JP6863415B2 - 電動工具 - Google Patents

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Description

本発明は、遊星歯車減速機構とモータの軸受け保持部の取付構造を改良することで機器本体の小形化を図った電動工具に関する。
モータの回転力を減速させて動力伝達機構を駆動することによって先端工具を回転させる電動工具が知られており、その一例としてインパクトドライバ、インパクトレンチ、オイルパルスドライバが広く用いられている。例えばインパクト工具では、ハンマに回転力を伝達して、ハンマでアンビルを打撃することによって、モータの回転力を間欠的な回転方向の打撃力に変換し、打撃力を用いて先端工具によってねじ等に対して締付作業を行う。インパクト工具のスイッチのトリガを引くとモータが駆動されて、減速機構を介してスピンドルが回転する。減速機構は、複数の歯車を用いてモータによる入力回転速度を減じて、低い回転速度にて出力する機械装置である。減速機構により、減速比に比例したトルクを得ることができる。スピンドルが回転すると、ハンマスプリングとカムボールを用いたカム機構を介してスピンドルに連結されているハンマが回転する。ハンマが回転すると、ハンマの打撃爪とアンビルの羽根部(被打撃爪)を介して回転力が伝達されてアンビルが回転する。アンビルの軸方向の先端には、例えば、先端工具の装着部が形成され、装着される六角ビット等の先端工具を介してねじやボルトの締め付けが行なわれる。
木材に対してねじの締め付け作業を行う場合、締め付け開始から当分の間はハンマとアンビルが同期して回転する(連続回転)。その後、締め付けの進行に応じて徐々にねじに生じる反トルクが高くなって、この反トルクがハンマスプリングのバネ圧を上回ると、ハンマはスピンドルカム溝とハンマカム溝の形状に沿ってハンマスプリングを徐々に圧縮しながらモータ側に徐々に後退する。このハンマの後退により、ハンマの打撃爪とアンビルの被打撃爪の前後方向の接触長さ(係合量)が小さくなっていく。ハンマの打撃爪とアンビルの被打撃爪の係合量が0となった時、回転方向に対するハンマのアンビルに対する係合が解消されることになる。ハンマの打撃爪が後退してアンビルの被打撃爪を乗り越えると、ハンマはハンマスプリングの圧縮力で、先端工具側に押し出されながらアンビルの次の被打撃爪と衝突することになり、アンビルに対して強い打撃力を加える。このようにしてハンマに設けられた打撃爪とアンビルに設けられた被打撃爪は、ねじの締め付けが完了するまで、離脱、前進、打撃の動作を繰り返す(打撃動作)。
特開2002−355767号公報
従来のインパクトドライバ等の電動工具は、減速機構として遊星歯車減速機構を用いている。この際、スピンドル軸受と遊星歯車減速機構のリングギヤを、インナカバーを介して同軸上に支持している。特許文献1におけるリングギヤの支持構造は、インナカバーの内周面でリングギヤの外周面を支持する構成であり、リングギヤの外周側にインナカバーの外周壁が位置する。すなわち、インナカバーによってリングギヤが収容するような構成である。このようにリングギヤの径方向外側にインナカバーが位置する構成とすると、インナカバー外周部の分だけ、機器本体がリングギヤの径方向サイズよりも大きくなってしまう。
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、インナカバーとリングギヤの支持構造を工夫することでハウジングの大形化を抑えて小形化を図った電動工具を提供することにある。
本発明の他の目的は、遊星歯車減速機構のリングギヤの内周面でインナカバーの外縁部を支持するようにして、インナカバーの外周面側に直接ハウジングが位置するようにした電動工具を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、インナカバーによってスピンドルの回転中心とリングギヤの回転中心の芯出しを精度良く行うことを可能とした電動工具を提供することにある。
本願において開示される発明のうち代表的なものの特徴を説明すれば次の通りである。
本発明の一つの特徴によれば、モータと、モータの回転を減速する減速機構と、モータと減速機構を収容するハウジングを有し、減速機構はプラネタリーギヤと、プラネタリーギヤの外側に位置するリングギヤと、プラネタリーギヤの内側に位置してモータに接続されるサンギヤを有する電動工具であって、減速機構の軸受を支持するインナカバーを、モータと減速機構との間においてハウジングによって保持されるように配置し、インナカバーの外周面をリングギヤの内周面で支持するように構成した。換言すれば、リングギヤの内周側にインナカバーの一部が収容される構成となる。インナカバーは一体成形品であって、外周面がリングギヤの内周面で支持される。
本発明の他の特徴によれば、リングギヤは金属又は合成樹脂製であって、内側にギヤ部が形成され、ギヤ部に隣接して軸方向に延在する筒部が形成され、筒部の内側にインナカバーの一部が収容される。また、インナカバーは径方向に突出又は窪む凹凸部を有し、リングギヤは凹凸部に対応する凸凹形状を有する凸凹部を有し、凹凸部と凸凹部が係合することによってリングギヤとインナカバーの相対回転が阻止される。これら凹凸部と凸凹部は、それぞれ複数配置される。
