JP2019104834A - 超臨界流体処理装置の洗浄剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリアルキレンオキシド単位と、
前記ポリアルキレンオキシド単位にエーテル結合を介して結合しており、芳香族置換基を有することがある、フェニル基またはベンジル基と、
を有しており、
重量平均分子量が、700以上、20000未満である、超臨界流体処理装置の洗浄剤。
【選択図】 なし
Description
項1. ポリアルキレンオキシド単位と、
前記ポリアルキレンオキシド単位にエーテル結合を介して結合しており、芳香族置換基を有することがある、フェニル基またはベンジル基と、
を有しており、
重量平均分子量が、700以上、20000未満である、超臨界流体処理装置の洗浄剤。
項2. ポリアルキレンオキシド単位と、
前記ポリアルキレンオキシド単位にエーテル結合を介して結合している、炭素数が8〜22の炭化水素基と、
を有しており、
重量平均分子量が、300以上、1100未満である、超臨界流体処理装置の洗浄剤。
項3. ポリアルキレンオキシド単位と、
前記ポリアルキレンオキシド単位にエーテル結合を介して結合している、炭素数が22以上の炭化水素基と、
を有しており、
重量平均分子量が、2500以上、20000未満である、超臨界流体処理装置の洗浄剤。
項4. ポリアルキレンオキシド単位からなり、
重量平均分子量が、600以上、30000未満である、超臨界流体処理装置の洗浄剤。
項5. 超臨界流体と共に使用される、項1〜4のいずれかに記載の超臨界流体処理装置の洗浄剤。
項6. 項1〜5のいずれかに記載の洗浄剤の存在下に、超臨界流体処理装置の処理槽及び/又は流路を洗浄する洗浄工程を備える、超臨界流体処理装置の洗浄方法。
項7. 前記洗浄工程において、超臨界流体を用い、前記洗浄剤の存在下に、前記超臨界流体処理装置の前記処理槽及び/又は前記流路を洗浄する、項6に記載の超臨界流体処理装置の洗浄方法。
本発明の洗浄剤は、超臨界流体処理装置の洗浄に用いられる洗浄剤であり、具体的には、超臨界流体処理装置の処理槽、流路などの内面に付着した染料や汚れなどを洗浄するために用いられる洗浄剤である。
第1の洗浄剤は、ポリアルキレンオキシド単位と、フェニル基またはベンジル基とが、エーテル結合を介して結合した構造を備えている化合物である。フェニル基及びベンジル基は、それぞれ、芳香族置換基を有することがある。また、第1の洗浄剤は、重量平均分子量が、700以上、20000未満である。第1の洗浄剤は、このような特定の構造と重量平均分子量とを備えていることにより、超臨界流体処理装置の洗浄剤として優れた洗浄能力を発揮する。
第2の洗浄剤は、ポリアルキレンオキシド単位と、炭素数が8〜22の炭化水素基とが、エーテル結合を介して結合した構造を備えている化合物である。また、第2の洗浄剤は、重量平均分子量が、300以上、1100未満である。第2の洗浄剤は、このような特定の構造と重量平均分子量とを備えていることにより、超臨界流体処理装置の洗浄剤として優れた洗浄能力を発揮する。
第3の洗浄剤は、ポリアルキレンオキシド単位と、炭素数が22以上の炭化水素基とが、エーテル結合を介して結合した構造を備えている化合物である。また、第3の洗浄剤は、重量平均分子量が、2500以上、20000未満である。第3の洗浄剤は、このような特定の構造と重量平均分子量とを備えていることにより、超臨界流体処理装置の洗浄剤として優れた洗浄能力を発揮する。
第4の洗浄剤は、ポリアルキレンオキシドからなり、重量平均分子量が600以上、30000未満である化合物である。第4の洗浄剤は、ポリアルキレンオキシドが特定の重量平均分子量を備えていることにより、超臨界流体処理装置の洗浄剤として優れた洗浄能力を発揮する。
本発明の超臨界流体処理装置の洗浄方法は、本発明の洗浄剤の存在下に、超臨界流体処理装置の処理槽、流路などを洗浄する洗浄工程を備えている。本発明の洗浄方法により、超臨界流体処理装置の処理槽、流路などの内面に付着した染料や汚れなどを好適に洗浄することができる。本発明の洗浄方法に使用される洗浄剤の詳細については、前述の通りである。
