JP2019099810A - フィルム及び農園芸用施設 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温下における光散乱性と、低温下における光散乱性との差が大きく、温度変化に起因する光線透過率の変化が小さいフィルム等を提供する。【解決手段】本発明の一形態に係るフィルムは、密度が865kg/m3以上905kg/m3以下の範囲であるエチレン−α−オレフィン共重合体と、屈折率が1.50よりも高く1.53よりも低い値の範囲内であるガラス粒子と、を含有する樹脂組成物からなる層を少なくとも1層有している。【選択図】なし

Description

本発明は、フィルム及び農園芸用施設に関するものである。
特許文献1には、温度変化に伴って可逆的に透明性が変化し、温度上昇と共に光線透過率が低下して遮光性を発現する感温性遮光シートであって、オレフィン系樹脂及び無機系充填剤を含む樹脂組成物からなるシートが記載されている。
特開2017−110105号公報(2017年6月22日公開)
しかしながら、特許文献1に記載される感温性遮光シートは、夏季のような高温条件下では、十分な光散乱性が得られにくい。また、当該感温性遮光シートは、高温条件下において光線透過率が低下する。
そこで、冬季の低温下では低い光散乱性を示す一方で、夏季の高温下では高い光散乱性を示し、且つ、一年を通して光線透過率の変化が小さい新規なフィルムが求められている。このようなフィルムは、日射の強い夏には光散乱性が高くなることで、過剰な直射光に起因する作物の葉焼け等の障害を防ぐことができ、一年を通して光線透過率の低下に起因する日射量の低下を防止することができる効果があると期待される。
すなわち、本願発明の目的は、高温下における光散乱性と、低温下における光散乱性との差が大きく、温度変化に起因する光線透過率の変化が小さいフィルム及びその関連技術を提供することである。
本発明の第一の形態は、密度が865kg/m以上905kg/m以下の範囲内であるエチレン−α−オレフィン共重合体と、屈折率が1.50よりも高く1.53よりも低い値の範囲内であるガラス粒子と、を含有する樹脂組成物からなる層を少なくとも1層有する、フィルムである。
また、本発明の好ましい他の形態は、前記のフィルムが農園芸用施設フレームに展張された農園芸用施設である。
本発明の一態様によれば、本願発明の目的は、高温下における光散乱性と、低温下における光散乱性との差が大きく、温度変化に起因する光線透過率の変化が小さいフィルム及びその関連技術を提供することができるという効果を奏する。
以下、本発明に係る実施の一形態について詳細に説明する。
本発明の一形態に係るフィルムの少なくとも1層を構成する樹脂組成物は、密度が865kg/m以上905kg/m以下の範囲内であるエチレン−α−オレフィン共重合体と、屈折率が1.50よりも高く1.53よりも低い値の範囲内であるガラス粒子とを含有してなる。
[エチレン−α−オレフィン共重合体]
前記エチレン−α−オレフィン共重合体としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ヘプテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体等を挙げることができる。これらのうち、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体が特に好ましい。なお、エチレン−α−オレフィン共重合体としては、エチレンと、2種以上のα−オレフィンとを共重合したものを用いてもよい。
エチレン−α−オレフィン共重合体は、強度に優れたフィルムの提供に寄与する。前記エチレン−α−オレフィン共重合体は、強度の高いフィルムを得る観点から、好ましくは、エチレンとα−オレフィンとが、メタロセン触媒を用いて重合されたものである。
前記エチレン−α−オレフィン共重合体として使用可能である市販品としては、以下のものを挙げることができる。エクセレン(登録商標)FX(住友化学株式会社製)、タフマー(登録商標)(三井化学株式会社製)、ENGAGE(登録商標)(Dow Chemical社製)、AFFINITY(登録商標)(Dow Chemical社製)、EXACT(登録商標)(ExxonMobil社製)、カーネル(登録商標)(日本ポリエチレン株式会社製)。
前記エチレン−α−オレフィン共重合体としては単独のエチレン−α−オレフィン共重合体を用いてもよく、2種類以上のエチレン−α−オレフィン共重合体を併用してもよい。