本発明の他の特徴によれば、モータの回転軸と減速機構の回転中心は同軸上に並べて配置される。インナカバーは、回転軸を軸支するモータ軸受の一つと、減速機構を軸支するギヤ軸受の一つを固定するものであって、モータ軸受の外周面を保持する第一円筒部と、ギヤ軸受の外周面を保持する第二円筒部を有する。また、ハウジングは、モータの回転軸線を含む分割面にて分割可能な合成樹脂製のパーツを含んで構成され、インナカバーは分割面と交差するようにしてハウジングにて挟持され、インナカバーとハウジングは相対回転しないように回り止め部が形成される。さらに、ハウジングは減速機の出力を先端工具の駆動力に変換する動力伝達機構を収容するカップ状の金属ケースを含んで構成され、リングギヤは金属ケースの開口縁と同径として、開口縁と軸方向に並べて配置される。
本発明によれば、リングギヤの外周面よりも径方向外側には、インナカバーが位置しないようにしたので、電動工具のハウジングの径方向サイズを、リングギヤを収容する必要最小限の大きさとすることができ、電動工具の小形化を図ることが可能となる。また、リングギヤの内周面でインナカバーの外周面を保持するようにしたので、スピンドルの回転軸とリングギヤの中心軸を同軸に維持することができ、回転精度を確保することができる。さらに、スピンドル側に形成される凹凸部と、インナカバー側に形成される凸凹部を係合させるので、ハウジングにて回転方向に回転しないように保持されるインナカバーを用いてリングギヤの自転を防止できる。
本発明の実施例に係るインパクト工具1の側面図である。 本発明の実施例に係るインパクト工具1の内部構造を示す縦断面図である。 図2のB部の拡大図である。 図2のインナカバー20とリングギヤ35の斜視図である。 図2のインナカバー20とリングギヤ35を組み付けた状態の図であって、(A)は後方から見た図であり、(B)は(A)のE方向から見た矢視図であり、(C)は(A)のF方向から見た矢視図である。 (A)は図5(A)のC−C断面図であり、(B)は図5(A)のD−D断面図である。 本発明の第2の実施例に係るインパクト工具のインナカバー20Aとリングギヤ35Aの斜視図である。 図7のインナカバー20Aとリングギヤ35Aを組み付けた状態の図であって、(A)は後方から見た図であり、(B)は(A)のC−C断面図であり、(C)は(A)のD−D断面図である。 本発明の第3の実施例に係るインパクト工具のインナカバー20Bとリングギヤ35Bの斜視図である。 図9のインナカバー20Bとリングギヤ35Bを組み付けた状態の図であって、(A)は後方から見た図であり、(B)は(A)のC−C断面図であり、(C)は(A)のD−D断面図である。 本発明の第4の実施例に係るインパクト工具のインナカバー20Cとリングギヤ35C付近の拡大図である。 図11のインナカバー20Cとリングギヤ35Cの斜視図である。 図11のインナカバー20Cとリングギヤ35Cを組み付けた状態の図であって、(A)は後方から見た図であり、(B)は(A)のC−C断面図であり、(C)は(A)のD−D断面図である。 本発明の第5の実施例に係るインパクト工具のインナカバー20Dとリングギヤ35Dの斜視図である。 図14のインナカバー20Dとリングギヤ35Dを組み付けた状態の図であって、(A)は後方から見た図であり、(B)は(A)のC−C断面図であり、(C)は(A)のD−D断面図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。尚、以下の説明において、上下左右、前後の方向は、図中に示した方向として説明する。本実施例では電動工具の一実施例としてインパクト工具1にて示している。
図1は本発明の実施例に係るインパクト工具1の側面図である。インパクト工具1は、充電可能なバッテリ100を電源とし、モータを駆動源として回転打撃機構を駆動し、回転打撃機構によって回転部材の回転を回転方向の間欠的な打撃力に変換し、打撃機構部に連結された先端工具保持部60を駆動する。本体ハウジング2は3つの部分、即ち筒状に形成される胴体部2aと、作業者が片手で把持する部分となるハンドル部2bと、着脱可能なバッテリ100を取りつけるためのバッテリ取付部2cから構成される。ハンドル部2bは胴体部2aの中心軸線(回転軸線A1)と略直交するように下方に延在し、作業者が把持した際に人差し指が位置する箇所には、モータのオン又はオフを制御するためのトリガスイッチ(図3にて後述)の操作レバー(トリガレバー6a)が設けられる。トリガレバー6aの後上方にはモータの回転方向を切り換える正逆切替レバー7が設けられる。
ハンドル部2b内の下部は、バッテリ100を取り付けるためにバッテリ取付部2cが形成される。バッテリ取付部2cはハンドル部2bの長手方向中心軸から径方向(直交方向)に広がるように形成された拡径部分で、バッテリ取付部2cの下側にはバッテリ100が装着される。バッテリ100はリチウムイオン電池等の二次電池が用いられ、複数のセルをバッテリハウジング内に収容したパック式である。バッテリ100はリリースボタン101を押し込みながら前方に移動させることによって本体ハウジング2から取り外しが可能である。尚、本実施例のインパクト工具1の電源は任意であって、AC電源ケーブルを介して商用電源を用いたものであっても良い。本体ハウジング2は、左右に2分割形式で製造される合成樹脂製であって、複数本のネジ18a〜18hによってネジ止めされる。
胴体部2aの側面であって、後方側には複数のスリットとして形成された空気吸入口17aが配置され、空気吸入口17aよりも前方側に所定の距離を隔てた位置には、複数の空気排出口17bが配置される。空気排出口17bの設けられる位置は、モータ4よりも前方側に位置する。胴体部2aの前方側にはアンビル50が露出し、アンビル50の前端部には装着される先端工具を保持するための先端工具保持部60が設けられる。
