JP2004088095A - 洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 微小構造を有する被洗浄体に損傷を与えることなく、被洗浄体を洗浄する洗浄方法を提供する。
【解決手段】 本洗浄方法では、非イオン性界面活性剤を添加した超臨界二酸化炭素を洗浄液とし、被洗浄体として例えば犠牲層をエッチングして梁構造体を形成したマイクロマシンを洗浄する。添加した非イオン性界面活性剤は、例えば、次の化学式で示されるノニルフェノールポリオキシエチレンエーテルである。
【化1】
Figure 2004088095

 (化学式中の酸化エチレン(CH2−CH2−O)モル数nは2〜4)
 非イオン性界面活性剤の添加量は、例えば40℃、8MPaの超臨界二酸化炭素中の非イオン性界面活性剤濃度が0.01mol%以上2mol%以下、好ましくは0.05mol%以上1mol%以下の濃度範囲になるような添加量である。
【選択図】    なし

Description

 本発明は、微小構造を有する被洗浄体の洗浄方法に関し、更に詳細には、被洗浄体の微小構造に損傷を与えることなく、被洗浄体の微小構造に付着している異物、特に微粒子状異物を除去する洗浄方法であって、マイクロマシンや電子線露光マスクの洗浄に最適な洗浄方法に関するものである。
 半導体装置やマイクロマシン等の微小構造体の作製過程では、エッチング処理等のプロセスの後には、必ずと言って良い程、エッチング液を洗浄除去するために、或いはエッチング残渣を洗浄除去するために、洗浄液による洗浄処理、及び乾燥処理が施されている。
 微小構造体は、機械的に弱い構造体が多いので、洗浄に際し、損傷を与えないように十分な注意が必要である。
 被洗浄体である微小構造体は、可動部を有しない微小構造体と、可動部を有する微小構造体とに大別できる。
 可動部を有しない微小構造体とは、アスペクト比(高さ/幅)とよばれる開口パターンの高さと幅の比率が大きい微小構造、例えばLSIの微細パターンを有する半導体基板、或いは微細パターンを形成するためのフォトマスク等の微小構造体である。
 また、可動部を有する微小構造体とは、静止している基板との間に狭い間隔を保持して基板に支持された可動部を有する微小構造体、例えばマイクロマシンとよばれる微小な駆動体等の微小構造体である。
可動部を有する微小構造体の構成及びその洗浄
 マイクロマシン等の可動部を有する微小構造体は、微小構造体の適用分野の拡大と共に、益々、微小構造体の微細化が要請されている。ここで、図5を参照して、マイクロマシン等の可動部を有する微小構造体の構成を説明する。図5(a)及び(b)は、それぞれ、マイクロマシンの構成を示す斜視図と、図5(a)の線I−Iの断面図である。
 図示のマイクロマシン60は、両持ち梁構造の光学マイクロマシンであって、図5に示すように、基板62と、空隙部64を介して基板62上にブリッジ状に形成された梁構造体66とを有し、梁構造体66は、構造膜68と、構造膜66上に積層された光学膜70との積層膜として構成され、支持部66aにより基板62上に空隙部64を介して支持されている。
 基板62上に設けられた基板側電極(図示せず)と光学膜70上に設けられている駆動側電極(図示せず)との間に電圧を印加すると、梁構造体66は、静電引力又は静電反発力によって、基板62に対して近接し、離間する可動部を構成している。
 梁は、両持ち梁でも、片持ち梁でもでも良い。このような可動する梁構造を備えたマイクロマシンは、センサの接触子、振動子、微小バネ、光学素子等として多用されつつある。
 マイクロマシン60を作製する際には、予め、基板62上に犠牲層(図示せず)を成膜し、所定の形状にパターニングした後、構造材料の膜及び光学材料の膜を基板全面に順次成膜する。光学材料の膜として、金属材料膜が用いられることも多い。
 次いで、構造材料の膜及び光学材料の膜をドライエッチング法によりエッチングして構造膜68及び光学膜70からなる積層膜を形成し、続いて犠牲層を選択的にエッチングして除去する。これにより、犠牲層上に形成されていた積層膜は、空隙部64介して基板62上にブリッジ状に支持された梁構造体66として構成される。
 光学膜70及び構造膜68をドライエッチングした際、エッチングガス、レジストマスク、構造膜68、及び光学膜70が、相互に反応して反応生成物を生成し、図6(a)に示すように、梁構造体66の上面、下面、及び側壁に付着して微粒子状残査となる。
 微粒子状残渣は、除去されない限り、犠牲層のエッチング後も、そのまま、又は変質して更に除去され難い物質として残る。また、犠牲層エッチングの際にも、エッチングガスと犠牲層の材料との反応生成物が別途生成し、新たな微粒子状残渣として光学膜70上に付着する。
 これでは、所定の性能を示すマイクロマシン60を作製することができないので、これら微粒子状残渣を洗浄液により洗浄、除去することが必要である。
 ところで、微粒子状残渣を洗浄液により洗浄、除去する際、半導体装置の通常の製造工程で用いられているような、水系又は有機系の洗浄液による洗浄処理及び乾燥処理を施すと、基板62上に空隙部64を介して保持されていた、構造膜68及び光学膜70からなる梁構造体66が、損傷したり、基板62に固着したりすることが多かった。
 梁構造体66が損傷したり、基板62に固着したりする原因は、洗浄液又はリンス液が乾燥工程で蒸発していく過程で、梁構造体66と基板62との間の微小な空隙部64に残留した液体が蒸発して液体の体積が縮小し、液体の表面張力により梁構造体66と基板62との間で吸引力が発生し、梁構造体66が基板62に吸引されることにある。その結果、梁構造体66の剛性が不十分な場合は、梁構造体66が、基板62に固着したり、破壊されたりする。
 また、基板62上に形成された梁構造体66が、微細で機械的に脆弱であるために、洗浄中やリンス中に、洗浄液やリンス液の攪拌等により水圧を受けて、梁構造体66が破壊されてしまうこともある。
 このような問題があるために、マイクロマシン60等の微小構造体の洗浄では、半導体プロセスで用いられるような通常の洗浄液を用いることができない。
 そこで、従来、洗浄せずに次の工程へ送るしかなかったが、これでは、微粒子残渣によって、歩留まり低下、信頼性低下、デバイス特性の劣化等の問題が生じる。
可動部を有しない微小構造体の洗浄
(1)電子線露光マスクの例
 電子線露光マスクについて説明する前に、半導体装置のパターニングを行う際のレジストマスク或いはレジストマスクを使ってパターニングしたパターンを例に上げて可動部を有しない微小構造体の洗浄を説明する。
 半導体装置の製造工程で基板上にパターンを形成する際には、従来、先ず、基板のパターン形成層上にレジスト膜を成膜し、フォトリソグラフィ処理によりレジストマスクを形成する。次いで、レジストマスク上からパターン形成層をエッチングし、続いてレジストマスクをアッシング処理等により除去した後、洗浄液による洗浄工程、続いて純水によるリンス洗浄工程によりエッチング残渣を除去し、次いで乾燥工程を経て、パターンを形成している。
