JP2012140555A - 粒状洗剤用の香料含有粒子および粒状洗剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】香り立ちおよびその持続性に優れた粒状洗剤用の香料含有粒子および粒状洗剤組成物を提供する。
【解決手段】(A)炭酸水素塩と、(B)水0.01〜3質量%と、(C)香料0.05〜3質量%とを配合してなり、前記(C)香料組成物が、水酸基およびカルボキシル基のいずれか一方または両方を有する化合物を少なくとも20質量%含有することを特徴とする粒状洗剤用の香料含有粒子。
【選択図】なし

Description

本発明は、粒状洗剤用の香料含有粒子および粒状洗剤組成物に関する。
従来、洗濯に用いられる洗剤に、衣類等の被洗物への香りの付与、界面活性剤を主体とする基剤の臭いのマスキング等により製品価値の向上を図るため、香料を配合することが行われている。粒状洗剤に香料を配合する方法としては、界面活性剤等の洗剤成分を含有する粒子に対して香料を噴霧する方法が一般的である。また、香料を粉末化して洗剤に配合する方法も提案されている(たとえば特許文献1)。
一方、近年、生活で使用する製品の香りについてのニーズは多種多様になっており、香りの好みや拡散性、持続性等についての研究が数多くなされている。たとえば芳香剤の香りを急速に拡散させる技術として、香料と炭酸塩と有機酸とを組み合わせることが提案されている(たとえば特許文献2)。かかる芳香剤に多量の水を添加すると、炭酸塩と有機酸との中和反応により発泡(炭酸ガス)が生じるとともに発熱する。この発泡および熱により香りが急速に空間内に拡散するとされている。
特開平1−170696号公報 特開平11−286431号公報
香料を噴霧する方法や特許文献1に記載の方法で香料が配合された粒状洗剤は、香り立ちやその持続性が不充分である。たとえば粒状洗剤を容器に収容して洗剤製品とした場合に、容器を開けた時に使用者が感知する香りの強さが弱かったり、開封当初は香りが充分に強くても、容器の開け閉めを繰り返すと急速に香りが弱くなってしまう。
なお、特許文献2に記載されるような香料と炭酸塩と有機酸とを組み合わせる技術は、水を添加した際に香りが急速に空間内に拡散するようにする技術であり、製剤自体の香り立ちを向上させるものではない。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、香り立ちおよびその持続性に優れた粒状洗剤用の香料含有粒子および粒状洗剤組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、以下の態様を有する。
[1](A)炭酸水素塩と、(B)水0.01〜3質量%と、(C)香料0.05〜3質量%とを配合してなり、前記(C)香料が、水酸基およびカルボキシル基のいずれか一方または両方を有する化合物を少なくとも20質量%含有することを特徴とする粒状洗剤用の香料含有粒子。
[2]前記(A)炭酸水素塩に対する前記(C)香料の割合が0.05〜10質量%であり、かつ前記(B)水に対する前記(C)香料の割合が2〜5000質量%である、請求項1に記載の粒状洗剤用の香料含有粒子。
[3]請求項1または2に記載の粒状洗剤用の香料含有粒子と、洗剤成分含有粒子とを含有する粒状洗剤組成物。
[4]前記洗剤成分含有粒子の水分が3〜10質量%である、請求項3に記載の粒状洗剤組成物。
[5]前記洗剤成分含有粒子が、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を少なくとも8質量%含有する請求項3または4に記載の粒状洗剤組成物。
本発明によれば、香り立ちおよびその持続性に優れた粒状洗剤用の香料含有粒子および粒状洗剤組成物を提供できる。
≪粒状洗剤用香料含有粒子≫
本発明の粒状洗剤用の香料含有粒子(以下、単に香料含有粒子という。)は、下記(A)〜(C)成分を含有する。
<(A)成分>
(A)成分は、炭酸水素塩である。「炭酸水素塩」は、炭酸水素イオン(HCO )と、その対イオンとからなるものである。該対イオンとしては、炭酸水素イオンと塩を形成し得るカチオンであれば特に限定されず、たとえばLi、Na、K等のアルカリ金属イオン、Mg、Ca等のアルカリ土類金属イオン、NHイオン、Cuイオン、Feイオン、Baイオン、Znイオン等が挙げられる。これらの中でも、本発明の効果に優れることから、アルカリ金属イオン、NHイオンが好ましく、Naイオンが特に好ましい。
香料含有粒子中の(A)成分の配合量は、香料含有粒子の全量に対し、70質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。上限は、(B)成分および(C)成分との合計量が100質量%以下となる量であればよく、最大で99.94質量%あり、99.8質量%以下が好ましい。
<(B)成分>
(B)成分は、水である。水としては、イオン交換水、蒸留水、水道水等が利用できる。
香料含有粒子中の(B)成分の配合量、つまり水分量は、香料含有粒子の全量に対し、0.01〜3質量%であり、0.1〜2.5質量%が好ましく、0.5〜1.5質量%がより好ましい。水分量が0.01質量%未満または3質量%超であると、香り立ちが悪くなる。また、水分量が3質量%越であると、香料含有粒子がべとついたり固化することがあり、粒状洗剤組成物とする際に洗剤成分含有粒子と均一に混合することが難しくなる。
香料含有粒子中の水分量は、赤外線水分計(たとえば株式会社ケツト科学研究所製Kett水分計)により20分間130℃加熱後の蒸発揮発分として測定される値である。ただし、(A)成分は130℃で加熱すると完全に分解するため、(A)成分の理論分解量から算出される(A)成分由来の水分量を、赤外線水分計による測定値から差し引くことにより、香料含有粒子中の水分量が算出される。
(A)成分が炭酸水素ナトリウムである場合を例に挙げて説明すると、二分子の炭酸水素ナトリウムは、上記した水分量の測定における加熱により、一分子の二酸化炭素と一分子の水を生成し揮発する。そのため、例えば、香料含有粒子中に炭酸水素ナトリウムを10質量%含有する場合は、その内、分解によって揮発する3.7質量%を上記測定値から差し引いたものを香料含有粒子中の水分とする。後述する洗剤成分含有粒子((Y)粒子)や粒状洗剤組成物中の水分量も同じ手順で算出される。
<(C)成分>
(C)成分は、香料である。「香料」は、少なくとも1種の香料成分を含有するものであり、必要に応じて、溶剤(香料用溶剤)が配合される。香料成分は、所望の香りに応じて適宜選定され、通常は複数の香料成分が組み合わされる。
香料成分としては、特に限定されず、洗剤や繊維用仕上げ剤、毛髪化粧料等に一般的に使用される香料成分を使用できる。このような香料成分の具体例としては、例えば下記に示すようなフェノール類、アルコール類、カルボン酸類、アルデヒド類、エーテル類、エステル類、ハイドロカーボン類、ケトン類、ラクトン類、ムスク類、天然香料、動物性香料などが挙げられる。
前記カルボン酸類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゲラニル酸、シトロネリル酸、フェニルプロピオン酸、桂皮酸、2−メチル−2−ペンテノ酸、アントラニル酸、安息香酸、フェニル酢酸などが挙げられる。
前記フェノール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オイゲノール、イソオイゲノール、メチルイソオイゲノール、エチルイソオイゲノール、エチルオイゲノール、ベンジルオイゲノール、ベンジルイソオイゲノール、アセチルオイゲノール、アセチルイソオイゲノール、メチルオイゲノール、ラズベリーケトン、バニリンプロピレングリコールアセタール、サリチル酸エチル、サリチル酸ベンジル、などが挙げられる。
前記アルコール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、バクダノール、シトロネロール、ジハイドロミルセノール、ジハイドロリナロール、ゲラニオール、リナロール、ネロール、サンダロール、サンタレックス、ターピネオール、テトラハイドロリナロール、フェニルエチルアルコール、trans−2−ヘキセノール、trans−3−ヘキセノール、ミルセノール、ジヒドロミルセノール、テトラヒドロミルセノール、テルピネオール、ファルネソール、ネロリドール、1−オクタノール、1−ノナノール、リーフアルコール、メントール、マツタケオール、1,8−シネオール、チャビコール、カルバクロール、クミンアルコール、アニスアルコール、チモール、テトラヒドロリナロール、ベンジルアルコール、β−フェニルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、スチラリルアルコール、シンナミックアルコール、フェノキシエチルアルコール、リナロールオキサイド、グアヤコール、ヒドロキシシトロネラール、ネロール、セドロール、サンタリノール、アンブリノール、チンベロール、ボルネオール、イソボルネオール、ポリサントール、バニリン、マルトール、エチルマルトール、ベチベロール、パチュリアルコール、オランチオール、アネトール、4−ダマスコール、ガルバナムレジノイド、などが挙げられる。
前記アルデヒド類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウンデシレンアルデヒド、ラウリルアルデヒド、アルデヒドC−12MNA、ミラックアルデヒド、α−アミルシンナミックアルデヒド、シクラメンアルデヒド、シトラール、シトロネラール、エチルバニリン、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、オクタナール、リグストラール、リリアール、リラール、トリプラール、バニリン、ヘリオナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、ドデカナール、cis−3−ヘキサナール、ベンズアルデヒド、ミュゲアルデヒド、デュピカール、ブルジェオナール、シンナミックアルデヒド、ジャスマール、リガントラールなどが挙げられる。