図2は図1のインパクト工具1の内部構造を示す縦断面図である。尚、図1の外観と図2の外観は一致していないが、これらはデザイン上の変更を含むか否かだけの違いであって、図1のインパクト工具1の内部構造は図2〜図15にて示す構造と同一である。インパクト工具1のハウジングは、合成樹脂製の本体ハウジング2(2a、2b、2c)と、打撃機構40を収容する金属製のハンマケース3のパーツによって構成される。本体ハウジング2の一方側(左側)には、ネジ止めするための複数のネジボス19a〜19hが形成される。ハンマケース3は、先細り形状となるカップ状であって、後方側が開口となり、前方側の底部の中央にアンビル50を貫通させる小さな開口(貫通穴)が形成される。ハンマケース3は、左右分割式の本体ハウジング2の前方側にて挟持されることで固定される。本体ハウジング2の筒状の胴体部2aには、モータ4と、遊星歯車を用いた減速機構30と、打撃機構40が、回転軸線A1と同軸上に並べて配置される。
本体ハウジング2の胴体部2aから略直角に一体に延びるハンドル部2b内の上部にはトリガスイッチ6が配設され、トリガスイッチ6から本体ハウジング2の前方側には操作部たるトリガレバー6aが露出する。トリガスイッチ6は、スイッチ機構を内蔵したケースと、スイッチ機構を駆動させるために外部に設けた操作部(トリガレバー6a)を含んで構成され、トリガレバー6aとスイッチ機構はプランジャ6dで連結され、プランジャ6dを出し入れすることによりスイッチのオンオフを行う構成である。そして、ケース内部のスイッチ機構は密閉した空間に配置させ、トリガレバー6aを本体ハウジング2の内部に引き込むことにより連結しているプランジャ6dがケース内に引き込まれてトリガスイッチ6をオンにする。尚、トリガスイッチ6の形式や構造は任意であって、スライド式のトリガレバー6aだけでなく、例えば揺動軸を中心に揺動させるような揺動式のトリガレバーを有するトリガスイッチを用いても良い。
ハンドル部2bの内部には更に、トリガレバー6aの引き動作によってモータ4の速度を制御する機能を備えた制御回路基板14が収容される。制御回路基板14は、ハンドル部2bの中心軸線に対して平行となるように鉛直方向に配置される。制御回路基板14には、図示しないマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と称する)や、インバータ回路を形成するための半導体スイッチング素子(図示せず)が搭載される。半導体スイッチング素子は、6つのFET(Field effect transistor)を用いて構成できる。バッテリ取付部2cはハンドル部2bの長手方向中心軸から径方向(直交方向)に広がるように形成された部分で、その下側にバッテリ100が装着される。バッテリ取付部2cの外側上面には、動作モードの切替スイッチ等が配置されたスイッチホルダ28が設けられる。スイッチホルダ28の前方には、図示しない先端工具によって作業される対象物を照射するための発光手段29が設けられる。発光手段29としてここでは発光ダイオードを用いている。スイッチホルダ28には、打撃強度の設定ボタン、発光手段29の照射スイッチ、バッテリ100の残量チェックボタン等の各種操作ボタンが配置され、操作ボタンと対応する表示ランプ等が配置される。
モータ4はブラシレスDCモータが用いられ、インバータ回路によって生成される励磁電流によって駆動される。モータ4の回転軸4cは、その軸線A1が胴体部2aの長手方向に伸びるように配置される。モータ4のステータは、積層鉄心によって形成されて複数の磁極片が形成されたステータコア4bと、ステータコア4bの前側に取りつけられる不導体のインシュレータ5aと、ステータコア4bの後側に取りつけられる不導体のインシュレータ5bと、インシュレータ5a、5bを用いて巻かれたコイル(図示せず)によって構成される。図示しないロータは、積層鉄心の内部に収容された永久磁石によって磁路を形成する。モータ4(ステータコア4b)は本体ハウジング2(胴体部2a)の内側からモータ4側に延びるリブ15により支持される。
モータ4の軸方向後方であって、回転軸4cと同軸上にはモータ4を冷却するための冷却ファン13が設けられる。回転軸4cは、ステータコア4bよりも前側の軸受8aと、後側の軸受8bによって軸支され、冷却ファン13は軸受8bとステータコア4bの間に配置される。冷却ファン13はモータ4と同期して回転し、冷却ファン13が回転すると本体ハウジング2の後方側の空気吸入口17a(図1参照)から外気が吸引されて、モータ4が冷却され、図示しない空気排出口17bから外部に排出される。
モータ4の軸方向前方であって、ステータコア4bと軸受8aの間には、センサ基板11が配置される。センサ基板11はロータに含まれる永久磁石の磁界を検出する3つの磁気検出手段(図示せず)を搭載するものであって、円環状のプリント基板で形成される。磁気検出手段としては市販のホールICを用いることができ、ロータの永久磁石と対向する位置にホールICが所定間隔で複数(例えば3つ)搭載される。また、センサ基板11は、モータ4のコイルへの結線のために用いられ、電力線16aと信号線16bが接続される。モータ4はスター結線とされ、インシュレータ5aと5bを用いて巻かれる図示しないコイルの端部がセンサ基板11の配線パターンに半田付けによって接続される。
