JP2019111612A - インパクト工具 - Google Patents
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Abstract
Description
また、このインパクトドライバにおいて、打撃機構を収容するハンマケースの下方でスイッチを操作するトリガの上方には、アンビルの前方を照射するライトであるLEDが斜め上向きに設けられている。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、モータと、モータにより回転するスピンドルと、スピンドルに保持されるハンマと、前方へ突出して前記ハンマにより回転方向に打撃される軸状のアンビルと、ハンマを収容する金属製のハンマケースと、ハンマケースの外周に配置されるハンマケースカバーと、正面視でアンビルの径方向外側に配置され、アンビルの前方に向けて光を照射する少なくとも2つのLEDと、を含んでなることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2の構成において、LEDは、正面視が長方形状を有し、長手方向がアンビルの軸心を中心とした円周方向に沿うように配置されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかの構成において、ハンマケースの下部に、動作モードを切替操作するための切替スイッチが配置されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかの構成において、ハンマケースには、アンビルを回転可能に直接保持する前側の第1の軸受及び後側の第2の軸受とが保持されていることを特徴とする。
図1は、電動工具の一例であるインパクトドライバの斜視図、図2は左からの側面図、図3は正面図、図4は背面図、図5は中央縦断面図、図6は本体部の拡大中央縦断面図である。
インパクトドライバ1は、中心軸を前後方向とする本体部2と、その本体部2から下方へ突出するグリップ部3とを有する。インパクトドライバ1のハウジングは、本体部2を形成する筒状のモータハウジング5とグリップ部3を形成するグリップハウジング6とが連設される本体ハウジング4と、モータハウジング5の後端にネジ止め装着される後カバー7と、モータハウジング5の前部に組み付けられるハンマケース8とから構成されている。本体ハウジング4は、左右の半割ハウジング4a,4bに分割され、左右方向のネジ9,9・・によって組み付けられる。
グリップ部3の上部には、トリガ16を前方へ突出させたスイッチ15が収容されて、グリップ部3の下端には、電源となるバッテリーパック18が装着されるバッテリー装着部17が形成されている。このバッテリー装着部17内には、バッテリーパック18と電気的に接続される端子台19と、その上方に位置するコントローラ20とが収容されている。コントローラ20には、マイコンやスイッチング素子等を搭載した制御回路基板21が設けられて、バッテリー装着部17の上面には、制御回路基板21に電気的に接続されてモータの回転数やバッテリーパック18の残量表示等を行う表示パネル22が設けられている。
ベアリングリテーナ45は、中央にくびれ部を形成した金属製の円盤状で、モータハウジング5の内面に設けたリブ48がくびれ部に嵌合することで、ベアリングリテーナ45は前後方向への移動を規制された状態でモータハウジング5に保持される。
また、ベアリングリテーナ45の前面周縁には、外周に雄ネジ部を形成したリング壁49が前方へ向けて突設されて、このリング壁49に、ハンマケース8の後端内周に設けた雌ネジ部が結合されている。
また、ハンマケース8の左右の側面には、図7及び図11,12に示すように前後方向に延びる側面視長方形状の突条53,53が形成されており、この突条53,53が、半割ハウジング4a,4bの内面に形成された同形状の凹溝54,54(図9,10)に嵌合するようになっている。この突起51と押さえリブ52、突条53と凹溝54との係合により、ハンマケース8の回転規制がなされる。
また、モータハウジング5の前方には、ハンマケース8の前部から前筒部50にかけて覆う樹脂製で透光性を有するハンマケースカバー58が設けられ、ハンマケースカバー58の前端外周部には、ゴム製のバンパ59が装着されている。
