼ、アルカラーゼ(ノボインダストリー社)、API21(昭和電工(株))、マクサカル(ギストプロケイデス社)、特開平5−25492号公報記載のプロテアーゼK−14もしくはK−16等を挙げることができる。エステラーゼの具体例としては、ガストリックリパーゼ、バンクレアチックリパーゼ、植物リパーゼ類、ホスホリパーゼ類、コリンエステラーゼ類及びホスホターゼ類等を挙げることができる。リパーゼの具体例としては、リポラーゼ(ノボインダストリー社)、リポサム(昭和電工(株))等の市販のリパーゼ等を挙げることができる。また、セルラーゼとしては、市販品のセルザイム(ノボインダストリー社)、特開昭63−264699号公報の請求項4記載のセルラーゼ等を挙げることができ、アミラーゼとしては、市販のターマミル(ノボインダストリー社)等を挙げることができる。これらの中でもターマミル、アルカラーゼがより好ましく、配合量としては、0.1〜2質量%が好ましい。これらは単独で用いても、2種以上併用して用いてもよい。なお、本発明の組成物が固体状漂白性組成物である場合、酵素は別途安定な粒子として造粒したものを、洗剤生地(粒子)にドライブレンドした状態で使用することが望ましい。
【0062】
(6)酵素安定剤
酵素安定剤として、水道水中の塩素を除去するために、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムのような還元剤、カルシウム塩、マグネシウム塩、ポリオール、ホウ素化合物等を配合することができる。これらの中では4ホウ酸ナトリウムが好ましく、配合量としては0.05〜2質量%が好ましい。これらは単独で用いても、2種以上併用して用いてもよい。なお、本発明の組成物が固体状漂白性組成物である場合、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、4ホウ酸ナトリウムは、上記(e)成分に含まれる。
【0063】
(7)その他のポリマー類
高密度化する場合におけるバインダーや粉末物性剤として、さらには疎水性微粒子に対する再汚染防止効果を付与するために、重量平均分子量が200〜200,000のポリエチレングリコールや重量平均分子量1000〜100000のアクリル酸及び/又はマレイン酸のポリマー、ポリビニルアルコール等を配合することができる。また、本発明の漂白性組成物に色移り防止効果を付与するために、ポリビニルピロリドンを配合することができる。これらの中では、重量平均分子量1500〜7000のポリエチレングリコールが好ましく、配合量としては、0.05〜5質量%が好ましい。これらは単独で用いても、2種以上併用して用いてもよい。
【0064】
(8)ケーキング防止剤
ケーキング防止剤として、パラトルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、酢酸塩、スルホコハク酸塩、タルク、微粉末シリカ、粘土、酸化マグネシウム等を配合することができる。
【0065】
(9)消泡剤
消泡剤としては、従来より知られている例えばシリコーン/シリカ系のものを挙げることができ、この消泡剤は、次に説明する特開平3−186307号公報4頁左下欄に記載の方法を用いて製造した消泡剤造粒物としてもよい。まず、日澱化学株式会社製マルトデキストリン(酵素変性デキストリン)100gに消泡成分としてダウコーニング社製シリコーン(コンパウンド型、PSアンチフォーム)を20g添加し混合し、均質混合物を得る。次に、得られた均質混合物50質量%、ポリエチレングリコール(PEG−6000、融点58℃)25質量%及び中性無水芒硝25質量%を70〜80℃で混合後、不二パウダル株式会社製押出し造粒機(型式EXKS−1)により造粒し、造粒物を得る。
【0066】
更に、一般に衣料用洗浄剤、漂白剤に配合される成分であれば、必要に応じて配合することができる。
【0067】
また、本発明の組成物中には、フェノール誘導体の酸化反応によって生成する化合物が0.0001〜1質量%入ることがある。これら化合物の例としては、ギ酸、酢酸、グリコール酸、プロピオン酸、マロン酸、リンゴ酸、シュウ酸等を挙げることができる。
【0068】
本発明の漂白性組成物の形態は、上述したように、液体又は粉末,顆粒,タブレット,ブリケット,シート又はバーなどの固体であり、より好ましくは粉末である。本発明の漂白性組成物の調製方法は、特に制限されず、例えば上述したように、必要に応じて上記成分を適宜造粒したり、複合化する以外は、各形態の常法に準じて調製することができる。また、製品化の際は、それぞれの使い勝手や安定性などを考慮した容器が使用されるが、特に湿度や光による過酸化物の分解への影響が少ない容器を選ぶことが好ましい。