減速機構30はモータ4の出力を所定の減速比で減速してスピンドル41に伝達するものであり、ここでは、遊星歯車を用いた減速機構が用いられる。減速機構30の詳細構造は図3を用いて後述する。スピンドル41の外周面には、図示しないスピンドルカム溝が形成され、スピンドル41の軸部分の後方側には減速機構30の遊星キャリア部が形成される。スピンドル41は強度の関係から金属の一体成形にて製造される。
ハンマ42はスピンドル41の軸部の外周側に配置され、内周側には図示しないハンマカム溝が形成される。ハンマ42はスチールボールを用いたカム機構によって保持され、スピンドル41の外周面とハンマ42の内周面の一部が接する。図2及び図3ではカム機構が見えない断面位置である。先端工具から受ける反力が低い際には、ハンマ42はスピンドル41の回転と連動するように回転するが、先端工具から受ける反力が大きくなると、図示しないカム機構のカムボールが移動することによって、ハンマ42とスピンドル41の回転方向の相対位置が僅かに変動して、ハンマ42が後方側に大きく移動する。ハンマ42は、ハンマスプリング43によってスピンドル41に対して常に前方側に付勢されるので、ハンマ42の後方側への移動はハンマスプリング43を圧縮しながらの移動となる。ハンマスプリング43は、前方側がハンマ42側に当接し、後方側はスピンドル41の遊星キャリア部47に当接する。
アンビル50の後端には、被打撃部となる2つの羽根部51(51a、51b)が周方向に180度隔てた位置に形成される。羽根部51は径方向外側に伸びるような形状であって、ハンマ42の打撃爪42a、42bによって打撃される。羽根部51a、51bの回転方向の側面は、ハンマ42の締め付け方向の回転時に打撃される被打撃面と、その反対側に形成され緩め方向の回転時に打撃される被打撃面の両面が形成される。スピンドル41とアンビル50の回転体は、前方側でメタル9aによってハンマケース3の内壁により軸支され、後方側でボール式の軸受9bによりインナカバー20に軸支される。
先端工具保持部60は、アンビル50の前側端部から軸方向後方に延びる断面形状が六角形の装着穴52と、周方向の2箇所に形成されスチールボール62を配置するための径方向に貫通する2つの穴部と、外周側に設けられるスリーブ61を含んで構成される。スリーブ61の内側には、スリーブ61を後方側に付勢する圧縮バネ63が装着される。
図3は図2の丸枠で囲んだB部の部分拡大図である。減速機構30は、モータ4の回転軸4cの先端に固定されるサンギヤ31と、サンギヤ31の外周側に距離を隔てて取り囲むように設けたリングギヤ35と、サンギヤ31とリングギヤ35の間の空間に配置され、これら双方のギヤに噛み合わされる複数のプラネタリーギヤ32を含んで構成される。リングギヤ35は、アウターギヤとも呼ばれるもので、リング状部材の内周面にギヤが形成される。リングギヤ35は本体ハウジング2によってその外周面が保持されるもので、リングギヤ35自体は回転しない。また、リングギヤ35はハンマケース3の開口縁と同径とし、リングギヤ35の前方端面はハンマケース3の後端に接触し、後方端面は本体ハウジング2の胴体部2aに形成された絞り込み段差部65の前面に接触するようにして前後方向に保持される。つまり、リングギヤ35は、本体ハウジング2とハンマケース3で軸方向に挟まれる形状となる。
モータ4の回転軸4cの先端には、サンギヤ31が固定される。サンギヤ31は、減速機構30の入力部となる平歯車である。サンギヤ31の外周側ギヤ面と、リングギヤ35の内周側ギヤ面の間に、複数(ここでは3つ)のプラネタリーギヤ32が配置される。3つのプラネタリーギヤ32は、スピンドル41の後端部に形成された遊星キャリア部47に軸支され、プラネタリーギヤ32が遊星キャリア部47に軸支されるシャフト(図示せず)の回りを自転しながらサンギヤ31の回りを公転する。リングギヤ35自体は回転しない。モータ4の回転軸4cが回転すると、それに同期してサンギヤ31も回転する。サンギヤ31の回転力は、所定の比率で減速されて遊星キャリア部47に伝達されるので、スピンドル41が回転することになる。スピンドル41の後方側(モータ4側)の軸心には嵌合穴46が形成され、サンギヤ31の収容空間とされる。
インナカバー20は合成樹脂の一体成形で製造される部品であって、本体ハウジング2の胴体部2aによって、左右方向から挟持されるようにして保持される。この際、インナカバー20が本体ハウジング2に対して相対回転しないように、インナカバー20には径方向外側に突出する突出部25(後述の図4参照)が設けられる。インナカバー20の上部には、複数設けられるネジボスのうちの一つ(18b)が位置するので、インナカバー20は本体ハウジング2によって安定して挟持される。インナカバー20の主な役割は、2つ設けられる軸受8aと9bを保持すると共に、モータ4の回転軸4cとスピンドル41の回転中心を同軸上に芯だしするためである。インナカバー20によって保持される軸受8aはモータ4の回転軸4cを軸支するためであって、例えばボールベアリングが用いられる。インナカバー20によって保持される軸受9bは、スピンドル41の後端を軸支するためであって、例えばボールベアリングが用いられる。