前記エチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、865kg/m以上、より好ましくは872kg/m以上であり、さらには877g/m以上であることが好ましく、905kg/m以下であり、900g/m以下であることがより好ましく、895kg/m以下であることがさらに好ましい。エチレン−α−オレフィン共重合体の密度が、865kg/m以上905kg/m以下の範囲内であり、併せて、樹脂組成物に含まれるガラス粒子の屈折率が1.50よりも高く1.53よりも低い値の範囲内であることによって、気温が40℃付近に達する夏季においてはフィルムの光散乱性を高め、0℃付近に達する冬季においては光散乱性を低くし、気温の高低差に依存する光散乱性の差を大きくすることができる。併せて、0℃〜40℃の温度範囲におけるフィルムの光線透過率を一定に保持することができる。なお、エチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、JIS K7112:1999のA法に規定された方法に従い測定された値であり、23℃において測定された密度である。
前記エチレン−α−オレフィン共重合体として2種類以上のエチレン−α−オレフィン共重合体を併用する場合、エチレン−α−オレフィン共重合体の密度dは、下記式(1)により概算してもよい。
d(kg/m)=
(d・W+d・W+・・・+d・W)/(W+W+・・・W) …(1)
(ただし、エチレン−α−オレフィン共重合体1、エチレン−α−オレフィン共重合体2、…エチレン−α−オレフィン共重合体mのm種のエチレン−α−オレフィン共重合体を併用する(mは2以上の整数)とし、エチレン−α−オレフィン共重合体kの密度(単位:kg/m)をd、樹脂組成物中のエチレン−α−オレフィン共重合体kの含有量(単位:kg)をWとする(kは1からmまでの整数)。)
前記エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレイト(MFR)は、好ましくは0.05g/10分以上20g/10分以下であり、より好ましくは0.1g/10分以上15g/10分以下である。該MFRは、JIS K 7120:1995に従い、温度190℃、荷重21.18Nの条件でA法により測定される。
[ガラス粒子]
前記ガラス粒子は、屈折率が1.50よりも高く1.53よりも低い値の範囲内であるガラス粒子である。前記ガラス粒子の屈折率は、1.51以上が好ましく、1.52以下または1.52よりも低い値であることが好ましい。ガラス粒子の屈折率が1.50よりも高く1.53よりも低い値の範囲内であり、前記エチレン−α−オレフィン共重合体の密度が上述の範囲内であることにより、気温が40℃付近に達する夏季においてはフィルムの光散乱性を高め、0℃付近に達する冬季においては光散乱性を低くし、気温の高低差に依存する光散乱性の差を大きくすることができる。なお、当該屈折率は室温にて粒子液浸法を用いて測定した値であり、ここで、屈折率の値における小数点第3位以下は四捨五入される。
ガラス粒子とは、二酸化ケイ素(SiO)を含む粒子であり、酸化ホウ素(B)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ナトリウム(NaO)、酸化カルシウム(CaO)、及び酸化亜鉛(ZnO)からなる群より選択される少なくとも1種の無機化合物を含んでいてもよい。ガラス粒子は、さらに必要に応じて、更なる無機化合物及び添加剤を含んでもよい。具体的には、前記の無機化合物に加えてさらに、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化ガドリニウム、酸化ビスマス、酸化アンチモン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化タングステン、炭酸マグネシウム、窒化珪素、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ナトリウム、フッ化リチウム、鉄等の慣用の無機化合物を必要に応じて適宜混合し、上記の屈折率の範囲となるように調製することができる。
ガラス粒子の形状としては、上記屈折率を示すものであれば、特に限定されず、粒子状(例えば、ガラスビーズ)、繊維状(例えば、ガラス繊維、ミルドファイバー)、フレーク状(例えば、ガラスフレーク)等の種々の形状のガラス粒子を用いることができる。
ガラス粒子が粒子状である場合、その体積中位径は、40℃付近に達する夏季に光散乱性を高くする観点から、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは2μm以上であり、さらに好ましくは3μm以上である。また、当該体積中位径は、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは15μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下である。粒子の体積中位径は、レーザー回折法により測定される。
ガラス粒子が繊維状である場合、アスペクト比は特に限定されないが、40℃付近に達する夏季に光散乱性を高くする観点から、アスペクト比が1〜500のものが用いられ、アスペクト比が1〜100のものがより好ましく用いられ、アスペクト比が1〜50のものがさらに好ましく用いられる。
その他、ガラス粒子は、カップリング剤等の表面処理剤によって、表面処理されているものであってもよい。
[樹脂組成物]