【0069】
本発明の漂白性組成物は、その被漂白物、使用方法が特に制限されるものではなく、例えば衣類、布巾、シーツ、カーテン等の繊維製品、木材パルプ等の紙製品、食器やガラス、洗濯槽などの硬表面などに通常の漂白性組成物と同様に使用することによって、これらについたしみ、有機物汚れ、黄ばみ物質、ステイン、カビなどを漂白することができ、特に本発明の漂白性組成物の場合、希釈液中での過酸化水素の安定性に優れるものであることを考慮すれば、組成物が液体漂白性組成物であれば、例えば被漂白物に原液を塗布した後、組成物の50〜1500倍容となる水中に浸け置いたり、又は、組成物の50〜1500倍容の希釈液中に被漂白物を浸け置いたり、固体状漂白性組成物であれば、0.05〜2質量%溶液に被漂白物を浸け置くなどの方法が好適であり、特に浸け置き時間が30分〜24時間程度、好ましくは2〜24時間程度の長時間の浸け置きに好適に使用することができる。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、長時間浸け置きしても洗液中の過酸化水素の安定性が高く、優れた漂白力を有する酸素系漂白性組成物が得られる。
【0071】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。なお、各例における%はことわりのないかぎりいずれも質量%であり、表9に示す各成分の濃度は純分換算、表10及び表11は用いた各成分をそのまま配合した。
【0072】
[実施例1〜21及び比較例1〜12]
表9〜11の組成に従って、それぞれ液体漂白性組成物、粉末漂白性組成物の常法に準じて実施例1〜7及び比較例1〜6の液体漂白性組成物、実施例8〜21及び比較例7〜12の粉末漂白性組成物を調製した。各組成物について、下記方法により、漂白力(漂白率)、過酸化水素残存率を評価した。結果を表9〜11に併記する。なお、表中の略称成分は、以下の意味を有する。
【0073】
過酸化水素:三菱瓦斯化学(株)製(純分:35%、食品添加物規格)
過炭酸ナトリウム:三菱化学(株)製 (有効酸素:10.9、商品名:SPC−Z)
4−メトキシフェノール:川口化学工業(株)製 (製品名:MQ−F)
4−ヒドロキシ安息香酸:p−ヒドロキシ安息香酸 関東化学(株)製 鹿特級試薬
ジ−t−ブチル−ヒドロキシトルエン:日揮ユニバーサル(株)製 (商品名:BHT−C)
フェノール:関東化学(株)製 特級試薬
HEDP−H:1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸 ALBRIGHT&WILSON社製 (商品名:BRIQUEST ADPA)
HEDP−4Na:1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸4ナトリウム ソルーシア・ジャパン(株)製 (商品名:デイクエスト2016D)
エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)−Na:ALBRIGHT&WILSON社製 (商品名:BRIQUEST 422)
EDTA−4Na:ライオン化学(株)製 (商品名:ディゾルビンNA−T)
トリス((2−ピリジル)メチル)アミン−マンガン錯体(比較品):合成法を下記に示した。
TACN(比較品):トリス−μ−オキソ−ビス〔(1,4,7−トリメチル−1,4,7トリアザシクロノナン)マンガン(IV)〕ペンタフルオロリン酸塩(Journal of the American Chemical Society 1998年 110巻 7398〜7411ページに従って合成を行った)。
d−18:(N,N’−エチレンビス(4−ヒドロキシサリチリデンイミネート))−マンガン錯体。合成法を下記に示した。
d−5:(トリス(サリチリデンイミノエチル)アミン)−マンガン錯体。合成法を下記に示した。
炭酸ナトリウム:トクヤマ(株)製 (商品名:ソーダ灰デンス)
炭酸水素ナトリウム:無水炭酸水素ナトリウム 関東化学社製 特級試薬
硫酸ナトリウム:日本化学(株)製 (商品名:中性無水芒硝)
リン酸2水素カリウム:関東化学社製 特級試薬
漂白活性化剤−1:三井化学(株)製 (4−デカノイルオキシ安息香酸)
漂白活性化剤−2:三井化学(株)製 (ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム)
POE−AE:ライオン化学(株)製 (ノニオン界面活性剤、アルキル鎖長12〜14、エチレンオキサイド平均付加モル数が5であり、エチレンオキサイド3〜7モル付加体が全体の90%のもの。(純分:90%))