 レジストマスクを形成する際も、フォトリソグラフィ処理によるレジスト膜の現像後、リンス液による洗浄工程及び乾燥工程を実施する。
 近年の半導体装置の大規模化及び高集積化、例えばMOSLSIの大規模化及び高集積化に伴い、LSIのパターンの微細化が進み、今や線幅100nm程度のパターンが必要になっている。線幅100nm程度のパターニングでは、レジストマスクのアスペクト比が、必然的に大きくなっている。つまり、換言すれば、可動部を有しない微小構造体の開口パターンは、益々、高アスペクト比になっている。
 高アスペクト比の開口パターンの洗浄では、後述するパターン倒れが、程度の差こそあれ、発生する。
 ところで、線幅100nm以下のパターニングでは、線幅がもはや光リソグラフィーで用いられるレーザ光の波長以下であり、ハーフトーン位相シフトマスクの使用の試みなど、露光方法、マスクなどを工夫して、なんとか光リソグラフィーによるパターン形成を行っているが、限界に近づいている。
 そこで、線幅70nm以降の半導体装置のパターニングでは、電子線露光によるリソグラフィーが実用化に向けて研究されている。
 電子線露光で使用する電子線露光用マスク72は、光露光マスクと異なり、図6(b)に示すように、支持枠74に支持され、開口パターン76を有するメンブレン78で構成されている。開口パターン76は、図示するように、アスペクト比(高さ/幅)の大きな開口として、設計回路パターンに従ってメンブレン78を貫通しており、露光に際し、電子線は開口パターン76を通過してウエハ上のレジスト膜に到達する。
 マスク72上からドライエッチングによりパターンを形成した場合、エッチング直後又はレジストマスクの剥離後に、図6(b)に示すように、マスク72の表面及び裏面に、更には開口パターン76の側壁に微粒子状異物が付着、残留する。また、マスクの使用に際し、露光装置へのマスク搬送、マスク装着、電子線露光などの過程で、露光装置内でマスクに微粒子状の異物が、付着することも多い。
 微粒子状異物が付着したマスク72を使って露光すると、微粒子状異物がパターンの一部として転写されるために、高精度のパターンを形成することはできないので、微粒子状異物を洗浄液により洗浄、除去することが必要になる。
(2)低誘電率膜に配線溝を設ける例
 ところで、LSIの高速化のためには、配線間容量を低下させることが不可欠になってきていて、容量を低下させるために、配線間の層間絶縁膜として低誘電率(Low−k)膜が用いられるようになっている。更に一層の低誘電率の絶縁膜を作製するためには、絶縁膜の膜材料を低誘電率物質にすることに加えて、膜構造を多孔質にすることが必要である。
 Cu埋め込み配線を形成する際に適用されているダマシンプロセスでは、図6(c)に示すように、下地膜80上に設けたエッチングストッパ層82及び多孔質低誘電率膜84をエッチングして配線溝86を設け、配線材料、例えばCuを配線溝86に埋め込み、次いで研磨して、Cu埋め込み配線(図示せず)を形成している。
 エッチングストッパ層82及び低誘電率膜84をエッチングして配線溝86を形成した後には、図6(c)に示すように、エッチングガスと低誘電率膜84の反応生成物からなる微粒子状異物が、配線溝86の側壁、低誘電率膜84の表面に生成している。良質の埋め込み配線を形成するためには、これらの微粒子状残査を洗浄液により除去し、清浄化する必要がある。
 以上述べたように、半導体装置の作製プロセスでは、微粒子状異物を洗浄液による洗浄で除去しなければならないが、洗浄液による除去には、次のような洗浄液の適、不適が伴う。
 通常、湿式洗浄により異物を除去する際には、洗浄液として水が最も多く用いられるものの、表面張力が大きな水は、高アスペクト比の配線溝の底部に浸透し難かったり、たとえ洗浄できたとしても、エッチングに使ったエッチング液を配線溝からリンス洗浄して、外に排出し、乾燥することは困難であった。
 また、微細パターンからなる配線溝の乾燥時のもう一つの大きな問題として、パターン倒れがある。これは、洗浄液、或いはリンス液の乾燥時に生じるものであって、高アスペクト比のパターンではより顕著な現象である。
 パターン倒れの現象は、洗浄後の乾燥時に配線溝等のパターンに残った洗浄液、リンス液と外部の空気との間の圧力差により曲げ力(表面張力又は毛細管力)が発生し、発生した曲げ力が働いてパターンが破壊される現象である。
 この毛細管力は、パターン間の気液界面で生じる洗浄液、リンス液の表面張力に依存し、形成されたパターンを歪める力を有するため、洗浄液、リンス液の表面張力の大小が、洗浄液或いはリンス液の選択の重要な項目である。
 更に、多孔質膜の低誘電率膜の場合、湿式洗浄すると、多孔質膜の孔に水などの洗浄液が出入りする際に、既に述べたように、気液界面の発生による圧力差が生じ、孔が潰れてしまい、誘電率が高くなるという問題もある。
超臨界流体からなる洗浄液
 上述のように、可動部を有する微小構造体及び可動部を有しない微小構造体の洗浄とも、洗浄液の表面張力の大小が微小構造体の損傷に影響する。
 表面張力による損傷を防止するためには、水より表面張力の小さな流体を用いて、例えば表面張力が約72dyn/cmである水に代えて、表面張力が約23dyn/cmであるメタノールを用いて、洗浄・乾燥することが考えられる。
 水からの乾燥よりも水をメタノール置換した後に乾燥した方が、可動部の貼り付き、パターンの破壊を抑えることができるが、メタノールであっても、まだかなりの表面張力を有するために、パターンの破壊、パターン倒れ等の効果的な解決とはならない。
 表面張力によるパターン倒れ等を解決するには、洗浄液、或いはリンス液として表面張力がゼロである流体を用いるか、又は通常のリンス液を表面張力がゼロの流体で置換した後、乾燥することである。
 表面張力がゼロの流体とは、超臨界状態の流体、つまり超臨界流体であって、超臨界とは、臨界温度及び臨界圧力と称される物質に固有の温度と圧力以上の条件下で物質がとる状態相の一つである。超臨界状態では、他の液体や固体に対する溶解力は、その物質の液体状態のときの溶解力とほぼ同等であるにもかかわらず、その粘度が著しく小さく、拡散係数が極めて大きいという特異な性質を有していて、言わば、気体の状態を持った液体と言える。
 超臨界流体は、気液界面を形成しないので、表面張力はゼロになる。従って、表面張力が存在しない超臨界状態で乾燥すれば、パターン倒れは全く生じないことになる。
 超臨界流体は、周囲の圧力を臨界圧力以下に減ずることにより速やかにガス化するので、超臨界流体による洗浄後の乾燥は、超臨界状態の流体を放出した後、減圧してガス化すれば良いので容易である。
 超臨界流体を洗浄液として使用する際には、エッチング処理により微小構造体から可動部の全体や一部を支持基板から分離した後、あるいはアスペクト比の大きい微細加工パターンを形成した後、エッチング液から直接に、あるいは洗浄液を経由した後に、更には別の液体で置換した後に、エッチング液、洗浄液、或いは別の液体が付着した状態で耐圧容器に収容されている超臨界流体に接触させることにより、これらの液体を超臨界流体に溶解させて、エッチング液、洗浄液、或いは別の液体と共に、エッチング残渣を除去することができる。