遊星歯車減速機構11は、内歯を有するインターナルギヤ63と、インターナルギヤ63に噛み合う外歯を有する3つのプラネタリーギヤ64,64・・とを含む。インターナルギヤ63は、ベアリングリテーナ45のリング壁49の内側に同軸で収容され、その前部外周側には、ハンマケース8の内周面で雌ネジ部の前方に形成された凹部65に係合する回り止め部66が設けられている。この回り止め部66がリング壁49とハンマケース8の内周面に設けられた段部67とに挟持されることで軸方向への移動も規制される。プラネタリーギヤ64は、ピン68によってスピンドル12のキャリア部61内で回転可能に支持されて、回転軸33のピニオン47と噛合している。
アンビル14は、ハンマケース8の前筒部50内に保持された前後2つのボールベアリング80A,80Bによって軸支されている。アンビル14の後端には、ハンマ70の爪72,72と回転方向で係合する一対のアーム81,81が形成されている。
このボールベアリング80A,80Bは、図6,7に示すように、それぞれ内輪80aと、外輪80bと、両輪の間で周方向に一列で配置される複数のボール80c,80c・・とを含んでなり、2つのボールベアリング80A,80Bの間には、中間ワッシャ82が介在されている。この中間ワッシャ82がボールベアリング80A,80Bの外輪80b,80bにそれぞれ当接することで、ボールベアリング80A,80Bの間に所定の間隔を保持している。
さらに、アンビル14におけるボールベアリング80A,80Bの内側には、Oリング87,87が前後に2つ設けられて、それぞれボールベアリング80A,80Bの内輪80a,80aと接触している。なお、Oリング87,87は必要性に応じて省略することもできる。
アンビル14の後面軸心には、スピンドル12の前端軸心に設けた嵌合突起89が嵌合する嵌合凹部88が形成されている。スピンドル12の軸心には、有底孔62から嵌合突起89まで貫通して有底孔62を嵌合凹部88に連通させ、有底孔62内のグリスを嵌合凹部88へ供給してスピンドル12とアンビル14との潤滑を図る軸心孔90が形成されている。
なお、挿入孔92の径方向外側には、ボールベアリング80A,80B、中間ワッシャ82が配置されているため、挿入孔92の後方にボールベアリング80A,80B、中間ワッシャ82が配置される場合に比べて、前後方向の長さが短くなっている。
そして、本体部2の左右には、一対のライト101A,101Bが配置されている。このライト101A,101Bは、図2及び図7,8に示すように、正面視が長方形であるチップ状のLED103を搭載した同じく正面視長方形のLED基板102を、透光性を有する四角箱状のライトケース104に収容してなる。このライト101A,101Bを、LED103が前側且つ正面視で縦向きとなるようにして、ハンマケース8と左右の半割ハウジング4a,4bとの間に配置している。
ここではライト101A,101Bの組み付け構造が本体部2の左右で異なっている。まず、左側について説明する。図9に示すように、ハンマケース8の左側面を覆う半割ハウジング4aの上部前端において、上下方向の中央部分には、ハンマケースカバー58の後端形状に合わせて、上下幅が後方へ行くに従って先細りテーパ状となる左切欠部105が形成されており、この左切欠部105の後方部分に、左外側へ突出して前方へ開口し、内面に左側のライト101Aのライトケース104が嵌合する上下に長い四角形状の左受け凹部106が形成されている。
ハンマケース8の左側面には、図12にも示すように、左受け凹部106に嵌合したライトケース104に当接する左面取部110が形成され、その上方には、ハンマケースカバー58の左側の係止片58aに設けた透孔58bに挿入してハンマケースカバー58を位置決めする位置決め突起111が突設されている。
また、右受け凹部113の下側には、LED基板102に接続されてライトケース104の下面から引き出されるリード線107(図11)を半割ハウジング4bの内面に沿って下方へ引き回すための右引き回し溝114が、右受け凹部113に連通して下向きに凹設されている。さらに、右受け凹部113の下側にも、ハンマケースカバー58の後端右側から後ろ向きに突設された帯状の係止片58aが嵌合する嵌合溝109が形成されている。
また、右面取部115の上側には、右面取部115に載置されたライトケース104の上面に当接する上支持爪116が、後側には、ライトケース104の後面に当接する後支持爪117が突設されている。また、右面取部115の下側には、ライトケース104の下面に当接する一対の下支持爪118,118が、ライトケース104の下面から引き出されるリード線107が通過可能な間隔をおいて前後に突設されている。半割ハウジング4bの内面で右受け凹部113の後方には、図7,10に示すように、後支持爪117の後方に係止する係止リブ119が形成されている。