LAS−Na:ライオン(株)製 (直鎖アルキル(C10〜C14)ベンゼンスルホン酸ナトリウム)
LAS−K:ライオン(株)製 (直鎖アルキル(C10〜C14)ベンゼンスルホン酸カリウム)
α−SF−Na:ライオン(株)製 (炭素鎖長14〜16 α−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム)
AOS−Na:ライオン(株)製 (炭素鎖長14 α−オレフィンスルホン酸ナトリウム)
AOS−K:ライオン(株)製 (炭素鎖長14〜18 α−オレフィンスルホン酸カリウム)
NaOH:鐘淵化学工業(株)製 (商品名:液体苛性ソーダ)
酵素:ノボザイム社製 (商品名:デュラザイム8.0T)
香料組成物:香料組成物A〜Dは、表1〜7に示す配合にて得られる混合物を用いた。
【0074】
トリス((2−ピリジル)メチル)アミン−マンガン錯体の合成
材料として、2−(クロロメチル)ピリジン塩酸塩(シグマアルドリッチ(株)製 試薬)、2,2’−ジピコリルアミン(東京化成工業(株)製 試薬)、塩化マンガン・4水和物(関東化学(株)製 試薬)、5.4N水酸化ナトリウム(水酸化ナトリウム(関東化学(株)製 試薬)を用いて調製)、ジエチルエーテル(関東化学(株)製 試薬)、エタノール(甘糟化学産業(株)製 試薬)を用い、特開平10−140193号公報実施例に準じて配位子(トリス((2−ピリジル)メチル)アミン)を合成した。
得られた配位子の結晶1.0g(0.003mol)をエタノール100mlに溶解し、この溶液に塩化マンガン・4水和物0.68g(0.003mol)を室温下で添加した。減圧下エタノールを約50mlになるまで濃縮した後、5℃下で24時間放置した。析出した結晶をろ別し(トリス((2−ピリジル)メチル)アミン−マンガン錯体(比較品)の結晶1.1gを得た。
【0075】
d−18:(N,N’−エチレンビス(4−ヒドロキシサリチリデンイミネート))−マンガン錯体の合成
材料として、エチレンジアミン(東京化成工業(株)製 試薬)、2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(関東化学(株)製 試薬)、塩化マンガン・4水和物(関東化学(株)製 試薬)、メタノール(関東化学(株)製 試薬)、エタノール(甘糟化学産業(株)製 試薬)を用い、以下の方法で合成を行った。エチレンジアミン30.1g(0.501mol)を反応容器に入れメタノール300mlで溶解し、0℃に冷却した。これに2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド138.1g(1.000mol)をメタノール100mlで溶解した溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後さらに0℃で1時間攪拌した。攪拌終了後、0℃で3時間放置後、析出した黄色の結晶を桐山ロートを用いてろ過した。得られた結晶を500mlのエタノールで再結晶を行ない精製しN,N’−エチレンビス(4−ヒドロキシサリチリデンイミネート)の結晶135gを得た。上記で得られたN,N’−エチレンビス(4−ヒドロキシサリチリデンイミネート)の結晶1.0g(0.003mol)をエタノール100mlに溶解し、この溶液に塩化マンガン・4水和物0.66g(0.003mol)を室温下で添加した。減圧下エタノールを約50mlになるまで濃縮した後、5℃下で24時間放置した。析出した茶色の結晶をろ別し(N,N’−エチレンビス(4−ヒドロキシサリチリデンイミネート))−マンガン錯体(d−18)の結晶1.0gを得た。
【0076】
d−5:(トリス(サリチリデンイミノエチル)アミン)−マンガン錯体の合
材料としてトリス(2−アミノエチル)アミン(東京化成工業(株)製 試薬)、サリチルアルデヒド(東京化成工業(株) 試薬)、塩化マンガン・4水和物(関東化学(株)製 試薬)、メタノール(関東化学(株)製 試薬)、エタノール(甘糟化学産業(株)製 試薬)を用い、以下の方法で合成を行った。
トリス(2−アミノエチル)アミン48.7g(0.333mol)を反応容器に入れメタノール300mlで溶解し、0℃に冷却した。これにサリチルアルデヒド121.9g(0.998mol)をメタノール100mlで溶解した溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後さらに0℃で1時間攪拌した。攪拌終了後、0℃で3時間放置後、析出した黄色の結晶を桐山ロートを用いてろ過した。得られた結晶を500mlのエタノールで再結晶を行ない精製しトリス(サリチリデンイミノエチル)アミンの結晶143gを得た。