1Lオートクレーブにクミルフェノール 200 g、苛性カリ(特級) 0.9 gを仕込み、密閉した。減圧状態で130℃まで加熱後、プロピレンオキサイド82 gを注入し、1.5時間熟成した後に脱気を行った。続いて減圧状態でエチレンオキサイド664 gを注入し、1.5時間熟成した後に脱気を行った。脱気終了後、80℃まで冷却して中間生成物を取り出した。中間生成物 100 gと苛性カリ(特級) 0.5 gを1Lオートクレーブに仕込み、密閉した。減圧状態で130℃まで加熱後、エチレンオキサイド362 gを注入し、1.5時間熟成した後に脱気を行った。脱気終了後、80℃まで冷却して酢酸(90%) 0.7 gを加え、15分撹拌を行うことで洗浄剤(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンクミルフェニルエーテル)を作製した。
1Lオートクレーブにポリスチリルクミルフェノール 350 g、苛性カリ(特級) 1.5 gを仕込み、密閉した。減圧状態で150℃まで加熱後、エチレンオキサイド 157 gを注入し、1.5時間熟成した後に脱気を行った。脱気終了後、80℃まで冷却して酢酸(90%) 1.7 gを加え、15分撹拌を行うことで洗浄剤(ポリオキシエチレンポリスチリルクミルフェニルエーテル)を作製した。
1Lオートクレーブにポリスチリルクミルフェノール 300 g、苛性カリ(特級) 1.5 gを仕込み、密閉した。減圧状態で150℃まで加熱後、エチレンオキサイド 205 gを注入し、1.5時間熟成した後に脱気を行った。脱気終了後、80℃まで冷却して酢酸(90%) 1.7 gを加え、15分撹拌を行うことで洗浄剤(ポリオキシエチレンポリスチリルクミルフェニルエーテル)を作製した。
1Lオートクレーブにポリスチリルクミルフェノール 200 g、苛性カリ(特級) 1.5 gを仕込み、密閉した。減圧状態で150℃まで加熱後、エチレンオキサイド 230 gを注入し、1.5時間熟成した後に脱気を行った。脱気終了後、80℃まで冷却して酢酸(90%) 1.8 gを加え、15分撹拌を行うことで洗浄剤(ポリオキシエチレンポリスチリルクミルフェニルエーテル)を作製した。
1Lオートクレーブにトリスチリルフェノール 200 g、苛性カリ(特級) 1.6 gを仕込み、密閉した。減圧状態で150℃まで加熱後、プロピレンオキサイド 369 gを注入し、1.5時間熟成した後に脱気を行った。脱気終了後、80℃まで冷却して酢酸(90%) 1.9 gを加え、15分撹拌を行うことで洗浄剤(ポリオキシプロピレントリスチリルフェニルエーテル)を作製した。
1Lオートクレーブにトリスチリルフェノール 200 g、苛性カリ(特級) 2.5 gを仕込み、密閉した。減圧状態で150℃まで加熱後、プロピレンオキサイド 614 gを注入し、1.5時間熟成した後に脱気を行った。脱気終了後、80℃まで冷却して酢酸(90%) 2.8 gを加え、15分撹拌を行うことで洗浄剤(ポリオキシプロピレントリスチリルフェニルエーテル)を作製した。
1Lオートクレーブにトリスチリルフェノール 200 g、苛性カリ(特級) 1.6 gを仕込み、密閉した。減圧状態で150℃まで加熱後、エチレンオキサイド 350 gを注入し、1.5時間熟成した後に脱気を行った。脱気終了後、80℃まで冷却して酢酸(90%) 1.9 gを加え、15分撹拌を行うことで洗浄剤(ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル)を作製した。
1Lオートクレーブにトリスチリルフェノール 100 g、苛性カリ(特級) 1.6 gを仕込み、密閉した。減圧状態で150℃まで加熱後、エチレンオキサイド 458 gを注入し、1.5時間熟成した後に脱気を行った。脱気終了後、80℃まで冷却して酢酸(90%) 1.9 gを加え、15分撹拌を行うことで洗浄剤(ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル)を作製した。