本発明に係るフィルムを構成する樹脂組成物において、エチレン−α−オレフィン共重合体とガラス粒子との配合比は、特に限定されるべきではないが、以下に示すように設定することができる。
エチレン−α−オレフィン共重合体とガラス粒子との合計量を100質量部とした場合、0℃付近に達する冬季における光散乱性を低くする観点からは、前記エチレン−α−オレフィン共重合体の含有量は、好ましくは40質量部以上であり、より好ましくは50質量部以上であり、さらに好ましくは60質量部以上であり、特に好ましくは70質量部以上である。また、40℃付近に達する夏季における光散乱性を高くする観点から、前記エチレン−α−オレフィンの含有量は、好ましくは95質量部以下であり、より好ましくは90質量部以下であり、さらに好ましくは85質量部以下であり、特に好ましくは80質量部以下である。
また、エチレン−α−オレフィン共重合体とガラス粒子との合計量を100質量部とした場合、前記のガラス粒子の含有量は、夏季における光散乱性を高くする観点から、好ましくは5質量部以上であり、より好ましくは10質量部以上であり、さらに好ましくは15質量部以上であり、特に好ましくは20質量部以上である。また、冬季における光散乱性を低くする観点から、好ましくは60質量部以下であり、より好ましくは50質量部以下であり、さらに好ましくは40質量部以下であり、特に好ましくは30質量部以下である。
前記の樹脂組成物は、前記エチレン−α−オレフィン共重合体以外の樹脂を含んでいてもよい。当該樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン;高密度ポリエチレン;エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン−ビニルエステル共重合体を挙げることができる。
なお、前記の樹脂組成物が、前記エチレン−α−オレフィン共重合体以外の樹脂を含む場合、樹脂の全量(100質量%とする)に占める前記エチレン−α−オレフィン共重合体の割合は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
前記の樹脂組成物は、このほかに、本発明の効果を阻害しない範囲内で、赤外線吸収剤、光安定剤、紫外線吸収剤、防曇剤、酸化防止剤、防霧剤、滑剤等の添加剤を含んでいてもよい。
前記赤外線吸収剤としては、ハイドロタルサイト類化合物、リチウムアルミニウム複合水酸化物が挙げられる。ハイドロタルサイト類化合物の具体例としては、天然ハイドロタルサイトや商品名:DHT−4A(協和化学工業株式会社製)、マグクリア(戸田工業株式会社製)、マグセラー(協和化学工業株式会社製)、スタビエースHT−P(堺化学工業株式会社製)等が挙げられる。リチウムアルミニウム複合水酸化物の具体例としては、OPTIMA−SS(戸田工業株式会社製)、ミズカラック(水澤化学工業株式会社製)等が挙げられる。
本発明の一形態においては、ハイドロタルサイト類化合物を単独で用いてもよいし、リチウムアルミニウム複合水酸化物を単独で用いてもよい。あるいは、両者を併用しても良い。
前記光安定剤としては、例えば、特開平8−73667号公報に記載の構造を有するヒンダードアミン化合物を挙げられる。具体的には、商品名:チヌビン622、キマソーブ944、キマソーブ119(以上BASF製)、ホスタビンN30、VP Sanduv
or PR−31(以上クラリアント社製)、サイヤソーブUV3529、サイヤソーブUV3346(以上サイテック社製)等が挙げられる。
さらには、特開平11−315067号公報、特開2001−139821号公報、WO2005/082852、特表2009−530428号公報に記載の構造を有するヒンダードアミン化合物が挙げられる。具体的には、商品名:NOR371(BASF製)、アデカスタブLA−900(株式会社ADEKA製)、アデカスタブLA−81(株式会社ADEKA製)、ホスタビンNOW(クラリアント株式会社製)が挙げられる。
また、光安定剤として、エチレンに基づく単量体単位と環状アミノビニル化合物に基づく単量体単位とを有するエチレン−環状アミノビニル化合物共重合体も挙げることができる。かかるエチレン−環状アミノビニル化合物共重合体としては、特開2002−265693号公報に記載の構造を有するものが挙げられる。
本発明に係る樹脂組成物に含まれる光安定剤の含有量は、0.01〜3質量%が好ましく、0.05〜2質量%がより好ましく、特に0.1〜1質量%が好ましい。ただし、樹脂組成物の質量を100質量%とする。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシベンゾフェノン類、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類、ベンゾエート類、置換オキザニリド類、シアノアクリレート類、トリアジン類等が挙げられる。
2−ヒドロキシベンゾフェノン類としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等が挙げられる。