上記で得られたトリス(サリチリデンイミノエチル)アミンの結晶1.0g(0.002moL)をエタノール100mlに溶解し、この溶液に塩化マンガン・4水和物0.43g(0.002mol)を室温下で添加した。減圧下エタノールを約50mlになるまで濃縮した後、5℃下で24時間放置した。析出した深緑色の結晶をろ別し(トリス(サリチリデンイミノエチル)アミン)−マンガン錯体(d−5)の結晶1.1gを得た。
【0077】
【表1】
Figure 0004186037
【0078】
【表2】
Figure 0004186037
【0079】
【表3】
Figure 0004186037
【0080】
【表4】
Figure 0004186037
【0081】
【表5】
Figure 0004186037
【0082】
【表6】
Figure 0004186037
【0083】
【表7】
Figure 0004186037
【0084】
用いた各ラジカルトラップ剤の酸化還元電位と疎水性パラメーターlogP値を表8に示す。
【0085】
【表8】
Figure 0004186037
【0086】
(I)紅茶汚染布の調製
日東紅茶(黄色パッケージ)84gを4Lの水道水にて15分間煮沸した後、糊抜きしたサラシ木綿でこし、この液に35×35cmの平織り木綿布(#100)120gを浸し、15分間煮沸した。そのまま火よりおろし、2時間放置後、自然乾燥させ、洗液に色の付かなくなるまで水道水で洗い、脱水し、プレスした後、5×5cmの試験片とし、実験に供した。
【0087】
(II)人工鉄水の作成
鉄くぎ(JIS A5508 N75)4kgを表面の油がとれるまで市販の台所用洗剤(ライオン社製 商品名:ママレモン)で十分洗い、泡が消えるまですすいだ後、水道水18Lに入れ、120時間放置した後、くぎを取り除き、オルトフェナントロリン法により鉄の濃度を測定し、実験に供した。(鉄分濃度:88.3ppm)
【0088】
(III)漂白率
上記で得られた汚染布5枚を用いて、以下の漂白率の試験を行った。なお、表9に示す液体漂白性組成物については、塗布つけ置き漂白率を、表10及び11に示す粉末漂白性組成物は、つけ置き漂白率を試験した。
【0089】
塗布つけ置き漂白率は、各汚染布に表9に示す液体漂白性組成物を1mlずつ塗布し、5分間放置した後、500mlの市販洗剤溶液(0.3質量%、脱イオン水及び人工鉄水を使用し、塩化カルシウムを用いて3°DH硬水に調整)を注ぎ入れ、つけ置き6時間を行った後、水道水すすぎ2分間、脱水1分間を行い、25℃で12時間風乾した。(市販洗剤:Newトップ、ライオン(株)製)
【0090】
つけ置き漂白率は、表10及び11に示す粉末漂白性組成物が0.5質量%濃度(脱イオン水及び人工鉄水を使用し、塩化カルシウムを用いて3°DH硬水に調整)の試験溶液200mlを調製し、つけ置き6時間を行った後、水道水すすぎ2分間、脱水1分間を行い、25℃で12時間風乾した。
【0091】
なお、塗布つけ置き及びつけ置きの処理条件は以下の通りである。
つけ置き温度;25℃、鉄分濃度:2ppm
【0092】
原布及び洗浄前後の反射率は、日本電色工業(株)製、NDR−101DPで460nmのフィルターを使用して測定し、次式により洗浄漂白率を求め、漂白性能の評価を行った。漂白率は、5枚の汚染布に対する漂白率の平均値を求め、下記基準で評価した。結果を表9〜11に示した。
【0093】
基準組成(25℃、3°DH、鉄分なし、6時間つけ置き)
塗布つけ置きの場合:過酸化水素5%(pH=6)(漂白率55%)
つけ置きの場合:過炭酸ナトリウム50%、(漂白率45%)
【0094】
【数2】
Figure 0004186037
【0095】
×:基準組成に比べて漂白率が低い
△:基準組成に比べて漂白率が同等以上、0%以上+5%未満
○:基準組成に比べて漂白率が高く、+5%以上10%未満
◎:基準組成に比べて漂白率が著しく高く、+10%以上
【0096】
(IV)過酸化水素残存率の測定
表9に示す液体漂白性組成物については、2mlを200mlの市販洗剤溶液(0.3質量%、脱イオン水及び人工鉄水を使用し、塩化カルシウムを用いて3°DH硬水に調整)に溶解し、過酸化水素の残存率の測定を行った。(市販洗剤:Newトップ、ライオン(株)製)
【0097】
表10及び11に示す粉末漂白性組成物が0.5質量%濃度(脱イオン水及び人工鉄水を使用し、塩化カルシウムを用いて3°DH硬水に調整)の試験溶液200mlを調製し、過酸化水素の残存率の測定を行った。
【0098】
液体漂白性組成物及び粉末漂白性組成物の処理条件は以下の通りである。
処理温度;25℃、鉄分濃度:2ppm
【0099】
