JP2017110105A - 感温性遮光シート及び農業用シート - Google Patents

感温性遮光シート及び農業用シート Download PDF

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真保 蓮池
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Takuya Ichimura
拓野 市村
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Abstract

【課題】温度変化に伴って可逆的に透明性が変化する感温性遮光シートであって、室温付近で優れた透明性を有すると共に、温度上昇と共に全光線透過率が低下し、十分な遮光性を発現することができ、機械物性や生産性にも優れる感温性遮光シートを提供する。
【解決手段】オレフィン系樹脂(A)95〜30質量%、及び、無機系充填材(B)5〜70質量%を含む樹脂組成物からなる感温性遮光シート。無機系充填材(B)としては、珪酸、ホウ酸、アルミナ、酸化亜鉛、及び酸化カルシウムのいずれかを主成分としてなるガラスフィラーが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、環境温度変化により透明性が変化する感温性遮光シートに関する。より詳細には、オレフィン系樹脂に無機系充填材を配合してなり、実用温度領域(20〜60℃)において、可逆的な透明性変化が良好な感温性遮光シートに関する。さらには、作物の生育を妨げずに、葉焼け防止、ハウス内の温度上昇を抑制することができる農業用シートに関する。
農業用シートや窓材等の用途において、環境の温度変化に伴って光線透過率が可逆的に変化する樹脂組成物が知られている。このような樹脂組成物よりなる感温性遮光シートは、直射日光が強く気温が高い夏場や昼間には熱線を遮断し、日光が弱く気温が低い冬場や朝方・夕方には多くの光を取り込むことで、内部の環境を維持することを目的とする。
特許文献1には、メタクリル樹脂とエチレン・酢酸ビニル共重合体からなり、温度変化により光線透過率が可逆的に変化する感熱性プラスチック成型品について開示されている。
また、特許文献2には、炭素数14以上の直鎖α−オレフィン重合体と、他のα−オレフィン重合体またはメタクリル酸エステル重合体とから構成され、環境の温度変化に伴って光線透過率が可逆的に変化する樹脂組成物が開示されている。
更に、特許文献3には、樹脂と架橋ポリメチルメタクリレート粒子等の粒子を配合することにより、環境の温度変化に伴って光線拡散率が可逆的に変化する一方で、全光線透過率の変化の小さい樹脂組成物が開示されている。
特開昭51−132241号公報 特許第2706701号公報 特開2001−226604号公報
特許文献1に記載の発明では、ポリメチルメタクリレートに代表される一般的なメタクリル樹脂はエチレン・酢酸ビニル共重合体中への分散性が悪く、また、分子量も大きいため、分散相であるメタクリル樹脂の分散径が大きくなり、ひいてはマトリックス相であるエチレン・酢酸ビニル共重合体とドメイン相であるメタクリル樹脂の間の界面の表面積が小さくなるため、高温時に光が十分に散乱せず、遮光性に劣るという課題があった。
また、特許文献2に記載の発明では、特許文献1と同様、マトリックス相である直鎖α−オレフィン重合体に対してドメイン相である他のα−オレフィン重合体またはメタクリル酸エステル重合体が分散しにくいため、界面の表面積が小さくなり、高温時の遮光性が十分でないという課題があった。
更に、特許文献3に記載の発明では、ドメイン相として架橋ポリメチルメタクリレート粒子を使用している。しかし、この粒子は、生産時のハンドリングが悪い、高充填により機械物性が低下する、又は、高価である等の課題がある上に、後掲の比較例4に示されるように、環境温度変化による全光線透過率の変化は小さい。
本発明は、温度変化に伴って可逆的に透明性が変化する感温性遮光シートであって、室温付近で優れた透明性を有すると共に、温度上昇と共に全光線透過率が低下し、十分な遮光性を発現することができ、機械物性や生産性にも優れる感温性遮光シートを提供することを課題とする。
本発明者は、上記の実情に鑑み鋭意検討した結果、以下の発明が上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を要旨とする。
[1] オレフィン系樹脂(A)95〜30質量%、及び、無機系充填材(B)5〜70質量%を含む樹脂組成物からなる感温性遮光シート。
[2] 全光線透過率の測定波長を550nmとしたとき、20℃における全光線透過率と60℃における全光線透過率の差が13%以上である[1]に記載の感温性遮光シート。
[3] 前記オレフィン系樹脂(A)が、エチレン・酢酸ビニル共重合体、または、エチレン・α−オレフィン共重合体、または、これらの混合物のいずれかであることを特徴とする、[1]または[2]に記載の感温性遮光シート。
[4] 前記エチレン・酢酸ビニル共重合体を構成する酢酸ビニル成分の比率が、10〜40質量%であることを特徴とする、[3]に記載の感温性遮光シート。
[5] 前記エチレン・α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィン成分の比率が、10〜40質量%であることを特徴とする、[3]に記載の感温性遮光シート。