前記エーテル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セドランバー、グリサルバ、β−ナフトールメチルエーテル、β−ナフトールエチルエーテル、ヘルボオキサイド、ローズオキサイドなどが挙げられる。
前記エステル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シス−3−ヘキセニルアセテート、シス−3−ヘキセニルプロピオネート、シス−3−ヘキセニルサリシレート、p−クレジルアセテート、p−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、アミルアセテート、メチルジヒドロジャスモネート、アミルサリシレート、ベンジルベンゾエート、ベンジルアセテート、セドリルアセテート、シトロネリルアセテート、デカハイドロ−β−ナフチルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、エリカプロピオネート、エチルアセトアセテート、エリカアセテート、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、シトロネリルフォーメート、ネリルフォーメート、ヘディオン、リナリルアセテート、β−フェニルエチルアセテート、トリシクロデセニルアセテート、シンナミルアセテート、ヘキシルサリシレート、スチラリルアセテート、ターピニルアセテート、ベチベリルアセテート、o−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、マンザネート、アリルヘプタノエート、アリルアミルグリコレート、エチルアセテート、ネリルアセテート、イソボルニルアセテート、アントラニル酸メチル、アントラニル酸cis−3−ヘキセニル、アントラニル酸フェニルエチル、アントラニル酸シンナミル、N−メチルアントラニル酸メチル、プロピオン酸トリシクロデセニル、プロピオン酸ベンジル、ジャスモン酸メチル、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸エチル、エチル−2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカーボネート、フルテートなどが挙げられる。
前記ハイドロカーボン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、d−リモネン、α−ピネン、β−ピネン、ミルセン、3−カレン、β-カリオレフィン、p−サイメン、セドレン、シトロネリルニトリル、レモニール、インドール、6−イソプロピルキノリン、イソブチルキノリン、2−イソブチルキノリン、ベンゾチアゾール、ミントスルフィドなどが挙げられる。
前記ケトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α−イオノン、β−イオノン、メチル−β−ナフチルケトン、α−ダマスコン、β−ダマスコン、δ−ダマスコン、シス−ジャスモン、メチルイオノン、アリルイオノン、カシュメラン、ジハイドロジャスモン、ベルトフィックス、イソロンジフォラノン、コアボン、ローズフェノン、ダイナスコン、ヌートカトン、カルボン、メントン、フロラロゾン、ダマセノン、カロン、イソジャスモン、ヨノン、メチルヨノン、トナリド、ベルドックス、イソ・イー・スーパーなどが挙げられる。
前記ラクトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、γ−ノナラクトン、γ−ドデカラクトン、クマリン、アンブロキサン、アンブレットリド、ペンタリド、ハバノリド、トラセオライドなどが挙げられる。
前記ムスク類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シクロペンタデカノライド、エチレンブラシレート、ガラキソライド、ムスクケトン、トナリッド、ニトロムスク、ムスクアンブレット、ムスクチベテン、ムスコン、アンブレットリド、シクロヘキサデカノリド、ガラクソリド類などが挙げられる。
前記天然香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オレンジ油、レモン油、ライム油、プチグレン油、ユズ油、ネロリ油、ベルガモット油、ラベンダー油、ラバンジン油、アビエス油、アニス油、ベイ油、ボアドローズ油、イランイラン油、シトロネラ油、ゼラニウム油、ペパーミント油、ハッカ油、スペアミント油、ユーカリ油、レモングラス油、パチュリ油、ジャスミン油、ローズ油、シダー油、ベチバー油、ガルバナム油、オークモス油、パイン油、樟脳油、白檀油、芳樟油、テレピン油、クローブ油、クローブリーフ油、カシア油、ナツメッグ油、カナンガ油、タイム油、マンダリン油、バジル油、フェンネル油、クラリセージ油、ローズマリー油、キャラウェーシード油、コリアンダー油、サンダルウッド油、アンブレット・シード油、エレミオレオレジン、エレミアブソリュート、グァヤックウッド油、スチラックス油、パチョリ油、ラブダナム油、ミモザコンクリート、ジャスミンコンクリート、ローズコンクリート、ローズワックス、ジャスミンワックス、オレンジフラワーアブソリュート、バイオレットアブソリュート、オポパナックスレジノイド、カストリウムアブソリュート、イリスレジノイド、オリバナムレジノイド、コパイババルサム、トルーバルサム、バニラアブソリュート、ベンゾインレジノイドなどの精油が挙げられる。
前記動物性香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、じゃ香、霊猫香、海狸香、竜涎香などが挙げられる。
香料用溶剤としては、たとえば、エタノール、アセチン(トリアセチン)、MMBアセテート(3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート)、スクロースジアセテートヘキサイソブチレート、エチレングリコールジブチレート、ヘキシレングリコール、ジブチルセバケート、デルチールエキストラ(イソプロピルミリステート)、メチルカルビトール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)、カルビトール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、TEG(トリエチレングリコール)、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、フタル酸ジエチル、トリプロピレングリコール、アボリン(ジメチルフタレート)、デルチルプライム(イソプロピルパルミテート)、ジプロピレングリコールDPG−FC(ジプロピレングリコール)、ファルネセン、ジオクチルアジペート、トリブチリン(グリセリルトリブタノエート)、ヒドロライト−5(1,2−ペンタンジオール)、プロピレングリコールジアセテート、セチルアセテート(ヘキサデシルアセテート)、エチルアビエテート、アバリン(メチルアビエテート)、シトロフレックスA−2(アセチルトリエチルシトレート)、シトロフレックスA−4(トリブチルアセチルシトレート)、シトロフレックスNo.2(トリエチルシトレート)、シトロフレックスNo.4(トリブチルシトレート)、ドゥラフィックス(メチルジヒドロアビエテート)、MITD(イソトリデシルミリステート)、ポリリモネン(リモネンポリマー)、1,3−ブチレングリコール、ジブチルヒドロキシトルエン、ハーコリン等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明において(C)成分は、水酸基およびカルボキシル基のいずれか一方または両方を有する化合物(以下、OH/COOH含有化合物という。)を少なくとも20質量%含有する。これにより、香料含有粒子およびこれを配合した粒状洗剤の香り立ちが大きく向上する。
OH/COOH含有化合物は、香料成分であってもよく、香料用溶剤であってもよい。
たとえば水酸基およびカルボキシル基の一方または両方を有する香料成分としては、上述した香料成分のうち、カルボン酸類、フェノール類、アルコール類等が挙げられる。
水酸基およびカルボキシル基の一方または両方を有する香料用溶剤としては、たとえば、エタノール等の1価アルコール類、プロピレングリコール、カルビトール、ジプロピレングリコールDPG−FC、1,3−ブチレングリコール等のグリコール類、ジブチルヒドロキシトルエン等のフェノール類などが挙げられる。
(C)成分中、OH/COOH含有化合物の割合は、(C)成分の全量に対し、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。上限は特に限定されず、100質量%であってもよいが、香りのバランスを考慮すると、75質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。
香料含有粒子中の(C)成分の配合量は、香料含有粒子の全量に対し、0.05〜3質量%であり、0.1〜2.0質量%が好ましく、0.1〜1.0質量%がより好ましい。0.05質量%未満であると香り立ちが不充分となる。3質量%を超えて配合した場合、(C)成分自体による香りの強度が強くなるため、(A)成分および(B)成分を配合することによる香り立ち向上効果の有用性は低い。本発明においては、(C)成分の配合量が3質量%以下という少量であっても良好な香り立ちを有する点で有用である。
本発明において、香料含有粒子中の(A)成分に対する(C)成分の割合(C/A×100)は、0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましく、0.1〜2質量%がさらに好ましい。この範囲とすることで、(C)成分が(A)成分の微量分解を促進させ、良好な香り立ちが得られる。