 続いて、超臨界流体を収容している耐圧容器の温度を臨界温度以上に保ったままで、耐圧容器内部の圧力を臨界圧力以下に減圧することにより、超臨界流体をガス化して排出し、次いで、微小構造体を大気中に取り出す。
 超臨界流体の表面張力は極めて小さいので、超臨界流体が微小構造体表面から離脱する際に、超臨界流体が表面張力により微小構造体に与える応力は無視し得る程度に小さい。従って、洗浄に際し、超臨界流体が微小構造体に損傷を与えるようなことは生じない。
 微小構造体の製造では、超臨界流体を洗浄液として用いることにより、微小構造体に変形や損傷を与えることはなく、エッチング処理中に付着した洗浄液等を効果的に除去することができる。
 例えば、特開2000−91180号公報は、反応室内の水分を除去しながら超臨界流体を導入し、あるいは反応室内の水分を除去した後、超臨界流体を導入し、液体に浸された材料の乾燥を行う手段を提案している(第4頁参照)。
 また、特開平9−139374号公報は、微小構造体に付着した液体を耐圧容器内の超臨界流体に溶解させることにより除去し、次いで容器圧力を臨界圧力以下に減ずることにより超臨界流体をガス化して除き、乾燥した微小構造体を大気中に取り出す方法及び装置を提案している(第5頁参照)。
特開2000−91180号公報 特開平9−139374号公報
 超臨界流体として、二酸化炭素、アンモニア、水、アルコール類、低分子量の脂肪族飽和炭化水素類、ベンゼン、ジエチルエーテルなどの超臨界状態となることが確認されている多くの物質を利用することができる。
 これらの中で、超臨界温度が31.3℃と室温に近い二酸化炭素は、取り扱いが容易であること及び被洗浄体が高温に曝されないで済むという理由から、好ましい物質の一つである。
 しかし、超臨界二酸化炭素は、無極性有機溶剤のような溶解特性を有するので、単体での溶解性能が選択性を有する。
 そのために、超臨界水二酸化炭素は、低分子の有機物の除去や、油脂やワックスなどの除去には効果的であるものの、無機化した混合化合物や、繊維、プラスチックなどの有機高分子化合物で形成されている微粒子等の異物の除去には有効でない。
 また、超臨界二酸化炭素にエッチング力を有する化学物質を添加して、エッチングして微粒子状異物をリフトオフし、除去する試みもある。
 しかし、例えばマイクロマシンの場合には、エッチング力を有する化学物質により光学膜等の微小構造体の構成要素が侵食され、反射率などの光学特性が変化してしまう。また、露光マスクの場合には、マスク材がエッチングされるために、パターン寸法が変化してしまう。更には、配線溝形成の場合には、低誘電膜の膜構造が変化してしまい、誘電率が上昇する。
 従って、超臨界二酸化炭素にエッチング力を有する化学物質を添加して、微粒子状異物の除去性能を高めようとしても、実用化は難しい。
 本発明が解決しようとする問題点は、このように、微小構造体に損傷を与えることなく、また微小構造体の一部を構成する膜の膜質、膜構造を成膜当初の特性に保持したまま、微小構造体に付着した微粒子を良好に除去できる洗浄方法は、現時点では、見当たらないことである。
 以上の説明では、LSIパターン等の微細なパターンの形成、及びマイクロマシンの作製を例に挙げて説明したが、以上の問題は、パターンの形成やマイクロマシンの作製のみが該当する問題ではなく、微小構造を有する被洗浄体全般の洗浄に関する問題である。
 そこで、本発明の目的は、微小構造を有する被洗浄体に損傷を与えることなく、被洗浄体を洗浄する洗浄方法を提供することである。
 本発明者は、上述の課題を解決するために、微小構造を有する被洗浄体の洗浄液として、以下に示す理由から、低分子の有機物の除去や、油脂やワックスなどの除去に最適な超臨界二酸化炭素に、有機高分子化合物を除去できる界面活性剤を添加することを着想した。そして、本発明者は、その有効性を実験により確認し、本発明を発明するに到った。
(1)界面活性剤として超臨界二酸化炭素に良好に溶解する界面活性剤を用いる。超臨界二酸化炭素に溶解した界面活性剤は、無極性溶媒である超臨界二酸化炭素中で、界面活性剤の親水基が微粒子を取り囲み、親油基を外側に向けて逆ミセルを作り、安定に存在する。
 一般に洗浄に使用される界面活性剤は、陰イオン系界面活性剤であり、水溶液中では洗浄能力を発揮するが、超臨界二酸化炭素のような無極性溶媒には溶解し難く、また、たとえ溶解しても洗浄力を発揮することができない。
 従って、界面活性剤は、無極性溶媒に良好に溶解し、かつ界面活性作用を発揮するものでなくてはならない。このような特性を有する界面活性剤は、分子構造にフッ化炭化水素を含む界面活性剤(フッ素系界面活性剤)、及び非イオン系界面活性剤である。これらは、水溶液中では、乳化、分散、起泡、可溶化といった特性を示す。
(2)超臨界流体は、浸透性が液相状態より高いので、微粒子と微小構造体の間へ浸透して界面活性剤をそこに容易に運搬し、界面活性剤の効力を発揮させることができる。
(3)超臨界流体は、気体より密度が高いので、除去した残渣微粒子を容易に取り去り、洗い流すことができる。従って、エッチング作用を有する化学物質を添加する必要がないので、微小構造体に損傷を与えるおそれがない。例えば金属材料からなる光学膜が化学物質に侵食されて、反射率などの光学特性が変化するようなことが生じない。
(4)微小構造体の洗浄に際し、1槽式の洗浄/乾燥装置を使用し、超臨界二酸化炭素に界面活性剤を微量添加して洗浄/乾燥チャンバに供給することにより、洗浄処理と乾燥処理を一括して行うことができる。
 上記目的を達成するために、上述の知見に基づいて、本発明に係る洗浄方法は、微小構造を有する被洗浄体を超臨界流体で洗浄する方法において、
 所定量の界面活性剤を添加した超臨界流体を洗浄液として使用し、界面活性剤を添加した超臨界流体に被洗浄体を接触させて洗浄する洗浄工程を有することを特徴としている。
 本発明に係る好適な洗浄方法は、洗浄工程に続いて、超臨界流体をガス化して被洗浄体を乾燥する工程を有し、また、洗浄工程に続いて、超臨界流体のみを供給してリンス洗浄を施すリンス工程と、次いで、超臨界流体をガス化して被洗浄体を乾燥する工程とを有する。
 本発明に係る洗浄方法は、微小構造を有する被洗浄体を超臨界流体で洗浄する方法において、
 1槽の洗浄/乾燥チャンバを有する洗浄/乾燥装置を使用し、超臨界流体に所定量の界面活性剤を添加して被洗浄体を収容する洗浄/乾燥チャンバに供給し、被洗浄体を洗浄する工程と、
 次いで、超臨界流体のみを洗浄/乾燥チャンバに供給して界面活性剤を添加した超臨界流体を置換しつつ被洗浄体をリンス洗浄する工程と、
 次いで、超臨界流体をガス化して除去し、被洗浄体を乾燥させる工程と
 を有し、1槽の洗浄/乾燥チャンバ内で洗浄処理及び乾燥処理を順次行うことを特徴としている。