[6] 前記無機充填材(B)が、珪酸、ホウ酸、アルミナ、酸化亜鉛、及び酸化カルシウムのいずれか1種以上を主成分としてなるガラスフィラーであることを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかに記載の感温性遮光シート。
[7] 前記無機充填材(B)が、珪酸を主成分としてなるガラスフィラーであることを特徴とする、[6]に記載の感温性遮光シート。
[8] 前記無機充填材(B)の平均粒径が、0.1μm以上、50μm以下であることを特徴とする、[1]〜[7]のいずれかに記載の感温性遮光シート。
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載の感温性遮光シートを少なくとも1層備えた感温性積層遮光シート。
[10] [1]〜[8]のいずれかに記載の感温性遮光シートからなる農業用シート。
[11] [9]に記載の感温性積層遮光シートからなる農業用シート。
本発明によれば、温度変化に伴って可逆的に透明性が変化する感温性遮光シートを提供することができ、該シートは室温付近で優れた透明性を有すると共に、温度上昇と共に全光線透過率が低下し、十分な遮光性を発現することができる。
本発明の感温性遮光シート及びこの感温性遮光シートを含む感温性積層遮光シートは、オレフィン系樹脂に無機系充填剤を配合してなる樹脂組成物を用いて低コストで効率的に製造することができ、得られるシートの機械物性等にも優れる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、以下において、「(メタ)アクリル」は「アクリル及び/又はメタクリル」を意味する。
本発明の感温性遮光シートは、オレフィン系樹脂(A)、及び、無機系充填材(B)を含む樹脂組成物を成形してなるものである。
1.オレフィン系樹脂(A)
本発明に用いるオレフィン系樹脂(A)は20〜60℃での屈折率の温度依存性が大きいものが望ましい。オレフィン系樹脂(A)の20〜60℃での屈折率の差は、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.02以上である。前記オレフィン系樹脂(A)の屈折率差をかかる範囲にすることで、より顕著な遮光性を得ることができる。
ここで、オレフィン系樹脂(A)の屈折率は、厚み100μmに成形したサンプルについてアタゴ社製アッベ屈折計を用いて、ナトリウムD線(589nm)を光源とし、JIS K7142(2008年)に基づき所定の雰囲気温度で測定した値である。
本発明に用いるオレフィン系樹脂(A)としては、オレフィンを基本骨格としてなる樹脂であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、ポリ(α−オレフィン)、エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、あるいはこれらの酸変性物(無水マレイン酸とマレイン酸による。)等が挙げられる。この中でも、結晶化度が高過ぎず室温で透明である点、融点が実用温度域に近く温度変化に伴う屈折率変化が大きい点から、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体のいずれかであることが好ましい。
オレフィン系樹脂(A)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記エチレン・α−オレフィン共重合体、及び、ポリ(α−オレフィン)を構成するα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、2−メチル−1−プロペン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセンなどが挙げられる。これらのα−オレフィンは単独または2種以上が混合されていてもよい。
前記エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体としては、例えばエチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸n−ブチル共重合体、エチレン・アクリル酸イソブチル共重合体、エチレン・アクリル酸−2−エチルヘキシル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体等が挙げられる。
これらのエチレン共重合体の融点は、35〜90℃であることが好ましく、45〜80℃であることがより好ましく、55〜70℃であることがさらに好ましい。エチレン共重合体の融点が35℃以上であれば、シートは十分な耐熱性を有する。一方、エチレン共重合体の融点が90℃以下であれば、室温付近での透明性と高温時の遮光性に優れる感温性遮光シートを得ることができる。
これらのエチレン共重合体を構成するコモノマーの比率、すなわち、酢酸ビニル成分、α−オレフィン成分、又は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの比率は、10〜40質量%であることが好ましく、12〜35質量%であることがより好ましく、14〜30質量%であることが更に好ましい。コモノマーの比率をかかる範囲とすることで、融点を実用温度域に近づけることができ、また、以下に説明する無機系充填材(B)の屈折率に近づけることができるため、室温付近での透明性と高温時の遮光性に優れる感温性遮光シートを得ることができる。