香料含有粒子中の(B)成分に対する(C)成分の割合(C/B×100)は、2〜5000質量%が好ましく、10〜500質量%がより好ましい。この範囲内となることで相乗的に香り立ちが向上する。
香料含有粒子に、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)〜(C)成分以外の他の成分を配合してもよい。該他の成分としては、たとえば、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどの中性無機塩等が挙げられる。
ただし本発明の効果を考慮すると、香料含有粒子中の(A)〜(C)成分の合計の割合は、香料含有粒子の全量に対し、60質量%以上が好ましく、75質量%以上がより好ましく、100質量%が最も好ましい。すなわち、香料含有粒子は、(A)〜(C)成分からなることが最も好ましい。
香料含有粒子の平均粒子径は、特に制限されないが、50〜1000μmが好ましく、50〜500μmがより好ましく、100〜300μmがさらに好ましい。平均粒子径が小さすぎると、固結が促進されたり、粉立ちが悪化するおそれがある。平均粒子径が大きすぎると、比表面積が低下し、香り立ちの向上効果が不充分となるおそれがある。
ここで、本明細書において、「平均粒子径」は、日本薬局方に記載された粒度の試験に準じた篩い分けによる粒度分布から算出される値を示す。具体的には、たとえば特開2004−331816号公報等に記載のように、以下の手順で測定できる。
まず、測定対象のサンプル(香料含有粒子や後述する洗剤成分含有粒子)について、目開き1680μm、1410μm、1190μm、1000μm、710μm、500μm、350μm、250μmおよび149μmの9段の篩と、受け皿とを用いて分級操作を行う。分級操作は、受け皿に、目開きの小さな篩から目開きの大きな篩の順に積み重ね、最上部の1680μmの篩の上から100g/回の粒状洗剤組成物を入れ、蓋をしてロータップ型篩い振盪機((株)飯田製作所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させた後、それぞれの篩及び受け皿上に残留したサンプルを篩目ごとに回収して、サンプルの質量を測定する。受け皿と各篩との質量頻度を積算してゆき、積算の質量頻度が50%以上となる最初の篩の目開きを「aμm」とし、aμmよりも一段大きい篩の目開きを「bμm」とする。また、受け皿からaμmの篩までの質量頻度の積算値を「c%」とし、aμmの篩上の質量頻度を「d%」とする。これらa〜dの値および次式から求められる平均粒子径(質量50%径)を、サンプルの平均粒子径とする。
Figure 2012140555
本発明の香料含有粒子の製造方法は特に限定されず、常法により製造できる。
たとえば、(A)成分の粒子を混合機に投入し、(B)成分および(C)成分を噴霧しながら混合することにより香料含有粒子を製造できる。
本発明の香料含有粒子は、前記(A)〜(C)成分を含有することにより、香り立ちおよびその持続性に優れたものとなっている。
かかる効果が得られる理由は、定かではないが、以下のように推定される。
まず、香料含有粒子中において、(B)成分および(C)成分は多量の(A)成分中に保持されている。この(B)成分および(C)成分の割合が所定の範囲内である場合、(A)成分の分解反応が少しずつ進行し、微量の炭酸ガスを発生する。ここで微量に発生する無臭気体成分である炭酸ガスが、(C)成分に含まれる香料成分の揮散を促進し、香り全体を際立たせる効果を発現させていると考えられる。また、発生する炭酸ガスが微量であることにより、香料成分の揮散速度が緩やかとなり、良好な香り立ちを長期にわたって維持できると考えられる。
このとき、(B)成分は(A)成分の分解を促進し、上記効果を高める。ただし香料含有粒子中の(B)成分が3%を超えている場合、香り立ちの向上効果は逆に低下する。これは、(A)成分が水を保持できず、香料含有粒子が固化したり、粒子の形状を保てなくなり、その結果、香料含有粒子の比表面積が小さくなるためと推定される。
(C)成分中のOH/COOH含有化合物は、(B)成分と同様、(A)成分の分解を促進し、上記効果を高める。香料含有粒子中、(B)成分には、香料含有粒子中の炭酸水素塩やその他の無機化合物に由来する電解質が多量に含まれている。OH/COOH含有化合物は、この(B)成分に微量に溶解分散することにより香料含有粒子内を部分的に酸性化し、(A)成分の分解および炭酸ガスの発生を促進しているものと推定される。実際、本発明者らは、この酸性化の確認のため、電解質を多量に含有する水として飽和食塩水を用い、(C)成分の抽出操作を、OH/COOH含有化合物の含量を変化させて行った。この抽出前後の飽和食塩水のpHを測定すると、OH/COOH含有化合物の含量が多いものほど抽出後の飽和食塩水のpHが低いことが確認できた。
≪粒状洗剤組成物≫
本発明の粒状洗剤組成物は、前記本発明の香料含有粒子(以下、(X)粒子ということがある。)と、洗剤成分含有粒子(以下、(Y)粒子ということがある。)とを含有する。
(Y)粒子が含有する洗剤成分としては、特に限定されず、従来、衣類用等の各種粒状洗剤組成物に配合されている成分のなかから適宜選択できる。このような成分としては、たとえば、界面活性剤、洗浄性ビルダー、蛍光増白剤、酵素、酵素安定剤、その他のポリマー類、ケーキング防止剤、消泡剤、還元剤、金属イオン捕捉剤、pH調整剤、色素、香料等が挙げられる。
(Y)粒子中のこれら各成分の含有量は、粒状洗剤組成物としたときの洗浄性能、(X)粒子との混合比率等を考慮して、粒状洗剤組成物中の当該成分の含有量が所定の範囲内となるように設定される。
上記のうち、香料としては、前記(C)成分の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。ただし、(Y)粒子が含有する香料中のOH/COOH含有化合物の割合は特に限定されない。
(Y)粒子は、香料を含有してもしなくてもよいが、本発明の効果の点で、(Y)粒子中に含まれる全香料のうち50質量%以上が(X)粒子に含まれることが好ましい。なかでも、全香料が(X)粒子に含まれ、他の粒子(たとえば(Y)粒子)は香料を含有しないことが好ましい。
以下に、香料以外の成分についてより詳細に説明する。
<界面活性剤>
[アニオン界面活性剤]
アニオン界面活性剤としては、たとえば以下に示す(1−1)〜(1−12)等が挙げられる。
(1−1)α−スルホ脂肪酸のアルキルエステル(α−SF)塩。
α−スルホ脂肪酸は、脂肪酸のα位(カルボキシ基が結合した炭素原子)にスルホ基(−SOH)が結合した化合物である。α−スルホ脂肪酸は飽和でも不飽和でもよく、その炭素数は8〜20が好ましく、炭素数10〜18がより好ましく、炭素数12〜18がさらに好ましい。
α−SFにおいてエステルを構成するアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、その炭素数は1〜6が好ましく、1〜3がより好ましく、メチル基、エチル基またはプロピル基がさらに好ましい。
α−SF塩としては、α−スルホ脂肪酸のメチルエステル塩(MES)が特に好ましい。
(1−2)脂肪酸の平均炭素数が10〜20の高級脂肪酸塩。
(1−3)炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS又はABS)。
(1−4)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩。
(1−5)炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
(1−6)炭素数10〜20のアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩(AS)。
(1−7)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドが平均0.5〜10モル付加された炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸塩(AES)。
AESに付加されるアルキレンオキサイドは、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか1種、又はエチレンオキサイド(EO)およびプロピレンオキサイド(PO)の2種であることが好ましい。EOおよびPOを付加する場合、それらのモル比(EO/PO)は、0.1/9.9〜9.9/0.1の範囲内であることが好ましい。
(1−8)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドが平均3〜30モル付加された炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル硫酸塩。
アルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル硫酸塩に付加されるアルキレンオキサイドは、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか1種、又はエチレンオキサイド(EO)およびプロピレンオキサイド(PO)の2種であることが好ましい。EOおよびPOを付加する場合、それらのモル比(EO/PO)は、0.1/9.9〜9.9/0.1の範囲内であることが好ましい。
(1−9)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドが平均0.5〜10モル付加された炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸塩。
アルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸塩に付加されるアルキレンオキサイドは、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか1種、又はエチレンオキサイド(EO)およびプロピレンオキサイド(PO)の2種であることが好ましい。EOおよびPOを付加する場合、それらのモル比(EO/PO)は、0.1/9.9〜9.9/0.1の範囲内であることが好ましい。
(1−10)炭素数10〜20のアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩(たとえばアルキルグリセリルエーテルスルホン酸塩)。
(1−11)長鎖モノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
ここで、「長鎖」のアルキル基の炭素数は10〜20が好ましく、12〜18がより好ましい。
(1−12)ポリオキシエチレンモノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
これらのアニオン界面活性剤において、塩としては、たとえばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、エタノールアミン塩等のアミン塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
これらのアニオン界面活性剤は、いずれか1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[ノニオン界面活性剤]
ノニオン界面活性剤としては、例えば、以下に示す(2−1)〜(2−8)等が挙げられる。
(2−1)炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを平均3〜30モル、好ましくは5〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル。
この中でも、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好適である。ここで使用される脂肪族アルコールとしては、第1級アルコール、第2級アルコールが挙げられる。また、そのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが好ましい。
(2−2)ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル。
(2−3)長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキサイドが付加した脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート。
ここで、長鎖脂肪酸の炭素数は6〜22であり、8〜18が好ましい。
該脂肪酸アルキルエステルアルコキシレートとしては、例えば下記一般式(I)で表されるものが挙げられる。
21CO(OA)OR22 …(I)
式(I)中、R21COは、炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪酸残基を示し、OAは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の炭素数2〜4、好ましくは2〜3のアルキレンオキサイドの付加単位を示し、nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、一般に3〜30、好ましくは5〜20の数である。R22は炭素数1〜3の置換基を有してもよい低級(炭素数1〜4)アルキル基を示す。
(2−4)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル。
(2−5)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル。
(2−6)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル。
(2−7)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油。
(2−8)グリセリン脂肪酸エステル。
上記のノニオン界面活性剤の中でも、(2−1)、(2−3)のノニオン界面活性剤が好ましく、特に、炭素数12〜16の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを平均5〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好ましい。融点が50℃以下でHLBが9〜16のポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシレート、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシプロポキシレート等が好適に用いられる。
これらのノニオン界面活性剤は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
なお、本発明におけるノニオン界面活性剤のHLBとは、Griffinの方法により求められた値である(吉田、進藤、大垣、山中共編、「新版界面活性剤ハンドブック」、工業図書株式会社、1991年、第234頁参照)。
また、本発明における融点とは、JISK0064−1992「化学製品の融点及び溶融範囲測定方法」に記載されている融点測定法によって測定された値である。
[カチオン界面活性剤]
カチオン界面活性剤としては、たとえば、以下に示す(3−1)〜(3−3)等が挙げられる。
(1)ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
(2)モノ長鎖アルキルトリ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
(3)トリ長鎖アルキルモノ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
ここで、上記の「長鎖アルキル」は炭素数12〜26、好ましくは14〜18のアルキル基を示す。
「短鎖アルキル」は、置換基を有していてもよく、炭素鎖中にエーテル結合を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。該アルキル基が有していてもよい置換基としては、フェニル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基等が挙げられる。「短鎖アルキル」としては、炭素数1〜4、好ましくは1〜2のアルキル基;ベンジル基;炭素数2〜4、好ましくは2〜3のヒドロキシアルキル基;炭素数2〜4、好ましくは2〜3のポリオキシアルキレン基が好適なものとして挙げられる。
[両性界面活性剤]
両性界面活性剤としては、たとえばイミダゾリン系の両性界面活性、アミドベタイン系の両性界面活性剤等を挙げることができる。具体的には、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタインが好適なものとして挙げられる。
<洗浄性ビルダー>
洗浄性ビルダーとしては、無機ビルダーおよび有機ビルダーが挙げられる。
無機ビルダーとしては、たとえば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩;結晶性層状珪酸ナトリウム[たとえば、クラリアントジャパン社製の商品名「Na−SKS−6」(δ−NaO・2SiO)等の結晶性アルカリ金属珪酸塩];非晶質アルカリ金属珪酸塩;硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の硫酸塩;塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩化物;オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、メタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、フィチン酸塩等のリン酸塩;結晶性アルミノ珪酸塩、非晶質(無定形)アルミノ珪酸塩、炭酸ナトリウムと非晶質アルカリ金属珪酸塩の複合体(たとえば、Rhodia社の商品名「NABION15」)等が挙げられる。
上記無機ビルダーの中でも、炭酸ナトリウム、アルミノ珪酸塩、または溶解性向上の効果を併せ持つものとしてカリウム塩(炭酸カリウム、硫酸カリウム等)もしくはアルカリ金属塩化物(塩化カリウム、塩化ナトリウム等)が好ましい。
炭酸ナトリウムを配合する場合、その含有量は、洗浄性能に対する効果の点から、粒状洗剤組成物の総質量に対して、10〜50質量%が好ましく、15〜45質量%がさらに好ましい。
アルミノ珪酸塩としては、結晶性、非晶質(無定形)のいずれのものも用いることができ、カチオン交換能の点から結晶性アルミノ珪酸塩が好ましい。結晶性アルミノ珪酸塩としては、A型、X型、Y型、P型ゼオライト等が好適に配合でき、平均一次粒子径は0.1〜10μmが好ましい。
結晶性アルミノ珪酸塩を配合する場合、その含有量は、洗浄性能および流動性等の粉体物性の点から、粒状洗剤組成物の総質量に対して、好ましくは1〜40質量%が、より好ましくは2〜30質量%である。
炭酸カリウムを配合する場合、その含有量は、溶解性向上の効果の点から、粒状洗剤組成物の総質量に対して、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは2〜12質量%、さらに好ましくは3〜10質量%である。
アルカリ金属塩化物を配合する場合、その含有量は、溶解性向上の効果の点から、粒状洗剤組成物の総質量に対して、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは2〜8質量%、さらに好ましくは3〜7質量%である。