1Lオートクレーブにトリスチリルフェノール 300 g、苛性カリ(特級) 1.5 gを仕込み、密閉した。減圧状態で150℃まで加熱後、エチレンオキサイド 209 gを注入し、1.5時間熟成した後に脱気を行った。脱気終了後、80℃まで冷却して酢酸(90%) 1.7 gを加え、15分撹拌を行うことで洗浄剤(ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル)を作製した。
1Lオートクレーブにベンジルアルコール 100 g、苛性カリ(特級) 1.3 gを仕込み、密閉した。減圧状態で150℃まで加熱後、エチレンオキサイド 369 gを注入し、1.5時間熟成した後に脱気を行った。脱気終了後、80℃まで冷却して酢酸(90%) 1.6 gを加え、15分撹拌を行うことで洗浄剤(ポリオキシエチレンベンジルエーテル)を作製した。
1Lオートクレーブにべへニルアルコール 300 g、苛性カリ(特級) 1.4 gを仕込み、密閉した。減圧状態で150℃まで加熱後、エチレンオキサイド 195 gを注入し、1.5時間熟成した後に脱気を行った。脱気終了後、80℃まで冷却して酢酸(90%) 1.7 gを加え、15分撹拌を行うことで洗浄剤(ポリオキシエチレンべへニルエーテル)を作製した。
1Lオートクレーブにステアリルアルコール 300 g、苛性カリ(特級) 1.5 gを仕込み、密閉した。減圧状態で150℃まで加熱後、エチレンオキサイド 232 gを注入し、1.5時間熟成した後に脱気を行った。脱気終了後、80℃まで冷却して酢酸(90%) 1.8 gを加え、15分撹拌を行うことで洗浄剤(ポリオキシエチレンステアリルエーテル)を作製した。
1Lオートクレーブにステアリルアルコール 100 g、苛性カリ(特級) 1.6 gを仕込み、密閉した。減圧状態で150℃まで加熱後、エチレンオキサイド 463 gを注入し、1.5時間熟成した後に脱気を行った。脱気終了後、80℃まで冷却して酢酸(90%) 1.9 gを加え、15分撹拌を行うことで洗浄剤(ポリオキシエチレンステアリルエーテル)を作製した。
1Lオートクレーブにラウリルアルコール 100 g、苛性カリ(特級) 2.2 gを仕込み、密閉した。減圧状態で150℃まで加熱後、エチレンオキサイド 661 gを注入し、1.5時間熟成した後に脱気を行った。脱気終了後、80℃まで冷却して酢酸(90%) 2.6 gを加え、15分撹拌を行うことで洗浄剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)を作製した。
1Lオートクレーブにべへニルアルコール 100 g、苛性カリ(特級) 1.4 gを仕込み、密閉した。減圧状態で150℃まで加熱後、エチレンオキサイド 385 gを注入し、1.5時間熟成した後に脱気を行った。脱気終了後、80℃まで冷却して酢酸(90%) 1.6 gを加え、15分撹拌を行うことで洗浄剤(ポリオキシエチレンべへニルエーテル)を作製した。
実施例12〜14では、それぞれ、表1に記載のポリエチレングリコール(三洋化成工業株式会社製)を洗浄剤とした。
1Lオートクレーブにポリプロピレングリコール(分子量約2000) 200 g、苛性カリ(特級) 1.1 gを仕込み、密閉した。減圧状態で150℃まで加熱後、エチレンオキサイド 200 gを注入し、1.5時間熟成した後に脱気を行った。脱気終了後、80℃まで冷却して酢酸(90%) 1.4 gを加え、15分撹拌を行うことで洗浄剤(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー)を作製した。
1Lオートクレーブにポリプロピレングリコール(分子量約3000) 100 g、苛性カリ(特級) 1.4 gを仕込み、密閉した。減圧状態で150℃まで加熱後、エチレンオキサイド 400 gを注入し、1.5時間熟成した後に脱気を行った。脱気終了後、80℃まで冷却して酢酸(90%) 1.7 gを加え、15分撹拌を行うことで洗浄剤(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー)を作製した。