リングギヤ35は、軸方向の長さがプラネタリーギヤ32よりも後方側(インナカバー20側)に延在して、その内側にインナカバー20の延在部24が配置される。このようにリングギヤ35の内側にインナカバー20を配置することによりインナカバー20が精度良く芯出しされる。インナカバー20は、例えばプラスチック等の合成樹脂の一体成形によって製造されるが、アルミニウム合金等の軽金属にて製造しても良い。リングギヤ35は、鉄系の金属で製造されるが、合成樹脂の成形品で製造しても良い。本実施例では、本体ハウジング2の胴体部2aの内部にてインナカバー20の回り止めをする。そして、インナカバー20でリングギヤ35の回り止めをする。このように固定することによってリングギヤ35の外周側に、リングギヤ35の回り止めのための構成物を配置する必要が無いので、本体ハウジング2の胴体部2aを細く形成することができ、インパクト工具1の大形化を抑制できる。また、インナカバー20にて、2つの軸受8aと9bを保持するので、インナカバー20と減速機構30の回転軸の位置決め精度を高めることが可能となる。
リングギヤ35の単体では、胴体部2aに対して回り止めしていない。また、インナカバー20は胴体部2aにて強固に挟持される程では無くて、リングギヤ35と胴体部2aは相対移動できる程度の保持状態である。リングギヤ35の内側には、スピンドル41の後端部に形成された遊星キャリア部47が収容される。遊星キャリア部47は軸心から径方向外側に延在する平行な2枚の円盤部と、その円盤部の間に渡されるシャフトを設け、そのシャフトを用いて円盤部の間で回転するプラネタリーギヤ32を軸支するものである。遊星キャリア部47の前方側であって、ハンマスプリング43との間には、段付き形状のストッパリング44が介在される。
図4はインナカバー20とリングギヤ35の斜視図である。インナカバー20はモータ4用の軸受8aを内周側にて保持する円筒面を形成する第一円筒部21と、スピンドル41の後端部を軸支する軸受9bを内周側にて保持する円筒面を形成する第二円筒部23が設けられる。第一円筒部21と第二円筒部23の間は、径方向に延在する円盤状の連結部22にて接続されることにより一体構成とされる。第二円筒部23の前端から径方向外側には、円盤状に径方向外側に延在する延在部24がさらに形成される。延在部24の外周は、軸方向に所定の幅を有する外周面24aとなるように形成され、外周面24aがリングギヤ35の円筒内面37に当接することによって、インナカバー20とリングギヤ35がモータ4の回転軸線A1と同軸上に配置する。第一円筒部21の後方端は、軸受8aを圧入すると共にモータ4の回転軸4cが貫通するための開口部21aとなっている。第一円筒部21の内部の前方端には圧入される軸受8aが前方側に移動しないように内径を小さくして段差状にした軸受保持面21bが形成される。
リングギヤ35は、内周面において周方向に連続するようにギヤ部36が形成された内歯車である。リングギヤ35の軸方向の一方側には、ギヤ部36が形成されない円筒内面37が形成される。円筒内面37は延在部24の外周面24aが当接する面であって、一部(切欠き部38)を除いて円周方向に連続する。また、円筒内面37を設ける目的はインナカバー20の延在部24の保持であるため、回転軸線A1方向の長さは必要最小限とされ、外周面24aの軸方向幅とほぼ同じ程度とされる。インナカバー20とリングギヤ35には、それぞれに回り止め用の凹部または凸部が形成される。回り止めを目的とするために、インナカバー20とリングギヤ35のどちら側に凹部を設け、どちら側に凸部を設けるかは任意であるが、ここではインナカバー20側に凸部たる突出部25を形成し、リングギヤ35側に凹部たる切欠き部38を形成した。突出部25は外周面24aよりも径方向外側に突出するもので、その突出部分の前方側の一部が切欠き部38内に位置する。このように突出部25と切欠き部38が当接することによってインナカバー20とリングギヤ35の相対回転が阻止される。
インナカバー20の突出部25は、リングギヤ35との相対回転を阻止するだけで無く、本体ハウジング2との相対回転を防ぐ機能をも果たす。突出部25は第二円筒部23より径方向外側に突出するように大きく形成されるもので、回転軸線A1を基準に180度隔てた2箇所に設けられる。突出部25の一方は分割される本体ハウジング2の一方側の内壁面に形成される2つのリブによって位置決めされ、突出部25の他方は分割される本体ハウジング2の他方側の内壁面に形成される2つのリブによって位置決めされる。
図5はインナカバー20とリングギヤ35を組み付けた状態の図であって、(A)は後方から見た図であり、(B)は(A)のE方向から見た矢視図(左側面図)であり、(C)は(A)のF方向から見た矢視図(底面図)である。(A)の図で明らかなように突出部25の径方向外縁位置は、リングギヤ35の外縁位置と同じ位置とされ、後方視認における外縁形状は、リングギヤ35の外周面と同一位置となる。従って、リングギヤ35の外周面よりも外側部分にインナカバー20が突出しないため、本体ハウジング2の胴体部2aの外径が大きくなることを抑制でき、本体ハウジング2をコンパクトにできる。第一円筒部21の内側の直径D5は、軸受8aの外輪の大きさとほぼ同じとされる。延在部24の外周面24aは、リングギヤ35の内周面に当接するため、リングギヤ35とインナカバー20はがたつくことが無く良好な接触状況を保つことができる。