結晶性アルカリ金属珪酸塩を配合する場合、その含有量は、洗浄性能の点から、粒状洗剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.5〜40質量%、より好ましくは1〜25質量%、さらに好ましくは3〜20質量%、特に好ましくは5〜15質量%である。
有機ビルダーとしては、たとえばニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、β−アラニンジ酢酸塩、アスパラギン酸ジ酢酸塩、メチルグリシンジ酢酸塩、イミノジコハク酸塩等のアミノカルボン酸塩;セリンジ酢酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩、ジヒドロキシエチルグリシン塩等のヒドロキシアミノカルボン酸塩;ヒドロキシ酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩等のヒドロキシカルボン酸塩;ピロメリット酸塩、ベンゾポリカルボン酸塩、シクロペンタンテトラカルボン酸塩等のシクロカルボン酸塩;カルボキシメチルタルトロネート、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、酒石酸モノまたはジサクシネート等のエーテルカルボン酸塩;ポリアクリル酸塩、アクリル酸−アリルアルコール共重合体の塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、ポリグリオキシル酸等のポリアセタールカルボン酸の塩;ヒドロキシアクリル酸重合体、多糖類−アクリル酸共重合体等のアクリル酸重合体または共重合体の塩;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラメチレン1,2−ジカルボン酸、コハク酸、アスパラギン酸等の重合体または共重合体の塩;デンプン、セルロース、アミロース、ペクチン等の多糖類酸化物、カルボキシメチルセルロースまたはその塩、ヒドロキシメチルセルロース等の多糖類誘導体等が挙げられる。
上記有機ビルダーの中でも、クエン酸塩、アミノカルボン酸塩、ヒドロキシアミノカルボン酸塩、ポリアクリル酸塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、ポリアセタールカルボン酸の塩が好ましい。特に、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、質量平均分子量が1000〜80000のアクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、ポリアクリル酸塩、質量平均分子量が800〜1000000(好ましくは5000〜200000)のポリグリオキシル酸等のポリアセタールカルボン酸塩(たとえば、特開昭54−52196号公報に記載のもの)が好適である。
粒状洗剤組成物中、有機ビルダーの含有量は、1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましく、2〜5質量%が特に好ましい。
上記洗浄性ビルダーは、いずれか1種を単独で、または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
上記洗浄性ビルダーの中でも、洗浄力、洗濯液中での汚れ分散性が向上することから、クエン酸塩、アミノカルボン酸塩、ヒドロキシアミノカルボン酸塩、ポリアクリル酸塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、ポリアセタールカルボン酸の塩等の有機ビルダーと、ゼオライト等の無機ビルダーとを併用することが好ましい。
また、カルボキシメチルセルロースまたはその塩、ヒドロキシメチルセルロースも好ましい。カルボキシメチルセルロースとしては、特に、エーテル化度0.2〜1.3、かつ、質量平均分子量10万以上のカルボキシメチルセルロースが好ましい。このようなカルボキシメチルセルロースまたはその塩を配合すると、再汚染防止効果が得られる。
カルボキシメチルセルロースとしては、たとえばパルプを原料として、これを苛性ソーダで処理した後、モノクロール酢酸を反応させて得られるアニオン性の水溶性・水不溶性セルロースエーテルが好適なものとして挙げられる。
カルボキシメチルセルロースの塩は、カルボキシメチルセルロース中のカルボキシメチル基の一部または全部が塩を形成しているものであり、塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
カルボキシメチルセルロースまたはその塩の質量平均分子量は、10万以上が好ましく、30万以上がより好ましく、80万以上がさらに好ましい。また、120万以下が好ましく、100万以下がより好ましい。カルボキシメチルセルロースまたはその塩の質量平均分子量が10万以上であると、再汚染防止効果を顕著に向上させることができる。一方、カルボキシメチルセルロースまたはその塩の質量平均分子量が120万以下であれば、溶解性が良好となる。
なお、本発明においてカルボキシメチルセルロースの質量平均分子量は、ゲルろ過クロマトグラフィー(GPC)−示差屈折率検出装置(RI)システムにより測定することが可能であり、溶離液:0.1M NaNO、流速:1ml/min、試料:0.02〜0.3質量% 溶媒は0.1M NaNO、注入量:200μlの操作条件において、質量平均分子量をPEG換算の数値として算出した値を意味する。なお、上記の測定には、装置として、例えば送液ポンプ:Shodex DS−4(昭和電工製)、デガッサー:ERC3115(ERC社製)、カラム:Shodex SB−806MHQ(昭和電工製)、示差屈折率検出器:Shodex RI−71(昭和電工製)などを使用することができる。
カルボキシメチルセルロースまたはその塩は、エーテル化度が0.2〜1.3であることが好ましく、0.2〜0.8であることがより好ましい。上記範囲とすることにより、優れた溶解性、固化性、再汚染防止性を得ることができる。
なお、本発明において、エーテル化度とは、セルロースを構成するグルコース環単位当たり、カルボキシメチル基又はその塩で置換された水酸基の数(下記一般式(C−1)中のR〜Rのうち、カルボキシメチル基(CHCOOH)またはその塩である数)の平均値を意味する。つまり、グルコース環の持つ3つの水酸基のうち、いくつがカルボキシメチル基又はその塩により置換されたかを示すもので、最大3となる。
Figure 2012140555
[式中、R〜Rは、それぞれ独立して水素原子、カルボキシメチル基(CHCOOH)またはその塩を示す。]
カルボキシメチルセルロースまたはその塩として具体的には、ダイセル化学工業(株)から商品名「CMCダイセル」で販売されている、1110、1120、1130、1140、1160、1180、1190、1220、1240、1260、1280、1290、1380、2200、2260、2280、2450、2340等が挙げられ、日本製紙ケミカル(株)から商品名「サンローズ」で販売されているF10LC、F600LC、F1400LC、F10MC、F150MC、F350HC、F1400MC、F1400MGなどのサンローズFシリーズ、A02SH、A20SH、A200SHなどのサンローズAシリーズ、SLD−F1(以上商品名)が挙げられる。上記の中でも、CMCダイセル1130、1180、1190、サンローズF1400LC、F1400MC、サンローズ SLD−F1が特に好ましい。
カルボキシメチルセルロースの平均粒子径は、10〜1500μmであるのが好ましく、10〜500μmであるのがより好ましく、10〜100μmであるのが最も好ましい。平均粒子径がこのような範囲にあると、溶解性、固化性の点で好ましい。
カルボキシメチルセルロースまたはその塩は、1種または2種以上混合して用いる事ができる。
粒状洗剤組成物中の洗浄性ビルダーの含有量は、充分な洗浄性能を付与する点から、10〜80質量%が好ましく、20〜75質量%がより好ましい。
<蛍光増白剤>
蛍光増白剤としては、たとえば4,4’−ビス−(2−スルホスチリル)−ビフェニル塩、4,4’−ビス−(4−クロロ−3−スルホスチリル)−ビフェニル塩、2−(スチリルフェニル)ナフトチアゾール誘導体、4,4’−ビス(トリアゾール−2−イル)スチルベン誘導体、ビス−(トリアジニルアミノスチルベン)ジスルホン酸誘導体等が挙げられる。
市販品として具体的には、ホワイテックスSA、ホワイテックスSKC(以上、商品;住友化学(株)製);チノパールAMS−GX、チノパールDBS−X、チノパールCBS−X(以上、商品名;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製);LemoniteCBUS−3B(以上、商品名;Khyati Chemicals製)等が好適なものとして挙げられる。なかでも、チノパールCBS−X、チノパールAMS−GXがより好ましい。
上記蛍光増白剤は、1種単独で、または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
粒状洗剤組成物中の蛍光増白剤の含有量は、0.001〜1質量%が好ましい。
<酵素>
酵素としては、酵素の反応性から分類すると、ハイドロラーゼ類、オキシドレダクターゼ類、リアーゼ類、トランスフェラーゼ類、およびイソメラーゼ類が挙げられ、本発明においてはいずれも適用できる。
なかでも、プロテアーゼ、エステラーゼ、リパーゼ、ヌクレアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼ等が好ましい。