1Lオートクレーブにポリプロピレングリコール(分子量約2000) 100 g、苛性カリ(特級) 1.4 gを仕込み、密閉した。減圧状態で150℃まで加熱後、エチレンオキサイド 400 gを注入し、1.5時間熟成した後に脱気を行った。脱気終了後、80℃まで冷却して酢酸(90%) 1.7 gを加え、15分撹拌を行うことで洗浄剤(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー)を作製した。
比較例5では、表1に記載のポリエチレングリコール(青木油脂工業株式会社製)を洗浄剤とした。
比較例6では、ポリエチレンテレフタレート(PET)布帛(株式会社色染社製)を洗浄剤とした。
以下の条件により、洗浄剤として用いた化合物の分子量(重量平均分子量)を、ゲルパーミッションクロマトグラフィ(GPC法)により測定した。結果を表1〜4に示す。
装置:Shimazu GPC 分析装置 (株式会社島津製作所製)
検出器:示差屈折計検出器 RID−10A (株式会社島津製作所製)
使用カラム:KF−802.5、KF−804、KF−805(いずれも昭和電工株式会社製)
移動相:THF
流量:0.5 mL/min
カラム温度:30℃
試料濃度:0.2% (w/v)
注入量:0.1 mL
分子量標準物質:ポリスチレン (Agilent Technologies株式会社製)
上記の各洗浄剤について、それぞれ、超臨界二酸化炭素を用いた洗浄能力の評価試験を行った。洗浄対象とした超臨界流体処理装置のプロセスフローは、図1に示す通りである。耐圧容器(日本分光株式会社製 EV−2、内容量 50 mL)に染料(紀和化学工業株式会社製 KIWA−SFD RED B)12.5 mgを添加し、アセトン(ナカライテスク社より購入)で溶解させた後に耐圧容器中で傾けながらアセトンを除去することで、疑似的な染料汚れとした。また、上記の各洗浄剤1.0 gをガラスフィルター(東京濾紙株式会社製 THIMBLE FILTER 88R)に含侵させ、試験片とした。耐圧容器に撹拌子、設置台、試験片を充填した後、耐圧容器の蓋、ガスのラインを閉じて密閉系とし、マグネティックスターラー内蔵型オーブン(日本分光株式会社製 SFC−Pro)の所定の位置に設置した。次いで、撹拌子による撹拌を行いながら125℃に昇温し、1時間保持した。昇温後、送液ポンプ(日本分光株式会社製 PU−2086インテリジェントHPLCポンプ)により二酸化炭素を25MPaになるように導入し、125℃で1時間の超臨界処理を行った。超臨界処理を行った後、ガスの開閉ラインを開いて二酸化炭素を排出した。
2 冷却器
3 圧縮部
4 耐圧容器
5 ヒータ
6 ガス分離槽
7 導入バルブ
8 供給バルブ
9 排出バルブ
Claims (7)
- ポリアルキレンオキシド単位と、
前記ポリアルキレンオキシド単位にエーテル結合を介して結合しており、芳香族置換基を有することがある、フェニル基またはベンジル基と、
を有しており、
重量平均分子量が、700以上、20000未満である、超臨界流体処理装置の洗浄剤。 - ポリアルキレンオキシド単位と、
前記ポリアルキレンオキシド単位にエーテル結合を介して結合している、炭素数が8〜22の炭化水素基と、
を有しており、
重量平均分子量が、300以上、1100未満である、超臨界流体処理装置の洗浄剤。 - ポリアルキレンオキシド単位と、
前記ポリアルキレンオキシド単位にエーテル結合を介して結合している、炭素数が22以上の炭化水素基と、
を有しており、
重量平均分子量が、2500以上、20000未満である、超臨界流体処理装置の洗浄剤。 - ポリアルキレンオキシド単位からなり、
重量平均分子量が、600以上、30000未満である、超臨界流体処理装置の洗浄剤。 - 超臨界流体と共に使用される、請求項1〜4のいずれかに記載の超臨界流体処理装置の洗浄剤。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の洗浄剤の存在下に、超臨界流体処理装置の処理槽及び/又は流路を洗浄する洗浄工程を備える、超臨界流体処理装置の洗浄方法。
- 前記洗浄工程において、超臨界流体を用い、前記洗浄剤の存在下に、前記超臨界流体処理装置の前記処理槽及び/又は前記流路を洗浄する、請求項6に記載の超臨界流体処理装置の洗浄方法。
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