2.無機系充填材(B)
本発明で用いる無機系充填材(B)は、20〜60℃での屈折率の温度依存性が小さいものが望ましい。無機系充填材(B)の20〜60℃での屈折率の差は、好ましくは0.01未満、より好ましくは0.005未満である。無機系充填材(B)の屈折率差をかかる範囲にすることで、より顕著な遮光性を得ることができる。
ここで無機系充填材(B)の屈折率は、無機系充填材(B)よりも屈折率の大きな溶媒と小さな溶媒の混合溶媒を用いて測定を行った。具体的には、ジヨードメタンに無機系充填材(B)を少量入れ、ここにエタノールを滴下していき、無機系充填材(B)による散乱が無くなった時点での混合溶液について、アタゴ社製アッベ屈折計を用いて、ナトリウムD線(589nm)を光源とし、JIS K7142(2008年)に基づき所定の雰囲気温度で測定した値である。
本発明に用いる無機系充填材(B)の構成材料としては、例えば、ガラス、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどの塩化物、クレー、マイカなどの珪酸塩、ベーマイト、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、チタン酸バリウム、シリカ等の1種又は2種以上が挙げられる。
これらの中でも、組成により屈折率を任意に調整でき、透明性、機械強度にも優れることから、以下に記載するガラスフィラーであることが好ましい。
ガラスフィラーは、珪酸、ホウ酸、アルミナ、酸化亜鉛、及び酸化カルシウムのいずれか1種以上を主成分としてなるガラスフィラーであることが好ましい。ここで主成分とは、ガラスフィラー中の成分として、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上含むことをいう。これらの成分の種類あるいは比率によって、任意に屈折率を調整することができ、透明性と遮光性を両立することができる。その中でも特に珪酸を主成分とするガラスフィラーであることが、耐薬品性や熱衝撃性の観点からより好ましい。
無機系充填材(B)の形状には特に制限はなく、粒状等の粒子状であってもよく、繊維状、フレーク状等であってもよい。樹脂中への分散性の観点から、特に球状等の粒子状であることが好ましい。
前記無機充填材(B)が粒子状の場合、その平均粒径は0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、より好ましくは2μm以上40μm以下、特に好ましくは3μm以上30μm以下である。無機充填材(B)の平均粒径がかかる範囲であれば、十分な透明性と遮光性を付与することができる。
ここで、無機系充填材(B)の粒径とは、無機系充填材(B)が球状の場合、その直径に該当し、その他の形状の場合は、当該無機系充填材(B)を2枚の平行な板で挟んだときに、その距離が最も長くなる位置の長さに相当する。無機充填剤(B)の粒径は、レーザー回折法により測定されるD50の値を示すものであり、大塚電子製粒度分布計ELS−Zを用いて測定することができる。
前記無機充填材(B)が繊維状の場合、無機充填材(B)のアスペクト比は1以上、500以下であることが好ましく、1以上、100以下であることがより好ましく、1以上、50以下であることが更に好ましい。アスペクト比がかかる範囲であれば、十分な透明性と遮光性を付与することができる。
前記無機系充填材(B)は、1種を単独で用いてもよく、材質、形状、粒径等の異なるものの2種以上を混合して用いてもよい。
3.樹脂組成物
本発明に係る樹脂組成物中の前記オレフィン系樹脂(A)と前記無機充填材(B)の比率としては、95:5〜30:70質量%の範囲であり、90:10〜40:60質量%の範囲であることが好ましく、85:15〜70:30質量%の範囲であることがより好ましく、80:20〜70:30質量%の範囲であることが更に好ましい。
前記樹脂組成物中の前記オレフィン系樹脂(A)と前記無機充填材(B)の比率がかかる範囲であれば、機械物性や成形性を損ねることなく、室温での透明性と高温時の遮光性により優れる感温性遮光シートが得られる。
前記樹脂組成物には、前記樹脂組成物の性質に影響を与えない範囲において、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、安定剤、染料、顔料などの各種添加剤を添加することが出来る。前記各種添加剤の添加量は、添加剤の種類や目的によって異なるものの、オレフィン系樹脂と無機充填剤を含む樹脂組成物100質量%に対して30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましく、5質量%以下であることがとりわけ好ましく、3質量%以下であることが特に好ましい。前記各種添加剤の添加量がかかる範囲であれば、前記樹脂組成物の性質に影響を与えない範囲において、添加剤による目的の特性を付与することができる。
4.感温性遮光シート
本発明の感温性遮光性シートは上述の樹脂組成物を成形して製造される。