プロテアーゼの具体例としては、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、コラーゲナーゼ、ケラチナーゼ、エラスターゼ、スプチリシン、パパイン、プロメリン、カルボキシペプチターゼAまたはB、アミノペプチターゼ、アスパーギロペプチターゼAまたはB等が挙げられる。
市販品としては、サビナーゼ、アルカラーゼ、カンナーゼ、エバラーゼ、デオザイム(以上、商品名;ノボザイムズ社製);API21(商品名、昭和電工(株)製);マクサカル、マクサペム(以上、商品名;ジェネンコア社製);プロテアーゼK−14またはK−16(特開平5−25492号公報に記載のプロテアーゼ)等を挙げることができる。
エステラーゼの具体例としては、ガストリックリパーゼ、バンクレアチックリパーゼ、植物リパーゼ類、ホスホリパーゼ類、コリンエステラーゼ類、ホスホターゼ類等が挙げられる。
リパーゼの具体例としては、リポラーゼ、ライペックス(以上、商品名;ノボザイムズ社製)、リポサム(商品名、昭和電工(株)製)等の市販のリパーゼ等を挙げることができる。
セルラーゼとしては、たとえば市販品のセルザイム(商品名、ノボザイムズ社製);アルカリセルラーゼK、アルカリセルラーゼK−344、アルカリセルラーゼK−534、アルカリセルラーゼK−539、アルカリセルラーゼK−577、アルカリセルラーゼK−425、アルカリセルラーゼK−521、アルカリセルラーゼK−580、アルカリセルラーゼK−588、アルカリセルラーゼK−597、アルカリセルラーゼK−522、CMCアーゼI、CMCアーゼII、アルカリセルラーゼE−II、およびアルカリセルラーゼE−III(以上、特開昭63−264699号公報に記載のセルラーゼ)等が挙げられる。
アミラーゼとしては市販のターマミル、デュラミル(ノボザイムズ社製)等を挙げることができる。
上記酵素は、1種単独で、または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
なお、酵素は、界面活性剤や洗浄性ビルダーと同一粒子内に配合してもよいが、酵素の安定性等の点から、界面活性剤や洗浄性ビルダーとは別に造粒したものを、界面活性剤を含有する粒子にドライブレンドした状態で使用することが好ましい。
<酵素安定剤>
酵素安定剤としては、たとえばカルシウム塩、マグネシウム塩、ポリオール、蟻酸、ホウ素化合物等を配合することができる。なかでも、4ホウ酸ナトリウム、塩化カルシウム等が好ましい。
酵素安定剤は、1種単独で、または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
粒状洗剤組成物中の酵素安定剤の含有量は、0.05〜2質量%が好ましい。
<ポリマー類>
(Y)粒子を高密度化する場合に使用されるバインダーもしくは粉体物性調整剤として、または疎水性微粒子(汚れ)に対する再汚染防止効果を付与するため、平均分子量が200〜200000のポリエチレングリコール、質量平均分子量1000〜100000のアクリル酸および/またはマレイン酸ポリマーの塩、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等のセルロース誘導体等を配合することができる。
また、汚れ放出剤としてテレフタル酸に由来する繰返し単位と、エチレングリコールおよび/またはプロピレングリコールに由来する繰返し単位とのコポリマー、またはターポリマー等を配合することができる。
また、色移り防止効果を付与するため、ポリビニルピロリドン等を配合することができ
る。
上記ポリマー類の中でも、被洗物への柔軟性付与効果、再汚染防止の観点から、HPMCが好ましく、質量平均分子量2万以上のHPMCがより好ましい。
かかるポリマー類は、1種単独で、または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
粒状洗剤組成物中の上記ポリマー類の含有量は、0.05〜5質量%が好ましい。
<ケーキング防止剤>
ケーキング防止剤としては、パラトルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、酢酸塩、スルホコハク酸塩、タルク、微粉末シリカ、粘土、酸化マグネシウム等を配合することができる。
<消泡剤>
消泡剤としては、従来公知の、たとえばシリコーン/シリカ系のものを挙げることができる。また、かかる消泡剤は、下記のような手順で消泡剤造粒物として用いてもよい。
[消泡剤造粒物の製造方法]
まず、マルトデキストリン(商品名、日澱化学株式会社製;酵素変性デキストリン)100gに、消泡剤成分としてシリコーン(コンパウンド型、商品名:PSアンチフォーム、ダウコーニング社製)20gを添加し混合して均質混合物を得る。次に、得られた均質混合物50質量%、ポリエチレングリコール(PEG−6000,融点58℃)25質量%、および中性無水芒硝25質量%を70〜80℃で混合した後、押出し造粒機(型式EXKS−1、不二パウダル株式会社製)により造粒し、消泡剤造粒物を得る(特開平3−186307号公報参照)。
<還元剤>
還元剤としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等が挙げられる。
<金属イオン捕捉剤>
金属イオン捕捉剤は、水道水中の微量金属イオン等を捕捉し、金属イオンの繊維(被洗物)への吸着を抑制する効果を有する。
金属イオン捕捉剤としては、前記洗浄性ビルダーに包含されるものの他に、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、グリコールエチレンジアミン6酢酸等のアミノポリ酢酸類;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDP−H)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、ヒドロキシエタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、ヒドロキシメタンホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ニトリロトリ(メチレンホスホン酸)、2−ヒドロキシエチルイミノジ(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)等の有機ホスホン酸誘導体またはその塩;ジグリコール酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、グルコン酸等の有機酸類またはその塩等が挙げられる。
上記金属イオン捕捉剤は、1種単独で、または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
粒状洗剤組成物中の金属イオン捕捉剤の含有量は、0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜3質量%である。0.1質量%以上であれば、水道水中の金属イオンを捕捉する効果が向上する。一方、5質量%以下であれば、金属イオンを捕捉する効果が充分に得られる。
<pH調整剤>
本発明の粒状洗剤組成物を水に溶解させたときのpHは特に制限されるものではないが、洗浄性能の点から、粒状洗剤組成物の1質量%水溶液におけるpHが8以上であることが好ましく、該1質量%水溶液におけるpHが9〜11であることがより好ましい。前記pHが8以上であることにより、洗浄効果が発揮されやすくなる。
前記pHを制御するための技術としては、通常アルカリ剤によってpH調整が行われており、前記洗浄性ビルダーに記載のアルカリ剤のほか、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
また、前記pHが高くなりすぎることを防止するために、酸等を用いて上記pHの範囲に調整することもできる。かかる酸としては、前記金属イオン捕捉剤、リン酸2水素カリウム等のアルカリ金属リン酸2水素塩、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、グルコン酸、またはそれらのポリカルボン酸、クエン酸、炭酸水素ナトリウム、硫酸、塩酸等を使用することができる。
また、洗浄時に繊維の汚れに由来する酸成分によるpHの低下を防止するための緩衝剤の使用も可能である。
上記pH調整剤は、1種単独で、または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
<色素>
本発明においては、粒状洗剤組成物の外観を良好にするために、染料、顔料等の各種色素を用いることができる。なかでも、保存安定性の点から顔料が好ましく、耐酸化性を有するものが特に好ましい。
かかる色素としては、たとえば酸化物等が挙げられ、好ましくは、酸化チタン、酸化鉄、銅フタロシアニン、コバルトフタロシアニン、群青、紺青、シアニンブルー、シアニングリーン等が挙げられる。
(Y)粒子は、通常、上記各成分のうち少なくとも界面活性剤を含有する。
本発明においては、特に、(Y)粒子がα−SF塩を少なくとも8質量%含有することが好ましい。これにより、香り立ちがさらに向上する。その理由は定かではないが、α−SF塩のもつ特徴的な臭気によると推測される。
(Y)粒子中、α−SF塩の含有量は、4質量%以上がより好ましく、6質量%以上がさらに好ましい。上限は特に限定されないが、α−SF塩以外の界面活性剤とのバランスや洗浄性能を考慮すると、18質量%以下が好ましく、12質量%以下がより好ましい。
(Y)粒子は、水を含有してもしなくてもよい。ただし本発明の効果の点で、(Y)粒子中の水分量は、3〜10質量%が好ましく、3〜8質量%がより好ましく、3〜5質量%が特に好ましい。(Y)粒子の水分量が10質量%を超える場合、(X)粒子と配合した際に、(Y)粒子の水分によって(X)粒子中の(C)成分の劣化が進行し、香り立ちの向上効果が充分に得られないおそれがある。また、3質量%未満の場合、香気の向上効果が発現し難くなるおそれある。これは、(Y)粒子の水分が(X)粒子中の(B)成分を捕捉してしまうためと推測される。