2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’―ジ第三ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
ベンゾエート類としては、フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニルー3’、5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
置換オキザニリド類としては、2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等が挙げられる。
シアノアクリレート類としては、エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等が挙げられる。
トリアジン類としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−〔(ヘキシル)オキシ〕−フェノール、2−〔4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−5−(オクチロキシ)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシ−5−メチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン等が挙げられる。
好ましくは、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類であり、より好ましくは、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾールが挙げられる。
紫外線吸収剤は、単独で又は二種以上で用いられる。本発明に係る樹脂組成物に含まれる紫外線吸収剤の含有量は、0.001〜3質量%が好ましく、0.005〜1質量%がより好ましい。ただし、樹脂組成物の質量を100質量%とする。
前記防曇剤としては、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノモンタネート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンジオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレンオキサイド付加物等のソルビタン系界面活性剤、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、ジグリセリンジステアレート、トリグリセリンモノステアレート、テトラグリセリンジモンタネート、グリセリンモノオレエート、ジグリセリンモノオレエート、ジグリセリンセスキオレエート、テトラグリセリンモノオレエート、ヘキサグリセリンモノオレエート、ヘキサグリセリントリオレエート、テトラグリセリントリオレエート、テトラグリセリンモノラウレート、ヘキサグリセリンモノラウレート等のグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレンオキサイド付加物等のグリセリン系界面活性剤、ポリエチレングリコールモノパルミテート、ポリエチレングリコールモノステアレート等のポリエチレングリコール系界面活性剤、アルキルフェノールのアルキレンオキシド付加物、ソルビタン/グリセリン縮合物と有機酸とのエステル、ポリオキシエチレン(2モル)ステアリルアミン、ポリオキシエチレン(4モル)ステアリルアミン、ポリオキシエチレン(2モル)ステアリルアミンモノステアレート、ポリオキシエチレン(4モル)ラウリルアミンモノステアレート等のポリオキシエチレンアルキルアミン及びその脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
前記酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジアルキルフェノール誘導体や2−アルキルフェノール誘導体等のいわゆるヒンダードフェノール系化合物、フォスファイト系化合物やフォスフォナイト系化合物等の3価のリン原子を含むリン系エステル化合物が挙げられる。これら酸化防止剤は、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。特に色相安定化の観点から、ヒンダードフェノール系化合物とリン系エステル化合物を併用して用いることが好ましい。
前記防霧剤としては、例えば、パーフルオロアルキル基、ω−ヒドロフルオロアルキル基等を有するフッ素化合物(特にフッ素系界面活性剤)、またアルキルシロキサン基を有するシリコーン系化合物(特にシリコーン系界面活性剤)等が挙げられる。フッ素系界面活剤の具体例としては、ダイキン工業株式会社製のユニダインDSN−403N、DS−403、DS−406、DS−401(商品名)、AGCセイミケミカル株式会社製のサーフロンKC−40、AF−1000、AF−2000(商品名)等が挙げられ、シリコーン系界面活性剤としては、東レダウコーニング株式会社製のSH−3746(商品名)が挙げられる。これらは、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。防霧剤の含有量は、0.01〜3質量%が好ましく、0.02〜2質量%がより好ましく、0.05〜1質量%が特に好ましい。ただし、樹脂組成物の質量を100質量%とする。