 本発明に係る洗浄方法では、超臨界流体、例えば超臨界二酸化炭素に、微粒子状異物を超臨界流体中で安定して溶解させる洗浄能力に優れた界面活性剤を微量添加し、界面活性剤を添加した超臨界二酸化炭素に被洗浄体を接触させて洗浄処理することにより、被洗浄体に損傷を与えることなく、微粒子異物を除去することができる。次いで超臨界二酸化炭素のみを供給してリンス洗浄を行い、超臨界二酸化炭素をガス化して、被洗浄体を乾燥させる。
 本発明方法では、超臨界流体により油脂、ワックス等の低分子有機化合物を除去し、超臨界流体に添加した界面活性剤により高分子有機化合物を除去する。
 本発明方法の洗浄対象、つまり被洗浄体には制約無いが、特に微小構造体の洗浄、乾燥に最適である。
 本発明方法の好適な実施態様では、超臨界流体として超臨界二酸化炭素を使用する。
 界面活性剤として、分子構造にフッ化炭化水素を含む界面活性剤、又は非イオン系界面活性剤を用いる。
 分子構造にフッ化炭化水素を含む界面活性剤(以下、フッ素系界面活性剤と言う)は、フッ化炭化水素を親油基とする界面活性剤であり、表面張力低下性能に優れた界面活性剤であって、誘電率が小さいので、超臨界二酸化炭素に溶解し易い。フッ素系界面活性剤の中でも、陰イオン系界面活性剤のうちの水に溶解しにくく、アルカリ金属を含まない界面活性剤が好ましい。また、非イオン系界面活性剤は、特に超臨界二酸化炭素に溶解し易い。
 フッ素系界面活性剤の添加量は、0.01mol%以上1mol%以下である。フッ素系界面活性剤の添加量が0.01mol%未満のときには微粒子を完全に除去することが難しく、添加量が1mol%を超えるときにはフッ素系界面活性剤が超臨界二酸化炭素中に完全に溶解せず、被洗浄体上に析出するおそれがある。
 フッ素系界面活性剤には、非イオン系として、例えばパーフロロアルキルアルコキシプロペン、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフロロオクタンスルフォンアミド、N−ポリオキシエチレン−N−プロピルパーフロロオクタンスルフォンアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)N−パーフロロオクチルスルフォニルベンジルアミン、ハイドロカーボンアクリレート−パーフロロカーボンアクリレートコポリマー等がある。陰イオン系として、パーフロロオクタン−1−スルフォン酸アンモニウム、リン酸ビス{2−(N−プロピルパーフロロオクチルスルフォニルアミノ)エチル}エステル、パーフロロオクタン酸等がある。
 非イオン系界面活性剤は、水中で解離し難い、乳化力に優れた界面活性剤であって、非イオン系界面活性剤の中で、親水親油バランス(HLB)値が3.6以上6.0以下である界面活性剤が、超臨界二酸化炭素に溶解し易い。
 非イオン性界面活性剤の超臨界二酸化炭素に対する添加量は、0.01mol%以上2mol%以下、好ましくは0.05mol%以上1mol%以下の濃度範囲になるような添加量である。非イオン性界面活性剤濃度が0.01mol%未満のときには微粒子を完全に除去することが難しく、濃度が2mol%を超えるときには非イオン性界面活性剤が超臨界二酸化炭素中に完全に溶解せず、被洗浄体上に析出するおそれがある。
第1のグループの非イオン系界面活性剤
 非イオン系界面活性剤の代表的な例は、ノニルフェノールポリオキシエチレンエーテル(酸化エチレン付加モル数が2〜4のもの)を成分とする界面活性剤である。また、炭素数12〜18のポリオキシエチレンエーテル系界面活性剤でも良い。
 他にもポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノエステル、ポリオキシエチレンソルバイドモノエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアマイド類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、ポリエチレンイミン類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリコールエステル類、ペンタエリスリットエステル、サッカローズエステル、脂肪酸エタノールアミド、メチロールアミド、オキシメチルエタノールアミド、脂肪酸エタノールアミド誘導体、高級アルコール類、グルコシド、高級アルキルエーテル類などを成分とする界面活性剤である。
 ポリオキシエチレンエーテル系界面活性剤には、代表的な例として、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等がある。
 この中で、望ましくは、油溶性が特に優れているポリオキシエチレンソルビタンモノエステル、ソルビタンアルキルエステル類、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリコールエステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、高級アルコール類、オキシメチルエタノールアミド、ポリエチレンイミン類を成分とする界面活性剤である。
 尚、本明細書では、以上に述べた非イオン系界面活性剤を便宜的に第1グループの非イオン系界面活性剤と言う。
第2グループの非イオン系界面活性剤
 また、上述の第1グループの非イオン系界面活性剤に加えて、更に別の非イオン系界面活性剤(以下、第2グループの非イオン系界面活性剤と言う)として、ポリオキシエチレン、アセチレングリコール、及びアルカノールアミドの少なくとも一つを分子構造に含む非イオン系界面活性剤を挙げることができる。
 第2グループの非イオン系界面活性剤は、表面張力低下性能に優れた界面活性剤であって、誘電率が小さいので、超臨界二酸化炭素に溶解し易い。
 特に、脂肪酸アルカノールアミド系界面活性剤、及びアセチレングリコール系界面活性剤が、水中で解離し難く、超臨界二酸化炭素に溶解し易い性質を有し、乳化力に優れた非イオン系界面活性剤である。
 アセチレングリコール系界面活性剤には、例えばアセチレングリコール、ポリオキシエチレンアセチレングリコール等がある。
 脂肪酸アルカノールアミド系界面活性剤には、例えばラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド、パーム核脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸イソプロパノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンラウロイルモノエタノールアミド、ポリオキシプロピレンヤシ脂肪酸イソプロパノールアミド等がある。
 本発明方法によれば、界面活性剤を添加した超臨界流体を洗浄液として使用し、界面活性剤を添加した超臨界流体に被洗浄体を接触させて洗浄する洗浄工程を有することにより、超臨界流体により油脂、ワックス等の低分子有機化合物を除去し、超臨界流体に添加した界面活性剤により高分子有機化合物を除去する。