(Y)粒子の製造方法は特に限定されず、一般に粒状洗剤の製造に用いられている製造方法により製造可能である。たとえば、界面活性剤や他の原料を水に分散・溶解し噴霧乾燥する方法や、捏和・押出、撹拌造粒、転動造粒等の装置に供して、捏和や造粒、圧縮成形等を施し、さらに必要に応じて粉砕等する方法により製造することができる。
(Y)粒子の平均粒子径は、特に制限されないが、200〜1500μmが好ましく、250〜1000μmがより好ましい。平均粒子径が200μm以上であると、使用時の粉立ちが抑制される。一方、1500μm以下であると、水への溶解性が向上する。
(Y)粒子の平均粒子径は、上述した香料含有粒子の平均粒子径と同様にして算出される値である。
(Y)粒子の嵩密度は、0.3g/mL以上であることが好ましく、より好ましくは0.5〜1.2g/mL、さらに好ましくは0.6〜1.1g/mLである。嵩密度が0.3g/mL以上であると、粒状洗剤組成物の保管に必要なスペース(保管場所)をより少なくでき、有利となる。一方、1.2g/mL以下であると、長期保管後でも粒状洗剤組成物の水への溶解性が良好となる。なお、前記嵩密度は、JIS K3362−1998に準じて測定される値を示す。
本発明の粒状洗剤組成物の流動性は、安息角として60°以下であることが好ましく、50°以下であることがより好ましい。また、貯蔵後(紙容器、または詰め替えパウチ等の透湿性の高い容器などに長期保存された場合等)の粒状洗剤組成物の流動性は、安息角として60°以下であることが好ましく、50°以下であることがより好ましい。安息角が60°以下であると、粒状洗剤組成物粒子の取扱性が良好なものとなりやすい。また、貯蔵後の場合、容器から粒状洗剤組成物が取り出しやすい等、使用性が良好なものとなるため好ましい。なお、安息角は、容器に満たした粒状洗剤組成物粒子が流出するときに形成されるすべり面と水平面とのなす角を測定する、いわゆる排出法による安息角測定法によって測定することができる。具体的には、ターンテーブル形安息角測定器(筒井理化学器械(株)製)を用いて測定される値を示す。
本発明の粒状洗剤組成物は、(X)粒子と(Y)粒子とを混合することにより製造できる。(X)粒子と(Y)粒子との混合は、転動混合機、ドラムシェーカー、ドラムミキサー等の混合機を用いて実施できる。
(X)粒子、(Y)粒子は、それぞれ、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。たとえば(Y)粒子として、界面活性剤を含有し且つ酵素を含有しない粒子と、酵素を含有し且つ界面活性剤を含有しない粒子とを併用してもよい。
本発明の粒状洗剤組成物中、(X)粒子と(Y)粒子との質量比は、(X)粒子/[(X)粒子+(Y)粒子]の値として、0.05〜0.5が好ましく、0.1〜0.3がより好ましい。この範囲内であることで、洗剤本来の洗浄機能を充分に発揮し、且つ香り立ちが良好なものとなる。0.05未満では、(X)粒子を配合する効果が不充分となるおそれがある。一方、0.5を越えると、(Y)粒子の含有量が相対的に少なくなり、洗剤本来の洗浄機能が不充分となるおそれがある。
本発明の粒状洗剤組成物は、容器に充填して粒状洗剤製品とすることができる。この場合に用いられる容器としては、使い勝手の良さや、安定性等を考慮して選択することができ、特に湿度や光による影響が少ない容器を選択することが好ましい。
本発明の粒状洗剤組成物の使用方法は、特に制限されるものではなく、洗濯機に、好ましくは0.02〜0.5質量%の溶液となるように投入して被洗物を洗濯する方法;被洗物を、好ましくは0.02〜2質量%溶液に浸け置く方法等が好適である。特に洗濯機に投入して5〜20分間の洗濯を行う方法に好適に使用することができる。
本発明の粒状洗剤組成物が洗濯対象とする被洗物は、特に制限されるものではなく、たとえば衣類、布巾、シーツ、カーテン等の繊維製品など、通常の洗浄剤組成物が洗濯対象とする被洗物と同じものが挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
後述する実施例および比較例で用いた原料を以下に示す。
≪香料含有粒子≫
<(A)成分>
・(A−1):重曹(試薬1級、純正化学(株)、平均粒径250μm)
・炭酸Na(比較品):粒灰(旭硝子(株)製、平均粒子径320μm、嵩密度1.07g/cm)。
・硫酸Na(比較品):中性無水芒硝(日本化学工業(株)製、平均粒径250μm)。
<(B)成分>
・水:イオン交換水。
<(C)成分>
・(C−1):表1に示す香料組成物C−1(OH/COOH含有化合物の割合:44質量%)。
・(C−2):表1に示す香料組成物C−2(OH/COOH含有化合物の割合:35質量%)
・(C−3):表1に示す香料組成物C−3(OH/COOH含有化合物の割合:25質量%)。
・(C−4)(比較品):表1に示す香料組成物C−4(OH/COOH含有化合物の割合:17質量%)。
Figure 2012140555
Figure 2012140555
Figure 2012140555
Figure 2012140555
Figure 2012140555
≪洗剤成分含有粒子≫
(1)MES混合濃縮物:以下の手順(工程1〜5)により合成した、MES(α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩)、LAS−Naおよびノニオン界面活性剤の混合濃縮物。
[工程1.スルホン化工程]
パルミチン酸メチル(ライオン株式会社製、商品名:パステルM−16)と、ステアリン酸メチル(ライオン株式会社製、商品名:パステルM−180)を80:20(質量比)になるように混合し、さらに常法により水添処理することにより、ヨウ素価を0.2に低減して精製し、精製脂肪酸メチルエステルを得た。この精製脂肪酸メチルエステルを流下型薄膜反応器を用いて、脱湿した空気で7%に希釈したSOガスで反応モル比(SO/飽和脂肪酸エステル)=1.18、反応温度80℃の条件にてスルホン化し、スルホン化生成物を得た。
[工程2.熟成工程]
得られたスルホン化生成物を、平均滞留時間20分の二重管ジャケット付きのループ式熟成管に導入した。このループ式熟成管を3基連続して繋げ、平均滞留時間を60分とした。十分な攪拌と一定温度を保持するために、スルホン化生成物を線速0.16m/sでループ熟成管を流し、78〜82℃に制御して熟成反応を行い、スルホン化を完結し、α−スルホ脂肪酸メチルエステルを得た。
[工程3.エステル化・漂白工程]
得られたα−スルホ脂肪酸メチルエステル100質量部に対してメタノール(住友化学工業株式会社製メタノール:工業グレード、水分500ppm未満)を20質量部導入した後、この混合物と35%過酸化水素(三菱ガス化学株式会社製35%工業用過酸化水素:工業グレード)5.7質量部を混合ミキサーと熱交換器を備えた連続ループ式反応器に導入して漂白を行い、α−スルホ脂肪酸メチルエステル漂白処理物を得た。
[工程4.中和工程]
次に、α−スルホ脂肪酸メチルエステル漂白処理物及び直鎖アルキルベンゼンスルホン酸125質量部に対して48%NaOH水溶液(ダイソー株式会社製苛性ソーダ:工業グレード)28質量部とノニオン界面活性剤25質量部、水69質量部、メタノール(住友化学工業株式会社製メタノール:工業グレード)24質量部及びLAS−H(ライオン(株)製、ライポンLH−200(純分96質量%))5質量部を、中和ラインに連続的に供給した。
中和方式は、特開2001−64248号公報記載の中和方式を採用し、プレミキサーと中和ミキサーとの間に、48%NaOH水溶液を定量的にフィードし、連続的に中和できるようにした。そして、予め中和させておいたα−スルホ脂肪酸メチルエステル漂白処理物の中和物と、α−スルホ脂肪酸メチルエステル漂白処理物とを、プレミキサーで完全に混合した後、48%NaOH水溶液と混合して中和物とした。
[工程5.濃縮工程]
さらに、上記中和物を原料界面活性剤水溶液として用い、特開2004−210807号公報に記載のリサイクルフラッシュ蒸発を行い、低級アルコールの除去及び濃縮化を行い、水分10.8%のMES濃縮混合物(MES62質量%、LAS−Na3.5質量%、ノニオン界面活性剤16.8質量%)を得た。
(2)LAS−H:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸[ライオン(株)製、ライポンLH−200(純分96質量%)。
(3)LAS塩:LAS−H を、48質量%水酸化ナトリウム水溶で中和した化合物と、前記水酸化ナトリウムにて中和する代わりに、48質量%水酸化カリウム水溶液で中和した化合物を質量比1:2で混合したもの。表中の配合量は、これら混合物としての値(質量%)を示す。
(4)石鹸:炭素数12〜18の脂肪酸ナトリウム(ライオン(株)製、純分:67質量%、タイター:40〜45℃;脂肪酸組成[C12:11.7質量%、C14:0.4質量%、C16:29.2質量%、C18F0(ステアリン酸):0.7質量%、C18F1(オレイン酸):56.8質量%、C18F2(リノール酸):1.2質量%]、分子量:289)。
(5)ノニオン界面活性剤:ECOROL26(商品名、ECOGREEN社製;炭素数12〜16のアルキル基を有するアルコール)の酸化エチレン平均15モル付加体(純分90質量%)。
(6)酵素:サビナーゼ12T(ノボザイムズ製)/LIPEX100T(ノボザイムズ製)/ステインザイム12GTS(ノボザイムズ製)セルザイム0.7T(ノボザイムス製)=4/1/4/1(質量比)の混合物。
(7)ゼオライト:A型ゼオライト(商品名:シルトンB、水澤化学工業株式会社製、純分80質量%)。
(8)MA剤:アクリル酸/無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩(商品名:アクアリックTL−400、日本触媒(株)製;純分40質量%水溶液)。