ネジ締めが進んでアンビル14のトルクが高まると、ハンマ70が、ボール75,75をスピンドル12の内側カム溝74,74に沿って転動させながらコイルバネ71の付勢に抗して後退し、爪72,72がアーム81,81から離れると、コイルバネ71の付勢と内側カム溝74,74の案内とにより、ハンマ70は前進しながら回転して爪を再びアーム81,81に係合させ、アンビル14に回転打撃力(インパクト)を発生させる。この繰り返しによってさらなる締め付けが可能となる。
特に、LED103の光は、ハンマケースカバー58の左右の後端面120,120の後方から前向きに照射されるため、LED103の照射範囲内に位置するハンマケースカバー58の内部にLED103の光が後方から通過してハンマケースカバー58の左右の側面を発光させる。よって、照明効果がより高くなる。
このように、上記形態のインパクトドライバ1によれば、モータ10と、モータ10により回転するスピンドル12と、スピンドル12に保持されるハンマ70と、前方へ突出してハンマ70により回転方向に打撃されるアンビル14と、ハンマ70を収容するハンマケース8と、ハンマケース8の外周に配置され、透光性を有するハンマケースカバー58と、アンビル14の前方に向けて光を照射するライト101A,101Bと、を含み、ライト101A,101Bの照射範囲内に、ハンマケースカバー58が位置していることで、2つのライト101A,101Bからの光によってハンマケースカバー58の左右を発光させることができる。よって、作業箇所を好適に照明することができる。
また、ハンマケース8の下部に、動作モードを切替操作するための切替スイッチ56が配置されているので、グリップ部3を把持する手指で動作モードの切替操作を容易に行うことができる。
さらに、上記形態ではLED基板に1つのLEDを搭載しているが、複数のLEDを搭載したものであっても差し支えない。ライトケースも、前面部分をレンズにしたり、ライトケースをなくして受け凹部の前面の開口をレンズ板で塞いだりしてもよい。
一方、ハウジングへの組み付けも、上記形態と左右逆の組み付け構造としたり、左右どちらも同じ組み付け構造としたりすることは可能である。
加えて、上記形態では、ライトに設けられるレンズはハンマケースカバーと別体とされているが、レンズをハンマケースカバーと一体としてもよい。この場合、例えばハンマケースカバーの後端部を正面視でライトの前方に重なるように外側(後端部の右側では右外側、左側では左外側)へそれぞれ折曲させ、当該折曲部分にレンズを形成すればよい。このようにハンマケースカバー自体にレンズを設ければ、ハンマケースカバーへの導光性をさらに高めることができる。
インパクトドライバ以外の電動工具においても、動力伝達部(例えば、ギヤ、減速部、往復動変換部、往復動に関する打撃機構部)がケースに内蔵され、当該ケースの少なくとも一部を覆うように分割ハウジングが設けられている場合があるため、このような電動工具にも、ケースと分割ハウジングとの間に配置したライトの光を、ケースから突出する先端工具保持部付近に照射することにより、作業性を高めることが可能となる。このような電動工具としては、ドライバドリル、レシプロソー、マルノコ、ハンマドリル等があり、これらの電動工具においても、上記形態のようにライトを配置することができる。
よって、以下の構成が発明として捉えられる。
「モータと、前記モータにより駆動する動力伝達部と、前記動力伝達部を収容するケースと、前記ケースから突出する先端工具保持部と、前記ケースの少なくとも一部を覆う第1、第2の分割ハウジングとを有し、前記第1の分割ハウジングに第1のライトが保持された状態で、第2のライトを保持した前記ケースが前記第1の分割ハウジングに配置され、前記ケースに前記第2の分割ハウジングが組み付けられている電動工具(或いは電動工具の組み付け方法)」
なお、分割ハウジングは半割構造に限らないし、半割構造であっても左右方向の分割に限らない。
そして、上記形態のインパクトドライバ1によれば、前後2つの軸受(ボールベアリング80A,80B)によってアンビル14を回転可能に直接保持しているので、保持部分が前後に長くなってアンビル14のがたつきを効果的に低減することができる。よって、先端のビットの振れを抑えることができる。