[フィルム]
本発明に係るフィルムは、前記の樹脂組成物からなる層を少なくとも1層有するフィルムである。上記樹脂組成物からなる層を有することにより、0℃等の低温下から、40℃等の高温下にかけての光散乱性の変化が大きく、且つ、この温度範囲における光線透過率の変化が小さいフィルムを得ることができる。
なお、本発明において、ヘイズ値は、温度以外の測定条件をJIS K 7136:2000に準拠して、株式会社村上色彩技術研究所製 温調ヘイズメーター(THM−150TL)を使用して測定される値である。本明細書において、フィルムの光散乱性はヘイズ値によって評価され得る。
本発明の一態様に係るフィルムは、40℃におけるヘイズ値が、40%よりも大きいことが好ましく、45%以上であることがより好ましい。40℃におけるヘイズ値が、40%よりも大きいことによって、日射量が多い夏季において、フィルムに照射される光を好適に散乱させることできる。また、本発明の一態様に係るフィルムは、0℃におけるヘイズ値と、40℃におけるヘイズ値との差は、例えば、20%以上であり、より好ましくは25%以上であり、さらに好ましくは、30%以上であり、40℃におけるヘイズ値の方が0℃におけるヘイズ値よりも高い値を示す。よって、日射量が少ない冬季において、フィルムに照射される光が散乱することを防止することができる。
また、本発明の一態様に係るフィルムは、0℃における光線透過率と、40℃における光線透過率との差がほとんどない。このため、夏季等の高温下において、光線透過率の低下に起因する日射量の低下を防止することができる。
なお、本発明において、光線透過率は、温度以外の測定条件をJIS K 7361−1:1997に準拠して算出される全光線透過率の値である。
本発明の一態様に係るフィルムにおいて、0℃及び40℃における全光線透過率は、ともに70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、85%以上であることがさらに好ましい。
また、本発明の一態様に係るフィルムにおいて、0℃における全光線透過率と、40℃における全光線透過率との差は、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることがさらに好ましい。
前記の樹脂組成物のフィルム化の方法は、例えば、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、スーパーミキサー、又は二軸混練機等の混合機で樹脂組成物を混合し、次いで、例えば、プレス成形法、溶融押出成形法及びカレンダー成形法等によって、この樹脂組成物をフィルムとすればよい。溶融押出成形法としては、具体的にはインフレーション法、Tダイ法を挙げることができる。
本発明の一形態に係るフィルムは、前記樹脂組成物からなる層のみを有するフィルムであってもよく、前記樹脂組成物からなる層以外の層を有するフィルムであってもよい。本発明のフィルムの好ましい形態の一つとして、前記樹脂組成物からなる中間層が、2つのポリオレフィン系樹脂層の間に存在する多層フィルムを挙げることができる。この層構成により、フィルムの強度を向上させることができるという利点が得られる。
前記の多層フィルムにおける2つのポリオレフィン系樹脂層は、同じであってもよく、異なっていてもよい。前記の多層フィルムの構成として、より具体的には、2種3層、3種3層、3種4層、4種4層、4種5層、5種5層等が例示できる。
多層フィルムが4種以上の層からなる場合、前記樹脂組成物からなる層及びポリオレフィン系樹脂層のどちらとも異なる層を有していてもよく、ポリオレフィン系樹脂層を3層以上有していてもよい。また、前記樹脂組成物からなる層が2層以上あってもよい。
本発明の一形態に係るフィルムにおいて、前記樹脂組成物からなる層の厚みは、40℃付近に達する夏季において光散乱性を高める観点から、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは30μm以上である。また、0℃付近に達する冬季において光散乱性を低くし、且つ、一年を通して安定した光線透過率を保つ観点から、好ましくは500μm以下であり、より好ましくは300μm以下である。
また、本発明の一形態に係るフィルムが3層からなる多層フィルムである場合には、各層の厚みの比は、0℃〜40℃付近の感温性及び光線透過率とフィルムの強度との兼ね合いの観点から、ポリオレフィン系樹脂層/前記樹脂組成物からなる層/ポリオレフィン系樹脂層が、1/2/1〜1/4/1であることが好ましい。