 本発明方法では、超臨界流体を溶媒として用いるので、従来の方法で生じていたような、気液界面で生じる表面張力の影響によって梁構造体等の微細構造を損傷することなく、多孔質低誘電率膜の孔を潰すことなく、界面活性剤の作用により微小構造体等の被洗浄体に付着した微粒子状異物を除去し、被洗浄体を乾燥することができる。
 また、エッチング作用を有する化学物質を添加していないので、被洗浄体を腐食させるようなことがない。よって、従来のように、マイクロマシンの金属膜が侵食されて、反射率などの光学特性が変化するようなことがなく、また、マスクパターンの寸法変化も起きない。
 また、本発明方法の実施態様では、可動部を有する微小構造体を洗浄したとき、添加した界面活性剤がフッ素又は疎水基を外に向けて微小構造体の可動部の内壁に残留し、水による貼り付きを防止することができる。つまり、従来の液体を用いる洗浄方法で生じていたような、乾燥時の微小構造体の脆弱性に起因する破壊や微小構造体の可動部の基板に対する貼り付き、或いは固着を防止できる。従って、安全性が高く、低コストの簡単なプロセスによって、目的とする固定部と可動部とを備えたマイクロマシン、所望の電気的特性を備えが半導体装置等を高歩留まりで製造することが可能になる。
 つまり、従来の液体を用いる洗浄方法で生じていたような、洗浄液の表面張力に起因する微小構造体の破壊や微小構造体の可動部の基板に対する貼り付き、或いは固着を防止できる。従って、安全性が高く、低コストの簡単なプロセスによって、目的とする固定部と可動部とを備えたマイクロマシン、所望の電気的特性を備えが半導体装置等を高歩留まりで製造することが可能になる。
 以下に、添付図面を参照し、実施例を挙げて本発明の実施を具体的かつ詳細に説明する。
 本実施例は本発明に係る洗浄方法の実施例の一例であって、図1は本実施例の方法を実施する際に使用する洗浄装置の構成を示すフローシートである。
 先ず、図1を参照して、本実施例の方法を実施する際に使用する洗浄装置の構成を説明する。洗浄装置10は、前述したような複数個の微小構造体Wをカセットに収容して洗浄/乾燥処理するバッチ式の洗浄/乾燥装置である。
 洗浄装置10は、図1に示すように、上部に開口部12を有し、開口部12を介して導入された微小構造体Wを収納する処理室14を内部に有するチャンバ15と、開口部12を密閉する蓋16と、処理室14に処理流体を供給する流体供給源18と、流体供給源18から処理流体を処理室14内に導入する流体供給手段と、界面活性剤を処理流体に添加する界面活性剤供給手段と、微小構造体の処理に供された処理流体を処理室14から排出する流体排出手段と、処理室14に導入された処理流体を加熱する加熱手段20とを備えている。
 処理流体とは、微小構造体のエッチング残査を除去する洗浄液、或いはリンス液として使用される超臨界流体を言う。尚、界面活性剤を添加した超臨界流体を処理流体と言うこともある。但し、後述するように、洗浄工程に入る前に、処理室14でウエットエッチング法によりエッチングする際には、エッチング工程での処理流体は、エッチャントを意味する。本実施例では、超臨界流体として超臨界二酸化炭素を使用する。
 微小構造体Wは、開口部12を介して処理室14に搬入出される。開口部12を蓋16で密閉できるように、処理室14の開口部12の開口縁と蓋16との間には、シール部材としてOリング22が配されている。蓋16は、ねじ等の締め付け具24によって処理室14に連結され、処理室14を密閉する。つまり、Oリング22を介した蓋16を締め付け具24で締め付けることにより、処理室14の内部を完全に密閉された状態にすることができる。
 また、処理室14の内部には、複数個の微小構造体Wを載置、保持するための被洗浄体保持カセット26を配置することができる。
 流体供給手段は、処理流体を所定の圧力及び所定の温度に制御する圧力・温度制御手段27と、三方弁28と、処理室14に配設された流体供給ポート29とで構成され、流体供給源18から三方弁28及び流体供給ポート29を介し、圧力・温度制御手段27によって所定の圧力及び温度に制御された処理流体を処理室14内に導入する。
 また、界面活性剤供給手段は、界面活性剤供給源30と、界面活性剤供給口31とを備えて三方弁28に接続され、三方弁28の開度調整により、流体供給ポート29を介して処理流体に所定量の界面活性剤を添加する。
 流体排出手段は、処理室14に設けられた流体排出ポート32と、排圧弁34と、排圧弁34を介して流体排出ポート32に接続された排出液分離装置36とから構成されている。
 排圧弁34は、処理室14の内部圧力が設定圧力以上になると開き、処理室14内に導入された処理流体を排出する機能を有する。つまり、排圧弁34によって、処理室14内の圧力を所定圧力に保つことができる。
 排出液分離装置36は、気液分離装置であって、圧力を大気圧に低下させることにより、排出された超臨界二酸化炭素(界面活性剤を含む)を気体成分と液体成分に分離する。気体成分は超臨界二酸化炭素が気化したものであって、排ガスとして気体回収装置(図示せず)により回収される。液体成分は、界面活性剤等が液体として分離されたものであって、排出液として回収される。
 回収された排気ガスは二酸化炭素等であって、再利用することもできる。また、回収された排出液も同様に再利用できる。
 更に、チャンバ15の側壁15aには、処理室14内に導入された処理流体を加熱して所定の温度に保持する加熱手段20が備えられている。
 加熱手段20は、電熱線のような加熱媒体で構成され、処理室14の外部に設けられた電源(図示せず)から電熱線に供給する電力を制御して、加熱手段20の温度を所定の温度に制御する温度制御装置38を備えている。
 本洗浄装置10は、複数個の微小構造体Wをバッチ式で洗浄する装置であるが、枚葉式処理の洗浄装置も、基本的には本洗浄装置10と同様の構成とプロセスフローであって、小さな処理室で済むもののスループットが低下する。
 本実施例では、第1のグループの非イオン性界面活性剤を添加した超臨界二酸化炭素を洗浄液とし、微小構造体Wとして、例えば図6(a)に示すような、犠牲層をエッチングして梁構造体66を形成したマイクロマシン60を洗浄する。
 本実施例で添加した第1のグループの非イオン性界面活性剤は、例えば、次の化学式で示されるノニルフェノールポリオキシエチレンエーテルである。
Figure 2004088095
 (化学式中の酸化エチレン(CH2−CH2−O)モル数nは2〜4)
 非イオン性界面活性剤の添加量は、例えば40℃、8MPaの超臨界二酸化炭素中の非イオン性界面活性剤濃度が0.01mol%以上2mol%以下、好ましくは0.05mol%以上1mol%以下の濃度範囲になるような添加量である。
 まず、処理室14の開口部12から複数個のマイクロマシン60を保持した被洗浄体保持カセット26を処理室14内に収納する。続いて、蓋16を閉めて処理室14を密閉状態にし、流体供給源18から超臨界二酸化炭素を処理室14内に導入する。
 導入に際しては、二酸化炭素を7.38MPa以上に加圧、31.1℃以上に加熱すると、超臨界状態となるので、処理流体供給源18から超臨界二酸化炭素を圧力・温度制御手段27により圧力を7.38MPa以上に、温度を31.1℃以上に制御して供給ポート29を介して処理室14内に導入する。