本発明の感温性遮光シートは、単層でもよいし、耐熱性や耐候性、機械強度の向上を目的として他の樹脂シートと積層した感温性積層遮光シートであってもよい。前記感温性遮光シートに積層する樹脂シートの樹脂としては特に限定されないが、例えば、前記オレフィン系樹脂(A)、ポリスチレン、スチレン系エラストマー、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタール、環状ポリオレフィン、超高分子量ポリエチレン、またはこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
感温性遮光シートの成形方法としては、ロール延伸法、テンター延伸法、チューブラー法、インフレーション法のほか、フィルムやプレートの成形方法として一般的なTダイキャスト法、プレス法などを採用することができる。成形温度としては、各樹脂の融点やガラス転移温度、熱分解温度等を鑑みて、180以上、250℃以下であることが好ましく、190℃以上、240℃以下であることがより好ましく、200℃以上、230℃以下であることが更に好ましい。
本発明の感温性遮光シートの厚みは、特に制限されるものではないが、50μm以上が好ましく、80μm以上がより好ましく、100μm以上が特に好ましい。一方、上限は5mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましく、2mm以下が特に好ましい。厚みが50μm以上であれば、高温時に十分な遮光性、および機械強度を発現させることができる。また、厚みが5mm以下であれば、室温時の透明性、シートのハンドリング性に優れる。
本発明に係る感温性遮光シートの20℃における全光線透過率は70%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましい。20℃における全光線透過率がかかる範囲であることにより、常温で十分な透明性を有することができる。
本発明に係る感温性遮光シートの20℃における全光線透過率(T20)と60℃における全光線透過率(T60)の差(T20−T60)は、13%以上であることが好ましく、15%以上であることがより好ましく、20%以上であることがさらに好ましい。全光線透過率の差が上記下限以上であることにより、温度を上げた時に感温性遮光シートとして実用的に使用するために十分な遮光性を有することができる。
本発明の感温性遮光シートは常温では透明性を有する一方、高温では遮光性を有するという特徴をもつので、作物の生育を妨げずに、葉焼けを防止し、ハウス内の温度上昇を抑制することができることから、例えば、農業用ハウスの外張りとして好適に使用される農業用フィルムとして使用できる。
以下に実施例を示すが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。なお、実施例中に示す結果は以下の方法で評価を行った。
[全光線透過率]
恒温器(PH−102、エスペック社製)の中にシートサンプルを置き、測光検出器(MCPD−6800、大塚電子社製)を用いて各温度における全光線透過率を測定した。20℃における全光線透過率(T20)と60℃における全光線透過率(T60)の差(T20−T60)が13%以上の場合を合格(○)、13%未満の場合を不合格(×)とした。なお、測定波長は550nmとした。
[オレフィン系樹脂(A)]
(A)−1: タフマーA4085S(三井化学、エチレン/1−ブテン=82/18質量%、融点=66℃、屈折率(20℃):1.4981、屈折率(60℃):1.4757)
(A)−2: タフマーA4050S(三井化学、エチレン/1−ブテン=72/28質量%、融点=40℃、屈折率(20℃):1.4857、屈折率(60℃):1.4630)
(A)−3:エバフレックスEV460(三井・デュポンポリケミカル、エチレン/酢酸ビニル=81/19質量%、融点=84℃、屈折率(20℃):1.4979、屈折率(60℃):1.4727)
(A)−4:エバフレックスEV170(三井・デュポンポリケミカル、エチレン/酢酸ビニル=67/33質量%、融点=62℃、屈折率(20℃):1.4850、屈折率(60℃):1.4592)
[無機系充填材(B)]
(B)−1:CF0093(日本フリット、ガラスフィラー、成分:珪酸、アルミナ、ホウ酸、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、フッ素、屈折率:1.50、平均粒径:20μm)
(B)−2:CF0018(日本フリット、ガラスフィラー、成分:珪酸、アルミナ、ホウ酸、酸化カルシウム、酸化亜鉛、屈折率:1.52、平均粒径:20μm)
[その他の樹脂・粒子]
(N)−1:アクリペットMD001(三菱レイヨン、ポリメチルメタクリレート樹脂、屈折率(20℃):1.4992、屈折率(60℃):1.4949)
(N)−2:MX−150(綜研化学、架橋ポリメチルメタクリレート粒子、平均粒径:1.5μm、屈折率:1.49)
(実施例1)
(A)−1及び(B)−1を混合質量比75:25の割合でラボプラストミル(東洋精機社製)を用いて200℃、60回転で5分間混練した。その後、得られた樹脂組成物を熱プレス機で200℃にてプレスし、厚み1mmのシートを作製した。得られたシートについて、全光線透過率の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