図5(B)にはインナカバー20とリングギヤ35の各部分の寸法を示している。リングギヤ35の外側の直径はD1であり、内側の直径はD2(図5(A)参照)である。従って、インナカバー20の突出部25を除く延在部24の部分の外径もD2となる。一方、第一円筒部21の外径D3は、第2円筒部23の外径D4よりも小さくする。図5(C)のF方向の矢視図ではインナカバー20の最大外径部が突出部25となっており、その外径D1は、リングギヤ35の外径D1と等しくなっている。このようにインナカバー20とリングギヤ35の組立体は、それらの外径が周方向のどの位置においても直径D1となっていてリングギヤ35の大きさを超えないので、本体ハウジング2の胴体部2aの限られたサイズの範囲内で最大の大きさのリングギヤ35を用いること可能となる。
図6(A)は図5(A)のC−C断面図であり、図6(B)は図5(A)のD−D断面図である。ここでわかるようにC−C断面においてはリングギヤ35の内側に延在部24が位置することになる。従って、延在部24の外周面がリングギヤ35の内周面で保持されるので、インナカバー20とリングギヤ35のがたつきを効果的に抑制でき、モータ4の回転軸4cとリングギヤ35の回転中心の芯出しを精度良く実現できる。一方、D−D断面においてはリングギヤ35と突出部25が軸方向に並んで配置されることになるが、突出部25の左右幅はリングギヤ35の左右幅と等しいので、左右方向の大きさをリングギヤ35の左右幅に抑えることができる。なお、第二円筒部23は軸受9bを支持する軸受保持面23bを有する。
以上説明したように本実施例によれば、インナカバー20とリングギヤ35の接続構造を変更して、リングギヤ35の内周側にインナカバー20の外縁部を当接させるようにしたので、インナカバー20を小さく構成することができ、その結果、本体ハウジング2の胴体部2aの外径を小さく形成できた。また、インナカバー20は径方向に突出する凸部を有し、リングギヤ35はその凸部に対応する凹部を有し、これらが係合することによってリングギヤ35とインナカバー20の相対回転が阻止されるので、リングギヤ35をハウジングによって回り止めする必要が無い。さらに、リングギヤ35の軸方向(前後方向)は、ハンマケース3の内側ではなくて外側において、本体ハウジング2の絞り込み段差面とハンマケース3にて挟むようにして固定するので、ハンマケース3の最大径と同径のリングギヤ35を用いることができる。
図7は本発明の第2の実施例に係るインパクト工具のインナカバー20Aとリングギヤ35A付近の斜視図である。基本的な構成、特にリングギヤ35Aの内周側にて、インナカバー20Aの延在部24を保持する点は同様であるが、インナカバー20Aとリングギヤ35Aの回り止めのための凹凸構造が第一の実施例と逆になっている。即ち、リングギヤ35Aには軸方向前方に突出する突出部39aが形成され、インナカバー20Aの突出部25には突出部39aを収容するための凹部25aが形成される。このように相対回転を防止するための凹部25aをインナカバー20A側に形成し、凸部(突出部39a)をリングギヤ35A側に形成しても良い。第2の実施例の構成でも、延在部24の外周面24aとリングギヤ35Aの円筒内面37が当接する構成は第一の実施例と同様である。第二の実施例の特徴は、リングギヤ35A側に形成されるのが切欠き部でなくて突出部39aであるため、切り欠き形成によるリングとしての剛性低下を防止できることにある。
図8はインナカバー20Aとリングギヤ35Aを組み付けた状態の図であって、(A)は後方から見た図であり、(B)は(A)のC−C断面図であり、(C)は(A)のD−D断面図である。C−C断面においては、リングギヤ35Aの内側に延在部24が位置し、延在部24の外周面がリングギヤ35Aの内周面で当接するので、インナカバー20Aとリングギヤ35Aのがたつきを効果的に抑制でき、モータ4の回転軸4cとリングギヤ35Aの回転中心の芯出しを精度良く行うことができる。一方、D−D断面においては、リングギヤ35Aの突出部39aと突出部25の凹部25aが嵌合するので、リングギヤ35Aの周方向の位置決めを行うことができる上に、がたつきを抑えることができる。また、D−D断面においては、リングギヤ35Aと突出部25が軸方向に並んで配置される構成でありながら、インナカバー20Aの軸方向長さは第1の実施例と同じであるので、電動工具の大形化を抑制できる。
第2の実施例によれば、リングギヤ35Aの内周側にインナカバー20Aの外縁部を当接させるようにしたので、第一の実施例と同様にインナカバー20Aを小さく構成することができた。また、リングギヤ35Aの軸方向(前後方向)は、本体ハウジング2とハンマケース3にて挟むようにして固定する構成は同じであるので、リングギヤ35Aをハンマケース3の内側に収容する必要が無いため、ハンマケース3の最大径と同径のリングギヤ35Aを用いることができ、ハンマケース3のサイズに対して大きめの遊星歯車減速機構を実現できた。
図9は本発明の第3の実施例に係るインパクト工具のインナカバー20Bとリングギヤ35Bの斜視図である。基本的な構成は図7及び図8で示した第2の実施例と同じであって、違う箇所はリングギヤ35Bに形成される突出部39bの軸方向(前後方向)の長さが長くなっていることと、インナカバー20Bの突出部25に形成される凹部25bが、突出部25の軸方向後端から前端まで連続するような形状とされることである。別の見方をすれば、凹部25bは突出部25の軸方向後端から前方側に形成されたのでは無く、径方向外面から径方向内側に向けて窪ませたような形状とも言える。このように形成すれば、インナカバー20Bの凹部25bとリングギヤ35Bの突出部39bと周方向に接触する部分(接触面)が大きくなるため、回り止めの剛性を第2の実施例よりもさらに強くすることができる。