 超臨界二酸化炭素の導入と共に、三方弁28の開度を調節して開口し、非イオン性界面活性剤を界面活性剤供給源30から界面活性剤供給口31を介して超臨界二酸化炭素に所定の添加率で添加する。
 同時に、加熱手段20によって処理室14内に導入された超臨界二酸化炭素を加熱し、処理室14内の超臨界二酸化炭素の温度を31.1℃以上に保ち、界面活性剤を添加した超臨界二酸化炭素にマイクロマシン60を接触させた状態で所定時間保持する。
 これにより、マイクロマシン60に付着しているエッチング残査及び微粒子状異物を除去することができる。
 界面活性剤は、一般に二酸化炭素より臨界温度及び臨界圧力が高いので、超臨界二酸化炭素との混合流体の臨界温度及び臨界圧力は、二酸化炭素の臨界温度及び臨界圧力は高くなる。
 そこで、非イオン性界面活性剤が超臨界二酸化炭素に良く溶解するように、処理室14の温度、圧力を、例えば40℃、10MPa以上に高く保持することが望ましい。
 超臨界二酸化炭素の温度制御は、温度制御装置38により行う。処理室14の内部圧力が一定圧力以上になると、排圧弁34が開き、排出液分離装置36を経由して超臨界二酸化炭素と界面活性剤とが系外に排出される。
 このように、処理室14内に充填された超臨界二酸化炭素を適宜排出することにより、処理室14内の圧力、温度を一定に保つことが可能である。
 非イオン性界面活性剤を添加した超臨界二酸化炭素にマイクロマシン60を所定時間浸漬して、微粒子状異物を除去した後、非イオン性界面活性剤を添加した超臨界二酸化炭素にマイクロマシン60を浸漬させたまま、リンス液として超臨界二酸化炭素のみを処理室14に供給して、非イオン性界面活性剤濃度を徐々に薄めつつ非イオン性界面活性剤を排出する。二酸化炭素と界面活性剤の混合廃液は分離され、必要に応じて回収再生される。
 その後、処理室14を降圧して、二酸化炭素を排出し、冷却すると、マイクロマシン60は、気体の二酸化炭素に満たされ、乾燥する。超臨界乾燥において、例えば超臨界流体として二酸化炭素を用いた場合には、例えば、31.1℃以上、7.38MPa以上の状態を保持して洗浄した後、温度を31.1℃以上に保持しつつ、圧力を大気圧まで減圧する。その後、温度を31.1℃以上から室温、例えば、20℃に下げる。
 これによって、処理室14内のマイクロマシン60は乾燥状態になる。このように、超臨界乾燥を経ることで、梁形状を持つマイクロマシン60を破壊することなく乾燥させることが可能となる。
実験例1
 実施例1の洗浄方法によって、図6(a)に示すようなマイクロマシン60、図6(b)に示すような電子線露光マスク72、及び図6(c)に示すような配線溝を形成した多孔質低誘電率膜84を洗浄し、洗浄前後の微粒子(パーティクル)の数を計数した。その計数結果をそれぞれ図2(a)から(c)に示す。図2のパーティクル数は、8インチウエハに換算して表示されている。
 図2から判るように、実施例1の洗浄方法で処理したマイクロマシン60、電子線露光マスク72、及び多孔質低誘電率膜84の微粒子除去率は、80〜90%に達している。
 また、洗浄後の各試料を観察した結果、マイクロマシン60の梁構造体66の基板固着が生じていないこと、電子線露光マスク72の開口パターンの間隔に変化がないこと、及び多孔質低誘電率膜84に設けた配線溝86のパターン倒れが生じていないことを確認することができた。
実験例2
 図6(c)に示すような、配線溝86を形成した多孔質低誘電率膜84を実施例1の洗浄方法によって洗浄したときの多孔質低誘電率膜84の洗浄前の構造(組成)と、洗浄後で配線材料成膜前の構造(組成)とを赤外吸光分析を用いて調べ、洗浄前後の組成変化を図3に示した。
 図3は横に赤外吸収スペクトルの波数(cm-1)を縦軸に吸光度(任意目盛)を取り、上段に洗浄前の赤外吸収スペクトルの波数(cm-1)と吸光度との関係を示すグラフ、下段に洗浄後の赤外吸収スペクトルの波数(cm-1)と吸光度との関係を示すグラフを示している。尚、洗浄前後の吸光度は同じであるが、ピーク波数の位置を明確に示すために、上下に分離して表示している。
 図3から判るように、洗浄前後で、低誘電率膜を構成しているSi−O、Si−H、Si−OH、Si−CH3、C−Hなどの結合に変化は見られなかった。従って、洗浄前後で組成変化が生じていない、つまり洗浄前後で低誘電率膜の構造に変化はないので、誘電率の変化も生じていないと判断できる。
 実験例1及び2から判るように、超臨界二酸化炭素には気液界面を生じていないので、従来のように、多孔質低誘電率膜84が気液界面を通過して多孔質の孔が潰れるようなことなく、微粒子を除去し、乾燥することができることが、確認できた。
 本実施例では、超臨界流体として超臨界二酸化炭素を使用しているが、勿論、二酸化炭素以外の流体を使用することができる。但し、その際には、その流体を超臨界状態にできる温度及び圧力の条件にする。
 また、本実施例では、例えば図6(a)に示すような犠牲層をエッチングして梁構造体66を形成したマイクロマシン60のエッチング残渣を洗浄除去しているが、これに代えて、未だ犠牲層をエッチングしていないマイクロマシン60を処理室14に収容し、次いで処理室14にエッチング液を導入して犠牲層をエッチングして梁構造体66を形成し、その後、実施例1の方法に従ってエッチング残渣を洗浄除去するようにすることもできる。
 実施例1では、マイクロマシン60、電子線露光用のマスク72、配線溝を設けた低誘電率膜84を例にして説明したが、本発明方法はこれら以外の被洗浄体にも適用できる。
 本実施例は、本発明に係る洗浄方法を図4に示す高アスペクト比の電極構造の洗浄に適用した実施例である。図4(a)から(c)は、それぞれ、電極構造を形成する際の各工程の断面図である。
 本実施例では、先ず、図4(a)に示すように、Si基板42上に第1の層44として薄い絶縁膜を形成した後、順次、第2の層(絶縁膜)46、第3の層(金属膜)48、及び第4の層(絶縁膜)50を成膜して、積層構造を形成する。
 レジスト膜を第4の層50上に塗布し、フォトリソグラフィ処理を行ってレジストマスク52を形成する。
 続いて、レジストマスク52上からドライエッチング法により第4の層50、第3の層48、及び第2の層44をエッチングして、図4(b)に示すように、第3の層(金属膜)48からなる微細なパターンの電極構造54をSi基板42の第1の層44上に形成する。
 ところで、図4(b)に示すように、第2の層44と第3の層48の側壁にはエッチング残査が生成しているので、除去する必要がある。
 そこで、マイクロマシンを例に説明した実施例1と同様にして、洗浄装置10を使用し、超臨界流体、例えば超臨界二酸化炭素に第1のグループの非イオン系界面活性剤を添加して、電極構造54を洗浄処理することにより、微細なパターンが倒壊することなく、図4(c)に示すように、エッチング残渣を除去した微細な電極構造54を形成することができる。