4時間後の過酸化水素の残存量をヨードメトリー法により測定し、以下の式により過酸化水素残存率を算出し、下記基準で評価した結果を表9〜11に示した。
【0100】
【数3】
Figure 0004186037
【0101】
×:過酸化水素残存率が50%未満
△:過酸化水素残存率が50%以上70%未満
○:過酸化水素残存率が70%以上90%未満
◎:過酸化水素残存率が90%以上
【0102】
【表9】
Figure 0004186037
【0103】
【表10】
Figure 0004186037
【0104】
【表11】
Figure 0004186037
【0105】
[実験例]
(I)漂白活性化触媒/ラジカルトラップ剤含有造粒物の調製
上記実施例に使用したラジカルトラップ剤と漂白活性化触媒((トリス(サリチリデンイミノエチル)アミン)−マンガン錯体)をポリエチレングリコール(重量平均分子量6000、融点58℃)を用いて造粒した。即ち、表12の組成となるように、60℃で融解したポリエチレングリコールに、ラジカルトラップ剤、漂白活性化触媒を溶解、均一に分散し、必要に応じてアニオン界面活性剤(アルキル鎖長14、AOS−Na)と混合した後、常法に準じて粉砕造粒を行った。
【0106】
実験に用いたラジカルトラップ剤及び造粒物(漂白活性化触媒/ラジカルトラップ剤含有造粒物)の略称と混合割合を表12に示す。なお、平均粒径は、ふるいを用いて粒度分布を求め、算出した。
【0107】
【表12】
Figure 0004186037
【0108】
(II)貯蔵後の過炭酸ナトリウムの安定性
容量20mlのねじ口瓶に過炭酸ナトリウム1.25g、漂白活性化触媒/ラジカルトラップ剤含有造粒物0.10g(b−1、b−2及びb−3についてはラジカルトラップ剤0.02g、漂白活性化触媒((トリス(サリチリデンイミノエチル)アミン)−マンガン錯体)0.01g、HEDP−4Na0.025gを入れ、炭酸ナトリウムを加えて全体を2.50gにした後、キャップをしめ、全体が均一になるように振り混ぜ、25℃で2週間保存した後、ヨードメトリー法により、残存過酸化水素量を測定し、以下の式により過炭酸ナトリウムの安定性を算出した。結果を表13に示す。
【0109】
【数4】
Figure 0004186037
【0110】
(III)漂白活性化触媒/ラジカルトラップ剤含有造粒物の溶解性
500ml容のビーカーに25℃の水道水500gを取り、過炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウムを各1.25g溶解した後、漂白活性化触媒/ラジカルトラップ剤含有造粒物0.10gを入れ、目視により造粒物が溶解及び均一に分散するまでの時間を測定し、下記基準で評価した。結果を表13に示す。
【0111】
○:溶解及び均一に分散するまでの時間が3分未満
△:溶解及び均一に分散するまでの時間が3分以上7分未満
×:溶解及び均一に分散するまでの時間が7分以上
【0112】
【表13】
Figure 0004186037

Claims (5)

  1. (a)過酸化水素又は水に溶解して過酸化水素を発生する過酸化物、(b)フェノール系ラジカルトラップ剤、(c)ホスホン酸系金属捕捉剤及び(d)下記式(d−5)又は(d−18)で表される配位子と遷移金属とを含む漂白活性化触媒を含有することを特徴とする漂白性組成物。
    Figure 0004186037
  2. 上記漂白性組成物が粉末、顆粒、タブレット、ブリケット、シート又はバー等の固体状漂白性組成物であって、該漂白性組成物を脱イオン水中に1質量%となるように希釈した時の無機イオンのイオン強度の合計が0.15〜0.27となるように、更に、(e)無機化合物を含有してなる請求項1記載の漂白性組成物。
  3. 上記(d)成分が、(トリス(サリチリデンイミノエチル)アミン)−マンガン錯体又は(N,N’−エチレンビス(4−ヒドロキシサリチリデンイミネート))−マンガン錯体である請求項1又は2記載の漂白性組成物。
  4. 上記(d)成分が、下記式(d−18)で表される配位子と遷移金属とを含む漂白活性化触媒である請求項1又は2記載の漂白性組成物。
    Figure 0004186037
  5. 上記漂白性組成物が粉末、顆粒、タブレット、ブリケット、シート又はバー等の固体状漂白性組成物であって、上記(b)成分と、上記(d)成分と、界面活性剤及び/又は融点37〜65℃のバインダー化合物とを含む複合粒子を含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の漂白性組成物。
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