図10は、インナカバー20Bとリングギヤ35Bを組み付けた状態の図であって、(A)は後方から見た図であり、(B)は(A)のC−C断面図であり、(C)は(A)のD−D断面図である。図10(B)で示すようにC−C断面においては、インナカバー20Bとリングギヤ35Bの断面形状は、第2の実施例で示したインナカバー20Aとリングギヤ35Aの断面形状と同一である。一方、図10(C)で示すようにD−D端面においては、リングギヤ35Bの長さが第1及び第2の実施例のリングギヤ35、35Aに比べて大幅に大きくなっていることが理解できるであろう。第3の実施例ではリングギヤ35Bの左右両側面の一部の前後長さが大きくなることで、合成樹脂製の本体ハウジング2との接触面積が増加するので、リングギヤ35Bを本体ハウジング2により安定して保持させることができる。
図11は本発明の第4の実施例に係るインパクト工具のインナカバー20Cとリングギヤ35C付近の拡大図である。基本的な構成は図3で示した第1の実施例と同じであるが、縦断面位置で見た際にインナカバー20Cの上端と下端(図12で後述する突出部24b)がリングギヤ35Cの内周に接触するのでは無くて、本体ハウジング2に当接する。インナカバー20Cの保持方法は第一の実施例のインナカバー20と同様であって、第二円筒部23がハウジング2の内側に形成された絞り込み段差部65によって挟持される。また絞り込み段差部65の径方向壁面が延在部24と接触又は隣接する。
図12は、本発明の第4の実施例に係るインパクト工具のインナカバー20Cとリングギヤ35Cの斜視図である。インナカバー20Cの構成は第1の実施例のインナカバー20の延在部24に、上下方向に突出する突出部24bを追加した形状としている。一方、リングギヤ35C側には、突出部24bと嵌合する切欠き部38cを追加した、従って、リングギヤ35Cには、左右両側に配置される2つの切欠き部38に加えて、上下の2箇所に配置される切欠き部38cの合計4つの凹部が形成されることになる。4つの凹部(切欠き部38、38c)は、インナカバー20C側に形成された4つの凸部(突出部24b、25)と嵌合することになる。
図13は、インナカバー20Cとリングギヤ35Cを組み付けた状態の図であって、(A)は後方から見た図であり、(B)は(A)のC−C断面図であり、(C)は(A)のD−D断面図である。図13(B)で示すようにC−C断面においても、インナカバー20Cとリングギヤ35Cの断面形状が同径になる。また、図13(C)に示すようにD−D断面においてもインナカバー20Cとリングギヤ35Cの断面形状が同径になる。このようにリングギヤ35Cとインナカバー20Cの回り止め用の凹凸部の数を増加させたので、リングギヤ35Cを本体ハウジング2に対して回転しないように安定して保持できる。
図14は本発明の第5の実施例に係るインパクト工具のインナカバー20Dとリングギヤ35D付近の拡大図である。基本的な考えは、インナカバー20D側に形成される径方向に突出又は窪む凹凸部の数を4つとし、リングギヤ35D側に形成される凸凹部の数を4つとしたものであって、第4の実施例の考えと近い。ここでは、リングギヤ35D側に、軸方向前方側に突出する4つの突出部39dを形成した。また、近接する突出部39dの間の部分では、円筒内面37が形成されない切欠き部38となっている。突出部39dは左右方向に水平方向に延在するような形状であって、ギヤ部36よりも内側に突出するように大きめの突出部39dとする。一方、インナカバー20D側は、延在部24を左右方向に大きく切り欠くような切欠き部26が4箇所形成される。この形状の特徴は、4つの突出部39dが突出部25の一部を形成するかのように、突出部39dが切欠き部26に嵌合して突出部25の周方向両側に位置することである。この結果、本体ハウジング2の内周面に形成される凹部(図示せず)には、突出部25だけでなくその周方向両側に位置する突出部39dが嵌合し、リングギヤ35Dが本体ハウジング2に対しても回り止めされるのと同じとなるので、リングギヤ35Dを安定して保持することができる。
図15は、インナカバー20Dとリングギヤ35Dを組み付けた状態の図であって、(A)は後方から見た図であり、(B)は(A)のC−C断面図であり、(C)は(A)のD−D断面図である。図15(B)で示すようにC−C断面においては、インナカバー20Dの外径とリングギヤ35Dの内周面が同径になる。また、図15(C)に示すようにD−D断面においてはインナカバー20Dとリングギヤ35Cの断面形状が同径であるが、インナカバー20Dがリングギヤ35Cよりも径方向外側に突出することはない。このようにリングギヤ35Dとインナカバー20Dの回り止め用の凹凸部の数を増加させたので、リングギヤ35Dを本体ハウジング2に対して回転しないように安定して保持できる。また、リングギヤ35Dとインナカバー20Dの合計前後長さは第1〜第4の実施例のリングギヤと同様であるので、リングギヤ35Dを本体ハウジング2に対して回り止めをしたとしても、インナカバー20Dとリングギヤ35Dを組み立て体の全体サイズが増大することはない。尚、インナカバー20Dの突出部25の上下方向高さがH1(このサイズは図5(A)のH1と同じ)であり、その上下方向に突出部39dを加えた合計高さがH2であるが、H2の高さが、第1の実施例の突出部25の高さH1と同じなるように、突出部25の高さ(周方向の長さ)を小さくしてH2=H1とすれば、第一の実施例で用いられるインパクト工具1のインナカバー20とリングギヤ35を、本体ハウジング2側の形状を変更することなく第5の実施例に係るインナカバー20Dとリングギヤ35Dに置き替えることができる。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上述の実施例では電動工具の例としてインパクト工具1を用いて説明したが、ドライバドリル、グラインダ等の動力工具であって、駆動源による回転力を遊星歯車減速機構を用いて動力伝達機構に伝達し、先端工具の駆動するような工具であれば同様に適用できる。また、上述の実施例の電動工具は、ハウジングを合成樹脂製の本体ハウジング2と金属製のハンマケース3によって形成したが、ハンマケース3を用いずに合成樹脂製の本体ハウジングだけでハウジング全体を構成する電動工具であっても、同様に適用できる。