前記のポリオレフィン系樹脂層はポリオレフィン系樹脂を含有する。ポリオレフィン系樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン;高密度ポリエチレン;エチレン−1−ブテン共重合体やエチレン−1−ヘキセン共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン−ビニルエステル共重合体;エチレン−アクリル酸メチル共重合体やエチレン−メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体を挙げることができる。これらのポリオレフィン系樹脂は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記のポリオレフィン系樹脂層は、必要に応じて、光安定剤、紫外線吸収剤、防曇剤、酸化防止剤、防霧剤、滑剤、抗ブロッキング剤、帯電防止剤、顔料等を含んでいてもよいが、所定のガラス粒子と所定のエチレン−α−オレフィン共重合体との組み合わせを含んでいない点において、樹脂組成物からなる層とは区別され得る。
本発明の一形態に係るフィルムは、一方の表層として又は両面に、防曇性塗膜層を有していてもよい。かかる防曇性塗膜層としては、無機コロイドからなる防曇層、無機コロイドとバインダー樹脂とを含有する防曇性塗膜層が挙げられる。
無機コロイドは、疎水性のポリオレフィン系樹脂フィルム表面に親水性を付与するものであり、通常、水等の液体分散媒中に、無機コロイドが分散されたゾルの形態で使用される。具体的には、シリカゾル、アルミナゾルが挙げられ、シリカゾルが好ましい。
バインダー樹脂としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリル変性ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。
前記バインダー樹脂は、通常、水や水とアルコール等の水性溶剤との混合溶剤に該樹脂が分散されている水系エマルジョンとして用いられる。
防曇性塗膜層は、シリカとバインダー樹脂とを含有する防曇層が好ましい。更に、バインダー樹脂としては、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリル変性ポリウレタン系樹脂が好ましい。
好ましいシリカとして、平均粒子径が5〜100nmの球状のものが挙げられる。
防曇性塗膜層に含まれるシリカ及びバインダー樹脂の合計を100質量%とするとき、シリカの含有量が30〜70質量%であり、バインダー樹脂の含有量が30〜70質量%であることが好ましく、シリカの含有量が50〜65質量%であり、バインダー樹脂の含有量が35〜50質量%であることがより好ましい。シリカの含有量が少なすぎると十分な防曇効果が得られず、逆に多すぎると、被膜が白濁化して低温下での光線透過率を低下させ得る。
シリカとバインダー樹脂とを含有する防曇性塗膜層は、例えば、以下に示すようにして形成することができる。バインダー樹脂を含有する水系エマルジョン、シリカを含有する水性シリカゾル、及び分散媒である水を混合し、攪拌して塗工液を得る。次に、この塗工液を、公知の手段を用いて塗布し、乾燥することにより、防曇層を形成することができる。 塗布手段としては、具体的には、バーコーティング、グラビアコーティング、リバースコーティング、刷毛コーティング、スプレーコーティング、キッスコーティング、ダイコーティング、ディッピング等が挙げられる。乾燥手段としては、例えば熱風乾燥が挙げられる。
シリカとバインダー樹脂からなるコーティング膜の厚みは、0.3〜1.5μmが好ましく、0.5〜1.2μmがより好ましい。
前記塗工液には、塗工性を向上させるために、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤を含有させることができる。シリコーン系界面活性剤としては、例えばポリエーテル変性シリコーンオイルが挙げられる。
また、前記塗工液には、必要に応じて、架橋剤、光安定剤、紫外線吸収剤を添加してもよい。
防曇性塗膜層は、前記フィルムの一方の表層として形成されていてもよいし、両方の表層として形成されていてもよい。また、防曇層は単層膜でも2層以上の多層膜でもよい。
[農業用フィルム及びビニルハウス]
本発明の一形態に係るフィルムは、農業用フィルムとして用いることができる。より具体的には、植物栽培用の温室の外張り又は内張りフィルム、及びトンネルの被覆材等として好適に用いることができる。
本発明の一形態に係る農業用フィルムで被覆された農園芸用施設においては、40℃付近に達する夏季にはフィルムの光散乱性が高いため過剰な直射光に起因する作物の葉焼け等の障害を防ぐことができ、0℃付近に達する冬季にはフィルムの光散乱性が低いため作物に十分な直射光を届けることがでる。さらに、気温の変化に伴う光線透過率の変化が小さいため、一年を通じてフィルムの光線透過率の変化に起因する日射量の低下を防止することができる。前記農園芸用施設は、ホウレンソウ、トマト、ネギ、キュウリ、イチゴ等の栽培に好適に用いられる。
これにより、例えば、季節に応じてフィルムを交換する労力、及び季節に応じた複数の種類のフィルムを準備するコストを削減することが可能となり、一年中安定して使用することができる。