(9)亜硫酸ナトリウム:無水亜硫酸曹達(神州化学(株)製)。
(10)硫酸ナトリウム:中性無水芒硝(日本化学工業(株)製)。
(11)炭酸ナトリウム:粒灰(旭硝子(株)製、平均粒子径320μm、嵩密度1.07g/cm)。
(12)炭酸カリウム:炭酸カリウム(粉末)(旭硝子(株)製、平均粒子径490μm、嵩密度1.30g/cm)。
(13)CMC:カルボキシメチルセルロース(商品名:ダイセル1190、ダイセル化学工業(株)社製、エーテル化度0.7、推定分子量82万)。
(14)蛍光増白剤:チノパールCBS−X(チバスペシャルティケミカルズ)/チノパールAMS−GX(チバスペシャルティケミカルズ)=3/1(質量比)の混合物。
(15)色素:群青(大日精化工業製、Ultramarine Blue)。
(16)メタノール:住友化学工業社製メタノール:工業グレード、水分500ppm未満。
(17)35%過酸化水素:三菱ガス化学社製35%工業用過酸化水素:工業グレード。
(18)48%NaOH水溶液:ダイソー株式会社製苛性ソーダ:工業グレード。
<製造例1〜4(洗剤成分含有粒子の製造)>
表2に示す組成の洗剤成分含有粒子Y1〜Y4を以下の手順で製造した。
(工程A)
撹拌装置を具備したジャケット付き混合槽に水を入れ、温度を60℃に調整した。これにLAS塩の一部(下記の工程Bで投入するMES混合濃縮物から持ち込まれる量を除く)と石鹸を添加し、10分間撹拌した。続いてMA剤(アクリル酸/マレイン酸コポリマーナトリウム塩)を添加した。さらに10分間撹拌した後、粉末A型ゼオライトの一部(2.0質量%の捏和時添加用、5.0質量%の粉砕助剤用、1.5質量%の表面被覆用の各A型ゼオライトを除いた量)、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリウムを添加した。さらに20分間撹拌して水分38質量%の噴霧乾燥用スラリーを調製した後、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度280℃の条件で噴霧乾燥し、平均粒子径320μm、嵩密度0.30g/cm、水分5質量%の噴霧乾燥粒子を得た。
(工程B)
工程(A)で得た噴霧乾燥粒子と、MES混合濃縮物と、2.0質量%のA型ゼオライトと、0.3質量%の噴霧添加用を除く残りのノニオン界面活性剤と、蛍光増白剤と、水とを、表2に記載の比率となるように連続ニーダー((株)栗本鐵工所製、KRC−S4型)に投入し、捏和能力120kg/hr、温度60℃の条件で捏和し、界面活性剤を含有する水分6質量%の混合物を得た。
得られた混合物を、穴径10mmのダイスを具備したペレッターダブル(不二パウダル(株)製、EXDFJS−100型)を用いて押し出しつつ、カッターで切断し(カッター周速は5m/s)長さ5〜30mm程度のペレットを得た。
(工程C)
工程(B)で得たペレットに粉砕助剤としてのA型ゼオライトを5.0質量%添加し、冷風(10℃、15m/s)共存下で直列3段に配置したフィッツミル(ホソカワミクロン(株)製、DKA−3)を用いて粉砕し(スクリーン穴径:1段目/2段目/3段目=12mm/6mm/3mm、回転数:1段目/2段目/3段目いずれも4700rpm)、界面活性剤粒子を得た。得られた界面活性剤粒子の水分は2%であった。
この界面活性剤粒子を水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)に投入し、1.5質量%の微粉A型ゼオライトを加え、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で1分間転動し混合し、さらに亜硫酸ナトリウム、酵素を添加して1分間転動し混合し洗剤成分含有粒子Y1〜Y4を得た。
<製造例5(洗剤成分含有粒子の製造)>
表2に示す組成の洗剤成分含有粒子Y5を以下の手順で製造した。
工程AにてLAS全量を投入した以外は、上記工程Aと同様な操作を行い、平均粒子径320μm、嵩密度0.30g/cm、水分4質量%の噴霧乾燥粒子を得た。以後、工程B、工程Cは上記と同様の手順で製造し、洗剤成分含有粒子Y5を得た。
Figure 2012140555
<実施例1〜15、比較例1〜5:香料含有粒子>
水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で、表3〜4に示す組成物に準じ、(A)成分をドラムに投入後、水、香料組成物を噴霧し、1分間転動混合し、香料含有粒子X1〜X15、X’1〜X’5を製造した。
得られた香料含有粒子について、以下の評価を行った。結果を表3〜4に示す。
[香料含有粒子の香り立ちの評価]
実施例1〜15、比較例1〜5それぞれの香料含有粒子における重曹を全て硫酸ナトリウムに置換した対照サンプルを調製した。
香料含有粒子およびその対照サンプルを、それぞれ、容量が1.8Lのマヨネーズ瓶内へ1.0kg入れ、内蓋、外蓋を閉じ密閉させ、30℃で1日間または6日間保存し、その後、25℃に1日放置した。その後、専門パネラー10名によって、対照サンプルとの比較による官能検査を下記評価基準で行い、その評点の平均点を算出し、その平均点から、下記の判定基準で香り立ちを評価した。
各実施例、比較例の香料含有粒子または粒状洗剤組成物と、各例に対応するサンプルとの比較を、平均点を算出し、◎◎−×の5段階に分類した。
(評価基準)
5点:香料含有粒子の香りの強さが対照サンプルと比較して非常に強い。
4点:香料含有粒子の香りの強さが対照サンプルと比較してかなり強い。
3点:香料含有粒子の香りの強さが対照サンプルと比較してやや強い。
2点:香料含有粒子の香りの強さが対照サンプルと比較してわずかに強い。
1点:香料含有粒子の香りの強さが対照サンプルと比較して変化なし。
0点:香料含有粒子の香りの強さが対照サンプルと比較して弱い。
(判定基準)
◎◎:平均点が4.5点以上。
◎:平均点が3.5点以上4.5点未満。
○:平均点が2.5点以上3.5点未満。
△:平均点が1.5点以上2.5点未満。
×:平均点が1.5点未満。
Figure 2012140555
Figure 2012140555
<実施例16〜29、比較例6〜9:粒状洗剤組成物>
水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で、上記にて得られた洗剤成分含有粒子(Y1〜Y5)および香料含有粒子(X1〜X15、X’1〜X’5)を表5に記載の比率となるように投入し、1分間転動して粒状洗剤組成物を得た。
尚、比較例9は、香料含有粒子を配合せず、洗剤成分含有粒子Y1に対して香料組成物C−1を直接噴霧して粒状洗剤組成物とした。このときの香料組成物C−1の噴霧量は、粒状洗剤組成物中の香料組成物C−1の含有量が、実施例16の粒状洗剤組成物中の香料組成物C−1の含有量と同じとなる量とした。
得られた粒状洗剤組成物について、以下の評価を行った。結果を表5に示す。
[粒状洗剤組成物の香り立ちの評価]
実施例16〜29、比較例6〜9の粒状洗剤組成物にそれぞれ配合した香料含有粒子における重曹を全て硫酸ナトリウムに置換した対照サンプルを調製した。
この対照サンプルを用いて、前記香料含有粒子の香り立ちの評価と同様の手順で粒状洗剤組成物の香り立ちを評価した。
Figure 2012140555
上記結果に示すとおり、実施例1〜15の香料含有粒子は、香り立ちの評価結果が、30℃での保存を1日間行った場合、6日間行った場合のいずれの場合においても○以上であり、製造直後から長期にわたって良好な香り立ちが持続していた。特に、C/B×100が10〜500であり且つC/A×100が0.1〜2である実施例3〜5、8〜10の結果が良好であった。
一方、(A)成分として炭酸ナトリウムを配合した比較例1、(C)成分としてOH/COOH含有化合物の割合が17質量%の香料組成物(C−4)を配合した比較例2、水分量が0.001%の比較例3、水分量が5%の比較例4、(C)成分の含有量が5%の比較例5は、香り立ちの評価結果が、30℃での保存を1日間行った場合、6日間行った場合のいずれの場合においても△または×であり、香り立ちが悪かった。
実施例16〜29、比較例6〜8の粒状洗剤組成物の香り立ちの評価結果は、使用した香料含有粒子の評価結果と同様であった。また、洗剤成分含有粒子中の界面活性剤の配合量が異なる以外は同じ組成の実施例18、19および29を対比すると、MESの含有量が11%の粒子Y1を配合した実施例18は、保存1日後および6日後のいずれにおいても評価結果が◎◎であり、香り立ちに優れていた。香料含有粒子を配合せず、代わりに洗剤成分含有粒子に直セル香料を噴霧した比較例5は、30℃での保存を1日間行った場合、6日間行った場合のいずれの場合においても香り立ちが悪かった。

Claims (5)

  1. (A)炭酸水素塩と、(B)水0.01〜3質量%と、(C)香料0.05〜3質量%とを配合してなり、前記(C)香料が、水酸基およびカルボキシル基のいずれか一方または両方を有する化合物を少なくとも20質量%含有することを特徴とする粒状洗剤用の香料含有粒子。
  2. 前記(A)炭酸水素塩に対する前記(C)香料の割合が0.05〜10質量%であり、かつ前記(B)水に対する前記(C)香料の割合が2〜5000質量%である、請求項1に記載の粒状洗剤用の香料含有粒子。
  3. 請求項1または2に記載の粒状洗剤用の香料含有粒子と、洗剤成分含有粒子とを含有する粒状洗剤組成物。
  4. 前記洗剤成分含有粒子の水分が3〜10質量%である、請求項3に記載の粒状洗剤組成物。
  5. 前記洗剤成分含有粒子が、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を少なくとも8質量%含有する請求項3または4に記載の粒状洗剤組成物。
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