特にここでは、2つの軸受を共にボールベアリング80A,80Bとしているので、軸受を2つ配置しても前後方向にコンパクトとなる。
また、ハンマケース8の前筒部50の内径部50aを軸方向に同一で形成して、ボールベアリング80A,80Bの外径を同一としているので、径方向にもコンパクトとなる。
また、ボールベアリング80A,80Bは、ハンマケース8に後方から挿入されて保持されているので、ハンマケース8への組付けが容易に行える。
さらに、ボールベアリング80A,80Bは、それぞれ内輪80aと、外輪80bと、ボール80cとを含み、ボールベアリング80A,80Bの間には、前後の外輪80b、80bとに当接する中間ワッシャ82が配置されているので、ボールベアリング80A,80Bを間隔をおいて前後に配置でき、アンビル14のがたつきをより効果的に低減することができる。
そして、ハンマケース8には、ボールベアリング80Bの後面に当接する後ワッシャ84が設けられているので、後方から挿入したボールベアリング80Bを簡単に位置決めできる。
また、軸受としては、上記形態のように内輪と外輪との間に複数のボールが一列で配置されるボールベアリング(単列玉軸受)に限らず、内輪と外輪との間に複数のボールが2列等の複数列で配置される複列玉軸受を採用して、これを前後に2個配置することもできる。さらに、ニードルベアリングを採用してこれを前後に2個配置することもできる。
上記形態のインパクトドライバ1について、出願日前に販売されていた製品群との比較を行い、振れ抑制効果の優位性を確認した。
検証方法は、図13(A)に示される。ここでは上記した製品群を同じ条件で計測するために、アンビル14におけるハンマケース8の前端面から10mmの箇所に、フォースゲージ200により1kgf(9.8N)の荷重を左右からそれぞれ加え、その反対側の位置に、ダイヤルゲージ201を配置して、アンビル14が左右でどの程度変位するかをダイヤルゲージ201によって計測した。ここで、1kgf(9.8N)とは、ネジ締めの際にアンビル14が拗れた(軸からずれた方向に力が掛かった)際に想定される荷重である。
なお、本発明においては、多少の精度誤差を含めて、0.04mmとなることを許容している。この場合でも他の製品群に対する優位性は保たれる。また、0.02mm以下であってもよい。例えば、0.01mm以下であれば、さらにアンビル14の振れが小さいこととなり、より使いやすいインパクトドライバとなる。
なお、上記した製品群は、いくつかの種類の軸受を使用していたが、その軸受・ハンマケース・アンビルの精度を高めることにより、本発明と同様に、0.04mmとすることができる場合もある。
Claims (5)
- モータと、
前記モータにより回転するスピンドルと、
前記スピンドルに保持されるハンマと、
前方へ突出して前記ハンマにより回転方向に打撃されるアンビルと、
前記ハンマを収容するハンマケースと、
前記ハンマケースの外周に配置され、透光性を有するハンマケースカバーと、
前記アンビルの前方に向けて光を照射するライトと、を含み、
前記ライトの照射範囲内に、前記ハンマケースカバーが位置していることを特徴とするインパクト工具。 - モータと、
前記モータにより回転するスピンドルと、
前記スピンドルに保持されるハンマと、
前方へ突出して前記ハンマにより回転方向に打撃される軸状のアンビルと、
前記ハンマを収容する金属製のハンマケースと、
前記ハンマケースの外周に配置されるハンマケースカバーと、
正面視で前記アンビルの径方向外側に配置され、前記アンビルの前方に向けて光を照射する少なくとも2つのLEDと、を含んでなることを特徴とするインパクト工具。 - 前記LEDは、正面視が長方形状を有し、長手方向が前記アンビルの軸心を中心とした円周方向に沿うように配置されていることを特徴とする請求項2に記載のインパクト工具。
- 前記ハンマケースの下部に、動作モードを切替操作するための切替スイッチが配置されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のインパクト工具。
- 前記ハンマケースには、前記アンビルを回転可能に直接保持する前側の第1の軸受及び後側の第2の軸受とが保持されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のインパクト工具。
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