 本実施例では、第1グループの非イオン性界面活性剤を添加した超臨界二酸化炭素を洗浄液とし、微小構造体Wとして、例えば図6(a)に示すような、犠牲層をエッチングして梁構造体66を形成したマイクロマシン60を洗浄する。
 添加した第2グループの非イオン性界面活性剤は、例えば、次の化学式(2)示されるポリオキシエチレンエーテルである。
 R1−O−(CH2 −CH2 −O)n−H (2)
 ここで、R1は、CX2X+1、又はCX2Xであり、また、化学式中の酸化エチレン(CH2−CH2−O)nのモル数nは2〜4である。尚、xは任意の整数である。
 本実施例では、第2グループの非イオン性界面活性剤を添加した超臨界二酸化炭素を洗浄液とし、微小構造体Wとして、例えば図6(a)に示すような、犠牲層をエッチングして梁構造体66を形成したマイクロマシン60を洗浄する。
 第2グループの非イオン系界面活性剤として、次の化学式(3)で示される脂肪酸アルカノールアミドを使用する。
 R1−CONHCH2CH2OH           (3)
 ここで、R1はCX2X+2である。
 更には、第2グループの非イオン系界面活性剤として、次の化学式(4)で示されるアセチレングリコールを使用しても良い。
 R2−O−C≡C−OH              (4)
 ここで、R2はCX2X+2、又は(CH2−CH2−O)n
 第2グループの非イオン性界面活性剤の添加量は、例えば40℃、8MPaの超臨界二酸化炭素中の非イオン性界面活性剤濃度が0.01mol%以上2mol%以下、好ましくは0.05mol%以上1mol%以下の濃度範囲になるような添加量である。
 マイクロマシンの洗浄に当たっては、実施例1と同様に、まず、処理室14の開口部12から複数個のマイクロマシン60を保持した被洗浄体保持カセット26を処理室14内に収納する。続いて、蓋16を閉めて処理室14を密閉状態にし、流体供給源18から超臨界二酸化炭素を処理室14内に導入する。
 導入に際しては、二酸化炭素を7.38MPa以上に加圧、31.1℃以上に加熱すると、超臨界状態となるので、処理流体供給源18から超臨界二酸化炭素を圧力・温度制御手段27により圧力を7.38MPa以上に、温度を31.1℃以上に制御して供給ポート29を介して処理室14内に導入する。
 超臨界二酸化炭素の導入と共に、三方弁28の開度を調節して開口し、非イオン性界面活性剤を界面活性剤供給源30から界面活性剤供給口31を介して超臨界二酸化炭素に所定の添加率で添加する。
 同時に、加熱手段20によって処理室14内に導入された超臨界二酸化炭素を加熱し、処理室14内の超臨界二酸化炭素の温度を31.1℃以上に保ち、界面活性剤を添加した超臨界二酸化炭素にマイクロマシン60を接触させた状態で所定時間保持する。
 これにより、マイクロマシン60に付着しているエッチング残査及び微粒子状異物を除去することができる。
 非イオン系界面活性剤は、一般に二酸化炭素より臨界温度及び臨界圧力が高いので、超臨界二酸化炭素との混合流体の臨界温度及び臨界圧力は、二酸化炭素の臨界温度及び臨界圧力は高くなる。
 そこで、非イオン性界面活性剤が超臨界二酸化炭素に良く溶解するように、処理室14の温度、圧力を、例えば40℃、10MPa以上に高く保持することが望ましい。
 超臨界二酸化炭素の温度制御は、温度制御装置38により行う。処理室14の内部圧力が一定圧力以上になると、排圧弁34が開き、排出液分離装置36を経由して超臨界二酸化炭素と界面活性剤とが系外に排出される。
 このように、処理室14内に充填された超臨界二酸化炭素を適宜排出することにより、処理室14内の圧力、温度を一定に保つことが可能である。
 非イオン性界面活性剤を添加した超臨界二酸化炭素にマイクロマシン60を所定時間浸漬して、微粒子状異物を除去した後、非イオン性界面活性剤を添加した超臨界二酸化炭素にマイクロマシン60を浸漬させたまま、リンス液として超臨界二酸化炭素のみを処理室14に供給して、非イオン性界面活性剤濃度を徐々に薄めつつ非イオン性界面活性剤を排出する。二酸化炭素と界面活性剤の混合廃液は分離され、必要に応じて回収再生される。
 その後、処理室14を降圧して、二酸化炭素を排出し、冷却すると、マイクロマシン60は、気体の二酸化炭素に満たされ、乾燥する。超臨界乾燥において、例えば超臨界流体として二酸化炭素を用いた場合には、例えば、31.1℃以上、7.38MPa以上の状態を保持して洗浄した後、温度を31.1℃以上に保持しつつ、圧力を大気圧まで減圧する。その後、温度を31.1℃以上から室温、例えば、20℃に下げる。
 これによって、処理室14内のマイクロマシン60は乾燥状態になる。このように、超臨界乾燥を経ることで、梁形状を持つマイクロマシン60を破壊することなく乾燥させることが可能となる。
 実験例3
 実施例3の洗浄方法によって、図6(a)に示すようなマイクロマシン60、図6(b)に示すような電子線露光マスク72、及び図6(c)に示すような配線溝を形成した多孔質低誘電率膜84を洗浄し、洗浄前後の微粒子(パーティクル)の数を計数した。その計数結果は、実施例1で得た図2(a)から(c)とほぼ同様な結果であった。
 つまり、実施例3の洗浄方法で処理したマイクロマシン60、電子線露光マスク72、及び多孔質低誘電率膜84の微粒子除去率は、実施例1と同様に、80〜90%に達している。
 また、洗浄後の各試料を観察した結果、マイクロマシン60の梁構造体66の基板固着が生じていないこと、電子線露光マスク72の開口パターンの間隔に変化がないこと、及び多孔質低誘電率膜84に設けた配線溝86のパターン倒れが生じていないことを確認することができた。
 実験例4
 図6(c)に示すような、配線溝86を形成した多孔質低誘電率膜84を実施例3の洗浄方法によって洗浄したときの多孔質低誘電率膜84の洗浄前の構造(組成)と、洗浄後で配線材料成膜前の構造(組成)とを赤外吸光分析を用いて調べた。その結果、洗浄前後の組成変化は、実施例1の結果を示した図3とほぼ同様であることが判った。
 つまり、実施例1と同様に、洗浄前後で、低誘電率膜を構成しているSi−O、Si−H、Si−OH、Si−CH3、C−Hなどの結合に変化は見られなかった。従って、洗浄前後で組成変化が生じていない、つまり洗浄前後で低誘電率膜の構造に変化はないので、誘電率の変化も生じていないと判断できる。
 実験例3及び4から判るように、実施例3では、超臨界二酸化炭素には気液界面を生じていないので、従来のように、多孔質低誘電率膜84が気液界面を通過して多孔質の孔が潰れるようなことなく、微粒子を除去し、乾燥することができることが、確認できた。
 本実施例では、超臨界流体として超臨界二酸化炭素を使用しているが、勿論、二酸化炭素以外の流体を使用することができる。但し、その際には、その流体を超臨界状態にできる温度及び圧力の条件にする。