本発明の一形態に係る農業用フィルムを備えた農園芸用施設としては、例えば、植物栽培用の温室、トンネル等が挙げられる。農園芸用施設において、前記の農業用フィルムは、例えば、農園芸用施設フレームに展張されている。
以下、本発明の実施例を示す。なお実施例及び比較例中の試験方法は次の通りである。[試験方法]
<ヘイズ値>
株式会社村上色彩技術研究所製 温調ヘイズメーター(THM−150TL)を使用し、0℃及び40℃において測定を行った。温度以外の測定条件はJIS K 7136:2000に準拠した。
<全光線透過率>
株式会社村上色彩技術研究所製 温調ヘイズメーター(THM−150TL)を使用し、0℃及び40℃において測定を行った。温度以外の測定条件はJIS K 7361−1:1997に準拠した。
[材料]
以下に、使用した材料を示す。
なお、下記の(1)〜(7)に記載のMFRは、JIS K 7120:1995に従い、温度190℃、荷重21.18Nの条件でA法により測定された値に相当する。
エチレン−α−オレフィン共重合体 :
(1)エチレン−1−ブテン共重合体(以下、ER−1とする)
密度 885kg/m
MFR(190℃、21.18N) 3.6g/10分
(タフマー(登録商標)A4085S 三井化学株式会社製)
(2)エチレン−1−ヘキセン共重合体(以下、ER−2とする)
密度 890kg/m
MFR(190℃、21.18N) 3.2g/10分
(エクセレン(登録商標)FX307 住友化学株式会社製)
(3)エチレン−1−ヘキセン共重合体(以下、ER−3とする)
密度 880kg/m
MFR(190℃、21.18N) 8.0g/10分
(エクセレン(登録商標)FX402 住友化学株式会社製)
(4)エチレン−1−オクテン共重合体(以下、ER−4とする)
密度 875kg/m
MFR(190℃、21.18N) 3g/10分
(ENGAGE(登録商標)8452 Dow Chemical社製)
(5)エチレン−1−ヘキセン共重合体(以下、ER−5とする)
密度 898kg/m
MFR(190℃、21.18N) 2.0g/10分
(エクセレン(登録商標)FX201 住友化学株式会社製)
(6)エチレン−1−ブテン共重合体(以下、ER−6とする)
密度 870kg/m
MFR(190℃、21.18N) 3.6g/10分
(タフマー(登録商標)A4070S 三井化学株式会社製)
(7)エチレン−1−オクテン共重合体(以下、ER−7とする)
密度 902kg/m
MFR(190℃、21.18N) 1.0g/10分
(ENGAGE(登録商標)8480 Dow Chemical社製)
(8)エチレン−1−ヘキセン共重合体(以下、ER−8とする)
密度 913kg/m
MFR(190℃、21.18N) 2.0g/10分
(スミカセン(登録商標)E FV203 住友化学株式会社製)
(9)エチレン−1−オクテン共重合体(以下、ER−9とする)
密度 857kg/m
MFR(190℃、21.18N) 1.0g/10分
(ENGAGE(登録商標)8842 Dow Chemical社製)
(10)エチレン−1−ブテン共重合体(以下、ER−10とする)
密度 864kg/m
MFR(190℃、21.18N) 3.6g/10分
(タフマーA4050S 三井化学株式会社製)
ガラス粒子 :
(1)OMicron(登録商標) NP5−P0(Sovitec社製ガラスビーズ)(以下、粒子−1とする)
体積中位径=5μm
屈折率(23℃)=1.51
(2)CF0018−05C(日本フリット株式会社製ガラスフィラー)(以下、粒子−2とする)
体積中位径=5μm
屈折率(23℃)=1.52
(3)CF0093−05C(日本フリット株式会社製ガラスフィラー)(以下、粒子−3とする)
体積中位径=5μm
屈折率(23℃)=1.50
(4)CF0017T10(日本フリット株式会社製ガラスフィラー)(以下、粒子−4とする)
体積中位径=10μm
屈折率(23℃)=1.55
ポリオレフィン系樹脂 :
(1)ポリエチレン樹脂(以下、PE−1とする)
密度 912kg/m
MFR(190℃、21.18N) 0.5g/10分
(エクセレン(登録商標)GMH GH030 住友化学株式会社製)
(2)ポリエチレン樹脂(以下、PE−2とする)
密度 921kg/m
MFR(190℃、21.18N) 0.4g/10分
(エクセレン(登録商標)GMH GH051 住友化学株式会社製)
[実施例1]
ER−1 75質量部と、粒子−1 25質量部とを混合し、ラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製)に供し、温度150℃、回転数60rpmの条件で5分間混練し、樹脂組成物を得た。当該樹脂組成物を150℃でプレス成形することにより厚さ100μmのフィルムを得た。得られたフィルムの0℃及び40℃におけるヘイズ値及び全光線透過率を表1に示す。
[実施例2]
ER−1に代えてER−2を用いたほかは、実施例1と同じように樹脂組成物及びフィルムを得た。得られたフィルムの0℃及び40℃におけるヘイズ値及び全光線透過率を表1に示す。