1 インパクト工具 2 本体ハウジング
2a 胴体部 2b ハンドル部
2c バッテリ取付部 3 ハンマケース
4 モータ 4b ステータコア
4c 回転軸 5a、5b インシュレータ
6 トリガスイッチ 6a トリガレバー
6d プランジャ 7 正逆切替レバー
8a、8b 軸受 9a メタル
9b 軸受 11 センサ基板
13 冷却ファン 14 制御回路基板
15 リブ 16a 電力線
16b 信号線 17a 空気吸入口
17b 空気排出口 18a〜18h ネジ
19a〜19h ネジボス 20、20A〜20D インナカバー
21 第一円筒部 21a 開口部
21b 軸受保持面 22 連結部
23 第二円筒部 23b 軸受保持面
24 延在部 24a 外周面
24b 突出部 25 突出部
25a、25b 凹部 26 切欠き部
28 スイッチホルダ 29 発光手段
30 減速機構 31 サンギヤ
32 プラネタリーギヤ 35 リングギヤ
36 ギヤ部 37 円筒内面
38、38c 切欠き部 39a、39b、39d 突出部
40 打撃機構 41 スピンドル
42 ハンマ 42a、42b 打撃爪
43 ハンマスプリング 44 ストッパリング
46 嵌合穴 47 遊星キャリア部
50 アンビル 51、51a、51b 羽根部
52 装着穴 60 先端工具保持部
61 スリーブ 62 スチールボール
63 圧縮バネ 65 絞り込み段差部
100 バッテリ 101 リリースボタン
A1 (回転軸の)軸線

Claims (6)

  1. モータと、
    前記モータの回転を減速する減速機構と、
    前記モータと前記減速機構を収容するハウジングと、
    前記減速機構の軸受を支持するインナカバーと、を有し、
    前記減速機構はプラネタリーギヤと、前記プラネタリーギヤの外側に位置するリングギヤと、前記プラネタリーギヤの内側に位置して前記モータに接続されるサンギヤと、を有する電動工具であって、
    前記インナカバーは、前記軸受を支持する円筒部と、前記円筒部から円盤状に径方向外側に延在し、外周部が軸方向に所定の幅を有する外周面が形成される延在部と、を有し、前記モータと前記減速機構との間において前記円筒部が前記ハウジングによって保持されるように設けられ
    前記リングギヤは、内周面において周方向に連続するように形成され前記プラネタリーギヤと噛み合うギヤ部と、内周面において前記リングギヤの軸方向で前記ギヤ部と隣接して設けられ、前記軸方向に延在する前記ギヤ部が形成されない円筒内面と、を有し、前記リングギヤの外周面が前記ハウジングによって保持されるように設けられ、
    前記延在部の前記外周面を前記リングギヤの前記円筒内面で支持するように構成したことを特徴とする電動工具。
  2. 前記インナカバーは径方向に突出又は窪む凹凸部を有し、前記リングギヤは前記凹凸部に対応する凸凹形状を有する凸凹部を有し、前記凹凸部と前記凸凹部が係合することによって前記リングギヤと前記インナカバーの相対回転が阻止されることを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
  3. 前記凹凸部及び前記凸凹部はそれぞれ複数配置されることを特徴とする請求項2に記載の電動工具。
  4. 前記モータの回転軸と前記減速機構の回転中心は同軸上に並べて配置され、
    前記インナカバーは、前記回転軸を軸支するモータ軸受の一つと、前記減速機構を軸支するギヤ軸受の一つを固定するものであって、前記円筒部は、前記モータ軸受の外周面を保持する第一円筒部と、前記ギヤ軸受の外周面を保持する第二円筒部と、を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電動工具。
  5. 前記ハウジングは、前記モータの回転軸線を含む分割面にて分割可能な合成樹脂製のパーツを含んで構成され、
    前記インナカバーは前記分割面と交差するようにして前記ハウジングにて挟持され、
    前記インナカバーと前記ハウジングは相対回転しないように回り止め部が形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電動工具。
  6. 前記減速機構の出力を先端工具の駆動力に変換する動力伝達機構を有し、
    前記ハウジングは前記動力伝達機構を収容するカップ状の金属ケースを含んで構成され、
    前記リングギヤは前記金属ケースの開口縁と同径として、前記開口縁と軸方向に並べて配置されることを特徴とする請求項5に記載の電動工具。
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