 また、本実施例では、例えば図6(a)に示すような犠牲層をエッチングして梁構造体66を形成したマイクロマシン60のエッチング残渣を洗浄除去しているが、これに代えて、未だ犠牲層をエッチングしていないマイクロマシン60を処理室14に収容し、次いで処理室14にエッチング液を導入して犠牲層をエッチングして梁構造体66を形成し、その後、実施例1の方法に従ってエッチング残渣を洗浄除去するようにすることもできる。
 実施例3では、マイクロマシン60、電子線露光用のマスク72、配線溝を設けた低誘電率膜84を例にして説明したが、本発明方法はこれら以外の被洗浄体にも適用できる。
 本実施例は、本発明に係る洗浄方法を図4に示す高アスペクト比の電極構造の洗浄に適用した実施例である。図4(a)から(c)は、それぞれ、電極構造を形成する際の各工程の断面図である。
 本実施例では、先ず、図4(a)に示すように、Si基板42上に第1の層44として薄い絶縁膜を形成した後、順次、第2の層(絶縁膜)46、第3の層(金属膜)48、及び第4の層(絶縁膜)50を成膜して、積層構造を形成する。
 レジスト膜を第4の層50上に塗布し、フォトリソグラフィ処理を行ってレジストマスク52を形成する。
 続いて、レジストマスク52上からドライエッチング法により第4の層50、第3の層48、及び第2の層44をエッチングして、図4(b)に示すように、第3の層(金属膜)48からなる微細なパターンの電極構造54をSi基板42の第1の層44上に形成する。
 ところで、図4(b)に示すように、第2の層44と第3の層48の側壁にはエッチング残査が生成しているので、除去する必要がある。
 そこで、マイクロマシンを例に説明した実施例3と同様にして、洗浄装置10を使用し、超臨界流体、例えば超臨界二酸化炭素に第2のグループの界面活性剤を添加して、電極構造54を洗浄処理することにより、微細なパターンが倒壊することなく、図4(c)に示すように、エッチング残渣を除去した微細な電極構造54を形成することができる。
 本発明方法は、微小構造体に限らず、多くの分野の部品、小型機器の洗浄・乾燥に適用できる。
実施例1の方法を実施する際に使用する洗浄装置の構成を示すフローシートである。 図2(a)から(c)は、それぞれ、マイクロマシン、電子線露光マスク、及び配線溝を形成した多孔質低誘電率膜を洗浄し、洗浄前後の微粒子(パーティクル)の数を計数した結果を示す棒グラフである。 横に赤外吸収スペクトルの波数(cm-1)を縦軸に吸光度(任意目盛)を取り、上段及び下段に、それぞれ、洗浄前及び洗浄後の赤外吸収スペクトルの波数(cm-1)と吸光度との関係を示すグラフを示している。 図4(a)から(c)は、それぞれ、電極構造を形成する際の各工程の断面図である。 図5(a)及び(b)は、それぞれ、マイクロマシンの構成を示す斜視図と、図5(a)の線I−Iの断面図である。 図6(a)から(c)は、それぞれ、マイクロマシン、電子線露光用のマスク、及び配線溝を形成した多孔質低誘電率膜に付着したエッチング残渣を示す断面図である。
符号の説明
 10……洗浄装置、12……開口部、14……処理室、15……チャンバ、16……蓋、18……流体供給源、20……加熱手段、22……Oリング、24……締め付け具、26……被洗浄体保持カセット、27……圧力・温度制御手段、28……三方弁、29……流体供給ポート、30……界面活性剤供給源、31……界面活性剤供給口、32……流体排出ポート、34……排圧弁、36……排出液分離装置、38……温度制御装置、42……Si基板、44……第1の層、46……第2の層(絶縁膜)、48……第3の層(金属膜)、50……第4の層(絶縁膜)、52……レジストマスク、60……マイクロマシン、62……基板、64……空隙部、66……梁構造体、66a……支持部、68……構造膜、70……光学膜、72……電子線露光用マスク、74……支持枠、76……開口パターン、78……メンブレン、80……下地膜、82……エッチングストッパ層、84……多孔質低誘電率膜、86……配線溝。

Claims (10)

  1.  微小構造を有する被洗浄体を超臨界流体で洗浄する方法において、
     所定量の界面活性剤を添加した前記超臨界流体を洗浄液として使用し、前記界面活性剤を添加した超臨界流体に前記被洗浄体を接触させて洗浄する洗浄工程を有することを特徴とする洗浄方法。
  2.  前記洗浄工程に続いて、前記超臨界流体をガス化して前記被洗浄体を乾燥する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の洗浄方法。
  3.  前記洗浄工程に続いて、前記超臨界流体のみを供給してリンス洗浄を施すリンス工程と、
     次いで、前記超臨界流体をガス化して前記被洗浄体を乾燥する工程と
    を有することを特徴とする請求項1に記載の洗浄方法。
  4.  微小構造を有する被洗浄体を超臨界流体で洗浄する方法において、
     1槽の洗浄/乾燥チャンバを有する洗浄/乾燥装置を使用し、前記超臨界流体に所定量の界面活性剤を添加して前記被洗浄体を収容する前記洗浄/乾燥チャンバに供給し、前記被洗浄体を洗浄する工程と、
     次いで、前記超臨界流体のみを前記洗浄/乾燥チャンバに供給して前記界面活性剤を添加した超臨界流体を置換しつつ前記被洗浄体をリンス洗浄する工程と、
     次いで、前記超臨界流体をガス化して除去し、前記被洗浄体を乾燥させる工程と
    を有し、前記1槽の洗浄/乾燥チャンバ内で洗浄処理及び乾燥処理を順次行うことを特徴とする洗浄方法。
  5.  前記超臨界流体として超臨界二酸化炭素を使用することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の洗浄方法。
  6.  前記界面活性剤として、分子構造にフッ化炭化水素を含む界面活性剤を用いることを特徴とする請求項5に記載の洗浄方法。
  7.  前記界面活性剤として、非イオン系界面活性剤を用いることを特徴とする請求項5に記載の洗浄方法。
  8.  前記非イオン系界面活性剤として、ポリオキシエチレンソルビタンモノエステル、ソルビタンアルキルエステル類、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリコールエステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、高級アルコール類、オキシメチルエタノールアミド、及びポリエチレンイミン類のうちのいずれかを成分として有する界面活性剤を用いることを特徴とする請求項7に記載の洗浄方法。
  9.  前記非イオン系界面活性剤として、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、及びポリオキシエチレンオレイルエーテルのうちのいずれかを成分として有する界面活性剤を用いることを特徴とする請求項7に記載の洗浄方法。
  10.  前記非イオン系界面活性剤として、アセチレングリコール系界面活性剤、又は脂肪酸アルカノールアミド系界面活性剤を用いることを特徴とする請求項7に記載の洗浄方法。
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