(A)−2と(B)−2を混合質量比75:25の割合で混練した以外は実施例1と同様にサンプル作成及び評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
(A)−3と(B)−1を混合質量比75:25の割合で混練した以外は実施例1と同様にサンプル作成及び評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
(A)−4と(B)−2を混合質量比75:25の割合で混練した以外は実施例1と同様にサンプル作成及び評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
(A)−1と(B)−1を混合質量比90:10の割合で混練した以外は実施例1と同様にサンプル作成及び評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
(A)−1と(B)−1を混合質量比60:40の割合で混練した以外は実施例1と同様にサンプル作成及び評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
(A)−1のみを用いてシートサンプルを作製した以外は実施例1と同様にサンプル作成及び評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
(A)−1と(B)−1を混合質量比20:80の割合で混練したところ、材料が脆すぎてシートサンプルを採取できなかった。
(比較例3)
(A)−1と(N)−1を混合質量比75:25の割合で混練した以外は実施例1と同様にサンプル作成及び評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例4)
(A)−1と(N)−2を混合質量比75:25の割合で混練した以外は実施例1と同様にサンプル作成及び評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2017110105
表1の結果より、実施例1〜6に示したシートはいずれも20℃で75%以上の全光線透過率を有する程度に透明性を有し、かつ、20〜60℃の環境温度変化により樹脂組成物を構成する各成分の屈折率の差が生じて全光線透過率が低下し、十分な遮光性を発現していることがわかる。
比較例1はオレフィン系樹脂のみを使用しており、20〜60℃の環境温度変化によって全光線透過率の差がでていない。
比較例2は無機充填材の比率が多過ぎるため、プレスをした時に厚みが均一なシートが得られない。
比較例3は、分散性に劣るアクリル系樹脂を使用しているため、20〜60℃の環境温度変化による全光線透過率の差が生じにくい。
比較例4の光線拡散率を用いたものでも、20〜60℃の環境温度変化による全光線透過率の差は十分とは言えない。

Claims (11)

  1. オレフィン系樹脂(A)95〜30質量%、及び、無機系充填材(B)5〜70質量%を含む樹脂組成物からなる感温性遮光シート。
  2. 全光線透過率の測定波長を550nmとしたとき、20℃における全光線透過率と60℃における全光線透過率の差が13%以上である請求項1に記載の感温性遮光シート。
  3. 前記オレフィン系樹脂(A)が、エチレン・酢酸ビニル共重合体、または、エチレン・α−オレフィン共重合体、または、これらの混合物のいずれかであることを特徴とする、請求項1または2に記載の感温性遮光シート。
  4. 前記エチレン・酢酸ビニル共重合体を構成する酢酸ビニル成分の比率が、10〜40質量%であることを特徴とする、請求項3に記載の感温性遮光シート。
  5. 前記エチレン・α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィン成分の比率が、10〜40質量%であることを特徴とする、請求項3に記載の感温性遮光シート。
  6. 前記無機充填材(B)が、珪酸、ホウ酸、アルミナ、酸化亜鉛、及び酸化カルシウムのいずれか1種以上を主成分としてなるガラスフィラーであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の感温性遮光シート。
  7. 前記無機充填材(B)が、珪酸を主成分としてなるガラスフィラーであることを特徴とする、請求項6に記載の感温性遮光シート。
  8. 前記無機充填材(B)の平均粒径が、0.1μm以上、50μm以下であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の感温性遮光シート。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の感温性遮光シートを少なくとも1層備えた感温性積層遮光シート。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の感温性遮光シートからなる農業用シート。
  11. 請求項9に記載の感温性積層遮光シートからなる農業用シート。
JP2015245301A 2015-12-16 2015-12-16 感温性遮光シート及び農業用シート Pending JP2017110105A (ja)

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