[実施例3]
ER−1に代えてER−3を用いたほかは、実施例1と同じように樹脂組成物及びフィルムを得た。得られたフィルムの0℃及び40℃におけるヘイズ値及び全光線透過率を表1に示す。
[実施例4]
ER−1に代えてER−4を用いたほかは、実施例1と同じように樹脂組成物及びフィルムを得た。得られたフィルムの0℃及び40℃におけるヘイズ値及び全光線透過率を表1に示す。
[実施例5]
ER−1に代えてER−5を用いたほかは、実施例1と同じように樹脂組成物及びフィルムを得た。得られたフィルムの0℃及び40℃におけるヘイズ値及び全光線透過率を表1に示す。
[実施例6]
ER−1に代えてER−6を用いたほかは、実施例1と同じように樹脂組成物及びフィルムを得た。得られたフィルムの0℃及び40℃におけるヘイズ値及び全光線透過率を表1に示す。
[実施例7]
ER−1に代えてER−7を用いたほかは、実施例1と同じように樹脂組成物及びフィルムを得た。得られたフィルムの0℃及び40℃におけるヘイズ値及び全光線透過率を表1に示す。
[実施例8]
粒子−1に代えて粒子−2を用いたほかは、実施例1と同じように樹脂組成物及びフィルムを得た。得られたフィルムの0℃及び40℃におけるヘイズ値及び全光線透過率を表1に示す。
Figure 2019099810
[比較例1]
ER−1 75質量部と、粒子−3 25質量部とを混合し、ラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製)に供し、温度200℃、回転数60rpmの条件で5分間混練し、樹脂組成物を得た。当該樹脂組成物を150℃でプレス成形することにより厚さ100μmのフィルムを得た。得られたフィルムの0℃及び40℃におけるヘイズ値及び全光線透過率を表2に示す。
[比較例2]
ER−1に代えてER−8を用いたほかは、実施例1と同じように樹脂組成物及びフィルムを得た。得られたフィルムの0℃及び40℃におけるヘイズ値及び全光線透過率を表2に示す。
Figure 2019099810
[比較例3]
ER−1に代えてER−9を用いたほかは、実施例1と同じように樹脂組成物及びフィルムを得た。得られたフィルムの0℃及び40℃におけるヘイズ値及び全光線透過率を表3に示す。
[比較例4]
ER−1に代えてER−10を用いたほかは、実施例8と同じように樹脂組成物及びフィルムを得た。得られたフィルムの0℃及び40℃におけるヘイズ値及び全光線透過率を表3に示す。
[比較例5]
粒子−1に代えて粒子−4を用いたほかは、実施例1と同じように樹脂組成物及びフィルムを得た。得られたフィルムの0℃及び40℃におけるヘイズ値及び全光線透過率を表3に示す。
Figure 2019099810
[実施例9]
<マスターバッチの作製>
粒子−1 50重量部と、ER−1 49.2重量部と、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.8重量部とをインテンシブミキサー(日本ロール製造株式会社製)に供給し、160℃で5分間混合し、得られた混合物を65mmφ単軸押出機(株式会社日本製鋼所製)に供給して押出し、ペレット化することでマスターバッチを得た。これをMB−1とする。
<フィルムの作製>
内層用押出機(40mm押出機)と、中間層用押出機(40mm押出機)と、外層用押出機(40mm押出機)と、100mmφダイス(リップ間隙1.2mm)とを備えた3層インフレーション成形機(株式会社プラコー製)を用い、三層のチューブ状フィルムを成形した。
具体的には、PE−1 50重量%とPE−2 50重量%とを混合した後、外層用押出機に投入し、EVA−1を50重量%とMB−1を50重量%とを混合した後、中間層用押出機に投入し、PE−1 50重量%とPE−2 50重量%を混合した後、内層用押出機に投入し、各押出機にて溶融混練した後、100mmφダイスから、内層が30μm、中間層が90μm、外層が30μmとなるように吐出量を調整して、溶融した各層の樹脂組成物を押出し、冷却して三層のチューブ状フィルムを成形し、切り開いて三層の多層フィルムを得た。この時、内層、外層の押出機は160℃、中間層の押出機、ダイスは150℃の設定とした。
得られたフィルムの0℃及び40℃におけるヘイズ値及び全光線透過率を表4に示す。
Figure 2019099810
本発明に係るフィルムは、植物栽培用の温室やトンネル等の農園芸用施設において、被覆材等として好適に利用することができる。

Claims (2)

  1. 密度が865kg/m以上905kg/m以下の範囲内であるエチレン−α−オレフィン共重合体と、
    屈折率が1.50よりも高く1.53よりも低い値の範囲内であるガラス粒子と、
    を含有する樹脂組成物からなる層を少なくとも1層有する、フィルム。
  2. 請求項1に記載のフィルムが農園芸用施設フレームに展張された農園芸用施設。
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